2026年6月25日に岩手県沖で最大震度6強、6月26日には山梨県東部・富士五湖で最大震度6弱の地震が発生しました。
大きな揺れのニュースを見るたびに、「食料や水のストックは足りているか」「簡易トイレは用意できているか」「家具は倒れないか」と不安になる人も多いのではないでしょうか。
災害への備えは大切だと分かっていても、防災用品の備蓄や家具の固定、住宅の耐震化には費用がかかります。そこで確認したいのが、自治体が実施する防災・耐震関連の補助制度です。
この記事では、防災用品の購入、家具転倒防止、住宅の耐震診断・改修、耐震シェルターなど、家庭で取り入れやすい防災・耐震関連の支援を紹介します。
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この記事の目次
地震に備えて、家庭で確認したいこと
地震への備えというと、まず思い浮かぶのは非常食や飲料水かもしれません。しかし、実際に家庭で確認したい備えはそれだけではありません。
停電時に使えるライトや電源、断水時に必要になる簡易トイレ、避難時に持ち出す防災用品、室内でのけがを防ぐ家具固定、そして住宅そのものの耐震性など、見直すべき点は多岐にわたります。
一方で、これらを一度にそろえたり、工事まで進めたりするのは簡単ではありません。そのため、自治体によっては、家庭の防災対策にかかる費用の一部を補助する制度を設けています。
家庭で使える防災・耐震関連の補助金とは
防災や耐震に関する補助制度は、自治体ごとに対象や補助額が異なります。大きく分けると、家庭向けの支援は次の4つのタイプに分けられます。■家具転倒防止器具の購入・設置補助
■木造住宅の耐震診断・耐震改修補助
■耐震シェルター・防災ベッドの設置補助
ここからは、防災・耐震関連の補助制度を4つのタイプに分けて紹介します。
家庭用防災用品の購入費補助
家庭で使う防災用品の購入費を補助する制度です。・非常用持出袋、防災セット
・簡易トイレ、携帯トイレ
・懐中電灯、ランタン
・発電機、蓄電池、モバイルバッテリー
・ヘルメット、アルミブランケット
・給水袋、水タンク
・カセットコンロ、携帯用ラジオ
・家具転倒防止用品、ガラス飛散防止フィルム
鹿児島県南さつま市【家庭用備蓄用品購入費補助事業】
南さつま市では、災害時の在宅避難などに備え、家庭で使う防災用品の購入費の一部を補助しています。防災バッグ、発電機、ポータブル電源、モバイルバッテリー、簡易トイレ、携帯用トイレ、懐中電灯、ランタン、ヘルメット、給水袋、水タンク、カセットコンロなどが対象です。
ただし、電池・ガソリンなどの燃料、飲食物単独での購入は対象外です。2026年4月1日以降に購入した新品の防災用品が対象になります。
【対象】
南さつま市に住民登録のある世帯の代表者で、市税の滞納がない方
【補助額】
購入代金の1/2、上限5万円
【注意点】
・購入代金の合計額が1万円以上であること
・同一世帯につき1回限り
・前年度受給者は対象外
【受付開始】
2026年4月1日から
長野県安曇野市【防災用品購入補助金】
安曇野市では、災害時の在宅避難への備えを進めるため、防災用品の購入費を補助しています。
防災セット、発電機、蓄電池、モバイルバッテリー、懐中電灯、ランタン、簡易トイレ、携帯用トイレ、寝袋、エアマット、カセットコンロ、家具転倒・落下防止器具、感震ブレーカー、ガラス飛散防止フィルムなど、幅広い防災用品が対象です。
この制度は、購入前に事前申請が必要です。交付決定通知が届く前に購入した場合は、補助対象外になるため注意しましょう。
【対象】
安曇野市内に住所を有し、市税等の滞納がない世帯
【補助額】
防災用品購入費の1/3、上限2万円
【注意点】
・同一世帯につき各年度内1回まで
・購入前に交付申請が必要
【申請期間】
交付申請は2026年4月1日〜2027年1月29日
実績報告は2027年3月31日まで
三重県大紀町【防災備えて安心補助金】
大紀町では、個人・各家庭の防災力を高めるため、防災用品を購入する世帯に購入費用の一部を補助しています。
防災カバンセット、非常持出袋、救急セット、ヘルメット、発電機、充電器、消火器、家具転倒防止用品、ガラス飛散防止フィルムなどが対象です。こちらの制度では、保存期間が3年以上の非常食や保存水も対象に含まれています。一般世帯と避難行動要支援者世帯で補助率・上限額が異なる点も特徴です。
【対象】
大紀町に住民登録のある方の世帯
【補助額】
■一般世帯:対象購入費の1/2以内、上限1万円
■避難行動要支援者世帯:対象購入費の3/4以内、上限1万5,000円
【申請方法】
申請書兼請求書に必要事項を記入し、領収書と、確認できる写真または現物を防災安全課または各支所に提出
家具転倒防止器具の購入・設置補助
家具転倒防止用品は、自治体によっては前述の「家庭用防災用品の購入費補助」の対象に含まれる場合があります。一方で、家具や家電の転倒防止に特化して、器具の購入費や設置費を支援する制度を設けている自治体もあります。地震でけがをする原因のひとつが、家具や家電の転倒です。家具転倒防止器具の購入や設置を支援する制度は、比較的取り入れやすい防災対策といえます。
・たんす、食器棚、本棚などの固定器具
・冷蔵庫、テレビなどの転倒防止器具
・ガラス飛散防止フィルム
・照明器具の落下防止器具
・開き戸や棚の開放防止器具
・感震ブレーカー
東京都武蔵野市【家具転倒防止金具等購入費補助事業】
武蔵野市では、地震災害への自助の取り組みとして、家具転倒防止金具などの購入費用を補助しています。全世帯を対象としている点が特徴です。たんす、食器棚、本棚、冷蔵庫、テレビなどに取り付ける転倒防止器具のほか、ガラス飛散防止フィルム、天井吊り下げ式照明器具の落下防止器具などが対象です。ただし、家具転倒防止金具付きの家具や、知人・フリマアプリなどから購入したものは対象外です。
【対象】
武蔵野市内に住所を有し、現に居住する者がいる世帯
※原則、世帯主による申請が必要
【補助額】
購入費用額、上限1万円
【注意点】
・1世帯につき1回限り
・2024年4月1日以降に購入したものが対象(2025年度以前に申請した場合、2026年度は申請不可)
・送料、代引き手数料、取り付け費用などは対象外
【申請方法】
電子申請、郵送、窓口で申請できます。申請には、領収書またはレシート、本人確認書類などが必要です。
東京都文京区【家具転倒防止器具設置助成事業】
文京区では、区内在住者を対象に、家具転倒防止器具の購入・設置費用を助成しています。個人で器具を購入・設置した場合は申請できず、区の協力事業者が器具の用意と設置を行う点に注意が必要です。【対象】
文京区内在住者
※区内住宅1戸につき1回限り
【助成額】
器具購入・設置費用、上限2万5,000円
【注意点】
・これまでに家具転倒防止の助成を受けたことがある方は対象外
・個人で器具を購入・設置した場合は申請不可
【申請方法】
区協力事業者に事前相談した後、申請します。その後協力事業者と日程調整を行います。
香川県丸亀市【丸亀市家具転倒防止対策事業補助金】
丸亀市では、地震発生時に家具などの転倒による被害を軽減するため、家具転倒防止器具などを購入し、自宅に設置する方に補助金を交付しています。2026年度からは、感震ブレーカーも補助対象になりました。L字型金具、ベルト、チェーン式器具、ポール式器具、ストッパー、マット式器具、ガラス飛散防止フィルム、開き戸の開放防止器具、感震ブレーカーなどが対象です。また、65歳以上の高齢者のみの世帯、障がい者のみの世帯、障がい者と65歳以上の高齢者で構成する世帯は、購入費用に加えて取付費用も補助対象になります。
【対象】
丸亀市に住民登録があり、市税の滞納がない世帯主
【補助額】
購入費:上限1万円 (※5,000円まで全額、5,000円を超える部分は2/3を補助)
取付費用:上限5,000円(※取付費は、高齢者のみの世帯や障がい者のみの世帯などが対象)
【注意点】
・自宅に器具を取り付けた後に申請
・交付は1世帯につき1回限り
・転倒防止機能付きの家具類は対象外
・取り付けていない器具は対象外
【申請期間】
2026年4月1日〜2027年3月22日
木造住宅の耐震診断・耐震改修補助
住宅そのものの安全性を確認したい場合は、耐震診断や耐震改修に関する補助制度があります。特に、昭和56年5月31日以前に着工された旧耐震基準の木造住宅は、補助対象になりやすい傾向があります。
自治体によっては、無料で耐震診断士を派遣する制度や、耐震改修工事の費用を補助する制度があります。まず診断で住宅の状態を確認し、必要に応じて補強計画や改修工事に進む流れが一般的です。
・耐震診断の費用補助
・耐震診断士の派遣
・補強計画の作成費用補助
・耐震改修工事の費用補助
・部分改修の費用補助
神奈川県横浜市【木造住宅の無料耐震診断】
横浜市では、木造住宅の耐震化を進めるため、対象となる住宅に無料で耐震診断士を派遣しています。診断士が現地調査を行い、診断後に耐震診断報告書が送付されます。対象は、平成12年5月31日以前に新築工事に着手した、2階建て以下の在来軸組構法の木造住宅です。
【対象】
横浜市内の対象住宅の所有者
※住宅、または住宅として使用されていた空家が対象
【費用】
無料
【注意点】
・申込みは診断実施希望日の2週間以上前に行う必要あり
・予算の都合で早めに受付終了となる可能性あり
・所有者が複数いる場合や賃借人がいる場合は、同意が必要
・過去に市の診断を受けた住宅は原則対象外
【申込期限】
2027年1月29日必着
山口県周南市【木造住宅耐震改修補助制度】
周南市では、地震による住宅被害を防ぐため、木造住宅の耐震改修を行う方に対して、費用の一部を補助しています。対象は、市内にある一戸建ての木造住宅で、昭和56年5月31日以前に着工されたものなどです。
耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満とされた木造住宅を、1.0以上にする耐震改修が対象です。基礎工事、耐力壁工事、屋根工事などが補助対象工事の例として示されています。
【対象】
補助対象となる木造住宅を所有し、市税の滞納がない方
【補助額】
耐震改修に要する費用の4/5以内、上限115万円
【注意点】
・既に契約や着手をしている工事は対象外
・交付決定通知を受けた後に契約・着手する必要あり
・第2期は受付順
・完了報告の期限あり
【募集期間】
第2期:2026年5月29日〜2026年10月30日
岡山県岡山市【木造住宅の耐震診断・耐震改修補助制度】
岡山市では、古い基準で建てられた木造住宅を対象に、耐震診断や耐震改修にかかる費用の一部を補助しています。耐震診断、補強計画、耐震改修まで段階的に支援している点が特徴です。対象は、岡山市内にある一戸建て住宅で、昭和56年5月31日以前に建築工事へ着工した木造住宅などです。耐震診断を受けた結果、耐震性が不足していると判定された場合は、補強計画や耐震改修の補助につながります。
【対象】
対象住宅の所有者で、市税を完納している方
【補助額】
耐震診断:診断経費9万円のうち8万円を補助、自己負担1万円
補強計画:耐震診断と同じ
全体耐震改修:補助率4/5、上限115万円
部分耐震改修:一般世帯は補助率1/2、上限80万円
【注意点】
・受付は先着順
・予算がなくなり次第締切
・耐震診断と補強計画の同時申請は2026年9月30日まで
・年度内に事業が完了するものが対象
【募集期間】
2026年4月13日〜2026年11月30日
耐震シェルター・防災ベッドの設置補助
住宅全体の耐震改修が難しい場合でも、家の中に安全な空間をつくる方法があります。耐震シェルターや防災ベッドは、地震で住宅が倒壊した場合に、居住者の命を守るための設備です。耐震改修が「住宅全体の強さを高める対策」だとすると、耐震シェルターや防災ベッドは「家の中に避難できる空間を確保する対策」です。費用面や工事の規模から住宅全体の改修が難しい場合でも、選択肢になることがあります。
・住宅全体の耐震改修が費用面で難しい
・高齢者や要支援者がいる
・就寝中の地震に備えたい
・まずは一部屋だけでも安全性を高めたい
富山県【耐震シェルター設置・購入支援】
富山県では、市町村と協調して、耐震シェルターの設置・購入を支援しています。耐震シェルターは、地震時に住宅が倒壊しても、生存できる最低限の空間を確保するための箱型の構造体です。
2026年4月現在、高岡市、射水市、氷見市、小矢部市、朝日町の4市1町で支援を行っています。対象は、昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅で、原則として1階に設置する必要があります。
【対象】
昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅
※原則、1階に設置する必要あり
【補助額】
費用の2/3、上限60万円
【注意点】
・対象製品は、地方公共団体が開発に関与したものや、2以上の都道府県で補助対象になっているものなど
・耐震ベッドは支援対象外
・設置、購入前に各市町村窓口への相談・申請が必要
・将来、耐震改修補助制度を利用する場合、補助上限額から耐震シェルター設置補助金額が差し引かれる
神奈川県川崎市【耐震シェルター・防災ベッド設置助成制度】
川崎市では、市内の木造住宅の所有者などに対して、耐震シェルターや防災ベッドを設置するための費用の一部を助成しています。耐震シェルターは住宅の一部屋に安全な空間をつくるもの、防災ベッドは就寝中の安全を確保するため、ベッドにフレームなどを設置するものです。
この制度を利用する前に、必ず耐震診断を行う必要があります。川崎市では無料の耐震診断士派遣制度も行っています。
【対象】
昭和56年5月31日以前に工事着手された木造住宅の所有者など
※耐震診断の結果、地震に対して安全でないと確認された住宅が対象
【補助額】
耐震シェルター・防災ベッドの購入および設置費用の9/10以内
耐震シェルター:上限30万円
防災ベッド・防災テーブル:上限10万円
【注意点】
・事前に耐震診断が必要
・1階に耐震シェルターまたは防災ベッドを設置できること
・市の制度を利用して耐震改修を行っている場合は対象外
・同一住宅で耐震シェルターと防災ベッドを重複して申請することは不可
申請前に確認したいポイント
防災・耐震関連の補助金は、自治体ごとに要件が大きく異なります。特に次の点は、申請前に必ず確認しましょう。・購入前の申請が必要か(購入後の申請でも対象になるか)
・領収書や写真の提出が必要か
・年度内の申請回数に制限があるか
防災用品の補助は少額でも使いやすい一方、耐震改修や耐震シェルターは金額が大きく、事前相談や診断が必要になることがあります。
備蓄・防災・耐震関連の補助金に関するよくある質問
最後に、備蓄・防災・耐震関連の補助金に関するよくある質問を紹介します。モバイルバッテリーは対象になる?
自治体によってはモバイルバッテリーを補助対象の防災用品として指定している場合があります。ただし、電池単独での購入は対象外となる場合もあるため、各自治体の詳細な規定を確認しましょう。
備蓄用のトイレ(簡易トイレ・携帯用トイレ)は対象になる?
断水時の備えとして重要視されており、防災用品の購入費補助を実施する多くの自治体で簡易トイレや携帯用トイレは補助の対象となっています。
家具の転倒防止器具だけでなく、取り付け作業も手伝ってもらえる?
自治体によっては、器具の購入費用だけでなく取付費用の補助や、専門業者の派遣を行っている場合があります。
まとめ
最近地震が多いと感じている人や、実際に揺れを感じて不安になった人は、自宅の備えを一度確認してみましょう。防災用品の購入、家具転倒防止、耐震診断・耐震改修などには、自治体の補助制度を使える場合があります。まずは、お住まいの自治体名と「防災用品 補助金」「家具転倒防止 補助金」「耐震診断 補助金」などのキーワードで検索し、自宅に必要な備えと利用できる制度を確認してみてください。
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