南海トラフ巨大地震や首都直下地震は、いつ起こってもおかしくないと指摘されています。住宅全体の耐震改修工事には100万円を超える費用がかかることも多く、なかなか踏み切れない方は少なくありません。
そこで注目されているのが、比較的少ない費用で設置できる「耐震シェルター」や「防災ベッド」です。全国の多くの自治体では、これらの設置費用を補助する制度が設けられています。今回は、耐震シェルター・防災ベッドの補助金について、全国に共通する制度のパターンと、東京都内の自治体別の助成額をまとめました。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する
この記事の目次
古い木造住宅の地震対策|耐震シェルター・防災ベッドとは
大きな地震が起きると、家屋の倒壊によって被害が拡大します。特に昭和56年(1981年)5月以前に建てられた旧耐震基準の木造住宅は、現在の耐震基準を満たしておらず、倒壊のリスクが高いことが指摘されてきました。
一方で、住宅全体の耐震改修工事には予算的な負担が伴います。耐震シェルターや防災ベッドは、こうした耐震強度に不安のある建物に住む人が、比較的手軽に命を守るための設備です。
耐震シェルターとは
耐震シェルターは、鉄骨などの強固な構造体で作られた小部屋で、寝室や居間などの居住空間に設置します。地震の際にこの中に避難することで、建物が倒壊しても安全な空間を確保し、身を守ることができます。
住みながら設置工事ができ、耐震改修工事に比べて工期が短く低コストな点が特徴です。
防災ベッド(耐震ベッド)とは
防災ベッドは、頑丈な鋼鉄製のフレームでベッドの上部を覆った設備です。普段は通常のベッドとして使用しながら、地震時には落下してくる建材や家具からの衝撃を防ぎます。就寝中の地震に即座に対応できる点が大きな利点です。
設置費用の目安と補助金でどこまで安くなるか
耐震シェルターや防災ベッドは、製品にもよりますが数十万円程度から設置できるものが多く、住宅全体の耐震改修と比べて安価です。
さらに補助金を活用すれば、自己負担を大きく抑えられます。たとえば助成率9/10・上限50万円の制度がある自治体で30万円の防災ベッドを設置する場合、27万円が補助され、自己負担は3万円で済む計算です。
自治体によっては費用の全額(上限あり)を助成するところもあります。
耐震シェルター・防災ベッド補助金の共通パターン【全国】
耐震シェルター・防災ベッドの補助制度は全国の自治体に広がっていますが、制度設計には共通するパターンがあります。お住まいの自治体の制度を探す際の目安にしてください。
対象になりやすい住宅:旧耐震基準(昭和56年5月以前)の木造住宅
多くの自治体で、昭和56年5月31日以前に建築(着工)された旧耐震基準の木造住宅が対象です。また、耐震診断の結果、耐震性が不足している(上部構造評点1.0未満など)と判定されていることを条件とする自治体が一般的です。
近年は、昭和56年6月から平成12年(2000年)5月までに建てられた、いわゆる「新耐震基準の木造住宅(81-00住宅)」まで対象を拡大する自治体も増えています。
対象になりやすい世帯:高齢者・障害のある方・非課税世帯
耐震シェルター・防災ベッドは「住宅全体の耐震化が難しい方のための、命を守る最低限の備え」という位置づけのため、以下のような世帯を対象としたり、助成率を優遇したりする自治体が多くなっています。
・身体障害者手帳などをお持ちの方がいる世帯
・住民税非課税世帯や、年間所得が一定額以下の世帯
共通の注意点
耐震シェルター・防災ベッドの補助制度を活用する際は、以下の点に注意してください。
【必ず契約・着工前に申請する】
ほぼすべての自治体で、工事契約後・設置後の申請は受け付けられません。交付決定前に契約すると補助金を受け取れなくなるため、まずは自治体の担当窓口に相談しましょう。
【対象製品が指定されている】
東京都が公表しているパンフレット「安価で信頼できる木造住宅の『耐震改修工法・装置』の事例紹介」の装置部門で選定された製品を対象とする自治体が、東京都外も含めて多く見られます。
【予算・件数に限りがある】
年度ごとの予算枠や助成予定件数が設定されているため、早めの相談・申請がおすすめです。
自分の自治体の制度を探す方法
お住まいの自治体の制度は、「市区町村名+耐震シェルター 補助金」「市区町村名+防災ベッド 助成」などで検索するか、自治体の建築・住宅・防災担当課に問い合わせて確認できます。「耐震改修助成」の一部として、シェルター等の設置(簡易耐震改修)が組み込まれている場合もあります。
東京都の耐震シェルター補助金まとめ
東京都内では、多くの区市町村が耐震シェルターや防災ベッドの設置に使える助成制度を設けています。主な自治体の助成内容は以下のとおりです。
※助成率・上限額は2026年8月時点の各自治体公式サイトに基づきます。年度途中で受付が終了する場合や、要件が変更される場合があるため、申請前に必ず各自治体の公式ページ・担当窓口でご確認ください。
| 自治体・制度名 | 対象設備 | 助成率 | 上限額 | 公式ページ |
|---|---|---|---|---|
| 千代田区 木造住宅の耐震化促進助成 | 耐震シェルター・ベッド | 10/10 | 40万円 | 公式ページ |
| 新宿区 耐震シェルター、耐震ベッド設置への助成 | 耐震シェルター 耐震ベッド | 9/10 | 45万円 35万円 | 公式ページ |
| 墨田区 住宅耐震改修促進助成事業(耐震装置設置) | 耐震シェルター等 | ―(※1) | 最大80万円 | 公式ページ |
| 豊島区 耐震シェルター等設置助成事業 | 耐震シェルター・耐震ベッド | 10/10 | 60万円 | 公式ページ |
| 荒川区 高齢者等防災ベッド設置支援事業 | 防災ベッド | 9/10 | 50万円 | 公式ページ |
| 目黒区 耐震シェルター等設置助成制度 | 耐震シェルター等 | 10/10 | 50万円 | 公式ページ |
| 練馬区 耐震シェルター・防災ベッド設置の助成制度 | 耐震シェルター・防災ベッド | 9/10 | 50万円 | 公式ページ |
| 町田市 耐震シェルター等設置助成 | 耐震シェルター等(一般世帯) 耐震シェルター等(高齢者世帯・障がい者等世帯) | 1/2 9/10 | 20万円 50万円 | 公式ページ |
| 府中市 木造住宅耐震診断・耐震改修等助成事業 | 耐震シェルター等 | 3/4 | 30万円 | 公式ページ |
| 瑞穂町 簡易耐震改修費助成事業 | 耐震シェルター・防災ベッド | 6/10 | 50万円 | 公式ページ |
詳しい要件や申請方法は、各自治体の公式ページをご確認ください。
東京都以外の補助金の例
耐震シェルター・防災ベッドの補助制度は、東京都以外の自治体でも実施されています。代表的な例を紹介します。
横浜市|防災ベッド等設置推進事業
横浜市では、防災ベッド・テーブルは上限20万円、耐震シェルターは上限40万円で、装置本体の購入費用を補助しています。耐震シェルターは1住宅あたり1件、防災ベッド・テーブルは1人あたり1件までです。名古屋市|耐震シェルター・防災ベッドの設置助成
名古屋市では、市の無料耐震診断で判定値1.0未満とされた旧耐震の木造住宅を対象に、補助対象経費の2分の1以内(上限30万円)、非課税世帯は4分の3以内(上限45万円)を補助しています。静岡県|耐震シェルター・防災ベッド整備事業
東海地震対策「TOUKAI-0」に長年取り組んできた静岡県では、県として事業の枠組みを設け、県内市町が窓口となって助成を行っています。昭和56年5月31日以前に建築された県内の木造住宅が対象で、設置は住宅の1階に限られます。まとめ
災害は、いつ起こるかわかりません。食料や水の備蓄とともに、身の安全を守る住まいの対策も、日ごろから見直しておきたいところです。耐震シェルターや防災ベッドは、倒壊の危険のある家屋の中で命を守るための備えです。補助制度は東京都に限らず全国の自治体に広がっており、高齢者や障害のある方がいる世帯を中心に、自己負担を大きく抑えて設置できます。
なお、補助金を受け取るには対象要件を満たしたうえで、必ず契約・着工前に申請する必要があります。設置を検討されている方は、まずお住まいの自治体の担当窓口に、要件や申請期限などの詳細をお問い合わせください。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する


