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東京都助成金まとめ!最大800万円の東京都中小企業向け経営展開サポート事業とは

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長引く円安や世界的に不安定な社会情勢を背景に、中小企業にとっては苦難の時期が続いています。その反面、賃上げや労働環境の整備などの社会的ニーズは、高まりを見せています。従業員の生活の安定と企業成長を両立させるには、国や自治体の支援も不可欠です。

そこで今回は、中小企業が東京都で使える支援事業をまとめました。

今年から始まった注目の「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」もあわせて紹介します。

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この記事の目次

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東京都の中小企業を対象とした補助金

東京都では、中小企業を対象とした補助金や助成金がたくさん設置されています。今回はその中で、社会的ニーズに応える企業を支援する、以下の制度を紹介します。

東京都既存非住宅省エネ改修促進事業補助金
中小企業における危機管理対策促進事業補助金
DX推進支援事業補助金
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業

それぞれの詳細を見ていきましょう。

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東京都既存非住宅省エネ改修促進事業補助金

都内の中小企業等が所有している事務所等の、省エネ化の促進に関する取組を支援します。2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減する「カーボンハーフ」の実現を目指す企業が対象です。

補助対象者と補助事業

【補助対象者】
補助対象者は、個人事業主を含む中小企業者等です。学校法人や一般社団法人等も含まれます。また、補助対象となる建築物の主な要件は、以下のとおりです。

①一戸建ての住宅、長屋、共同住宅、下宿若しくは寄宿舎以外の建築物またはその部分
②延べ面積が10,000㎡以下であるもの
➂耐震性が確保されているもの

【補助事業】
補助の内容と対象経費は、以下の①~➂です。

①省エネ診断:現在の省エネ性能を知るための「省エネ診断」で以下の経費が対象
省エネ診断に係る費用
省エネ診断に必要となる調査等のための費用
BELSの評価・認証を受けるために必要な費用
②省エネ設計:省エネ性能向上に必要な改修内容を知るための「省エネ設計」で以下の経費が対象
省エネ改修を行うために必要な調査・設計・計画策定等に係る費用
改修設計内容についてBELSの評価・認証を受けるために必要な費用
➂省エネ改修:窓などの断熱化と設備の効率化を図るための「省エネ改修」で以下の経費が対象
省エネ基準相当又はZEB水準相当まで省エネ性能が向上する省エネ改修工事に係る費用

交付額と公募期間

それぞれの事業の補助率や上限額は、以下のとおりです。

項目 補助率
省エネ診断 2/3
省エネ設計 2/3
省エネ改修 23%

【上限額】
・省エネ基準に相当する場合 建物全体(または改修部分)の床面積×5,600円/m2
・ZEN水準に相当する場合 建物全体(または改修部分)の床面積×9,600円/m2

【公募期間】
公募期間は、令和6年4月1日(月)から令和7年3月31日(月)までです。

参考:東京都既存非住宅省エネ改修促進事業補助金

DX推進支援事業補助金

都内中小企業が生産活動やサービス提供等において、デジタル技術を用いた企業変革や生産性向上を図るために必要な経費を助成します。

人手不足が一層深刻化し将来の労働力減少が見込まれる中小企業を支援し、継続的な成長・発展とDX推進の取組に寄与することが目的です。

補助対象者と補助事業

【補助対象者】
「DX推進支援事業」におけるアドバイザーによる支援を受け、アドバイザーによる提案書の内容に基づいた、機器・システム等の導入を検討している都内中小企業者等が対象です。

【補助事業】
補助事業の内容は、以下の2つです。

生産性向上コース
デジタル技術を活用した新たな取組で、次の双方を満たす取組

・将来にわたり、継続的に自社業務の生産性の向上を図る取組であること
・DX推進支援事業(生産性向上コース)のアドバイザー派遣において、課題解決のために必要と認められた取組であること
DX戦略策定支援コース
データとデジタル技術を活用し、企業変革に向けたDX推進を図る取組で、次のすべてを満たす取組

・将来にわたり、継続的にDX化を図る取組であること
・DX戦略が具体化していること
・DX推進支援事業のアドバイザー派遣(DX戦略策定支援コース)において、課題解決のために必要と認められた取組であること

補助対象経費

  • 機器・ロボット導入費
  • システム構築費
  • ソフトウェア導入費
  • クラウド利用費
  • データ分析費

交付額と公募期間

コース 対象 助成率
生産性向上コース 中小企業者 1/2
小規模企業者 2/3
DX戦略策定支援コース 中小企業者等 2/3

上限額は、3,000万円です。

【公募期間】
事前予約期間に予約し、必要な申請書類と添付書類を準備します。その後、申請期間内にjGrantsで書類を提出するというのが、申請の一連の流れです。令和6年度第1回の募集は終了し、第2回の事前予約は11月頃の開始を予定しています。

参考:DX推進支援事業補助金

中小企業における危機管理対策促進事業補助金

東京都と東京都中小企業振興公社は、中小企業を取り巻くさまざまなリスクに対して実効性ある事業継続対策を後押しする制度を複数設置しています。

令和6年度助成の内容は、以下のとおりです。

【BCP実践促進助成金】策定したBCPの実行に必要な、設備購入を助成します。

■助成対象者
BCP策定支援講座等を受講するなどしてBCPを策定し、実践する都内中小企業者等

■助成対象経費
策定されたBCPを実践するために必要な設備・物品の購入、設置に関する経費

・自家発電装置、蓄電池
・安否確認システム
・備蓄品
・土嚢、止水板 など

【LED照明等節電促進助成金】LED照明等、工場の節電対策設備導入を助成します。

■助成対象者
都内で製造業を営む中小企業者等

■助成対象経費
節電診断等の結果に基づいた、工場建物内の以下の節電対策設備設置に関する経費

・LED照明器具
・デマンド監視装置
・進相コンデンサ
・インバータ
・その他付帯設備

【サイバーセキュリティ対策促進助成金】情報資産を守るためのキュリティ対策を助成します。

■助成対象者
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のセキュリティ・アクション二つ星を宣言している都内中小企業者等

■助成対象経費
自社のサイバーセキュリティ対策を実施するために必要な、以下の機器・サービス等の導入・更新に関わる経費

①UTM等
複数のセキュリティ機能を統合したアプライアンス製品

②ネットワーク脅威対策製品
FW、VPN、不正侵入検知システム等

➂コンテンツセキュリティ管理製品
ウイルス対策、スパム対策等

④システムセキュリティ管理製品
アクセスログ管理等

⑤暗号化製品
ファイルの暗号化等 など

交付額と公募期間

助成率と助成限度額は、以下のとおりです。

助成率 1/2 (BCPの小規模企業は2/3以内)
助成限度額 1,500万円

【公募期間】
第1回募集は、令和6年5月13日に締め切られました。第2回以降のスケジュールは、以下のとおりです。

申請エントリー受付期間 電子申請受付期間 交付決定 助成対象期間
第2回 令和6年9月9日(月)~13日(金) 令和6年9月9日(月)~13日(金) 令和6年11月下旬 令和6年12月1日~令和7年3月31日
第3回 令和7年1月8日(水)~15日(水) 令和7年1月8日(水)~15日(水) 令和7年3月下旬 令和7年4月1日~7月31日

参考:中小企業における危機管理対策促進事業補助金

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業

「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」は今年注目の東京都の助成金で、ポストコロナ等における事業環境の変化を課題と捉え、対応策を講じる事業者を支援する事業です。

本事業は助成率2/3、最大800万円の支援が受けられ、設備等導入費やシステム等導入費、不動産賃借料、販売促進費など幅広い経費が対象になります。公募回数は全部で12回を予定しており、来年3月まで公募申請のチャンスがあります。

対象となる取組は、既存事業の「深化」と「発展」を目指す取組ですが、これまで営んできた事業内容との関連性が薄い取組や、法令改正への対応、競争力や生産性の向上に寄与しない取組は対象外です。ここから、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業について、さらに詳しくみていきましょう。

事業目的

コロナ後の需要回復や消費者ニーズの変化への即応は、中小企業にとって喫緊の課題です。しかしエネルギーや原材料価格、人件費の高騰が長期化し、企業活動に大きな負担を与えています。

本事業ではこうした問題の解決につなげるため、中小企業が創意工夫を活かして、既存事業を深化・発展させる計画を作成した場合の各種支援を展開します。都内中小事業者の経営基盤を強化することが目的です。

誰が対象になる?対象者要件

対象事業者の主な要件は、以下のとおりです。

主な要件
①都内の中小企業者
②下記のいずれかに該当すること
- 直近決算期の売上高が「2019年の決算期以降のいずれかの決算期」と比較して減少している
- 直近決算期において損失を計上している
➂令和6年度において、本事業で1度も交付決定を受けていないこと
④申請事業の実施場所に応じて、以下の条件を満たすこと(個人事業者の場合は、納税地が都内にあること)
- 実施場所:東京都内
- 条件:東京都内に本店または支店がある
- 実施場所:神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県のいずれか
- 条件:東京都内に本店がある
⑤暴力団関係者や風俗営業者等でないこと
- 同一テーマ・内容で、ほかの助成等を受けていないこと
- 事業税等を滞納(分納)していないこと
- 過去5年間に、助成事業等に関する不正等の事故を起こしていないこと
- 助成事業の継続について不確実な状況が存在しないこと
- 必要な許認可を取得し、関係法令を遵守していること
- その他、公社が公的資金の助成先として適切でないと判断するものではないこと

どんな事業が対象になる?助成対象事業は?

支援の対象となる取組は、「これまで営んできた事業の深化または発展」に注力し、経営基盤の強化につながると認められるものです。取組の実施に必要な費用の一部が補助されます。

【具体的な取組例】
ポストコロナ等における事業環境の変化を課題と捉え、その対応策として実施される取組が対象です。「深化」と「発展」、それぞれの取組例は、以下のとおりです。

①既存事業の「深化」= 経営基盤の強化に向け、既に営んでいる事業自体の質を高めるための取組
・高性能な機器、設備の導入等による競争力強化の取組
・既存の商品やサービス等の品質向上の取組
・高効率機器、省エネ機器の導入等による生産性の向上の取組
②既存事業の「発展」= 経営基盤の強化に向け、既に営んでいる事業を基に、新たな事業展開を図る取組
・新たな商品、サービスの開発
・商品、サービスの新たな提供方法の導入
・その他、既存事業で得た知見等に基づく新たな取組

なお、対象となる取組であっても、審査の結果不採択となる場合があります。

いくらもらえる?助成率・上限額

助成率と補助上限額は、以下のとおりです。

■助成率:2/3
■助成限度額:800万円

【助成金申請額の計算方法】
助成金申請額は、経費項目ごとに2/3を乗じて計算します(千円未満切り捨て)。詳細は以下の図も参照してください。

出典:募集要項

助成対象経費

主な助成対象経費は、以下のとおりです。

原材料・副資材費
原材料、副資材、部品等の購入に要する経費
機械装置・工具器具費
機械装置・工具器具等を新たに購入・リース・レンタルする際に要する経費
委託・外注費
・委託費
・外注費
・共同研究費
・市場調査費
市場調査費のみの申請はできません。
産業財産権出願・導入費
・特許権、実用新案権等の出願に要する経費
・特許権、実用新案権等を、他の事業者から譲渡または実施許諾を受けるための経費
規格等認証・登録費
・規格適合、認証の申請・審査・登録に要する経費
・規格等認証・登録に係る外部専門家の技術指導等に要する経費
設備等導入費
設備・備品等の購入費およびそれらの設置工事等に直接必要な経費
システム等導入費
システム構築、ソフトウェア・ハードウェア導入、クラウド利用等に要する経費
専門家指導費
外部の専門家から専門技術等の指導・助言を受けるための経費
不動産賃借料
事務所、施設等を新たに借りるための経費
販売促進費
既存事業の「発展」による、新たな商品・サービス等の販売促進経費についてのみ申請可能です。販売促進費のみの申請はできません。
・自社Webサイト制作・改修費
・印刷物製作費
・PR動画製作費
・広告費
・出展小間料
・資材費
・輸送費
・通訳費
・オンライン出展基本料
・ECサイト出店初期登録料
上限は200万円です。
その他経費
本事業の取組に直接必要な経費で、他の経費区分に属さないもの
上限は100万円です。

【対象外経費】
以下の経費は、対象外です。

  • 助成事業に直接関係のない経費
  • 事前承認を得ずに変更等を行った場合の経費
  • 現金、他社発行の手形・小切手等、指定の支払い方法以外の方法で支払った経費
  • 直接人件費
  • 租税公課
  • 振込手数料、通信費、光熱費などの間接経費
  • 借入金等の支払利息、損害遅延金、分割手数料、振込手数料、代引手数料、土地・建物、車両等の購入に要する経費
  • テレビ、パソコンなど、汎用性があり目的外使用になり得るもの
  • 中古品の購入、レンタル・リースに要する経費
  • 支払いに際し、ポイントカード等によるポイントを取得・利用した場合のポイント分
  • 公的な資金の使途として社会通念上、不適切と認められる経費

申請方法とスケジュール※11月1日更新

それでは申請方法について見ていきましょう。申請は電子システムにて行います。また、現時点で第12回までの募集が予定されています。申請方法の詳細と、申請期間のスケジュール等は、次のとおりです。

【申請方法】
申請には、デジタル庁が運営する電子申請システムjGrants(Jグランツ)を利用します。電子申請のみ可能です。jGrantsにログインし、必要事項を入力して、申請書類等をアップロードしてください。

なお、jGrantsでの申請には、GビズID(プライムアカウント)が必要です。アカウントの取得には時間がかかるため余裕を持って、申請準備を行いましょう。

【申請期間】
第8回:令和6(2024)11月1日(金)9時~11月14日(木)16時
公式サイトによると、これまで申請開始直後に予定数に達していましたが、今回は受付期間中であれば全ての申請を受け付けるとのことです。

なお、第8回以降の受付期間は、以下の表を参照してください。第9回は12月2日からの予定です。

出典:東京都中小企業振興公社

【スケジュール】

出典:募集要項

申請に必要な書類とは?

申請に必要な主な書類は、以下のとおりです。

申請様式
誓約書
・反社会的勢力排除に関する誓約書
・助成金申請に関する誓約書
履歴事項全部証明書または開業届
法人事業税納税証明書または個人事業税納税証明書
法人都民税納税証明書または住民税非課税証明書
決算書【損益計算書】または所得税確定申告書

時代の変化をチャンスに変える補助金活用

「ポストコロナ」が意識される昨今ですが、企業をとりまく環境は、かならずしも十分な回復を見せていません。帝国データバンクの調査では、「コロナ禍が終わった」と回答した企業は40.2%にとどまります。中小企業では、38.8%です。約3割の企業は「コロナ禍はまだ終わっていない」と答えました。

出典:帝国データバンク コロナ禍の終焉に関する企業アンケート

取引先への訪問等の制限がなくなる一方で、観光業では稼働率の回復が遅れるなど、業務内容や業種間における肌感覚の差も出ているようです。

時代の変化は、ビジネスにとってはチャンスでもあります。しかし新しいニーズへ迅速な対応ができるかどうかは、その後の企業成長に大きな影響をもたらします。

補助金等を活用し、初期の資金調達をスムーズに行うことが、その後の業績の伸びに差を生むことになるのです。

まとめ

東京都の設置した支援事業では、省エネやDX化をはじめとする、新たなニーズへ対応する取組が支援の対象です。また、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業では、既存の事業の深化または発展を目指す取組が支援されます。

社会が大きな変化を迎えた今、企業にも変革が求められています。国や自治体の支援制度を上手に活用し、将来に向けた、持続可能な成長を目指す取組を行いましょう。

参考:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(経営改善計画策定による経営基盤強化支援)(一般コース)

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