観光庁の「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業」の公募期間が延長されました。当初は2026年9月25日(金)で締め切られる予定でしたが、2027年1月29日(金)17時必着まで受付が続いています。
地震や豪雨、猛暑、クマの出没――。訪日外国人旅行者が地方まで足を延ばすようになった今、言葉や土地勘のない旅行者を非常時にどう守るかは、観光地にとって避けて通れない課題ではないでしょうか。
本事業は、観光施設の非常用電源や災害用トイレ、多言語サイネージや多言語対応AED、医療機関のキャッシュレス決済、自治体の観光危機管理計画づくりまでを、国が最大2/3補助する制度です。ただし、予算がなくなり次第、予告なく受付が終わります。
この記事では、延長後のスケジュールと「今から申請して間に合うのか」、補助メニューごとの対象経費、申請の流れと必要書類を、2026年10月9日時点の公式情報をもとに解説します。
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この記事の目次
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業とは?
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は、災害や急病などの非常時に訪日外国人旅行者の安全・安心を確保するための設備整備や計画づくりを、国が補助する制度です。観光庁が所管する「地域における受入環境整備促進事業補助金」のメニューのひとつで、今回の公募は令和7年度補正予算で実施されています。
補助メニューは次の4つです。
| 補助メニュー | 主な対象者 | 主な整備内容 |
|---|---|---|
| ①災害時の観光施設等における避難所機能の強化 | 観光施設・観光案内所・観光地の店舗等 | 非常用電源装置、災害用トイレ、充電設備、備蓄倉庫、災害用ドローン、熱中症対策設備など |
| ②観光客の安全・安心に資する観光施設等における多言語対応機能の強化 | 観光施設・観光案内所・観光地の店舗等(宿泊・交通施設を含む) | 多言語デジタルサイネージ、翻訳タブレット、多言語対応AED、クマ対策の多言語看板、Wi-Fiなど |
| ③訪日外国人患者受入機能の強化 | 病院・診療所・歯科診療所 | キャッシュレス決済環境、院内の多言語表示・多言語HP、翻訳機器など |
| ④災害時等における観光危機管理の強化 | 地方公共団体 | 観光危機管理計画の策定・改定、計画に基づく訓練 |
4つのメニューの対象者と補助率を1枚にまとめると、次のようになります。①〜③は補助率1/2、④だけが自治体向けで最大2/3です。
【2026年10月最新】公募期間はいつまで?延長後のスケジュール
令和7年度補正予算分の公募期間は、2026年2月2日(月)〜2027年1月29日(金)17時必着です。観光庁は2026年9月11日に公募ページを更新し、当初の締切(2026年9月25日)を延長しました。2026年10月9日時点で受付は続いていますが、予算に達した時点で予告なく終了します。延長後の主な日程は次の図のとおりです。公募締切と、事業を終わらせる期限(補助対象期間の終了)がわずか2か月しか離れていない点に注意してください。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募期間 | 2026年2月2日(月)〜2027年1月29日(金)17時必着 |
| 審査結果の通知 | 原則、応募した月の翌月末が目安 |
| 補助対象期間 | 令和8年1月14日〜令和8年3月31日(繰越明許により繰り越された場合は令和9年3月31日まで) |
| 年度内に完了しない見込みの場合の事前相談 | 2027年1月8日(金)までに地方運輸局等へ |
| 状況報告書の提出(年度内に完了しない場合) | 2027年3月5日(金)まで |
| 完了実績報告書の提出期限 | 事業完了から1か月後、または2027年4月8日のいずれか早い日(可能なら3月5日までに提出) |
今から申請しても間に合う?
結論として、申請自体は2027年1月29日まで可能ですが、遅く出すほど事業に使える期間が短くなります。
審査結果は応募した月の翌月末が目安です。たとえば2027年1月に応募すると、結果が届くのは2月末ごろ。そこから交付申請・交付決定を経て発注・納品・支払いまでを、補助対象期間が終わる3月31日までに済ませる必要があります。事業は交付決定を受けてから開始する流れのため、発注は交付決定後になります。
工事を伴う非常用電源やトイレ改修、納期のかかるサイネージなどを予定している場合は、2026年内の応募を目安に準備を進めるのが現実的です。
前回(令和6年度補正)の公募から変わった点は?
令和7年度補正予算分では、多言語対応メニューの対象施設が広がり、自治体の観光危機管理の補助率が上がりました。主な変更点は次のとおりです。
| 項目 | 前回(令和6年度補正) | 今回(令和7年度補正) |
|---|---|---|
| 公募期間 | 令和7年12月2日〜令和8年1月30日 | 令和8年2月2日〜令和9年1月29日(延長後) |
| メニュー②の名称 | 災害時の観光施設等における多言語対応機能の強化 | 観光客の安全・安心に資する観光施設等における多言語対応機能の強化 |
| メニュー②の対象施設 | 宿泊・交通施設は対象外 | 宿泊事業・交通事業に係る施設も対象 |
| 観光危機管理の強化の補助率 | 1/2(上限500万円) | 都道府県2/3、市区町村は原則1/2(条件を満たせば2/3)、上限500万円 |
| 新たに明記された対象経費 | ― | 災害用ドローン、熱中症対策設備、衛星通信環境、クマ対策の多言語看板など |
| 交付要綱・交付要領 | ― | 令和8年1月14日改正・施行 |
補助率と上限額はいくら?
補助率は①〜③のメニューが補助対象経費の1/2以内、④観光危機管理の強化が最大2/3(上限500万円)です。①〜③には補助上限額の定めがありません。
| 補助メニュー | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| ①避難所機能の強化 | 1/2以内 | 定めなし |
| ②多言語対応機能の強化 | 1/2以内 | 定めなし |
| ③訪日外国人患者受入機能の強化 | 1/2以内 | 定めなし |
| ④観光危機管理の強化(都道府県) | 2/3以内 | 500万円 |
| ④観光危機管理の強化(市区町村) | 1/2以内(所在する都道府県が観光危機管理計画等を策定済み、または策定予定とみなせる場合は2/3以内) | 500万円 |
交付決定額は申請額から減額されることがあり、事業費が増えても交付額は増えません。また、申請時は消費税の仕入控除税額を補助対象経費から差し引いて計上します。
ほかの補助金と併用できる?
同じ事業計画で国の他の補助金を受けている、または受けることが決まっている場合は対象外です。一方、都道府県や市区町村が独自に出す補助金とは併用できます。ただし、その自治体の補助金の財源が国費である場合は併用できません。
自治体の補助金を見込む場合は、交付決定書など補助(予定)額を確認できる資料を申請時に添付します。
どんな地域・施設が対象になる?立地要件と優先採択
本事業を使えるのは、訪日外国人旅行者の受入れ体制を一定程度整えている地域、または訪日外国人旅行者の誘致など観光振興に意欲のある地域で行う事業です。そのうえで、次の事業は優先的に採択されます。
- 「非常時における外国人旅行者の安全・安心の確保に向けた指針」に基づき、観光危機管理計画を策定した地域の事業
- 「地域防災計画」等で訪日外国人旅行者の避難計画等を定めた地域の事業
- 日本政府観光局(JNTO)の外国人観光案内所認定制度で上位カテゴリーに認定済み、または認定見込みの観光案内所を対象とする事業
民間事業者が申請する場合は、施設が所在する地方公共団体の意見書(応募要領の別紙12)を事業計画書に添付する必要があります。自治体との事前調整は早めに始めましょう。
①避難所機能の強化では何が補助される?
避難所機能の強化は、災害時に訪日外国人旅行者が身を寄せられるよう、観光施設等に非常用電源や災害用トイレ、充電設備などを整備するメニューです。補助率は1/2以内です。
対象施設と要件
訪日外国人旅行者が毎年一定数訪れている(または訪れると推定される)次の施設等が対象です。宿泊事業・交通事業に係る施設の整備は、このメニューでは対象外です。
- 神社、寺院、教会
- 城跡、城郭、宮殿
- 庭園、公園
- 動植物園、水族館
- 博物館、美術館
- テーマ公園、テーマ施設
- JNTO認定(または認定見込み)の外国人観光案内所
- 「道の駅」「みなとオアシス」等
- 上記以外で訪日外国人旅行者の利用が見込まれる観光施設等(施設の性質によっては対象外の場合あり)
整備した施設には、災害時の運用について次のような要件が課されます。
- 災害時の利用について、関係する地方公共団体との調整が整っていること
- 業務時間内の災害では、安全確認のうえ可能な限り業務を継続すること
- 業務時間外の災害でも、訪日外国人旅行者の相談が見込まれる場合は速やかに業務を始めること
- 災害情報・交通の運行状況・宿泊や避難の情報を案内し、充電・トイレ・避難所の利用を無料で提供すること(サービス内容は多言語で表示)
- 英語などの外国語で対応できること
対象経費
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| トイレ | 洋式便器の新設・増設、和式の洋式化、温水洗浄便座化、清潔機能の向上、自動水栓化、室内空調、多言語・ピクトグラムの案内表示 |
| 災害用トイレ | 訪日外国人旅行者が災害時に使用するトイレの整備 |
| 非常用電源装置 | 蓄電池システム、発電機、太陽光発電等(外部電源・燃料が途絶えても対応業務を続けられる容量が必要) |
| 情報端末への電源供給機器 | 旅行者のスマートフォン等を充電する機器 |
| 避難所機能に係る施設整備・改良 | 備蓄倉庫、避難スペース等 |
| 衛星を利用した通信環境 | 災害時の情報発信や大使館等への連絡に必要な通信機器 |
| 案内標識・案内表示 | 上記設備の場所や使い方を示す多言語・ピクトグラムの看板 |
| 災害用ドローン | 災害時の情報収集や避難誘導を目的としたドローン(DIPSへの登録が必要) |
| 熱中症対策設備 | 避難所の熱中症対策に資する設備 |
| その他 | 避難所機能の強化に附随する経費 |
- 充電機器や衛星通信環境だけの申請は原則できません。非常用電源装置をすでに備えているか、本事業で同時に整備する場合に限り対象です。
- トイレでは、和式便器の整備、舗装・アプローチ・外部配管・浄化槽など周囲の整備、躯体の新設、発電設備・ポンプ等の機械設備は対象外です。
- 利用料を払わないと入れない施設内のトイレや、主に地域住民が使うトイレも対象外です。
- 災害用ドローンは、国土交通省のドローン情報基盤システム(DIPS)に登録していないと補助金の返還を求められることがあります。
②多言語対応機能の強化では何が補助される?ホテル・旅館も使える?
多言語対応機能の強化は、非常時の情報を外国語で伝えるための設備や研修を補助するメニューです。補助率は1/2以内で、今回の公募からホテル・旅館などの宿泊施設や交通事業の施設も対象になりました。①避難所機能の強化と同じ観光施設等に加えて、宿泊・交通施設が申請できます。
対象経費
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| デジタルサイネージ | 災害時の情報を多言語で発信するサイネージの整備(コンテンツ作成を含む)。既存サイネージにJアラート等を多言語表示する受信機器・システム改修も対象 |
| 多言語案内・翻訳用タブレット端末 | スタッフが旅行者へ直接情報を伝えるためのタブレットと付属品 |
| 多言語案内・翻訳システム機器 | スタッフの多言語対応を目的とした翻訳機器と付属品 |
| 案内標識 | 観光案内所や避難所等の場所を示す多言語の案内標識 |
| 掲示物・配布物 | 避難所マップ等の多言語掲示物・配布物(翻訳費を含む) |
| ホームページ | 災害時情報を多言語で発信するHPの新規作成、既存HPの多言語化・スマートフォン対応改修(スマホ対応は必須) |
| 案内放送 | 館内・場内放送の多言語化 |
| クマ対策 | クマ被害防止のための多言語の注意喚起看板等 |
| 無料公衆無線LAN | 上記設備の利用に必要なWi-Fi環境 |
| 多言語対応拡声器 | 複数言語で避難情報を伝える機器 |
| 多言語対応AED | 多言語で救命措置を案内できるAED |
| スタッフ研修 | 多言語対応研修、視察研修、災害対応訓練研修 |
| その他 | 多言語対応機能の強化に附随する経費 |
多言語表示とWi-Fiのルール
案内標識・表示は英語併記が基本です。中国語や韓国語などは、視認性や美観に問題がない範囲で表記します。翻訳には第三者による校正が必要です。禁止・注意・案内などピクトグラムだけで十分に伝わる場合は、外国語の併記は必須ではありません(JIS Z 8210などの既存の図記号を参考にします)。
Wi-Fiを整備する場合は、共通シンボルマーク「Japan. Free Wi-Fi」の掲出登録も併せて行います。不正利用を防ぐため、本人確認ができる認証方式をとる必要があり、基本は「SMS・電話番号による認証」と「SNSアカウントまたはメールによる認証」のいずれでも利用できる方式です。災害時に開放する場合などは認証を省略できることがあります。
③訪日外国人患者受入機能の強化では何が補助される?
訪日外国人患者受入機能の強化は、医療機関のキャッシュレス決済や院内の多言語化を補助するメニューです。補助率は1/2以内です。
対象は病院・診療所・歯科診療所のうち、厚生労働省・観光庁の「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」に登録されている、または登録見込みの医療機関です。リストへの掲載を希望する場合は、所在する都道府県の担当部署に問い合わせてください。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| デジタルサイネージ | 受診時に必要な情報を多言語で発信するサイネージ(コンテンツ作成を含む) |
| 翻訳用タブレット端末・翻訳システム機器 | スタッフが患者に直接情報を伝えるための機器と付属品 |
| 案内標識・案内表示 | 施設の場所を示す多言語標識、院内のピクトサインや多言語表示 |
| 掲示物・配布物 | 請求書・同意書等の多言語化(翻訳費を含む) |
| ホームページ | 多言語HPの新規作成、既存HPの多言語化・スマートフォン対応改修(スマホ対応は必須) |
| 案内放送 | 院内放送の多言語化 |
| 無料公衆無線LAN | 上記設備の利用に必要なWi-Fi環境 |
| キャッシュレス決済環境 | 決済端末、ソフトウェア、LAN環境の整備(利用方法の多言語表示が要件) |
| スタッフ研修 | 訪日外国人患者受入対応研修、視察研修 |
| その他 | 受入機能の強化に附随する経費 |
キャッシュレス決済端末が現金決済と兼用の機器である場合、キャッシュレス部分の費用を見積書で按分できなければ対象外です。キャッシュレス端末の補助制度をほかにも比較したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
④観光危機管理計画とは?策定費用は補助される?
観光危機管理計画は、災害・事故・感染症などの危機が起きたときに、住民だけでなく観光客(訪日外国人旅行者を含む)をどう守り、観光産業をどう早く立て直すかを定める計画です。本事業では、地方公共団体が行う計画の策定・改定や訓練の費用が最大2/3(上限500万円)補助されます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 観光危機管理に関する計画の策定・改定 | 現地調査、関係者との調整、コンサルティングに要する経費 |
| 地域防災計画への観光客視点の追記 | 地域防災計画の改正に観光危機管理の内容を加える場合も対象(見積書で観光危機管理部分とそれ以外を明確に区分することが必須) |
| 計画に基づく訓練 | 観光危機管理計画に基づく訓練の実施経費 |
| その他 | 計画策定・訓練に附随する経費 |
計画は、観光庁の「観光危機管理計画等作成の『手引き』」や「非常時における訪日外国人旅行者対応マニュアル作成のための指針」を参照して作ります。
市区町村の補助率は原則1/2ですが、所在する都道府県が観光危機管理計画等を策定済み(または策定予定とみなせる)であれば2/3に上がります。さらに、計画を策定した地域の事業は①〜③のメニューでも優先採択の対象になります。計画づくりは、地域の観光施設や医療機関が補助を受けやすくする土台にもなるのです。
補助の対象にならない経費は?
メニューを問わず、次の経費は補助の対象外です。
- 土地の取得・賃借に要する経費
- 故障・老朽化への対応で、機能の明確な向上を伴わない修理修繕・代替更新のみの経費
- 消耗品、保険料
- SIMカードや通信費などのランニングコスト、レンタル・リース契約に関する経費
- 人件費など、事業実施後の設備の維持・運営に関する費用
- 仕入控除の対象となる消費税相当分
申請方法は?流れと必要書類
申請先は、補助対象施設が所在する地域を管轄する地方運輸局等です(港湾関係の事業者は地方整備局等)。事業計画書を出す前に、必ず提出先の問い合わせ窓口へ連絡することが求められています。
申請から入金までの流れ
- 地方運輸局等へ事前連絡
- 事業計画書の提出(電子メール)
- 審査結果の通知(応募月の翌月末が目安)
- 交付申請書の提出 → 交付決定
- 事業の実施(発注・納品・支払い)
- 完了実績報告書の提出 → 額の確定
- 補助金支払請求書の提出 → 入金
事業計画書は補助対象施設ごとに1件作成します。同じ事業者が複数の施設や複数のメニューで応募する場合も、それぞれ別に作成します。
必要書類
- 事業計画書(メニュー別のExcel様式。施設の写真・位置図を添付。年間入込数は令和7年または令和7年度の実績を記載)
- 所在地の地方公共団体の意見書(民間事業者の場合。応募要領の別紙12)
- 見積書(原則2社以上。難しい場合は経費の妥当性を客観的に示せる資料)
- 地方公共団体等の補助(予定)額を確認できる資料(交付決定書等)
- その他の参考資料(施設のパンフレット等)
提出は原則として電子メールです。事業計画書はExcel形式、その他の書類はPDF形式とし、すべてを1つにまとめたPDFも併せて提出します。様式と記入例は観光庁ホームページで公開されています。
| 補助メニュー | 様式・記入例 |
|---|---|
| ①避難所機能の強化 | 様式(Excel)/記入例(PDF) |
| ②多言語対応機能の強化 | 様式(Excel)/記入例(PDF) |
| ③訪日外国人患者受入機能の強化 | 様式(Excel)/記入例(PDF) |
| ④観光危機管理の強化 | 様式(Excel)/記入例(PDF) |
採択後に守るべきことは?
- 事業内容や経費配分を変える場合は、軽微な変更を除き交付決定の変更申請が必要
- 補助金に関する帳簿・証拠書類は、事業完了年度の終了後5年間保存
- 取得した設備は、財産処分制限期間中は大臣の承認なく処分できない
- 不正等で交付決定が取り消された場合は、補助金の返還に加え年10.95%の加算金が課される
観光地向けのほかの補助金は?
本事業は「非常時の安全・安心」に絞った制度です。混雑対策や交通・Wi-Fi・ゴミ箱などの受入環境を面的に整備したい場合は、同じ「地域における受入環境整備促進事業」のオーバーツーリズム対策メニューが候補になります。
本事業の財源となった令和7年度の観光庁補正予算の全体像や、令和9年度に向けた観光庁の概算要求は、こちらの記事でまとめています。
インバウンド安全・安心対策推進事業に関するよくある質問
公募の締切はいつですか?
2027年1月29日(金)17時必着です。当初の締切は2026年9月25日でしたが延長されました。予算に達した時点で予告なく終了します。
今から申請して事業は間に合いますか?
審査結果は応募月の翌月末が目安で、事業は補助対象期間が終わる2027年3月31日までに完了させる必要があります。工事や納期のかかる設備を予定している場合は、2026年内の応募が目安です。
ホテルや旅館も申請できますか?
多言語対応機能の強化(メニュー②)は今回から宿泊・交通施設も対象です。避難所機能の強化(メニュー①)は引き続き宿泊・交通施設の整備は対象外です。
補助上限額はいくらですか?
①避難所機能、②多言語対応、③外国人患者受入の各メニューには上限額の定めがなく、補助率は1/2以内です。④観光危機管理の強化のみ上限500万円です。
充電設備だけを申請できますか?
原則できません。非常用電源装置をすでに備えているか、本事業で同時に整備する場合に限り対象です。衛星通信環境も同じ扱いです。
都道府県や市町村の補助金と併用できますか?
自治体独自の補助金とは併用できます。ただし、自治体の補助金の財源が国費の場合は併用できません。同じ事業計画で国の他の補助金を受ける場合も対象外です。
市区町村が観光危機管理計画を作る場合の補助率は?
原則1/2ですが、所在する都道府県が観光危機管理計画等を策定済み(または策定予定とみなせる)であれば2/3です。上限はいずれも500万円です。都道府県が申請する場合は2/3です。
申請先はどこですか?
施設の所在地を管轄する地方運輸局等です。港湾関係の事業者は地方整備局等に提出します。事業計画書を提出する前に、必ず提出先の窓口へ連絡してください。
見積書は何社分必要ですか?
原則2社以上です。2社以上の見積もりが難しい場合は、経費が妥当であることを客観的に示せる資料を提出します。
民間事業者が申請するときに自治体の書類は必要ですか?
必要です。施設が所在する地方公共団体の意見書(応募要領の別紙12)を事業計画書に添付します。避難所機能の強化では、災害時の利用について自治体との調整が整っていることも要件です。
年度内に事業が終わらない場合はどうなりますか?
2027年1月8日までに地方運輸局等へ事前相談し、2027年3月5日までに理由を付した状況報告書を提出します。
クマ対策や熱中症対策にも使えますか?
使えます。クマ被害防止のための多言語の注意喚起看板は多言語対応機能の強化(メニュー②)、避難所の熱中症対策設備は避難所機能の強化(メニュー①)の対象経費に明記されています。
まとめ
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は、災害や急病の際に訪日外国人旅行者を守るための設備整備や計画づくりを国が補助する制度です。令和7年度補正予算分の公募は2027年1月29日(金)17時必着まで延長されました。
- 補助率は①避難所機能・②多言語対応・③外国人患者受入が1/2以内(上限なし)、④観光危機管理は最大2/3(上限500万円)
- 多言語対応メニューは今回からホテル・旅館などの宿泊施設や交通施設も対象
- 審査結果は応募月の翌月末が目安。事業は2027年3月31日までに完了が必要
- 申請先は管轄の地方運輸局等。提出前の事前連絡と、自治体の意見書・2社以上の見積書の準備が必須
締切が延びたとはいえ、遅い応募ほど事業期間は短くなり、予算に達すれば受付は予告なく終わります。整備を検討している観光施設・医療機関・自治体は、早めに管轄の地方運輸局へ相談しましょう。
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