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助成率最大9/10!東京都の受動喫煙防止対策助成金の申請方法と助成内容を解説!

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2020年4月に全面施行された改正健康増進法により、原則として、公共の場所や職場での屋内禁煙が義務化されました。これは受動喫煙による健康被害を防ぐための重要な一歩ですが、同時に事業者、特に中小企業にとっては大きな変革を求められることにもなりました。

東京都ではこうした中小企業を支援するため、「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(飲食事業者向け経営基盤強化支援)」として、「受動喫煙防止対策支援コース(受動喫煙防止対策助成金)」が設置されています。

今回は受動喫煙防止対策支援コースの要件や補助金額、申請方法をまとめました。

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この記事の目次

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健康意識の高まりは国際基準へ!

改正健康増進法改正の背景には、東京オリンピック・パラリンピックに向けた国際的な基準への適合という側面もありました。世界中からの来訪者を迎えるにあたり、日本の受動喫煙対策を国際水準に引き上げる必要があったのです。これを機に、日本全体で受動喫煙に対する意識も大きく高まりました。

さらに、新型コロナウイルスの世界的流行は、人々の健康意識を一層高める結果となりました。特に呼吸器系の健康に対する関心が高まる中、タバコの煙が及ぼす影響についても再認識されるようになったのです。この社会的な意識の変化は、受動喫煙対策の重要性をさらに強調することとなりました。

しかし、法令遵守のための設備投資は、特に中小企業にとって大きな経済的負担となります。スムーズな法令の普及には、公的な支援や補助金が必要不可欠です。

インバウンド増加への期待も高まる中、受動喫煙対策助成金をはじめとした助成制度は、ますます重要性を増しているのです。

受動喫煙防止対策支援コースの対象者とは?


新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の受動喫煙防止対策支援コースは、中小企業事業主が職場での受動喫煙防止対策を推進するために設けられた制度です。都内中小飲食事業者等を対象に、喫煙専用室・指定たばこ専用喫煙室の設置、分煙環境設備の撤去の経費の一部を助成します。

【対象者の主な要件】
①東京都内において宿泊施設を営む者
②東京都内において飲食施設を営む者で、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条に規定する中小企業者に該当する者であり、かつ大企業が実質的に経営に参加していない者

また、中小飲食店・宿泊施設の様々なお悩みに対して専門家を派遣し、経営上の相談やアドバイスを行います。まずは支援内容や助成金額などを見ていきましょう。

どのような支援が受けられる?支援の対象

支援内容は、以下の2つです。

①受動喫煙防止対策に必要な経費の一部を助成(助成金支援)
喫煙専用室または指定たばこ専用喫煙室の設置が対象です。なお、設置する設備の主な要件は、以下のとおりです。
  • 入口における風速が0.2 m/秒以上であること
  • 煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井などによって区画されていること
  • 煙を屋外または外部の場所に排気すること
②飲食店等の経営に精通した専門家によるコンサルティング(専門家派遣支援)
経営相談に係る専門家派遣支援の活用は任意です。助成金の交付決定審査に影響することもありません。

専門家の派遣について

受動喫煙防止対策に係る経営上の相談やアドバイスを希望する飲食店・宿泊施設に、専門家が派遣されます。費用は無料です。申込は、以下の窓口へ行ってください。

【申請窓口】
東京都中小企業振興公社事業戦略部経営戦略課
メールアドレス:jyudoukitsuen@tokyo-kosha.or.jp

【申込期限】
令和6(2024)年9月13日(金)16時45分まで
派遣期間は令和7(2025)年3月31日(月)までです。

なお、喫煙室の設計や法令基準等、技術的な事項に関する相談やアドバイスはおこないません。

いくらもらえる?助成率・限度額

助成率や限度額は、以下のとおりです。

助成率・限度額
① 喫煙専用室の設置 助成限度額:400万円
助成率:2/3以内
(中小飲食店で客席面積が100㎡以下の場合9/10以内
② 指定たばこ専用喫煙室の設置
③ 東京都「外国人旅行者の受入れに向けた宿泊・飲食施設の分煙環境整備補助」事業を通じて取得した分煙設備の撤去等 助成限度額:150万円
助成率:2/3以内

対象となる経費・対象外の経費

どのような経費が助成の対象になるのでしょうか。「喫煙専用室」・「指定たばこ専用喫煙室」の設置に関して対象となる経費の例は、以下のとおりです。

対象経費
①建築工事 間仕切り壁設置 扉・ガラス・暖簾設置
クロス貼り・塗装・壁材・床材・天井材(不燃・難燃等の防火材料、耐シガレット材等)
天井点検口の設置
②既存施設の解体・撤去・処分 機械設備工事 給排気設備(換気扇・ダクト等)設置
スプリンクラー移設・増設
火災報知機移設・増設
空調機器
➂電気設備工事 上記機器設備工事に伴う電気設備工事 照明機器(喫煙専用室に限る)・スイッチ
非常照明機器・非常灯
人感センサー、コンセント増設
④機器・備品類 空気清浄機、灰皿
⑤その他 所定の標識類の掲示、その他建築基準法、消防法等の手続き及び消防法等の他法令で設置が義務付けられている機械装置等

なお、以下の経費は対象外です。

  • 消費税その他の租税公課、収入印紙代等の間接経費
  • 設備設置後の維持費、メンテナンスに係る消耗品費
  • リース・レンタルによる設置や割賦販売で購入した機器に係る経費
  • 一連の手続きが、公社が指定する期日までに行われていない経費
  • 助成金申請書に記載のものと異なる設備等を購入した経費
  • 通常業務・取引と混合して支払が行われている経費
  • 中古品の購入経費
  • 親会社、子会社、グループ会社等関連会社との取引に係る経費
  • 過剰とみなされる機器を導入する経費、高額な経費
  • 利息及び遅延損害金
  • 不動産・構築物の購入経費
  • その他、公社が適切ではないと判断する経費

参考:募集要項(「喫煙専用室」・「指定たばこ専用喫煙室」の設置)

受動喫煙防止対策支援コースの申請方法


申請は、郵送または電子申請(デジタル庁が提供する「jGrants」)にて行います。申請からの事業の流れや、必要な書類をまとめました。

事業の流れと必要書類

申請から助成金交付までの全体の流れは、以下のとおりです。

①交付申請
②現地調査・書類審査
➂交付決定
④契約・発注・施工
⑤検査
⑥実績報告
⑦助成金額決定
⑧請求書提出
⑨助成金交付

全体のスケジュールは、以下の図も参照してください。

出典:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(飲食事業者向け経営基盤強化支援(受動喫煙防止対策支援コース))

【申請期間】
令和6(2024)年9月13日(金)16時45分まで

【必要書類】
申請に必要な主な書類は、以下のとおりです。

①提出書類チェックリスト
②見積書チェックリスト
➂見積書(総括表)
④事業計画書
⑤誓約書
⑥事前確認事項
⑦喫煙専用室等の排気設計に係る計算書
⑧施設全体の見取り図(整備前・整備後)
⑨客席面積図
➉整備予定の設備等の設計図・立面図
⑪屋外排気の経路図
⑫工程表(施工スケジュール)
⑬カタログ類
⑭消防関係法令等の確認に係る議事録
⑮建築関係法令等の確認に係る議事録
⑯見積書
⑰履歴事項全部証明書
⑱印鑑証明書
⑲法人税及び地方法人税申告における管轄税務署の受付記録
⑳賃貸人承諾書
㉑その他

厚労省の受動喫煙防止対策助成金との違いは?


厚生労働省の受動喫煙防止対策助成金は、一定の基準を満たす喫煙専用室等の設置などにかかる工費、設備費、備品費、機械装置費などの経費に対して助成を行うものです。

東京都の受動喫煙防止対策支援コースとよく似た内容ですが、大きな違いもあります。

以下に主な相違点をまとめました。

①対象
東京都の助成金は、東京都内の事業者のみが対象です。一方で、厚生労働省の助成金は、全国の事業者が対象です。

また、東京都は対象を中小飲食店・宿泊施設に限定しているのに対し、厚生労働省の助成金は、労働者災害補償保険の適用事業者で既存特定飲食提供施設を営む者を対象としています。

②支援内容
東京都では、専門家派遣支援と助成金支援の2つが設定されています。厚生労働省の支援は、設備設置のみが対象です。

➂補助率
東京都の制度は、助成率が2/3です。ただし、中小飲食店で客席面積が100㎡以下の場合は9/10となります。上限額は400万円です。

厚生労働省の場合、主たる産業分類が飲食店の事業者は2/3、それ以外の場合は1/2です。また、上限額は1事業場当たり100万円です。

東京都内の飲食店や宿泊施設の経営者は、両方の制度を比較検討し、自身の事業に最も適した支援を選択することができます。事業所の種類や状態にあった制度を選びましょう。

まとめ

健康志向やインバウンド需要の高まりを受け、受動喫煙をどう防ぐかは、企業にとっても大きな問題となっています。一方で、愛煙家の来店を拒みたくないという店舗も多いはずです。

喫煙者も、そうでない人も、どちらも快適な空間づくりには、受動喫煙防止対策支援コースをはじめとした支援制度も役に立ちます。

公的な補助を上手に活用し、よりよい店舗環境を整えていきましょう。

参考:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(飲食事業者向け経営基盤強化支援(受動喫煙防止対策支援コース))

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