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産後パパ育休(出生後育児休業)とは?育休との違いや給付金、手取り10割も解説

公開日:2023/3/23 更新日:2026/7/15
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「妻の出産のとき、自分も休みたい。でも、給料が減るのが不安」——そう感じている男性は少なくないはずです。厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は40.5%と初めて4割を超え、育休は「取るのが当たり前」の時代に入りました。政府は2025年度に50%、2030年度に85%を目標に掲げ、育児介護休業法の改正も相次いでいます。

そのなかで最も注目されているのが「産後パパ育休(出生時育児休業)」です。出生後8週間以内に最大28日、通常の育児休業とは別に取得できる制度で、2025年4月からは新設された「出生後休業支援給付金」との組み合わせで最大28日間の給付率が80%(社会保険料免除と非課税を合わせて実質手取り10割相当)まで引き上げられました。

本記事では、令和8年度(2026年度)最新の情報に沿って、産後パパ育休の対象・取得日数・給付金の計算方法・上限額・申請の流れ・実務ポイントまでを、男女問わず育休取得を検討している方と、企業の人事担当者の双方に役立つ形でわかりやすく解説します。

【産後パパ育休の要点(令和8年度・2026年度)】
・出生後8週間以内に、最大28日(4週間)取得できる。日数は土日祝日を含む暦日カウント
・2回まで分割取得が可能(2回目の申出は休業1週間前まで:2025年4月〜)
・労使協定がある場合は、合意した範囲で休業中の就業が可能(休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分が上限)
・給付金は休業開始時賃金日額の67%(上限日額16,110円:令和8年7月31日まで)
・2025年4月から「出生後休業支援給付金」が創設され、要件次第で給付率80%(社会保険料免除と非課税を合わせて手取り10割相当)
・2025年4月から「育児時短就業給付金」も新設(2歳未満の子を養育する時短勤務者向け・賃金の10%相当)
・2025年10月から3歳以上小学校就学前の子を育てる労働者向けに柔軟な働き方措置(5選択肢から2つ以上)の実施が企業に義務化

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産後パパ育休とは?出生後8週間以内に最大28日取得できる育休制度

産後パパ育休は、子どもの出生後8週間以内に、最大4週間(28日)まで取得できる育児休業制度です。正式名称は「出生時育児休業」で、2022年10月1日に育児・介護休業法改正により施行されました。通常の育児休業とは別枠で取得できる点が最大の特徴で、父親が出生直後から育児に参加しやすくする仕組みとして位置づけられています。

産後パパ育休の28日は「土日祝日を含む暦日」でカウントする

産後パパ育休の取得日数28日は、土日祝日を含む暦日でカウントします。所定労働日ベースではないため、たとえば平日20日+土日祝日8日を組み合わせて連続28日とすることも可能です。

出生後休業支援給付金の要件である「14日以上」も同様に土日祝日を含む暦日カウントです。したがって、月〜金の平日を10日取得しても14日には届かず、追加で土日を含めた形で14日以上を確保する必要があります。

産後パパ育休は2回に分割して取得できる

産後パパ育休は、出生直後から休業できる点だけでなく、2回に分けて取得できる点が特徴です。たとえば、出生直後と里帰りから戻るタイミングで取得するなど、状況に応じて柔軟に休業を組み立てられます。

産後パパ育休の取得イメージ図

従業員が2回に分けて取得する際は、初回の申請時にまとめて申し出るのが原則です。法律上、まとめて申し出なかった場合の都度申請では、企業側が2回目の申請を拒否できると定めているため注意しましょう。なお、2025年4月の法改正により、2回目の分割取得の申出期限は休業開始日の1週間前までに緩和されました。企業側は従業員に有利な条件であれば、3回以上の分割取得を認めるなど柔軟に対応することも可能です。

産後パパ育休は休業期間中も就業できる

産後パパ育休は、労使協定に定めている場合に限り、休業中の就業が認められます。休業中に就業する際は、休業開始日前日までに従業員が企業側へ就業可能日を申し出て、双方で合意する必要があります。就業日数の上限は、休業期間中の所定労働日および所定労働時間の半分までです。

2025年4月の法改正により、出生時育児休業および育児休業について、休業開始予定の前日までであれば申出の撤回が可能になりました。子の出生時期の変動などに応じて柔軟に対応できる仕組みです。

産後パパ育休と他の育休との違いを整理

産後パパ育休以外にも、育児休業にはいくつかの種類があります。混同しやすいため、主な違いを整理して紹介します。

通常の育児休業との違いは?

産後パパ育休と通常の育児休業の最大の違いは、対象期間と分割申請の方法です。産後パパ育休は子の出生後8週間以内が対象で最大28日、通常の育休は原則として子が1歳になる誕生日の前日までを対象としています。両方を組み合わせて取得することも可能です。

項目産後パパ育休育休(育児休業制度)
対象期間・取得日数子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能原則として子が1歳になる誕生日の前日まで
申出期間原則として休業の2週間前まで(※1)/2回目は1週間前まで(2025年4月〜)原則として1か月前まで
分割取得2回まで可(最初にまとめて申し出る必要あり)2回まで可(取得の際にそれぞれ申し出る)
休業中の就業労使協定を締結している場合に限り、合意した範囲で就業可能原則として就業不可
1歳以降の延長特別な事情がある場合に限り延長可能
1歳以降の再取得特別な事情がある場合に限り再取得可能

(※1)雇用環境の整備などについて、法改正で義務付けられた内容を上回る取り組みを労使協定で定めている場合は「1か月前まで」とすることができます。また、出産予定日より前に子が生まれた場合などは、特例として「1週間前までの申出でOK」と規定されています。

パパママ育休プラスとの違いは?

パパママ育休プラスは、両親がともに育児休業を取得する場合に、通常の育児休業を最大2か月延長できる制度です。産後パパ育休が「出生直後の休業制度」であるのに対し、パパママ育休プラスは「通常育休の延長制度」であり、目的が異なります。

項目要件
産後パパ育休1. 子の出生後8週間以内に育児休業を取得
2. 子の出生後8週間以内に育児休業が終了
パパママ育休プラス1. 配偶者が子が1歳に達するまでに育児休業を取得
2. 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前
3. 本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降

注意したい点は、パパママ育休プラスによって通常の育児休業期間が「1年2か月になるわけではない」という点です。1人あたりが育児休業を取得できる期間は最大1年間で変わらず、両親で交代することで家庭全体としての休業期間が最大1歳2か月まで延ばせる仕組みです。

たとえば、配偶者(母親)が原則どおり通常の育児休業を1年間取得し、本人(父親)が子の1歳の誕生日から1歳2か月になる日までパパママ育休プラスで取得する、というパターンが典型例です。

産後パパ育休と通常育休、どっちがお得?取り方の判断ポイント

「産後パパ育休と通常育休、どっちが得なのか」は多くの方が悩むポイントです。結論から言うと、両方を組み合わせて取得するのが最も所得補償が手厚くなります。給付率は同じ67%ですが、両方合わせれば長期間の休業に対応でき、出生後休業支援給付金の13%上乗せ(給付率80%)も適用しやすくなるためです。

取り方のパターン特徴おすすめの方
産後パパ育休のみ(〜28日)短期集中で出生直後を支える。妻の産後の体調ケアに専念できる職場を長く離れられない方、短期でメリハリをつけたい方
通常育休のみ(〜1歳)ある程度長期の休業でじっくり育児に関わるまとまった育休期間を確保したい方
産後パパ育休+通常育休出生直後からシームレスに休業。給付金の合計額も最大になる可能な限り育児参加を厚くしたい方(推奨)
産後パパ育休+パパママ育休プラス出生直後と1歳前後の交代タイミングをカバー妻の職場復帰に合わせて父親が交代したい方

なお、出生後休業支援給付金の要件を満たすには、両親ともに出生後の一定期間に14日以上(土日祝日を含む暦日カウント)の育児休業を取得する必要があります。配偶者が専業主婦・専業主夫やひとり親の場合は、本人のみの14日以上取得でも要件を満たします。

産後パパ育休(出生時育児休業)が創設された背景

産後パパ育休が創設された背景には、男性育休の取得率の低さと、育児負担の女性偏重という長年の課題があります。従来の日本では「育児・家事は女性がするもの」「男性が育休を取るなんてありえない」という価値観が根付いていましたが、女性の社会進出や共働き世帯の増加を受けて、「夫婦で協力して育児と仕事を両立させる」という考え方が主流になりました。

男性の育休取得率は急速に上昇しており、2024年度(令和6年度)には40.5%(厚生労働省「令和6年度雇用均等基本調査」)と初めて4割を超えました。2022年度の17.13%から2年間で20ポイント以上の上昇です。それでも女性の86.6%と比較すると依然として差があり、政府は2025年度に50%、2030年度に85%を目標として掲げています。

産後パパ育休はこうした課題を打破し、夫婦で育児を分担しながら誰もが働きやすい職場環境を実現するために設けられた制度です。

産後パパ育休の取得条件と給付金の支給条件

産後パパ育休には、対象者の条件と給付金の支給条件があります。対象者の条件は育児・介護休業法で、給付金の支給条件は雇用保険法でそれぞれ定められています。

取得対象者の条件は?

産後パパ育休を取得できるのは、出生後8週間以内の子どもを養育する男女労働者です。有期雇用契約の場合は、規定の日(※)までに労働契約の期間が満了し、更新されないことが明らかでない労働者が対象となります。

区分要件
取得できる方出生後8週間以内の子どもを養育する男女労働者/有期雇用契約者は規定の日(※)までに労働契約が満了し更新されないことが明らかでない方
対象外となる方日々雇い入れられる者/労使協定で規定された一定の労働者(継続雇用期間が1年に満たない者、週の所定労働日数が2日以下の者、8週間以内に雇用関係が終了することが明らかな者など)

「産後パパ育休」という名称ですが、女性でも取得可能です。ただし、女性が取得する場合は「産後休業」を取得していないことが条件となります。実務上は、養子縁組で子どもを迎える女性などが該当します。

(※)子の出生日または出産予定日のいずれか遅い方から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日を指します。

給付金が支給される条件は?

産後パパ育休の期間中に一定の条件を満たすと、雇用保険から「出生時育児休業給付金」が支給されます。給付金の支給条件は以下のとおりです。

No.条件
産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した雇用保険被保険者であること
休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること
休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業時間数が80時間)以下であること(休業期間がこれより短い場合は日数に比例)
(有期雇用契約者のみ)規定の日までにその労働契約の期間が満了することが明らかでないこと

産後パパ育休の給付金はいくらもらえる?計算方法と上限額

出生時育児休業給付金は、原則として休業開始時の賃金の67%が支給されます。ここに2025年4月新設の出生後休業支援給付金(13%上乗せ)を組み合わせると、給付率は最大80%まで引き上げられます。

出生時育児休業給付金の計算方法

出生時育児休業給付金の支給額は、次の式で計算します。

支給額 = 休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数(最大28日)× 67%

企業から賃金が支払われた場合は、賃金額によって計算式が変わります。

支払われた賃金額支給額の計算式
「休業開始時賃金日額×休業日数」の13%以下休業開始時賃金日額×休業日数×67%
「休業開始時賃金日額×休業日数」の13%超〜80%未満休業開始時賃金日額×休業日数×80% − 賃金額
「休業開始時賃金日額×休業日数」の80%以上支給額なし

出生時育児休業給付金の上限額(令和8年度)

休業開始時賃金日額の上限額は16,110円(令和7年8月1日改定、令和8年7月31日まで)です。産後パパ育休の最大日数28日と組み合わせると、給付金の上限額は以下のとおりです。

項目上限額(令和8年7月31日まで)
賃金日額の上限16,110円
賃金月額の上限(賃金日額×30日)483,300円
出生時育児休業給付金の上限(28日・67%)302,223円
出生後休業支援給付金の上限(28日・13%上乗せ)58,640円
両者合計の上限(28日・80%)360,863円
休業開始時賃金日額の上限額は毎年8月1日に改定されます。令和8年8月1日以降は新たな上限額が適用される見込みで、2026年7月頃に厚生労働省告示で発表される予定です。最新の上限額は厚生労働省またはハローワークの公式情報でご確認ください。

出生時育児休業給付金の計算シミュレーション例

産後パパ育休を最大28日間取得し、賃金の支払いがないケースの支給額例です。

休業開始時賃金日額月収の目安支給額(28日)
5,000円約15万円5,000円×28日×67%=93,800円
7,500円約22.5万円7,500円×28日×67%=140,700円
10,000円約30万円10,000円×28日×67%=187,600円
13,000円約39万円13,000円×28日×67%=243,880円
16,110円以上(上限)約48.3万円以上302,223円(上限額)

会社から賃金として50,000円が支払われた場合の支給額例は次のとおりです。

休業開始時賃金日額支給額(28日・賃金5万円あり)
5,000円5,000円×28日×80%−50,000円=62,000円
7,500円7,500円×28日×80%−50,000円=118,000円
10,000円10,000円×28日×80%−50,000円=174,000円

もっと詳しくシミュレーションしたい方は、以下の記事の計算ツールをご活用ください。

育休手当(育児休業給付金)の計算方法は?いくらもらえるか月収別早見表・計算ツールで解説【2026年最新】

手取り10割相当になる仕組み:出生後休業支援給付金

2025年4月から創設された「出生後休業支援給付金」を活用すると、産後パパ育休や産後8週間以内の育児休業について、最大28日間の給付率が合計80%(67%+13%上乗せ)まで引き上げられます。社会保険料の免除と非課税の効果を合わせると、実質的な手取りは休業前の約10割相当になります。

手取り10割相当を受給する要件

出生後休業支援給付金を受けるには、次の要件を満たす必要があります。

・子の出生後一定期間内に、両親がともに14日以上(土日祝日を含む暦日カウント)の育児休業を取得すること
・出生時育児休業給付金または育児休業給付金の受給要件を満たしていること
・配偶者が専業主婦(夫)の場合やひとり親の場合は、本人のみの14日以上の取得でも要件を満たす

「配偶者の育休取得」については、共働き世帯であれば夫婦それぞれが14日以上の育休を取得する必要がありますが、専業主婦(夫)や離死別・未婚のひとり親の場合は、その事実を証明できれば本人のみの取得でも80%給付を受けられます。

10割にならないケースもある

高所得者の場合、休業開始時賃金日額の上限(16,110円)が適用されるため、80%給付でも手取り10割に届かない場合があります。目安として、月収46万円(賃金月額483,300円)を超えると、80%給付でも手取り10割相当を下回る可能性があります。

2025年4月新設の「育児時短就業給付金」も併用可能

産後パパ育休や通常の育休から復職した後に短時間勤務を選択する場合は、2025年4月新設の「育児時短就業給付金」を活用できます。2歳未満の子を養育するために時短勤務を行う雇用保険被保険者が対象で、時短勤務中に支払われた賃金額の10%相当が支給されます。

支給対象月の賃金額が471,393円(令和7年8月1日改定値、令和8年7月31日まで)以上の場合は不支給、それを下回る場合でも賃金額と給付金の合計が471,393円を超えるときは差額調整があります。「産後パパ育休→通常の育休→時短勤務」という流れで活用すれば、子育て期全体の所得補償を厚くできます。

産後パパ育休や出生時育児休業給付金の申請手続き

産後パパ育休の申請は「従業員→事業主」、給付金の申請は「事業主→ハローワーク」の2段階で行います。それぞれのタイミングと必要書類を整理しました。

産後パパ育休の申請手続き(従業員→事業主)

項目詳細
申請期限(従業員→事業主)原則休業開始日の2週間前まで/2回目は1週間前まで(2025年4月〜)
必要書類法的な書式の決まりはない(企業によって書式が異なる)
提出書類の入手先・提出先企業

出生時育児休業給付金の申請手続き(事業主→ハローワーク)

出生時育児休業給付金の申請は、主に企業側がハローワークに対して行います。

項目詳細
申請開始日子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から申請可能(出生時育休の取得日数が28日に達した日/2回目の取得を終了した日のいずれか)
申請期限申請開始日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日
必要書類①雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
②育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
添付書類①出生時育児休業を開始・終了した日、賃金の額と支払状況を証明できるもの
②育児の事実、出産予定日および出生日を確認することができるもの(写し可)
提出先事業所の所在地を管轄するハローワーク(電子申請も利用可能)

出産予定日前に子が出生した場合は、申請開始日は「出産予定日」から起算します。

給付金はいつ振り込まれる?支給時期の目安

出生時育児休業給付金は、ハローワークでの支給決定から約1週間後に指定口座に振り込まれるのが一般的です。したがって、産後パパ育休を28日フル取得した場合、育休開始から実際の給付金振込までの目安は次のようになります。

タイミング目安
子の出生日0日目
産後パパ育休終了(28日取得)約28日後
申請開始可能日(出生日から8週間経過の翌日)約57日後
事業主のハローワーク申請申請開始日以降、通常1〜2週間以内
ハローワーク支給決定申請から約2〜3週間後
指定口座への振込支給決定から約1週間後

つまり、休業開始から給付金の初回振込までは最短でも2〜3か月程度かかるのが実情です。休業中の生活費については、事前に貯金や家計調整を進めておくのが安心です。振込時期は事業主の申請タイミングやハローワークの処理状況によって前後する点にも留意しましょう。

育児休業中の社会保険料は免除される

社会保険料免除の仕組みと対象

育児休業中は、健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。従業員負担分だけでなく事業主負担分も免除される点が大きな特徴です。雇用保険料や所得税は給与支給がない場合は発生せず、給付金自体も非課税です。

社会保険料免除の3つの条件

社会保険料免除の条件は次のとおりです。

区分条件
月次保険料の免除月末日が育児休業中であること/または月末日に育児休業中でない場合でも、同一月内で育児休業を取得し、その日数が14日以上であること
賞与に係る保険料の免除連続して1か月を超える育児休業を取得した場合に限る

14日以上の育児休業には土日祝日も含めてカウントされます。一方、賞与にかかる社会保険料の免除は「連続して1か月を超える育児休業」が必要なため、産後パパ育休(最大28日)のみでは賞与分の免除対象外となる点に注意しましょう。

社会保険料免除でも将来の年金額には影響しない

育児休業中に社会保険料を免除されても、将来受け取る年金額には影響ありません。当該期間の保険料を納めたものとして扱われる仕組みだからです。

なお、自営業・フリーランス(国民年金第1号被保険者)にも、2026年10月から国民年金保険料の育児期間免除制度が新たに開始される予定です。会社員に限らず、雇用形態を問わず子育てを支える仕組みが拡充されつつあります。

自営業・フリーランス必見!国民年金の育児免除制度、2026年10月スタート

産後パパ育休をお得に取るための実務ポイント

育休取得状況の公表義務(300人超の企業も対象に拡大)

2025年4月の法改正により、常時雇用する労働者数が300人超の企業は年1回、男性の育児休業取得率(または育児目的休暇との合算取得率)をインターネット等で公表することが義務化されました。従来は1,000人超の企業が対象でしたが、対象が大幅に拡大されています。

企業側は自社の男性育休取得率を可視化する必要があり、産後パパ育休の取得を積極的に推進する社内風土づくりが求められます。

育児のためのテレワーク導入が努力義務化(2025年4月〜)

2025年4月施行の改正により、3歳未満の子を育てる労働者に対し、テレワーク選択肢の整備を求める努力義務が新設されました。あわせて、3歳未満の子を養育する労働者の短時間勤務制度の代替措置にもテレワークが追加され、産後パパ育休後の働き方の選択肢が広がっています。

柔軟な働き方を実現するための措置(2025年10月〜)

2025年10月施行の改正により、3歳以上小学校就学前の子を育てる労働者向けに、企業は以下5つの選択肢から2つ以上の措置を実施することが義務化されました。労働者はそのうち1つを選択して利用できます。

選択肢概要
①始業時刻等の変更(時差出勤等)フレックスタイム制や時差出勤など、始業・終業時刻の変更を可能にする措置
②テレワーク等月10日以上のテレワークを可能にする措置(時間単位の取得可)
③保育施設の設置運営等事業所内保育施設の設置、ベビーシッター費用補助等
④養育両立支援休暇年10日以上の休暇を付与(原則時間単位で取得可能)
⑤短時間勤務制度1日6時間を原則とする短時間勤務制度の導入

また、3歳になる前と妊娠・出産等の申出時に、勤務時間帯・勤務地・両立支援制度の利用期間・業務量等に関する労働者の意向を聴取し、自社の状況に応じて配慮することも義務化されました。

子の看護休暇が「子の看護等休暇」に名称変更・大幅拡充(2025年4月〜)

2025年4月の法改正により、子の看護等休暇の内容が大幅に拡充されました。名称も「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」に変更されています。

変更点改正前改正後(2025年4月〜)
対象年齢小学校就学前まで小学校3年生修了まで
取得理由病気・けが・健康診断等病気・けが・健康診断等に加え、入園式・卒園式・入学式・感染症による学級閉鎖等も対象に拡大
取得日数年5日(2人以上は年10日)同左(変更なし)
取得単位1日・半日単位1日・半日・時間単位での取得が可能に
労使協定による除外継続雇用6か月未満を除外可継続雇用6か月未満の除外規定を撤廃

企業側の助成金活用も検討したい

従業員の育休取得を推進する企業には、両立支援等助成金として国からの助成金制度が用意されています。就業規則の整備や業務代替体制の構築とあわせて活用を検討しましょう。

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産後パパ育休取得のメリット

労働者側のメリット

産後パパ育休を取得する労働者側のメリットは、経済面と生活面の両面にあります。

労働者側のメリット
①父親が育児に積極的に参加することで母親の育児負担を軽減し、家庭の安定を図れる
②父親が育児に参加することで、子どもとの絆を深めることができる
③出生後休業支援給付金と社会保険料免除を組み合わせて手取り10割相当の給付を受けられる
④仕事とプライベートのバランスを取り直すきっかけになる

企業側のメリット

企業側にも、両立支援等助成金の受給や採用力強化などのメリットがあります。

企業側のメリット
①労働者へのサポートが手厚い企業として外部にアピールできる
②優秀な人材が職場に定着する
③労働者の仕事へのモチベーションを高められ、生産性の向上が期待できる
④両立支援等助成金の受給を通じて制度整備コストを軽減できる

ただし、今でも「男性は仕事・女性は育児」という考え方が残っているのも事実です。産後パパ育休制度を活用した労働者が不当な扱いを受けないよう、企業にはハラスメント対策が強く求められます。

産後パパ育休の計画と準備

産後パパ育休をスムーズに取得するためには、事前の計画と準備が欠かせません。特に給付金の振込までタイムラグがあるため、家計の準備は早めに始めることをおすすめします。

1. 育休期間の計画

産後パパ育休は子の出生後8週間以内に限られています。この期間内で最適なタイミングを選ぶため、パートナーと話し合い、家庭内での役割分担や、その他のサポートが可能な時期を考慮しましょう。里帰り出産の予定がある場合は、里帰り前と帰宅後で2回に分けて取得する設計も検討できます。

2. 収入の確認と家計調整

育休中は収入が変動するため、経済的な準備が必要です。給付金の振込は休業開始から2〜3か月後になるため、その間の生活費を確保しておく必要があります。あらかじめ手取りの見込み額を計算し、必要に応じて貯金や予算調整を行いましょう。育児休業給付金の自動計算ツールを活用すると具体的な金額がわかります。

3. 職場での引き継ぎ準備

休業をスムーズに進めるためには、職場での引き継ぎが重要です。休業の数週間前から、関連するプロジェクトやタスクの引き継ぎを計画的に行いましょう。企業側は業務代替体制を整えるための助成金(両立支援等助成金・育休中等業務代替支援コース)も活用できます。

4. 育休後の職場復帰計画

育休後の職場復帰は新たなチャレンジになる場合が多いため、復帰計画も事前に検討しましょう。2025年4月から新設された育児時短就業給付金や、2025年10月から始まる柔軟な働き方措置の活用も視野に入れて、無理のない復帰プランを立てるのがおすすめです。

参考:厚生労働省の自動計算ツール

産休・育休の期間や給付金額を簡単に把握したい場合、厚生労働省の自動計算ツールの活用が便利です。

出典:『産休・育休はいつから?産前・産後休業、育児休業の自動計算詳細事項入力・計算』働く女性の健康応援サイト 妊娠出産・母性健康管理サポート(厚生労働省)

産後パパ育休に関するよくある質問

産後パパ育休は何日まで取得できますか?土日祝日も含まれますか?

子の出生後8週間以内に、最大28日(4週間)まで取得できます。日数は土日祝日を含む暦日でカウントするため、平日20日+土日祝日8日を組み合わせて連続28日とすることも可能です。2回に分割して取得することもでき、通常の育児休業とは別枠で取得できます。出生後休業支援給付金の要件である「14日以上」も同様に土日祝日を含む暦日カウントです。

産後パパ育休の給付金はいくらもらえますか?

原則として休業開始時の賃金の67%が支給されます。休業開始時賃金日額の上限は16,110円(令和8年7月31日まで)で、28日間取得した場合の上限額は302,223円です。2025年4月から創設された出生後休業支援給付金を合わせると、要件を満たす場合は最大28日間の給付率が80%(社会保険料免除と非課税を合わせて実質手取り10割相当)に引き上げられ、両者合計の上限額は360,863円となります。上限額は毎年8月1日に改定されるため、令和8年8月1日以降は新たな金額が適用される見込みです。

産後パパ育休と通常育休、どっちがお得ですか?

給付率はどちらも67%で同じですが、両方を組み合わせて取得するのが最も所得補償が手厚くなります。産後パパ育休は最大28日、通常育休は原則1歳まで取得できるため、両方を活用すれば長期の育児参加が可能です。さらに、出生後休業支援給付金の13%上乗せ(給付率80%)を受けやすくなる点でも組み合わせが有利です。妻が復職するタイミングで交代したい場合はパパママ育休プラスの併用も検討できます。

産後パパ育休の給付金はいつ振り込まれますか?

給付金の振込は、休業開始から2〜3か月後が一般的な目安です。事業主のハローワークへの申請は「子の出生日から8週間経過の翌日」以降に可能で、そこから2か月以内に申請します。ハローワークでの支給決定から約1週間後に指定口座に振り込まれるため、休業中の生活費は事前に準備しておくのが安心です。振込時期は事業主の申請タイミングやハローワークの処理状況によって前後します。

出生後休業支援給付金(13%上乗せ)を受けるにはどんな要件がありますか?専業主婦の場合は?

2025年4月以降に産後パパ育休または育児休業を取得した被保険者が対象で、両親ともに14日以上(土日祝日を含む暦日カウント)の育児休業を取得することが原則の要件です。配偶者が専業主婦・専業主夫やひとり親の場合は、その事実を証明できれば本人のみの14日以上の取得でも要件を満たします。この場合、出生時育児休業給付金67%に13%が上乗せされ、最大28日間は給付率が合計80%になります。社会保険料の免除と非課税を合わせて実質手取り10割相当となりますが、月収46万円超の高所得者は10割に届かない場合があります。

産後パパ育休は女性も取れますか?

女性も取得可能です。ただし、「産後休業」(出産後8週間)を取得していないことが条件となります。実務上は、養子縁組で子どもを迎える女性など、産後休業を取得しないケースが該当します。

産後パパ育休中に就業することはできますか?

労使協定を締結している場合に限り、休業中の就業が可能です。就業日数の上限は、休業期間中の所定労働日および所定労働時間の半分までです。ただし、給付金の受給には「休業期間中の就業日数が10日以下(10日を超える場合は就業時間数80時間以下)」という要件があり、これを超えると給付金が不支給となります。就業を検討する場合は事前に労使協定の内容と給付金要件を確認しましょう。

2025年4月新設の育児時短就業給付金とは何ですか?

2025年4月から新設された雇用保険の給付金で、2歳未満の子を養育するために時短勤務を選択する雇用保険被保険者を対象としています。時短勤務中に支払われた賃金額の10%相当が支給され、育休復職後の収入減を補う仕組みです。産後パパ育休や育児休業からの復職後に活用することで、子育て期全体の所得補償を厚くできます。支給対象月の賃金額が471,393円(令和7年8月1日改定値・令和8年7月31日まで)以上の場合は不支給で、それを下回っても賃金額と給付金の合計が同額を超えるときは差額調整があります。

2025年10月の柔軟な働き方措置とは?企業は何を対応すべきですか?

2025年10月施行の育児・介護休業法改正により、3歳以上小学校就学前の子を育てる労働者向けに、企業は5つの選択肢(始業時刻等の変更、テレワーク等、保育施設の設置運営等、養育両立支援休暇、短時間勤務制度)から2つ以上の措置を実施することが義務化されました。労働者はそのうち1つを選択して利用できます。また、3歳になる前と妊娠・出産等の申出時に労働者の意向聴取・配慮も義務化されています。企業側は就業規則の見直しと従業員への個別周知が必要です。

産後パパ育休中の社会保険料はどうなりますか?賞与も免除されますか?

育児休業中は申出により健康保険料・厚生年金保険料が免除されます(従業員・企業ともに)。月次保険料は「月末日が育休中」または「同一月内で14日以上の育休取得」で免除されますが、賞与にかかる社会保険料の免除は「連続して1か月を超える育児休業を取得した場合」に限られます。したがって、産後パパ育休(最大28日)のみでは賞与分の保険料は免除対象外です。なお、免除期間中も将来の年金額には影響しません。自営業・フリーランス向けにも、2026年10月から国民年金保険料の育児期間免除制度が新たに始まる予定です。


まとめ

産後パパ育休(出生時育児休業)は、子の出生後8週間以内に最大28日(土日祝日含む暦日)取得できる制度で、通常の育児休業とは別に活用できます。給付率は67%が基本ですが、2025年4月から創設された「出生後休業支援給付金」で13%が上乗せされ、要件を満たせば最大28日間の給付率が80%(社会保険料免除と非課税を合わせて実質手取り10割相当)となります。

さらに2025年10月からは、3歳以上小学校就学前の子を育てる労働者向けに「柔軟な働き方を実現するための措置」(5選択肢から2つ以上)が企業に義務化され、育休取得後の働き方を支える環境整備も進んでいます。2026年10月からは自営業・フリーランス向けに国民年金保険料の育児期間免除制度も始まる予定で、雇用形態を問わず子育てを支える仕組みが拡充されています。

給付金の振込は休業開始から2〜3か月後になる点や、賞与にかかる社会保険料は産後パパ育休のみでは免除されない点など、実務上の留意事項もあります。事前に計画を立てて、家族と一緒に子育てのスタートを迎えましょう。

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