キャリアアップやリスキリング(学び直し)への関心が高まる中、資格取得や専門スキル習得にかかる費用は決して小さくありません。「働きながら資格を取りたいけれど費用がネックになる」「45歳・50歳を過ぎてからでも学び直しに使える制度はあるのか」――こうした声に応えるのが、雇用保険を財源とする「教育訓練給付制度」です。
教育訓練給付制度は、対象講座を修了した際に受講費用の一部が支給される国の制度で、訓練の種類やレベルに応じて一般教育訓練・特定一般教育訓練・専門実践教育訓練の3種類が用意されています。要件を満たせば、専門実践教育訓練では最大80%(3年間合計最大192万円)もの給付を受けられる仕組みです。
「教育訓練給付金はいくらもらえる?」「対象講座の一覧はどこで確認できる?」「45歳・50歳以上でも使える?」「働きながらでも申請できる?」「公務員は対象?」――こうした疑問にお答えしながら、教育訓練給付制度の概要・受給条件・対象講座・申請方法・支給時期までを網羅的にまとめました。学び直しの費用負担を軽くしたい方は、ぜひ参考にしてください。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する
この記事の目次
教育訓練給付制度とは?【2026年最新】3種類の概要
教育訓練給付制度とは、働く方の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的に、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に受講費用の一部を支給する制度です。雇用保険を財源とし、ハローワークが窓口となります。
訓練のレベル・目的に応じて「一般教育訓練」「特定一般教育訓練」「専門実践教育訓練」の3種類に分かれ、それぞれ給付率と上限額、対象講座が異なります。
| 区分 | 対象講座の例 | 給付内容 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 雇用の安定・就職のための教育訓練(税理士・社会保険労務士・Webクリエイター・CAD利用技術者試験・簿記・宅地建物取引士・TOEIC等) | 受講費用の最大20%(上限10万円) |
| 特定一般教育訓練 | 速やかな再就職・早期のキャリア形成に資する教育訓練(介護職員初任者研修・ケアマネジャー・大型自動車第一種/第二種免許・ITSSレベル2のIT資格等) | 受講費用の最大50%(上限25万円) |
| 専門実践教育訓練 | 中長期的キャリア形成に資する教育訓練(介護福祉士・看護師・美容師・歯科衛生士・保育士・社会福祉士・MBA等) | 受講費用の最大80%(年間上限64万円・3年間最大192万円) |
2026年(令和8年)4月1日現在、種類別の指定講座数は以下のとおりです。
| 種類 | 講座数 |
|---|---|
| 一般教育訓練 | 約12,352講座 |
| 特定一般教育訓練 | 約1,188講座 |
| 専門実践教育訓練 | 約3,488講座 |
| 合計 | 約17,000講座 |
具体的な講座は「教育訓練給付金検索システム(厚生労働省)」で地域・資格名・訓練種別から絞り込んで検索できます。
なお、教育訓練給付制度と混同されやすい「教育訓練支援給付金」は別制度で、専門実践教育訓練を受講する45歳未満の失業者に対して生活費相当の追加給付が行われる仕組みです。詳細は以下の関連記事をご参照ください。
教育訓練給付金はいくらもらえる?金額早見表
教育訓練給付金の支給額は、給付種類ごとに最大10万円・最大25万円・最大192万円(3年間合計)と大きく異なります。各種類の給付率・上限・追加要件をまとめた早見表がこちらです。
| 給付種類 | 基本支給率 | 基本上限 | 追加支給条件 | 最大支給率 | 最大上限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20% | 10万円 | なし | 20% | 10万円 |
| 特定一般教育訓練 | 40% | 20万円 | 資格取得+就職で+10% | 50% | 25万円 |
| 専門実践教育訓練 | 50%(年間40万円) | 年間40万円 | 資格取得+就職で+20%、さらに賃金5%アップで+10% | 80%(年間64万円) | 3年間で最大192万円 |
いずれの給付も、支給額が4,000円を超えない場合は支給されません。また、令和6年(2024年)10月以降に受講開始する講座から拡充された給付率が適用されます。
「専門実践教育訓練給付金の追加20%・上限16万円」とは何か?
「専門実践教育訓練給付金 追加20% 上限16万円」という検索が多く見られます。これは修了後1年以内に資格取得+雇用保険加入で就職した場合に加算される追加給付分の年間上限額を指します。
基本支給の50%(年間上限40万円)に加えて追加20%が加算され、合計70%(年間上限56万円)となります。差額の16万円が「追加20%分の年間上限」です。さらに賃金が受講前より5%以上上昇した場合はさらに10%(年間上限8万円)が加算され、合計80%・年間上限64万円となります。
教育訓練給付制度の条件(受給要件)を分かりやすく解説
教育訓練給付制度を受給するための基本条件は「雇用保険への加入」と「一定の加入期間」の2つです。在職中と離職後で要件が変わります。
・受講開始日時点で雇用保険に加入している
・雇用保険の加入期間が3年以上ある(初回は1年以上、専門実践は2年以上)
②離職後の場合
・離職日の翌日から1年以内に受講を開始する
・雇用保険の加入期間が3年以上ある(初回は1年以上、専門実践は2年以上)
制度ごとの初回利用時の加入期間要件は次のとおりです。
| 給付種類 | 初回利用 | 2回目以降 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 1年以上 | 3年以上(前回受講開始日以降) |
| 特定一般教育訓練 | 1年以上 | 3年以上(前回受講開始日以降) |
| 専門実践教育訓練 | 2年以上 | 3年以上(前回受講開始日以降) |
パート・アルバイト・派遣社員でも、雇用保険に加入していれば対象になります。出産・育児・病気・けが等の理由で受講できなかった場合は対象期間の延長が認められ、最長20年まで対象となる場合があります。
教育訓練給付制度は45歳以上・50歳以上・60歳以上でも利用できる?年齢制限は?
教育訓練給付制度(給付金)自体に年齢の上限はありません。45歳・50歳・60歳以上の方でも、雇用保険の加入要件を満たしていれば利用できます。
| 年齢 | 一般・特定一般教育訓練 | 専門実践教育訓練 |
|---|---|---|
| 45歳以上・50歳以上 | 年齢制限なし。雇用保険の加入要件を満たせば利用可 | 年齢制限なし。ただし「教育訓練支援給付金」は45歳未満のみ対象 |
| 60歳以上・定年後 | 年齢制限なし。離職後1年以内・加入期間3年以上等の要件を満たせば利用可 | 年齢制限なし(支援給付金は45歳未満のみ) |
| 65歳以上 | 雇用保険の被保険者資格を満たせば利用可(高年齢被保険者を含む) | 同左(支援給付金は45歳未満のみ) |
ただし、「教育訓練支援給付金」(専門実践教育訓練を受ける失業者への追加給付)は、受講開始時点で45歳未満の方が対象です。この点だけ注意しておきましょう。教育訓練支援給付金は令和9年(2027年)3月31日までに受講を開始した方が対象となる時限措置で、支給額は基本手当日額の60%相当です。
45歳以上・50歳以上の方におすすめの資格・講座は?
45歳以上・50歳以上の方には、早期の再就職につながる「特定一般教育訓練」(最大50%給付)や、医療・福祉・IT分野での専門職を目指す「専門実践教育訓練」(最大80%給付)が特に活用されています。
| 目的 | おすすめ資格・講座 | 給付種類 |
|---|---|---|
| 再就職・転職 | 介護職員初任者研修・ケアマネジャー・大型自動車第一種/第二種免許・けん引免許 | 特定一般教育訓練 |
| キャリアアップ・独立 | 社会保険労務士・税理士・宅地建物取引士・行政書士 | 一般教育訓練 |
| 専門職(中長期) | 看護師・介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・保育士 | 専門実践教育訓練 |
| デジタル・IT | ITSSレベル2以上のIT資格・第四次産業革命スキル習得講座 | 特定一般・専門実践 |
キャリアの方向性が固まっていない方は、まず教育訓練給付金検索システムで興味のある資格を検索し、ハローワークの訓練前キャリアコンサルティング(特定一般・専門実践では必須)で相談する流れがおすすめです。
在職中・働きながらでも利用できる?
教育訓練給付制度は在職中でも利用できます。受講開始日時点で雇用保険に加入しており、加入期間が3年以上あれば(初回は1年以上、専門実践は2年以上)、仕事を辞めなくても給付金を受け取れます。
働きながら資格取得を目指す場合の流れは以下のとおりです。
②対象講座を「教育訓練給付金検索システム」で検索する
③「特定一般・専門実践」の場合は受講開始2週間前までにキャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを取得する
④受講・修了後に必要書類をハローワークへ提出し、給付金を受け取る
夜間・通信制の講座も対象になるため、フルタイム勤務者でも学びやすい環境が整っています。
公務員は教育訓練給付制度を利用できる?
教育訓練給付制度は国家公務員・地方公務員は原則として利用できません。本制度は雇用保険の被保険者であることが要件となりますが、公務員は雇用保険の適用対象外だからです。
ただし、次のケースは対象になる可能性があります。
- 公務員として在職する前に、民間企業等で雇用保険に加入していた期間がある場合(離職後1年以内で加入期間要件を満たしていれば可能)
- 非常勤の国家公務員・地方公務員で、雇用保険に加入している場合
- 退職後に民間企業へ再就職し、雇用保険に加入している場合
具体的な要件はケースにより異なるため、お近くのハローワークにご確認ください。
過去に教育訓練給付金を受けた人でも再度利用できる?何回まで?何年あければよい?
過去に教育訓練給付金を受給したことがある方も、前回の受講開始日から3年以上経過し、その間に雇用保険に3年以上加入していれば再度給付を受けられます。回数の上限はありません。
- 前回の受講開始日以降、3年以上雇用保険に加入していること
- 前回の給付を受けた日から3年以上経過していること
ご自身が対象になるかわからない場合、以下のチャートも参考にしてください。
なお、離職から1年以上経過している方でも、求職者支援訓練や公共職業訓練を活用できるケースがあります。詳しくは以下の関連記事をご確認ください。
【種類別】対象講座・資格一覧と支給額の詳細
教育訓練給付金の3種類について、対応する資格・講座と詳しい支給額を解説します。
一般教育訓練給付金の対象講座と支給額
一般教育訓練給付金は、雇用の安定・再就職の促進に資する教育訓練を対象とし、修了時に受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。
| 支給割合 | 条件 | 上限額 |
|---|---|---|
| 20% | 訓練修了後に支給 | 10万円 |
対応する主な訓練・資格には次のようなものがあります。
・輸送・機械運転関係(大型自動車・建設機械運転等)
・介護福祉士実務者研修
・介護職員初任者研修
・税理士・社会保険労務士・行政書士
・Webクリエイター・CAD利用技術者試験
・TOEIC・TOEFL・実用英語技能検定
・簿記検定(日商簿記)
・宅地建物取引士
・MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
■大学院等の課程
・修士・博士の学位等の取得を目標とする課程
特定一般教育訓練給付金の対象講座と支給額
特定一般教育訓練給付金は、早期の再就職・キャリア形成を支援するため受講費用の最大50%(上限25万円)が支給されます。基本支給は40%(上限20万円)で、資格取得+就職の追加要件を満たすと10%が上乗せされます。
| 支給割合 | 条件 | 上限額 |
|---|---|---|
| 40% | 訓練修了後に支給 | 20万円 |
| 50%(40%+10%) | 修了日の翌日から1年以内に資格取得+雇用保険加入で就職 | 25万円 |
(※令和6年10月以降に開講する講座から拡充後の給付率が適用)
対応する主な訓練・資格は次のとおりです。
・介護支援専門員実務研修(ケアマネジャー)
・介護職員初任者研修
・特定行為研修
・大型自動車第一種・第二種免許
・けん引免許・大型特殊自動車免許
■デジタル関係の講座
・ITSSレベル2の情報通信技術関係資格の取得を目標とする講座
■大学・専門学校の課程
・短時間の職業実践力育成プログラム(文部科学大臣認定)
・短時間のキャリア形成促進プログラム(文部科学大臣認定)
専門実践教育訓練給付金の対象講座と支給額
専門実践教育訓練給付金は、中長期的なキャリア形成を支援する制度で、受講費用の最大80%(年間上限64万円・3年間最大192万円)が支給されます。
支給の仕組みは3段階です。
| 支給率 | 要件 | 年間上限 | 3年間の最大合計 |
|---|---|---|---|
| 50% | 受講中6か月ごとに支給 | 40万円 | 120万円 |
| 70%(50%+追加20%) | 修了後1年以内に資格取得+雇用保険加入で就職 | 56万円 | 168万円 |
| 80%(50%+追加30%) | 上記に加え、修了後の賃金が5%以上アップ | 64万円 | 192万円 |
法令上最短4年の専門実践教育訓練を受講する方は、4年目分について追加支給が受けられる場合があります。詳細はハローワークにお問い合わせください。
45歳未満で初めて専門実践教育訓練(通信・夜間を除く)を受講する失業中の方には、別途「教育訓練支援給付金」が支給されます。給付額は基本手当日額の60%相当(令和7年4月1日以降に受講開始の場合)で、令和9年(2027年)3月31日までの受講開始者が対象となる時限措置です。
対応する主な訓練・資格は次のとおりです。
・介護福祉士
・看護師・准看護師
・美容師
・社会福祉士
・歯科衛生士
・保育士
・調理師
・精神保健福祉士
・はり師・きゅう師・柔道整復師
■デジタル関係の講座
・第四次産業革命スキル習得講座(経済産業大臣認定)
・ITSSレベル3以上の情報通信技術関係資格の取得を目標とする講座
■大学院・大学・短期大学・高等専門学校の課程
・専門職大学院の課程(MBA・法科大学院・教職大学院等)
・職業実践力育成プログラム(文部科学大臣認定)
■専門学校の課程
・職業実践専門課程(文部科学大臣認定)
・キャリア形成促進プログラム(文部科学大臣認定)
大学院・大学の課程は教育訓練給付制度の対象になる?
大学院・大学の課程は、条件を満たせば教育訓練給付制度の対象になります。修士・博士の学位取得を目標とする課程は「一般教育訓練」、専門職大学院(MBA・法科大学院・教職大学院等)や職業実践力育成プログラムは「専門実践教育訓練」として指定されているケースが多く見られます。
対象となる大学・大学院の課程は、地域や学校ごとに指定状況が異なるため、教育訓練給付金検索システムで「大学」「大学院」等の条件を指定して検索してください。また、社会人向けの学び直しに特化した情報は、文部科学省が運営する「マナパス」にも掲載されています。
2026年度の指定講座一覧を確認する方法
2026年度(令和8年度)の指定講座は、教育訓練給付金検索システム(厚生労働省)で確認できます。地域・資格名・訓練種別(一般・特定一般・専門実践)などから絞り込み検索が可能です。
・専門実践教育訓練の指定講座(令和8年4月1日付け・厚生労働省)
・特定一般教育訓練の指定講座(令和8年4月1日付け・厚生労働省)
・一般教育訓練の新規・再指定講座一覧(令和8年4月1日付け・厚生労働省PDF)
指定講座は毎年4月1日と10月1日の年2回更新されます。最新情報は厚生労働省のWebサイトまたはハローワークで確認してください。
教育訓練給付金はいつもらえる?申請方法と支給時期
教育訓練給付金は訓練修了後にハローワークへ申請書類を提出し、審査を経て指定口座へ振り込まれます。申請から入金までの目安は約1か月〜2か月です。訓練の種類ごとに申請期間と支給タイミングが異なるため、以下で確認しましょう。
| 種類 | 申請期間 | 支給時期の目安 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 訓練修了日の翌日から1か月以内 | 申請から約1か月後 |
| 特定一般教育訓練 | 訓練修了日の翌日から1か月以内(追加給付は資格取得・就職から1か月以内) | 申請から約1か月後 |
| 専門実践教育訓練 | 受講開始日から6か月ごとの支給対象期間の末日の翌日から1か月以内(半期ごとに年2回) | 受講中は6か月ごと。追加給付は資格取得後1か月以内、賃金アップ加算は取得後1年以内 |
専門実践教育訓練は受講中から支給が始まる点が特徴です。長期の訓練でも、6か月ごとに給付を受け取れるため学費負担が軽減されます。
対象講座への申請の流れ
申請手続きはハローワークで行います。基本の流れは次のとおりです。
②「特定一般・専門実践」の場合は受講開始2週間前までにジョブ・カードを作成し、キャリアコンサルティングを受ける
③対象講座を受講・修了する
④修了証明書・領収書等の必要書類をハローワークに提出する
⑤ハローワークで審査後、指定口座に給付金が振り込まれる
必要書類には、教育訓練給付金支給申請書・教育訓練修了証明書・領収書・本人確認書類・雇用保険被保険者証などがあります。書類が揃わないと審査が進まないため、修了時に施設から確実に受け取りましょう。
【注意】受講前にキャリアコンサルティングが必須の場合あり
「特定一般教育訓練」と「専門実践教育訓練」で給付金を受給するには、事前に「訓練前キャリアコンサルティング」を受けることが必須です。就業目標・職業能力の開発向上に関する事項を記載した「ジョブ・カード」の交付を受け、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認の手続きを行う必要があります。
一般教育訓練にはこの事前手続きは不要ですが、受給資格の有無を事前にハローワークで確認しておくと安心です。
教育訓練経費に含まれるもの・含まれないもの
給付金の計算対象となる「教育訓練経費」には、講座受講のために教育訓練施設に対して支払った次の費用が含まれます。
| 含まれるもの | 含まれないもの |
|---|---|
| 入学料・受講料(消費税込み)/教材費のうち施設が指定するもの | 受講のための交通費・宿泊費 |
| 施設が斡旋する教科書・テキスト代(受講に必須なもの) | 受験手数料・資格試験の受験料 |
| 実習費(一部) | パソコン・器材のレンタル料・購入費 |
| — | クレジット手数料・振込手数料 |
領収書は必ず受講者本人の名義で受け取り、内訳が明確に分かるものを保管しておきましょう。
離職後1年以上経過しても使える?
離職後1年を超えると原則として教育訓練給付制度は利用できませんが、妊娠・出産・育児・病気・けが・在職者の海外派遣等で受講できなかった場合は、対象期間の延長が認められる場合があります。延長申請により最長20年まで対象期間を延ばせるため、まずはハローワークで相談することをおすすめします。
離職後1年以上経過し延長理由もない場合でも、求職者支援訓練・公共職業訓練など別の学び直し支援制度を活用できるケースがあります。
教育訓練給付制度に関するよくある質問
最後に、教育訓練給付制度に関するよくある質問をまとめました。
教育訓練給付金はいくらもらえますか?
給付種類によって異なります。一般教育訓練は受講費用の20%(上限10万円)、特定一般教育訓練は最大50%(上限25万円)、専門実践教育訓練は最大80%(年間上限64万円・3年間最大192万円)です。いずれも支給額が4,000円を超えない場合は支給されません。
教育訓練給付金は何歳まで利用できる?45歳・50歳以上でも使える?
教育訓練給付制度(給付金)自体に年齢の上限はありません。45歳・50歳・60歳以上・65歳以上の方でも、雇用保険の加入要件(在職中は3年以上、離職後は離職から1年以内かつ3年以上など)を満たしていれば利用できます。ただし、「教育訓練支援給付金」(専門実践教育訓練を受ける失業者への追加給付)は、受講開始時に45歳未満の方が対象です。
45歳・50歳以上におすすめの講座・資格はどれですか?
45歳・50歳以上の方には、早期再就職につながる「特定一般教育訓練」(ケアマネジャー・介護職員初任者研修・大型免許等、最大50%給付)や、医療・福祉・IT分野の「専門実践教育訓練」(看護師・介護福祉士・社会福祉士等、最大80%給付)が多く活用されています。転職・独立志向の方には、社会保険労務士・税理士・宅地建物取引士などの「一般教育訓練」(最大20%給付)も選ばれています。なお「教育訓練支援給付金」(失業者への追加給付)は45歳未満のみ対象です。
公務員は対象になる?
教育訓練給付制度は、国家公務員・地方公務員は原則として利用できません。本制度は雇用保険の加入が要件となりますが、公務員は雇用保険の適用対象外だからです。ただし、民間企業等での勤務経験があり、雇用保険加入期間が条件を満たしている場合(離職後1年以内など)は対象になるケースがあります。非常勤公務員で雇用保険に加入している場合も対象となり得ます。詳しくはハローワークにご確認ください。
TOEICやプログラミングの講座は対象になりますか?
対象となる場合があります。TOEIC対策講座は一般教育訓練の指定を受けているものが多く、プログラミングやITスキル関連ではITSSレベル2以上の資格取得を目標とする講座が特定一般または専門実践教育訓練の指定を受けています。具体的な講座は教育訓練給付金検索システムでご確認ください。
働きながら受講しても対象になる?
はい。受講開始日時点で雇用保険に加入していれば、働きながらでも教育訓練給付金の対象になります。雇用保険の加入期間が3年以上あれば(初回は1年以上、専門実践は2年以上)、仕事を続けながら講座を受講して給付金を受け取ることができます。夜間・通信制の講座も対象です。
教育訓練給付金はいつもらえますか?
一般教育訓練・特定一般教育訓練は訓練修了後にハローワークで申請し、約1か月後に指定口座へ振り込まれます。専門実践教育訓練は受講中から6か月ごとに支給される仕組みで、資格取得+就職の追加給付・賃金アップの加算は取得・就職後に順次支給されます。
教育訓練給付金は何回まで使える?何年あければ再度受けられる?
回数の上限はありません。前回の受講開始日以降に雇用保険に3年以上加入していれば再度給付を受けられます。前回の給付を受けた日から3年以上経過している場合も対象です。この2つの条件はどちらかを満たせば再受給可能です。
特定一般教育訓練給付金は40%と50%のどちらがもらえますか?
基本は受講費用の40%(上限20万円)が修了後に支給されます。さらに、訓練が目標とする資格を取得し、修了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として就職(または在職のまま資格取得)した場合に追加で10%が支給され、合計50%(上限25万円)となります。令和6年10月以降に開講する講座が対象です。
専門実践教育訓練給付金の「追加20%・上限16万円」とはどういう意味?
専門実践教育訓練給付金の基本支給は受講費用の50%(年間上限40万円)です。修了後1年以内に資格を取得し雇用保険に加入した場合、追加で20%(年間上限16万円)が加算され、合計70%(年間上限56万円)になります。「追加20%・上限16万円」とはこの加算分を指しています。さらに、賃金が受講前より5%以上上昇した場合はさらに10%(年間上限8万円)が追加され、合計80%(年間上限64万円、3年間最大192万円)となります。
対象講座・資格の一覧はどこで確認できる?
対象講座の一覧は、厚生労働省の「教育訓練給付金検索システム」(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/)で確認できます。地域・資格名・訓練種別(一般・特定一般・専門実践)などで絞り込んで検索できます。2026年4月1日時点で合計約17,000講座(一般約12,352・特定一般約1,188・専門実践約3,488)が指定されています。ハローワーク窓口でも案内してもらえます。
教育訓練給付制度の条件(受給要件)を教えてください。
在職中の場合は「受講開始日時点で雇用保険に加入しており、加入期間が3年以上(初回は1年以上)」であること。離職後の場合は「離職日の翌日から1年以内に受講を開始し、加入期間が3年以上(初回は1年以上)」であることが主な条件です。専門実践教育訓練は初回の場合、加入期間が2年以上必要です。パート・アルバイト・派遣社員でも雇用保険に加入していれば対象になります。
まとめ
キャリアアップやリスキリングが注目される中、教育訓練給付制度は資格取得や専門スキル習得に伴う費用負担を大きく軽減する支えとなります。
制度のポイントを整理します。
- 3種類の給付金・金額:一般(20%・上限10万円)/特定一般(最大50%・上限25万円)/専門実践(最大80%・年間上限64万円・3年間最大192万円)
- 受給条件:雇用保険に加入していること(在職中は3年以上、離職後は離職から1年以内かつ3年以上)。初回は1年以上(専門実践のみ2年以上)
- 年齢制限なし:45歳・50歳・60歳以上でも雇用保険の加入要件を満たせば利用可能(教育訓練支援給付金のみ45歳未満が対象)
- 在職中も利用可能:仕事を辞めなくても、加入期間3年以上(初回は1年以上)で受給できる
- 公務員は原則対象外:雇用保険の適用対象外のため。民間勤務経験がある場合などは対象になるケースあり
- 追加20%(専門実践):資格取得+就職で基本50%に追加20%が加算され70%に。さらに賃金5%以上アップで80%に(追加20%分の年間上限は16万円、賃金アップ加算分の年間上限は8万円)
- 2026年度の指定講座:合計約17,000講座(一般約12,352・特定一般約1,188・専門実践約3,488)を教育訓練給付金検索システムで検索可能
- 再受給:前回受講開始日から3年以上の加入または前回給付から3年以上の経過で再度利用可能
制度を活用する際は、自身の目的に合った訓練種類を選ぶこと、受給資格や必要な手続きを事前に確認しておくことがポイントです。特に特定一般教育訓練と専門実践教育訓練では、訓練前キャリアコンサルティング(受講開始2週間前まで)が必須です。自分のキャリアプランを明確にするためにも、有効に活用しましょう。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する



