1. 補助金ポータルTOP
  2. 補助金・助成金・給付金コラム
  3. 教育訓練休暇給付金とは?対象者・金額・申請方法を解説

教育訓練休暇給付金とは?対象者・金額・申請方法を解説

公開日:2025/6/16 更新日:2026/6/26
image

「スキルアップや資格取得のために長期間会社を休みたいけれど、その間の生活費が不安」「学び直しのために退職するのはリスクが大きい」――こうした悩みを抱える人にとって、新しい支援制度が2025年10月にスタートしました。

教育訓練休暇給付金は、雇用保険の被保険者が自発的に教育訓練を受けるために30日以上の無給休暇を取得した場合、賃金の50〜80%相当が支給される制度です。会社を辞めずに学び直しに専念できる仕組みとして、2025年10月1日から施行されました。

支給期間は雇用保険の加入期間に応じて90日・120日・150日のいずれかで、月額25万円の人なら月約17万円の支給が目安となります。本記事では、教育訓練休暇給付金の対象者・支給額・対象講座・申請方法を最新情報でわかりやすく解説します。

無料で相談する

▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する

この記事の目次

\ 制度やどの補助金が使えるか知りたい! /
お問い合わせ
\ 申請サポートをお願いしたい! /
専門家を探す
補助金対象商品を調べる
導入したい商材が補助金に対応しているかチェック!
ITトレンドへ

教育訓練休暇給付金とは?2025年10月新設の制度をわかりやすく解説

教育訓練休暇給付金とは、雇用保険の一般被保険者が社内制度に基づき教育訓練を受けるために30日以上連続した無給休暇を取得した場合に、基本手当相当額(賃金の50〜80%)が支給される制度です。「雇用保険法等の一部を改正する法律」の施行に基づき、2025年(令和7年)10月1日に創設されました。

支給はハローワークが窓口となり、教育訓練休暇開始日から30日ごとの認定申告に基づき行われます。在職中でありながら退職時の失業手当と同水準の所得補償が受けられる、新しいリスキリング支援の仕組みです。

給付金創設の背景は?

これまで労働者がスキルアップのために長期の教育訓練を受けようとする場合、無給休暇を取得するか退職するかの2択でした。無給休暇では生活費の不安、退職ではキャリアの断絶という大きなリスクがあり、自主的な学び直しに踏み切れないケースが多くありました。

教育訓練休暇給付金は、「退職せずに学び直しに専念できる」環境を整えることで、人生100年時代におけるリスキリング・学び直しを後押しすることを目的としています。同時に施行された改正雇用保険法では、教育訓練給付金の給付率引上げや雇用保険の適用拡大も段階的に整備されています。

教育訓練給付金との違いは?

名称が似ている既存制度「教育訓練給付金」と教育訓練休暇給付金は、目的・支給対象が明確に異なります。

項目教育訓練給付金(既存)教育訓練休暇給付金(新設)
支給目的教育訓練の受講費用補助休暇中の生活費補助
支給対象教育訓練経費の20〜80%賃金の50〜80%(基本手当相当)
支給期間訓練修了後に一括または分割支給休暇期間中(最大90〜150日)
休暇取得必須ではない(在職・離職両方可)30日以上の無給休暇が必須
施行1998年〜2025年10月1日〜

両制度は併用可能です。受講料の補助は教育訓練給付金で、休暇中の生活費は教育訓練休暇給付金で、と組み合わせて活用することで負担を大きく減らせます。

教育訓練給付金とは?【2026年・令和8年】対象講座や申請方法を解説

教育訓練休暇給付金はいくらもらえる?金額の計算方法

教育訓練休暇給付金の支給額は、離職時に受け取る基本手当(いわゆる失業手当)と同等の水準で支給されます。目安としては、直近6か月間に支払われた賃金の50〜80%相当です。

給与額面別の支給額目安

具体的な支給額の目安は以下のとおりです。

支給額のイメージ
・給与額面が25万円の場合:月額約17万円
・給与額面が35万円の場合:月額約19.5万円
・給与額面が45万円の場合:月額約22.5万円

厚生労働省の公式ページでは「年齢」と「額面月収」を入力するだけで支給額を簡易試算できるツールが公開されています。実際の支給額は加入期間や賃金水準により個別に算出されるため、申請前にこのツールで概算を確認しておくと安心です。

基本手当日額の年齢別上限額は?

基本手当日額には年齢区分ごとに上限額が定められています。賃金水準が高くても、この上限を超える支給はありません。

年齢区分基本手当日額の上限
30歳未満7,065円
30歳以上45歳未満7,845円
45歳以上60歳未満8,635円
60歳以上65歳未満7,420円

※令和6年8月1日現在の上限額。給付率の改定により毎年8月に変更される可能性があります。

給付額はこの上限の範囲内で、賃金日額に所定の給付率(50〜80%)を乗じて算出されます。賃金水準が低い人ほど給付率が高くなる仕組みです。

支給日数は何日?雇用保険加入期間で決まる

支給日数は、雇用保険の被保険者であった期間に応じて90日・120日・150日のいずれかとなります。

雇用保険加入期間所定給付日数
5年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

支給は教育訓練休暇の開始日から起算し30日ごとに1回ずつ行われます。直前の30日の各日について、教育訓練休暇を取得していることが認定された場合に支給される仕組みです。

なお、教育訓練休暇給付金の支給を受けると、休暇開始日前の被保険者期間は基本手当(失業手当)の受給資格決定に用いる期間から除かれます。将来離職した際の失業手当の計算に影響する可能性があるため、申請前に理解しておきましょう。

教育訓練休暇給付金の対象者は?支給要件をチェック

教育訓練休暇給付金の対象となるには、雇用保険の被保険者期間と休暇の性質に関する要件をすべて満たす必要があります。

雇用保険の被保険者期間に関する要件は?

被保険者期間に関する要件は次の2つです。

条件内容補足
被保険者期間休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があること1か月あたり11日以上勤務した月が算定対象
雇用保険加入期間休暇開始前に5年以上、雇用保険に加入していた期間があること離職期間があっても、一定条件を満たせば通算可能

なお、疾病・負傷などの理由で30日以上賃金の支払いを受けることができなかった場合は、特例として最大で休暇開始前4年間に被保険者期間が12か月以上あれば受給できます。

また、離職した期間があっても「離職から1年以内」かつ「失業手当を受け取っていない」場合は、離職前と再就職後の雇用保険加入期間を通算できます。

対象となる休暇の要件は?

対象となる休暇は、以下のすべての要件を満たす必要があります。

・就業規則や労働協約等に規定された休暇制度に基づく休暇であること
・労働者本人が教育訓練を受講するために自発的に取得することを希望し、事業主の了承を得て取得する30日以上連続の無給休暇であること
・収入を伴う就労を行わないこと
・教育訓練休暇以外の休暇・休業(年次有給休暇や育児休業等)と重複しないこと

会社の業務命令による研修・出張は対象外です。あくまで労働者本人の自発的なスキルアップ意思に基づく休暇である必要があります。また、収入を伴う就労を行なった日、教育訓練休暇とは異なる休暇・休業(有給休暇や育児休業等)を取得した日については支給を受けられません。

教育訓練休暇給付金の対象講座は?資格一覧と検索方法

教育訓練休暇給付金の対象となる教育訓練は、職業に関する教育訓練として認められたものに限られます。具体的には次の3つのカテゴリです。

①学校教育法に基づく教育機関の教育訓練

大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専修学校または各種学校が提供する教育訓練が対象となります。例として、社会人向けのMBA、大学院での修士課程、専門学校での資格取得コースなどが該当します。長期間(半年〜2年程度)の本格的な学び直しに活用できる選択肢です。

②教育訓練給付金の指定講座

厚生労働大臣の指定を受けて教育訓練給付金の講座を実施している法人による教育訓練が対象となります。一般教育訓練・特定一般教育訓練・専門実践教育訓練のすべてが対象に含まれます。

主な対象資格・分野は以下のとおりです。

  • 業務独占資格:税理士、社会保険労務士、宅地建物取引士、行政書士など
  • 名称独占資格:介護福祉士、看護師、保育士など
  • 輸送・機械運転:大型自動車、建設機械運転など
  • IT系:CAD利用技術者、ITパスポート、基本情報技術者など
  • 語学:TOEIC対策、英語コミュニケーション講座など
  • 事務系:簿記検定、Webクリエイターなど

③職業に関する教育訓練として職業安定局長が定めるもの

司法修習、語学留学、海外大学院での修士号の取得などが含まれます。海外で学び直しをしたい人にとっても活用できる仕組みになっています。

対象講座の検索方法は?3つの公式サイトを活用

対象となる講座は、以下の公式サイトで検索できます。受講前に対象講座かを必ず確認しましょう。

検索サイト主な内容
厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム教育訓練給付金の指定講座を地域・資格名で検索
マナパス社会人向けの大学・大学院等での学び直し講座を紹介
マナビDXデジタルスキルを学ぶ学習コンテンツを紹介

教育訓練休暇給付金の申請方法は?5ステップで解説

教育訓練休暇給付金の申請は、事業主と労働者が連携して行う必要があります。事業主の協力が前提となるため、休暇取得前に十分な調整が必要です。

①教育訓練休暇の取得を事業主と合意する

被保険者と事業主の間で、教育訓練休暇期間・目標・内容等について合意します。就業規則等に教育訓練休暇制度の規定がない場合は、事前に規定を整備する必要があります。合意の証拠として「教育訓練取得確認表」などの書面を作成しておくと安心です。

②事業主がハローワークに賃金月額証明書等を提出

教育訓練休暇開始日の翌日から起算して10日以内に、事業主が事業所所在地を管轄するハローワークへ賃金支払状況・休暇期間等を届け出ます。「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」などの書類を提出します。

③労働者が支給申請書をハローワークに提出

ハローワークから事業主を通じて「賃金月額証明票(本人手続き用)」と「教育訓練休暇給付金支給申請書(省令様式第33号の2の10)」が交付されます。氏名・被保険者番号・教育訓練に関する情報・振込先金融機関などを記入し、住居所管轄のハローワークに提出します。

④30日ごとに認定申告書を提出

休暇開始から起算して30日を経過するごとに「教育訓練休暇取得認定申告書」を労働者がハローワークへ提出します。申告を忘れると給付が受けられないため注意してください。

⑤給付金が指定口座に振り込まれる

ハローワークが認定を行った後、直前の30日の各日について教育訓練休暇を取得していることが確認できた場合に、給付金が指定口座に振り込まれます。届出・支給申請・認定申告の手続きについては、電子申請や郵送も可能です。

特定教育訓練休暇給付金受給者とは?

教育訓練休暇給付金の支給を受けた後に労働者が離職した場合、原則として休暇開始日前の被保険者期間は基本手当(失業手当)の受給資格決定に用いる期間から除かれます。これにより、その後の失業手当の所定給付日数が短くなる可能性があります。

ただし、会社都合等での離職の場合は「特定教育訓練休暇給付金受給者」として取り扱われ、被保険者期間が除外されない特例が適用されます。具体的には、倒産・解雇等による離職、特定理由離職者に該当する場合などです。

自己都合退職の場合は被保険者期間が除外されるため、教育訓練休暇給付金の利用後に短期間で自主退職することは、失業手当の観点ではデメリットになる可能性があります。長期的なキャリアプランを踏まえて活用しましょう。

事業主側に必要な対応は?就業規則の整備が必須

教育訓練休暇給付金の対象となる休暇は「就業規則や労働協約等に規定された休暇制度に基づく休暇」に限られます。事業主側には次のような対応が必要です。

①就業規則等に教育訓練休暇制度を規定する
②労働者の教育訓練休暇申請に対応する仕組みを整える
③休暇開始後10日以内に賃金月額証明書をハローワークに提出する
④30日ごとに認定申告書の交付に協力する

特に、就業規則の整備は事業主の最も重要な役割です。「労働者が30日以上連続して取得可能な無給の教育訓練休暇制度」を明文化する必要があります。常時雇用する労働者が10人未満で就業規則の作成・届出をしていない事業所の場合は、制度の措置が明文化され、労働者に周知されていることを確認できる書類が必要です。

なお、事業主側で教育訓練休暇制度の整備を行う場合、人材開発支援助成金の「教育訓練休暇等付与コース」を活用することで、制度導入費用の一部を助成金で賄うこともできます。

人材開発支援助成金「教育訓練休暇等付与コース」とは?【2026年度改正】最大36万円・要件と申請方法

教育訓練休暇給付金に関するよくある質問

最後に、教育訓練休暇給付金に関するよくある質問を紹介します。

教育訓練休暇給付金はいくらもらえる?

直近6か月間に支払われた賃金の50〜80%相当が支給されます。給与額面25万円の人なら月額約17万円、35万円なら約19.5万円、45万円なら約22.5万円が目安です。基本手当日額には年齢別の上限額があり、30歳以上45歳未満で7,845円、45歳以上60歳未満で8,635円となっています。厚生労働省公式ページの簡易試算ツールで概算を確認できます。

教育訓練給付金と教育訓練休暇給付金の違いは?

教育訓練給付金は教育訓練の受講費用の一部(経費の20〜80%)を補助する制度で、教育訓練休暇給付金は休暇中の生活費を補助する制度(賃金の50〜80%)です。両者は併用可能で、受講料は教育訓練給付金、休暇中の生活費は教育訓練休暇給付金と使い分けることで、学び直しの経済負担を大きく減らせます。

対象となる講座・資格はどんなものがある?

①大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専修学校・各種学校が提供する教育訓練、②教育訓練給付金の指定講座(一般・特定一般・専門実践)、③司法修習・語学留学・海外大学院での修士号取得などの3カテゴリです。主な対象資格には税理士・社会保険労務士・宅地建物取引士・介護福祉士・看護師・保育士・簿記検定・TOEIC対策などがあります。具体的な講座は厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム、マナパス、マナビDXで検索できます。

支給期間は何日?

雇用保険加入期間に応じて90日・120日・150日のいずれかです。5年以上10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日となります。支給は教育訓練休暇開始日から起算し30日ごとに1回行われ、直前の30日について教育訓練休暇を取得していることが認定された場合に支給されます。

パートやアルバイトでも対象になる?

パートやアルバイトでも、要件に該当して雇用保険に加入しており、被保険者期間の要件(休暇開始前2年間に12か月以上、かつ休暇開始前に5年以上の雇用保険加入期間)を満たせば対象となります。雇用形態を問わず、雇用保険の被保険者であることが基本要件です。

会社の業務命令での研修・出張も対象?

対象外です。教育訓練休暇給付金は労働者本人の自発的なスキルアップ意思に基づく休暇取得が前提のため、会社の業務命令による研修や出張は支給対象になりません。また、有給休暇や育児休業など他の休暇・休業と重複する日も対象外となります。

給付を受けた後に退職すると失業手当はどうなる?

原則として、教育訓練休暇給付金の支給を受けると、休暇開始日前の被保険者期間が基本手当(失業手当)の受給資格決定に用いる期間から除かれます。その結果、その後の失業手当の所定給付日数が短くなる可能性があります。ただし、会社都合等での離職の場合は「特定教育訓練休暇給付金受給者」として被保険者期間が除外されない特例が適用されます。

事業主はどんな対応が必要?

事業主は①就業規則等に教育訓練休暇制度を規定する、②労働者の休暇申請に対応する仕組みを整える、③休暇開始後10日以内に賃金月額証明書をハローワークに提出する、④30日ごとに認定申告書の交付に協力する、という4つの対応が必要です。特に就業規則の整備は必須で、対応していない場合は労働者が給付を受けられません。事業主の制度整備費用には、人材開発支援助成金「教育訓練休暇等付与コース」を活用することもできます。

産休・育休と重なる場合はどうなる?

教育訓練休暇給付金の支給期間中に妊娠・出産・育児などの理由で30日以上教育訓練を受けることができない場合、ハローワークに申し出ることで、最大4年以内の教育訓練休暇取得日について受給できる特例が適用されます。ただし、育児休業給付金など他の給付と重複する日は対象外です。

申請に必要な書類は?

主な提出書類は①教育訓練休暇給付金支給申請書(省令様式第33号の2の10)、②賃金月額証明票(本人手続き用)、③雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(事業主から提出)、④30日ごとの教育訓練休暇取得認定申告書、⑤教育訓練の受講を証明する書類などです。書類はハローワークから事業主経由で交付されます。電子申請や郵送にも対応しています。


まとめ

教育訓練休暇給付金は、2025年10月にスタートした新しい支援制度です。雇用保険の被保険者が自発的に30日以上の無給休暇を取得して教育訓練を受ける場合、賃金の50〜80%相当(基本手当相当額)が90〜150日支給されます。「退職せずに学び直しに専念できる」点が最大のメリットで、長期間のMBA取得・専門資格取得・海外留学などにも活用できます。

既存の教育訓練給付金(受講費用の補助)との併用も可能です。受講料は教育訓練給付金で、休暇中の生活費は教育訓練休暇給付金で補うことで、学び直しの経済的負担を大きく減らせます。事業主側も就業規則の整備が必要となるため、労使で連携して活用を進めましょう。

労働者の働く意欲は、スキルアップのチャンスにも大きく影響されます。企業にとっても人材育成は業績によい影響をもたらす取り組みです。働く人も企業もともに成長し、輝ける環境の整備に向けて、教育訓練休暇給付金制度をはじめとした支援制度を積極的に活用していきましょう。

公式ページを確認する

無料で相談する

▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する

関連記事