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求職者支援制度とは?月10万の給付金や無料の職業訓練【条件や対象者も解説】

公開日:2022/5/30 更新日:2026/1/14
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「求職者支援制度」とは、転職やスキルアップを目指す方が、給付金を受け取りながら無料の職業訓練を受けられる制度です。転職や再就職では、離職し、次の職が決まるまでの間は収入が不安定になりがちです。特に雇用保険の適用がなかった方は、失業手当などの支援が受けられず、職探しに専念できないという問題もあります。

厚生労働省は、こうした転職・再就職を目指す人のために、求職者支援を行っています。また、一定額以下の収入のパートタイムで働きながら正社員への転職を目指す方なども、この制度を活用することができます。

本記事では、求職者支援制度の内容について紹介します。転職や再就職、仕事をしながらスキルアップをしたいけれど、収入の不安がある方は参考にしてください。

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この記事の目次

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求職者支援制度とは

求職者支援制度は、生活のための支援を受けながら転職・再就職・スキルアップを目指す制度です。具体的には、月10万円の給付金を受給しながら無料で職業訓練を受講できます。給付金は、支給要件を満たしている方のみを支給対象としていますが、支給条件を満たしていない方でも無料の職業訓練を受講できる特徴があります。

求職者支援制度の対象者

求職者支援制度について、まずは対象者の要件を整理してみましょう。

本制度では「求職者支援訓練」を受けることになりますが、原則として「雇用保険を受給できない求職者」が対象です。ただし、雇用保険受給中であってもハローワークで相談するなかで本人の就職などに適した内容であれば訓練を受けられます。

このように、求職者支援制度は、「給付金を受けて訓練を受講する場合」と「給付金を受けずに訓練のみを受講する場合」で以下のように対象者が異なります。

離職者在職者
給付金を受けて訓練を受講・雇用保険の適用がなかった離職者の方
・フリーランス・自営業を廃業した方
・雇用保険の受給が終了した方など
一定額以下の収入で働きながら、転職を目指す方など

(例)パートで働きながら正社員への転職を目指す方
給付金を受けずに訓練のみを受講親や配偶者と同居し、一定の世帯収入がある方など

(例)親と同居している学卒未就職の方
働いていて一定の収入のある方など

(例)フリーランスで働きながら正社員への転職を目指す方

たとえば、以下のような方が対象者として該当します。

  • 雇用保険に加入できなかった方
  • 雇用保険の失業給付(基本手当)を受給中に再就職できないまま、支給終了した方
  • 雇用保険の加入期間が足りずに失業給付を受けられい方
  • 自営業を廃業した方
  • 就職先が決まらないまま学校を卒業した方
  • 直ちに転職せず働きながらスキルアップを目指す方(雇用保険被保険者は対象外)

求職者支援制度では、雇用保険の加入者や雇用保険を受給できない方を対象としていますが、職業訓練のみの受講を含めると、幅広い方を対象としている点を理解しておきましょう。

求職者支援制度の対象要件

求職者支援制度を利用するための要件を解説します。本制度では、職業訓練を受講するための要件と給付金受給の要件が異なる点に注意が必要です。

本制度を利用するためには、「職業訓練の受講」と「給付金の受給」でそれぞれの要件をすべて満たしている必要があります。特に給付金を受給して訓練を受講したい場合は、ご自身が要件を満たしているかどうかをしっかりと確認しましょう。

訓練受講の要件

求職者支援制度における職業訓練受講の要件は以下のとおりです。

1.ハローワークに求職の申込みをしていること
2.雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
3.労働の意思と能力があること
4.職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと

ただし、週の所定労働時間が20時間以上である在職中の方や短時間就労などを希望する方は対象外です。

給付金の受給要件

求職者支援制度における給付金受給要件は以下のとおりです。

1.本人収入が月8万円以下
2.世帯全体の収入が月30万円以下
3.世帯全体の金融資産が300万円以下
4.現在住んでいるところ以外に土地や建物を所有していない
5.訓練実施日すべてに出席する
6.世帯の中で同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がいない
7.過去3年以内に、不正の行為による特定の給付金の支給を受けていない
8.過去6年以内に、職業訓練受講給付金の支給を受けていない

※訓練の出席率については、やむを得ない事情による欠席を証明できる場合などでも8割以上の出席が必要(育児や介護など証明できない場合も同様)

このように、給付金を受給するためには本人および世帯全体が一定の収入以下でなければなりません。一定額以上の金融資産や不動産関係資産の所有がある場合も対象外となるためご注意ください。また、同一世帯で同時に複数の方が給付金を受給することもできません。たとえば、収入要件などを満たしているとしても、同居する夫と妻が同時に給付金を受給することはできないということです。

求職者支援制度の支給額

求職者支援制度の支給額は、以下のとおりです。

手当の種類支給額詳細
職業訓練受講手当月10万円・訓練受講期間は、1か月ごとに支給
通所手当通所のための交通費
(上限月42,500円)
・訓練施設へ通所する場合の定期乗車券などの額
・給付金の収入要件は満たしていないが以下の収入額である場合かつ他の給付要件を満たす場合は、通所手当のみを受けられる

【通所手当のみを受給するための収入要件】
本人の収入が月12万円以下かつ世帯収入が月34万円以下
寄宿手当月10,700円訓練施h設へ通所するために同居の配偶者、家族と別居して寄宿する場合で、住居の変更が必要とハローワークが認める場合に支給
※寄宿先は訓練施設に付属する宿泊施設やアパートなど

特に注目したい点は、通所手当です。求職者支援制度では、「本人の収入が月8万円以下」、「世帯の収入が月30万円以下」であることを給付金要件に定めていますが、これを満たしていない場合でも通所手当のみを受給することができます。通所手当のみを受給する際も一定の収入要件が設けられていますが、少しでももらえる可能性がある点は魅力です。

求職者支援融資もある

給付金を受給しても、生活費が不足する場合には、融資制度である「求職者支援資金融資」を利用できます。

融資金額利率
単身者月額5万円(上限)× 受講予定訓練月数(最大12)2%
扶養家族がいる方月額10万円(上限)×受講予定訓練月数(最大12)2%

求職者支援制度の訓練コース

求職者支援制度を利用して受けられる主な訓練コースは、以下のとおりです。

基礎ビジネスパソコン科、オフィスワーク科など
ITWEBアプリ開発科、Android/JAVAプログラマ育成科など
営業・販売・事務OA経理事務科、営業販売科など
医療事務医療・介護事務科、調剤事務科など
介護福祉介護職員初任者研修科、介護職員実務者研修科など
デザイン広告・DTPクリエーター科、WEBデザイナー科など
その他3次元CAD活用科、ネイリスト養成科など

主な訓練コースの訓練期間は2か月から6か月ですが、より長い訓練(最長2年)を受けられる「公共職業訓練」などもあります。また、託児サービスを利用できる訓練コースもあるため、小さな子どもがいる方でも安心して利用できるでしょう。

とくにデジタル分野の訓練コースでは定員増加に向けた取り組みを進めており、これまでほとんどパソコンを使用したことがない方や、前職でパソコンスキルが身に付けられなかった方なども受講可能です。

さまざまなコースがあるため、希望職種に関連する内容やスキルを積みたい分野に役立つコースを選択できます。全国の訓練コースは、インターネット上で検索できるため、まずはどのようなコースがあるのかを確認してみてください。

参考:訓練検索・一覧

求職者支援制度を活用する流れ

求職者支援制度の利用には、大きく分けて訓練受講の手続きと給付金受給の手続きが必要です。以下で求職者支援制度における全体の流れを見ていきましょう。

ステップ 詳細
1.制度説明 ・ハローワークの受付で、「訓練の相談を受けたい」旨を伝える

・ハローワークによる制度説明を受ける
2.訓練コースの選択 ・ハローワークで職業相談を受けながら、訓練コースを選択する
3.訓練受講の申し込み ・ハローワークで、受講の申し込みを行う
4.訓練実施機関による選考 ・訓練実施機関で、選考(面接、筆記など)を受ける
5.訓練の受講あっせん ・訓練実施機関による選考合格後、ハローワークから訓練の受講をあっせん(指示)される
6.訓練受講開始 ・訓練受講中から訓練終了後3カ月間、ハローワークで職業相談を受ける(原則月1回)

・給付金受講は、職業相談を受けた後に支給申請を行う

前提として、本制度を利用したり進めたりするためには、ハローワークに赴く必要があります。職業訓練を受ける際は、訓練実施期間による選考がある点を理解しておきましょう。

また、職業訓練と給付金はセットであるため、訓練を受けずに給付金を受給することはできない点にご注意ください。ただし、給付金の支給要件を満たしていない方は、職業訓練のみを無料で受けられます。

訓練や給付金に関する質問や不安がある場合は、ハローワークで相談しましょう。

求職者支援制度の給付金における必要書類

求職者支援制度で給金を受給するためには必要書類を提出しなければなりません。必要書類の提出は、以下2つのタイミングで行います。

職業訓練受講給付金の事前審査に必要な書類・ハローワークから交付された各書類
・マイナンバー確認書類
・身元確認書類
・支給要件に関する確認書類(本人および世帯の収入証明書類や住民票の写しなど)など
支給申請に必要な書類・職業訓練受講給付金支給申請書
・就職支援計画書
・職業訓練受講給付金支給状況(支給記録)
・やむを得ない事情による欠席を証明する書類
・寄宿を証明する書類

給付金を受給するためには、事前申審査時と申請時に必要書類を提出しなければなりません。ハローワークから交付される書類も複数あるため、「求職者支援制度・訓練受講のしおり」などを確認したりハローワークで直接確認したりしましょう。

受講者の声

令和2年度は、全国で2万人の方が本制度を利用して職業訓練を受講しました。

厚生労働省のリーフレットには、以下のような受講者の声が寄せられています。

・介護職が初めてで不安もありましたが、経験豊富な講師の授業により理解が深まり、介護職として働く意欲が高まりました

・簿記の資格を取得でき、就職先も決まりました。面接や履歴書の作成指導のおかげで就職活動に意欲的に取り組めました

・給付金をもらえたので、生活の心配をせずに訓練に集中できました

制度利用を迷っている方や職業訓練の受講に不安がある方は、実際に受講した方の声を確認してみましょう。

出典:求職者支援制度のご案内

転職・再就職のための課題

厚生労働省の発表によると、令和3年度上半期の入職者数は離職者数を277万1,000人上回りました。前年同期と比べると、男女ともに入職率は上昇し、離職率は低下しています。

出典:令和3年上半期雇用動向調査結果の概要 入職と離職の推移 より抜粋

しかし入職率・離職率の推移でみると、前年である令和2年度は入職率と離職率が拮抗しています。特に離職率は令和元年まで上昇傾向にありました。

このように、転職や離職からの再就職が珍しくなくなった昨今では、次の職を得るまでの期間をどう過ごすかは誰にとっても直面しうる問題となっています。これまでより条件のいい職に就くための職業訓練を受けたいと思っても、生活のための収入も必要です。

こうした状況の中で、求職者支援制度を活用すれば、離職や転職に伴う生活面の不安を一定程度抑えながら、再就職に向けた準備を進めることができます。


求職者支援制度に関するよくある質問

求職者支援制度について、よくある質問をご紹介します。厚生労働省のサイトでは、求職者支援制度に関する「よくある質問」を掲載しています。ここでは一部をご紹介しますが、ほかにも疑問に感じたことなどがあれば、確認してみましょう。

要件を満たしていれば、必ず訓練を受講出来ますか?

訓練校にて行われる選考に合格する必要があり、不合格となった場合は訓練を受けられません。

訓練を受講する際にお金はかかりますか?

訓練を受けるためのお金はかかりません。ただし、テキスト代は自己負担となる点にご注意ください。そのほか受講費用などは発生しません。

小さい子どもがいても利用できますか?

訓練コースによっては、託児サービスが利用できるコースもあります。また、短時間の訓練コースもあるため、ハローワークに相談してみましょう。

世帯収入要件について、子どもの収入も含めますか?

世帯収入において、20歳未満かつ就学中(就学年齢前)の収入は0円としてみなされます。

相談をするハローワークはどこでもよいのですか?

求職者支援制度の申込や給付金申請の手続きなどは、原則お住まいの地域を管轄ハローワークで行います。管轄のハローワーク以外で求職活動を行いたい場合は、ハローワークに相談しましょう。
参考:厚生労働省 求職者支援制度に関するよくあるご質問



まとめ

家庭の問題や将来的なスキルアップのために仕事を離れることは、誰にでも起こり得る時代になりました。一般的に、次の職を得るまでの間は収入が少なくなります。その期間に新しい技術を身に着け、より適した職場へ再就職を図るためには、当面の生活費の確保が必要です。

求職者支援制度は、一部の人だけが必要な支援ではありません。不安定な社会情勢のなか、こうした支援があるということは誰にとっても助けとなるはずです。

参考:厚生労働省 「求職者支援制度のご案内」

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