人材確保等支援助成金は、魅力ある職場づくりや外国人労働者の受け入れ、建設業の若手・女性の入職促進などに取り組む事業主に、最大325万円を支給する厚生労働省の助成金です。令和8(2026)年度も全7コースが継続実施されており、コースによって最大80万円〜1,000万円、事業主単位で最大3億円までの支援を受けられます。
「人材確保等支援助成金は結局いくらもらえる?」「令和8年度は何が変わった?」「以前あった人事評価改善等コースはどこへ?」――こうした疑問を持って検索される方も多いのではないでしょうか。令和8年度は、雇用管理制度コースで賃上げ7%以上を満たすと最大325万円、若年者及び女性コース(建設分野)に定着助成(1人42万円)が新設、テレワークコースで「実施拡大事業主」区分が新設されるなど、賃上げと定着を両輪で後押しする内容へと拡充されました。
本記事は、人材確保等支援助成金の全7コース比較の一覧ガイドです。各コースの助成額・要件・対象事業主・改正点をひと目で比較できるようにまとめ、詳しく知りたいコースは個別記事へリンクしています。あわせて、令和6年度・令和7年度に廃止された過去のコースの取り扱い、よくある質問(廃止・条件・個人事業主・支給時期)まで、厚生労働省の令和8年4月8日版パンフレットに基づき整理します。
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この記事の目次
人材確保等支援助成金とは?令和8年度の全7コースをわかりやすく解説
人材確保等支援助成金は、雇用管理改善や労働環境向上に取り組む事業主・事業協同組合を対象とした厚生労働省の助成金です。人材の確保・定着を目的とし、雇用保険適用事業所の事業主が幅広く活用できます。令和8(2026)年度も全7コースが継続実施されています。
対象となる取り組みは、賃金体系・人事評価制度の整備、業務負担を軽減する機器の導入、テレワークの導入、外国人労働者の受け入れ環境整備、建設業の若年者・女性の入職促進など多岐にわたります。中小企業から建設業界、事業協同組合まで、業種と課題に応じて7つのコースから選択できるのが最大の特徴です。
令和8年度の全7コース|対象・助成額の早見表
令和8年度に実施されている7コースの対象事業主と助成額の目安は次のとおりです。詳細は本記事の後半で各コースごとに解説し、コース名リンクから個別記事に進めます。
| コース名 | 主な対象 | 助成額の目安 |
|---|---|---|
| ①雇用管理制度・雇用環境整備助成コース | 全業種の中小企業 | 最大325万円(賃上げ7%以上の場合) |
| ②中小企業団体助成コース | 事業協同組合等の事業主団体 | 最大1,000万円(団体規模別) |
| ③建設キャリアアップシステム等活用促進コース | 中小建設事業主・建設事業主団体 | 技能者1人あたり16万円(累計48万円) |
| ④若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野) | 建設事業主・建設事業主団体・職業訓練法人 | 事業主200万円(定着助成1人42万円新設) |
| ⑤作業員宿舎等設置助成コース(建設分野) | 中小建設事業主・職業訓練法人 | 女性専用施設90万円・訓練施設最大3億円 |
| ⑥外国人労働者就労環境整備助成コース | 外国人を雇用する事業主 | 1制度20万円・最大80万円 |
| ⑦テレワークコース | テレワーク導入・拡大を行う中小企業 | 制度導入20万円+目標達成15万円=最大35万円 |
制度の目的と対象事業主
本助成金は、雇用保険料を財源とする厚生労働省所管の助成金で、原則として雇用保険適用事業所の事業主が対象となります。補助金のように予算枠内での審査・採択を経る仕組みではなく、要件を満たせば原則として支給される点が特徴です。
コースによっては中小企業限定、建設業限定、外国人労働者の雇用が要件など、追加の条件が設定されています。自社の状況に近いコースを選んで活用しましょう。
人材確保等支援助成金で廃止されたコースは?介護福祉機器・人事評価改善等コースの取り扱い
「人材確保等支援助成金 廃止」と検索される方の多くは、過去に存在した以下のコースについて情報を探しています。現在の全7コース以外にも、過去には複数のコースがあり、いずれも廃止・統合されています。廃止コースの計画届を令和7年3月31日以前に提出済みの事業主は、期限内であれば支給申請が可能な場合があるため、管轄労働局に確認してください。廃止済みコースの一覧
| 廃止コース名 | 廃止時期 | 統合先・後継制度 |
|---|---|---|
| 人事評価改善等助成コース | 令和7年3月31日 | 雇用管理制度・雇用環境整備助成コースに統合 |
| 介護福祉機器助成コース | 令和6年3月31日 | 後継なし(介護福祉機器の導入は他制度で検討) |
| 介護・保育雇用管理制度助成コース | 令和2年度末 | 雇用管理制度助成コース系に整理 |
| 設備改善等支援コース | 令和2年度末 | 雇用管理制度助成コース系に整理 |
| 働き方改革支援コース | 令和2年度末 | 後継なし(働き方改革推進支援助成金を参照) |
人事評価制度に関する助成金を探している方へ
令和7年4月1日以降、「人事評価改善等助成コース」は「雇用管理制度・雇用環境整備助成コース」に統合されました。人事評価制度の整備で助成金を活用したい場合は、統合先の雇用管理制度・雇用環境整備助成コースを確認してください。同コースでは、賃金規定・諸手当・人事評価制度の導入で1制度あたり40万円(賃上げ5%以上で50万円)が支給されます。
令和8年度の主な改正ポイントは?3コースで拡充・新設
令和8(2026)年度は、以下の3コースで実務に影響する拡充・新設が行われました。厚生労働省の令和8年4月8日版パンフレット・支給要領に基づく最新情報です。
賃金要件が3段階化(3%・5%・7%)され、業務負担軽減機器等で賃上げ7%以上を満たすと助成率75/100・上限225万円まで拡大。雇用管理制度と組み合わせて最大325万円へ。
④若年者及び女性コース(建設分野)|定着助成の新設
「定着助成」(新規入職者1人あたり42万円)が新設。魅力発信から育成・定着まで一体的に取り組み、新規入職者が6か月定着した場合が対象。雇用管理研修等の受講加算も1人あたり日額8,550円→9,500円に増額。
⑦テレワークコース|要領改正と実施拡大事業主区分
令和8年4月1日付で支給要領が一部改正され、令和8年4月1日以降に評価期間を開始する事業主から新要領適用。テレワークをすでに一部導入済みの事業主は「実施拡大事業主」として、実施回数を前3か月比25%以上増加させる追加要件のもとで申請可能。
⑥外国人労働者就労環境整備助成コース|要領改正
令和8年4月1日付で支給要領・ガイドブック・Q&Aが改正。要件・支給額(1制度20万円・最大80万円)は変更なし。
人材確保等支援助成金はいくらもらえる?7コース別の助成額と支給方式
「人材確保等支援助成金 いくらもらえる」の答えは、コースによって大きく異なります。支給方式は「制度導入への一律定額」「対象経費への率での助成」「賃上げ・定着人数に応じた定額」の3タイプに分かれ、金額水準も20万円〜3億円と幅広くなっています。
| コース | 助成方式 | 金額の水準 |
|---|---|---|
| ①雇用管理制度・雇用環境整備助成コース | 制度導入定額+機器等経費率 | 最大325万円(賃上げ7%の場合)/賃上げなしで最大230万円 |
| ②中小企業団体助成コース | 事業経費の2/3 | 団体規模別に600万円〜1,000万円 |
| ③建設キャリアアップシステム等活用促進コース | 技能者1人あたり定額 | 1人あたり16万円・年度上限160万円・累計最大48万円 |
| ④若年者及び女性コース(建設分野) | 経費率+定額加算 | 事業主200万円・団体最大3,000万円・定着助成1人42万円 |
| ⑤作業員宿舎等設置助成コース(建設分野) | 経費率 | 女性専用施設90万円・石川県200万円・訓練施設最大3億円 |
| ⑥外国人労働者就労環境整備助成コース | 措置導入ごと定額 | 1制度20万円・上限80万円 |
| ⑦テレワークコース | 導入定額+目標達成定額 | 制度導入20万円+目標達成15万円=最大35万円 |
各コースの詳細は、次章から順に解説します。
①雇用管理制度・雇用環境整備助成コース|最大325万円
雇用管理制度・雇用環境整備助成コースは、賃金規定・諸手当・人事評価などの雇用管理制度や、業務負担を軽減する機器等を新たに導入し、離職率の低下に取り組んだ事業主を支援する制度です。令和7年4月1日に人事評価改善等助成コースを統合し、令和8年度は賃金要件が3段階化(3%・5%・7%)されて賃上げ実施に応じた拡充が行われました。
制度導入区分は、雇用管理制度(賃金規定・諸手当・人事評価・職場活性化・健康づくり)と業務負担軽減機器等の2区分に分かれます。
| 雇用管理制度等区分 | 助成額の目安 | 上限額 |
|---|---|---|
| A 雇用管理制度(賃金規定・諸手当・人事評価) | 40万円(賃上げ5%で50万円) | 80万円(100万円) |
| A 雇用管理制度(職場活性化・健康づくり) | 20万円(賃上げ5%で25万円) | 80万円(100万円) |
| B 業務負担軽減機器等 | 対象経費の1/2(賃上げ5%で62.5/100、賃上げ7%で75/100) | 150万円(187.5万円または225万円) |
雇用管理制度と業務負担軽減機器等を組み合わせ、賃上げ7%以上を満たした場合に最大325万円まで助成を受けられます。賃上げなしの場合の上限は230万円です。
主な要件は、事前の雇用管理制度等整備計画の認定→制度導入→離職率の低下目標達成(計画終了から1年以内の離職率が計画提出前1年間と比べて1ポイント以上低下)の3ステップです。
あわせて読みたい:最大325万円!雇用管理制度・雇用環境整備助成コース|2026年度の改正点と申請方法
②中小企業団体助成コース|最大1,000万円
中小企業団体助成コースは、事業協同組合等の事業主団体が、構成員である中小企業のために労働環境向上事業を実施した場合に、事業経費の2/3・最大1,000万円を助成する制度です。単独の中小企業者ではなく、団体が申請主体となる点が本コースの大きな特徴です。
助成率は事業経費の2/3で、上限額は認定組合等の規模(構成中小企業者数)によって3段階に設定されています。
| 認定組合等の区分 | 構成中小企業者数 | 上限額 |
|---|---|---|
| 大規模認定組合等 | 500以上 | 1,000万円 |
| 中規模認定組合等 | 100以上500未満 | 800万円 |
| 小規模認定組合等 | 100未満 | 600万円 |
本コースは、都道府県知事による「改善計画」の認定と、労働局長による「実施計画」の認定という2段階の計画認定が必要です。実施計画は、計画策定・調査事業、安定的雇用確保事業、職場定着事業、モデル事業普及活動事業の4区分で構成されます。
あわせて読みたい:【2026年度】中小企業団体助成コース|事業協同組合が最大1,000万円を活用
③建設キャリアアップシステム等活用促進コース|技能者1人16万円
建設キャリアアップシステム等活用促進コースは、建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した雇用管理改善を支援する制度です。中小建設事業主向けの「雇用管理改善促進事業」と、建設事業主団体向けの「普及促進事業」の2事業から構成されます。
中小建設事業主向けの雇用管理改善促進事業では、CCUS技能者登録・レベル判定を経て賃上げを実施した対象技能者1人あたり16万円が支給されます。
■上限額:1事業年度あたり160万円(16万円×10人)
■1人あたりの累計上限:最大48万円(レベル1→2、2→3、3→4の最大3回申請可能)
主な要件は、雇用する全ての技能者のCCUS技能者登録を完了し、レベル判定で昇格評定を受けた技能者の賃金を5%以上増加させることです。
あわせて読みたい:CCUSでいくらもらえる?建設キャリアアップシステム等活用促進コース|技能者1人16万円
④若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)|定着助成1人42万円新設
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)は、若年者や女性の入職・定着に向けた取り組みを行う建設事業主・建設事業主団体・職業訓練法人を支援する制度です。令和8年度は「定着助成」が新設され、新規入職者1人あたり最大42万円が上乗せ支給されるようになりました。
本コースは、事業主向け・団体向け・職業訓練法人向けの3つの助成区分と、賃金向上助成・定着助成の2つの上乗せから構成されます。
■中小建設事業主:経費の3/5(賃金要件で3/4)
■中小建設事業主以外:経費の9/20(賃金要件で3/5)
■雇用管理研修等の受講加算:1人あたり日額9,500円(最長6日間)
■上限:200万円(賃金向上助成・定着助成との合計)
②事業主団体経費助成
■中小建設事業主団体:経費の2/3/中小以外:経費の1/2
■上限:全国3,000万円/都道府県2,000万円/地域1,000万円
③推進活動経費助成(広域的職業訓練法人)
■助成率:実施費用の2/3
■上限:4,500万円〜1億500万円(規模別)
④賃金向上助成(上乗せ)
■事業主経費等助成の3/20を上乗せ(賃金5%以上増加が要件)
⑤定着助成(令和8年度新設)
■新規入職者1人あたり42万円(年度3名・126万円が上限)
あわせて読みたい:【2026年度】若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)|定着助成新設・最大200万円
⑤作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)|3区分体制
作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)は、中小建設事業主や職業訓練法人が労働環境の整備や技能向上のための施設を賃借する費用の一部を助成する制度です。3つの区分に分かれており、能登半島地震に対応した石川県内の作業員宿舎賃借も対象となります。
| 区分 | 助成率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 女性専用作業員施設設置経費助成 | 賃借料等の3/5(60%)(賃金要件で3/4) | 1事業年度90万円 |
| 作業員宿舎等経費助成(石川県) | 作業員宿舎1人25万円/賃貸住宅・作業員施設は賃借料等の2/3 | 1事業年度200万円 |
| 訓練施設等設置経費助成 | 支給対象経費の1/2 | 1つの計画に対して3億円(過去5年間の支給決定額含む) |
計画届は賃借事業を開始する原則2週間前までに提出が必要です。石川県分は令和6年1月1日以降に開始した工事現場が対象で、公共工事は原則対象外となります。
あわせて読みたい:作業員宿舎とは?作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)の対象・支給額・申請方法
⑥外国人労働者就労環境整備助成コース|1制度20万円・最大80万円
外国人労働者就労環境整備助成コースは、外国人特有の事情に配慮した就労環境整備を通じて、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主を支援する制度です。日本の労働法制や雇用慣行の知識不足、言語の壁から生じる課題を解消する取り組みが対象となります。
1つの措置導入ごとに20万円が支給され、事業主単位で最大80万円まで受け取れます。必須メニュー2つと選択メニュー1つ以上を組み合わせて実施します。
①雇用労務責任者の選任
②就業規則等の多言語化
選択メニュー(1つ以上)
①苦情・相談体制の整備
②一時帰国のための休暇制度の整備
③社内マニュアル・標識類等の多言語化
主な要件は、就労環境整備措置の実施日の翌日から6か月経過するまでの期間の外国人労働者離職率が15%以下であることです。事前に就労環境整備計画を提出し、認定を受けたうえで措置を実施します。技能実習生・特定技能外国人・雇用保険被保険者となる留学生アルバイトも対象に含まれます。
あわせて読みたい:【2026年度】外国人労働者就労環境整備助成コース|最大80万円の対象・要件・申請方法
⑦テレワークコース|最大35万円
テレワークコースは、テレワーク制度を新たに導入・実施拡大する中小企業事業主を支援する制度です。令和8年4月1日に支給要領が一部改正され、既にテレワークを一部導入している事業主向けに「実施拡大事業主」区分が明確化されました。
| 区分 | 支給額 |
|---|---|
| 制度導入助成 | 1企業あたり20万円 |
| 目標達成助成 | 1企業あたり10万円(賃金要件を満たすと15万円) |
制度導入助成と目標達成助成の両方を受給すると、合計最大35万円が支給されます。
本コースは、自社が「新規導入事業主」か「実施拡大事業主」かによって要件が一部異なります。就業規則等にテレワークの定義以外の項目が1つでも規定済みなら「実施拡大事業主」に該当し、延べテレワーク実施回数を前3か月比25%以上増加させる追加要件があります。令和7年4月1日改正で事前計画の認定は不要となっています。
あわせて読みたい:【2026年度】人材確保等支援助成金 テレワークコース|最大35万円の支給額・要件・改正点
人材確保等支援助成金の申請方法|共通の流れと提出期限
人材確保等支援助成金の申請は、本社所在地を管轄する都道府県労働局長に対して必要書類を提出する流れです。多くのコースで事前の計画認定→制度・措置の導入・実施→支給申請の3ステップを踏みます。必要書類はコースごとに異なるため、各コースの支給要領を必ず確認してください。
コースごとの主な提出期限は次のとおりです。
| コース | 支給申請の提出期限 |
|---|---|
| ①雇用管理制度・雇用環境整備助成コース | 評価時離職率算定期間の末日の翌日から2か月以内 |
| ②中小企業団体助成コース | 事業実施期間の末日の翌日から2か月以内 |
| ③〜⑤建設分野の3コース | 事業終了月の区分ごとに、7月〜5月末までの4期間に分かれて提出 |
| ⑥外国人労働者就労環境整備助成コース | 離職率算定期間の末日の翌日から2か月以内 |
| ⑦テレワークコース | 評価期間終了後2か月以内(制度導入助成・目標達成助成それぞれ) |
問い合わせ先は本社所在地を管轄する労働局・ハローワーク・申請窓口で、詳細な連絡先は厚生労働省の公式ページから確認できます。
申請でつまずきやすい3つの共通ポイント
人材確保等支援助成金は、コースを問わず「事前計画」「離職率」「重複受給禁止」の3点で不備が起きやすい制度です。事前に押さえておきましょう。
多くのコースで、労働局長の計画認定を受ける前に導入・実施した取り組みは原則として支給対象外となります。テレワークコースのように事前計画認定が不要になったコースもありますが、雇用管理制度・雇用環境整備コースや外国人労働者コースなどは事前認定が必要です。
② 離職率要件を満たせずに支給対象外に
雇用管理制度・雇用環境整備コース、外国人労働者コースなど、多くのコースで離職率目標の達成が支給要件です。少人数事業所では1人の離職が要件クリアの可否を分けることがあるため、実施タイミングの検討が重要です。
③ 他の助成金・補助金との重複受給禁止
同一の取り組みや同一経費について、複数の助成金・補助金の重複受給はできません。キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金、業務改善助成金などとの併用を検討する場合は、経費と取組内容が重ならないよう事前に整理しておきましょう。
人材確保等支援助成金に関するよくある質問
人材確保等支援助成金について、検索で多く寄せられる質問と回答を整理しました。個別コースの詳細な質問は各コースの詳細記事をご確認ください。人材確保等支援助成金はどんな事業者が使える?
雇用保険の適用事業所で、労働関係法令を遵守している事業主が対象です。コースによっては中小企業限定、建設業限定、外国人労働者の雇用が要件となるなど追加要件が設定されています。7コースそれぞれで対象事業主が異なるため、自社の状況に合ったコースを選択して活用してください。
人材確保等支援助成金はいくらもらえる?
コースによって大きく異なります。雇用管理制度・雇用環境整備助成コースは賃上げ7%以上で最大325万円、中小企業団体助成コースは団体規模に応じて最大1,000万円、建設キャリアアップシステム等活用促進コースは技能者1人あたり16万円(累計最大48万円)、若年者及び女性コース(建設分野)は事業主向け最大200万円(定着助成1人42万円加算あり)、作業員宿舎等設置助成コースは女性専用施設90万円・石川県分200万円・訓練施設最大3億円、外国人労働者就労環境整備助成コースは1制度20万円・最大80万円、テレワークコースは最大35万円が目安です。
人材確保等支援助成金の廃止されたコースはある?
令和7年3月31日に人事評価改善等助成コースが廃止され、雇用管理制度・雇用環境整備助成コースに統合されました。また、令和6年3月31日には介護福祉機器助成コースが廃止されています。それ以前にも介護・保育雇用管理制度助成コース、設備改善等支援コース、働き方改革支援コースが令和2年度末で廃止されています。廃止時期以前に計画届を提出済みの場合は、期限内であれば支給申請が可能な場合があるため、管轄労働局に確認してください。
人事評価制度の整備で助成金を受けたい場合はどのコース?
令和7年4月1日以降、人事評価制度の整備は「雇用管理制度・雇用環境整備助成コース」の対象です。人事評価改善等助成コースは令和7年3月31日で廃止され、雇用管理制度・雇用環境整備助成コースに統合されました。統合先のコースでは、賃金規定・諸手当・人事評価制度の導入で1制度あたり40万円(賃上げ5%以上で50万円)、上限80万円(100万円)が支給されます。
令和8年度の主な改正点は?
主な改正点は3つあります。1つ目は雇用管理制度・雇用環境整備助成コースで賃金要件が3段階化され、賃上げ7%以上の機器等導入で助成率75/100・上限225万円まで拡大されました。2つ目は若年者及び女性コース(建設分野)に「定着助成」(1人あたり最大42万円)が新設されました。3つ目は外国人労働者コースとテレワークコースの支給要領が令和8年4月1日付で改正されました。
個人事業主も申請できる?
雇用保険の適用事業所であれば、個人事業主でも対象となる場合があります。ただし、雇用保険被保険者となる従業員がいることが前提のため、従業員を雇用していない個人事業主は申請できません。また、建設分野のコースでは「一人親方および同居の親族のみで建設事業を行っている場合」は対象外となります。
中小企業でないと申請できない?
コースによります。雇用管理制度・雇用環境整備助成コースやテレワークコースは中小企業限定です。一方、若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コースなどは中小企業以外の建設事業主も対象になります(ただし助成率が異なる)。外国人労働者就労環境整備助成コースは中小企業限定の指定はありません。
複数のコースを同時に申請できる?
複数コースの同時申請は可能ですが、コースごとに別々に計画認定や支給申請の手続きが必要です。また、同一の取組や同一経費について複数の助成金の重複受給はできません。各コースの支給要領を個別に確認し、事前に管轄労働局へご相談ください。
事前に計画認定が必要なコースはどれ?
事前計画の認定が必要なコースは、雇用管理制度・雇用環境整備助成コース(雇用管理制度等整備計画)、中小企業団体助成コース(改善計画・実施計画)、外国人労働者就労環境整備助成コース(就労環境整備計画)、建設分野の3コース(計画届)などです。テレワークコースは令和7年4月1日以降、事前のテレワーク実施計画認定が不要となっています。
助成金と補助金の違いは何ですか?
補助金は経済産業省系で予算枠内での審査・採択を経て支給されるものが多いのに対し、人材確保等支援助成金は厚生労働省所管の助成金で、雇用保険料を財源としています。助成金は要件を満たせば原則として支給される点が特徴で、公募型の補助金のように採択率で不採択となることはありません。
支給までどのくらい時間がかかる?
コースによって異なりますが、事前計画の認定が必要なコースでは、計画作成から助成金受領まで1〜2年程度かかることが一般的です。特に雇用管理制度・雇用環境整備助成コースは計画終了後12か月間の離職率算定期間があるため、支給までの期間が長くなります。キャッシュフロー計画に組み込む場合はタイムラグを念頭に置きましょう。
賃金要件を満たすメリットは何?
賃金要件を満たすと、多くのコースで支給額や上限額が増額されます。雇用管理制度・雇用環境整備助成コースでは賃上げ5%以上で助成額が約25%増額、業務負担軽減機器等は賃上げ7%以上で助成率が75/100・上限225万円に拡大します。テレワークコースの目標達成助成も賃金要件を満たすと10万円から15万円に増額されます。若年者及び女性コース(建設分野)でも助成率が3/5から3/4に引き上げられ、賃金向上助成の3/20上乗せも受けられます。
キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金との違いは?
人材確保等支援助成金は「魅力ある職場づくりによる人材の確保・定着」を目的とし、雇用管理改善・労働環境整備が対象です。一方、キャリアアップ助成金は非正規雇用労働者の正社員化・処遇改善が対象、人材開発支援助成金は職業訓練の実施が対象です。それぞれ目的が異なるため、取り組み内容に応じて使い分けが可能で、経費が重複しない範囲での併用も検討できます。
まとめ|令和8年度の人材確保等支援助成金で職場改革と人材定着を実現
人手不足や働き方の多様化が進むなかで、賃金・人事評価・テレワーク・外国人雇用といった環境整備は、今ある人材の定着だけでなく、優秀な人材の獲得にも直結する経営課題です。令和8(2026)年度の人材確保等支援助成金は、賃金要件7%以上での機器等支援拡大、若年者及び女性コース(建設分野)での定着助成新設、テレワークコースの実施拡大事業主対応など、より実態に即した制度設計へと進化しました。
現行の全7コースは、①雇用管理制度・雇用環境整備助成コース(最大325万円)、②中小企業団体助成コース(最大1,000万円)、③建設キャリアアップシステム等活用促進コース(技能者1人16万円)、④若年者及び女性コース(建設分野・最大200万円+定着助成42万円)、⑤作業員宿舎等設置助成コース(最大3億円)、⑥外国人労働者就労環境整備助成コース(最大80万円)、⑦テレワークコース(最大35万円)です。
なお、人事評価改善等助成コース(令和7年3月31日廃止)や介護福祉機器助成コース(令和6年3月31日廃止)を検索してたどり着いた方は、統合先の雇用管理制度・雇用環境整備助成コースをご確認ください。
まずは自社の課題(賃金整備・人事評価・多様な働き方・外国人受け入れ・建設業の人材確保等)に最も近いコースをひとつ選び、詳細記事で対象要件を確認することから始めるのがおすすめです。
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