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業務改善助成金をわかりやすく解説【2026年度】9月1日申請開始・最大600万円

公開日:2022/5/20 更新日:2026/9/9
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最低賃金の引き上げが全国で進み、2026年度も10月以降、新しい地域別最低賃金が順次発効します。「賃上げに対応したいが、設備投資まで含めると負担が大きい」と悩む中小企業・小規模事業者が活用を検討したい制度が、厚生労働省の業務改善助成金です。

業務改善助成金は、従業員の時給を50円以上引き上げ、あわせて生産性を上げる設備投資をすると、その費用の最大4/5(上限600万円)が国から助成される制度です。

令和8年度(2026年度)の申請受付は、2026年9月1日に開始されました。締切は「地域別最低賃金の発効日前日」または「11月30日」のいずれか早い日です。賃上げコースは50円・70円・90円の3コースで、地域によっては申請できる期間が短いため注意が必要です。

さらに、厚生労働省は令和9年度(2027年度)の概算要求でも、業務改善助成金を含む賃上げ支援を盛り込み、業務改善助成金について助成上限額の引上げや申請期間の拡充、助成率区分の見直しを示しています。ただし、令和9年度の制度内容は現時点では確定していません。

本記事では、令和8年度の制度内容と9月1日から始まった申請のポイントに加え、令和9年度の概算要求から見える今後の方向性まで解説します。

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この記事の目次

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業務改善助成金とは?対象者と助成額をわかりやすく解説

業務改善助成金は、「従業員の賃上げ」と「設備投資」をセットで行った中小企業・小規模事業者に、設備投資費用の一部を国が助成する制度です。厚生労働省が雇用保険法にもとづき実施しており、令和8年度は最大600万円が支給されます。

時給の引き上げ(50円以上)+ 生産性向上の設備投資 → 費用の最大4/5(上限600万円)を助成

主な仕組みは以下のとおりです。

対象者 中小企業・小規模事業者
(申請時点の事業場内最低賃金が、現在適用されている地域別最低賃金以上、かつ令和8年度の改定後地域別最低賃金未満の事業場)
条件 時給50円以上の引き上げ+生産性向上のための設備投資
もらえる額 設備投資費用の3/4〜4/5
(上限30万〜600万円 ※引上げ額と人数による)
申請期間 2026年9月1日〜地域別最低賃金の発効日前日
または2026年11月30日のいずれか早い方
申請先 事業所を管轄する都道府県労働局

「設備投資」と聞くと大がかりに感じるかもしれませんが、対象は幅広く、次のようなものも含まれます。

・飲食店のPOSレジや食洗機
・製造業の機械設備
・経営コンサルティングの導入
・従業員の教育訓練

対象となる経費や対象外となる設備については、後の章で詳しく解説します。

なお、申請は会社単位ではなく「事業場」(原則として、工場・店舗・事務所などの職場1か所)ごとに行います。事業場が複数ある企業は、それぞれの事業場で個別に申請書を作成する必要があります。事業場の細かい判定ルール(離れた営業所の扱いなど)は、対象者の章で詳しく解説します。

業務改善助成金の対象者は誰?対象になる3つの要件

業務改善助成金の対象となるのは、次の3つすべてを満たす事業者です。中小企業・小規模事業者であること、申請時点の事業場内最低賃金が現在適用されている地域別最低賃金以上かつ令和8年度の改定後地域別最低賃金未満であること、解雇や賃金引下げ等の不交付事由がないこと、の3点が判定のポイントになります。

①中小企業・小規模事業者であること

資本金または常時使用する労働者数のいずれかの要件を満たす必要があります。業種により基準が異なります。

業種 資本金または
出資総額
または
労働者数
製造業・建設業など(卸売・サービス・小売以外) 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下

大企業と密接な関係を有する「みなし大企業」(発行済株式の2分の1以上を同一の大企業が所有している事業者など)は対象外です。医療法人や社会福祉法人、NPO法人など、資本金や出資金がない法人は、常時使用する労働者数のみで判定します。

②事業場内最低賃金が「現在の最低賃金以上・令和8年度の改定後最低賃金未満」であること

令和8年度の対象となるのは、申請時点の事業場内最低賃金が、現在適用されている地域別最低賃金以上で、かつ令和8年度の改定後地域別最低賃金未満の事業場です。

たとえば、現在適用されている地域別最低賃金が1,050円、令和8年度の改定後最低賃金が1,100円となる地域では、事業場内最低賃金が1,050円~1,099円の事業場が対象となり得ます。1,049円以下の場合は、申請時点で現在の地域別最低賃金を下回るため、この要件を満たしません。

区分 対象となる事業場内最低賃金
従来の基本要件 地域別最低賃金との差額が50円以内の事業場
令和8年度 令和7年度地域別最低賃金以上、かつ令和8年度地域別最低賃金未満の事業場

従来は地域別最低賃金との差額要件があったため、最低賃金から一定以上高い賃金を支払う事業場は対象外でした。令和8年度は、現在の地域別最低賃金以上であっても、改定後の地域別最低賃金を下回る範囲であれば対象になり得ます。

判定の際は、次の2点に注意しましょう。

・「事業場内最低賃金」は、事業場で最も低い時間給のこと(月給制の場合は時給に換算して判定します)
・対象となる労働者は、雇用保険の被保険者で、雇入れから6か月を経過している必要があります

③解雇・賃金引下げ等の不交付事由がないこと

申請日前6か月以内に以下のいずれかに該当する場合、助成対象になりません。

・事業場の労働者を解雇した
・労働者の時間当たり賃金額を引き下げた
・所定労働時間の短縮で月当たり賃金を引き下げた
・同一経費で他の補助金等を受給している

また、申請日前1年以内に労働基準監督署から是正勧告を受けている場合も申請できません。労働保険の未加入・保険料滞納中の事業場も対象外となるため、事前に加入・納入状況を確認しておきましょう。

対象になる場合に必要な実施事項

上記3要件を満たす事業者が、助成金を受給するために実施すべきことは以下の5つです。

賃金引上計画を策定し、事業場内最低賃金を一定額(50円・70円・90円のいずれか)以上引き上げる
引上げ後の賃金額を実際に支払う
生産性向上に資する機器・設備等を導入し、その費用を支払う
賃上げ対象労働者が雇用保険被保険者であること(令和8年度から必須)
対象労働者は原則として雇入れ後6か月以上を経過していること

「雇用保険被保険者」とは、原則として1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがある労働者を指します。パート・アルバイトでもこの要件を満たせば加入対象となるため、事前にハローワークで加入状況を確認しておきましょう。

なお、過去に業務改善助成金を受給したことがあっても対象になります。その場合、同一事業場の申請は年度内1回まで、同一事業主の年間上限は600万円までとなります。

業務改善助成金はいくらもらえる?支給金額・助成率を解説

業務改善助成金でもらえる金額は、設備投資にかかった費用の全額ではありません。次の2つの金額を比べて、低い方が支給されます。

①設備投資等にかかった費用 × 助成率(3/4または4/5)
②助成上限額(申請コースと賃上げする人数で決まる/最大600万円)

条件ごとの助成率と上限額を解説するので、自社がどの区分に当てはまるか確認してみてください。

助成率は事業場内最低賃金で決まる

助成率は、引上げ前の事業場内最低賃金によって変わります。1,050円未満なら4/5(80%)、1,050円以上なら3/4(75%)で、賃金水準が低い事業場ほど手厚く助成される仕組みです。

引上げ前の事業場内最低賃金 助成率
1,050円未満 4/5(80%)
1,050円以上 3/4(75%)

令和7年度はこの基準が1,000円でしたが、地域別最低賃金の引上げに合わせて、令和8年度から1,050円に見直されました。

助成上限額は申請コースと人数で決まる

上限額は「どのコースで申請するか(50円・70円・90円)」と「何人の賃金を引き上げるか」の組み合わせで決まります。90円コースで8人以上を引き上げた場合、通常事業者でも最大450万円、特例事業者なら最大600万円が上限となります。

引き上げる労働者数 50円コース 70円コース 90円コース
1人 30(40)万円 40(50)万円 90(100)万円
2〜3人 40(70)万円 50(100)万円 150(240)万円
4〜5人 70万円 130万円 270万円
6〜7人 90万円 180万円 360万円
8人以上 110万円 230万円 450万円

カッコ内は、事業場規模30人未満の場合の上限額です。たとえば1人を50円引き上げる場合、30人以上の事業場では上限30万円ですが、30人未満の事業場なら上限40万円になります。小規模な事業場ほど優遇される設計です。

「引き上げる労働者数」の数え方

「引き上げる労働者数」には、事業場内最低賃金である労働者だけでなく、賃上げによって賃金額が追い抜かれる労働者も算入できます(申請コースと同額以上の引上げを行うことが条件)。

たとえば、事業場内最低賃金1,050円の事業場で70円コース(1,050円→1,120円)を申請する場合、時給1,070円の労働者も70円以上引き上げれば「引き上げる労働者」として算入可能です。改定後の地域別最低賃金額を超える労働者も、申請コースと同額以上引き上げれば含めることができます。

このルールを活用すると、上位コースを申請できる人数が増え、助成上限額を引き上げられる可能性があります。事業計画を立てる際は、対象者の範囲を広めに検討してみてください。

事業主単位の年間上限額は600万円

たとえば、A事業場で300万円の申請をした場合、同じ年度内にB事業場で申請できるのは残り300万円までです。複数の事業場で申請する予定がある場合は、どの事業場にいくら配分するかを先に計画しておく必要があります。

これはすべての事業者に適用される共通ルールです。

「特例事業者」と判断されると優遇を受けられる

以下の要件を満たし、「特例事業者」と判断された場合、さらに優遇を受けられます。

【特例事業者とは?】
次のどちらかに該当すると、「特例事業者」とみなされます。
賃金要件 事業場内最低賃金が1,050円未満
物価高騰等要件 原材料費の高騰等により、申請前6か月間平均の利益率が前年度と比べ3%ポイント以上低下

特例事業者には、通常の表の上に「10人以上」の区分が追加されます。

引き上げる労働者数 50円コース 70円コース 90円コース
10人以上 130万円 300万円 600万円

「最大600万円」という金額を目にした方も多いと思いますが、1つの事業場の申請で「上限最大600万円」が適用されるのは、特例事業者が90円コースで10人以上の賃金を引き上げる場合に限られます。

特例事業者でも、引き上げる人数が9人以下なら上限額は通常の表と同じです。この優遇は10人以上の場合のみ適用されます。

なお、物価高騰等要件で該当する場合のみ、通常は対象外のパソコン・スマートフォン・タブレット等の新規導入も助成対象に加わります。ただし、パソコン等を対象経費に含める場合は、あわせて就業規則等に「事業場内最低賃金が1,100円である」旨を定める必要があり、賃金要件のみの該当ではこの経費拡充はありません。

支給額の計算例

実際にどれくらいの金額が支給されるか、計算例で確認します。

ある事業所で、事業場内最低賃金を1,010円から1,080円に引き上げ、10人の労働者に同様の引上げを行った場合(70円コース・10人以上)を考えます。

・引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満のため、助成率は4/5
・70円コース・10人以上の助成上限額は300万円(特例事業者に該当する場合)
・設備投資費用は600万円

上記の場合、計算式は次の通りです。

600万円 × 4/5 = 480万円
上限が300万円のため、この場合の支給額は300万円

設備投資費用に助成率を掛けると480万円ですが、助成上限額が300万円のため、上限を超える分は助成されません。設備投資費用に助成率を掛けた金額と、申請コース・労働者数に応じた助成上限額の、いずれか低い方が支給額になる、というのが計算の基本ルールです。

業務改善助成金の助成対象経費は?9つの経費区分と対象外を解説

業務改善助成金の助成対象経費は、生産性向上や労働能率の増進に資する設備投資等です。交付要綱で9つの経費区分が定められており、機器・設備の導入だけでなく、コンサルティングや研修なども対象になります。

一方で、単なる経費削減や職場環境改善のみを目的とした費用は対象外です。助成対象経費の区分と具体例は以下の通りです。

経費区分 内容 具体例
機械装置等購入費 機器・設備類の購入、製作、改良の費用 POSレジ、リフト付き特殊車両、
食洗機、業務用厨房機器
経営コンサルティング経費 国家資格者等による経営コンサルティング費用 中小企業診断士による
業務フロー見直し
謝金 外部講師による研修や操作研修への謝金
(1回10万円・5回まで)
従業員向け研修の
外部講師謝金
旅費 公共交通機関による専門家の実費
(グリーン車・ビジネスクラス除く)
専門家招聘の交通費
借損料 器具機械や物品の借料・損料 機械装置のリース料
印刷製本費 機械装置等に関する研修資料・
マニュアル等の作成費用
導入機器の操作マニュアル作成
原材料費 資材購入の費用 設備導入に伴う初期資材
造作費 機械装置の据付等の費用 機械設備の設置工事費
委託費 調査会社・システム開発会社等への委託費用
(就業規則作成・賃金制度整備は除く)
業務システムの開発委託

なお、助成対象経費の合計は税抜10万円以上である必要があります。個別の価格が10万円未満であっても、複数の経費を合わせて10万円以上であれば対象となります。契約予定額が税抜10万円以上の場合は、原則として同一条件の仕様による2者以上の見積書(相見積)を添付する必要があります。

助成対象外となる経費

以下の経費は、生産性向上や賃金引上げに直接資するとは認められないため、助成対象外となります。

・単なる経費削減のための経費(例:LED電球への交換、通信費プラン変更)
・職場環境改善のみを目的とした経費(例:エアコン設置、内装工事、空調服)
・通常の事業活動に伴う経費(例:事務所借料、光熱費、消耗品費)
・広告宣伝費・販売促進費(例:パンフレット作成、展示会出展)
・建築物の構築に関する経費(例:工場建屋、ビニールハウス)
・再生エネルギー発電設備(例:太陽光パネル)
・船舶・航空機の購入費・修理費
・娯楽性または遊行性の高い設備(例:カラオケ機器、ゲーム機)
・法令で義務付けられた整備費用
・交付決定前に発生した費用(事前着手は不可)

なお、令和7年度まで対象だった「定員7人以上または車両本体価格200万円以下の乗用自動車・貨物自動車(一般車両)」は、令和8年度から助成対象外となりました。8ナンバーの特殊用途自動車(福祉車両等)は引き続き対象です。

車両の種類 令和7年度 令和8年度
一般車両
(定員7人以上または200万円以下)
対象 対象外
特殊用途自動車
(8ナンバー、福祉車両等)
対象 対象

特例事業者のパソコン等は新規導入のみ対象

パソコン・スマートフォン・タブレット等の端末と周辺機器は、通常は助成対象外です。ただし、特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する場合に限り、新規導入分が助成対象となります。既存機器の入れ替えは対象外です。

助成対象経費 一般事業者 特例事業者
(物価高騰等要件のみ)
生産性向上に資する設備投資等
PC・スマホ・タブレット等の端末と
周辺機器の新規導入

パソコン等を助成対象に含める場合は、就業規則等に「事業場内最低賃金が1,100円である」旨を定める必要があります。この記載がないと経費拡充の適用を受けられないため、賃金引上げ計画と就業規則の見直しを同時に進めましょう。

なお、POSシステムや会計給与システムなど、特定業務専用のシステムを稼働させる目的が明らかな場合は、一般事業者でもパソコン等が助成対象となる場合があります。

業務改善助成金のスケジュールは?いつまでに申請する?

令和8年度の申請受付は2026年9月1日に開始されました。締切は、地域別最低賃金の発効日の前日または2026年11月30日のいずれか早い日です。地域によって申請期限が異なるため、自社の事業場に適用される地域別最低賃金の発効日を必ず確認してください。

申請開始 2026年9月1日~
申請期限 「令和8年度地域別最低賃金の発効日の前日」または「2026年11月30日」のいずれか早い日

受付はすでに始まっているため、申請期限に余裕をもって手続きを進めてください。

賃金引き上げ・設備投資の実施タイミングの注意点

業務改善助成金では、賃金引上げと設備投資で実施タイミングが異なります。賃金引上げは交付申請後、設備投資は交付決定後に実施する必要があります。順序を誤ると助成対象外になるため注意しましょう。

賃金引上げは、交付申請後、かつ所定期間内(令和8年9月1日〜申請事業場に適用される地域別最低賃金の改定日の前日まで)に実施する必要があります。申請前の賃上げは助成対象外です。また、複数回に分けた段階的な引上げは認められません。

設備投資は、交付決定後に実施する必要があります。交付決定前に契約(発注)や納品、支払いを行った場合は助成対象外となるため注意が必要です。

なお、引上げ後の事業場内最低賃金額は就業規則に定める必要があります。労働者10人未満で就業規則がない事業場では「就業規則に準ずるもの」(賃上げ後の事業場内最低賃金・引上げ日・作成者等を記載し、労働者代表の意見書を添付した書面)の作成が必要です。一般的な労働契約書や労働条件通知書は「就業規則に準ずるもの」には該当しないため、代替できません。

業務改善助成金の申請から入金までの流れ

業務改善助成金は、交付申請→審査・交付決定→事業の実施→実績報告→入金という5ステップで進みます。令和8年度は交付申請後に賃金引上げを行う点に注意が必要です。

業務改善助成金の申請から入金までの流れを示したフロー図
【STEP1:交付申請の提出】
事業場所在地を管轄する都道府県労働局に対して、所定の様式に基づいた交付申請書を提出します。申請には、賃金引上げ計画や設備投資内容、対象労働者の情報などを明記する必要があります。令和8年度は原則通り、交付申請後に賃金引上げを実施します。令和7年9月5日に導入された「賃金引上げ計画の事前提出省略」は令和7年度限りの時限特例であり、令和8年度には引き継がれていません。

【STEP2:労働局による審査・交付決定】
提出書類に基づき、都道府県労働局が内容を審査します。内容に問題がなければ、「助成金の交付決定通知」が発行されます。この通知を受けてから、設備投資に着手することができます(交付決定前の着手は原則として対象外)。近年は申請が集中しており、交付決定まで3〜6か月以上かかる場合もあるため、余裕を持ったスケジュールで計画を立てましょう。

【STEP3:事業の実施】
交付申請書に記載した計画に従って、設備投資や業務改善の取組を行います。実施内容は、後の報告・審査に備え、証拠となる資料(領収書や契約書など)をきちんと保管しておきます。

【STEP4:事業実績報告書の提出】
事業が完了したら、事業実績報告書とともに、賃金引上げや経費支出に関する証拠資料を都道府県労働局に提出します。内容が適正と認められれば助成金額の確定通知が届きます。

【STEP5:入金】
確定通知後に、所定の請求書類を提出することで、指定口座に助成金が振り込まれます。

問い合わせ先

ご不明な点がある場合は、下記の専用コールセンターまでご相談ください。

【業務改善助成金コールセンター】 電話番号:0120-366-440 受付時間:平日 9:00〜17:00

あわせて活用したい賃上げ関連の助成金

業務改善助成金とあわせて、雇用形態や働き方の改善に取り組む場合は、キャリアアップ助成金や働き方改革推進支援助成金の活用も検討できます。有期雇用労働者・パートの正社員転換や処遇改善にはキャリアアップ助成金、労働時間短縮や勤務間インターバル導入には働き方改革推進支援助成金が対応します。ただし、業務改善助成金で賃金引上げの対象とした労働者は、キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)の支給対象労働者としてカウントできないため、併給を検討する際は対象者の重複に注意してください。

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令和8年度(2026年度)業務改善助成金の改正点

令和8年度の業務改善助成金は、前年度から大きく見直されています。申請開始の後ろ倒し、コース再編、助成率基準などが変更されているため、前年度からの継続検討者は要件の再確認が必要です。

・募集(申請)開始が「9月1日」スタートに変更
・申請期限は「地域別最低賃金の発効日前日」または「11月末」の早い方
・賃金引上げコースが「3コース(50円・70円・90円)」へ再編(30円・45円・60円コースは廃止)
・同一事業主が複数の事業場で申請する場合、事業主単位で年間上限600万円まで
・助成率の区分が「1,050円」を基準に見直し
・対象事業場の範囲を「令和7年度地域別最低賃金以上、令和8年度地域別最低賃金未満」まで拡大
・賃上げ対象労働者は「雇用保険被保険者」であることが必須化
・賃金引上げは交付申請より後に実施すること(事後申請は不可)
・一般車両が助成対象外に(特殊用途自動車は引き続き対象)
・物価高騰等要件の指標が「直近6か月平均」に変更

主な変更点は、以下のとおりです。

募集(申請)は2026年9月1日に受付開始

令和8年度の業務改善助成金は、2026年9月1日に申請受付が開始されました。申請期限は、申請事業場に適用される令和8年度の地域別最低賃金の発効日前日または2026年11月30日のいずれか早い日です。地域別最低賃金の発効が早い地域ほど申請期間が短くなるため、早めの申請が必要です。

申請期限は「地域別最低賃金の発効日前日」または「11月末」の早い方

令和8年度の申請の終期は、「令和8年度の地域別最低賃金の発効日の前日まで」または「同年11月末日まで」のいずれか早い日です。最低賃金の発効が早い地域ほど、締切が前倒しになりやすい点に注意が必要です。大阪府・東京都など発効が早い地域(例年10月初旬)では、実質的な申請可能期間が2か月未満になる可能性があります。

賃金引上げコースが「3コース」へ再編

業務改善助成金 令和8年度の賃金引上げコース(50円・70円・90円)を示す図
賃金の引上げ額は、令和7年度の4コース(30円・45円・60円・90円)から、令和8年度は3コース(50円・70円・90円)へ再編されました。30円・45円・60円コースが廃止されたため、最低でも時給50円以上の引き上げが必要になります。「30円・45円コース」を前提にしていた事業者は、計画の組み直しが必要です。

賃金引上げは交付申請より後に実施(事後申請は不可)

令和8年度は、賃金引上げを必ず交付申請より後に実施する必要があります。すでに賃上げを行った後に申請する「事後申請」は認められません。令和7年9月5日に導入された「賃金引上げ計画の事前提出省略」は令和7年度限りの時限特例であり、令和8年度には引き継がれていません。

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業務改善助成金のよくある質問

業務改善助成金の対象は?

資本金または常時使用する労働者数のいずれかの要件を満たす「中小企業事業者」が対象です。業種により要件が異なり、一般産業は労働者300人以下、卸売業・サービス業は100人以下、小売業は50人以下です。令和8年度は、申請時点の事業場内最低賃金が現在適用されている地域別最低賃金以上で、かつ令和8年度の改定後地域別最低賃金未満である事業場が対象です。

令和8年度(2026年度)の申請はいつからいつまで?

令和8年度の申請受付は2026年9月1日に始まりました。締切は「令和8年度地域別最低賃金の発効日の前日」または「2026年11月30日」のいずれか早い日です。最低賃金の発効が早い地域では申請できる期間が短くなるため、自社の事業場に適用される発効日を確認し、期限に余裕をもって申請してください。

令和8年度の賃金引上げコースはどう変わった?

令和7年度の4コース(30円・45円・60円・90円)から、令和8年度は3コース(50円・70円・90円)に再編されました。30円・45円・60円コースが廃止されたため、最低でも時給50円以上の引き上げが必要です。

助成率は?

引き上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満であれば4/5、1,050円以上であれば3/4です。令和8年度から助成率の基準が令和7年度の1,000円から1,050円に引き上げられました。


賃上げの対象となる労働者の条件は?

令和8年度から、賃上げ対象労働者は「雇用保険被保険者」であることが必須要件となりました。雇用保険被保険者とは、原則として1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがある労働者を指します。あわせて、対象労働者は原則として雇入れ後6か月以上を経過している必要があります。雇用保険に加入していない労働者の賃上げは助成対象として算定されないため、事前の確認が重要です。

「引き上げる労働者数」に、事業場内最低賃金でない労働者も含められる?

事業場内最低賃金である労働者のほか、賃金引上げによって「賃金額が追い抜かれる労働者」も、申請コースと同額以上の引上げを行えば「引き上げる労働者数」に算入できます。改定後の地域別最低賃金額を超える労働者も同様に含めることが可能です。この算入ルールを活用すると、上位コースを申請できる人数が増え、助成上限額を高められる場合があります。

どんな設備投資が助成の対象?

「生産性の向上、労働能率の増進に資する」と認められる設備投資などが対象です。業務の効率化につながる機械の導入や、作業場のレイアウト変更、人材育成のための研修などが含まれます。なお令和8年度から、定員7人以上または車両本体価格200万円以下の一般車両は助成対象外となりました(8ナンバーの特殊用途自動車は引き続き対象です)。

助成対象となる経費の下限は?相見積は必要?

助成対象経費の合計が、税抜きで10万円以上である必要があります。1つ1つの価格が10万円未満であっても、複数の設備投資を合わせた合計金額が10万円以上であれば対象となります。契約予定額が税抜10万円以上の場合、原則として同一条件の仕様による2者以上の見積書(相見積)の提出が必要です。中古機器を導入する場合は、古物商許可を得た3者以上の中古品流通業者からの見積書が求められます。

設備投資の機器は、いつ導入(納品)すればいい?

導入する機器の納品や契約は、必ず「交付決定後」でなければなりません。交付決定前に契約・納品・支払いを行った場合は、助成を受けることができないため注意が必要です。

賃金引上げは申請の前?後?

令和8年度は、賃金引上げを必ず交付申請より後に行う必要があります。すでに賃上げを実施した後に申請する「事後申請」は認められません。令和7年度に導入された「賃金引上げ計画の事前提出省略」は令和7年度限りの時限特例であり、令和8年度には引き継がれていません。

パソコンやタブレット・食洗機も助成対象になる?

食洗機やPOSレジなど生産性向上に資する設備は一般事業者でも対象です。パソコン・スマホ・タブレット等の端末は通常は対象外ですが、特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する場合は新規導入に限り対象となります。既存機器の入れ替えは対象外で、あわせて就業規則等に「事業場内最低賃金が1,100円である」旨を定める必要があります。出典:業務改善助成金Q&A

従業員のいない個人事業主でも使える?

使えません。業務改善助成金は「労働者の賃金を引き上げること」が条件のため、従業員を雇っていない1人親方・フリーランスなどの個人事業主は対象外です。
一方、従業員を雇用している個人事業主であれば、法人でなくても対象になります。ただし令和8年度からは、賃上げの対象となる労働者が雇用保険の被保険者であり、雇入れから6か月を経過していることが必要です。パート・アルバイトでもこの条件を満たせば対象労働者に数えられます。


令和9年度(2027年度)の業務改善助成金はどうなる?

厚生労働省は、令和9年度(2027年度)予算の概算要求で、業務改善助成金に543億円を要求しています。令和8年度の当初予算額21億円と比べ、大幅に増額した要求となっています。

令和9年度の概算要求では、中小企業・小規模事業者による制度の活用を広げるため、業務改善助成金の助成上限額の引上げや申請期間の拡充を検討するほか、助成率区分の見直しを行う方針も示されています。

ただし、現時点ではあくまで概算要求の段階です。543億円の予算額や、令和9年度の助成上限額、助成率、申請期間などが確定したわけではありません。今後の予算編成を経て、制度内容が変更される可能性があります。

項目 内容
令和9年度概算要求額 543億円
令和8年度当初予算額 21億円
主な見直し方針 助成上限額の引上げや申請期間の拡充を検討、助成率区分を見直し
現在の状況 概算要求段階であり、2027年度の制度内容は未確定

まとめ

多くの中小企業にとって、最低賃金の引上げへの対応と、その原資確保は継続的な課題です。業務改善助成金は、賃上げと生産性向上につながる設備投資を同時に進める企業を支援する制度です。

令和8年度の申請受付は2026年9月1日に始まりました。申請期限は、各都道府県の令和8年度地域別最低賃金の発効日前日または11月30日のいずれか早い日です。賃金引上げは申請後かつ新しい地域別最低賃金の発効日前日まで、設備投資は交付決定後に行う必要があるため、申請時期には注意してください。本制度をうまく活用し、働く環境の改善と賃金引上げの実現を目指してみてはいかがでしょうか。

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