【2026年度】人材確保等支援助成金 テレワークコースとは?最大35万円の支給額・要件・改正点を解説

公開日:2022/1/13 更新日:2026/7/29
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令和8(2026)年4月1日、人材確保等支援助成金(テレワークコース)の支給要領が一部改正されました。中小企業が良質なテレワークを導入・実施し、人材確保や雇用管理改善に効果をあげた場合に、合計最大35万円(制度導入助成20万円+目標達成助成15万円)が支給されます。

「テレワーク導入のための設備整備に補助金は出る?」「在宅勤務制度を整えたいけれど、どんな支援がある?」――こうした検索で本記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。本コースは、テレワーク機器の購入費そのものを補助する仕組みではなく、就業規則の整備や職場風土づくりを通じてテレワークを「制度として」定着させる取組を一律額で支援する助成金です。

かつてコロナ禍の初期には「時間外労働等改善助成金 テレワークコース」として機器導入費への補助率設定がありましたが、現在は制度が組み替わり、要件を満たすと一律で支給される定額制になっています。この記事では、令和8年度時点の最新内容と申請方法を、厚生労働省の令和8年4月1日版リーフレット・支給要領に基づき整理します。

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この記事の目次

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人材確保等支援助成金とは?2026年度の概要と7つのコース一覧

人材確保等支援助成金は、事業主や事業主団体が雇用管理改善・人材の確保・定着に取り組む際に、要件を満たすと支給される厚生労働省の助成金です。令和8(2026)年度も全7コースが継続実施されており、業種・課題ごとに使い分けができます。

本記事の「テレワークコース」は、中小企業が良質なテレワーク制度を新たに導入または実施拡大し、離職率低下や賃上げ等の効果を生み出した場合に支給される、全業種対応のコースです。

人材確保等支援助成金の7つのコース一覧

2026年度に実施されている7コースの概要は次のとおりです。

コース名主な対象主な助成額の目安
雇用管理制度・雇用環境整備助成コース全業種の中小企業最大325万円
中小企業団体助成コース事業協同組合等の事業主団体最大1,000万円
建設キャリアアップシステム等活用促進コース中小建設事業主・建設事業主団体1人あたり16万円等
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)建設事業主・建設事業主団体・職業訓練法人経費の3/5等(1人42万円加算あり)
作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)中小建設事業主・職業訓練法人経費の3/5等
外国人労働者就労環境整備助成コース外国人を雇用する事業主最大80万円
テレワークコース(本記事)テレワーク導入・拡大を行う中小企業最大35万円

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【2026年度】人材確保等支援助成金とは?7コースの助成額・要件・改正点をわかりやすく解説|最大325万円

人材確保等支援助成金 テレワークコースとは?対象と仕組み

テレワークコースは、適切な労務管理下におけるテレワークを制度として導入・実施することにより、労働者の人材確保や雇用管理改善等の観点から効果をあげた中小企業事業主に対して支給される助成金です。

対象となるのは、雇用保険を適用している中小企業事業主で、テレワークを新たに導入する事業主に加え、すでに導入済みで実施を拡大する事業主も含まれます。前者を「新規導入事業主」、後者を「実施拡大事業主」と区分し、それぞれ要件が一部異なります。

近年の主な改正ポイント

本制度は令和3年度に創設されて以降、複数回の改正で手続きや対象範囲が見直されてきました。直近2年の改正ポイントは次のとおりです。

【令和7(2025)年4月1日改正】
事前にテレワーク実施計画を提出し認定を受ける手続きが不要になりました。これにより、就業規則整備→評価期間→申請という流れで手続きが完結するようになりました。

【令和8(2026)年4月1日改正】
支給要領が一部改正されました。令和8年4月1日以降に評価期間(制度導入助成)を開始する事業主から新要領が適用されます。令和8年3月31日までに制度導入助成の評価期間を開始した事業主には、令和7年度の支給要領が適用されます。

「時間外労働等改善助成金 テレワークコース」との違い

かつての「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」は、機器導入費に対して補助率と補助上限を設定する形の旧制度で、コロナ禍初期の緊急対応で活用されました。現在は廃止されており、後継として位置づけられるのが本記事で解説する「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」です。

現行制度は、機器・設備等の購入費そのものを補助対象経費とする仕組みではなく、制度整備と運用の取組に対して定額(最大35万円)を支給する仕組みに変更されている点が旧制度との最大の違いです。検索で旧制度名がヒットしてもリンク先が古い情報の場合があるため、申請前に厚生労働省の最新案内を確認しましょう。

テレワークコースはいくらもらえる?最大35万円の内訳

本制度では「制度導入助成」と「目標達成助成」の2段階の要件を満たすことで、1事業主あたり合計最大35万円を受け取れます。

区分支給額概要
制度導入助成1企業あたり20万円テレワーク勤務に関する制度を整備し、一定の要件を満たすと支給
目標達成助成1企業あたり10万円(賃金要件を満たした場合15万円)制度導入助成を受けた後、離職率・実施回数の要件を満たすと支給

制度導入助成では20万円、目標達成助成では10万円が支給されます。さらに賃金要件を満たすと、目標達成助成の支給額は15万円に引き上げられます。

【賃金要件(賃上げ加算)】
テレワーク実施対象労働者の毎月決まって支払われる賃金を、評価期間(制度導入助成)の開始日から起算して1年以内に5%以上増加させた事業主が対象です。

テレワークコースの支給要件(制度導入助成・目標達成助成)

テレワークコースは「制度導入助成」と「目標達成助成」の2区分に分かれており、それぞれ別の要件があります。目標達成助成は制度導入助成の支給を受けた事業主が対象のため、まずは制度導入助成の要件達成に取り組みます。

制度導入助成の要件(新規導入事業主・実施拡大事業主)

制度導入助成は、テレワークに関する制度を整備し、以下の要件を満たした場合に20万円が支給されます。自社が「新規導入事業主」「実施拡大事業主」のどちらに該当するかで、要件が一部異なる点に注意してください。

区分定義
新規導入事業主就業規則等に規定すべき事項のうちテレワークの定義以外の項目が一つも規定されておらず、新たに規定してから3か月以内に評価期間を開始する事業者
実施拡大事業主テレワークの定義以外の項目が1つでも規定済みの事業者

具体的な要件は次のとおりです。

要件Ⅰ 評価期間(制度導入助成)の初日から起算して前3か月の間に、以下の<テレワークを可能とする取組>を実施
新規導入事業主:①(必須)および③〜⑤のいずれか1つ以上(選択)
実施拡大事業主:①(必須)および②〜⑤のいずれか1つ以上(選択)

<テレワークを可能とする取組>
①労働者がテレワークを実施しやすい職場風土作りの取組
②就業規則等の拡充
③外部専門家によるコンサルティング
④労務管理担当者に対する研修
⑤労働者に対する研修

※コンサルティング、研修および就業規則等については「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を踏まえた内容であることが必要
要件Ⅱ 評価期間(制度導入助成)におけるテレワーク実施実績
テレワーク実施対象労働者が、自宅またはサテライトオフィス等でテレワークを実施し、次の実績を満たすこと。
新規導入事業主は(イ)を、実施拡大事業主は(イ)および(ロ)の双方を満たすこと。

(イ)以下のいずれかを満たしていること
 1.テレワーク実施対象労働者全員が1回以上テレワークを実施
 2.テレワーク実施対象労働者のテレワーク実施回数の週間平均が1回以上

(ロ)テレワーク実施対象労働者の延べテレワーク実施回数を、評価期間の初日の前日から起算した前3か月間と比較して25%以上増加させること(実施拡大事業主のみ)
要件Ⅲ 過去に人材確保等支援助成金(テレワークコース)の支給を受けていないこと
【テレワーク勤務制度について規定すべき主な事項】
①テレワークの定義、テレワーク勤務の対象者の範囲、テレワーク勤務を行う際の手続、留意事項に関する規定
②テレワーク勤務の対象者やテレワークを実施した労働者に適用する労働時間、人事評価、人材育成、費用負担、手当に関する取扱いの規定(その他の労働者と同一の場合はその旨を明示的に規定する)

目標達成助成の要件(離職率と実施回数)

目標達成助成は、離職率とテレワーク実施回数に関する次の3要件をすべて満たすと、10万円〜15万円が支給されます。

制度導入後離職率が、制度導入前離職率以下であること
評価時離職率が30%以下であること
対象事業所における評価期間(目標達成助成)の延べテレワーク実施回数が、次の計算式で求めた回数以上であること

<計算式>
評価期間(目標達成助成)初日の労働者数 ÷ 評価期間(制度導入助成)初日の労働者数 × 評価期間(制度導入助成)の延べテレワーク実施回数

要件③の計算式は、対象事業所の労働者数の増減を加味して「導入時と同水準以上のテレワーク運用が続いているか」を判定する仕組みです。テレワークを導入したことで離職率が悪化しておらず、引き続き制度が活用されていることを示すデータが必要になります。

テレワークコースの申請手続きの流れ

テレワークコースの申請は事前計画の認定が不要になったため、就業規則整備→職場風土づくり→評価期間(3か月)→申請、の流れで進められます。手順は次のとおりです。

①自社が「新規導入事業主」か「実施拡大事業主」かを確認する

②就業規則等を整備する(テレワーク勤務制度について規定すべき事項を規定)

③労働者がテレワークを実施しやすい職場風土作りの取組を実施

④制度導入助成の要件の達成に取り組む(評価期間:3か月間)

⑤制度導入助成の支給申請書を提出する(評価期間末日の翌日から2か月以内)

⑥目標達成助成の要件の達成に取り組む

⑦目標達成助成の支給申請書を提出する(評価期間末日の翌日から2か月以内)

なお、令和8年4月1日改正で支給要領が一部改正されており、令和8年4月1日以降に評価期間(制度導入助成)を開始する事業主から新要領が適用されます。申請様式(様式第1号〜第4号)については、令和7年4月1日以降に申請する事業主すべて共通で、厚生労働省ウェブサイト(人材確保等支援助成金(テレワークコース)申請様式のページ)からダウンロードできます。

人材確保等支援助成金テレワークコースの申請タイミングを示したフロー図

申請でつまずきやすい3つのポイント

本コースは事前計画認定が不要になり手続きはシンプルになりましたが、「事業主区分の判定」「就業規則の規定漏れ」「テレワーク実施実績の記録」の3点で不備が起きやすい制度です。

① 自社が「新規導入」「実施拡大」のどちらか判定を誤る
就業規則等にテレワークの定義以外の項目(労働時間、人事評価、費用負担など)が1つでも規定済みなら「実施拡大事業主」です。実施拡大事業主には「前3か月比25%以上の実施回数増加」という追加要件があるため、判定を誤ると要件未達となります。就業規則を改めて確認しましょう。

② 就業規則等で規定すべき事項に漏れがある
テレワークの定義、対象者範囲、手続、留意事項、労働時間、人事評価、人材育成、費用負担、手当の取扱いなど、規定すべき事項は多岐にわたります。「その他の労働者と同一」とする場合もその旨を明示的に規定する必要があります。

③ テレワーク実施実績の記録が不十分
評価期間中のテレワーク実施回数や対象者の状況は、支給申請時の確認資料として記録が必要です。出退勤管理ツールやテレワーク日報の運用を、評価期間開始前から整えておきましょう。実施拡大事業主は「前3か月比25%以上増加」の判定に前3か月の実績データも必要になります。

テレワーク導入に使える他制度との組み合わせ

本コースは制度整備と運用の取組に対する定額支給のため、機器・ソフトウェア購入費そのものへの補助を求める場合は他制度の活用が現実的です。以下の制度を組み合わせて検討することで、テレワーク導入時の負担軽減効果を高められます。

制度名特徴組み合わせイメージ
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)ITツール導入費・PC等の周辺機器を補助WEB会議ツール・チャットツール・勤怠管理ツール等の導入と本コースの制度整備を並行
自治体のテレワーク関連助成金都道府県・市区町村独自の機器整備費補助東京都・神奈川県等はテレワーク機器整備向けの独自制度あり
働き方改革推進支援助成金労働時間短縮・年休取得促進など働き方改革全般時間外労働削減や勤務間インターバル導入とセットで検討

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テレワークやリモートワークに使える補助金・助成金まとめ


人材確保等支援助成金 テレワークコースに関するよくある質問



テレワークコースはいくらもらえる?


制度導入助成で20万円、目標達成助成で10万円(賃金要件を満たした場合は15万円)が支給されます。両方の要件を満たすことで、1事業主あたり合計最大35万円が受け取れます。




テレワーク導入の機器購入費やルーター代も補助されますか?


本助成金は機器購入費そのものを補助する仕組みではなく、テレワーク制度の整備と運用の取組に対して定額(合計最大35万円)を支給する制度です。以前は補助対象経費や補助率が設定されていましたが、現在は要件を満たすと一律で支給される定額制に改正されています。機器整備費そのものへの補助をお求めの場合は、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)や自治体のテレワーク助成金などの活用を検討しましょう。




テレワークを既に導入している企業も対象になりますか?


対象になります。テレワークを既に導入している事業主は「実施拡大事業主」の区分となります。就業規則等にテレワークの定義以外の項目が1つでも規定済みの場合がこの区分に該当し、延べテレワーク実施回数を前3か月比25%以上増加させる追加要件があります。




「新規導入事業主」と「実施拡大事業主」はどう違いますか?


新規導入事業主は、就業規則等にテレワークの定義以外の項目が一切規定されておらず、新たに規定してから3か月以内に評価期間を開始する事業者です。一方、実施拡大事業主は、テレワークの定義以外の項目が1つでも規定済みの事業者を指します。実施拡大事業主には「実施回数25%以上増加」の要件が追加される点で異なります。




令和8年4月1日の改正で何が変わりましたか?


令和8年4月1日付で支給要領が一部改正されました。令和8年4月1日以降に評価期間(制度導入助成)を開始する事業主から新要領が適用されます。令和8年3月31日までに制度導入助成の評価期間を開始した事業主には令和7年度の支給要領が適用されます。詳細は厚生労働省の公式サイトでご確認ください。




事前にテレワーク実施計画を提出する必要はありますか?


令和7年4月1日改正により、事前にテレワーク実施計画を提出し認定を受ける手続きは不要となりました。就業規則の整備とテレワーク実施に取り組み、評価期間終了後に支給申請を行う流れになっています。手続きが簡素化された一方で、要件達成の客観的記録は事業主側で残しておく必要があります。




制度導入助成の申請はいつまでに行う必要がありますか?


評価期間(制度導入助成)末日の翌日から起算して2か月以内に支給申請書を提出する必要があります。期限を過ぎると申請できなくなりますので、評価期間終了後は速やかに手続きを進めましょう。目標達成助成も同様に、評価期間末日の翌日から2か月以内が申請期限です。




賃金要件を満たすと支給額はどう変わりますか?


目標達成助成において、テレワーク実施対象労働者の毎月決まって支払われる賃金を、評価期間(制度導入助成)の開始日から1年以内に5%以上増加させると、支給額が10万円から15万円に増額されます。制度導入助成20万円と合わせると、最大35万円が支給されます。




旧「時間外労働等改善助成金 テレワークコース」との違いは何ですか?


「時間外労働等改善助成金 テレワークコース」はコロナ禍初期に機器導入費に対する補助率を設定して活用された旧制度で、現在は廃止されています。現行制度は「人材確保等支援助成金 テレワークコース」で、機器導入費への補助率設定ではなく、制度整備と運用の取組に対して一律の定額を支給する仕組みに変更されています。検索で旧制度名がヒットしてもリンク先が古い情報の場合があるため、申請時は厚生労働省の最新案内を確認しましょう。




個人事業主や大企業も対象になりますか?


本コースの対象は中小企業の事業主です。大企業は対象になりません。また、雇用保険を適用していることが前提のため、雇用保険被保険者となる従業員がいない個人事業主は申請できません。在宅勤務制度を整備したい場合、業種や地域によっては自治体の別制度を活用できる場合もあります。



まとめ

人材確保等支援助成金のテレワークコースは、中小企業のテレワーク制度導入・拡大を一律の定額(合計最大35万円)で支援する助成金です。令和8(2026)年度も継続実施されており、令和7年4月1日改正で事前計画の認定が不要となり手続きが簡素化されました。

賃金要件を満たすことで、目標達成助成の支給額が10万円から15万円に増額される加算もあります。テレワーク導入や拡大を検討している中小企業は、就業規則の整備から始めて、制度導入助成・目標達成助成の両方を視野に取り組んでみましょう。

なお、テレワーク機器の購入費そのものに対する補助をお求めの場合は、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)や自治体のテレワーク関連助成金など、別系統の支援策の検討も並行することをおすすめします。

あわせて読みたい:人材確保等支援助成金2026 全コースの助成内容を解説

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