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キャリアアップ助成金とは?令和8年度の全6コース・支給額・対象事業者を解説【2026年】

公開日:2019/11/14 更新日:2026/8/27
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キャリアアップ助成金(正式名称:キャリアアップ助成金)は、厚生労働省が有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者などの非正規雇用労働者を正社員化したり、賃金・処遇を改善したりした事業主に対して支給する助成金制度です。令和8年度(2026年度)は6コース体制で、最大1人あたり120万円(障害者正社員化コース重度・中小企業)まで受給できます。

「キャリアアッフ助成金」「キャリアアツプ助成金」「キャリアップ助成金」「キャリアアップ補助金」など様々な表記で検索されていますが、すべて同じ「キャリアアップ助成金」を指します。令和8年4月8日には「情報公表加算(1事業所20万円)」が新設され、社会保険適用時処遇改善コースは令和8年3月31日で暫定措置が終了しました。

本記事では、令和8年度版パンフレットに基づき、コースごとの支給額・対象事業主・申請フロー・変更点まで一気に整理します。「誰がもらえる?」「いつまで?」「個人事業主でも申請できる?」といったよくある疑問にもFAQで答えるので、初めて検討する経営者・人事担当者もぜひ最後までご確認ください。

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この記事の目次

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キャリアアップ助成金とは?誰がもらえるかを1分で解説

キャリアアップ助成金とは、パート・アルバイトなどの有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者のキャリアアップを促進するために、正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主(会社・個人事業主)に対して支給される厚生労働省の助成金制度です。従業員本人が受け取る給付金ではなく、あくまで事業主向けの助成金である点が最大のポイントです。

制度は令和8年度時点で「正社員化支援」と「処遇改善支援」の2系統・全6コースに分かれており、それぞれ支給額・対象労働者・要件が異なります。


なお、「社会保険適用時処遇改善コース」は令和8年3月31日をもって暫定措置が終了しました。「年収の壁」への対応機能は、令和7年7月に新設された「短時間労働者労働時間延長支援コース」に引き継がれています。

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キャリアアップ助成金は誰がもらえる?(従業員本人はもらえない)

キャリアアップ助成金を受け取れるのは従業員本人ではなく、非正規雇用労働者を正社員化・処遇改善した事業主(会社・個人事業主)です。「キャリアアップ手当」という各社独自の給与体系とは全く別の制度です。

【キャリアアップ助成金は誰がもらえる?3つのポイント】
ポイント内容
受給者は事業主会社・個人事業主が受給。従業員本人には支給されない
対象労働者有期雇用労働者・短時間労働者(パート・アルバイト)・派遣労働者などの非正規雇用労働者
キャリアアップ手当との違いキャリアアップ手当は各社独自の給与制度。本助成金とは全く別

キャリアアップ助成金はいつまで使える?申請期限・支給時期

キャリアアップ助成金に定められた終了期日はなく、令和8年度(2026年度)も引き続き実施中です。ただし各コースには「取組後6か月の賃金を支払った日の翌日から2か月以内」という支給申請期限があり、この期間を過ぎると申請できません。

【「いつまで」への回答:3つの意味で解説】
  • 制度自体の終了時期:終了期日はなし。令和8年度も継続実施中。ただし年度ごとに要件・助成額が変更される場合があります
  • 各取組の申請期限:取組後6か月の賃金支払日の翌日から起算して2か月以内。過ぎると申請不可
  • 支給までの期間:申請から支給まではおおむね1年程度を見込む必要あり

キャリアアップ助成金 令和8年度(2026年度)の変更点

令和8年度の最大の変更点は、令和8年4月8日から正社員化コースに新設された「情報公表加算(1事業所20万円・大企業15万円)」と、社会保険適用時処遇改善コースの暫定措置終了(令和8年3月31日)です。あわせて障害者正社員化コースの対象拡大、短時間労働者労働時間延長支援コースのリニューアルも実施されています。

変更点詳細
正社員化コースに「情報公表加算」を新設【令和8年4月8日〜】転換情報を自社サイトまたは職場情報総合サイト「しょくばらぼ」に公表した場合、1事業所20万円(大企業15万円)を加算(1事業所1回のみ)
社会保険適用時処遇改善コース終了令和8年3月31日で暫定措置終了。終了日前に実施した取組に係る支給申請は経過措置により引き続き可能
短時間労働者労働時間延長支援コースのリニューアル旧・社会保険適用時処遇改善コースの労働時間延長メニューを引き継ぎつつ要件・助成額を見直し。2年目の追加助成を新設し、小規模企業事業主区分(常時30人以下)で最大75万円に拡充
障害者正社員化コースの対象拡大「高次脳機能障害者」が新たに対象に追加

前年度から引き続き適用されている主な変更は以下のとおりです。

変更点詳細
正社員化コースの区分再編「有期→正規」「無期→正規」の区分廃止、「重点支援対象者」区分導入
賃金規定等改定コースの拡充支給区分が2区分→4区分に細分化、助成額拡充
正社員化コース対象範囲の変更新規学卒者で雇入れから1年未経過の者は支給対象外
各コース共通キャリアアップ計画書の事前認定が不要となり「届け出のみ」に簡素化

正社員化コースの「情報公表加算」(令和8年4月8日新設)とは

情報公表加算は、正社員化コースの支給申請時に、正規雇用労働者等への転換に係る所定の情報を自社ウェブサイトまたは職場情報総合サイト「しょくばらぼ」に公表した事業主が受けられる加算措置です。

【情報公表加算の概要】
  • 加算額:1事業所20万円(大企業15万円)(1事業所1回のみ)
  • 対象:令和8年4月8日以降に対象労働者を転換等し、所定の情報を公表した場合
  • 公表要件:キャリアアップ計画期間中かつ支給申請日までに公表を行い、少なくとも支給申請事業年度の終了までは公表を継続することに同意する必要あり
企業側の透明性を促すインセンティブとして導入されました。要件や公表内容の詳細は、厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」および令和8年度版Q&Aをご確認ください。

キャリアアップ助成金の対象となる事業主・労働者は?

キャリアアップ助成金の対象となるのは、雇用保険適用事業所の事業主のうち、次の中小企業事業主または大企業に該当する事業主です。中小企業事業主のほうが助成額が手厚く設定されています。

業種資本金の額・出資の総額常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下または50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

なお、短時間労働者労働時間延長支援コースでは、常時雇用する労働者の数が30人以下の「小規模企業事業主」区分が別途設けられており、中小企業よりさらに手厚い助成を受けられます。

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キャリアアップ助成金の主な受給要件(共通)

キャリアアップ助成金は、コースを問わず以下の受給要件を満たしている必要があります。特に雇用保険適用事業所であることと、キャリアアップ計画を事前に労働局へ提出していることの2点は絶対条件です。

【共通の主な受給要件】
  • 雇用保険適用事業所の事業主であること
  • 雇用保険適用事業所ごとにキャリアアップ管理者を置いていること
  • キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長に提出していること
  • 対象労働者の労働条件・賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備していること
  • キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること

キャリアアップ助成金は個人事業主でも申請できる?

キャリアアップ助成金は、個人事業主でも雇用保険適用事業所であれば申請可能です。ただし、従業員を雇用していない一人親方や役員だけの家族経営では対象外となります。

個人事業主が申請する場合、次の3点が特に重要です。第一に、雇用保険適用事業所であること。第二に、社会保険(健康保険・厚生年金)の適用要件を満たす場合は加入していること。第三に、対象労働者が事業主の3親等以内の親族に該当しないことです。強制適用の条件を満たしていない個人事業主であっても、任意適用の申請を行うことで社会保険に加入し、助成金の支給要件をクリアできる場合があります。

【個人事業主が申請する際のチェックポイント】
・雇用保険に加入している(従業員1名以上を雇用し、週20時間以上・31日以上雇用見込み)
・社会保険の適用対象になる場合は加入済み(未加入の場合は任意適用申請)
・対象労働者が事業主の3親等以内の親族に該当しない
・キャリアアップ管理者を選任している(事業主自身が兼務可)
・取組開始前営業日までにキャリアアップ計画書を労働局へ提出済み

対象となる労働者(パート・アルバイトも対象)

キャリアアップ助成金の対象労働者は、パートタイム労働者(短時間労働者)やアルバイトを含む有期雇用労働者、無期雇用の短時間労働者、派遣労働者などの非正規雇用労働者です。有期雇用のパート・アルバイトを正社員に転換する「正社員化コース」や、賃金を引き上げる「賃金規定等改定コース」など、複数のコースで活用できます。

【対象となる主な労働者】
  • 有期雇用労働者(パート・アルバイト・契約社員など)
  • 無期雇用の短時間労働者
  • 派遣労働者
【対象外となる主なケース】
  • 正規雇用を条件として雇い入れられた労働者
  • 過去3年間に正規・無期雇用されていた労働者
  • 事業主・役員の3親等以内の親族(配偶者・子・父母・兄弟姉妹・孫・祖父母など)
  • 新規学卒者で雇入れから1年を経過していない者(正社員化コース)

親族(家族)が対象外となる理由と3親等の範囲

事業主や役員の3親等以内の親族は、身内びいきによる形式的な正社員化などの不正受給を防ぐためにキャリアアップ助成金の対象外とされています。3親等以内の主な範囲は以下のとおりです。


親等該当する親族
1親等配偶者・子・父母
2親等兄弟姉妹・祖父母・孫
3親等叔父・叔母・甥・姪・曾祖父母・ひ孫
4親等以上(いとこなど)は対象となる可能性があります。詳細は管轄の労働局またはハローワークにご確認ください。

キャリアアップ助成金【全6コース】の支給額を一覧で比較

キャリアアップ助成金は令和8年度時点で全6コースあり、正社員化コース(1人あたり最大80万円)と障害者正社員化コース(1人あたり最大120万円)がとくに手厚い助成額となっています。以下、コース別の支給額一覧です。

コース名支給額(1人あたり)
正社員化コース【重点支援対象者】有期→正規:80万円(大企業60万円)/無期→正規:40万円(大企業30万円)
【重点支援対象者以外】有期→正規:40万円(大企業30万円)/無期→正規:20万円(大企業15万円)
【加算措置】正社員転換等制度の新規規定:1事業所20万円(15万円)/多様な正社員制度の新規規定:1事業所40万円(30万円)/情報公表加算【令和8年4月8日新設】:1事業所20万円(15万円)
障害者正社員化コース有期→正規:90万円(67.5万円)/有期→無期:45万円(33万円)/無期→正規:45万円(33万円)※重度障害者:120万円(90万円)/60万円(45万円)/60万円(45万円)※高次脳機能障害者が新規追加
賃金規定等改定コース3%以上4%未満:4万円(2.6万円)/4%以上5%未満:5万円(3.3万円)/5%以上6%未満:6.5万円(4.3万円)/6%以上:7万円(4.6万円)
【加算措置】職務評価活用:1事業所20万円(15万円)/昇給制度新設:1事業所20万円(15万円)
賃金規定等共通化コース1事業所60万円(大企業45万円)
賞与・退職金制度導入コース1事業所40万円(大企業30万円)
【加算措置】賞与・退職金を同時導入:1事業所16.8万円(12.6万円)加算
短時間労働者労働時間延長支援コース【1年目】小規模企業50万円/中小企業40万円/大企業30万円 【2年目】小規模企業25万円/中小企業20万円/大企業15万円 (小規模企業なら合計最大75万円)

※( )内は大企業の金額です。

正社員化コース(1人最大80万円+加算最大80万円)

正社員化コースは、有期雇用・無期雇用の非正規雇用労働者や派遣社員を正社員に転換または直接雇用した事業主を支援するコースで、キャリアアップ助成金の中で最も利用件数の多いコースです。支給条件として、正社員転換後の賃金を3%以上引き上げることが求められます。新規学卒者で雇入れから1年未経過の者は対象外です。

企業規模対象者支給額
中小企業重点支援対象者有期→正規:80万円(40万円×2期)/無期→正規:40万円(20万円×2期)
上記以外有期→正規:40万円(40万円×1期)/無期→正規:20万円(20万円×1期)
大企業重点支援対象者有期→正規:60万円(30万円×2期)/無期→正規:30万円(15万円×2期)
上記以外有期→正規:30万円(30万円×1期)/無期→正規:15万円(15万円×1期)

重点支援対象者とは、以下のいずれかに該当する有期雇用労働者です。重点支援対象者は「2期制」となり、助成額が手厚くなります。

①雇用期間が3年以上の有期雇用労働者
②雇用期間が3年未満で、以下の両条件を満たす者(不安定雇用者)
 ・過去5年間の正規雇用期間が1年以下
 ・過去1年間、正規雇用の経験がない
③以下のいずれかに該当する者
 ・派遣労働者
 ・母子家庭の母等または父子家庭の父
 ・人材開発支援助成金に係る特定の訓練を修了した者

※雇用された期間が通算5年を超える有期雇用労働者については無期雇用労働者として扱われます。

正社員化コースには次の3種類の加算があり、すべて満たすと1事業所あたり最大80万円(大企業60万円)の加算を受けられます。

  • 正社員転換等制度を新たに規定:1事業所20万円(大企業15万円)
  • 多様な正社員制度を新たに規定:1事業所40万円(大企業30万円)
  • 情報公表加算【令和8年4月8日新設】:1事業所20万円(大企業15万円)

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障害者正社員化コース(1人最大120万円・高次脳機能障害者が新規追加)

障害者正社員化コースは、障害を持つ有期雇用労働者を正規雇用(勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員を含む)に転換した事業主を支援するコースで、令和8年度から新たに「高次脳機能障害者」が対象に追加されました。重度障害者の場合、中小企業なら1人あたり最大120万円が支給されます。

企業規模対象者支給額
中小企業重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者有期→正規:120万円(60万円×2期)/有期→無期:60万円(30万円×2期)/無期→正規:60万円(30万円×2期)
重度以外の身体障害者・重度以外の知的障害者・発達障害者・難病患者・高次脳機能障害者【新規】有期→正規:90万円(45万円×2期)/有期→無期:45万円(22.5万円×2期)/無期→正規:45万円(22.5万円×2期)
大企業重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者有期→正規:90万円(45万円×2期)/有期→無期:45万円(22.5万円×2期)/無期→正規:45万円(22.5万円×2期)
重度以外の身体障害者・重度以外の知的障害者・発達障害者・難病患者・高次脳機能障害者【新規】有期→正規:67.5万円(33.5万円×2期)/有期→無期:33万円(16.5万円×2期)/無期→正規:33万円(16.5万円×2期)

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賃金規定等改定コース(1人あたり最大7万円)

賃金規定等改定コースは、非正規社員の賃金規定を見直して3%以上の昇給を実施した事業主に、1人あたり最大7万円を支給するコースです。1年度・1事業所あたり上限100人まで支給されます。対象労働者は、賃金規定の増額改定日の前日から遡って3か月以上働いており、かつ改定後も6か月以上継続して雇用されている有期雇用労働者です。

昇給率中小企業大企業
3%以上4%未満4万円2.6万円
4%以上5%未満5万円3.3万円
5%以上6%未満6.5万円4.3万円
6%以上7万円4.6万円

以下の要件を満たすと、1事業所あたり1回のみ加算を受けられます。

  • 職務評価の手法の活用により賃金規定等を増額改定した場合:1事業所20万円(大企業15万円)
  • 有期雇用労働者等に適用される昇給制度を新たに規定した場合:1事業所20万円(大企業15万円)

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賃金規定等共通化コース(1事業所60万円)

賃金規定等共通化コースは、正社員と同様の職務に基づく賃金テーブルを導入し、すべての非正規社員に新しい賃金規定を適用した事業主に1事業所60万円(大企業45万円)を支給するコースです。対象労働者は、賃金規定・賃金テーブルの共通化が行われた日の前日から3か月以上前から雇用され、共通化後も6か月以上継続して雇用されている有期雇用労働者です。

企業規模支給額
中小企業60万円
大企業45万円

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賞与・退職金制度導入コース(1事業所最大56.8万円)

賞与・退職金制度導入コースは、非正規社員に賞与や退職金を新たに導入した事業主を支援するコースで、1事業所あたり1回のみ支給されます。対象労働者は、賞与や退職金制度の新設前日から3か月以上働き、制度導入後も6か月以上継続して雇用されている有期雇用労働者です。

企業規模賞与または退職金のいずれかを導入賞与・退職金を同時導入
中小企業40万円56.8万円
大企業30万円42.6万円

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短時間労働者労働時間延長支援コース(小規模企業なら最大75万円)

短時間労働者労働時間延長支援コースは令和7年7月に新設されたコースで、いわゆる「年収の壁」対策として、小規模企業(常時30人以下)なら1人あたり最大75万円(1年目50万円+2年目25万円)を受給できます。令和8年3月末で終了した社会保険適用時処遇改善コースの「労働時間延長メニュー」の機能を引き継ぎつつ、要件や助成額が見直されています。

■1年目の取組(第1期)

要件助成額(1人あたり)
週所定労働時間の延長賃金の増額小規模企業中小企業大企業
5時間以上50万円40万円30万円
4時間以上5時間未満5%以上
3時間以上4時間未満10%以上
2時間以上3時間未満15%以上

■2年目の取組(第2期)

1年目の取組後、以下のすべてを実施した場合に助成されます。
  • 週所定労働時間を2時間以上延長
  • 基本給を5%以上増額
  • 昇給、賞与または退職金制度のいずれかを新たに適用

小規模企業中小企業大企業
25万円20万円15万円

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キャリアアップ助成金の申請から支給までの流れ

キャリアアップ助成金の支給までの流れは、大きく分けて「キャリアアップ計画の作成・提出」「取組の実施」「6か月分の賃金支払い」「支給申請」の4ステップで構成されます。申請から支給まではおおむね1年程度を見込む必要があります。

キャリアアップ助成金の支給までの流れ
出典:キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)

【支給までの主なステップ】
①キャリアアップ計画の作成・労働局提出(取組開始前営業日まで)
②就業規則等の変更および周知
③非正規雇用労働者の正社員化・処遇改善の実施
④転換・処遇改善後6か月間の賃金支払い
⑤支給申請(賃金支払日の翌日から2か月以内)
⑥労働局による審査・支給決定・助成金振込

令和7年度からキャリアアップ計画書は事前認定が不要となり、「届け出のみ」に簡素化されています。また、キャリアアップ計画書の提出・支給申請ともに、「雇用関係助成金ポータル」を通じた電子申請に対応しています。電子申請にはGビズIDが必要です。

キャリアアップ助成金 正社員化の活用例

正社員化コースの活用イメージを、時系列で整理します。ポイントは、非正規雇用労働者としての6か月以上の勤務→正社員転換→正社員化後6か月分の賃金支払い(前6か月比で3%以上増額)→申請、という流れです。

キャリアアップ助成金 正社員化の活用例
出典:キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)

【活用例】
①非正規雇用労働者として雇用する
②雇用開始から6か月以上経過後、就業規則(または労働協約その他これに準ずるものに規定した制度)に基づき、正社員化する(新規学卒者を除く)
③正社員へ登用後、6か月以上の期間継続して雇用し、正社員化後6か月分の賃金を支給(正社員化前6か月間の賃金より3%以上増額)
④1期目の申請期間
⑤正社員としてさらに6か月雇用
⑥2期目の申請期間

申請期限と申請方法(電子申請にも対応)

キャリアアップ助成金の支給申請期限は、取組後6か月の賃金を支払った日の翌日から起算して2か月以内です。この期間を過ぎると申請できません。申請期間内に、支給申請書および添付書類を事業所の所在地を管轄する都道府県労働局に提出します。

申請方法は次の3つです。窓口への持参、郵送、電子申請(雇用関係助成金ポータル・GビズID必要)のいずれかを選択できます。支給申請書の記入方法についてご不明な点は、都道府県労働局にお問い合わせください。

【都道府県労働局一覧】
都道府県労働局一覧
出典:キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)

キャリアアップ計画とは?作成のポイント

キャリアアップ計画とは、「有期契約者等のキャリアアップに関するガイドライン」に沿って作成する、3年以上5年以内の中期計画です。取組を開始する前営業日までに管轄の労働局またはハローワークに提出する必要があります。計画の記載内容を変更する場合は「キャリアアップ計画変更届」を速やかに提出しなければなりません。

【キャリアアップ計画の作成ポイント】
・雇用保険適用事業所ごとに作成
・3年以上5年以内の計画期間を設定
・キャリアアップ管理者を選任・設置
・計画対象者、目標、期間、目標達成のための取組を明記
・すべての労働者の代表者の意見を反映

【キャリアアップ計画の記入例】
キャリアアップ計画の記入例01
キャリアアップ計画の記入例02
出典:キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)

キャリアアップ計画の記載時は、以下6項目を必ず検討しましょう。

①計画期間
②計画期間中に講じる措置の項目(申請する対象コース)
③対象者(申請コースごとに記載)
④目標(申請コースごとに記載)
⑤目標を達成するための具体的な取組(申請コースごとに記載)
⑥計画全体の流れ(申請コースごとに記載)

キャリアアップ助成金が支給されないケースと注意点

キャリアアップ助成金は、書類の不備・申請期限超過・不正受給が発覚した場合には支給されません。特に不正受給に関する罰則は厳しく、返還額の20%が違約金として課せられます。

  • 支給決定後の帳簿等の確認調査に協力しない場合は不支給決定
  • 提出書類の差し替えや訂正は原則不可
  • 申請書に不備があると追加書類・補正が求められ、指定期日までに提出がなければ不支給
  • 不正受給があった事業者は5年間助成金の受給不可
  • 不正受給の場合、年3%の延滞金+返還額の20%が違約金として課せられる
  • 関係書類は支給決定後5年間保存が必要

キャリアアップ助成金と人材開発支援助成金の違い

キャリアアップ助成金と人材開発支援助成金はどちらも厚生労働省の雇用系助成金ですが、対象労働者が異なります。キャリアアップ助成金は非正規雇用労働者向け、人材開発支援助成金は雇用形態を問わず職業訓練向けという切り分けを覚えておきましょう。

助成金対象労働者主な目的
キャリアアップ助成金有期契約労働者・無期雇用の短時間労働者・派遣労働者(正規雇用以外)正社員化・処遇改善
人材開発支援助成金雇用保険の被保険者(週20時間以上、正規・非正規を問わず)職業訓練・人材育成

両助成金を組み合わせて活用すれば、非正規雇用労働者のスキルアップ(人材開発支援助成金)と正社員化(キャリアアップ助成金)を同時に進められ、企業全体の生産性向上に寄与します。助成金は要件を満たしていれば、経済産業省系の補助金のような競争的な採択審査はありません。労働者が安心して働ける環境整備のためにも、雇用関係助成金を積極的に活用してみてはいかがでしょうか。


キャリアアップ助成金に関するよくある質問


キャリアアップ助成金についてよく寄せられる質問を、GSCデータで検索数が多いものを中心にまとめました。


キャリアアップ助成金は誰がもらえる?従業員本人はもらえない?


キャリアアップ助成金を受け取れるのは従業員本人ではなく、非正規雇用労働者(有期・短時間・派遣など)の正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主(会社・個人事業主)です。「キャリアアップ手当」は各社が独自に設ける給与体系の一種であり、本助成金とは全く別の制度です。対象となるのは、たとえば有期雇用労働者や短時間労働者(パート・アルバイト含む)、派遣労働者などのキャリアアップにつながる取組を行った企業です。




キャリアアップ助成金はいつまで使える?制度は終了する?


令和8年度(2026年度)時点でキャリアアップ助成金に定められた終了期日はなく、引き続き実施されています。各コースの支給申請には「取組後6か月の賃金を支払った日の翌日から起算して2か月以内」という申請期限があり、この期間を過ぎると申請できません。また、社会保険適用時処遇改善コースは令和8年3月31日で暫定措置が終了しています(経過措置により終了日前の取組は支給申請可能)。




キャリアアップ助成金はいつもらえる?申請から支給までの期間は?


キャリアアップ助成金は、申請から支給までおおむね1年程度を見込む必要があります。具体的なスケジュールは、非正規雇用労働者としての6か月以上の雇用→正社員転換等の取組→取組後6か月分の賃金支払い→支給申請(賃金支払日の翌日から2か月以内)→労働局の審査→支給決定・振込、という流れです。取組開始から助成金の入金までは、標準的には1年半〜2年程度かかるケースも多くあります。




パートやアルバイトでもキャリアアップ助成金の対象になる?


はい、パートタイム労働者(短時間労働者)やアルバイトも対象です。有期雇用のパート・アルバイトを正社員に転換する場合は「正社員化コース」、賃金を引き上げる場合は「賃金規定等改定コース」などが活用できます。雇用保険の被保険者(週20時間以上の勤務)であることや、転換後の賃金が3%以上増額されていること等の要件を満たす必要があります。




キャリアアップ助成金は個人事業主でも申請できる?


キャリアアップ助成金は個人事業主でも雇用保険適用事業所であれば申請可能です。ただし、従業員を雇用していない一人親方や役員だけの家族経営は対象外です。個人事業主の場合、社会保険は強制適用ではありませんが、任意適用の申請を行うことで加入することができ、助成金の支給要件をクリアできる場合があります。また、対象労働者が事業主の3親等以内の親族に該当しないことも必要です。




親族(家族)は対象外?3親等以内の範囲は?


事業主や役員の3親等以内の親族は助成金の対象外です。身内びいきによる形式的な正社員化などの不正受給を防ぐための規定です。3親等以内の主な例:1親等(配偶者・子・父母)、2親等(兄弟姉妹・祖父母・孫)、3親等(叔父・叔母・甥・姪・曾祖父母・ひ孫)。4親等以上(いとこ等)は対象となる可能性があります。詳細は管轄の労働局にご確認ください。




キャリアアップ助成金はいくらもらえる?(金額の目安)


令和8年度の主なコース別支給額は次のとおりです。正社員化コースは重点支援対象者を有期→正規に転換した場合、1人あたり80万円(大企業60万円)。障害者正社員化コースは重度障害者を正規雇用した場合、1人あたり最大120万円(大企業90万円)。賃金規定等改定コースは昇給率6%以上で1人7万円(大企業4.6万円)。賃金規定等共通化コースは1事業所60万円。賞与・退職金制度導入コースは1事業所最大56.8万円。短時間労働者労働時間延長支援コースは小規模企業なら1人あたり最大75万円です。




正社員化コースの「情報公表加算」とは?いつから?


情報公表加算は、令和8年4月8日に正社員化コースへ新設された加算措置です。正規雇用労働者等への転換等に係る所定の情報を、自ら管理するウェブサイトまたは職場情報総合サイト「しょくばらぼ」に公表した場合、1事業所当たり20万円(大企業は15万円)が加算されます(1事業所当たり1回のみ)。令和8年4月8日以降に対象労働者を転換等する場合が対象で、キャリアアップ計画期間中かつ支給申請日までに公表を行い、少なくとも支給申請事業年度の終了までは公表を継続することへの同意が必要です。




社会保険適用時処遇改善コースは令和8年度も利用できる?


社会保険適用時処遇改善コースは令和8年3月31日をもって暫定措置が終了しました。ただし、終了日前に取組を実施した場合は経過措置により引き続き支給申請が可能です。年収の壁への対応としては、「短時間労働者労働時間延長支援コース」が令和7年7月に新設されており、令和8年度以降はそちらの活用をご検討ください。




短時間労働者労働時間延長支援コースの「小規模企業事業主」とは?


短時間労働者労働時間延長支援コースにおける小規模企業事業主とは、常時雇用する労働者の数が30人以下の事業主を指します。小規模企業事業主は中小企業事業主よりも手厚い助成額が設定されており、1年目の取組で最大50万円、2年目の取組で最大25万円、合計最大75万円の助成を受けることができます。




重点支援対象者とは?


正社員化コースにおける重点支援対象者とは、①雇用期間が3年以上の有期雇用労働者、②雇用期間3年未満で過去5年間の正規雇用期間が1年以下かつ過去1年間正規雇用の経験がない者(不安定雇用者)、③派遣労働者・母子家庭の母等・人材開発支援助成金の特定訓練修了者のいずれかに該当する労働者です。重点支援対象者は2期制で助成額が手厚くなり、有期→正規なら中小企業で1人80万円が支給されます。




キャリアアップ計画書は事前認定が必要?


令和7年度から、キャリアアップ計画書の事前認定は不要となり「届け出のみ」に簡素化されました。ただし、取り組みを開始する前営業日までに管轄の労働局またはハローワークに提出する必要がある点は変わりません。休日や祝日が直前にある場合は、余裕を持って準備を進めてください。計画に沿った取り組みを進める中で内容を変更した場合は、速やかに「キャリアアップ計画変更届」を提出する必要があります。




キャリアアップ助成金は電子申請できる?


はい、キャリアアップ計画書の提出および支給申請ともに、「雇用関係助成金ポータル」を通じた電子申請に対応しています。電子申請を利用する場合は、事前にGビズIDの取得が必要です。窓口持参・郵送との3つの申請方法から選択できます。




障害者正社員化コースの令和8年度の変更点は?


令和8年度から、障害者正社員化コースの対象者に「高次脳機能障害者」が新たに追加されました。高次脳機能障害者は、重度以外の身体障害者等と同じ支給額区分が適用され、中小企業なら有期→正規で1人90万円が支給されます。




「キャリアアップ手当」とキャリアアップ助成金は違う制度?


全く別の制度です。「キャリアアップ手当」は各企業が独自に設ける賃金制度(給与体系の一種)であり、法令に基づく国の制度ではありません。一方「キャリアアップ助成金」は厚生労働省が運営する国の助成金制度で、非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主に支給されます。ネット検索では両者が混同されることがありますが、支給元も受給者もまったく異なります。



まとめ|キャリアアップ助成金は令和8年度も引き続き活用可能

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の待遇を改善し、企業の人材確保や定着率向上を後押しする重要な助成金制度です。令和8年度も6コース体制で継続実施中で、特に「正社員化コース」は多くの企業にとって活用しやすいコースです。

令和8年度(2026年度)のポイントを整理します。

  • 誰がもらえる:事業主が受け取る助成金。従業員本人ではない。「キャリアアップ手当」(各社独自の給与制度)とは別の制度
  • いつまで使える:制度に終了期日はなく令和8年度も継続。申請期限は各取組後6か月の賃金支払い翌日から2か月以内。支給まではおおむね1年程度
  • パート・アルバイトも対象:有期雇用の短時間労働者も正社員化コース等で活用可能
  • 個人事業主も対象:雇用保険適用事業所であれば申請可能。ただし従業員未雇用の一人親方は対象外
  • 親族(3親等以内)は対象外:配偶者・子・父母・兄弟姉妹等は不正受給防止のため対象外
  • 6コース体制:社会保険適用時処遇改善コース終了後は6コース。年収の壁対応は「短時間労働者労働時間延長支援コース」(小規模企業で最大75万円)へ
  • 正社員化コースに「情報公表加算」を新設【令和8年4月8日〜】:転換情報を自社サイトまたは「しょくばらぼ」に公表した場合、1事業所20万円(大企業15万円)を加算
  • 障害者正社員化コース:令和8年度から「高次脳機能障害者」が新たに対象に追加

申請手続きには、キャリアアップ計画の策定や就業規則の改定など、計画的な準備が求められます。書類の不備や期限超過は不支給に直結するため、厚生労働省の令和8年度版パンフレットやQ&Aをよく確認し、必要に応じて社労士などの専門家に相談することも検討しましょう。

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