近年、後継者不足や客足の減少を背景とした商店街の衰退が大きな問題になっています。
東京都では都内商店街の活性化を図るため、商店街起業・承継支援事業を実施しています。これは都内の商店街で新規開業や既存事業の後継を行う企業を支援する制度です。
今回は商店街起業・承継支援事業の内容や申請方法、昨年度の採択率についてまとめました。
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この記事の目次
東京都 開業助成金には2つのコースがある
都内開業助成金は新たに店舗を開業する人を支援し、商店街の活性化を図る制度です。
「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」と「商店街企業・承継支援事業」の2つがあり、それぞれ対象者や助成額等が異なります。

出典:公益財団法人東京都中小企業振興公社 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業、商店街起業・承継支援事業
まずは各内容を確認しましょう。
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業は、「年度末時点で39歳以下」もしくは「女性」を対象にした支援策です。商店街起業・承継支援事業(開業)との併願申請もできます。
商店街企業・承継支援事業
商店街企業・承継支援事業では、以下の3つの取組が対象となります。
■都内商店街での新規店舗の「開業」
■既存店舗と異なる事業を始める「多角化」
■既存事業を引き継ぎ「事業承継」
性別や年齢の制限はありません。法人・個人いずれも対象ですが、事業承継は法人・法人代表者の申請不可です。
都内開業助成金「商店街企業・承継支援事業」とは?
都内開業助成金「商店街企業・承継支援事業」は、都内商店街の個人・中小企業者を対象とした制度です。商店街における開業者や事業後継者の育成および開業等を支援し、都内商店街の活性化を図ります。ここでは「商店街企業・承継支援事業」の概要を見ていきましょう。
「商店街企業・承継支援事業」の対象経費と助成率・上限額
都内の商店街で開業等をする際に必要な、事業所整備費および店舗賃借料の一部が対象です。各経費区分と助成率・上限額は、以下のとおりです。
(1) 事業所整備費
■対象経費
・店舗新装、改装工事費
・設備、備品購入費
・宣伝、広告費
■助成率
2/3
■上限額
250万円
(2) 店舗賃借料
■対象経費
・交付決定日から3年間の店舗賃借料
■助成率
2/3
■上限額
・1年目 15万円/月
・2年目 12万円/月
・3年目 10万円/月
支援額の総計は、最大694万円です。
「商店街企業・承継支援事業」の支援対象事業
「商店街企業・承継支援事業」の助成対象事業は、以下の3つです。
(1) 開業
開業予定者が、都内商店街で新規に実店舗を開設する
・都内に限らず、実店舗を持っていない場合に限ります
・ネットショップ等で営業活動をしている方が、新たに店舗を開設する場合も対象です
・ただし自治体等が運営するチャレンジショップや、シェアキッチン等は除きます。
(2) 多角化
実店舗を持つ中小企業者が、都内商店街で既存店舗とは異なる物件で実店舗を新たに開設する
・申請する業種は、既存事業の主たる業種と異なる必要があります。
(3) 事業承継
中小企業者の後継者が既存事業を引継ぎ、かつ以下のいずれかに該当する
・継承する事業を営んでいる既存店舗で引き続き事業を行う
・都内商店街に店舗を移転し、事業を行う
なお被承継者が生存している場合は、第三者の承継も可能です。
「商店街企業・承継支援事業」の主な要件
申請に当たっては、以下の主な要件のうち、申請事業ごとの指定されたものをすべて満たす必要があります。
| ■開業 (1)~(3) ■多角化 (1)~(4) ■事業承継 (1)~(3)と(5) |
(1)「開業」「多角化」は次のア・イのいずれかに、「事業承継」はウに該当すること
ア. 創業予定の個人
イ. 中小企業者
ウ. 申請者が承継予定の個人または個人事業主であること。また、被承継者が中小企業者であること
(2)次の項目の全ての要件を満たしていること
■交付決定日から1年以内に開業(開店)すること
■都内商店街において開業等する業種が、指定の業種に該当すること
■商店街振興組合、商店会等の組織の代表者等から出店することの確認が取れていること
■必要な許認可等を取得すること
■以下のいずれかにより、経営に関する知識を有していること
・申請日までに1年程度の経営実務経験を有している
・経営等に関する資格を有している
・経営知識の習得研修を受講しているまたは開業までに受講できる
■以下のいずれかにより、事業に関する実務知識を有していること
・同業他社で1年程度就業した
・必要な資格を資格証等で証明できる
・業種の店舗運営に係る実務研修を受講しているまたは開業までに受講できる
■申請者本人が本申請に係る店舗において、店舗における事業に専ら従事すること
■開業月までに商店街組織に加入し、助成事業終了後も加入を継続すること
(3) 次の全てに該当すること
■事業税等を滞納(分納)していないこと
■東京都および公社に対する賃料・使用料等の債務の支払いが滞っていないこと
■過去5年間に、不正等の事故を起こしていないこと
■助成事業の継続性について不確実な状況が存在しないこと
■暴力団関係者または風俗関連業者等でないこと
■その他、公社が公的資金の助成先として適切でないと判断するものではないこと。
(4) 以下の条件を全て満たすこと
■交付決定日以前に申請予定の新規事業を行っていないこと
■申請者が関わる事業の、単なる事業拡大ではないこと。
■既存店舗のリニューアルオープンではないこと。
(5) 以下の条件を全て満たすこと
■被承継者(現経営者)が生存している場合
・被承継者は基準日時点で、都内で1年以上、実質的に事業を行っていること
・承継者は承継予定の個人または個人事業主であること。
・事業承継の手続きは、交付決定後に行うこと。
■被承継者が死亡している場合
・被承継者は承継者の三親等以内であること
・承継者は承継予定の個人または個人事業主であること
・被承継者が死亡日から遡って1年以上前から、都内で実質的に事業を行っていること
・被承継者が死亡してから1年以内であること
本助成事業の申請は、一個人または一法人につき一申請、一店舗に限られます。
なお「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」と「商店街起業・承継支援事業」を併願申請し、いずれも採択基準に達した場合は、「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」での採択となります。
「商店街企業・承継支援事業」の助成対象期間
助成期間は、以下のとおりです。
■事業所整備費
交付決定日から開業日が属する月の翌々月末まで
■店舗賃借料
交付決定日から3年間
助成金の支払い時期は、以下の図も参照してください。

出典:募集要項
事業所整備費は1年目のみ、店舗賃借料は1年ごとの支払いです。特に賃借料は、月ごとの交付ではないので注意してください。
都内開業助成金「商店街企業・承継支援事業」の申請
原則として、申請にはjGrants を使用します。jGrants を利用するには、「gBizID プライム」のアカウント発行が必要です。発行まで時間がかかるため、余裕を持って準備してください。
また申請は新たに店舗をオープンする方が対象です。開業時期によって、応募のスケジュールが異なります。
申請のスケジュールのほか、審査の観点と採択率をまとめました。
申請スケジュール
開業時期ごとの申請スケジュールは、以下のとおりです。
| ■第2回(開業時期が令和7年11月1日以降) ・申請書類提出 6月23日~7月14日 ・一次審査(資格・書類審査) 7月下旬~9月上旬 ・二次審査(面接審査) 9月下旬 ・交付決定日(助成対象者決定) 11月1日(予定) |
| ■第3回(開業時期が令和8年2月1日以降) ・申請書類提出 9月18日~10月9日 ・一次審査(資格・書類審査) 10月中旬~11月下旬 ・二次審査(面接審査) 12月中旬 ・交付決定日(助成対象者決定) 令和8年2月1日(予定) |
なお第1回の申請は、すでに終了しています。第2回申請は、6月23日からです。
審査の観点と採択率
都内商店街での開業助成金では、以下の4つが審査の観点に挙げられています。
■事業の実現可能性
■資金計画等の妥当性
■商店街活性化への寄与
■経営者の適格性
また令和6年度の採択率は、以下のようになりました。()は併願者のうち若手女性事業採択者を除いた、商店街事業の採択者実数です。
■1回目
・申請者数 62件
・採択数 23(17)件
・採択倍率 2.7(3.6)倍
■2回目
・申請者数 56件
・採択数 15(11)件
・採択倍率 3.7(5.1)倍
■3回目
・申請者数 77件
・採択数 19(15)件
・採択倍率 4.1(5.1)倍
年度全体の採択率は、約3.4倍となりました。
まとめ
東京都の「商店街起業・承継支援事業」は、都内商店街での新規開業、多角化、事業承継を支援する助成制度です。昨年度の採択率は、約3.4倍でした。
商店街の活性化には、事業継承や新規開拓への支援が欠かせません。地域経済が活性化することで、地域住民の生活や雇用の需要も満たされます。新たな開業者を支える取組は、社会全体の豊かさにつながるのです。
開業助成金をはじめとする支援制度を上手に活用して、予算的負担を軽減しながら、都内商店街での開業準備を進めていきましょう。
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