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IT導入補助金(現デジタル化・AI導入補助金)は個人事業主も申請できる|補助率最大4/5・必要書類4種と申請手順【2026年】

公開日:2025/5/30 更新日:2026/9/9
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「一人で経理も営業も実務も回している」——そんな個人事業主にとって、AIツールの導入は現実的な打ち手になりつつあります。その費用を国が支援するのが、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)です。個人事業主も申請でき、小規模事業者に該当すれば補助率は最大4/5。50万円の会計ソフトなら、自己負担10万円で導入できる計算になります。

2026年度(令和8年度)から、旧「IT導入補助金」は名称も中身も刷新されました。ITツールの定義に「AIを含む」ことが明記され、ITツール検索でAI搭載の有無を絞り込めるようになっています。

ただし、注意点もあります。2回目以降の申請には賃金に関する要件が追加され、過去の交付決定歴によっては申請そのものができない枠もあります。直近の締切は5次締切分の2026年9月29日(火)17:00、3次締切分の採択率は44.0%でした。

本記事では、個人事業主がデジタル化・AI導入補助金を申請するための条件、使いやすい申請枠、必要書類、申請手順、そして見落としやすい注意点を整理して解説します。

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制度全体の解説はこちら:

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)とは?最大450万円・補助率1/2〜4/5・採択率44%【2026年9月最新】

この記事の目次

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デジタル化・AI導入補助金は個人事業主も申請できる?

デジタル化・AI導入補助金は、個人事業主も申請できます。公募要領の「中小企業・小規模事業者等の定義」には、すべての業種分類で「会社及び個人事業主」と明記されており、法人でなければ申請できないという制限はありません。

さらに、個人事業主の多くは「小規模事業者」に該当し、補助率が優遇されます。小規模事業者の定義は業種によって異なります。

業種分類常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

ここでいう「常時使用する従業員」とは、労働基準法第20条に規定する「予め解雇の予告を必要とする者」を指します。個人事業主本人や会社役員は従業員に含まれません。青色事業専従者も従業員数にカウントされないため、家族だけで営んでいる事業であれば、ほぼ確実に小規模事業者に該当します。

一方、次のいずれかに当てはまる場合は「みなし大企業」等と判断され、申請対象外となります。

区分内容
大企業の関与発行済株式の総数または出資価格の総額の1/2以上を同一の大企業が所有している
大企業の関与発行済株式の総数または出資価格の総額の2/3以上を大企業が所有している
大企業の関与大企業の役員または職員を兼ねている者が、役員総数の1/2以上を占めている
課税所得確定している直近過去3年分の各年の課税所得の年平均額が15億円を超える
業種・組織風俗営業を営む事業者、宗教法人、法人格のない任意団体(同窓会・PTA・サークル等)
コンプライアンス過去1年において労働関係法令違反により送検処分を受けている、暴力団等の反社会的勢力に関係している

なお、デジタル化・AI導入補助金2026でIT導入支援事業者に登録している事業者、または登録しようとする事業者も申請できません。ITベンダーを営む個人事業主は、この点に注意が必要です。

旧IT導入補助金から何が変わった?2026年度の変更点

2026年度の最大の変更は、事業名称が「IT導入補助金2025」から「デジタル化・AI導入補助金2026」へ変わり、AI活用への支援が制度の柱に据えられたことです。事務局名も「中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局」へ刷新されました。

個人事業主に関係する主な変更点は、以下の3つです。

【2026年度の主な変更点】
  • 公募要領のITツールの定義に「AIを含む」ことが明記され、ITツール検索でAI搭載の有無を確認できるようになった
  • IT導入補助金2022~2025の間に交付決定を受けた事業者は、補助額150万円未満の申請でも賃金に関する要件が「加点項目」から「必須要件」に変わった
  • 申請枠が「複数者連携デジタル化・AI導入枠」を含む5つに再編された

制度の基本的な枠組み——IT導入支援事業者と共同事業体を組んで申請し、事務局に登録されたITツールの導入費用の一部が補助される仕組み——は、旧IT導入補助金から変わっていません。GビズIDプライムとSECURITY ACTIONの宣言が事前に必要な点も同じです。

個人事業主が使いやすい申請枠はどれ?

デジタル化・AI導入補助金2026には5つの申請枠がありますが、単独で事業を営む個人事業主が現実的に使えるのは通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)の2つです。複数者連携デジタル化・AI導入枠は商店街や組合など複数事業者のグループで申請する枠のため、単独では利用できません。

通常枠|幅広いITツールが対象

通常枠は、自社の経営課題に合った多様なITツールが対象になる枠です。補助額は5万円からで、ハードウェアは対象外となります。

項目内容
補助額5万円~150万円未満(1プロセス以上)/150万円~450万円以下(4プロセス以上)
補助率1/2以内。令和6年10月から令和7年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は2/3以内
補助対象経費ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入関連費

「プロセス」とは、ソフトウェアの機能によって労働生産性が向上する業務単位を指します。顧客対応・販売支援、決済・債権債務・資金回収、供給・在庫・物流、会計・財務・経営、総務・人事・給与・労務などの共通プロセスに加え、業種特化型プロセスがあります。1プロセス以上を含むITツールであれば申請可能です。

補助率2/3以内の適用を受ける場合は、所定の「賃金状況報告シート」の提出が別途必要になります。

あわせて読みたい:デジタル化・AI導入補助金2026【通常枠】補助率1/2~2/3・最大450万円の条件と申請締切

デジタル化・AI導入補助金2026【通常枠】補助率1/2〜2/3・最大450万円の条件と申請締切|インボイス枠との違いも

インボイス枠(インボイス対応類型)|補助率4/5でパソコンも対象

インボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度に対応した「会計」「受発注」「決済」の機能を持つソフトウェアと、パソコン・POSレジ等のハードウェアの導入を支援する枠です。小規模事業者の補助率は最大4/5と、5つの枠で最も手厚くなっています。

補助対象機能要件補助額補助率
ソフトウェア購入費・導入関連費会計・受発注・決済のうち1機能~50万円3/4以内(小規模事業者は4/5以内)
ソフトウェア購入費・導入関連費会計・受発注・決済のうち2機能以上~350万円50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超の部分は2/3以内
PC・タブレット等ソフトウェアの使用に資するもの~10万円1/2以内
レジ・券売機決済機能を有するソフトウェアで利用するもの~20万円1/2以内

小規模事業者に該当する個人事業主が50万円の会計ソフトを導入する場合、補助額は40万円、自己負担は10万円です。

見落とされやすいのが、申請要件に「適格請求書発行事業者であること」は含まれていない点です。つまり、免税事業者のままでも申請できます。それどころか、交付申請日時点でインボイス登録を受けておらず、実績報告日までに登録を行い登録通知書を提出することを約束すれば、審査上の加点対象になります。

ただしこの加点を受けた場合、実績報告日までにインボイス登録ができなかったときは、原則として交付決定の取消しとなります。安易に加点狙いで申告するのは避けましょう。

あわせて読みたい:【2026年最新】デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠とは?補助率・対象レジも解説

【2026年最新】デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠とは?補助率・対象レジも解説

セキュリティ対策推進枠|小規模事業者は補助率2/3

セキュリティ対策推進枠は、サイバーセキュリティ対策のためのサービス導入を支援する枠です。補助額は5万円~150万円、補助率は中小企業が1/2以内、小規模事業者が2/3以内となります。

対象となるのは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載され、かつIT導入支援事業者によってITツール登録されたサービスの利用料(最大2年分)です。

なお、通常枠とインボイス枠、セキュリティ対策推進枠は、同一の申請期間中に複数申請することが可能です。ただし補助対象経費の二重計上は不正行為とみなされるため、IT導入支援事業者とよく相談したうえでITツールを選定してください。

個人事業主が導入するAIツールも補助対象になる?

AI機能を搭載したITツールも補助対象です。2026年度の公募要領では、ITツールの定義が「ソフトウェア(AIを含む)・オプション・役務・ハードウェアの総称」と改められ、AI搭載の有無がITツール検索の項目として管理されるようになりました。

補助対象となるプロセスのなかにも、AI活用と親和性の高いものが並んでいます。

【AI機能が関わる主なプロセス例】
  • 汎用・自動化・分析ツール(汎P-07):RPA、チャットボットシステム、OCR、ペーパーレス化ツール
  • 会計・財務・経営(共P-04):仕訳、経費精算、管理会計、経営分析
  • 総務・人事・給与・労務(共P-05):BI・分析専門ツール(データ抽出・加工、レポート、需要予測)
  • 顧客対応・販売支援(共P-01):AI顧客分析、MA、SFA、CRM

一人で複数の業務を抱える個人事業主ほど、レシート読み取りの自動化や問い合わせ対応の自動化による時間削減効果は大きくなります。まずはITツール・IT導入支援事業者検索で、AI機能付きツールにどのようなものがあるか確認してみるとよいでしょう。

注意点が2つあります。ひとつは、AI機能を搭載しているからといって補助率が上がるわけではないこと。補助率が2/3や4/5になるのは、小規模事業者に該当する場合や賃金に関する要件を満たす場合です。

もうひとつは、汎用プロセス(汎P-07)のみを持つITツールは単独では申請できないことです。共P-01~各業種P-06のいずれかと組み合わせて申請することで、1プロセスとしてカウントされます。

対象ツールの一覧はこちらで解説しています。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象ITツール・AIツール・ソフト一覧【2026年最新】

通常枠で必須となる労働生産性の要件とは?

通常枠を申請するすべての事業者は、労働生産性に関する事業計画を策定し、実行する義務を負います。これは補助額の大小にかかわらず必須の申請要件です。

【通常枠で必須となる労働生産性の要件】
  • 1年後に労働生産性を3%以上向上させること
  • 事業計画期間(翌事業年度以降3年間)において、労働生産性の年平均成長率を3%以上向上させること
  • 労働生産性の向上目標が実現可能かつ合理的であること

なお、IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)もしくはデジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)、またはIT導入補助金2024・2025の通常枠もしくは複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は、1年後4%以上、年平均成長率4%以上と、より高い水準が求められます。

本補助金における労働生産性の計算式は「(営業利益+人件費+減価償却費)÷年間の事業者当たり総労働時間」です。従業員を雇っていない個人事業主でも、自身の労働時間と利益をもとに算出する必要があります。効果報告の際には、この数値の根拠となる決算書と関係書類の提出が求められます。

個人事業主が申請する時の注意点は?

個人事業主が申請する際は、法人にはない書類面の制約や、過去の交付決定歴による制限に注意が必要です。順に確認していきましょう。

開業後1年未満の事業者は申請できない可能性が高い

開業してから1年未満の個人事業主は、申請に必要な書類を揃えられないため、実質的に申請できません。交付申請には所得税の納税証明書と確定申告書の控え、青色申告決算書または収支内訳書が必要になりますが、初年度の確定申告を終えていなければこれらを用意できないためです。

公式のよくある質問でも、開業したばかりの事業者について「必要書類が用意できない場合は申請できない」と案内されています。要件を満たし書類が揃えられるかどうかを、まず確認してください。

ハードウェアのみの購入はできない

パソコンやPOSレジといったハードウェア単体の購入では、補助金は交付されません。ハードウェアが補助対象になるのはインボイス枠(インボイス対応類型)と複数者連携デジタル化・AI導入枠のみで、いずれも対象ソフトウェアとの同時導入が条件です。通常枠ではそもそもハードウェアが補助対象外となります。

パソコン購入の詳しい要件はこちらで解説しています。

デジタル化・AI導入補助金でパソコン購入|上限10万円・補助率1/2の要件とどこで買うかを解説【2026年】

指定されたIT導入支援事業者からの購入が必要

導入するITツールやハードウェアは、事務局に登録されたIT導入支援事業者から購入する必要があります。家電量販店やECサイトなど、自分で選んだ店舗で購入したものは補助対象になりません。

インボイス枠でハードウェアも同時に導入したい場合は、導入したいITツールとハードウェアの両方を取り扱っているIT導入支援事業者を探す必要があります。すべての事業者がハードウェア販売に対応しているわけではないため、ツール選定と並行して確認しましょう。

2回目以降の申請には賃金に関する要件が追加される

IT導入補助金2022からIT導入補助金2025までの間に交付決定を受けた事業者が再度申請する場合、通常枠では補助額150万円未満であっても、以下の要件が必須となります。

【2回目以降の申請で必須となる要件(通常枠・150万円未満)】
  • 翌事業年度以降3年間の事業計画期間において、1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の年平均成長率を3.5%以上向上させること
  • 交付申請時点で、上記の賃金引上げ計画を従業員に表明していること

補助額150万円以上を申請する場合は、これに加えて事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすることも必須です。賃上げ目標が未達となった場合、補助金の全額または一部の返還を求められます。

ただし、保険医療機関・保険薬局、介護サービス事業者、社会福祉事業を行う事業者、学校教育法に基づく学校等については、これらの賃金要件が適用外とされています。

詳しくはこちら:【2026年】デジタル化・AI導入補助金で2回目以降の申請要件が追加

【2026年】デジタル化・AI導入補助金で2回目以降の申請要件が追加(旧IT導入補助金)

過去の交付決定歴によっては申請そのものができない

賃金要件の追加だけでなく、過去の交付決定歴によって申請が認められないケースもあります。

過去の交付決定制限の内容
IT導入補助金2022・2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型/商流一括インボイス対応類型)インボイス枠(インボイス対応類型)に申請できない
IT導入補助金2024・2025のインボイス枠インボイス枠(インボイス対応類型)に申請できない
IT導入補助金2025の通常枠・複数社連携IT導入枠交付決定日から12カ月以内は通常枠に申請できない
IT導入補助金2025の複数社連携IT導入枠交付決定日から12カ月以内はインボイス枠(インボイス対応類型)に申請できない
IT導入補助金2024・2025で交付決定を受けたソフトウェアとプロセスが重複審査上の減点措置。プロセスが完全に一致する場合は不採択

過去に旧IT導入補助金を利用したことがある方は、まず自分が申請対象に含まれるかを確認することから始めてください。

支払いは銀行振込か代表者本人名義のカード1回払いに限られる

ITツール代金の支払方法は、原則として銀行振込またはクレジットカード1回払いのみです。分割払い・リボ払い・現金払いでは補助金を受け取れません。

個人事業主の場合、クレジットカードは個人事業主(代表者)本人の名義である必要があります。家族名義のカードや、屋号名義ではない第三者のカードで支払うと補助対象外になるため注意してください。銀行振込の場合も、支払元口座は必ず補助事業者本人の口座でなければなりません。

個人事業主の必要書類は?4種類が必要

個人事業主が交付申請する際に必要な書類は4種類です。代替書類は一切認められません。

用途必要な書類
本人を確認するもの運転免許証(有効期限内のもの)、運転経歴証明書もしくは住民票(発行から3カ月以内のもの)
事業実態を確認するもの①税務署で発行された直近分の所得税の納税証明書(その1もしくはその2)
事業実態を確認するもの②税務署が受領した直近分の確定申告書の控え
財務状況を確認するもの所得税の青色申告決算書または収支内訳書

確定申告書は令和7年(2025年)分が原則で、やむを得ない事情がある場合に限り令和6年分の提出も可能です。税務署が受領したことが確認できるものに限られ、次のいずれかを満たす必要があります。

  • 「確定申告書 第一表の控え」に受付番号と受付日時が印字されていること
  • 「確定申告書 第一表の控え」と「受信通知(メール詳細)」を添付できること

税理士や税理士法人の印のみが押印された書類は、適切な添付資料として扱われません。上記の方法で受領が確認できない場合は、第一表の控えと同一年度の納税証明書(その2 所得金額用)を提出することで書類要件を満たせます。

また、納税証明書は納税した領収書ではなく、税務署が発行する「その1」または「その2」である必要があります。マイナンバーや保険者番号が記載されている場合は、黒塗りにして判別できないようにしてから提出してください。

デジタル化・AI導入補助金の申請手順は?

申請の流れは個人事業主でも法人でも同じで、大きく9つのステップに分かれます。

ステップ内容
①導入計画を立てる公式サイトや公募要領を確認し、導入したいITツールがどの申請枠に該当するかを整理する
②GビズIDプライムを取得する発行までおおむね2週間。個人事業主は地方公共団体が発行した印鑑登録証明書の原本と実印を押印した申請書が必要
③SECURITY ACTIONを宣言する「★一つ星」または「★★二つ星」いずれかの宣言を行う。自己宣言IDの取得には1週間程度かかる
④IT導入支援事業者を選ぶITツール・IT導入支援事業者検索から、導入したいツールと申請枠に対応する事業者を選定する
⑤交付申請をする申請マイページへの招待を受け、情報入力と書類添付を行い、宣誓のうえ事務局へ提出する
⑥交付決定を受ける審査後、申請マイページで採否が通知される
⑦ITツールの契約・発注・支払い交付決定後に契約・発注を行う。契約・発注は納品や支払いより先に行う必要がある
⑧実績報告をする請求書、支払証憑、ITツールの利用が分かるキャプチャ等を提出する
⑨効果報告をするITツールの継続活用状況と生産性向上に係る数値を、定められた期間内に報告する

GビズIDプライムとSECURITY ACTIONは、どちらも取得に時間がかかります。申請を検討し始めた時点で着手しておくと、締切間際に慌てずに済みます。

実績報告後の確定検査が完了すると、メールで通知が届きます。期日までに確定検査結果を承認しないと補助金を受け取れないため、通知の見落としには十分注意してください。承認後、補助金額確定の通知が届き、おおむね1カ月程度で補助金が交付されます。

実績報告の詳しい手順はこちら:

デジタル化・AI導入補助金の実績報告|期限・必要書類・不備の多いポイントを解説(旧IT導入補助金)

2026年度のスケジュールと採択率は?

デジタル化・AI導入補助金2026は2026年2月27日に公募が開始され、交付申請の受付は2026年3月30日10:00から始まっています。直近の締切は5次締切分の2026年9月29日(火)17:00で、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠に共通しています。

項目日程
交付申請の締切(5次締切分)2026年9月29日(火)17:00
交付決定日2026年11月9日(月)(予定)
事業実施期間交付決定~2027年4月30日(金)17:00(予定)
事業実績報告期限2027年4月30日(金)17:00(予定)

締切日当日の17:00を過ぎると、いかなる理由でも受付されません。締切直前は申請マイページへのアクセスが集中し、画面遷移やSMS認証に通常より時間がかかることがあるため、余裕を持って提出しましょう。

採択率も確認しておきたいポイントです。2026年9月2日に公表された3次締切分の結果は、以下のとおりでした。

申請枠申請者数交付決定数採択率
通常枠1,91380742.19%
インボイス枠(インボイス対応類型)3,9821,78144.73%
セキュリティ対策推進枠181372.22%
合計5,9132,60143.99%

全体の採択率は44.0%で、2次締切分の51.5%から7ポイント以上低下しました。通常枠は1次43.94%・2次43.59%・3次42.19%と3回連続で40%台前半にとどまっています。申請すれば通る制度ではないという前提で準備を進めてください。

採択率の推移と対策はこちら:

デジタル化・AI導入補助金の採択率は?1〜3次公募の推移と対策【2026年】

採択率を上げるために押さえたい加点項目は?

加点項目への対応は、個人事業主でも取り組めるものが少なくありません。従業員を雇っていなくても実施できる項目を中心に整理しました。

加点項目内容
省力化ナビの活用交付申請締切日時点で中小機構「省力化ナビ」を活用し、「解決策」のPDFをダウンロードして生産性向上の知見を確認する。利用時に申請に用いるGビズIDプライムを入力する
IT戦略ナビwith中小機構のポータルサイト「デジwith」でIT戦略ナビwithを交付申請前に実施し、IT戦略マップを添付する
IT経営サポートセンター中小機構の無料オンライン相談窓口(1回60分)を利用する。2026年8月1日以降に利用申込を行うこと。第6回公募回より加点措置を実施
デジタル化セカンドオピニオン交付申請時点までに取組みを実施し、確認者との面談を完了させる。第3回公募回より加点措置を実施
クラウド製品の選定導入するITツールとしてクラウド製品を選定する(通常枠)
インボイス制度対応製品の選定導入するITツールとしてインボイス制度対応製品を選定する(通常枠)
成長加速マッチングサービス中小企業庁の同サービスで会員登録を行い、挑戦課題を「掲載中」の状態で登録する

IT戦略ナビwithとIT経営サポートセンターは、両方利用してもいずれか一方にしか加点されません。どちらか取り組みやすいほうを選べば十分です。

一方で、加点を受けて採択されたにもかかわらず要件を達成できなかった場合、効果報告で未達が報告されてから18カ月間、中小企業庁が所管する補助金の申請で大幅に減点されます。小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金なども対象に含まれるため、確実に実行できる項目を選ぶことが大切です。

IT戦略ナビwithの詳細はこちら:

IT戦略ナビwith(デジwith)とは?デジタル化・AI導入補助金2026の加点を受ける方法と注意点

個人事業主のデジタル化・AI導入補助金申請に関するよくある質問

個人事業主は法人番号がないけれど申請できる?

申請できます。個人事業主の場合は法人番号の記載が不要で、代わりに生年月日を申請します。公募要領でも、申請対象は「日本国内に補助事業の実施場所を有する個人」と定められています。

青色事業専従者は従業員数に含まれる?

専従者は従業員数に含まれません。また、個人事業主本人や会社役員も、労働基準法第20条に規定する「予め解雇の予告を必要とする者」に該当しないため、常時使用する従業員には含まれません。

免税事業者でもインボイス枠に申請できる?

申請できます。インボイス枠(インボイス対応類型)の申請要件に、適格請求書発行事業者であることは含まれていません。むしろ、交付申請日時点でインボイス登録を受けておらず、実績報告日までに登録を行い登録通知書を提出することを約束すると、審査上の加点対象になります。ただし実績報告日までに登録できなかった場合は、原則として交付決定の取消しとなります。

開業したばかりでも申請できる?

交付申請には所得税の納税証明書、確定申告書の控え、青色申告決算書または収支内訳書が必要です。開業後1年未満でこれらを用意できない場合は申請できません。公式のよくある質問でも、必要書類が用意できるかを確認するよう案内されています。

補助率が4/5になるのはどんな場合?

インボイス枠(インボイス対応類型)で、小規模事業者に該当する場合の補助額50万円以下の部分に4/5以内が適用されます。小規模事業者の目安は、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で従業員5人以下、宿泊業・娯楽業や製造業その他で20人以下です。

AIツールを導入すると補助率が上がる?

AI機能の有無によって補助率が変わることはありません。補助率が2/3や4/5に上がるのは、小規模事業者に該当する場合や、賃金に関する要件を満たす場合です。ただし2026年度からITツールの定義にAIが明記され、ITツール検索でAI搭載の有無を確認できるようになりました。

パソコンだけを買うために申請できる?

できません。ハードウェア単体の申請は認められておらず、インボイス枠(インボイス対応類型)で会計・受発注・決済のいずれかの機能を持つソフトウェアとあわせて導入する場合に限り、パソコン・タブレット等が上限10万円・補助率1/2以内で補助対象になります。通常枠ではハードウェア自体が補助対象外です。

補助金はいつ振り込まれる?

補助金は後払いです。交付決定後にITツールを導入し、代金を全額支払ったうえで実績報告を行い、確定検査を経て補助金額が確定してから交付されます。確定検査結果を承認した後、おおむね1カ月程度で振り込まれます。導入費用はいったん自己資金で立て替える必要があるため、資金計画を立てておきましょう。

クレジットカードで支払ってもいい?

1回(一括)払いであれば認められます。分割払いやリボルビング払いは不可です。個人事業主の場合は、個人事業主(代表者)本人の名義のクレジットカードで支払う必要があります。実績報告時にはクレジットカード会社発行の利用明細を提出します。

個人事業主が法人化したらどうすればいい?

法人化した場合の対応は個別の状況によって異なるため、コールセンター(TEL:0570-666-376、IP電話等からは050-3133-3272、受付時間9:30~17:30 土・日・祝日を除く)へ相談してください。なお、過去に交付決定を受けた個人事業主が設立した法人は「みなし同一法人」として扱われる点にも留意が必要です。


まとめ

デジタル化・AI導入補助金は、要件を満たせば個人事業主も申請できます。小規模事業者に該当すればインボイス枠(インボイス対応類型)で補助率最大4/5の支援を受けられ、免税事業者のままでも申請可能です。2026年度からはAIを含むITツールが明確に対象となり、一人で多くの業務を抱える個人事業主にとって使いどころの広い制度になりました。

一方で、確認しておくべき制約もあります。交付申請には所得税の納税証明書・確定申告書の控え・青色申告決算書または収支内訳書の4種類が必要で、開業後1年未満では揃えられません。旧IT導入補助金で交付決定を受けた経験がある場合は、賃金に関する要件が追加されるほか、枠によっては申請そのものができないケースもあります。

直近の締切は5次締切分の2026年9月29日(火)17:00、交付決定は11月9日(月)が予定されています。3次締切分の採択率は全体で44.0%でした。GビズIDプライムの取得に2週間ほどかかることも踏まえ、早めに準備を進めましょう。

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