【2026年】デジタル化・AI導入補助金で2回目以降の申請要件が追加(旧IT導入補助金)

公開日:2025/5/23 更新日:2026/10/15
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デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、過去に交付決定を受けた事業者も、条件を満たせば2回目以降の申請が可能です。年度をまたいだ利用に一律の回数上限はありませんが、同一年度・同一枠では原則1申請です。不採択となった場合は、次回以降の締切で再申請できます。

ただし、2026年度からは過去に採択を受けた事業者に対して、賃上げに関する要件が新たに追加されました。さらに2026年10月9日公表の制度変更により、7次締切分(12月1日締切)以降はこの賃上げ要件に「1年後の目標」が加わります。インボイス枠は過去の交付決定歴によって申請できない場合があり、通常枠にもIT導入補助金2025の交付決定者に対する12ヶ月の制限があります。

本記事では、デジタル化・AI導入補助金を2回目以降に申請する方法と、2026年度の追加要件・7次締切分以降の変更点・注意点を解説します。

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この記事の目次

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デジタル化・AI導入補助金に追記された2回目以降の申請要件

前述の通り、2026年度以降、デジタル化・AI導入補助金では2回目の申請要件について新たに要件が追加されました。旧IT導入補助金2022~2025で交付決定を受けた事業者が再度申請する場合、申請枠ごとに以下の要件を満たす3年間の事業計画の策定・実行、効果報告が求められます。

申請枠過去に交付決定を受けた事業者に求められる要件
通常枠
(補助金申請額150万円未満)
・事業計画期間に、非常勤を含む全従業員の1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上向上させる
・【7次締切分以降】上記に加え、1年後に1人当たり給与支給総額を3.5%以上向上させる
・交付申請時点で賃金引上げ計画を従業員に表明する
通常枠
(補助金申請額150万円以上)
上記に加え、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
インボイス枠
(インボイス対応類型)
通常枠(150万円未満)と同じ
インボイス枠
(電子取引類型)
通常枠(150万円未満)と同じ
※中小企業・小規模事業者以外は、年平均成長率5%以上
セキュリティ対策推進枠通常枠(150万円未満)と同じ

未達の場合、全額または一部返還となる可能性があります。給与支給総額の目標は事業計画期間終了時点(3年度目)で判定され、未達なら補助金の全額返還を求められることがあります(1年度目の未達では返還は求められません)。

150万円以上の申請で課される事業場内最低賃金の目標は、1年度目で未達なら全額、2年度目なら2/3、3年度目なら1/3が返還対象です。いずれも、付加価値額が増加せず営業赤字の年度が過半数を占める場合や、天災等やむを得ない理由がある場合は返還を求められません。

7次締切分以降は「1年後の目標」も必要

6次締切分までは3年間の年平均成長率3.5%以上のみが要件でしたが、7次締切分以降は「1年後に1人当たり給与支給総額を3.5%以上向上させる」という初年度の目標も申請要件に加わります。通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠に共通の変更です。

・6次締切分(10月30日締切)まで:事業計画期間の年平均成長率3.5%以上
・7次締切分(12月1日締切)以降:上記に加えて、1年後に3.5%以上向上

あわせて、通常枠で150万円以上を申請する新規事業者に課される給与支給総額要件(年平均3%以上)にも、同様に1年後3%以上の目標が加わっています。

参考:第7次公募回以降における制度変更のお知らせ

なお、3.5%は、日本銀行が定める「物価安定の目標」(前年比上昇率2%)に1.5%を加えた水準です。各従業員の給与を一律に3.5%引き上げるという意味ではなく、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上が必要です。

また、公募要領で定める保険医療機関・保険薬局、介護サービス事業者、社会福祉事業者、学校等は、この賃上げ要件の適用外です。複数者連携デジタル化・AI導入枠の申請を検討している場合、同枠の公募要領で別途ご確認ください。

デジタル化・AI導入補助金を2回目以降に申請する際に確認すること

デジタル化・AI導入補助金の公募要領には、申請は交付申請期間中、1事業者あたり1回のみと記載されています。2回目以降の申請では、申請枠・過去の交付決定歴・法人の関係を確認する必要があります。

以前、デジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金)を申請して採択された方は、以下の3点をご確認ください。

①申請枠ごとの申請回数は1事業者あたり1回
②過去の交付決定歴により制限を受ける場合がある
③複数の法人を経営している場合の制限

①申請枠ごとの申請回数は1事業者あたり1回

デジタル化・AI導入補助金2026では、同じ枠への申請は1事業者あたり1回のみで、交付決定も1回です。不採択となった場合や、交付決定後に補助金の交付を受ける前に取下げをした場合は、次回以降の締切で再申請できます。

一方、枠が異なれば同じ年度でも申請できます。一例として、通常枠に申請した事業者が、インボイス枠やセキュリティ対策推進枠にも申請することは可能です。ただし、インボイス枠については、インボイス対応類型と電子取引類型の2種類がありますが、両方の申請は不可となります。

②過去の交付決定歴により制限を受ける場合がある

別の枠であっても、過去の交付決定歴によっては申請できない場合があります。2026年度の通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠における主な制限は、以下のとおりです。

過去の交付決定2026年度の制限
IT導入補助金2025の通常枠交付決定日から12ヶ月以内は、通常枠に申請できない
IT導入補助金2025の複数社連携IT導入枠
(グループ構成員を含む)
交付決定日から12ヶ月以内は、通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)に申請できない
IT導入補助金2022・2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・商流一括インボイス対応類型)
IT導入補助金2024・2025のインボイス枠
インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)に申請できない
IT導入補助金2022~2025のいずれかの枠で、サイバーセキュリティお助け隊サービスを含むITツールの交付決定を受けた場合セキュリティ対策推進枠に申請できない

12ヶ月の起算日は、申請日ではなく「交付決定日」です。一例として、IT導入補助金2025の通常枠で2025年10月1日に交付決定を受けた場合、2026年の10月2日以降であれば通常枠に申請できます。

なお、この12ヶ月の制限は、IT導入補助金2025で交付決定を受けた事業者に対する2026年度の規定です。2026年度に交付決定を受けた事業者が、12ヶ月経過後に同じ枠へ再び申請できることを定めたものではありません。2027年度以降の扱いは、各年度の公募要領で確認してください。

また、インボイス枠には、12ヶ月経過すれば申請できるという扱いがありません。過去にインボイス枠等で交付決定を受けた事業者は、期間にかかわらず2026年度のインボイス枠に申請できない点に注意しましょう。

③複数の法人を経営している場合の制限

申請は1法人・1個人事業主あたり1申請です。複数の法人を運営している場合、別の法人も、その法人として申請要件を満たしていれば申請できます。同じ事業者が名義だけを変えて申請することはできません。

また、「みなし同一法人」に該当する場合は、1社しか申請できません。みなし同一法人とは、以下に該当する事業者を指します。

・親会社が議決権の50%超を有する子会社が存在する場合
・個人が複数の会社のそれぞれの議決権を50%超を保有する場合
・代表者及び住所が同じ法人、主要株主及び住所が同じ法人、実質的支配者が同じ法人の場合

代表者と住所が同じ法人や、個人がそれぞれの会社の議決権を50%超保有する会社等は、同一法人であると判断されます。その場合、申請はいずれかの会社で1件のみとなります。過去に交付決定を受けた個人事業主が設立した法人も、同様に扱われます。

前回不採択の場合は何度でも申請可能

デジタル化・AI導入補助金に申請して不採択となった事業者の場合、次回以降の募集で何度でも再申請が可能です。ただし、以前と同じ内容で申請しても、また不採択になる可能性が高くなります。

本補助金は採択・不採択に関わらず審査内容は開示されず、不採択理由も事務局から通知される事項以外は開示されません。公募要領と交付申請マニュアルをもう一度確認し、通知された内容も踏まえて不採択の理由を分析してから再申請をおすすめします。

2回目の申請をする場合の注意点

過去にデジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金)を申請して、2回目以降を申請する場合、1回目とは審査内容が異なる場合があります。ここでは、デジタル化・AI導入補助金を2回目に申請する際の、注意点を2つ紹介します。

・申請要件の目標値が高くなる場合がある
・審査で減点される場合がある

申請要件の目標値が高くなる場合がある

2回目以降の申請の場合、申請要件の目標値が高くなる場合があります。デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠では、過去に以下の交付決定を受けた事業者は、次の要件を全て満たす3年間の事業計画を策定・実行することが求められます。

対象者以下の採択を受けた人
・IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)又はデジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
・IT導入補助金2024・2025の通常枠又は複数社連携IT導入枠
要件1年後に労働生産性を4%以上向上させる目標を立てる
事業計画期間に労働生産性を年平均成長率4%以上向上させる

過去に対象となる申請枠で補助金の交付を受けている場合、労働生産性の目標値が3%→4%に高まります。1回目の交付時以上に、生産性を意識した計画が必要です。

審査で減点される場合がある

通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠では、過去に交付決定を受けた事業者は審査で減点の対象となります。一例として、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠では、以下の場合に減点対象となります。

【減点措置となる場合】
・IT導入補助金2022からIT導入補助金2025までの間に交付決定を受けた事業者
・デジタル化・AI導入補助金2026のインボイス枠(インボイス対応類型及び電子取引類型)で申請している、または交付決定を受けた事業者
※選択されたITツールと同一の機能(会計・受発注・決済)がついたITツールを導入する場合は更なる減点
・IT導入補助金2024又はIT導入補助金2025で交付決定を受けたソフトウェアのプロセスと、今回導入するソフトウェアが有するプロセスが重複する事業者(プロセスが完全に一致する場合、不採択)
・IT導入補助金2024以降で賃金引上げ計画による加点を受けたうえで採択されたにも関わらず、申請した加点要件を達成できなかった事業者(やむを得ない理由によるものを除く)

IT導入補助金2022~2025で交付決定を受けた事業者や、過去に採択されたにもかかわらず賃上げ計画等が達成できなかった事業者は、2026年度のデジタル化・AI導入補助金の審査で減点対象となります。上記にあてはまる場合、1回目の申請時の審査よりも厳しくなる点に注意が必要です。

デジタル化・AI導入補助金は同時に複数枠に申請も可能

デジタル化・AI導入補助金は、1つの事業者が同時に複数の枠で申請できます。同一の公募回で、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠それぞれに申請も可能です。

ただし、通常枠とインボイス枠に同時に申請した場合、減点対象となります。また、対象経費の二重計上には十分注意が必要です。

不適切な行為や不正行為が発覚した場合、交付決定が取り消され、補助金の全額返還を求められる場合もあります。複数申請を検討している人は、注意点をよく確認してから計画を進めてみてください。

デジタル化・AI導入補助金の2回目の申請に関するよくある質問

最後に、デジタル化・AI導入補助金の2回目以降の申請に関してよくある質問を紹介します。

IT導入補助金は何回まで使える?

年度をまたいだ利用に、一律の回数上限はありません。ただし、同一年度・同一枠では原則1申請で、不採択の場合は次回以降の締切で再申請できます。また、過去にインボイス枠等で交付決定を受けた事業者はインボイス枠に申請できないなど、枠ごとに過去の交付決定歴による制限があります。2026年度からは賃上げ要件の追加や審査での減点措置もあるため、回数を重ねるほど審査のハードルは上がる点に注意してください。

IT導入補助金は毎年申請してもいい?

一律には言えず、申請枠と過去の交付決定歴によって異なります。2026年度の通常枠は、IT導入補助金2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12ヶ月以内は申請できません。インボイス枠は、過去にインボイス枠やデジタル化基盤導入枠で交付決定を受けた事業者は申請できません。翌年度以降の扱いは、各年度の公募要領で確認が必要です。

過去に採択されてもまた申請できる?

過去にIT導入補助金で採択されていても、申請枠や過去の交付決定歴による制限に当たらなければ、再度申請可能です。ただし、賃上げ要件が課される点(7次締切分以降は1年後の目標も必要)、申請要件の目標値が高くなる点、審査で減点対象となる点にご注意ください。


まとめ

デジタル化・AI導入補助金は、過去に交付決定を受けた事業者も、申請枠・過去の交付決定歴・法人の関係を確認したうえで、条件を満たせば2回目以降の申請ができます。ただし、過去の交付決定歴によっては申請できない枠があるほか、賃上げ要件や減点措置によって要件が厳しくなるため、1回目以上にしっかりと計画を立てることが大切です。7次締切分(12月1日締切)以降は賃上げ要件に1年後の目標も加わるため、申請する締切回に対応した公募要領を必ず確認しましょう。

前回不採択だった方も何度でも再申請ができるので、原因をよく分析してから再度チャレンジしてみてください。生産性向上を図るため、この機会にデジタル化・AI導入補助金を活用しましょう。

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