
IT導入補助金を一度利用した方のなかには、「もう一度活用したい」と考える方もいるのではないでしょうか。また、前回は不採択だったものの、再チャレンジを検討している方も少なくありません。
このIT導入補助金は、2回目以降も条件を満たせば申請可能です。本記事では、IT導入補助金の2回目以降の申請条件について解説します。
IT導入補助金の補助率や対象経費を知りたい人は、以下の記事でご確認ください。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する


この記事の目次
IT導入補助金の2回目を申請する条件
IT導入補助金の公募要領には、申請は交付申請期間中、1事業者あたり1回のみと記載されています。一方で、以下のいずれかの条件を満たしていれば、2回目以降の申請も可能です。
以前、IT導入補助金を申請して採択された方は、条件を満たせるかどうかご確認ください。
(1) 前回とは違う枠で申請する (2) 同一枠でも交付決定から12ヶ月経ったら申請できる (3) 複数事業を持つ場合は違う事業者として申請できる |
(1) 前回とは違う枠で申請する
IT導入補助金の申請は1回のみですが、違う枠であれば2回目以降も申請できます。一例として、2025年度のIT導入補助金の通常枠で採択された場合でも、インボイス枠やセキュリティ推進枠であれば申請可能です。
ただし、導入補助金2024で、通常枠・インボイス枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12ヶ月以内に複数社連携IT導入枠の申請はできません。また、インボイス枠については、インボイス対応類型と電子取引類型の2種類がありますが、両方の申請は不可となります。
(2) 同一枠でも交付決定から12ヶ月経過すれば申請できる
2024年のIT導入補助金で採択された方は、交付決定日から12ヶ月経過していれば、同じ枠に申請可能です。申請日ではなく、「交付決定日」から12ヶ月後である点にご注意ください。
一例として2024年10月1日が交付決定日の場合、2025年の10月2日以降であれば申請できます。
(3) 複数事業を持つ場合は違う事業者として申請できる
複数の事業を行っている方は、違う事業者としてであれば2回目以降もIT導入補助金を申請できます。事業を複数行っている人は、違う事業者名で申請してください。
ただし、違う事業者として申請する場合、「みなし同一法人」に注意する必要があります。IT導入補助金2025の通常枠の公募要領では、以下の基準に該当するとみなし同一法人と認定することが書かれています。
(1) 親会社が議決権の50パーセント超を有する子会社が存在する場合 (2) 個人が複数の会社のそれぞれの議決権を50パーセント超を保有する場合 (3) 代表者及び住所が同じ法人、主要株主及び住所が同じ法人、実質的支配者が同じ法人の場合 |
代表者と住所が同じ法人や、個人がそれぞれの会社の議決権を50%以上保有する会社等は、同一法人であると判断されます。その場合、申請はいずれかの会社で1件のみとなります。
前回不採択の場合は何度でも申請可能
IT導入補助金に申請して不採択となった事業者の場合、次回以降の募集で何度でも再申請が可能です。ただし、以前と同じ内容で申請しても、また不採択になる可能性が高くなります。本補助金は採択・不採択に関わらず、審査内容・不採択理由については開示されません。公募要領と交付申請の手引きをもう一度確認し、不採択の理由を分析してから再申請をおすすめします。
IT導入補助金の2回目の申請時の注意点
過去にIT導入補助金を申請して、2回目以降を申請する場合、1回目とは審査内容が異なる場合があります。ここでは、IT導入補助金を2回目に申請する際の、注意点を2つ紹介します。
- 申請要件の目標値が高くなる場合がある
- 審査で減点される場合がある
申請要件の目標値が高くなる場合がある
2回目以降の申請の場合、通常枠と複数社連携IT導入枠に関しては、申請要件の目標値が高くなる場合があります。一例として、IT導入補助金2025の通常枠の交付規定には、以下のように記載されています。
労働生産性について、以下の要件を全て満たす3年間の事業計画を策定し、実行すること
- 1年後に労働生産性を3パーセント以上向上させること。ただし、IT導入補助金2022、IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)又はデジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)若しくはIT導入補助金2024の通常枠又は複数社連携IT導入枠の交付決定を受けた事業者については、1年後に労働生産性を4パーセント以上向上させること。
- 事業計画期間において労働生産性を年平均成長率3パーセント以上向上させること。ただし 、IT導入補助金2022、IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)又はデジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)若しくはIT導入補助金2024の通常枠又は複数社連携IT導入枠の交付決定を受けた事業者については、労働生産性を年平均成長率4パーセント以上向上させること。
- 労働生産性の向上に向けた計画が実現可能かつ合理的であること。
出典:サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金 交付規程 通常枠
IT導入補助金2022・2023・2024の対象となる枠で補助金の交付を受けている場合、労働生産性の目標値が3%→4%に高まります。1回目の交付時以上に、生産性を意識した計画が必要です。
審査で減点される場合がある
2回目以降を申請する場合、通常枠とインボイス枠は審査で減点の対象となる場合があります。一例として、IT導入補助金2025の通常枠の公募要領には、減点措置について以下のように記載されています。
- IT導入補助金2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)及びIT導入補助金2024のインボイス枠(インボイス対応類型及び電子取引類型)において交付決定を受けた事業者
- IT導入補助金2025において、インボイス枠(インボイス対応類型及び電子取引類型)で申請を行っている若しくは交付決定を受けた事業者
- IT導入補助金2024又はIT導入補助金2024において交付決定を受けたソフトウェアのプロセスと、今回導入するソフトウェアが有するプロセスが重複する事業者 ※ なお、プロセスが完全に一致する場合、不採択とする。
- IT導入補助金2024以降において賃金引上げ計画による加点を受けたうえで採択されたにも関わらず、申請した加点要件を達成できなかった事業者(やむを得ない理由によるものを除く。)
- 中小企業庁が所管する他補助金において、賃金引上げ計画による加点を受けたうえで採択されたにも関わらず、申請した加点要件を達成できなかった事業者(やむを得ない理由によるものを除く。)
IT導入補助金2023・2024の対象の枠で交付決定を受けた事業者や、過去に採択されたにもかかわらず賃上げ計画等が達成できなかった事業者は、2025年度のIT導入補助金の審査で減点対象となります。上記にあてはまる場合、1回目の申請時の審査よりも厳しくなる点に注意が必要です。
IT導入補助金は同時に複数申請も可能
IT導入補助金は、1つの事業者が同時に複数の枠で申請できます。同一の公募回で、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠それぞれに申請も可能です。
ただし、通常枠とインボイス枠に同時に申請した場合、減点対象となります。また、対象経費の二重計上には十分注意が必要です。IT導入補助金2025の通常枠の公募要領には、複数申請について以下のように記載されています。
通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型及び電子取引類型)及びセキュリティ対策推進枠に複数申請する際の注意事項 ・ 補助対象経費の二重計上など、不適切な行為あるいは不正行為が疑われる場合には、交付決定後あるいは補助金交付後等に関わらず、内容を精査したうえで交付決定の取消し及び補助金の全額返還を求める場合がある。特にオプション・役務については二重計上となる可能性が非常に高いため、IT導入支援事業者とよく相談・確認のうえITツールを選定すること。
不適切な行為や不正行為が発覚した場合、交付決定が取り消され、補助金の全額返還を求められる場合もあります。複数申請を検討している人は、注意点をよく確認してから計画を進めてみてください。
IT導入補助金の2回目の申請に関するよくある質問
最後に、IT導入補助金の2回目以降の申請に関してよくある質問を紹介します。
IT導入補助金は何回まで使える?
IT導入補助金の申請回数に、何回まで使えるといった制限は特に決められていません。2回目以降は、審査が厳しくなる場合がある等の条件を押さえておけば、何度でも申請可能です。
IT導入補助金は毎年申請してもいい?
IT導入補助金は、毎年申請も可能です。ただし、1回目と同じ枠で申請する場合、前回の交付決定日から12ヶ月経っていないと申請はできません。
過去に採択されてもまた申請できる?
過去にIT導入補助金で採択されていても、再度申請可能です。ただし、申請要件の目標値が高くなる点、一部減点対象となる場合がある点にご注意ください。
まとめ
IT導入補助金は、条件を満たせば何度でも申請できます。2回目以降の申請の場合、要件が厳しくなる場合があるため、1回目以上にしっかりと計画を立てることが大切です。
前回不採択だった方も何度でも再申請ができるので、原因をよく分析してから再度チャレンジしてみてください。生産性向上を図るため、この機会にIT導入補助金を活用しましょう。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する