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東京都の新製品・新技術開発助成事業で実用化を目指す自社開発に最大1500万円!

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近年、世界的な問題であるコロナ禍や価格高騰などの影響を受け、日本経済は多くの課題を抱えています。特に、日本企業の大半を占める中小企業の経営悪化が相次いでいる問題は、日々懸念が高まっています。

そのような状況の中、東京都では都内中小企業者等の産業を活性化させるため、対象事業者へ研究開発経費の一部を支援する「新製品・新技術開発助成事業」の募集を開始します。研究開発の過程で何らかの問題を抱えている都内中小企業者等の対象者は、ぜひ参考にしてください。

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この記事の目次

東京都における中小企業の現状や今後の課題

東京の都市圏人口は世界最大級であり、都内総生産はメキシコやインドネシアなど一国の国内総生産に匹敵する規模を誇ります。また、東京は1人あたりの県民所得が他の道府県に比べ高く、さらには卸売業・小売業の販売額が全国の約1/3を占めるなど、巨大な経済市場を形成しています。

出典:東京産業労働局 東京の産業と雇用就業2018

東京には多様な産業が集積しているため、新たな研究開発やイノベーションを生み出すポテンシャルが十分にあります。しかし、事業所数は個人事業主を中心に減少傾向にあり、中でも製造業は他の産業に比べ大きく落ち込んでいます。

出典:東京都 東京の産業と雇用就業2018

他にも、都内の小売業年間商品販売額や商店街数などは、減少が続いています。

加えて、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大や物価高騰の長期化により、多くの中小企業が厳しい経営状況に追い込まれています。

東京の企業数の99%が中小企業であるため、産業の基盤として中小企業は必要不可欠な存在です。よって、グローバル化の進展やICT技術の普及などの経営環境変化を踏まえつつ、都内の中小企業をサポートし産業を活性化させる取り組みが重要です。

新製品・新技術開発助成事業とは

都内の中小企業者等に対し、新製品・新技術の研究開発に要する経費の一部を助成します。技術力の強化並びに新分野の開拓を促進することで、東京の産業を活性化させることを目的としています。

申請要件

下記(1)~(4)の要件全てに該当する必要があります。

(1)下記①~④のいずれかに当てはまる者とします。
①中小企業者(会社並びに個人事業者)
②中小企業団体等
③複数の企業等で構成される中小企業グループ(共同申請)
④東京都内で具体的な創業を計画している者
(2)組織形態が下記①~③のいずれかであり、それぞれA・Bの条件に該当する者とします。
法人の場合
A:基準日現在、東京都内に登記簿上の本店もしくは支店を保有している。
B:基準日現在、東京都内事業所で実質的に1年以上事業を実施している。もしくは、東京都内で創業し継続する事業期間が1年に達しない者。

個人事業者の場合
A:基準日現在、税務署へ提出した「個人事業の開業・廃業等届出書」の控えによって都内所在地等が確認可能である。
B:基準日現在、東京都内事業所で実質的に1年以上事業を実施している。もしくは、東京都内で創業し継続する事業期間が1年に達しない者。

創業予定者の場合
A:基準日現在、東京都内で具体的な創業を計画している者。
B:交付決定後、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)もしくは都内税務署に提出した個人事業の開業届出の写しが提出可能である。
(3)助成事業の実施場所については、下記①~③の要件を全て満たすこととします。
①自社の事業所・工場等である。
②原則として東京都内である。
③申請書記載の購入予定の物品、開発人員、当該助成事業においての成果物等が確認可能である。
(4)下記①~⑬の要件を全て満たすこととします。
①公社、国、都道府県、区市町村等から、同一テーマや内容で助成等を受けていない。

②本助成事業における同一年度の申請は一企業につき一件である。

③公社が実施する助成事業(他の事業を含みます)に同一テーマや内容で申請していない。ただし、本事業並びにその他の事業に関して、過去に採択されたことがないのであればこの限りではない。

④事業税等を滞納・分納していない。

⑤東京都並びに公社に対し、賃料・使用料等の債務支払いが滞っていない。

⑥申請日までの5年間で、公社、国、都道府県、区市町村等が行う助成事業等において、不正等の事故を起こしていない。

⑦過去に公社から助成金を交付されている者は、申請日までの過去5年間に「企業化状況報告書」や「実施結果状況報告書」等を所定の期日までに提出済みである。

⑧民事再生法もしくは会社更生法による申立て等、助成事業の継続性に関して不確実な状況が存在しない。

⑨助成事業の導入において必要な許認可を取得し、関係法令を遵守している。

⑩暴力団関係者、風俗関連業、ギャンブル業、賭博等、社会通念上支援対象として不適切とみなされる業態を営んでいない。

⑪連鎖販売取引、ネガティブ・オプション(送り付け商法)、催眠商法、霊感商法など、公的資金の助成先として公社が不適切とみなす業態を営んでいない。

⑫申請に必要な書類を全て提出可能である。

⑬その他、公社が公的資金の助成先として不適切とみなすもの。

助成対象の研究開発

下記に掲げる分野の研究開発が対象です。

(1)新製品・新技術の研究開発
新機能を付加した製品や、新しい製造技術等についてのハード面における研究開発で、試作品の設計、製作、試験評価並びに改良が対象です。

①研究開発における主要部分が自社開発である。
②開発した最終成果物の製品化並びに実用化を目的としている。

【事例】次世代照明機器の開発、高性能計測器の開発、高機能性塗料の開発

(2)新たなソフトウェアの研究開発
システム設計等ソフト面の研究開発で、データ処理装置や情報処理プログラムの開発並びに改良が対象です。

①研究開発における主要部分が自社開発である。
②開発した最終成果物の製品化並びに実用化(クラウドコンピューティング等の利用形態を含みます)を目的としている。
③法人・個人など特定の顧客向けの開発ではない。

【事例】遠隔ロボット操作システムの開発、無人店舗運営システムの開発、ブロックチェーン型配車アプリの開発

※極めて小範囲の情報を収集・検索するもの、既存の知見をデータベース化したもの、一品の受注生産的ソフトウェア開発のものは対象外です。

(3)新たなサービス創出を目的とした研究開発
新たなサービスの提供による生産性向上や高付加価値化を目的とし、サービス関連業等が外部の技術を活用して実施する技術開発が対象です。

①新たなサービス創出の主要部分(構想・企画・要求の定義等)は申請者が担う。
②新たなサービス創出の仕組みに(自社もしくは外注・委託先に)技術開発要素を含む。
③開発した最終成果物は申請者が自社利用するものとし、新たな顧客サービスの提供によって新事業展開を図るのが目的である。

※新たなサービスとは「一定の新規性があり相当程度市場で普及が進んでいないサービス」のことを指します。

【助成対象外となる事業の例】

  • 開業や運転資金など、開発以外の経費の助成が目的である。
  • 生産・量産用の機械装置・金型の導入等、設備投資が目的である。
  • 開発した試作品自体の販売が目的である。
  • 研究開発の主要部分が自社開発でない。
  • 研究開発の全部もしくは大部分を外注(委託)している。(「新たなサービス創出を目的とした研究開発」の事業は除きます)
  • 量産化段階の技術や、既に事業化され収益が出ているもの。
  • 既製品の模倣や改良である。
  • 技術的な開発要素が見られない。
  • 申請の時点で研究開発がほとんど終了している。
  • 令和7年5月31日までに研究開発完了の見込みがない。
  • 研究開発が法人・個人など特定の顧客向けで汎用性がない。
  • 事業内容について公社が適切でない(公序良俗に反する事業など)とみなすもの。

助成対象経費

下記の要件を満たし、かつ【助成対象経費一覧】に記載された経費が対象となります。

  • 助成対象事業として決定された事業を実施するための、必要最小限の経費である。
  • 助成対象期間内に発注もしくは契約、取得、支払いが完了している。
  • 助成対象(使途、単価、規模等)が確認でき、かつ本助成事業に関すると明確な区分が可能である。
  • 助成対象経費により得た財産の所有権(ソフトウェアの場合は著作権)が助成事業者に帰属する。
経費区分 内容・例
原材料・副資材費 鋼材、機械部品、電気部品、化学薬品、試験用部品等
機械装置・工具器具費 試作品を製作するための試作金型、計測機械、測定装置、サーバ、ソフトウェア等
委託・外注費 ①委託(開発、試験等)
②外注(製造・改造・加工、試料の製造・分析鑑定等)
③共同研究(大学、試験研究機関等との間で共通の課題について分担して行う研究開発等)
④事業協同組合等が実施する研究開発で、その構成員である中小企業に研究開発を委託する際の経費
産業財産権出願・導入費 ①開発した製品等の特許・実用新案等の出願(外国出願に関する現地代理人費用、翻訳料も含みます)に必要な経費
②特許・実用新案等(出願、登録、公告され存続しているもの)を他の事業者から譲渡もしくは実施許諾(ライセンス料を含みます)された場合の経費
専門家指導費 謝金等
直接人件費 事業に携わる者の人件費
※直接人件費の助成金交付申請額は1,000万円が上限(助成対象期間中の総額)です。

【助成対象外経費の例】

  • 助成事業に直接関連しない物品の購入、委託等の経費(完了時点で未使用の購入原材料等を含みます)
  • 帳票類が不備の経費
  • 申請書に記載がないものを購入した経費
  • 他の取引と相殺して支払われた経費
  • 他社発行の手形や小切手等を利用し支払われた経費(原則振込払いとします)
  • 購入時にポイントカード等のポイント分を利用したもの
  • 親会社、子会社、グループ企業等関連会社との取引
  • 中小企業グループの共同申請の場合、共同申請者間での取引に必要な経費
  • 消費税、振込手数料、通信費、光熱費等の間接経費
  • 建物附帯設備とその工事に関する経費
  • 資料収集業務、調査業務、会議費、消耗品等の事務的経費
  • 一般的な市場価格もしくは研究開発の内容に比べ、著しく高額である。
  • 公的資金の用途として、社会通念上不適切とみなされる経費
  • 発注・契約から支払いまでの一連の手続きが、助成対象期間に完了していない経費

※その他、内容次第では助成対象外となる場合があるため、公社へご確認ください。

助成率

助成対象と認められる経費の1/2以内

助成限度額

1,500万円
※令和5年度募集より、直接人件費の上限額が500万円から1,000万円に引上げとなります。

【助成対象期間】
令和5年9月1日~令和7年5月31日(最長1年9ヶ月)

申請期間

令和5年3月13日~4月5日17時

申請方法

Jグランツによる電子申請のみ(令和5年度募集よりJグランツでの申請に変更)
※持参、郵便、電子メール等による提出は受け付けられません。

必要書類

  • 申請書
  • 補足説明資料(任意提出)
  • 見積書(該当者のみ)
  • 特許等公報(該当者のみ)
    ※一次審査通過者は、確定申告書、登記簿謄本、納税証明書等の書類を追加で提出する必要があります。

新製品・新技術開発助成事業の活用事例

①令和2年度採択「GPUを用いた位置データ処理基盤の開発」
取扱製品の機能はかなり複雑な計算処理を内包しており、通常の案件を進めつつ新機能の開発・強化を行うためには、相応の期間が必要であると想定された。しかし、本助成事業の活用により開発作業の時間を確保でき、わずか半年ほどで新機能が完成した。

②令和元年度採択「CKD誘発物質リン過剰摂取 自己検査装置の開発」
成果物であるアプリ開発には、数百人の唾液・血液検体とその被験者の各種情報を要した。そんな中本助成事業に採択されたことで、小さなスタートアップ企業でも開発を実施できた。また、社員や協力者の士気が高まったほか、連携/協働候補企業からの信頼感や関心も得られるようになった。

③令和元年度採択「半自動衣類採寸・副資材検査装置の開発」
本助成事業の活用により本装置を実装でき、アパレル検品工場からの問い合わせが増加した。また本装置デモを見せることで、検品工場の現場の声やニーズなどの情報収集にも役立っている。さらには、社内で現場の技術開発力が大きく向上し、外部へ「特に非定形物体のハンドリングに強い」ロボティクス企業であるとアピールできている。

まとめ

コロナ禍や価格高騰に加え、昨今では円安の進行や電力需給のひっ迫などの影響を受け、東京の経済は先行きが不透明な状況にあります。そのため東京都では、企業活動をサポートする取り組みを強化したり、都内の産業の担い手を守るための雇用対策に力を入れたりしています。

本助成事業は中小企業者や個人事業者はもちろん、都内で創業を計画している個人も支援の対象です。新製品・新技術の研究開発がなかなか進展しないなどお悩みの対象者は、ぜひ「新製品・新技術開発助成事業」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:新製品・新技術開発助成事業

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