経済産業省・資源エネルギー庁は、ガソリン補助金(燃料油価格の激変緩和措置)について、7月30日〜8月5日分の支給単価を1リットルあたり28.2円と発表しました。前週(7月23日〜7月29日:16.9円/L)から11.3円の大幅拡大で、7月16日に9週ぶりに拡大へ転じてから3週連続の拡大となり、5月14日〜20日の42.6円以来約2カ月半ぶりの高水準です。7月分の月次「調整単価」(4.9円/L)に加え、170円超過分を全額補助する「変動分」が急拡大した形で、7月28日にイランがヨルダンの米軍基地を弾道ミサイルで奇襲攻撃し、トランプ大統領が「イランを激しく攻撃する」と表明したことでWTI原油が4営業日ぶりに大幅反発したことが背景にあります。
拡大の背景には、7月24日以降のいったんの米イラン敵対行為停止から一転しての衝突再燃観測があります。7月27日時点のレギュラーガソリン全国平均は170.1円で前週比+0.1円の値上がりとなり、2週連続の値上がりです。7月28日にイランがヨルダンの米軍基地を弾道ミサイル攻撃し、翌29日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)でWTI原油先物9月物は前日比5.2ドル(6.6%)高の1バレル84.46ドルまで大幅反発しました。7月30日から適用される28.2円の単価は、この原油急反発と衝突再燃観測を反映したものです。
一方、政府は21日、ガソリン補助金の目安を9月から現在の170円程度から175円へ引き上げる見直し案の検討に入りました。夏休みシーズンが終わった後に補助を縮小する狙いで、10月分までのつなぎとして予備費から数千億円規模の追加支出を行う見通しです。8月中に補助金の財源が不足する見込みとなっており、財源面と出口戦略の議論が改めて焦点となります。
「ガソリン補助金は7月30日からいくらに拡大したのか」「なぜ3週連続の拡大となったのか」「9月から175円に目安が引き上げられるとどうなるのか」——本記事では、ガソリン補助金の最新の支給単価、いつまで続くのか、仕組み、店頭価格(ガソリン代)の現在の状況、9月からの175円見直し案、そして米イラン衝突再燃を受けた今後の見通しまでをわかりやすく解説します。
・7月30日〜8月5日:支給単価28.2円/L(前週16.9円から+11.3円、3週連続拡大/5月14日以来約2カ月半ぶりの高水準)
・7月28日:資源エネルギー庁が7月27日時点の全国平均を170.1円と公表(前週比+0.1円、2週連続値上がり)
・7月28日:イラン革命防衛隊がヨルダンの米軍基地に弾道ミサイル奇襲攻撃/米中央軍は全ミサイルを迎撃
・7月29日:トランプ大統領が米FOXニュースに「イランを激しく攻撃する」と表明/NYMEXのWTI原油9月物は前日比5.2ドル(6.6%)高の1バレル84.46ドルで4営業日ぶり大幅反発
・7月21日:共同通信報道、政府がガソリン目安を9月から170円→175円へ引き上げる見直し案を検討/10月まで予備費から数千億円追加投入の方針
・7月23日〜7月29日:支給単価16.9円/L(前週7.50円から+9.4円、2週連続拡大/変動分12.0円+調整単価4.9円)
・7月16日〜7月22日:支給単価7.50円/L(9週ぶり拡大に転換/変動分2.6円+調整単価4.9円)
・7月24日:トランプ大統領が対イラン攻撃計画の承認を見送り、米中央軍に「新たな攻撃を行わないよう」命令/13日連続の空爆停止
・6月5日:令和8年度補正予算(第1号)成立/総額3兆1,135億円(中東情勢等対応予備費2兆5,000億円)
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この記事の目次
7月30日〜8月5日の支給単価は28.2円/L、3週連続の大幅拡大で約2カ月半ぶりの高水準

画像出典:経済産業省資源エネルギー庁
経済産業省・資源エネルギー庁が7月28日に告示した7月30日〜8月5日のガソリン補助金の支給単価は1リットルあたり28.2円で、前週の16.9円から11.3円の大幅拡大となりました。7月16日に9週ぶりの拡大に転じて以降、7月23日、7月30日と3週連続で支給単価が拡大したことになります。5月14日〜20日の局面のピーク(42.6円)以来、約2カ月半ぶりの高水準です。同期間の軽油・灯油・重油も28.2円/L、航空機燃料は約11.3円/L(ガソリン補助単価の約4割)となります。
資源エネルギー庁の算定方式によれば、7月30日〜8月5日の支給単価は「翌週の想定ガソリン小売価格」から基準価格170.0円を差し引いて算出されます。具体的には、7月27日時点の全国平均170.1円に前週の支給額16.9円、原油価格の変動分10.1円、調達費用に基づく調整単価の変動分1.1円を加算した198.2円が「補助なしの想定価格」で、そこから基準価格170.0円を引いた28.2円が支給単価となります。原油価格の変動分だけで週ベース10.1円押し上げられており、7月中旬の下落幅の大半が7月末の反発で相殺された格好です。
イランの弾道ミサイル攻撃とWTI原油の6.6%急反発が単価大幅拡大の引き金
拡大の直接的な引き金は、イラン革命防衛隊による米軍基地への弾道ミサイル奇襲攻撃と、それに伴う原油相場の急反発です。イラン革命防衛隊は7月28日、ヨルダンの米軍基地に対して弾道ミサイル攻撃を実行しました。米中央軍は全ミサイルを迎撃したものの、トランプ大統領は翌29日にFOXニュースに対し「イランを激しく攻撃する」と表明し、米国とイランの軍事衝突が再燃する可能性が急速に高まりました。
これを受けて7月29日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)でWTI原油先物9月物は前日比5.2ドル(6.6%)高の1バレル84.46ドルで取引を終え、4営業日ぶりの大幅反発となりました。7月27日の84.26ドルからは0.20ドル高にとどまるものの、途中で82ドル台まで下落した局面からの戻り幅は大きく、リスクプレミアムが再び織り込まれる展開です。イエメンのフーシ派がバベルマンデブ海峡を航行する船舶から通行料の徴収を検討しているとの報道も、供給不安を強めています。日本の原油輸入の中東依存度は約94%と極めて高く、こうした原油急反発の局面は代替調達コストと想定小売価格を直ちに押し上げます。
7月分の調整単価は4.9円で7月末まで、8月分は7月から+1.1円で改定へ
7月分の調整単価は4.9円/Lで固定され、7月29日までの適用が示されていました。7月30日から適用される支給単価28.2円には、資源エネルギー庁の説明によれば「調達費用に基づく調整単価の変動分1.1円」が織り込まれています。これは7月の月次固定調整単価(4.9円/L)から+1.1円の改定を意味し、8月分の月次調整単価は6.0円/L前後になる見通しです。7月中旬にかけての米国産スポット原油などの代替調達コスト上振れが月次で反映された形で、8月に入り原油相場が落ち着いた場合でも、この調整単価分は月内固定で維持されます。8月分の残りの「変動分」(170円超過分を全額補助する部分)は毎週の原油相場を反映して改定されます。
7月27日時点のガソリン店頭価格は170.1円、2週連続で値上がり
資源エネルギー庁が7月28日に公表した7月27日時点のレギュラーガソリン全国平均小売価格は1リットルあたり170.1円で、前週比+0.1円の値上がりとなりました。2週連続の値上がりで、2週続けて170円台に乗せた形です。政府の170円ラインをちょうど上回る水準で、8週連続で続いていた170円割れは2週前に終了しています。7月30日から支給単価が28.2円へ大きく拡大したことで、卸価格には強い引き下げ圧力がかかりますが、7月末までは170円前後で推移する見通しで、8月に入って補助拡大分がスタンドの卸価格・店頭価格へ順次反映される展開が想定されます。
軽油、ハイオク、灯油も同様に補助拡大の恩恵が反映されるまでタイムラグがあります。政府関係者によれば、8月は夏の行楽シーズンで燃料需要が高まる時期のため、現在の補助水準を維持する方針で、9月以降の見直しに慎重に判断するとみられます。石油情報センターも「これから高温でガソリン販売量が増えれば、まだ転嫁できていない分を反映させやすくなる」との見方を示しています。
| 油種 | 全国平均価格(7月27日時点) | 動き |
|---|---|---|
| レギュラー | 170.1円 | 前週比+0.1円(2週連続値上がり/2週続けて170円台) |
| ハイオク | 約180.9円 | 横ばい〜微増 |
| 軽油 | 約159.5円 | 微増 |
| 灯油(18L換算) | 2,530円台 | 横ばい圏 |
政府が9月から目安価格を175円へ引き上げる見直し案を検討、8月中に財源不足の見込み
政府はガソリン補助金の目安価格を、現在の170円程度から9月をめどに175円へ引き上げる見直し案の検討に入りました。共同通信が7月21日に複数の関係者への取材で明らかにしたもので、レジャーや帰省など外出機会が増えてガソリン需要が高まる8月までは現在の補助水準を維持し、「夏休みシーズンが終わった後に縮小する」方針です。補助金の支給自体は当面続けるものの、財源が8月中に不足する見込みとなっているため、10月分までのつなぎとして予備費から数千億円を追加投入する見通しです。
現在の補助金は、レギュラー1リットル当たりの価格が170円近くになるよう石油元売りに支給されています。目安を175円に引き上げれば、変動分の発動水準が上がり、実質的に補助金は縮小します。ただし、米国とイランによる攻撃の応酬が再び激化し、原油価格が急上昇する恐れがあるため、水準や見直し時期は慎重に判断するとしています。7月28日のイランによる米軍基地攻撃と29日のWTI原油の6.6%急反発は、政府の慎重な判断を後押しする材料となりそうです。
出典:東京新聞デジタル 【独自】ガソリン175円案浮上 政府、補助金9月に見直し
ピーク時49円80銭→7月8円台まで縮小した後、7月末に再び28.2円へ急拡大
補助単価のピークは4月上旬で、1リットル当たり49円80銭(4月2日〜8日)に達しました。その後、中東情勢の一時的な緩和とともに縮小し、7月9日〜15日には2.8円と再開以降の最低水準を記録しました。ところが7月12日以降のホルムズ海峡再封鎖宣言と米イラン軍事衝突再燃で、7月16日から7.5円、7月23日から16.9円、7月30日から28.2円と、3週連続で大幅拡大が続いています。7月28日のイランによる米軍基地攻撃で衝突再燃観測が強まっており、政府の見直し案の実施時期にも影響を及ぼす可能性があります。
7月27日以降のWTI原油は不安定、7月29日の急反発で84ドル台へ
米イラン両国の敵対行為は7月24日以降、いったん事実上停止していました。トランプ大統領が対イラン攻撃計画の承認を見送り、米中央軍は13日連続の空爆を停止、7月27日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)でWTI原油先物9月物は前週末清算値比5.05ドル安の1バレル84.26ドルまで急落しました。オマーンがホルムズ海峡を地域共同の枠組みで管理する案をイランに提示するなど、外交解決への期待も浮上していました。
ところが7月28日、イラン革命防衛隊がヨルダンの米軍基地に弾道ミサイル奇襲攻撃を実施したことで状況は一変しました。WTI原油9月物は28日にいったん下落したものの、29日には前日比5.2ドル(6.6%)高の1バレル84.46ドルまで大幅反発しました。北海ブレント原油も同様に反発し、8月上旬にかけて中東情勢を巡る不安定な値動きが続く見通しです。イエメンのフーシ派によるバベルマンデブ海峡での通行料徴収検討という残存リスクも、原油相場に一定のリスクプレミアムを織り込ませています。
出典:日本経済新聞 NY商品、原油反発 米イランの衝突激化観測で
高市首相がガソリン補助金の見直しを示唆「単価含め柔軟に検討」
高市早苗首相は2026年6月、ガソリン補助金について「必要に応じ、単価を含めて支援のあり方を柔軟に検討する」と述べ、見直しを進める考えを明らかにしています。3月に再開した補助金は当面継続されますが、財政負担や公平性への懸念から、縮小・見直しの方向で議論が動いてきました。政府による175円案の検討は、こうした見直し議論の延長線上にあります。7月28日のイランによる米軍基地攻撃と原油急反発の局面で、政府は目安引き上げのタイミングを慎重に判断する構えで、8月中の中東情勢の推移が9月以降の政策判断を大きく左右する展開です。
6月3日の衆院本会議で高市首相は、「激変緩和措置であり、柔軟な対応が必要といった与党、野党の指摘も踏まえる」と答弁しました。政府は先行きが不透明な中東情勢や原油価格の動向も踏まえ、見直しの具体策を検討するとしています。8月に入り原油相場が落ち着けば、「調整単価をいつまで維持するか」「変動分の発動水準(170円)を175円へ引き上げるか」といった具体論が改めて焦点となる展開です。
5月20日の党首討論で玉木代表が「出口戦略」を提起
見直し論の発端のひとつが、5月20日の党首討論です。国民民主党の玉木雄一郎代表が、補助金の発動水準(170円)の段階的な引き上げを含めた「出口戦略」を描くべきだと提起し、高市首相は「大局的な見地からの提案をとても重く受け止める」と発言しました。政府による175円案の検討は、この玉木代表の提案に沿った動きと言えます。
玉木代表は、補助金のために毎月4,000億〜5,000億円を使っていると指摘し、「一定期間の延長と同時に出口戦略も示すことが重要だ」と訴えました。これに対し首相は「どれぐらい長引くか分からないが、しっかりと様子を見ながら、残高も見ながら適切に対応する」と述べています。自民党内でも、財政負担を考慮した見直しを求める声が幹部から相次いでいます。7月30日〜8月5日の支給単価28.2円は、財源消費ペースを大きく加速させる水準で、政府が9月からの見直しを急ぐ理由の一つとなっています。
令和8年度補正予算(第1号)と予備費追加投入で財源をつなぐ
ガソリン補助金の継続費用は、令和8年度補正予算(第1号)に計上されています。一般会計の歳出総額3兆1,135億円の補正予算は6月3日に閣議決定され、わずか2日後の6月5日に政府案どおり成立しました。自民、維新、国民民主、チームみらいの賛成多数で可決され、立憲民主・公明両党は反対しました。
財源の全額を赤字国債で賄うこの補正予算では、ガソリン補助金などを想定して2兆5,000億円を支出する「中東情勢等対応予備費」を創設したほか、一般予備費に5,135億円、LPガスの補助等に1,000億円を計上しています。しかし、7月中旬以降の原油急伸と支給単価の急拡大で、財源は8月中に不足する見込みとなり、政府は10月分までのつなぎとして予備費から数千億円規模の追加支出を行う方針です。9月以降の目安価格175円への引き上げも、財源制約が背景の一つにあります。
・中東情勢等対応予備費:2兆5,000億円(当面の用途はガソリン補助金)
・一般予備費:5,135億円(5月26日の閣議決定で支出済みの5,000億円を復元)
・LPガス補助等:1,000億円
・歳出総額:3兆1,135億円
・財源:全額が赤字国債(高市首相は「発行総額は増やさずに対応できる」と説明)
・追加投入:8月中の財源不足を見込み、予備費から数千億円規模を10月までのつなぎとして追加支出予定
ガソリン補助金が3月19日から再開、石油備蓄放出へ
政府は2026年3月19日出荷分から、ガソリン価格を抑えるための補助を再開しました。軽油・灯油・重油・航空機燃料も補助の対象です。
背景には、2026年2月28日の米軍・イスラエル軍によるイラン攻撃に端を発する中東情勢の悪化と、それに伴う原油価格の急騰があります。補助再開直前の3月16日時点のレギュラーガソリン全国平均小売価格は1リットルあたり190.8円(資源エネルギー庁)と史上最高値を記録しました。都内では200円超のスタンドも出ており、「令和のオイルショック」とも報じられた急激な高騰への対応として補助が再開されました。
今回の措置はガソリン価格を1リットルあたり170円程度に抑えるため、170円を超える部分を全額補助する仕組みです。7月2日以降はこの変動分に加え、代替調達コスト分の「調整単価」(7月は4.9円/L、8月は6.0円/L前後の見通し)が上乗せされる二階建て構造となりました。7月30日〜8月5日の28.2円は、この二階建ての合計です。なお、政府は9月から目安価格を175円へ引き上げる見直し案を検討中で、実施されれば補助金の発動水準そのものが上がり、実質的に補助は縮小します。
あわせて、石油の安定供給を図るため、3月16日に石油備蓄の放出を開始しました。今回の放出規模は民間備蓄15日分+国家備蓄1カ月分(約8,000万バレル)で、日本の総備蓄量(254日分)の一部を活用するものです。3月26日からは国内11カ所の石油備蓄基地から国家備蓄の追加放出も開始されました。ただし、政府は代替ルートでの調達拡大により、国家備蓄の温存を図るため5月を最後に放出をほぼ止めています。この方針転換が、7月からの調整単価新設につながっています。
出典:ロイター 政府、16日にも石油備蓄放出 ガソリン価格170円に抑制
「変動型+月次調整単価」の仕組み:170円超を全額補助+代替調達分の上乗せ
今回の措置は、過去に実施されていた「1リットルあたり〇円引き」という定額方式とは異なります。基本の枠組みは「全国平均で170円を超えた分を全額補助する」変動型で、原油価格が上昇するほど補助額も自動的に増える仕組みです。逆に、価格が目標水準を下回ると変動分は自動的に縮小し、170円を下回れば変動分はゼロになります。週ごとに支給単価が変動するのは、この仕組みによるものです。
これに加えて、7月2日から月次固定の「調整単価」が導入されました。ホルムズ海峡経由でない代替ルートの原油調達(米国産スポット原油など)が中東産より割高になっている分を、月次で補助金に上乗せする仕組みです。7月分は4.9円/Lで固定され、8月分は7月30日〜8月5日分の告示に伴う調整単価変動分(+1.1円)を反映して、6.0円/L前後になる見通しです。翌月以降は代替調達コストの実勢や国家備蓄放出の状況に応じて改定されます。
5月14日の42.6円をピークに、原油価格の落ち着きと米イラン関係の改善とともに、変動分は6月25日には6.0円、7月2日には4.8円、7月9日には2.8円まで縮小しました。ところが7月12日以降のホルムズ海峡再封鎖宣言・米イラン軍事衝突再燃を受けて、7月16日からは7.50円、7月23日からは16.9円、7月30日からは28.2円と3週連続で大幅拡大しました。7月28日のイランによる米軍基地攻撃で衝突が再燃する観測が強まっており、8月上旬の支給単価も高水準で推移する可能性が高い局面です。
支給単価の推移(2026年)
支給単価は毎週見直されます。再開以降、以下のように推移しています(資源エネルギー庁公表値)。
| 適用期間 | ガソリン・灯油・重油 | 軽油 | 航空機燃料 |
|---|---|---|---|
| 3月19日〜25日 | 30.2円/L | 47.3円/L | 12.0円/L |
| 3月26日〜4月15日 | 48.1円/L(過去最高) | 65.2円/L(4/1〜は48.1円/L) | 19.2円/L |
| 4月16日〜22日 | 35.5円/L | 35.5円/L | 14.2円/L |
| 4月23日〜29日 | 30.9円/L | 30.9円/L | 12.4円/L |
| 4月30日〜5月13日 | 39.7円/L(GW挟みで2週間継続) | 39.7円/L | 15.8円/L |
| 5月14日〜20日 | 42.6円/L(局面のピーク) | 42.6円/L | 17.0円/L |
| 5月21日〜27日 | 41.8円/L | 41.8円/L | 16.7円/L |
| 5月28日〜6月3日 | 37.2円/L | 37.2円/L | 14.8円/L |
| 6月4日〜10日 | 33.3円/L | 33.3円/L | 13.3円/L |
| 6月11日〜17日 | 27.0円/L | 27.0円/L | 10.8円/L |
| 6月18日〜24日 | 18.2円/L | 18.2円/L | 約7.3円/L |
| 6月25日〜7月1日 | 6.0円/L | 6.0円/L | 2.4円/L |
| 7月2日〜7月8日 | 4.8円/L(変動分ほぼゼロ+調整単価4.9円) | 4.8円/L | 1.9円/L |
| 7月9日〜7月15日 | 2.8円/L(8週連続縮小・再開以降の最低) | 2.8円/L | 約1.1円/L |
| 7月16日〜7月22日 | 7.50円/L(9週ぶり拡大に転換) | 7.50円/L | 約3.0円/L |
| 7月23日〜7月29日 | 16.9円/L(2週連続拡大・変動分12.0円+調整単価4.9円) | 16.9円/L | 約6.8円/L |
| 7月30日〜8月5日 | 28.2円/L(3週連続大幅拡大・約2カ月半ぶりの高水準) | 28.2円/L | 約11.3円/L |
※支給単価は毎週月曜に見直されます。最新の単価は資源エネルギー庁の公式サイト(毎週月曜公表)でご確認ください。航空機燃料はガソリン補助単価の約4割が補助されます。7月2日以降は変動分(毎週改定)と調整単価(月次固定・7月は4.9円/L、8月は6.0円/L前後の見通し)の二階建て構造で支給されます。
4月1日以降の軽油について
2026年4月1日に軽油引取税の暫定税率(17.1円/L)が廃止されました。これに合わせ、軽油への補助単価は65.2円/Lから段階的に縮小されてきましたが、7月16日からは再び拡大に転じ、7月30日からは28.2円/Lまで戻りました。税廃止による値下がり分と補助拡大分が概ね相殺されるため、軽油の実売価格は原油・為替・流通条件で決まります。
ガソリンの値上げは明日から?値下げのスケジュールと改定タイミング
「ガソリンの値上げは明日からなのか」「次の値下げはいつか」という疑問は、補助金が毎週見直されることに関係しています。検索でも「ガソリン 値上げ 明日」「ガソリン 値下げ いつから」「値下げ スケジュール」といった声が多く寄せられています。ここでは、いつ価格が動くのかの見極め方を整理します。
・毎週月曜日:資源エネルギー庁が翌週分の変動分単価を改定・公表
・毎月月初:調整単価(月次固定分)を改定・公表
・毎週水曜日:石油製品価格調査(直近の全国平均価格)を公表
・木曜日前後:多くのスタンドが卸価格改定を受けて店頭価格を改定
支給単価(変動分+調整単価の合計)が前週より上がると補助が厚くなり、店頭価格は値下げ方向に動きやすくなります。逆に支給単価が下がれば値上げ方向に働きます。7月30日からの単価は28.2円と前週16.9円から11.3円の大幅拡大となったため、その分は店頭価格の値下げ要因として強く働きます。ただし補助は卸売段階で支給され、各スタンドの在庫が入れ替わるまで1〜2週間のタイムラグがあります。「今日中に給油すべきか、明日まで待つべきか」を判断したい場合は、月曜の支給単価改定と水曜の価格調査を確認するのが確実です。8月4日(月)に告示される8月6日〜12日分の支給単価は、7月28日のイランによる米軍基地攻撃と29日の原油急反発を受けて、引き続き高水準で推移する可能性が高くなっています。
ガソリンはいつから安くなった?値下がりのタイミング
「ガソリンはいつから安くなるのか」という点では、補助金が再開された2026年3月19日が起点です。店頭価格(ガソリン代)への反映は概ね3月末〜4月上旬から始まり、3月16日時点の全国平均190.8円が3月30日には170.2円まで、約20円下落しました。その後は170円割れの水準で安定し、6月中旬以降は169円台後半で推移してきました。ところが7月21日時点で170.0円と2週ぶりの値上がりで170円台に乗せ、7月27日時点で170.1円まで2週連続の値上がりとなりました。7月30日からの支給単価28.2円が卸価格に反映されるにつれて、8月上旬〜中旬にかけて170円割れの水準に戻る可能性がある一方、政府が9月から目安を175円へ引き上げる見直しを実施すれば、9月以降は175円前後まで店頭価格が上がる展開が想定されます。
ガソリン代・店頭価格(ガソリンの値段)の推移状況
ガソリン補助金は3月19日から再開され、その効果が全国のスタンドに概ね行き渡りました。4月8日には中東停戦合意の報道を受けて原油先物が一旦急落、5月初旬に中東情勢が再緊迫化(5月4日UAE本土攻撃)して補助単価は42.6円まで上昇しましたが、その後は原油価格が落ち着き、5月下旬にかけて補助単価は縮小に転じました。6月14〜15日の米イラン停戦合意で6月18日からの補助単価は18.2円まで圧縮、さらに6月下旬の米国による対イラン制裁免除でWTIが70ドル前後まで下落し、7月9日からは2.8円まで一気に圧縮されました。ところが7月12日、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡再封鎖を宣言し、米イラン軍事衝突が再燃、WTIは一時108ドル台まで急伸しました。これを受けて7月16日から支給単価は7.50円、7月23日からは16.9円、7月30日からは28.2円へ3週連続で大幅拡大しています。7月28日のイランによる米軍基地攻撃と29日のWTI原油6.6%反発で、8月上旬も高水準の支給単価が続く見通しです。
・3月16日:190.8円(補助再開前・史上最高値)
・3月23日:177.7円(前週比-13.1円)
・3月30日:170.2円(政府目標に概ね到達)
・4月1日:軽油暫定税率廃止
・4月6日:167.4円(3週連続値下がり)
・4月13日:167.5円(横ばい安定)
・4月20日:169.5円
・4月27日:169.7円
・5月4日:UAE本土攻撃、フジャイラ石油工業地帯被弾
・5月11日:169.4円(前回調査比-0.3円)
・5月18日:169.2円(横ばい)/支給単価41.8円へ
・5月25日:169.2円(横ばい)/支給単価37.2円へ縮小
・6月1日:169.5円(前週比+0.3円、4週ぶりの値上がり)
・6月8日:169.5円(横ばい)/支給単価27.0円へ縮小(6月11日〜)
・6月14〜15日:米イラン停戦合意、ホルムズ海峡60日間開放/WTI81ドル台
・6月15日:169.7円(前週比+0.2円、2週ぶり値上がり)/支給単価18.2円へ縮小(6月18日〜)
・6月22日:169.8円(前週比+0.1円、2週連続値上がり)/支給単価6.0円へ縮小(6月25日〜)
・6月下旬:米国がイランに60日間ライセンス付与、WTI70ドル前後へ下落
・6月29日:169.8円(前週から横ばい)/支給単価4.8円へ縮小(7月2日〜)
・7月6日:169.9円(前週比+0.1円、2週ぶり値上がり)/支給単価2.8円へ縮小(7月9日〜)
・7月7日:米中央軍がイラン80カ所超を空爆/米財務省が対イラン原油ライセンス撤回
・7月8日:トランプ大統領「停戦は終わった」
・7月12日:イラン革命防衛隊がホルムズ海峡再封鎖を宣言/米国が逆封鎖再開を表明
・7月13日:169.90円(前週から横ばい)/支給単価7.50円へ拡大(7月16日〜)
・7月中旬:米中央軍が13日連続でイラン空爆/WTI一時108ドル台
・7月21日:170.0円(前週比+0.1円、約4カ月ぶり170円台)/支給単価16.9円へ拡大(7月23日〜)
・7月21日:共同通信、政府がガソリン目安を9月から175円へ引き上げる見直し案検討と報道
・7月24日:トランプ大統領がイラン攻撃中止命令/13日連続の空爆停止
・7月25〜27日:米国の攻撃なし/イランも報復停止/サウジがフーシ派拠点攻撃
・7月27日:170.1円(前週比+0.1円、2週連続値上がり)/支給単価28.2円へ拡大(7月30日〜)
・7月28日:イラン革命防衛隊がヨルダンの米軍基地に弾道ミサイル奇襲攻撃/米中央軍は全ミサイルを迎撃
・7月29日:トランプ大統領「イランを激しく攻撃する」と表明/NYMEXのWTI9月物は前日比5.2ドル(6.6%)高の1バレル84.46ドルで4営業日ぶり大幅反発
ただし、地域・スタンドによって価格には差があります。価格比較アプリ(e燃費など)を活用して、お近くのスタンドの価格変動を確認することをおすすめします。
ガソリン補助金はいつまで続く?9月から175円目安へ見直し、10月までは予備費で財源確保
2026年7月時点では、明確な終了日は発表されていません。資源エネルギー庁は「ガソリン・軽油の暫定税率の扱いについて結論が得られて、それが実施されるまでの間」実施すると説明しています。政府は9月から目安価格を170円→175円へ引き上げる見直し案を検討中で、実施されれば補助金の発動水準そのものが上がり、実質的に補助は縮小します。8月中に財源が不足する見込みとなっているため、10月分までのつなぎとして予備費から数千億円を追加投入する方針です。8月中の中東情勢の推移が、9月以降の見直しタイミングを大きく左右します。
財源規模:補正予算成立で2.5兆円の予備費、追加投入で10月までつなぐ
政府は3月24日、2025年度予備費の残高約8,100億円のほぼ全額にあたる約8,000億円を活用し、ガソリン補助金の財源となる基金を積み増すことを閣議決定しました。これにより、補助金の財源は専用基金の残高(約2,800億円)に加え、予備費約8,000億円が上乗せされる形となり、合計で約1兆800億円規模の財源が確保されました。
さらに6月5日に成立した令和8年度補正予算(第1号)では、ガソリン補助金などの財源となる「中東情勢等対応予備費」2兆5,000億円が新設されました。しかし、7月中旬以降の原油急伸と支給単価の急拡大で、財源は8月中に不足する見込みとなり、政府は10月分までのつなぎとして予備費から数千億円規模の追加支出を行う方針です。9月から目安価格を175円へ引き上げる見直しも、こうした財源制約が背景の一つにあります。
4月末時点の残高は約9,800億円、7月末〜8月初に大幅減少の見通し
政府は5月7日、3月分の補助金支出が約1,800億円だったこと、4月末時点の基金残高が約9,800億円だったことを公表しています。5月下旬〜7月上旬の縮小局面では、当初の民間試算より財源の消費ペースは緩やかになりました。
しかし、7月16日以降の3週連続の大幅拡大で、月間支出は再び大きく増加する局面です。7月30日からの支給単価28.2円は、7月9日〜15日の2.8円と比べれば財源消費ペースが約10倍に加速する水準で、8月の月間支出は5,000億円規模に達する見通しです。政府が9月から175円へ目安を引き上げる見直しを実施すれば、9月以降の月間支出は大幅に抑制される計算となります。
民間試算による枯渇時期(補正予算前の試算)
野村総合研究所の木内登英氏が公表した試算では、補助金額の今後の推移を3シナリオに分けて財源枯渇時期を推計していました(5月28日時点・補正予算成立前)。
| シナリオ | 想定する支給単価 | 枯渇見込み |
|---|---|---|
| 標準シナリオ | 37.2円/L継続 | 2026年6月30日 |
| 悲観シナリオ | 50円/L継続 | 2026年6月23日 |
| 楽観シナリオ | 20円/L継続 | 2026年7月23日 |
7月30日からの支給単価28.2円は、標準シナリオ(37.2円)と楽観シナリオ(20円)の中間水準です。6月5日成立の補正予算で「中東情勢等対応予備費」2兆5,000億円が新設され、さらに10月までのつなぎとして予備費から数千億円を追加投入する方針が示されたため、財源の枯渇懸念は当面回避される見通しです。今後の論点は「9月から175円目安に引き上げるか」「イランとの衝突再燃で支給単価がさらに拡大するか」「代替調達コストの実勢に合わせた月次見直しをどう運用するか」に集中しています。
出典:野村総合研究所 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight
電気・ガス料金支援は7〜9月の継続が確定
燃料補助に関連して、高市首相は5月18日、電気・ガス料金支援を2026年7〜9月に継続する方向で検討するよう指示しました。今回成立した補正予算でも、夏場の電気・都市ガス料金の支援が柱の一つに位置づけられ、標準的な家庭で5,000円程度低減する形で5,135億円の支援が確保されています。ガソリン補助金(燃料油の補助)とは別枠ですが、いずれも物価高対策として位置づけられています。
経済学者の見方は「縮小・撤廃が望ましい」が86%
日本経済研究センターと日本経済新聞社が経済学者を対象に4月16〜21日に実施した調査(エコノミクスパネル第12回)では、ガソリン補助金の「縮小・撤廃が望ましい」との回答が計86%(重みづけ後は90%)となっています。背景には、補助金が原油の消費削減にブレーキをかけることや、財源規模が1兆円規模に達することへの懸念があります。政府による9月からの175円目安引き上げの検討は、こうした専門家の見方と与野党の見直し論議に沿った動きです。今後は「実施タイミング」「目安引き上げ幅」「その後の段階的縮小のスケジュール」が焦点となる展開です。
なお、ガソリン価格が一定水準を3か月連続で超えた場合に税率を引き下げる「トリガー条項」については、2026年7月時点では発動されていません。ガソリンの暫定税率はすでに2025年12月31日に廃止されているため、ガソリンについてのトリガー条項の論点は実質的に解消されています。
過去のガソリン補助金制度
過去にもガソリン補助金が実施されており、詳しい流れを以下の表にまとめました。
| 適用期間 | ガソリン | 軽油 | 灯油・重油 |
|---|---|---|---|
| 2025年5月22日〜11月12日 | 10円/L(5円から段階的に増額) | 10円/L(5円から段階的に増額) | 5円/L |
| 11月13日〜26日 | 15円/L | 15円/L | 5円/L |
| 11月27日〜12月10日 | 20円/L | 17.1円/L | 5円/L |
| 12月11日〜12月31日 | 25.1円/L(暫定税率と同額) | 17.1円/L(暫定税率と同額) | 5円/L |
| 2026年1月1日〜3月18日 | 補助金終了(暫定税率廃止により不要) | 補助金継続 | 5円/L |
| 2026年3月19日〜25日 | 30.2円/L(緊急的激変緩和措置として再開) | 47.3円/L | 30.2円/L |
| 2026年3月26日〜4月15日 | 48.1円/L(過去最高) | 65.2円/L(4/1以降は48.1円/L) | 48.1円/L |
| 2026年4月16日〜22日 | 35.5円/L | 35.5円/L | 35.5円/L |
| 2026年4月23日〜29日 | 30.9円/L | 30.9円/L | 30.9円/L |
| 2026年4月30日〜5月13日 | 39.7円/L | 39.7円/L | 39.7円/L |
| 2026年5月14日〜20日 | 42.6円/L | 42.6円/L | 42.6円/L |
| 2026年5月21日〜27日 | 41.8円/L | 41.8円/L | 41.8円/L |
| 2026年5月28日〜6月3日 | 37.2円/L | 37.2円/L | 37.2円/L |
| 2026年6月4日〜10日 | 33.3円/L | 33.3円/L | 33.3円/L |
| 2026年6月11日〜17日 | 27.0円/L | 27.0円/L | 27.0円/L |
| 2026年6月18日〜24日 | 18.2円/L | 18.2円/L | 18.2円/L |
| 2026年6月25日〜7月1日 | 6.0円/L | 6.0円/L | 6.0円/L |
| 2026年7月2日〜7月8日 | 4.8円/L(変動分ほぼゼロ+調整単価4.9円) | 4.8円/L | 4.8円/L |
| 2026年7月9日〜7月15日 | 2.8円/L(8週連続縮小・再開以降の最低) | 2.8円/L | 2.8円/L |
| 2026年7月16日〜7月22日 | 7.50円/L(9週ぶり拡大に転換) | 7.50円/L | 7.50円/L |
| 2026年7月23日〜7月29日 | 16.9円/L(2週連続拡大) | 16.9円/L | 16.9円/L |
| 2026年7月30日〜8月5日 | 28.2円/L(3週連続大幅拡大・約2カ月半ぶり高水準) | 28.2円/L | 28.2円/L |
12月31日にガソリン税に上乗せされていた暫定税率が廃止され、これにあわせてガソリン補助金も一旦終了しました。しかし、2026年2月末のイラン情勢悪化に伴う原油価格急騰を受け、3月19日から緊急的激変緩和措置として補助が再開されています。7月2日からは代替調達コストを反映する「調整単価」(月次固定)が新設され、補助金の枠組みが二階建て構造に変わりました。政府は9月から目安価格を170円→175円へ引き上げる見直し案を検討中で、実施されれば実質的に補助は縮小します。なお、暫定税率とは、ガソリン税に上乗せされていた税金のことです。1974年に一時的な措置として導入されましたが、その後も長期間にわたり維持されてきました。
・軽油引取税の暫定税率(1リットルあたり17.1円)は2026年4月1日に廃止済み
・政府はガソリン補助金の目安価格を9月から170円→175円へ引き上げる見直し案を検討中(実施されれば実質的に補助縮小)
ガソリン補助金の効果は?車を使わない人にもメリットあり
ガソリン補助の恩恵は、車を使う人だけにとどまりません。燃料油は、私たちの生活に身近なモノの価格にも広く影響しています。
たとえば、物流に使われるトラックや配送車、農業機械、漁船、航空機などは、いずれもガソリンや軽油、重油、航空燃料を必要とするため、燃料価格が高騰すると、それらを通じて食料品や日用品の価格に波及します。
今回の補助では、ガソリン・軽油・灯油・重油が170円超過分の全額補助(変動型)に加え、代替調達コスト反映の調整単価(7月は4.9円/L、8月は6.0円/L前後の見通し)が上乗せされ、航空機燃料も補助対象(ガソリン補助単価の約4割)となっており、こうした生産・流通コストの一部が軽減されることで、最終的に消費者が購入する商品の価格抑制にもつながる可能性があります。
とくに原材料や食品を遠方から仕入れている地域や、農業・漁業が基幹産業となっている地域では、こうした補助による間接的な家計負担の軽減効果が期待できます。
燃料価格の安定は、移動や物流だけでなく、物価全体の安定にも関わる重要な要素です。一方で、後述のとおり「高所得層や高級車の利用者まで一律に恩恵を受ける」点が公平性の課題として指摘されており、9月からの175円目安引き上げの見直し論の論点となっています。
ガソリン補助金の課題
今回の緊急的激変緩和措置は、物価高への緊急対応としての性格が強く、補助そのものはあくまで一時的な措置です。7月30日〜8月5日の支給単価は28.2円まで急拡大し、3週連続の大幅拡大となりました。代替調達コスト反映の調整単価新設で、補助の仕組みは複雑化しており、変動分の急激な変動に対応した細やかな運用が求められる局面が続いています。政府による9月からの175円目安引き上げ案の検討は、こうした課題への対応の一つと言えます。
また、補助によって価格を抑える政策は即効性がある一方で、価格変動の根本要因であるエネルギー供給構造や為替動向に対しては直接的な対応策とはなりません。前述のとおり経済学者からも「縮小・撤廃が望ましい」との意見が86%に達しており、補助金が原油の消費削減にブレーキをかけてしまうことや、財源規模への懸念も指摘されています。とくに、ガソリン消費の多寡にかかわらず一律に補助が及ぶため、「高所得層や高級車の利用者にも同額の恩恵が行き渡る」点が公平性の課題として与野党から問われています。中長期的には、エネルギー価格の透明性や価格転嫁の適正化、再生可能エネルギーの導入拡大などを含めた、構造的な対策が不可欠です。
特に、燃料費の上昇分を十分に価格に転嫁できない中小事業者の声も多く、国による価格転嫁支援策の強化や、元売り・販売現場への継続的支援の在り方も問われています。
7月30日〜8月5日の支給単価は28.2円/L(変動分約22.2円+8月調整単価6.0円前後)まで急拡大しました。イランによる米軍基地攻撃と原油の急反発を受けて、変動分は5月14日以来の高水準まで戻った形です。財源として確保された約1兆800億円規模+補正予算で新設された2兆5,000億円の中東情勢等対応予備費に加え、10月までのつなぎとして予備費から数千億円が追加投入される見通しで、当面の財源は確保された状態です。政府は9月から目安価格を175円へ引き上げる見直し案を検討中で、8月中の中東情勢と原油相場の推移が、実施タイミングに影響します。
ガソリン価格の今後の見通し(どうなる?)
7月28日、イラン革命防衛隊がヨルダンの米軍基地に弾道ミサイル奇襲攻撃を実施し、米中央軍は全ミサイルを迎撃したものの、翌29日にトランプ大統領は米FOXニュースに対し「イランを激しく攻撃する」と表明しました。米国とイランの軍事衝突が再燃する可能性が急速に高まり、7月29日のニューヨーク商業取引所でWTI原油9月物は前日比5.2ドル(6.6%)高の1バレル84.46ドルで取引を終え、4営業日ぶりの大幅反発となりました。日本の原油輸入の中東依存度は約94%と極めて高く、原油相場の急反発は今後数週間の変動分に直結する状況です。
一方、政府は7月21日、ガソリン補助金の目安価格を9月から170円→175円へ引き上げる見直し案の検討に入りました。夏休みシーズンが終わった後に補助を縮小する狙いで、10月分までのつなぎとして予備費から数千億円を追加投入する方針です。今後のガソリン価格は、米イラン衝突再燃の程度・ホルムズ海峡の通航状況・9月からの175円目安引き上げの実施タイミングという3つの要因で決まり、「9月以降175円前後への上振れ」を基本線としつつ、中東情勢の急変による短期的な変動を警戒する展開が予想されます。
エネルギー需要の転換と国際要因
国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、原油需要は2030年頃までは緩やかに増加する一方で、2050年にかけては減少または横ばいに転じる見通しです。これは、脱炭素化の加速や電気自動車(EV)・水素燃料車の普及が進み、世界的にガソリン需要が縮小していくと考えられているためです。
出典:International Energy Agency(IEA) "World Energy Outlook 2024"
出典:IEA "Oil 2025: Analysis and forecast to 2030"
需要が落ち着き供給が安定すれば、ガソリン価格の下落も期待されますが、原油市場はOPEC(石油輸出国機構)や産油国の生産調整、政治情勢の変化などに左右されやすく、需給バランスが崩れれば一時的な高騰も起こり得ます。
国内政策による影響
日本国内では、補助金制度やガソリン税制の見直しが価格に直接影響します。ガソリンの旧暫定税率(1リットルあたり25.1円)は2025年12月31日に、軽油引取税の暫定税率(17.1円/L)は2026年4月1日にそれぞれ廃止されました。
現在検討されているのは廃止後の財源確保策であり、走行距離課税などの新たな課税方式も報じられています。さらに、政府が検討中のガソリン補助金の目安価格引き上げ(170円→175円)が9月に実施されれば、店頭価格は175円前後まで上振れする可能性があります。自動車関連業界では、負担増への懸念や課税方法の公平性をめぐる議論が続いており、今後の政策判断が価格水準を大きく左右することになります。
ガソリン補助金(緊急的激変緩和措置)よくある質問
7月30日〜8月5日の支給単価はいくらですか?
7月30日〜8月5日の支給単価は1リットルあたり28.2円で、前週16.9円から11.3円の大幅拡大となりました。7月16日に9週ぶりの拡大転換に転じてから3週連続の大幅拡大で、5月14日〜20日の42.6円以来約2カ月半ぶりの高水準です。資源エネルギー庁の算定によれば、7月27日時点の全国平均170.1円に前週の支給額16.9円、原油価格の変動分10.1円、調達費用に基づく調整単価の変動分1.1円を加算した「補助なしの想定価格」198.2円から、基準価格170.0円を引いた28.2円が支給単価となります。同期間の軽油・灯油・重油も28.2円/L、航空機燃料は約11.3円/L(補助単価の約4割)です。最新情報は資源エネルギー庁の公式サイトでご確認ください。
なぜ支給単価が16.9円から28.2円へ11.3円も急拡大したのですか?
主な理由は、7月28日にイラン革命防衛隊がヨルダンの米軍基地に弾道ミサイル奇襲攻撃を実施し、翌29日にトランプ大統領が「イランを激しく攻撃する」と表明したことで、米国とイランの軍事衝突再燃観測が急速に高まったためです。7月29日のNYMEXでWTI原油9月物は前日比5.2ドル(6.6%)高の1バレル84.46ドルで4営業日ぶりの大幅反発となりました。日本の原油輸入の中東依存度は約94%と高く、原油価格の急反発が「翌週の想定ガソリン小売価格」を大きく押し上げ、170円超過分を全額補助する変動分が急拡大しました。加えて、8月分の調整単価が7月の4.9円から+1.1円に改定される見込みで、6.0円/L前後になる見通しです。
政府はガソリン補助金の目安を175円に引き上げるのですか?
共同通信が7月21日に報じたところによれば、政府はガソリン価格の目安を現在の1リットル170円程度から9月をめどに175円へ引き上げる見直し案の検討に入りました。夏休みシーズンが終わった後に補助を縮小する狙いで、10月分までのつなぎとして予備費から数千億円を追加投入する方針です。補助金の支給制度そのものは当面続けるものの、財源が8月中に不足する見込みとなったための措置です。ただし、7月28日のイランによる米軍基地攻撃と29日の原油急反発を受けて、実施時期は慎重に判断される見通しです。実施されれば9月以降の店頭価格は175円前後まで上振れする可能性があります。
「調整単価」とは何ですか?8月分の金額はいくら?
経済産業省は6月29日、7月2日からガソリン補助金の算定方式を変更すると発表しました。中東情勢の緊迫化を受けて、政府と企業がホルムズ海峡を経由しない代替ルートでの原油調達を拡大しましたが、米国産スポット原油などが中東産より単価が高いため、割高分を月次で補助金に上乗せする仕組みが「調整単価」です。7月分は4.9円/Lで固定されました。7月30日から適用される支給単価28.2円には「調達費用に基づく調整単価の変動分1.1円」が織り込まれており、8月分の月次調整単価は6.0円/L前後になる見通しです。翌月以降は代替調達コストの実勢や国家備蓄放出の状況に応じて改定されます。
ガソリン補助金は終了するのですか?「出口戦略」はどうなった?
補助金そのものは終了していません。政府は9月から目安価格を170円→175円へ引き上げる見直し案を検討中で、実施されれば補助金の発動水準そのものが上がり、実質的に補助は縮小します。国民民主党の玉木代表が5月20日の党首討論で提起した発動水準の段階的引き上げに沿った「出口戦略」の一環と言えます。ただし、7月28日のイランによる米軍基地攻撃と7月29日のWTI原油急反発で、実施時期は慎重に判断される見通しです。8月中の中東情勢と原油相場の推移が、9月以降の見直しタイミングを大きく左右します。
補正予算は成立しましたか?財源はどれくらい確保されていますか?
2026年6月5日、総額3兆1,135億円の令和8年度補正予算(第1号)が政府案どおり成立しました。自民、維新、国民民主、チームみらいの賛成多数で可決され、立憲民主・公明両党は反対しました。当面の用途をガソリン補助金とする「中東情勢等対応予備費」2兆5,000億円が新設されたほか、一般予備費5,135億円、LPガス補助等1,000億円が計上されています。しかし、7月中旬以降の支給単価急拡大で財源は8月中に不足する見込みとなり、政府は10月分までのつなぎとして予備費から数千億円規模を追加投入する方針です。9月から目安価格を175円へ引き上げる見直しも、こうした財源制約が背景の一つにあります。
補助金を受け取るために申請は必要ですか?「もらい方」はありますか?
申請は一切不要です。政府が石油元売り会社に直接補助金を支給し、卸価格を抑制する仕組みのため、消費者はガソリンスタンドで普通に給油するだけで自動的に恩恵を受けられます。手続きや書類提出は不要で、「補助金のもらい方」として消費者側で行う作業はありません。
ガソリンの値上げは明日からですか?次の改定はいつですか?
変動分の支給単価は毎週月曜に資源エネルギー庁が改定・公表し、多くのスタンドは木曜前後に店頭価格を改定します。加えて、7月2日から新設された調整単価は月次で改定されます(7月分4.9円/L→8月分6.0円/L前後の見通し)。支給単価(変動分+調整単価)が前週より上がると店頭価格は値下げ方向、下がると値上げ方向に動きやすくなります。7月30日からの単価は28.2円と前週16.9円から11.3円の大幅拡大となったため、その分は店頭価格の強い値下げ要因として働きます。ただし補助は卸売段階で支給され、各スタンドの在庫が入れ替わるまで1〜2週間のタイムラグがあります。次回の変動分改定は8月4日(月)に告示され、8月6日〜12日分から適用されます。イランによる米軍基地攻撃と原油急反発を受けて、次週分も高水準で推移する可能性が高くなっています。
ガソリン以外の燃料(軽油・重油など)も補助の対象になりますか?
はい、対象です。今回の緊急的激変緩和措置はガソリン(レギュラー・ハイオク)だけでなく、軽油・重油・灯油・航空機燃料も補助の対象となっています。7月30日〜8月5日時点ではガソリン・軽油・灯油・重油がいずれも28.2円/L、航空機燃料は補助単価の約4割(約11.3円/L)です。軽油補助金・重油補助金として個別に申請する必要はなく、卸価格を通じて自動的に反映されます。
ガソリン補助金は打ち切り・終了になりますか?
2026年7月時点で公式な終了は決定していません。政府は9月から目安価格を170円→175円へ引き上げる見直し案を検討中で、実施されれば補助金の発動水準そのものが上がり、実質的に補助は縮小します。ただし、補助金の支給制度そのものは当面継続する方針です。資源エネルギー庁は「ガソリン・軽油の暫定税率の扱いについて結論が得られて、それが実施されるまでの間」実施すると説明しています。6月5日の補正予算成立で「中東情勢等対応予備費」2兆5,000億円が新設され、10月分までのつなぎとして予備費から数千億円が追加投入される見通しで、財源面の心配は当面回避される展開です。
なぜガソリン補助金の見直しが議論されているのですか?
主な理由は「財政負担」と「公平性」です。補助金には最大時で毎月4,000億〜5,000億円規模が投じられており、7月30日からの支給単価28.2円の水準では8月の月間支出は5,000億円規模に達する見通しで、財源は8月中に不足する見込みとなっています。また、ガソリン消費の多寡にかかわらず一律に補助が及ぶため、高所得層や高級車の利用者にも同額の恩恵が行き渡る点が「財政面でも公平性の面でも持続可能とは言えない」と与野党から批判されています。経済学者の調査でも86%が「縮小・撤廃が望ましい」と回答しており、5月20日の党首討論では国民民主・玉木代表が発動水準の引き上げを含む「出口戦略」を提起しました。政府による9月からの175円目安引き上げの検討は、こうした議論の延長線上にあります。
ガソリン代(店頭価格・値段)は現在いくらになっていますか?
政府の目標は全国平均のレギュラーガソリン価格を1リットルあたり170円程度に抑えることです。資源エネルギー庁の調査では、7月27日時点の全国平均は170.1円で、前週比+0.1円の値上がりでした。2週連続の値上がりで、170円台での推移が続いています。地域別ではスタンドや自治体によって差があり、10円以上の地域差が広がっています。7月30日から支給単価が28.2円に大幅拡大したことで、卸価格には強い引き下げ圧力がかかり、8月上旬〜中旬にかけて170円割れの水準に戻る可能性があります。一方、政府が9月から目安を175円へ引き上げる見直しを実施すれば、9月以降は175円前後まで店頭価格が上振れする展開が想定されます。
ガソリンはいつから安くなりましたか?今後も安くなりますか?
2026年3月19日に補助金が再開され、店頭価格への反映は概ね3月末〜4月上旬から始まりました。3月16日時点の全国平均190.8円が3月30日には170.2円まで下落し、約20円の値下げ効果が出ています。その後は170円割れの水準で安定していましたが、7月21日、27日と2週連続で170円台に乗せました。7月30日からの支給単価28.2円が卸価格に反映されるにつれて、8月上旬〜中旬にかけて170円割れの水準に戻る可能性があります。ただし、政府が9月から目安を175円へ引き上げる見直しを実施すれば、9月以降は175円前後まで店頭価格が上振れする可能性があります。中東情勢と原油相場の推移が、8月〜9月の店頭価格を大きく左右します。
今回の補助金はいつまで続きますか?
2026年7月時点では明確な終了日は発表されていません。6月5日に成立した補正予算で「中東情勢等対応予備費」2兆5,000億円が新設され、さらに10月分までのつなぎとして予備費から数千億円が追加投入される見通しで、財源面の心配は当面回避されています。政府は9月から目安価格を170円→175円へ引き上げる見直し案を検討中で、実施されれば補助金の発動水準そのものが上がり、実質的に補助は縮小します。7月28日のイランによる米軍基地攻撃と原油急反発を受けて、実施時期は慎重に判断される見通しで、8月中の中東情勢の推移が9月以降の見直しタイミングを大きく左右します。
今回の補助金と過去の補助金は何が違いますか?
過去の「燃料油価格定額引下げ措置」は「1リットルあたり〇円引き」という定額方式でしたが、今回の緊急的激変緩和措置は「170円を超えた分を全額補助する」変動型で始まりました。原油価格が上がれば補助額が増え、逆に価格が落ち着けば補助額は自動的に縮小します。7月2日からはこれに加えて、代替調達コスト分を月次で上乗せする「調整単価」(7月4.9円/L、8月6.0円/L前後の見通し)が新設され、「変動分(毎週改定)+調整単価(月次固定)」の二階建て構造に変わりました。48.1円→42.6円→…→2.8円→7.50円→16.9円→28.2円という推移も、この変動型の仕組みが働いた結果です。
車を持っていない人にもメリットはありますか?
あります。燃料油は物流(トラック・配送車)・農業・漁業・航空など幅広い産業で使われているため、ガソリンや軽油・重油・航空機燃料の価格が下がることで、食料品や日用品の生産・輸送コストの抑制につながります。特に農業・漁業が盛んな地域や、遠方から食材を仕入れている地域では、間接的な家計負担の軽減効果が期待されます。
軽油の暫定税率廃止で何が変わりましたか?
2026年4月1日に軽油引取税の暫定税率(17.1円/L)が廃止されました。これにより税負担は軽減されますが、同時に軽油への補助単価も段階的に縮小(65.2円/L→48.1円/L→…→2.8円/L→7.50円→16.9円→28.2円)してきたため、店頭価格への影響は概ね相殺されます。7月30日からは支給単価が28.2円/Lまで戻りました。軽油の実売価格は引き続き原油相場や為替、流通条件で変動します。7月27日時点の軽油全国平均は159円台後半で、微増傾向となっています。
トリガー条項は発動されないのですか?
2026年7月時点ではトリガー条項は発動されていません。ガソリン暫定税率はすでに廃止済みのため、ガソリンについてのトリガー条項の論点は実質的に解消されています。
中東情勢でガソリン価格はどう変わりますか?
6月14〜15日の米イラン停戦合意、6月下旬の米国による60日間の対イラン制裁免除を経て原油相場は下落しましたが、7月7〜8日にイランがホルムズ通過商船を攻撃し、米国がイランを大規模空爆+原油ライセンス撤回で応じたことで停戦が事実上崩壊。さらに7月12日、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡再封鎖を宣言し、米国は逆封鎖再開・報復攻撃で応じました。WTI原油は一時108ドル台まで急伸し、7月23日からの支給単価は16.9円へ2週連続で拡大しました。7月24日以降トランプ大統領が対イラン攻撃を停止し、いったんは原油が急落しましたが、7月28日のイランによる米軍基地攻撃と29日のトランプ大統領の「イランを激しく攻撃する」発言で状況は一変、WTI原油9月物は前日比5.2ドル(6.6%)高の1バレル84.46ドルで4営業日ぶり大幅反発しました。米イラン衝突再燃のリスクとフーシ派によるバベルマンデブ海峡通行料徴収検討で、原油相場は一定のリスクプレミアムを抱えたまま高水準で推移する可能性があります。
現在のガソリン価格の状況(2026年7月31日時点)
資源エネルギー庁の石油製品価格調査によると、7月27日時点のレギュラーガソリン全国平均小売価格は170.1円で、前週比+0.1円の値上がりとなりました。2週連続の値上がりで、170円台での推移が続いています。7月30日から支給単価が28.2円に大幅拡大したことで、卸価格には強い引き下げ圧力がかかり、8月上旬〜中旬にかけて店頭価格は170円割れの水準に戻る可能性があります。ただし、政府が9月から目安を175円へ引き上げる見直しを実施すれば、9月以降は175円前後まで店頭価格が上振れする展開が想定されます。
| 油種 | 全国平均価格(7月27日時点) | 動き |
|---|---|---|
| レギュラー | 170.1円 | 前週比+0.1円(2週連続値上がり) |
| ハイオク | 約180.9円 | 横ばい〜微増 |
| 軽油 | 約159.5円 | 微増 |
| 灯油(18L換算) | 2,530円台 | 横ばい圏 |
都道府県別でみると、地域・スタンドによって価格には差があります。石油情報センターは「これから高温でガソリン販売量が増えれば、まだ転嫁できていない分を反映させやすくなる」と指摘しており、8月にかけての店頭価格動向には注意が必要です。
※都道府県別の詳細なランキングは gogo.gs|都道府県平均 ガソリン価格ランキング などの価格比較サイトでご確認いただけます。
まとめ
ガソリン補助金(緊急的激変緩和措置)は2026年3月19日に再開され、その後、原油価格と店頭価格に連動して毎週支給単価が見直されてきました。7月30日〜8月5日の支給単価は28.2円/Lで、前週16.9円から11.3円の大幅拡大となり、7月16日に9週ぶりの拡大転換に転じてから3週連続の大幅拡大となりました。5月14日〜20日の42.6円以来約2カ月半ぶりの高水準で、170円超過分を全額補助する変動分が急拡大した形です。
拡大の背景は、7月28日にイラン革命防衛隊がヨルダンの米軍基地に弾道ミサイル奇襲攻撃を実施し、翌29日にトランプ大統領が「イランを激しく攻撃する」と表明したことによる米イラン衝突再燃観測です。7月29日のNYMEXでWTI原油9月物は前日比5.2ドル(6.6%)高の1バレル84.46ドルで4営業日ぶりの大幅反発となりました。7月27日時点のレギュラーガソリン全国平均は170.1円で前週比+0.1円の値上がりとなり、2週連続で170円台に乗せています。
一方、政府は7月21日、ガソリン補助金の目安価格を9月から現在の170円程度から175円へ引き上げる見直し案の検討に入りました。夏休みシーズンが終わった後に補助を縮小する狙いで、10月分までのつなぎとして予備費から数千億円を追加投入する方針です。8月中に補助金の財源が不足する見込みで、財源面と出口戦略の議論が改めて焦点となります。ただし、7月28日のイランによる米軍基地攻撃と原油急反発を受けて、実施時期は慎重に判断される見通しです。
高市首相が「単価を含めて支援のあり方を柔軟に検討する」と見直しを明言し、総額3兆1,135億円の令和8年度補正予算(第1号)が6月5日に成立、財源面(中東情勢等対応予備費2兆5,000億円)の備えは整い、さらに10月までのつなぎとして予備費から数千億円が追加投入される見通しです。8月中の中東情勢の推移が、9月からの175円目安引き上げの実施タイミングを大きく左右します。
「ガソリンの値上げは明日からか」「9月から175円になるのか」「調整単価はいつまで続くのか」を見極めたい場合は、毎週月曜の変動分改定(次回は8月4日)、月初の調整単価改定、水曜の価格調査の確認が確実です。消費者の申請は不要で、ガソリンスタンドで給油するだけで自動的に補助が反映される仕組みです。終了日は未定ですが、最新の支給単価や全国平均価格は資源エネルギー庁の公式サイトで毎週更新されています。
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