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最大1000万円補助!【東京都】文化施設のインバウンド対策!美術館・博物館の国際化支援補助金

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新型コロナウイルスの影響から脱しつつある中で、日本においても訪日外国人旅行者数が回復傾向にあります。こうした旅行者数増加を受けて、美術館や博物館においては「訪日外国人の受け入れ体制整備」が求められています。インバウンド観光に訪れた外国人に対して、多言語機能などのシステムを活用して日本の魅力を正しく発信できれば、文化的な意義が大きいでしょう。

今回の記事では、美術館や博物館がそうした訪日外国人の受け入れ体制整備に活用できる「美術館・博物館の国際化支援補助金」について紹介します。

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この記事の目次

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文化施設のインバウンド対策!美術館・博物館の国際化支援補助金とは

まず、補助対象施設を確認します。

以下いずれかに該当する施設のうち、民間事業者等(独立行政法人・地方独立行政法人・国立大学法人・特殊法人を除く)が管理運営するものが補助対象です。ただし、国あるいは地方公共団体の所有施設で民間事業者等に運営を委託している、および地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に基づき民間事業者等が管理するものを除きます。

補助対象施設
1.博物館法に掲げる「博物館が行う事業」を実施する施設として、東京都教育委員会が登録している施設(登録博物館)
2.「博物館の事業に類する事業を実施する施設」として東京都教育委員会が指定している施設(博物館相当施設)
3.歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集、保管および展示しており、年間100日以上開館し一般公衆利用のために施設や設備を公開する都内の施設(その他の施設)。ただし、以下に掲げるものを除く。
■ギャラリーやアンテナショップ、展示即売会等、専ら商品の展示販売を行っているもの
■専ら商品あるいは自社製品の製作、宣伝・販売促進を行っているもの
■専ら遊戯場あるいは遊園地であるもの
■その他、補助対象外施設と理事長が判断するもの

なお、以下に該当する団体および個人は補助金の交付対象外です。

  • 暴力団
  • 法人、その他団体の代表者、役員、使用人、その他の従業員もしくは構成員、あるいは個人で申請する場合、その個人に暴力団員等に該当する者がいる
  • 東京都および東京都政策連携団体に対する賃料や使用料等の債務支払いが滞っている
  • 国・都道府県・区市町村・東京都政策連携団体等から、補助事業の交付決定取り消し等を受けた。あるいは法令違反等不正の事故を起した
  • 民事再生法、会社更生法、破産法に基づく申立・手続中(再生計画等認可後は除く)、あるいは私的整理手続中など、事業継続性が不確実な状況である
  • 都税、その他租税の未申告あるいは滞納がある
  • 過去5年以内に、刑事法令による罰則の適用を受けている 等

補助額

補助率 1施設当たりの補助対象経費の1/2以内
補助限度額 1施設当たり、令和2年度から令和6年度までの合計上限1000万円

補助対象事業の詳細

補助対象となるのは、外国人旅行者の受け入れ環境整備に向けて実施する以下のような事業です。

(1)多言語対応の改善・強化
(2)情報通信技術の活用
(3)国際観光都市としての標準的なサービスの導入
(4)安全・安心の確保
(5)混雑回避等の取組

それぞれの例を確認しましょう。

(1)多言語対応の改善・強化
・パンフレットやホームページ等の広報物の多言語化
・音声ガイド機器の導入
・敷地内の案内板や展示解説等の多言語化
・多言語対応可能な職員や案内ボランティアの育成
・外国人旅行者が理解しやすい魅力的な多言語解説の整備
(2)情報通信技術の活用
・無線LAN環境の導入
・デジタルサイネージの導入
・通訳アプリの導入
・デジタルを活用した新たな鑑賞や体験、展示方法の導入
(3)国際観光都市としての標準的なサービスの導入
クレジットカードや電子マネー等の決済機器の導入
(4)安全・安心の確保
・敷地内(建物の一部の場合には施設内)のバリアフリー化
・地震や風水害等の自然災害に対する取り組み(避難経路の多言語化、避難誘導訓練等)
・高齢者や障害者等が快適に鑑賞できる環境整備
(5)混雑回避等の取り組み
混雑回避等の取り組み(時間指定チケットの事前予約、混雑状況の表示システムの導入等)

補助対象経費

補助事業に係る経費のうち、以下に該当するものが補助対象経費です。
・施設整備費、備品購入費、制作費、印刷製本費、翻訳費、研修費等

募集期間

令和5年4月1日(土)〜 随時受付(予算額に達した時点で終了)

申請方法

申請は「郵送」あるいは「電子申請システム上」で行います。

(1)郵送による申請
必要事項を記入して「簡易書留」で提出しましょう。東京観光財団公式サイトの「7 ダウンロードファイル」の申請書類をダウンロードして利用してください。

【郵送先の住所】
公益財団法人東京観光財団観光産業振興部観光インフラ整備課
〒162-0801
東京都新宿区山吹町346番地6日新ビル2階

(2)電子申請システム「J Grants」による申請
デジタル庁が提供する電子申請システム「JGrants」を利用してインターネット申請もできます。利用するには、法人共通認証基盤「GビズID」におけるアカウント(gBizIDプライム)が必要です。アカウント(gBizIDプライム)の発行には、GビズID運用センターの審査があるため時間がかかります。

また、電子申請では代理人による申請代行ができません。申請代行を希望する場合は、郵送で対応しましょう。

美術館・博物館等の観光施設の国際化支援補助金の活用事例

美術館・博物館等の観光施設の国際化支援補助金を活用した事例はいくつもあります。今回は5つの事例を表にまとめました。

観光施設名 補助金を活用した具体的な取り組み 公式サイトURL
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館 ・館内の展示解説パネルの多言語化(英)
・展示室案内、博物館のあゆみ、名品案内等を行うインフォメーションディスプレイの導入
・施設紹介パンフレットの多言語化(日・英・韓・中)
・ホームページの多言語化(日・英・韓・中)
https://www.waseda.jp/enpaku/
旧新橋停車場鉄道歴史展示室 ・繁体字の施設パンフレットの作成
・常設展示および映像展示の英語表記化
・英語の施設パンフレットの作成
・多言語対応可能な職員研修の実施
https://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/index.html
サントリー美術館 ・チャンネルの切り替えによって、多様な言語でのグループ鑑賞を可能にする「同時通訳用高性能音声ガイド」を導入
・年5~6回開催されるすべての展覧会にて、展示品キャプショ ンを日英表記にしている
・展示品リストや有料音声ガイドの英語版制作
https://www.suntory.co.jp/sma/index.html
三菱一号館美術館 ・建築案内パンフレットの多言語化(英)
・チャンネルを切り替えることで多様な 言語でのグループ鑑賞を可能にする「高性能音声ガイド機」を導入
・丸の内の歴史案内映像の多言語化(英)
・館内施設案内の英語表記
・音声ガイドの英語版用意
・パスポート提示者の割引
https://mimt.jp/
宇宙ミュージアムTeNQ ・ホームページの多言語化(中・韓・仏 追加)
・音声ガイドアプリの導入とナレーション制作(英語・中・韓・仏)
・展示表記の多言語化(日英併記)
・翻訳機の導入
・英語表記パンフレットの制作
・三者間多言語通話サービスの導入
https://www.tokyo-dome.co.jp/tenq/

未来の展望:国際化補助金がもたらす文化施設の変革

新型コロナウイルスによる影響から徐々に脱しつつある中で、日本においても訪日外国人旅行者数が回復傾向にあります。2023年9月に日本政府観光局が発表したデータによると、2023年8月時点の訪日外国人旅行者数は「215万6900人」となり、新型コロナウイルス拡大後においては初めて回復率が8割を超えました。こうした状況も追い風となり、日本政府がもともと[2016年に制定していた]「2030年に訪日外国人旅行者を6000万人にする」という目標に向けて、本格的な取り組み推進が活発化しています。

この訪日外国人旅行者数増加に向けて必要な施策として挙げられるのが、美術館や博物館における「多言語に対応した音声ガイドの作成」「多言語対応できる職員の育成」などです。今後、世界中からさまざまな言語や文化、価値観を持った外国人が訪問してくることを考えると、そうした人々に満足してもらうために、言語対応などを含めた対策を実施することが欠かせません。

今回紹介した「美術館・博物館の国際化支援補助金」を活用することで、美術館や博物館側の負担を軽減しつつ、訪日外国人向けの取り組みを推進できます。訪日外国人を受け入れる体制を整えられれば、美術館や博物館側の売上改善だけでなく、日本全体で文化関連施設の魅力向上にもつなげられるでしょう。

まとめ

今回紹介した「美術館・博物館の国際化支援補助金」を活用することで、美術館や博物館側の負担を軽減しつつ、訪日外国人を迎え入れるための環境を整備できます。訪日外国人を迎え入れることができれば、施設自体の売上改善につながることはもちろん、日本の魅力をより正しく海外へ発信する機会になるでしょう。

参考:美術館・博物館等の観光施設の国際化支援補助金

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