「食料品消費税ゼロはいつから?」「消費税1パーセントはいつから?」「消費税はいつからなくなる?」――物価高が長引くなか、消費税減税の実施時期に関心が集まっています。政府は2026年9月15日、飲食料品の消費税率を2027年4月1日から2年間、現行の8%から1%へ引き下げる大綱を閣議決定しました。関連法案は10月9日に国会へ提出され、10月20日には衆議院本会議で趣旨説明と質疑が行われました。
ただし、2026年10月21日時点で法案は成立していません。予定どおり実施されれば、1989年の消費税導入以来、初めての税率引き下げとなります。また、残る1%相当分の負担軽減に向け、中低所得の就業者を対象とする「就業者負担軽減支援金」の導入も予定されています。
本記事では、消費税減税の開始予定日と最新の国会審議状況、1%の対象になる品目とならない品目、就業者負担軽減支援金の仕組み、事業者のレジ改修と利用できる補助金、消費税率の推移、今すぐ利用できる食費支援制度まで、2026年10月21日時点の情報を解説します。
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この記事の目次
消費税減税はいつから?2027年4月から食料品が8%→1%へ|関連法案は国会で審議中
減税の対象は、現在8%の軽減税率が適用されている飲食料品で、外食・酒類は対象外です。また、中低所得の就業者を対象とする「就業者負担軽減支援金」を2027年4月から導入し、減税と合わせて実質的な負担軽減を図る方針です。政府は9月29日、減税と支援金の導入準備に向けて総額1,119億円の予備費使用も決定しています。
政府は8月5日の基本方針、9月15日の大綱を経て、10月9日に関連法案を提出しました。大綱には、減税の対象範囲や税率、期間、事業者向けの経過措置などが示されています。今後は国会での審議を経て、予定どおり2027年4月から実施できるかが焦点となります。
消費税1パーセントはいつから?2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間
消費税1%が始まるのは2027年4月1日(令和9年4月1日)、終わるのは2029年3月31日(令和11年3月31日)です。9月15日の大綱で、この2年間に事業者が国内で行う飲食料品の譲渡と、保税地域から引き取られる飲食料品について、特例税率を適用すると明記されました。2年間の時限措置であるため、2029年4月には元の8%に戻る見込みです。
制度の骨格は次のとおりです。
| 開始時期 | 2027年4月1日(令和9年4月1日) |
| 終了時期 | 2029年3月31日(令和11年3月31日) |
| 適用税率 | 8% → 1% |
| 税率の内訳 | 国税0.78%+地方消費税0.22%相当分 |
| 対象 | 軽減税率の対象となっている飲食料品(外食・酒類は除外) |
| 対象外 | 週2回以上発行される新聞の定期購読分(8%のまま) |
| 給付制度 | 就業者負担軽減支援金(2027年4月導入・内閣府所管) |
| 財政負担 | 減税と給付を合わせて年約5兆円、2年間で計10兆円規模 |
| 根拠となる決定 | 飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱(令和8年9月15日閣議決定) |
スーパーなどは2月末に決算のピークを迎えるため、その時期を避けた4月1日開始が選ばれました。レジ改修に半年程度かかることを逆算すると、秋の臨時国会での法案成立が2027年4月開始の事実上のタイムリミットです。
消費税1%の内訳は?国税0.78%+地方消費税0.22%相当分
2027年4月からの1%は、国税分0.78%と地方消費税0.22%相当分の合計です。大綱では、事業者が行う飲食料品の譲渡について消費税の税率を0.78%とする特例を創設し、地方消費税率と合わせて1%とすると定められました。
この引き下げによって地方消費税は減収となりますが、大綱には減収額の全額を地方特例交付金で補填し、各年度に必要な地方交付税総額を適切に確保すると明記されています。自治体の財政運営に穴が開かない設計が前提になっている点が、8月の基本方針から一歩進んだところです。
なお、消費税収は令和8年度予算で国・地方合わせて34兆円余り、国分だけで約26.7兆円あり、国税収入の約3割を占めます。今回の減税は、この基幹税に手を入れる大きな政策転換です。
消費税減税は決定した?大綱は閣議決定済み・法案は臨時国会へ
政府は2026年9月15日に飲食料品の消費税率引下げと就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱を閣議決定し、10月9日には関連法案を国会に提出しました。
提出されたのは「租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案」です。
10月20日には衆議院本会議で片山国務大臣が法案の趣旨を説明し、与野党議員による質疑が行われました。高市内閣総理大臣や片山国務大臣らが答弁しています。
ただし、2026年10月21日時点で法案は成立していません。政府の方針として減税の実施時期は示されていますが、法律として確定するには国会での審議・成立が必要です。
出典:内閣官房「第222回臨時国会 国会提出法案」/衆議院「2026年10月20日の議事経過」
今後のスケジュールは次のとおりです。
| 時期 | 予定・進捗 |
|---|---|
| 2026年9月15日 | 政府が飲食料品の消費税率引下げと就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱を閣議決定 |
| 2026年9月17日 | 片山さつき財務大臣が「消費税・支援金法案担当大臣」を兼務 |
| 2026年9月29日 | 減税・支援金の導入準備に向け、総額1,119億円の予備費使用を閣議決定 |
| 2026年10月1日 | 政府が関連法案の提出準備状況を国会側に説明 |
| 2026年10月5日 | 第222回臨時国会を召集 |
| 2026年10月9日 | 関連法案を閣議決定し、第222回臨時国会に提出 |
| 2026年10月20日 | 衆議院本会議で片山国務大臣が法案の趣旨を説明し、与野党議員が質疑 |
| 2026年10月21日時点 | 法案は衆議院で審議中。法律は未成立 |
| 2026年末 | 令和9年度予算編成過程で減税・給付の財源について結論を得る方針 |
| 2027年4月1日(予定) | 関連法案が成立した場合、飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げ、就業者負担軽減支援金を導入 |
| 2029年4月(予定) | 2年間の減税措置が終了し、飲食料品の税率を8%に戻す方針。支援金は本格導入へ移行予定 |
関連法案は国会に提出され、衆議院本会議での審議が始まっています。今後の焦点は、法案が成立し、2027年4月1日から予定どおり減税を実施できるかどうかです。成立すれば、1989年の消費税導入以来、初めての税率引き下げとなります。
「消費税ゼロ」にならなかったのはなぜ?レジ改修に10〜12ヶ月かかるため
公約の「ゼロ」が1%になった最大の理由は、税率0%への改修にはレジや会計システムの対応に10〜12ヶ月かかり、2027年4月の開始に間に合わないためです。経済産業省が2026年4月に小売業界の団体や地方の百貨店・スーパーへ実施したヒアリングで、次の結果が示されました。
| 税率 | システム改修期間 | 2027年4月実施の可能性 |
|---|---|---|
| 0%(ゼロ税率) | 制度詳細の公表後おおむね10〜12ヶ月 | 間に合わない公算が大きい |
| 1% | 制度詳細の公表後最大5〜6ヶ月 | 2026年夏〜秋に決定すれば可能 |
技術的な理由もあります。既存のレジシステムは税率0%という設計を想定しておらず、消費税が0円の商品は非課税扱いとなって0%対象の価格を記載したインボイス(適格請求書)を発行できないシステムが多い、という課題が指摘されていました。2019年の軽減税率導入時は、検討開始から実施まで約4年を要しています。
閣議決定までの流れは?2026年2月の衆院選から9月15日までの経緯
大綱の閣議決定に至るまでには、衆院選での自民党圧勝から半年あまりの議論がありました。主な経緯は次のとおりです。
| 時期 | 動き |
|---|---|
| 2025年10月 | 自民党と日本維新の会の連立政権合意で「飲食料品について2年間に限り消費税の対象としないことも視野に法制化を検討」 |
| 2026年1月23日 | 高市首相が通常国会冒頭で衆議院を解散。「2年間の食料品消費税ゼロ」を選挙公約に |
| 2026年2月8日 | 衆院選で自民党が316議席を獲得し圧勝。自民・維新の連立政権が継続 |
| 2026年2月26日 | 超党派の「社会保障国民会議」が発足(議長:高市首相)。実務者会議の議長は小野寺五典・自民党税調会長 |
| 2026年4月〜5月 | 経済産業省のヒアリングで「ゼロ税率はレジ改修に10〜12ヶ月、1%なら最大5〜6ヶ月」と判明し、1%案が浮上 |
| 2026年6月17日 | 実務者会議の議長が「2027年4月から2年間1%+給付で実質ゼロ」の議長案を提示 |
| 2026年7月21日 | 骨太の方針2026を閣議決定。「本年8月上旬までを目途に、その方針を決定する」と明記 |
| 2026年7月29日 | 社会保障国民会議の親会議が中間とりまとめを決定。減税案と給付案を両論併記 |
| 2026年7月30日 | 高市首相が記者会見で「2027年4月から2年間1%」を正式表明 |
| 2026年8月5日 | 政府が臨時閣議で「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針」を決定 |
| 2026年9月15日 | 政府が臨時閣議で「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」を決定 |
消費税1パーセントの対象は?1%になる飲食料品とならない外食・酒類・新聞
1%になるのは、現在8%の軽減税率が適用されている飲食料品だけです。大綱には「税率1%の対象となる飲食料品の範囲は、税率8%時から変更はない」と明記されました。つまり、いま8%で買えているものが1%になり、いま10%のものは10%のままという整理です。
- 1%:スーパー・コンビニ等で買う食料品、テイクアウト、宅配・出前、ミネラルウォーター、ノンアルコールビール、栄養機能食品など(現行8%のもの)
- 10%:店内飲食(イートイン)、ケータリング、出張料理、ビール・日本酒などの酒類、水道水、医薬品・医薬部外品
- 8%:週2回以上発行される新聞の定期購読分(今回の引き下げの対象外)
食品の税率は1%と10%どっち?店内飲食とテイクアウトの線引き
食品の税率は「何を買ったか」ではなく「どこで・どのように食べるか」で分かれます。同じ商品でも、店内で食べれば10%、持ち帰れば1%になるのが軽減税率制度の枠組みです。2027年4月以降は、現在の8%区分がそのまま1%へ置き換わります。
| 区分 | 2027年4月から1%になる例(現行8%) | 10%のままの例 |
|---|---|---|
| 食べ方 | テイクアウト、宅配、出前、コンビニ弁当の持ち帰り | 店内飲食(イートイン)、ケータリング、出張料理 |
| 飲み物 | ミネラルウォーター、ノンアルコールビール、甘酒(アルコール1%未満) | ビール・日本酒・ワインなどの酒類、水道水 |
| 調味料 | みりん風調味料(アルコール1%未満)、料理酒(塩を加えた不可飲処理済み) | 本みりん、料理用ワイン |
| その他 | 栄養機能食品、特定保健用食品、おやつ用の氷 | 医薬品・医薬部外品、健康食品でない栄養ドリンク、保冷用の氷 |
おもちゃ付きのお菓子など、食品と食品以外が一体となった「一体資産」は、税抜価格1万円以下で食品の価額の占める割合が3分の2以上であれば、全体が軽減税率の対象になります。この区分も現行のまま1%へ移行する見通しです。
外食は10%のままのため、店内飲食と持ち帰りの税率差は現在の2ポイントから9ポイントへ一気に広がります。政府はこの点を踏まえ、外食事業者に対してテイクアウト等の多角化を支援する方針を大綱に盛り込みました。
新聞は8%のまま|施行後は1%・8%・10%の3税率が併存
週2回以上発行される新聞の定期購読分は、今回の引き下げの対象外で8%のまま据え置かれます。大綱の注記に「税率8%の軽減税率が適用されている『週2回以上発行される新聞の定期購読分』については、今般の税率引下げの対象外」と明記されました。
その結果、2027年4月以降は1%(飲食料品)・8%(新聞)・10%(標準税率)の3つの税率が併存することになります。買う側にとっては分かりにくく、事業者にとっては区分経理がこれまでより複雑になる点が実務上のポイントです。
なお大綱では、適格請求書(インボイス)や仕入明細書の「適用税率」欄には特例税率1%を、「消費税額等」欄には1%に基づく税額を記載すると定められました。売上げの返品・値引き、貸倒れ、仕入れの返品等があった場合も1%で計算します。
「実質ゼロ」の中身は?1%減税+就業者負担軽減支援金で還元
「実質ゼロ」とは、残る1%相当分(年約6,000億円)の範囲内で中低所得の就業者に「就業者負担軽減支援金」を支給し、飲食料品にかかる消費税を実質的にゼロにするという考え方です。9月15日の大綱で、8月時点では「所得に連動したきめ細かな給付」と呼ばれていたこの制度に正式名称が付き、2027年4月からの導入が決まりました。
- 2027年4月:飲食料品の消費税率を1%へ引き下げ(全所得階層に効果が及ぶ)。同月に就業者負担軽減支援金を導入
- 令和9・10年度:支援金は飲食料品の消費税1%相当分の範囲内で実施(=減税とあわせて実質ゼロ化)
- 2029年(令和11年)4月:減税が終了して8%へ戻る。同じ月から支援金が本格導入へ移行し、恒久財源を確保して実施
減税と支援金は「つなぎ」と「本格導入」の関係にあります。2年間の減税が終わる月に給付へバトンを渡す設計になっているため、減税の開始日と終了日は支援金のスケジュールと一体で決まっています。
2026年9月29日には、支援金の導入準備として338億円の予備費使用が閣議決定されました。自治体の税務システム等の改修に対する補助や、公金受取口座登録システムの改修などに充てられます。なお、338億円は支援金そのものの給付総額ではありません。
支援金の対象は、一定の勤労所得があり、一定の税・社会保険料負担がある中低所得の就業者です。判定は世帯ではなく個人単位で、単身者・個人事業主・フリーランスも条件を満たせば対象に入ります。金額は一律ではなく、所得と扶養児童の数に応じて変わります。対象となる4つの要件、支援額を決める6つの基準、申請方法や公金受取口座の扱いは、専用記事で詳しく解説しています。
なお、この支援金は政府が改革の本丸と位置づける給付付き税額控除の第一歩にあたる制度です。給付付き税額控除そのものの仕組みや今後の論点は、別記事で整理しています。
減税で指摘された課題は?高所得者ほど恩恵・価格転嫁・2年後の反動
飲食料品の消費税減税には、社会保障国民会議の実務者会議で複数の課題が指摘されました。中間とりまとめに記載された主な論点は次のとおりです。
| 指摘された課題 | 内容 |
|---|---|
| 高所得者ほど恩恵が大きい | 食費の絶対額が大きい世帯ほど減税額も大きくなり、再分配の観点で逆進的になりうる |
| 減税分ほど価格が下がらない可能性 | 税率が下がっても事業者が税込価格を据え置けば、消費者の負担は軽くならない |
| 2年後の税率引き上げに係る懸念 | 減税終了時に負担増となる人が多く、1%からの引き上げは反動が大きい |
| 農林漁業者等への影響 | 仕入税額控除の還付が受けられない免税事業者などは手取りが減るおそれがある |
| 事業者の事務負担 | 2年間の措置のためにレジ改修・区分経理の見直しが必要になる |
| 地方を含めた財源の確保 | 消費税は地方の財源でもあり、地方の財政運営に支障が生じない対応が必要 |
これらの課題を踏まえ、実務者会議では「減税ではなく給付で対応すべき」との意見や「恒久的に減税すべき」との意見も出され、最終的に具体案について意見の一致には至りませんでした。大綱は、こうした両論を踏まえたうえで政府が判断した結果です。
事業者は何を準備する?レジ改修・総額表示・簡易課税の特例と使える補助金
事業者が最優先で確認すべきは、レジ・会計・受発注システムが2027年4月の税率変更に間に合うかです。改修には制度詳細の公表後で最大5〜6ヶ月かかるとされ、施行後は1%・8%・10%の3税率が併存するため区分経理も複雑になります。大綱は、この点について国の支援方針を明記しました。
大綱に明記されたレジ支援|スマートレジ移行・レジ改修を行う中小企業等を支援
大綱には「消費税率の臨時的な引下げの円滑な実施に向けたスマートレジシステムへの移行やレジシステムの改修を行う中小企業等に対する支援を行う」と明記されました。あわせて、緊急時における消費税率の変更に柔軟に対応できるシステムの普及促進を図ることも盛り込まれています。
政府は2026年9月29日、飲食料品の消費税率引下げに向け、中小企業等のスマートレジ導入やPOSレジ改修への支援などに必要な経費として、781億円の予備費使用を閣議決定しました。なお、781億円は関連支援等の予算措置であり、個別の補助額や申請条件を示すものではありません。
経済産業省はこれに先立つ6月15日、デジタル化・AI導入補助金での優先採択や、よろず支援拠点への特別相談窓口の設置を発表しています。事業者は今後公表される支援制度の詳細を確認する必要があります。
大綱では、事業者やシステムメーカーが早期に準備へ着手できるよう、関係府省庁が制度の詳細をできる限り早急に公表して広報を開始するとされました。制度の詳細公表がレジ改修のスタート合図になるため、公表を待ってから見積もりを取り始めると逆算が苦しくなります。
スマートレジの事前着手制度|2026年9月15日以降の導入・改修も対象に
中小企業庁は、飲食料品の消費税率引下げに備える事業者向けに、デジタル化・AI導入補助金を活用した「スマートレジの事前着手制度」を案内しています。
この制度では、2026年9月15日以降に着手した対象のスマートレジ導入やPOSレジ改修について、所定の条件を満たせば、交付決定前に実施した取組も補助対象となる場合があります。
通常の補助金では、交付決定前の発注や契約は原則として補助対象外ですが、この制度では税率変更への準備を早期に進められるよう例外が設けられています。
ただし、事前着手が認められることと、補助金の交付が決定することは別です。対象となるITツールや経費、申請手続きなどの要件を満たす必要があります。制度の利用を検討する際は、必ず公式案内を確認してください。
出典:中小企業庁「変化の時代に対応できるスマートレジの導入支援(事前着手制度)」
POSレジ・スマートレジの導入や入れ替えに使える補助金は?
レジの入れ替えやスマートレジへの移行には、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)・小規模事業者持続化補助金・業務改善助成金など、既存の補助金・助成金がそのまま使えます。税率変更に向けた支援の予算措置も決まったため、既存の補助金とあわせて、今後公表される申請条件や募集スケジュールを確認しましょう。
| 制度 | POSレジ・スマートレジでの使いどころ | 補助額の目安 |
|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠) | インボイス対応の会計・受発注・決済ソフトとセットでレジ・券売機等を導入する | レジ・券売機等のハードウェアは補助率1/2・最大20万円 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓とあわせて業務効率化としてレジを導入する | 通常枠50万円・賃金引上げ枠等は200万円(インボイス特例で+50万円) |
| 業務改善助成金 | 事業場内最低賃金の引き上げとセットで生産性向上設備として導入する | 最大600万円 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 自社専用のオリジナルPOSシステムを開発し新サービスの核とする | 革新的新製品・サービス枠で750万円〜2,500万円 |
注意点は、デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠では、レジ等のハードウェア単体では申請できず、対象となるインボイス対応ソフトとの組み合わせが必要になることです。また、交付決定前の発注・購入は原則として補助対象外ですが、スマートレジの事前着手制度には例外があります。ただし、例外が適用されるのは所定の条件を満たす取組に限られ、事前着手によって採択や交付が保証されるわけではありません。制度ごとの要件・補助率・締切と、業種別の選び方は次の記事にまとめています。
総額表示義務の特例|最大各2ヶ月間は旧税率の総額表示でもよい
総額表示義務は維持されますが、直ちに対応できない事情がある場合に限り、税率変更の前後で最大各2ヶ月間の猶予が設けられます。夜間の値札の貼り替えが間に合わない、カタログや商品パッケージに価格が印字されているといったケースが想定されています。
| 期間 | 表示してよい税込価格 |
|---|---|
| 2027年2月1日〜3月31日 | 特例税率(1%)に基づく税込価格 |
| 2027年4月1日〜5月31日 | 軽減税率(8%)に基づく税込価格 |
| 2029年2月1日〜3月31日 | 軽減税率(8%)に基づく税込価格 |
| 2029年4月1日〜5月31日 | 特例税率(1%)に基づく税込価格 |
適用の条件は、表示した価格が本来表示すべき税込価格だと誤認されないための措置を講じていることです。税抜価格(本体価格)だけを表示する方法や、税抜価格に続けて「+税」とだけ表示する方法は、引き続き認められません。
簡易課税・中間申告・予約販売の経過措置は?
大綱には、税率引き下げによる事業者の不利益を避けるための特例が4つ盛り込まれました。いずれも申告実務に直結する内容です。
| 特例 | 内容 |
|---|---|
| 本則課税への移行特例 | 課税事業者選択届出書・簡易課税制度選択不適用届出書を「課税期間の末日まで」に提出すれば初日の前日に提出したものとみなす。簡易課税のいわゆる2年縛りも適用しない |
| 簡易課税制度の特例 | 飲食料品の譲渡について、業種区分にかかわらず仕入控除税額を売上税額と同額とする(=納付税額が発生しない)。2割特例・3割特例の適用時も同様 |
| 中間申告の特例 | 2027年4月1日以後に開始する中間申告対象期間は、前課税期間に1%が適用されたものとして再計算した中間申告税額を記載できる(ゼロの場合は零) |
| 予約販売・通信販売の経過措置 | 2027年1月1日前に締結した定期供給契約で同年4月1日前に対価を領収している分、通信販売で同年1月1日前に販売条件を提示し同年4月1日前に申込みを受けた分は、1%ではなく8%を適用 |
簡易課税事業者や免税事業者は、還付を受けるために本則課税へ移行したほうが有利になる場合があります。届出期限の後ろ倒しと2年縛りの解除は、そのための特例です。どちらが有利かは売上構成によって変わるため、早めに税理士へ相談しておくと安心です。
農林漁業者・食品事業者・外食事業者への支援は?
減税の影響を受ける事業者向けに、大綱は業種別の支援方針を示しました。予算編成過程で内容が具体化されます。
| 対象 | 課題 | 大綱に示された対応 |
|---|---|---|
| 農林漁業者 | 売上税額の減少。とくに簡易課税事業者・免税事業者は仕入税額を回収できない | 利子負担を考慮した資金繰り支援。本則課税への移行が困難な事業者には個別の売上高を踏まえた金額を給付する仕組みを導入 |
| 食品事業者 | 税率変更に伴う資金繰りとシステム対応 | 資金繰り支援、生産性向上に向けた省力化等の取組の支援 |
| 外食事業者 | 外食は10%のままで、店内飲食から中食・内食へ需要が移る減収リスク | テイクアウト等の多角化の支援。影響の及ぶ業態を見極めたうえで的確な支援を講じる |
| 共通 | 本則課税事業者への移行に伴う事務負担 | 移行時の相談対応、税理士費用等の経費に対する支援 |
大綱で決まったこと・決まっていないこと
2026年9月15日の大綱で決まったのは「税率・期間・経過措置・支援金の枠組み」であり、財源の具体策や支援金の金額・対象年収は令和9年度の予算編成まで持ち越しとなりました。決定事項と未確定事項を分けて把握しておくことが大切です。
- 令和9年4月1日から令和11年3月31日まで、軽減税率対象の飲食料品の消費税率を1%(国税0.78%+地方消費税0.22%相当分)とする
- 1%の対象範囲は8%時から変更しない。新聞の定期購読分は8%のまま対象外
- 1%相当分の範囲内で「就業者負担軽減支援金」を令和9年4月に導入し、減税とセットで実質ゼロ化を実現する
- 総額表示義務の特例、簡易課税の特例、中間申告の特例、予約販売・通信販売の経過措置を設ける
- スマートレジへの移行・レジ改修を行う中小企業等への支援を行う
- 地方消費税の減収額は全額を地方特例交付金で補填する
- 財源は特例公債(赤字国債)に頼らないことを明記
- 財源の具体策(令和9年度予算編成プロセスで結論を得るとされた)
- 支援金の金額と、対象となる所得水準(年末の予算編成を経て決定)
- レジ支援や農林漁業者・外食事業者向け支援の中身(予算編成過程で具体化)
- 法案の成立時期(10月上旬召集見込みの臨時国会で審議)
財源はどうする?特例公債に頼らず令和9年度予算編成で結論
大綱では、市場の信認を得られるよう特例公債(赤字国債)に頼らないことを明記し、補助金等・租税特別措置の適正化、追加的な租税収入以外の収入の確保など、歳出・歳入全般の見直しを通じて確保するとされました。減税と給付を合わせた財政負担は年約5兆円、2年間で計10兆円規模にのぼります。
財源の議論は、恒久施策とつなぎ措置で結論を出す時期が分けられています。
| 区分 | 対象 | 結論の時期 |
|---|---|---|
| 恒久財源 | 令和11年度以降の就業者負担軽減支援金 | 予算編成改革の具体化の状況を踏まえ早期に結論 |
| つなぎの財源 | 飲食料品の消費税1%への引き下げ(2年間)と給付費の国負担分 | 令和9年度予算編成過程で結論 |
具体策として名前が挙がっているのは、租税特別措置・補助金の深掘りした見直し、外国為替資金特別会計や独立行政法人からの納付金といった税外収入の上積み、特別会計・基金の見直しです。ただし大綱の時点で具体策は示されておらず、年末の予算編成が次の焦点となります。
なお、2026年10月19日には、高市首相が減税財源に関して国債発行の可能性を排除しない趣旨の発言をしたと報じられています。一方、9月15日の大綱では、特例公債に頼らず財源を確保する方針が示されています。国債発行に関する報道だけをもって、大綱の財源方針が正式に変更されたと判断することはできません。今後の国会審議や予算編成で示される内容を確認する必要があります。
参考:Reuters「2026年10月19日の減税財源に関する報道」
2年後に本当に8%へ戻る?景気条項は盛り込まない方針
高市首相は「2年後には私が責任を持って、確実に税率を元に戻す」と明言しており、景気次第で減税を延長する「景気条項」は法案に盛り込まない方針が示されています。
その根拠となるのが、令和11年度に本格実施される就業者負担軽減支援金です。大綱では、税率が8%へ戻る2029年(令和11年)4月に支援金の先行支給を行い、減税の終了と給付の本格導入を切れ目なくつなぐ設計が定められました。負担増が生じる月に給付が届く形にすることで、税率を戻す際の反動を抑える狙いです。
ただし、消費税率が下がった状態から元に戻す政治的な難しさを指摘する声は与野党双方にあります。秋の臨時国会での審議が注目されます。
食料品消費税1%で家計はいくら安くなる?世帯別シミュレーション
飲食料品の消費税が8%から1%に下がると、4人世帯で年間約7.8万円の負担減が見込まれます。総務省家計調査の世帯別食費支出(外食・酒類除く)をもとに、1%案と、仮にゼロ税率だった場合の効果を比べました。
| 世帯構成 | 月間食費(税込・目安) | 1%への引き下げ(決定) | 参考:ゼロ税率の場合 |
|---|---|---|---|
| 単身世帯 | 約3万円 | 年間約2.3万円 | 年間約2.7万円 |
| 2人世帯 | 約6万円 | 年間約4.7万円 | 年間約5.3万円 |
| 3人世帯 | 約8万円 | 年間約6.2万円 | 年間約7.1万円 |
| 4人世帯 | 約10万円 | 年間約7.8万円 | 年間約8.9万円 |
| 5人世帯 | 約12万円 | 年間約9.3万円 | 年間約10.7万円 |
※計算式:税込の月間食費×12ヶ月×7÷108(8%→1%の場合)、×8÷108(8%→0%の場合)。外食・酒類を除く食料品支出を想定。報道によっては税込食費に単純に7%を掛けた概算(4人世帯で年約8.4万円)が使われる場合もあります。
これに加えて、令和9年度(2027年度)からは1%相当分(年約6,000億円)を原資とする就業者負担軽減支援金が中低所得の就業者に支給されます。対象となる方は、減税分と支援金の両方を受け取れることになります。
消費税はいつから何%だった?1989年3%からの推移と軽減税率のしくみ
日本の消費税は1989年4月1日に税率3%で導入され、5%・8%・10%と3度の引き上げを経て現在に至ります。2027年4月の飲食料品1%は、この歴史のなかで初めての「引き下げ」となります。
消費税はいつから始まった?3%から10%までの推移
消費税の税率がいつ何%に変わったのかを時系列で並べると、次のとおりです。
| 実施時期 | 税率 | 内訳(国/地方) |
|---|---|---|
| 1989年4月1日 | 3% | 消費税の導入 |
| 1997年4月1日 | 5% | 国4%/地方消費税1% |
| 2014年4月1日 | 8% | 国6.3%/地方1.7% |
| 2019年10月1日 | 10%(軽減税率8%を同時導入) | 標準税率は国7.8%/地方2.2% |
| 2027年4月1日(予定) | 飲食料品のみ1%(2年間限定) | 国0.78%/地方0.22%。導入以来はじめての引き下げ |
2019年10月の10%への引き上げと同時に導入されたのが軽減税率制度です。増税による家計の負担感をやわらげる目的で、生活必需品の一部だけ税率を8%に据え置く仕組みが設けられました。
軽減税率8%はいつから?対象は飲食料品と新聞
軽減税率制度は2019年10月1日に始まり、対象は「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)」の2つです。この2つだけが8%、それ以外はすべて10%が適用されています。
2027年4月の引き下げで1%になるのは、大綱で「軽減税率の対象となっている飲食料品」と特定されているとおり、飲食料品のみです。同じ軽減税率対象でも新聞は8%のまま据え置かれます。
消費税は15%に上がる?なくなる?今後の増税・減税の見通し
消費税を15%へ引き上げる方針も、消費税を廃止する方針も、2026年10月時点で政府として決まっていません。政府が閣議決定したのは、むしろ飲食料品を2年間1%へ引き下げる減税の方針です。ここでは、増税論・減税論の現在地を整理します。
消費税15%への引き上げは決まっている?政府方針にはない
「消費税15%はいつから」という疑問の背景にあるのは、経済団体や有識者からの提言です。財政制度等審議会や経済団体の提言では、プライマリーバランスの黒字化には15%程度への引き上げが必要との試算が示されてきました。ただし、これらはあくまで民間や審議会の提言であり、政府の決定ではありません。
| 論点 | 2026年10月時点の状況 |
|---|---|
| 消費税15%への引き上げ | 政府方針として決定・検討されていない。経済団体等の提言にとどまる |
| 標準税率10%の変更 | 変更の予定なし。外食・酒類を含め10%が維持される見通し |
| 飲食料品の税率 | 2027年4月から2年間1%へ引き下げることが大綱で決定済み |
| 新聞(定期購読) | 8%のまま据え置き |
高市内閣は「責任ある積極財政」を掲げ、骨太の方針2026では単年度のプライマリーバランス黒字化を機械的に追うのではなく、債務残高対GDP比の安定的な低下を中核に据える方針が示されました。増税より減税・給付に軸足を置いた政策運営が続いています。
消費税はなくなる?廃止・5%への引き下げは各党の主張にとどまる
消費税をなくす(廃止する)方針や5%へ引き下げる方針は、2026年10月6日時点で政府としては決定していません。廃止や大幅減税を掲げているのは一部の野党で、公約段階にとどまっています。2026年2月の衆院選で各党が掲げた消費税減税の公約は次のとおりです。
| 政党 | 主な案 | 期間 | 財源見込み(税収減) |
|---|---|---|---|
| 自民党(政府) | 食料品消費税ゼロ → 1%で大綱決定(2027年4月から) | 2年間限定 | 減税と給付で年約5兆円 |
| 日本維新の会 | 食料品消費税の引き下げ(自民と連立) | 2年間限定 | 自民案に同調 |
| 立憲民主党・中道改革連合 | 食料品消費税ゼロ(恒久) | 恒久 | 年約5兆円 |
| 公明党 | 食料品の税率引き下げを検討 | 未定 | ― |
| 国民民主党 | 消費税率を一律5%に引き下げ | 賃金上昇が安定して2%上回るまで | 年約15兆円 |
| 日本保守党 | 食料品消費税ゼロ(恒久) | 恒久 | 年約5兆円 |
| 参政党 | 消費税の段階的廃止 | ― | ― |
| 社民党・共産党 | 消費税率ゼロ・5%への引き下げ | ― | ― |
| れいわ新選組 | 消費税の即時廃止 | 恒久 | 年約31兆円 |
高市首相は2025年5月に「食料品の消費税率は0%にすべき」と主張し、2026年1月の衆院解散会見でも「私自身の悲願」と強調してきました。今回1%となったことについては、負担軽減の「十分性」と「迅速性」の双方を追求した結果、給付と組み合わせる形が最善と判断したと説明しています。
食料品の税率がゼロの国はどこ?海外7カ国の事例
イギリス、アイルランド、カナダ、オーストラリアなど、生活必需品である食料品にゼロ税率を適用している国は複数あります。日本の議論でも参考事例として取り上げられてきました。
| 国名 | 食料品税率 | 標準税率 |
|---|---|---|
| イギリス | 0% | 20% |
| アイルランド | 0% | 23% |
| カナダ | 0% | 5% |
| オーストラリア | 0% | 10% |
| マルタ | 0% | 18% |
| メキシコ | 0% | 16% |
| アメリカ(多くの州) | 非課税 | 州により異なる |
これらの国に共通するのは、生鮮食料品やパン・牛乳など基本食料品を対象とし、外食や菓子類には標準税率を適用している点です。日本の現行軽減税率制度も、こうした海外の運用を参考に2019年に導入されました。
減税は2027年4月から|今すぐ使える食費支援の3つの制度
税率が下がるのは2027年4月からのため、それまでの期間をどう乗り切るかが実務的な課題です。ここでは、家計の食費負担を直接軽くできる3つの制度を紹介します。
(1)自治体の物価高騰対応給付金・プレミアム商品券
各自治体が国の重点支援地方交付金を活用し、給付金や商品券を支給しています。給付方法や金額は自治体ごとに異なり、現金・商品券・地域限定ポイントで還元される場合もあります。
対象となる人には自治体から案内が届くことが多い一方、申請が必要なケースもあります。お住まいの市区町村のホームページを確認するか、市役所・区役所の窓口に問い合わせてみましょう。
(2)生活困窮者自立支援制度
生活困窮者自立支援制度は、経済的な理由で最低限度の生活を維持することが難しくなるおそれのある方を対象に、包括的な支援を行う制度です。次のような支援を通じて、生活の再建をサポートします。
- 自立相談支援:生活や経済的な困難の相談を受け、状況に応じた支援計画を作成
- 住居確保給付金:離職や収入減で住居を失うおそれのある方への家賃支援
- 一時生活支援:住まいや収入がなく生活が極めて困難な方への宿泊・食事の提供
- 就労準備支援/就労訓練:すぐに働くのが難しい方への段階的な就労支援
9月15日の大綱では、支援金の対象とならない低所得の就業者や、疾病・障害等で就業が困難な方について、生活困窮者自立支援制度など既存制度との関係を整理し、令和10年度中に結論を得るとされました。
(3)フードバンク・地域NPOの食料支援
フードバンクや地域NPOによる食料支援は、食品の無償提供を通じて食費負担を軽減する取り組みです。税制改正を待たずに利用できる、実質的な食費支援といえます。
| 団体名 | 活動内容 |
|---|---|
| フードバンクちば(千葉県) | 企業や個人から提供された食品を、生活に困っている方々へ無償で届ける活動を実施 |
| フードバンク渋谷(東京都渋谷区) | 地域のひとり親家庭や外国人家庭、障がい者世帯などに対し、食品の提供を実施 |
| フードバンクTAMA(東京都多摩地域) | 児童福祉施設や子ども食堂、ひとり親家庭への食品支援を実施し、顔の見える支援を心掛ける |
参考:フードバンクちば/フードバンク渋谷/フードバンクTAMA
消費税減税・食料品消費税1%に関するよくある質問(FAQ)
消費税減税はいつから始まりますか?いつまで続きますか?
政府は、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、軽減税率対象の飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げる方針です。外食・酒類は10%のまま対象外となります。2026年10月9日に関連法案が国会へ提出され、10月20日には衆議院本会議で趣旨説明と質疑が行われました。ただし、10月21日時点で法案は成立しておらず、開始には国会での成立が必要です。
消費税1パーセントはいつからですか?内訳はどうなっていますか?
2027年4月1日からの2年間で、対象は軽減税率対象の飲食料品のみです。税率1%の内訳は国税0.78%と地方消費税0.22%相当分の合計です。標準税率(外食・酒類など)は10%、新聞の定期購読分は8%のまま据え置かれるため、施行後は1%・8%・10%の3税率が併存する形になります。1%が選ばれたのは、税率0%へのシステム改修に10〜12ヶ月かかるのに対し、1%なら最大5〜6ヶ月で対応できるためです。技術的にも、消費税が0円の商品は非課税扱いとなり0%対象の価格を記載したインボイスを発行できないシステムが多いという課題がありました。
消費税減税はもう決定したのですか?
政府の方針としては決定していますが、2026年10月21日時点で法律はまだ成立していません。政府は9月15日に大綱を閣議決定し、10月9日に関連法案を国会へ提出しました。10月20日には衆議院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、現在も審議が続いています。飲食料品の消費税率を2027年4月1日から1%へ引き下げる予定ですが、実施には法律の成立が必要です。
消費税1%の対象になるのはどの食品ですか?
現在8%の軽減税率が適用されている飲食料品がそのまま1%の対象になります。大綱には「税率1%の対象となる飲食料品の範囲は、税率8%時から変更はない」と明記されました。スーパーやコンビニで買う食料品、テイクアウト、宅配・出前、ミネラルウォーター、ノンアルコールビール、栄養機能食品などが対象です。一方、店内飲食(イートイン)、ケータリング、ビール・日本酒などの酒類、医薬品・医薬部外品は10%のままで、週2回以上発行される新聞の定期購読分は8%のまま据え置かれます。
食料品消費税ゼロはいつから始まりますか?
完全なゼロ税率は実施されません。2026年9月15日に閣議決定された大綱では、飲食料品の消費税率を2027年4月1日から2年間、8%から1%に引き下げる内容が定められました。ゼロ税率はレジ改修に10〜12ヶ月かかり2027年4月の開始に間に合わないため見送られ、最大5〜6ヶ月で対応できる1%案が採用されています。ただし1%相当分(年約6,000億円)の範囲内で中低所得の就業者に「就業者負担軽減支援金」が支給されるため、対象となる方にとっては「実質ゼロ」となる設計です。
1%相当分の「実質ゼロ」はどうやって還元されるのですか?
2027年4月に導入される「就業者負担軽減支援金」で還元されます。飲食料品の消費税1%相当分(年約6,000億円)の範囲内で、中低所得の就業者に現金が支給される仕組みです。減税で全所得階層の食費負担を下げたうえで、残る1%分を支援金で戻すことにより、対象となる方にとっては飲食料品の消費税が実質的にゼロになる設計になっています。判定は世帯ではなく個人単位で、単身者・個人事業主・フリーランスも条件を満たせば対象です。対象要件や支援額の決まり方、申請方法の詳細は「就業者負担軽減支援金とは?」の記事で解説しています。
消費税はなくなるのですか?廃止はいつからですか?
消費税を廃止する方針は、2026年10月6日時点で政府として決定されていません。れいわ新選組が消費税の即時廃止を、参政党が段階的廃止を、社民党・共産党が消費税率ゼロや5%への引き下げをそれぞれ公約に掲げていますが、いずれも実現の見通しは立っていません。財務省試算では、廃止した場合の税収減は年約31兆円にのぼります。政府が決定したのは、飲食料品のみ2年間限定で1%とする措置であり、標準税率10%や外食・酒類の税率は維持される見通しです。
消費税は15パーセントに上がりますか?いつからですか?
消費税を15%へ引き上げる方針は、2026年10月6日時点で政府として決定も検討もされていません。財政制度等審議会や経済団体の提言でプライマリーバランス黒字化には15%程度が必要との試算が示されてきましたが、これらは民間・審議会の提言であり政府方針ではありません。むしろ政府が2026年9月15日に閣議決定したのは、飲食料品を2027年4月から2年間1%へ引き下げる減税の大綱です。標準税率10%についても変更の予定はなく、外食・酒類は10%が維持される見通しです。
消費税5パーセントへの引き下げはありますか?
一律5%への引き下げは、政府方針には含まれていません。国民民主党が「賃金上昇が安定して2%を上回るまで一律5%とする」案を公約に掲げていますが、実現の見通しは立っておらず、財務省試算では年約15兆円の税収減とされています。政府が決定したのは飲食料品のみ2年間1%とする措置であり、標準税率10%を5%に下げる案は含まれていません。
消費税はいつから始まりましたか?税率はどう変わってきましたか?
消費税は1989年4月1日に税率3%で導入されました。その後1997年4月1日に5%、2014年4月1日に8%、2019年10月1日に10%へと3度引き上げられています。2019年10月の引き上げと同時に軽減税率制度が導入され、酒類・外食を除く飲食料品と週2回以上発行の新聞(定期購読契約)は8%に据え置かれました。2027年4月に予定されている飲食料品1%への引き下げは、導入以来はじめての税率引き下げとなります。
軽減税率はいつから始まりましたか?対象は何ですか?
軽減税率制度は2019年10月1日、消費税率が8%から10%へ引き上げられたのと同時に始まりました。対象は「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)」の2つで、これらだけが8%、それ以外はすべて10%です。2027年4月に1%へ下がるのは飲食料品のみで、新聞は8%のまま据え置かれます。その結果、施行後は1%・8%・10%の3つの税率が併存することになります。
食品の税率は1%と10%のどちらですか?
食品の税率は「どこで・どのように食べるか」で分かれます。2027年4月以降、テイクアウト・宅配・出前は1%、店内飲食(イートイン)やケータリングは10%です。飲み物ではミネラルウォーターやノンアルコールビールが1%、ビール・日本酒などの酒類と水道水が10%です。調味料ではみりん風調味料が1%、本みりんが10%となります。医薬品・医薬部外品は食品に該当しないため10%です。現行の8%区分がそのまま1%へ置き換わるため、判定基準は変わりません。
食料品消費税の引き下げで家計はいくらプラスになりますか?
世帯構成と月間食費によります。総務省の家計調査をもとに試算すると、4人世帯で年間約7.8万円、3人世帯で約6.2万円、2人世帯で約4.7万円、単身世帯で約2.3万円の負担減となります。計算式は税込の月間食費×12ヶ月×7÷108です。さらに2027年4月からは、中低所得の就業者に就業者負担軽減支援金が上乗せされるため、対象となる方の効果はこれより大きくなります。ただし事業者が税込価格を据え置けば減税分ほど値下がりしない可能性も指摘されています。
事業者はレジをいつまでに改修すればよいですか?
レジ・会計・受発注システムの改修には制度詳細の公表後で最大5〜6ヶ月かかるとされており、2027年4月の施行に向けて早めの着手が必要です。大綱では、事業者やシステムメーカーが早期に準備へ着手できるよう、関係府省庁が制度の詳細をできる限り早急に公表して広報を開始するとされました。施行後は1%・8%・10%の3税率が併存するため、区分経理もこれまでより複雑になります。総額表示については、直ちに対応できない事情がある場合に限り、2027年2月1日〜3月31日と2027年4月1日〜5月31日の最大各2ヶ月間、旧税率・新税率に基づく総額表示が認められます。
レジ改修やPOSレジの入れ替えに補助金は使えますか?
使える場合があります。政府は2026年9月29日、スマートレジ導入やPOSレジ改修への支援などに必要な経費として、781億円の予備費使用を閣議決定しました。また、デジタル化・AI導入補助金では、対象となるインボイス対応ソフトとセットで導入するレジ・券売機等が補助対象になります。レジ等のハードウェアは補助率1/2・最大20万円です。通常は交付決定前の発注・購入が補助対象外ですが、2026年9月15日以降の対象となるスマートレジ導入・POSレジ改修には、事前着手を認める特例があります。適用には所定の条件があり、補助金の交付が保証されるわけではありません。
簡易課税事業者や免税事業者はどうなりますか?
大綱で特例が設けられました。簡易課税制度の適用事業者については、飲食料品の譲渡に対応する仕入控除税額を業種区分にかかわらず売上税額と同額とする特例が設けられ、実質的に納付税額が発生しない扱いになります(2割特例・3割特例の適用時も同様)。また、還付を受けるために本則課税へ移行したい事業者向けに、課税事業者選択届出書等の提出期限を「課税期間の末日」まで後ろ倒しする特例と、簡易課税のいわゆる2年縛りを解除する特例も用意されます。移行時の相談対応や税理士費用等の経費に対する支援も行われる方針です。
2年後に本当に8%へ戻るのですか?景気条項はありますか?
政府は2年間の時限措置としており、景気に応じて減税を延長する「景気条項」は法案に盛り込まない方針です。高市首相は「2年後には私が責任を持って、確実に税率を元に戻す」と明言しています。大綱では、税率が8%へ戻る2029年(令和11年)4月に就業者負担軽減支援金の先行支給を行い、減税の終了と給付の本格導入を切れ目なくつなぐ設計が定められました。ただし、実務者会議では1%から8%へ戻す際の反動の大きさを指摘する意見も出ています。
減税を待つ間に使える支援制度はありますか?
あります。各自治体が実施する物価高騰対応の給付金・プレミアム商品券、生活困窮者自立支援制度(自立相談支援・住居確保給付金・一時生活支援等)、地域のフードバンク(フードバンクちば・フードバンク渋谷・フードバンクTAMA等)などが利用できます。住民税非課税世帯向けの給付金を継続実施している自治体もあるため、お住まいの市区町村のホームページや窓口で確認することをおすすめします。あわせて、今後の給付を確実に受け取れるよう、マイナポータルで公金受取口座を登録しておくとよいでしょう。
まとめ|消費税減税は2027年4月から、食料品が8%→1%に引き下げ
「消費税減税はいつから?」「消費税1パーセントはいつから?」「食料品消費税ゼロはいつから?」――政府は、2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げ、就業者負担軽減支援金と合わせて実質的な負担軽減を図る方針です。2026年9月15日に大綱が閣議決定され、10月9日には関連法案が国会に提出されました。10月20日には衆議院本会議で審議が行われています。ただし、10月21日時点で法案はまだ成立していません。以下が現在の主なポイントです。
- 2026年9月15日、政府が飲食料品消費税率の引下げと就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱を閣議決定
- 10月9日に関連法案を国会へ提出。10月20日には衆議院本会議で趣旨説明と質疑を実施
- 2026年10月21日時点で関連法案は未成立。今後の国会審議が焦点
- 法案が成立すれば、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、軽減税率対象の飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げ
- 1%の対象範囲は現行の8%時から変更なし。外食・酒類は10%、新聞の定期購読分は8%のままで3税率が併存
- 実施されれば1989年の消費税導入以来初めての税率引き下げ。景気条項は盛り込まない方針
- ゼロ税率はレジ改修に10〜12ヶ月かかるため見送り。1%なら最大5〜6ヶ月で対応可能とされた
- 飲食料品の消費税1%相当分の範囲内で、中低所得の就業者に「就業者負担軽減支援金」を支給する方針
- 総額表示義務の特例、簡易課税の特例、中間申告の特例、予約販売・通信販売の経過措置を設ける方針
- 中小企業等のスマートレジ導入・レジ改修を支援。2026年9月15日以降の対象経費には事前着手制度も用意
- 農林漁業者には資金繰り支援と個別給付、外食事業者にはテイクアウト等の多角化支援を行う方針
- 大綱では特例公債に頼らず財源を確保する方針。具体策は令和9年度予算編成過程で結論を得る予定
- 家計の負担減は4人世帯で年間約7.8万円が目安。実際の価格への反映状況によって効果は異なる
- 消費税15%への引き上げも、消費税の全面廃止も、政府方針としては決定していない
物価高の影響を受けやすい食料品について、政府は2027年4月からの減税を予定しています。関連法案は国会に提出され、審議が進んでいますが、実施には法律の成立が必要です。それまでの間、家計では自治体の給付金や食費支援制度などを確認し、事業者はレジ・会計システムの税率変更への対応や、スマートレジ事前着手制度などの支援策を確認しておきましょう。
おすすめリンク・参考情報
【飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱(内閣官房)】
2026年9月15日に閣議決定された大綱の本文と概要資料。税率・期間・経過措置・支援金の設計が一次情報で確認できます。
▶内閣官房|「飲食料品に係る消費税率の引下げ」及び「給付付き税額控除」について
【令和9年度及び令和10年度の飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ(財務省)】
財務省による特設ページ。今後、法律・政令・省令の情報もここに追加されていく見込みです。
▶財務省|令和9年度及び令和10年度の飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ
【消費税の軽減税率制度(国税庁)】
8%と10%の線引き、対象品目、区分経理の考え方など、現行制度の詳細が確認できます。
▶国税庁|消費税の軽減税率制度について
【スマートレジシステムの普及に向けた取組(経済産業省)】
税率変更に対応しやすいレジの普及支援策。デジタル化・AI導入補助金の優先採択などが案内されています。
▶経済産業省|スマートレジシステムの普及に向けた取組をさらに加速させます
【フードバンク検索】
お住まいの地域で食品支援を受けたい方や、食品の寄付を検討されている方はこちらをご参照ください。
▶消費者庁|フードバンク活動等
【生活困窮者支援窓口一覧(市区町村別)】
全国の自治体に設置された自立相談支援機関の窓口情報をまとめた一覧です。
▶困窮者支援情報共有サイト〜みんなつながるネットワーク〜|自立相談支援機関 相談窓口一覧
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