環境問題をとりまく状況は、日に日に深刻化しています。世界的にも環境を守る取組や、再生可能エネルギーに対する関心が高まってきました。
日本では特に、太陽発電の普及が進んでいます。京都府ではこうした動きを後押しするため「京都府太陽光発電等導入促進事業補助金」を実施しています。
今回は京都府太陽光発電等導入促進事業補助金の概要やメリット、申請方法についてみていきましょう。
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この記事の目次
京都府太陽光発電等導入促進事業補助金とは?
「京都府太陽光発電等導入促進事業補助金」とは、京都府が脱炭素社会の実現を目指し、再生可能エネルギーの普及促進を目的として設けた補助金制度です。以下の3つの事業が設置されています。
①特定建築主等再エネ導入促進事業 |
「京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」によって再エネ導入義務が課される規模の建築物へ、太陽光発電設備等を導入する費用を支援します。 |
②駐車場・農地等再エネ導入促進事業 |
■駐車場への設置(ソーラーカーポート) 駐車場にソーラーカーポートを導入する事業に対し、ソーラーカーポートや蓄電池の導入費用を支援します。 ■農地・ため池への設置 農地やため池に太陽光発電設備を導入する事業に対し、太陽光発電設備や蓄電池の導入費用を支援します。 |
③共同住宅共用部再エネ導入促進事業 |
マンション等共同住宅の共用部(エレベーターや空調など)における電力使用のために太陽光発電設備および蓄電池を同時導入する費用を支援します。 |
それぞれ対象者や、補助率等が異なります。詳しくみていきましょう。
補助対象者
各事業の対象者は、以下のとおりです。
①特定建築主等再エネ導入促進事業 |
延床面積300㎡以上の事業所に、一定基準以上の太陽光発電設備を導入する民間事業者 (PPA・リースを含む) |
②駐車場・農地等再エネ導入促進事業 |
民間事業者(PPA・リースを含む) |
③共同住宅共用部再エネ導入促進事業 |
共同住宅の管理組合、共同住宅所有者 |
いずれも京都府内の事業所が対象です。また、京都府税を滞納していないことや暴力団関係者でないことも、要件のひとつとなります。
対象事業の要件
対象となる事業の主な要件は、以下のとおりです。
【特定建築主等再エネ導入促進事業】 |
■以下(1)または(1)および(2)の事業であること (1) 京都府内の延べ床面積 300 ㎡以上の建築物において、太陽光発電設備を基準量に1kW 以上上乗せして導入する事業(PPA またはリースによる導入を含む) (2) 上記の太陽光発電設備の附帯設備として、蓄電池を導入する事業 |
■導入しようとする設備が、以下の要件を満たすこと ・エネルギー起源二酸化炭素の排出の削減に効果があるものであること ・各種法令等に遵守した設備であること ・商用化され、導入実績があるものであること ・法定耐用年数を経過するまでの間、 J-クレジット制度への登録を行わないこと ・導入する設備ごとに、国実施要領に定める要件を満たすこと |
【駐車場・農地等再エネ導入促進事業】 |
■以下のいずれかの事業であること ・府内の駐車場等にソーラーカーポートを設置する事業 ・府内の農地又はため池に太陽光発電設備の設置をする事業 |
■導入しようとする設備が、以下の要件を満たすこと ・エネルギー起源二酸化炭素の排出の削減に効果があるものであること ・各種法令等に遵守した設備であること ・商用化され、導入実績があるものであること 等(中古設備は原則対象外) |
【共同住宅共用部再エネ導入促進事業】 |
■府内の共同住宅に、太陽光発電設備と蓄電池を同時に導入する事業であること |
■導入しようとする設備が、以下の要件を満たすこと ・エネルギー起源二酸化炭素の排出の削減に効果があるものであること ・各種法令等に遵守した設備であること ・商用化され、導入実績があるものであること ・法定耐用年数を経過するまでの間、 J-クレジット制度への登録を行わないこと ・PPA またはリースによるものでないこと ・導入する設備により発電された電力について、共同住宅における共用部分のみで使用すること ・導入する設備ごとに、国実施要領に定める要件を満たすこと |
いずれも原則として、中古設備は対象外です。
補助金額
各補助額と上限額は、以下のとおりです。
①特定建築主等再エネ導入促進事業 |
太陽光発電 :次のいずれかの低い額 (上限900万円) ・5万円/kW × 設備導入量(kW) ・基準量に上乗せして導入する費用 |
蓄電池 : 1/3 (上限100万円※) |
②駐車場・農地等再エネ導入促進事業 |
太陽光発電 : 1/3 (上限200万円) |
蓄電池 : 1/3 (上限100万円※) |
➂共同住宅共用部再エネ導入促進事業 |
太陽光発電 : 5万円/kW×設備導入量(kW) (上限200万円) |
蓄電池 : 導入費用の1/3 (上限100万円※) |
※いずれの場合も災害時等に地域へ電力を供給する場合には、蓄電池の最大補助額が「200万円」となります。
申請方法・申請の流れ
次は申請方法について見ていきましょう。事業の実施時期や事業内容によって、申請時期や必要な書類が異なります。必ず要領で、よく確認をしてください。
申請時は交付申請書に必要書類を添えて、以下期間中に申請窓口まで持参してください。
特定建築主等再エネ導入促進事業
補助金の申請や事業の流れは、補助対象事業の計画期間によって異なります。
①令和6年度に事業着手し、令和7年2月末日までに完了する場合
令和6年9月 17 日(火)~令和7年1月31日(金) <必着>
2.実績報告
事業完了後、実績報告書及び必要書類を、以下のうちいずれか早い日までに提出してください。
・補助対象工事完了日から 60 日以内
・令和7年2月 28 日(金)
出典:令和6年度 京都府太陽光発電等導入促進事業補助金(特定建築主等再エネ導入促進事業)申請の手引き
②令和6年度に事業着手し、令和7年4月1日から令和8年2月末日までに完了する場合
(建築物の新増築工事に伴う事業など、相当長期の工期を要するものに限る)
令和6年9月 17 日(火)~令和7年2月 28 日(金)<必着>
2.交付申請
令和7年度の交付申請受付開始から2週間以内に、交付申請を行ってください。
出典:令和6年度 京都府太陽光発電等導入促進事業補助金(特定建築主等再エネ導入促進事業)申請の手引き
駐車場・農地等再エネ導入促進事業・共同住宅共用部再エネ導入促進事業
令和6年11月1日(金)~令和7年1月31日(金) <必着>
2.実績報告
事業完了後、実績報告書及び必要書類を、以下のうちいずれか早い日までに提出してください。
・補助対象工事完了日から 60 日以内
・令和7年2月 28 日(金)
主な申請書類
申請に必要な主な書類は、以下のとおりです。
- 事業計画承認申請書または交付申請書
- 事業計画書
- 申請者の氏名・所在地が分かる資料
- 設備の設置所在地が特定できる資料
- 補助対象経費の根拠となる書類
- 補助対象設備が要件に合致することが分かる資料
- 補助対象設備の工事期間が判別できる資料
- 府税に滞納がないことの証明書
- 口座振替依頼書
そのほか、事業ごとに必要な書類があります。
なお計画の変更時や実施報告時には、別途書類を提出してください。
京都府太陽光発電等導入促進事業補助金活を用するメリット
最も大きなメリットは、太陽光発電設備の導入にかかる初期費用を大幅に抑えられることです。設備の種類や規模によって異なりますが、太陽光発電設備では最大900万円、蓄電池では最大100万円の補助を受けることができます。
さらに災害時に地域へ電力を供給する設備として活用する場合は、蓄電池の補助額が200万円まで増額されます。より手厚い支援を受けるだけでなく、地域の防災力強化にも貢献できます。
太陽光発電の設置は、事業所の電力コストの長期的な削減にもつながり、地域の再生可能エネルギーの普及に貢献しながら、経営の効率化を目指すことが可能です。資金面での負担を軽減しつつ、持続可能な事業運営を実現できる点も大きなメリットといえるでしょう。
まとめ
京都府太陽光発電等導入促進事業補助金は、府内の事業者の環境配慮型の事業運営を支援する制度です。特定建築主等再エネ導入促進事業と駐車場・農地等再エネ導入促進事業、共同住宅共用部再エネ導入促進事業の3つが設定され、それぞれの事業形態に応じた支援を受けることができます。
ただし、事業内容によって申請時期や必要書類が異なります。また必要な書類等も違うため、事前に要領を確認し、計画的な申請を行うことが重要です。
補助制度を上手に活用し、環境負荷の低減と経営効率の向上の両立を目指しましょう。