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特定求職者雇用開発助成金【特定就職困難者コース】中小企業で最大240万円|対象者・支給額・申請方法【2026年最新】

公開日:2026/4/22 更新日:2026/10/26
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人手不足が続くなか、60歳以上の高年齢者や障害者、母子家庭の母など、これまで採用対象として十分に検討してこなかった層に目を向ける企業が増えています。とはいえ「定着してもらえるだろうか」「教育に時間がかかるのでは」と、一歩を踏み出せずにいる経営者の方も多いのではないでしょうか。

こうした採用を資金面で後押しするのが、特定求職者雇用開発助成金の「特定就職困難者コース」です。ハローワーク等の紹介で就職困難者を雇い入れた事業主に、中小企業なら1人あたり60万円〜240万円(短時間労働者は40万円・80万円)が支給されます。

ただし令和8年度に2つの改正が入りました。令和8年5月1日以降に紹介された60歳以上の方は、ハローワーク等の「個別支援」を受けていることが新たに必要になり、令和8年4月1日以降の申請では賃金台帳の提出が必須です。「60歳以上だから対象」と考えて採用すると、申請できないケースが出てきます。

本記事では、厚生労働省の制度概要パンフレット(令和8年3月5日版)と支給要領(令和8年4月1日版)をもとに、60歳以上の新要件、障害者・母子家庭の母等の区分、支給額、様式ごとの必要書類、不支給になりやすいパターンまでを整理します(2026年10月26日時点)。

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この記事の目次

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特定就職困難者コースとは?対象者・支給額・期間を一覧で確認

特定就職困難者コースは、60歳以上の高年齢者・障害者・母子家庭の母等などの就職困難者を、ハローワーク等の紹介で継続雇用する事業主に、1人あたり最大240万円(中小企業)を支給する制度です。特定求職者雇用開発助成金のコースのなかで、支給額が最も大きいコースにあたります。

特定就職困難者コースの要点
  • 支給額:中小企業は1人あたり40万円〜240万円(大企業は30万円〜100万円)
  • 主な対象者:60歳以上の高年齢者、母子家庭の母等、父子家庭の父、身体・知的・精神障害者 など
  • 雇入れの経路:ハローワークまたは一定の許可・届出を受けた職業紹介事業者等の紹介に限る
  • 支給方法:6か月ごとの「支給対象期」に区切り、2回〜6回に分けて支給
  • 申請期限:各支給対象期の末日の翌日から2か月以内
  • 申請窓口:事業所を管轄する都道府県労働局またはハローワーク(電子申請も可)

支給額は「対象者の区分」「週の所定労働時間」「企業規模」の3つで決まります。中小企業の支給総額を区分ごとに並べると、次のとおりです。

特定就職困難者コースの支給総額(中小企業)中小企業の支給総額(1人あたり)週30時間以上週20〜30時間未満①高年齢者(60歳以上)・母子家庭の母等60万円40万円②身体・知的障害者(重度等を除く)120万円80万円③重度障害者等重度・45歳以上の障害者、精神障害者240万円80万円※大企業は50万〜100万円(短時間は30万円)※2026年10月26日時点・厚生労働省パンフレットより

グラフのとおり、最も手厚いのは重度障害者等を週30時間以上で雇い入れた場合の240万円です。一方、60歳以上の高年齢者や母子家庭の母等は60万円で、助成対象期間も1年で完結します。

手続きは「①ハローワーク等に求人を出す → ②紹介された対象者を雇い入れる → ③6か月ごとに支給申請する」の3ステップです。なお旧称の「特定就職困難者雇用開発助成金」で検索されることもありますが、現在の特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)と同じ制度を指します。

特定求職者雇用開発助成金の全コースの違いや制度全体の仕組みは、次の記事で解説しています。

特定求職者雇用開発助成金(特開金)とは?最大240万円の対象者・支給額と令和8年5月の新要件【2026年度】

令和8年度(2026年度)の変更点は?高年齢者要件と賃金台帳

令和8年度の変更点は「60歳以上の要件見直し」と「賃金台帳の提出必須化」の2つです。どちらも、採用や申請のあとに気づいても取り返しがつかないタイプの改正です。

変更内容適用時期実務への影響
高年齢者(60歳以上)の要件見直し令和8年5月1日以降の紹介分から紹介日にハローワーク等で就労に向けた個別支援を受けている方のみ対象。原則、対象労働者であることを明示した職業紹介が必要
賃金台帳の提出が必須化令和8年4月1日以降の申請分から賃金台帳の提出が確認できない場合は不支給
様式・支給要領の改定令和8年4月1日更新令和8年3月31日までの雇入れは旧様式、4月1日以降の雇入れは新様式を使用

賃金台帳はどんな内容が必要?給与明細で代わりになる?

賃金台帳は、給与明細では代用できません。令和8年4月1日以降の申請分から、賃金台帳の提出が確認できない場合は不支給となります。支給要領では、労働時間と、手当ごとに区分された賃金額がわかる賃金台帳等の提出を求めています。労働基準法第108条に基づく法定帳簿として、主に次の項目が必要です。

  • 労働者の氏名・性別
  • 賃金計算期間・労働日数・労働時間数
  • 時間外労働・休日労働・深夜労働の時間数
  • 基本給、手当その他賃金の種類ごとの額
  • 賃金の一部を控除した場合はその額

厚生労働省は賃金台帳の様式例をPDF・Excelで公開しています。給与ソフトを使っている場合も、法定項目がすべて出力される形式になっているかを申請前に確かめておきましょう。

60歳以上の高年齢者を雇うと助成金はいくら?条件は?

60歳以上の高年齢者を週30時間以上で雇い入れた中小企業には、60万円(30万円×2期)が支給されます。週20時間以上30時間未満の短時間労働者なら40万円(20万円×2期)です。大企業はそれぞれ50万円・30万円で、助成対象期間はいずれも1年です。

雇用形態中小企業大企業助成対象期間
週30時間以上60万円(30万円×2期)50万円(25万円×2期)1年
週20時間以上30時間未満40万円(20万円×2期)30万円(15万円×2期)1年

令和8年5月以降は「個別支援」を受けている60歳以上の方だけが対象

令和8年5月1日以降にハローワーク等から紹介された方は、「雇入れ日に満60歳以上」であることに加えて、紹介日にハローワーク等から就労に向けた個別支援を受けていることが要件になりました。60歳以上というだけでは対象になりません。

支給要領(令和8年4月1日版)では、「個別支援」を次のいずれかと定めています。

支給要領が定める「個別支援」
  • 就職困難性が高い方に対し、就職まで1人または複数の担当者がつく個別支援
  • 次のうち複数の個別支援:就職の不安への相談/セミナー等の案内/希望・経験・能力の把握/履歴書・職務経歴書の作成指導/ニーズに合う求人情報の提供/模擬面接の指導/応募や面接がうまくいかなかったときのフォローアップ/通常より手厚いその他の支援
  • 支援体制のない職業紹介事業者等の場合は、上記と実質的に同等の個別支援

つまり、窓口で求人を検索して応募しただけの60歳以上の方は、原則として対象外です。求職者がどの支援を受けているかは事業主側では判断できないため、求人申込みの段階でハローワークに本助成金を活用したいと伝え、紹介を受ける方が対象労働者に該当するかを確認してください。原則として「特定求職者雇用開発助成金の対象労働者であること」を明示した職業紹介を受けた場合のみ、支給申請ができます。

60歳以上の方を雇う場合に対象になるかどうかは、次の流れで判定できます。

60歳以上を雇う場合の対象判定フロー60歳以上を雇う場合の対象判定雇入れ日に満60歳以上?ハローワーク等の紹介日が令和8年5月1日以降?紹介日にハローワーク等の個別支援を受けている?対象労働者であることを明示した職業紹介で採用?対象(中小企業60万円)短時間労働者は40万円はいはいはいはいいいえ対象外いいえ従来要件で対象(60歳以上なら可)いいえ対象外いいえ原則対象外労働局に要確認

図の最初の分岐で「紹介日」が基準になっている点に注意してください。雇入れ日ではなく、ハローワーク等から紹介を受けた日が令和8年5月1日より前なら、従来どおり「雇入れ日に60歳以上」であれば対象です。

65歳以上・70歳以上でも対象になる?年齢の上限は?

60歳以上の高年齢者の区分には、年齢の上限がありません。令和5年4月1日に「生涯現役コース」が廃止され、65歳以上の方の雇入れも特定就職困難者コースで扱うようになったためです。70歳以上の方でも、他の要件を満たせば対象になります。

ただし「継続して雇用することが確実」と認められる必要があります。厚生労働省の案内では、対象労働者が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ雇用期間が継続して2年以上であることが目安です。65歳以上の方を雇う場合は、2年以上の継続雇用を前提とした雇用契約が必要と考えておきましょう。

なお、障害者や母子家庭の母等など高年齢者以外の区分は、雇入れ日時点で65歳未満であることが条件です。

60歳以上を採用する前に企業が確認すべき4つのこと

60歳以上の方を採用するときは、次の4点を採用前に確認すると不支給を防げます。

  • ハローワークに求人を出す時点で、本助成金の活用希望を伝えたか
  • 紹介状に「特定求職者雇用開発助成金の対象労働者」である旨が示されているか
  • 紹介より前に面接や書類選考を始めていないか
  • 2年以上の継続雇用を前提にした契約(有期なら自動更新)になっているか

65歳超雇用推進助成金とはどう違う?

65歳超雇用推進助成金は、新たな雇入れではなく、定年の引上げや継続雇用制度の導入、有期契約の高年齢者の無期転換などを支援する制度です。窓口は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)で、特定就職困難者コースとは目的も窓口も異なります。社外から60歳以上の方を採用するなら特定就職困難者コース、自社の制度を整えるなら65歳超雇用推進助成金、と使い分けます。

65歳超雇用推進助成金とは?3コースの要件・支給額を徹底比較【令和8年度版】

障害者を雇い入れる場合はどの区分になる?手帳の種類で変わる

障害者を雇い入れる場合の区分は、障害の種類・程度・年齢の3点で決まります。精神障害者保健福祉手帳の所持者は年齢を問わず最上位の③区分となり、中小企業・週30時間以上なら240万円が支給されます。

区分該当する方中小企業(週30時間以上)中小企業(短時間)
②重度障害者等を除く身体・知的障害者身体障害者手帳・療育手帳の所持者のうち、45歳未満で重度に該当しない方120万円(30万円×4期)80万円(20万円×4期)
③重度障害者等重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者、精神障害者240万円(40万円×6期)80万円(20万円×4期)

45歳以上か未満かで、週30時間以上の支給額は120万円変わります。生年月日の確認は採用前に済ませておきましょう。一方、短時間労働者として雇い入れる場合は、区分②・③ともに80万円で同額です。

また、原則として職業紹介時点で在職中の方は対象外ですが、重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者を週30時間以上で雇い入れる場合に限り、在職者でも対象になります。

障害者区分で申請する場合は、様式第9号「障害者雇用関係助成金個人番号登録届」の提出も必要です。

障害者手帳がない場合はどうなる?

特定就職困難者コースの障害者区分で申請するには、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかが必要です。手帳を持たない発達障害者や難治性疾患のある方は、同じ特定求職者雇用開発助成金の「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース」の対象になります。

障害者手帳がなくても対象!発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース|支給額・条件・申請方法

母子家庭の母等・父子家庭の父は対象になる?必要な申立書は?

母子家庭の母等・父子家庭の父は、60歳以上の高年齢者と同じ①区分の対象労働者です。中小企業が週30時間以上で雇い入れた場合は60万円(30万円×2期)、短時間労働者なら40万円(20万円×2期)が支給されます。

支給要領では、それぞれ次のように定義されています。雇入れ日時点で65歳未満であることも条件です。

区分定義(支給要領より要約)提出する申立書
母子家庭の母等配偶者のない女性で、20歳未満の子、一定の障害がある子、または長期にわたり労働能力を失っている配偶者を扶養している方様式第5号の2困「母子家庭の母等申立書」
父子家庭の父児童扶養手当を受けている方で、その手当の対象となる児童の父様式第5号の3困「父子家庭の父であること及び児童扶養手当の支給を受けていたことの申立書」

母子家庭の母等は児童扶養手当の受給が必須ではありませんが、父子家庭の父は児童扶養手当を受けていることが要件です。区分によって確認の基準が異なる点に注意してください。

①区分にはほかにどんな人が含まれる?

①区分には、高年齢者・母子家庭の母等・父子家庭の父のほか、次の方も含まれます。

  • 中国残留邦人等永住帰国者(永住帰国から10年を経過していない方)
  • 北朝鮮帰国被害者等
  • 駐留軍関係離職者、沖縄失業者求職手帳所持者、漁業離職者求職手帳所持者など(いずれも45歳以上)
  • 社会的事情により安定した職業に就いていない45歳以上の方
  • ウクライナ避難民(令和4年5月30日から対象)
  • 補完的保護対象者(令和5年12月1日から対象)

ひとり親の雇用で使える助成金は、特定就職困難者コース以外にもあります。

ひとり親の就労を支援!事業主が活用できる助成金とコースを紹介

「就職困難者」とは?助成金と雇用保険で意味が異なる

「就職困難者」という言葉は、事業主向けの助成金と、求職者向けの雇用保険とで別の意味で使われます。お金を受け取る人も、手続きをする人も異なります。

比較項目助成金上の就職困難者雇用保険上の就職困難者
制度特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)雇用保険の基本手当(失業保険)
お金を受け取る人雇い入れた事業主(会社)求職者本人
内容1人あたり30万円〜240万円を支給所定給付日数が一般の離職者より長くなる
手続き先労働局またはハローワーク(事業主が申請)ハローワーク(本人が求職申込み時に申告)

助成金でいう「就職困難者(特定求職者)」の範囲は?

助成金上の就職困難者とは、高年齢者・障害者・母子家庭の母等など、労働市場で就職が特に困難な状態にあると制度上定められた求職者です。「なかなか就職先が決まらない人」という意味ではなく、対象区分があらかじめ決められている点が特徴です。区分は①高年齢者等、②重度障害者等を除く身体・知的障害者、③重度障害者等の3つで、区分ごとに支給額が変わります。

雇用保険の「就職困難者」は給付日数が延びる制度

雇用保険上の就職困難者に該当すると、失業給付(基本手当)の所定給付日数が一般の離職者より長くなります。障害者手帳の所持者などが対象で、日数は次のとおりです。

離職時の年齢被保険者期間1年未満被保険者期間1年以上
45歳未満150日300日
45歳以上65歳未満150日360日

こちらは求職者本人がハローワークで求職申込みをする際に申告する制度で、事業主が申請する助成金とは別物です。自分が該当するかどうかは、住所地を管轄するハローワークで確認してください。

特定就職困難者コースの対象となる事業主の要件は?

対象は雇用保険の適用事業主で、ハローワーク等の紹介により対象労働者を雇い入れた事業主です。紹介より前に採用選考を始めていた場合は対象外になるため、「求人申込み → 紹介 → 選考 → 雇入れ」の順序を必ず守ってください。

事業主に関する主な要件

  • 雇用保険の適用事業主であること
  • 対象労働者を雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実と認められること
  • 対象労働者の賃金を支払期日までに支払っていること
  • 労働保険料を滞納していないこと
  • 採用日の前後6か月間に、事業主都合による解雇(勧奨退職を含む)をしていないこと
  • 採用日の前後6か月間に、倒産や解雇などで特定受給資格者となって離職した被保険者数が、採用日の被保険者数の6%を超えていないこと(特定受給資格者となる離職者が3人以下の場合を除く)
  • 支給申請日の前日から過去3年間に、本コース等の助成対象期間中の対象労働者を事業主都合で解雇・雇止めしていないこと
  • 出勤簿・賃金台帳・労働者名簿などを整備・保管していること

「継続して雇用すること」とは、対象労働者を65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ雇用期間が継続して2年以上であることを指します。短期の雇用を前提とした採用では対象になりません。

支給決定を受けた事業主は、国の会計検査の対象となることがあります。関係書類は支給決定から5年間保存しておく必要があります。

対象労働者側で対象外になるケース

次のいずれかに当てはまる場合、その労働者は助成の対象になりません。

対象外となるケース補足
ハローワーク等の紹介より前に採用選考を始めていたハローワークのオンライン自主応募も対象外。求人サイト等で直接募集し、応募後に形式的な職業紹介を受けた場合も同様
紹介時点で雇用保険の被保険者(在職者)だった重度障害者・45歳以上の障害者・精神障害者を週30時間以上で雇い入れる場合は例外
採用した事業所と関係があった過去3年以内に雇用・請負・委任などの関係があった方、通算3か月を超える訓練・実習を受けた方など
事業主または取締役の親族事業主(法人の場合は代表者)または取締役の3親等以内の親族
関係の深い事業主による雇入れ過去1年以内(A型事業所は3年以内)に雇用していた事業主と密接な関係にある事業主が雇い入れる場合など
助成対象期間の途中で離職した自己都合退職などの場合、その支給対象期は支給されない
性風俗関連営業等で接待業務などに従事する事業内容と従事業務の両方で判断される

就労継続支援A型事業所が雇い入れる場合の特別要件

就労継続支援A型事業所がサービス利用者として対象労働者を雇い入れる場合は、過去に本コースの支給決定を受けた方の離職割合が25%を超えていると対象になりません。この判定は、雇入れ日から1年を経過する日(確認日A)、または助成対象期間の末日の翌日から1年を経過する日(確認日B)が基準期間内にある方が5人以上いる場合に行われます。基準期間とは、対象労働者の雇入れ日の前後6か月間です。

一般就労への移行による離職などは、離職割合の計算から除外できます。除外を申し出るときは、様式第8号「離職割合除外申立書(就労支援A型事業)」を提出します。

特定就職困難者コースの支給額はいくら?大企業・短時間の場合は?

支給額は、対象労働者の区分・週の所定労働時間・企業規模の3要素で決まります。助成対象期間を6か月ごとに区切った「支給対象期」ごとに分けて支給されます。

週30時間以上で雇い入れた場合の支給額

対象労働者の区分中小企業の合計額支払い方法(中小)大企業の合計額支払い方法(大企業)
①高年齢者(60歳以上)・母子家庭の母等 など60万円30万円×2期(1年)50万円25万円×2期(1年)
②重度障害者等を除く身体・知的障害者120万円30万円×4期(2年)50万円25万円×2期(1年)
③重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者240万円40万円×6期(3年)100万円33万円×3期(1年6か月・第3期は34万円)

たとえば中小企業が45歳以上の身体障害者を週30時間以上で雇い入れ、3年間継続して雇用した場合は、6か月ごとに40万円が6回、総額240万円が支給されます。

週20時間以上30時間未満(短時間労働者)の支給額

対象労働者の区分中小企業の合計額支払い方法(中小)大企業の合計額支払い方法(大企業)
①高年齢者(60歳以上)・母子家庭の母等 など40万円20万円×2期(1年)30万円15万円×2期(1年)
②③重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者80万円20万円×4期(2年)30万円15万円×2期(1年)

週20時間未満で雇い入れる場合は雇用保険の被保険者にならないため、本助成金の対象外です。

支給額が減額されるのはどんなとき?

支給額は区分ごとの定額ですが、次の場合は減額されます。

  • 支給対象期に支払った賃金総額が支給額を下回る場合(賃金総額が上限)
  • 支給対象期の平均実労働時間が、週24時間(短時間労働者は週16時間)を下回る場合(月ごとに計算し直す)
  • 実労働時間が週30時間未満で、平均の賃金額が「最低賃金額×30時間」を下回る場合
  • 最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合(支払った賃金に、重度障害者等以外は1/3、重度障害者等は1/2を掛けた額が上限。大企業はそれぞれ1/4・1/3)

所定労働時間の8割を下回るような勤務が続くと、支給額が目減りする仕組みです。助成金を前提に賃金や勤務時間を低く設定しても、かえって受給額が減ります。

パートや有期雇用でも対象?雇用形態の条件は?

対象となる雇用形態は正規雇用・無期雇用・有期雇用の3つです。ただし有期雇用の場合は「対象労働者が望む限り更新できる契約」(自動更新)であることが条件で、勤務成績などで更新の有無を判断する契約は対象外です。

令和5年10月1日以降は、自動更新であることを雇用契約書で確認する運用になっています。

  • 雇用契約書に「自動更新」である旨の記載が必要
  • 自動更新と記載していても、更新の条件として就業規則の解雇要件を超えるものが付いている場合は対象外

試用期間を設けること自体は問題ありません。ただし第1期の支給申請時点で試用期間が続いている場合や、試用期間と本採用で雇用契約が別になっている場合は対象外です。

申請の流れと申請期限は?支給対象期の起算日に注意

支給申請の期限は、各支給対象期の末日の翌日から2か月以内です。期限を過ぎるとその期の申請は受け付けられないため、余裕をもって準備してください。

受給までの6ステップ

ステップ内容
①求人の申込みハローワーク等に求人を出し、本助成金の活用希望をこの時点で伝える
②紹介・雇入れ対象労働者であることを明示した紹介を受け、選考のうえ雇い入れる
③第1期の支給申請第1支給対象期の末日の翌日から2か月以内に、労働局またはハローワークへ提出(電子申請も可)
④調査・確認申請内容が支給要件を満たすか審査される
⑤支給・不支給決定結果は通知書で届く。支給決定通知書には次期の申請期間も案内される
⑥助成金の振込指定口座へ振り込まれる。以降、第2期・第3期と6か月ごとに申請を繰り返す

支給対象期の起算日はいつ?

支給対象期は、起算日から6か月ごとに区切った期間です。起算日は賃金締切日の有無で変わるため、自社の給与サイクルに当てはめて確認してください。

ケース起算日
賃金締切日が定められていない場合雇入れ日
賃金締切日が定められている場合雇入れ日の直後の賃金締切日の翌日
賃金締切日に雇い入れた場合雇入れ日の翌日
賃金締切日の翌日に雇い入れた場合雇入れ日

たとえば賃金締切日が毎月15日の中小企業が、4月1日に60歳以上の方を雇い入れた場合のスケジュールは次のとおりです。

支給対象期と申請期間のタイムライン例支給対象期と申請期間の例4/1雇入れ第1期(6か月)第2期(6か月)4/16〜10/1510/16〜翌4/15第1期申請第2期申請10/16〜12/15翌4/16〜6/15申請期限は各期の末日の翌日から2か月以内※賃金締切日15日・4月1日雇入れ・中小企業・高年齢者の例

この例では起算日が4月16日となり、第1期は4月16日〜10月15日、申請期間は10月16日〜12月15日です。第2期は10月16日〜翌年4月15日で、申請期間は翌年4月16日〜6月15日となります。障害者区分で4期・6期に分かれる場合も、同じリズムで6か月ごとに申請します。

必要書類と様式は?第1期は様式第3号・第2期以降は様式第4号

支給申請書は、第1期が様式第3号、第2期〜第6期が様式第4号と分かれています。あわせて、賃金台帳・出勤簿・雇用契約書などの添付書類を提出します。

第1期に提出する書類

  • 第1期支給申請書(様式第3号)
  • 対象労働者雇用状況等申立書(様式第5号)
  • 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
  • 賃金台帳等(令和8年4月1日以降の申請から必須)
  • 出勤簿等
  • 雇用契約書または雇入れ通知書(所定労働時間と契約期間がわかるもの)
  • 対象労働者であることを証明する書類(障害者手帳の写し、母子家庭の母等申立書など)
  • 職業紹介証明書(ハローワーク以外の職業紹介事業者等の紹介で雇い入れた場合)
  • 支払方法・受取人住所届(まだ提出していない場合)

このほか、労働者名簿・就業規則・中小企業であることの確認書類などを、労働局から求められる場合があります。

第2期以降の必要書類は?省略できる書類はある?

第2期以降は、様式第4号の支給申請書に、その期の賃金台帳・出勤簿などを添えて提出します。第1期で提出済みの書類は、内容に変更がなければ添付を省略できます。雇用契約の内容が変わった場合は、変更後の雇用契約書を改めて提出してください。

また、賃金の支払日がまだ来ていない分がある場合は、支払済みの分だけで申請し、残りは支払い後すみやかに提出できます。

様式第5号「対象労働者雇用状況等申立書」とは?

様式第5号は、雇い入れた対象労働者の雇用状況を事業主が申し立てる書類で、第1期の支給申請書とあわせて必ず提出します。区分によっては、様式第5号の2困(母子家庭の母等)や様式第5号の3困(父子家庭の父)など、区分に応じた申立書も必要です。

記入方法は、厚生労働省が公開している「支給申請書記入例」(令和8年4月更新)で確認できます。様式第3号の記入例では、賃金締切日・賃金支払日は雇入れ日時点のものを書くこと、求人票の内容と異なる場合は早めにハローワークや労働局へ相談することが案内されています。

ケースに応じて使う様式の一覧

厚生労働省のサイトでは、令和8年4月1日更新版の様式がExcel・Wordで公開されています。令和8年3月31日までに雇い入れた方は旧様式を使うため、取り違えに注意してください。

様式名称使う場面
様式第3号第1期支給申請書第1期の支給申請
様式第4号第2・3・4・5・6期支給申請書第2期以降の支給申請
様式第5号対象労働者雇用状況等申立書第1期の申請時に提出
様式第5号の2困母子家庭の母等申立書母子家庭の母等を雇い入れた場合
様式第5号の3困父子家庭の父であること及び児童扶養手当の支給を受けていたことの申立書父子家庭の父を雇い入れた場合
様式第7号離職割合除外申立書離職割合の計算から除外を申し出る場合
様式第8号離職割合除外申立書(就労支援A型事業)就労継続支援A型事業所が申し出る場合
様式第9号障害者雇用関係助成金個人番号登録届障害者区分で申請する場合
様式第12号困特定就職困難者コース対象者確認票対象者の該当区分を確認する場合

電子申請はできる?

特定就職困難者コースは電子申請に対応しています。雇用関係助成金ポータルからオンラインで申請でき、紙の申請書を労働局・ハローワークへ持参・郵送する必要はありません。電子申請でも添付書類の内容は紙と同じで、不備や不足があると受理されない点は変わりません。

不支給になりやすい5つのパターン

特定就職困難者コースは要件が明確な反面、手順を間違えると後から取り返せない助成金です。実務で起こりやすい不支給パターンを整理しました。

パターンなぜ不支給になるのか
自社サイトや求人サイトから直接応募してきた人を採用したハローワーク等の職業紹介を経ていないため。応募後に形式的に紹介を受けても対象外
令和8年5月以降、個別支援を受けていない60歳以上の方を採用した紹介日に就労に向けた個別支援を受けていることが要件。60歳以上だけでは対象外
助成金の対象者と知らずに雇い入れ、後から気づいた原則として対象労働者であることを明示した職業紹介が必要
採用日の前後6か月に事業主都合の解雇があった勧奨退職も事業主都合に含まれるため、他部門の人員整理も影響する
賃金台帳を提出しなかった令和8年4月1日以降の申請分から提出が必須。確認できない場合は不支給

偽りその他不正な行為で助成金を受給した場合は、支給決定の取消しと全額返還に加え、5年間は各種の雇用関係助成金を受けられなくなります。悪質な場合は事業主名の公表や刑事罰の対象にもなります。

他のコースや他の助成金との違いは?併用はできる?

特定求職者雇用開発助成金は複数のコースで構成されており、対象者の属性によって申請するコースが変わります。特定就職困難者コースに当てはまらない場合でも、別のコースの対象になることがあります。

コース主な対象者
特定就職困難者コース60歳以上の高年齢者、母子家庭の母等、身体・知的・精神障害者 など
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース手帳を持たない発達障害者・難治性疾患患者
成長分野人材確保・育成コース成長分野等の業務に従事させる、または人材育成後に賃上げを行う場合
中高年層安定雇用支援コース安定した職業に就いていない中高年層(旧・就職氷河期世代安定雇用実現コース)
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トライアル雇用助成金との併用はどうなる?

トライアル雇用助成金の対象者(母子家庭の母等、父子家庭の父、中国残留邦人等永住帰国者、障害者など)を、トライアル雇用の終了後も継続して雇用する場合は、本助成金の一部を受給できます。ただし支給要領では、トライアル雇用から移行した場合、第1期分は支給されないと定められています。受給できるのは第2期支給対象期分からです。

まずトライアル雇用で適性を見極め、常用雇用へ移行したあとに特定就職困難者コースを申請する、という組み立ては可能です。ただし受給総額は通常より1期分少なくなる点を、資金計画に織り込んでおきましょう。

他の助成金と併用できないケースは?

同じ対象労働者について、併給調整の対象となる他の助成金を受けている場合は、本コースの対象にならないことがあります。また、職場適応訓練費を受けている事業主がその訓練対象者を雇い入れた場合も支給されません。併用の可否は、雇入れ前に管轄の労働局・ハローワークへ確認してください。

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特定就職困難者コースに関するよくある質問


特定就職困難者コースは最大いくらもらえますか?


中小企業が重度障害者、45歳以上の障害者、または精神障害者を週30時間以上で雇い入れ、3年間継続して雇用した場合の240万円が最大額です。6か月ごとの支給対象期に40万円ずつ、計6期に分けて支給されます。重度障害者等を除く身体・知的障害者は120万円(30万円×4期)、60歳以上の高年齢者や母子家庭の母等は60万円(30万円×2期)です。大企業の場合はそれぞれ100万円・50万円・50万円となります。



60歳以上の方を雇うと、いくらもらえますか?


中小企業が週30時間以上で雇い入れた場合は60万円(30万円×2期)、週20時間以上30時間未満の短時間労働者なら40万円(20万円×2期)です。大企業はそれぞれ50万円・30万円で、助成対象期間は1年です。ただし令和8年5月1日以降にハローワーク等から紹介された方は、紹介日にハローワーク等で就労に向けた個別支援を受けていることが必要です。



令和8年5月から始まった60歳以上の「個別支援」とは何ですか?


支給要領では、就職まで担当者がつく個別支援、または就職の不安への相談・セミナー等の案内・履歴書等の作成指導・求人情報の提供・模擬面接・応募が不調だったときのフォローアップなどを複数組み合わせた個別支援を指します。令和8年5月1日以降に紹介された60歳以上の方は、紹介日にこうした支援を受けていないと対象になりません。該当するかは事業主側では判断できないため、求人申込みの段階でハローワークに本助成金の活用希望を伝え、対象労働者であることを明示した紹介を受けてください。



65歳以上や70歳以上の方も対象になりますか?


60歳以上の高年齢者の区分に限り、年齢の上限なく対象になります。令和5年4月1日に生涯現役コースが廃止され、65歳以上の方の雇入れも特定就職困難者コースで扱うようになったためです。ただし継続雇用が確実であることが条件で、厚生労働省は65歳以上に達するまで、かつ2年以上継続して雇用することを目安としています。障害者や母子家庭の母等など、高年齢者以外の区分は雇入れ日時点で65歳未満である必要があります。



令和8年4月30日以前に紹介を受けた60歳以上の方はどうなりますか?


紹介日が令和8年5月1日より前であれば、従来どおり「雇入れ日に60歳以上であること」が要件で、個別支援の有無は問われません。基準になるのは雇入れ日ではなく紹介日です。紹介日がわからない場合は、紹介状やハローワークの記録で確認してください。



母子家庭の母を採用した場合、いくらもらえますか?


母子家庭の母等は60歳以上の高年齢者と同じ①区分で、中小企業が週30時間以上で雇い入れた場合は60万円(30万円×2期)、短時間労働者なら40万円(20万円×2期)です。大企業はそれぞれ50万円・30万円です。母子家庭の母等とは、配偶者のない女性で20歳未満の子などを扶養している方を指し、雇入れ日時点で65歳未満であることが条件です。申請時には様式第5号の2困「母子家庭の母等申立書」を提出します。



自社サイトからの直接応募で採用した人も対象になりますか?


対象になりません。本コースは、ハローワーク、地方運輸局(船員の場合)、一定の許可・届出を受けた職業紹介事業者等の紹介で雇い入れた場合のみが対象です。ハローワークのオンライン自主応募も対象外です。求人サイト等で直接募集し、応募があった後に形式的な職業紹介を経て採用した場合や、紹介より前に選考を始めていた場合も助成対象になりません。



親族を雇い入れた場合も対象になりますか?


事業主(法人の場合は代表者)または取締役の3親等以内の親族は対象になりません。3親等以内には、親・子・祖父母・孫・兄弟姉妹・おじおば・甥姪などが含まれます。また、過去3年以内にその事業所で雇用・請負・委任などの関係があった方も対象外です。家族経営の企業では、取締役の親族関係まで確認しておきましょう。



パートやアルバイトでの雇用も対象になりますか?


週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者であれば対象です。支給額は週30時間以上の場合より低く、中小企業では高年齢者・母子家庭の母等が40万円、障害者区分が80万円です。週20時間未満は雇用保険の被保険者にならないため対象外です。有期雇用の場合は、本人が望む限り更新できる自動更新の契約で、雇用契約書にその旨の記載があることが条件です。



障害者手帳がなくても申請できますか?


特定就職困難者コースの障害者区分で申請するには、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかが必要です。手帳を持たない発達障害者や難治性疾患のある方は、同じ特定求職者雇用開発助成金の「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース」の対象となります。手帳の有無で申請するコースが変わるため、ハローワークに紹介を依頼する段階で確認しておきましょう。



支給申請書は毎回同じ様式を使うのですか?


期によって様式が変わります。第1期は様式第3号「第1期支給申請書」、第2期から第6期は様式第4号「第2・3・4・5・6期支給申請書」を使います。第1期には様式第5号「対象労働者雇用状況等申立書」、支給要件確認申立書、賃金台帳、出勤簿、雇用契約書、対象者であることを証明する書類なども添付します。令和8年3月31日までに雇い入れた方は旧様式を使う点にも注意してください。



第2期の支給申請では、どの書類が必要ですか?


様式第4号の支給申請書に、その支給対象期の賃金台帳と出勤簿などを添えて提出します。第1期で提出した書類は、内容に変更がなければ添付を省略できます。労働条件を変更した場合は、変更後の雇用契約書を改めて提出してください。申請期限は第2期の末日の翌日から2か月以内です。



電子申請はできますか?


できます。特定就職困難者コースは雇用関係助成金ポータルからの電子申請に対応しています。申請書の様式は厚生労働省のサイトからExcel・Word形式でダウンロードでき、記入方法は「支給申請書記入例」(令和8年4月更新)で確認できます。電子申請でも添付書類は紙の申請と同じで、不備や不足がある場合は受理されません。



30万円や40万円の入金がありました。何の支給額ですか?


特定就職困難者コースは、1期(6か月)ごとに支給されます。中小企業の場合、60歳以上の高年齢者・母子家庭の母等や重度等を除く身体・知的障害者は1期30万円、重度障害者等は1期40万円、短時間労働者は1期20万円です。どの対象労働者の何期分かは、労働局から届く支給決定通知書で確認できます。通知書には次の期の申請期間も記載されています。



途中で対象労働者が退職した場合はどうなりますか?


自己都合退職などで支給対象期の途中に離職した場合、その期は原則として支給されません。たとえば6期に分けて支給を受けるケースで第3期の途中に退職した場合、第3期分以降は不支給となり、支給決定済みの第1期・第2期分のみが受給額になります。本人の死亡や天災などやむを得ない理由による離職の場合は、離職した月の前月までが支給の対象になることがあります。また、助成対象期間中の対象労働者を事業主都合で解雇・雇止めすると、その後3年間は本コースを申請できなくなります。



トライアル雇用から常用雇用に切り替えた場合も対象ですか?


トライアル雇用助成金の対象者を、トライアル終了後に継続雇用へ移行した場合は対象になります。ただし支給要領では、トライアル雇用から移行した場合は第1期分が支給されず、第2期支給対象期分からの受給となります。受給総額が通常より1期分少なくなる点に注意してください。



「就職困難者」と「特定求職者」は同じ意味ですか?


本助成金の文脈ではほぼ同じ意味で使われ、高年齢者・障害者・母子家庭の母等など、制度上定められた就職が特に困難な求職者を指します。一方、雇用保険の「就職困難者」は、障害者手帳の所持者などが失業給付(基本手当)を長く受けられる仕組みです。被保険者期間1年以上なら45歳未満で300日、45歳以上65歳未満で360日となります。前者は事業主が受け取る助成金、後者は求職者本人が受け取る給付で、まったく別の制度です。



支給申請はいつまでにすればよいですか?


各支給対象期の末日の翌日から2か月以内です。支給対象期は起算日から6か月ごとに区切られ、起算日は賃金締切日がない場合は雇入れ日、ある場合は雇入れ日の直後の賃金締切日の翌日です。たとえば賃金締切日が毎月15日の企業が4月1日に雇い入れた場合、第1期は4月16日から10月15日まで、申請期間は10月16日から12月15日までとなります。



まとめ

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、ハローワーク等の紹介で就職困難者を雇い入れた中小企業に、1人あたり40万円〜240万円を支給する採用系助成金の代表的な制度です。60歳以上の高年齢者は60万円、母子家庭の母等も60万円、重度障害者等は最大240万円と、対象者の幅が広く支給額も手厚い制度です。

一方で、令和8年5月1日以降に紹介された60歳以上の方は、ハローワーク等の個別支援を受けていることが必須となり、令和8年4月1日以降の申請では賃金台帳の提出も必須になりました。どちらも採用後に気づいても取り返しがつきません。

採用前に押さえる3つのポイント
  • 求人申込みの段階で、ハローワークに本助成金の活用希望を伝える
  • 対象労働者であることを明示した紹介を受け、紹介前に選考を始めない
  • 賃金台帳を法定項目どおり整備し、6か月ごとの申請期限(期末の翌日から2か月以内)を管理する

申請実務では、第1期が様式第3号、第2期以降が様式第4号と支給申請書が変わり、第2期以降は変更のない書類を省略できます。厚生労働省の記入例と照らし合わせながら、余裕をもって準備を進めてください。

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