特定求職者雇用開発助成金は、高年齢者や障害者など就職が困難な方を雇用する事業主を支援する制度です。現在は5つのコースが設けられ、それぞれ対象者の事業者や労働者が異なります。
今回は特定求職者雇用開発助成金各コースの対象者や助成額、申請方法についてまとめました。
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この記事の目次
特定求職者雇用開発助成金とは?
特定求職者雇用開発助成金とは、高年齢者や障害者などの就職が特に困難な者を、継続して雇用する労働者として雇入れる事業主に対して助成する制度です。対象の求職者ごとに、5つのコースに分かれています。
申請対象となる事業者
申請対象となる事業者はコースごとに異なりますが、主な共通要件には以下のものがあります。
■ハローワーク等の紹介によって雇い入れた対象労働者の雇入れ日の前後6カ月間に、事業主の都合による従業員の解雇をしていないこと
本制度は、対象労働者をハローワーク等の紹介によって雇い入れた場合に対象となります。自社HPからの直接応募や知人・縁故採用等、ハローワーク等の紹介以外の方法で雇い入れた場合、対象外となる点にご注意ください。
そのほか、各コースの要件には以下のようなものがあります。
■過去3年間に該当の労働者を、助成対象期間中に解雇・雇止め等をしていないこと
■対象労働者の労働者名簿、賃金台帳、出勤簿などを整備・保管していること 等
また、特定求職者雇用開発助成金のコースのひとつである「成長分野等人材確保・育成コース」では、対象労働者を、以下の専門的な職業に関する業務に従事させることが必要です。
■デジタル分野職業
・情報処理・通信技術者
・データサイエンティスト
・ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー
■グリーン分野
研究・技術の職業
そのほか、対象となる労働者にもコースごとの要件があります。詳細は、ホームページ等で確認してください。
特定求職者雇用開発助成金は全5コース
特定求職者雇用開発助成金では、令和7年3月31日、就職氷河期世代安定雇用実現コースが廃止されました。
現在では全部で5コースが設定されています。コースごとの対象者や、助成額をまとめました。
特定就職困難者コース
特定の就職困難者を、労働者として雇い入れる事業主が対象です。労働者の区分ごとの助成額は、以下のとおりです。
| 採用する労働者 | 助成額 |
|---|---|
| ・母子家庭の母等 ・高年齢者(60歳以上) ・ウクライナ避難民 ・補完的保護対象者 など | ・60万円(50万円) ・短時間は40万円(30万円) |
| 身体・知的障害者 | ・120万円(50万円) ・短時間は80万円(30万円) |
| ・重度障害者 ・45歳以上の障害者 ・精神障害者 | 240万円(100万円) ・短時間は80万円(30万円) |
()は大企業の支給額です。なお助成金は半年ごとを1期とし、2期から6期にわけて支払われます。
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
障害者手帳を持たない発達障害や、難病のある方を雇い入れる事業主が対象です。発達障害や難病のある方の雇用と、職場定着を促進します。
助成額は、以下のとおりです。
| 対象労働者 | 企業規模 | 助成期間 | 支給総額 |
|---|---|---|---|
| 短時間労働者以外の労働者 | 中小企業以外 | 1年 | 50万円 |
| 中小企業 | 2年 | 120万円 | |
| 短時間労働者 | 中小企業以外 | 1年 | 30万円 |
| 中小企業 | 2年 | 80万円 |
なお対象となる労働者を雇い入れ、訓練と賃上げを実施した場合には、「成長分野等人材確保・育成コース」に申請できます。
あわせて読みたい:特定求職者雇用開発助成金 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースについて詳しく解説
中高年層安定雇用支援コース
中高年層安定雇用支援コースは、令和7年4月から新設されたコースです。いわゆる就職氷河期世代を含む中高齢者のうち、35歳から60歳未満で、以下のような条件に当てはまる労働者を正規雇用すると支援を受けられます。
・仕事に就いておらず、就職を目指している
・正規雇用としての経験がなく、子育て等により就業にブランクがある
支給額は以下のとおりです。
| 企業規模 | 支給額 | 支給総額 | |
|---|---|---|---|
| 第1期 | 第2期 | ||
| 大企業 | 25万円 | 25万円 | 50万円 |
| 中小企業 | 30万円 | 30万円 | 60万円 |
支給額は60万円(大企業は50万円)で、半年を1期として、30万円(25万円)ずつが2回に分けて支払われます。
あわせて読みたい:特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース)とは?
生活保護受給者等雇用開発コース
生活保護受給者等雇用開発コースでは、生活保護受給者や、生活困窮者を雇い入れる事業主を支援します。
本コースでは、雇い入れた労働者に対する配慮事項等についての報告が求められます。また、ハローワーク職員が職場を訪問し、職場定着に向けた相談・支援を行っています。
支給額は、以下のとおりです。
| 対象労働者 | 助成対象期間 | 支給総額 |
|---|---|---|
| 短時間労働者以外の労働者 | 1年(1年) | 60万円(50万円) |
| 短時間労働者 | 1年(1年) | 40万円(30万円) |
()は中小企業以外の企業の補助額です。
なお対象となる労働者を雇い入れ、訓練と賃上げを実施した場合には、「成長分野等人材確保・育成コース」に申請できます。
成長分野等人材確保・育成コース
いわゆる「成長分野等」である、デジタル・グリーン分野の業務において、就職困難者を継続して雇用し、職場定着に取り組む場合が対象です。
本コースでは、特定求職者雇用開発助成金の他のコースより高額の助成金が支給されます。支給額は、以下のとおりです。
| 採用する労働者 | 合計助成額 |
|---|---|
| ・母子家庭の母 ・60歳以上の方 ・生活保護受給者等 ・ウクライナ避難民 ・補完的保護対象者 など | 90万円(75万円) 短時間は60万円(45万円) |
| 就職氷河期世代を含む中高年層の不安定雇用者 | 90万円(75万円) |
| ・身体・知的障害者発達障害者 ・難治性疾患患者 | 180万円(75万円) 短時間は120万円(45万円) |
| ・重度障害者 ・45歳以上の障害者 ・精神障害者 | 360万円(150万円) 短時間は120万円(45万円) |
()は中小企業以外の企業の補助額です。なお所定労働時間より著しく実労働時間が短い場合には、支給額が減額されることがあります。
あわせて読みたい:特定求職者雇用開発助成金の成長分野人材確保・育成コース 要件見直しについても解説
特定求職者雇用開発助成金の申請方法
特定求職者雇用開発助成金の申請は、コースによって異なります。ここでは例として、特定就職困難者コースの申請手順を解説します。
申請の主な流れは、以下のとおりです。
②対象者の雇い入れ
③助成金の第一期支給申請
④支給申請書の内容の調査・確認
⑤助成金支給
ハローワーク、地方運輸局、適正な運用を期することのできる特定地方公共団体、有料・無料職業紹介事業者または無料船員職業紹介事業者の紹介で雇い入れた場合のみ、助成金の対象となります。
なお支給対象期ごとに、事業所の所在地を管轄する労働局またはハローワークに申請してください。支給申請期間は、各支給対象期の末日の翌日から2か月以内です。
特定求職者雇用開発助成金に関するよくある質問
厚生労働省では、特定求職者雇用開発助成金に関するよくある質問と回答を公開しています。ここではそのうち、主なものを紹介します。どのような場合に不支給となりますか?
不支給となるのは、以下の場合です。
■保険年度の労働保険料を納付していない場合
■ハローワーク等の紹介時点と異なる条件で雇い入れた場合で、労働条件に関する不利益や違法行為があったと申出があった場合
■支給対象期における対象労働者に対する賃金を支払っていない場合
詳細は、リーフレット等を確認してください。
支給申請では、どのような書類を提出したらいいのでしょうか?
支給申請で提出する主な書類は、以下のものです。
■支給申請書や対象労働者の雇用契約書
■タイムカード など
なお支給対象となった場合には、書類が届きます。同封された資料をよく読み、書類を準備して下さい。
特定求職者雇用開発助成金の対象者ですが、雇用調整助成金も受給しています。申請は可能ですか?
併給はできません。ただし、特定求職者雇用開発助成金を受給したい場合、雇用調整助成金を返還すれば、受給が可能となります。
参考:特定求職者雇用開発助成金よくある質問について 沖縄労働局
まとめ
特定求職者雇用開発助成金は、就職困難者の雇用を促進する重要な支援制度です。事業内容や雇用する人材に合わせて5つのコースが設置され、中小企業では最大360万円の助成を受けられます。
申請にはハローワーク等からの紹介が必須です。事前に要件を確認し、必要書類を準備して期限内に申請しましょう。
人材不足解消と多様な生き方を支えるためには、予算的な支援も重要です。助成金を活用しすべての人が生き生きと働ける社会を目指しましょう。
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