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成功報酬200万円まで無料!東京都「企業再編促進支援(M&Aマッチング)」の対象者・申請方法を解説【令和8年度】

公開日:2026/5/29 更新日:2026/5/29
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東京都の中小企業のうち、実に7割以上が「後継者不在」――。東京商工リサーチの2024年調査によると、東京都の後継者不在率は72.24%で、全国でも神奈川県に次ぐ2番目の高さです。中小企業庁の試算では、2025年時点で70歳を超える経営者は全国で約245万人に達し、そのうち約127万社が後継者不在のまま廃業に追い込まれる可能性も指摘されています。

「自社には高い技術があるのに、継ぐ人がいない」「廃業ではなく、誰かに事業を引き継ぎたい」――そう考える経営者にとって、親族や社内に後継者がいない場合の有力な選択肢が、第三者へのM&A(株式譲渡・事業譲渡)です。とはいえ、M&Aは専門知識が必要で、仲介会社に支払う費用も気がかりではないでしょうか。

そこで注目したいのが、東京都中小企業振興公社の「企業再編促進支援(M&Aマッチング)」です。M&Aの専門家による一貫サポートを、初期費用無料で受けられる制度です。この記事では、令和8年度の支援内容、対象者、申請要件、スケジュールまでをわかりやすく解説します。

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この記事の目次

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東京都「企業再編促進支援(M&Aマッチング)」とは?

東京都「企業再編促進支援(M&Aマッチング)」は、後継者不在等で事業承継に課題を持つ都内中小企業を対象に、第三者へのM&Aによる事業引継ぎを専門家が一貫支援する制度です。公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施し、公社と民間のM&A支援機関(業務委託先)が連携して、マッチングから成約までをサポートします。

特に大きな特徴は、費用負担を抑えてM&Aに取り組める点です。着手金・中間金は発生せず、成約時の成功報酬も200万円(税抜)までは無償化されます。支援期間は支援決定日から1年間です。

【支援の3つの特徴】
・M&Aの専門家による一貫サポートを公社支援で利用できる(着手金・中間金なしで初期費用無料)
・成功報酬200万円(税抜)までを無償化(200万円を超える部分は自己負担)
・公社によるセカンドオピニオン(相談窓口)も利用可能(無料・秘密厳守)

対象となるのは、後継者不在等で第三者への事業譲渡を検討する都内中小企業のうち、高い技術力や独自性などの強みを持つ事業者です。発展の見込める事業について、事業内容の分析や譲渡可能な事業の切り出しを行いながら、国内の譲受企業とのマッチングを支援します。

支援内容|成功報酬200万円まで無償化・着手金も無料

本支援では、M&Aの専門家がマッチングから成約(クロージング)まで一貫してサポートします。着手金・中間金は発生せず、支援期間内の成約で発生する成功報酬は200万円(税抜)までが無償化されます。200万円を超える部分のみ、支援企業と業務委託先の個別の取り決めに基づく自己負担となります。

専門家によるサポート内容は、次のような流れです。

段階サポート内容(例)
準備企業概要書・企業評価書の作成
マッチングマッチング先候補の選定、面談日程・条件等の調整、面談への同席・助言
交渉・合意面談後の条件調整、基本合意書の作成サポート
最終段階買い手からのデューデリジェンス対応への助言、譲渡契約の作成サポート、クロージング

各種手続きの進め方も都度助言を受けられるほか、公社にも相談窓口が設置されており、不明点があればいつでも相談できます(無料・秘密厳守)。なお成功報酬の無償化(200万円まで)は業務委託先に支払う報酬が対象で、譲渡企業が独自に依頼した税理士・会計士・弁護士等への費用は含まれない点に注意しましょう。

【注意点】
・支援期間(支援決定日から1年間)外での成約は、無償化の対象外です。
・マッチング先候補の選定は行いますが、支援期間内に希望する相手先が見つからない場合もあります。その場合でも支援を受けられるのは支援期間の最終日までです。
・最終的なM&Aの判断・行動は自己責任で行うものであり、公社が責任を負うものではありません。

支援対象者・申請要件は?

本支援の対象は、高い技術力や独自性等の強みを持つ都内中小企業者(法人・個人事業者)で、申請前相談を受けていることなどが条件です。さらに、申請にあたっては中小企業者の要件をはじめ複数の要件をすべて満たす必要があります。

まず、支援対象者の基本要件は次の3つです。

  • 高い技術力や独自性等の強みを持つ都内中小企業者(法人または個人事業者)であること
  • 公社が指定する業務委託先のM&Aマッチング支援サービスを利用できること
  • 申請前相談を受けていること(年度内に再申請する場合は、あらためて申請前相談が必要)

「中小企業者」の範囲は、中小企業基本法等に基づき業種ごとに資本金・従業員数で定められています。主な区分は以下のとおりです。

業種資本金常時使用する従業員
製造業・その他業種(ソフトウェア業、情報処理サービス業を含む)3億円以下または300人以下
卸売業1億円以下または100人以下
サービス業(下記以外)5,000万円以下または100人以下
旅館業5,000万円以下または200人以下
小売業5,000万円以下または50人以下

このほか、主な申請要件として次のような条件があります。いずれもすべて満たす必要があります。

  • 基準日(申請月の前月末日)時点で、引き続き2年以上、都内で実質的に事業を行っており、過去2年間に休眠期間がないこと
  • 税務署に提出済みの直近3期分の確定申告書の写し等を提出できること
  • 登記簿謄本(法人)または開業届の写し(個人事業者)で都内所在が確認できること
  • 事業税等の納税証明書を提出でき、事業税等を滞納していないこと(分納・延納中も申請不可)
  • 事業実施拠点が自社の事業所・工場等で、原則として東京都内にあること
  • 他社とM&Aアドバイザリー契約を結んでおらず、他社のWebマッチングサービスでM&A情報を公開していないこと(今後も公開予定がないこと)
  • 本支援対象事業がフランチャイズ加盟業者としての事業ではないこと
  • 暴力団関係者でないこと、風俗関連業・ギャンブル業など支援対象として適切でない業態でないこと

事業承継を後押しする国の補助金もあわせて検討したい方は、以下の記事も参考になります。

事業承継・M&A補助金とは【15次公募】2026年 完全解説!最大2,000万円の支援内容と申請のポイント

申請の流れとスケジュール【令和8年度は全4回募集】

申請は「申請前相談(必須)→申請書類の提出→審査→支援決定」という流れで進みます。申請前相談を受けていることが申請の要件となっているため、まずは申請前相談へのエントリーから始めます。

申請前相談は令和8年5月29日(金)から令和9年2月初旬まで随時受付、申請書類の受付期間は令和8年5月29日(金)〜令和9年2月17日(水)必着です。令和8年度は全4回の募集が予定されています。

募集回申請書類提出締切日(必着)支援決定日(予定)
第1回募集令和8年6月30日(火)令和8年8月14日(金)
第2回募集令和8年9月30日(水)令和8年11月13日(金)
第3回募集令和8年11月30日(月)令和9年1月15日(金)
第4回募集令和9年2月17日(水)令和9年3月26日(金)

申請前相談へのエントリーには、エントリーシート(公社サイトからダウンロード)、直近3期分の決算書写し(確定申告書含む一式)、社歴(経歴)書(会社パンフレットでも可)の3点が必要です。必要書類を添付し、所定のメールアドレス(k-saihen@tokyo-kosha.or.jp)宛に送付します(添付資料には必ずパスワードを設定)。申請書類の提出はメールのみで、持参による提出は受け付けていません。

申請に必要な書類は?

申請書類は、申請前相談の際に公社担当者から案内されます。主に必要となるのは、申請書(指定様式)に加えて、登記関係・納税関係・確定申告関係の書類です。提出後の加筆・修正はできないため、不備・不足のないよう準備しましょう。

番号必要書類
1申請書(確認書、反社会的勢力排除に関する誓約書)(指定様式)
2商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書/発行後3ヶ月以内・写し可)。個人事業者は開業届の写し
3直近の事業税等の納税証明書(写し可)。法人は法人事業税・法人都民税の納税証明書、個人事業者は個人事業税または所得税・住民税の納税証明書
4確定申告書の写し(法人・個人事業者ともに直近3期分)
5社歴(経歴)書〔会社概要(パンフレット)でも可〕

審査は申請書・必要書類に基づく書面審査(審査会)で行われ、資格審査(申請要件への適合)と内容審査(取組の妥当性・M&A成立の実現可能性・支援の必要性)の観点で評価されます。審査結果は書面(支援決定通知書)で通知されます。


東京都「企業再編促進支援(M&Aマッチング)」に関するよくある質問


M&Aの費用はどのくらいかかりますか?


着手金・中間金は発生せず、初期費用無料でM&Aに取り組めます。成約時に発生する成功報酬も、支援期間内であれば200万円(税抜)までが無償化されます。200万円を超える部分のみ、業務委託先との個別の取り決めに基づく自己負担です。なお、独自に依頼した税理士・会計士・弁護士等への費用は無償化の対象外です。



個人事業者でも申請できますか?


申請できます。対象は都内の中小企業者(法人または個人事業者)です。個人事業者の場合は、開業届の写しや収支内訳書・青色申告決算書、住民税納税証明書などの提出が必要になります。



支援期間はどのくらいですか?


支援期間は支援決定日から1年間です。この期間内に発生した成功報酬が無償化(200万円まで)の対象となります。支援期間外での成約は無償化の対象外となるため注意が必要です。



どんな企業が対象になりますか?


高い技術力や独自性等の強みを持つ都内中小企業者で、後継者不在等により第三者への事業譲渡を検討している事業者が対象です。あわせて、基準日時点で引き続き2年以上都内で実質的に事業を行っていることなどの要件をすべて満たす必要があります。



申請前相談は必須ですか?


必須です。申請前相談を受けていることが申請の要件になっています。公社ホームページからエントリーシートをダウンロードし、直近3期分の決算書写しと社歴(経歴)書を添えてメールでエントリーします。年度内に再申請する場合は、あらためて申請前相談が必要です。



申請はいつまでにすればよいですか?


申請書類の受付期間は令和8年5月29日(金)から令和9年2月17日(水)必着です。令和8年度は全4回の募集があり、第1回の締切は令和8年6月30日(火)、最終の第4回は令和9年2月17日(水)です。早い募集回ほど支援決定も早まります。



希望する相手先が見つからない場合はどうなりますか?


マッチング先候補の選定は行いますが、支援期間内(支援決定日から1年間)に希望する相手先が見つからない場合もあります。その場合でも支援を受けられるのは支援期間の最終日までとなります。



他社のM&A仲介サービスと併用できますか?


併用できません。申請にあたっては、他社とのM&Aアドバイザリー契約やWebマッチングサービスを停止する必要があります。また、申請から支援終了までの間、本申請に基づく契約以外のM&Aアドバイザリー契約を結ぶことはできません。



申請書類は郵送でも提出できますか?


申請書類一式はデータで、所定のメールアドレス(k-saihen@tokyo-kosha.or.jp)宛に送付します。持参による提出は受け付けていません。提出後の加筆・修正はできないため、不備・不足のないよう注意して提出しましょう。



国の事業承継・M&A補助金とは何が違いますか?


本支援は東京都中小企業振興公社が実施する、専門家による伴走サポートと成功報酬の無償化(200万円まで)が中心の制度です。一方、国の「事業承継・M&A補助金」は、M&Aや事業承継にかかった経費の一部を補助金として後から交付する制度で、対象や仕組みが異なります。両制度の特徴を踏まえ、自社に合うものを検討するとよいでしょう。



まとめ

東京都「企業再編促進支援(M&Aマッチング)」は、後継者不在に悩む都内中小企業が、初期費用無料でM&Aの専門家サポートを受けられる制度です。着手金・中間金がかからず、成功報酬も200万円(税抜)まで無償化されるため、費用面のハードルを抑えて第三者承継に踏み出せます。

事業承継は、相手探しから成約まで1〜2年単位の時間がかかることも珍しくありません。後継者不在率が7割を超える東京都だからこそ、「まだ早い」と先延ばしにせず、早期に動き出すことが事業と雇用を守る近道です。まずは申請前相談から、第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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