寒さが本格化する前に、「今年の冬は灯油代がいくらになるのか」と気になっている方は多いのではないでしょうか。とくに北海道では灯油の店頭価格が過去最高を更新し、「補助金はまだ続くのか」「新しい対策はあるのか」といった声が広がっています。
こうした状況を受けて、経済産業省は2026年10月16日、割高になっている輸入灯油に対して、国内卸価格との差額を国が補助する「輸入灯油調整単価」を導入すると発表しました。ガソリンや灯油を対象に続いている緊急的激変緩和措置を、輸入灯油向けに拡充するもので、2026年11月から2027年3月分まで実施されます。
本記事では、11月から始まる輸入灯油の差額補助の仕組みと、家庭の灯油代がいつから・どれくらい下がるのか、北海道以外の地域との関係、自治体の福祉灯油との違いまでをわかりやすく解説します。
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この記事の目次
11月から始まる輸入灯油の差額補助とは?
輸入灯油の差額補助は、中東情勢の影響で割高になっている輸入灯油を、国内で精製した灯油と同じ程度の価格で販売できるようにするための措置です。赤沢亮正経済産業大臣が2026年10月16日の閣議後記者会見で導入を表明しました。ガソリン・軽油・灯油などを対象に続いている緊急的激変緩和措置の枠組みの中で、
輸入灯油向けの調整単価を新たに設ける形です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置づけ | 緊急的激変緩和措置における「輸入灯油調整単価」 |
| 対象 | 灯油を輸入する石油元売り・商社 |
| 補助内容 | 輸入価格と国内卸価格の差額を後から国が補塡 |
| 支給期間 | 2026年11月〜2027年3月分 |
| 財源 | 燃料油価格激変緩和対策事業の基金 |
| 地域要件 | なし(全国の輸入事業者が対象) |
| 消費者の申請 | 不要 |
発表時点で、輸入灯油の価格は国内で精製した灯油より1リットルあたり20円ほど高い状況です。この差額を国が埋めることで、輸入品が店頭価格を押し上げる要因を取り除く狙いがあります。
既存の激変緩和措置の仕組みや最新の支給単価は、以下の記事で解説しています。
あわせて読みたい:ガソリン補助金の支給単価はいくら?灯油・軽油も同額で補助
家庭の灯油代はいつから・どれくらい下がる?
結論からいうと、既存の補助による抑制効果は18L缶1缶あたり約774円で、11月からの輸入灯油調整単価は、輸入灯油が多く流通する地域でそこにさらに上乗せされる形になります。いまの補助で、すでに1缶あたり約774円抑えられている
2026年10月15日以降の灯油の支給単価は43.0円/Lで、ガソリンと同額です。18リットルのポリタンク1缶に換算すると、約774円の価格抑制効果があります。補助がなければ、同じ灯油が1缶あたり約774円高くなっていた計算です。
| 支給単価 | 18L缶1缶あたりの抑制額 |
|---|---|
| 43.0円/L | 約774円 |
※支給単価は週ごとに見直されます。最新の金額は資源エネルギー庁の公式ページでご確認ください。
11月からの上乗せ分は「最大で20円/L程度」が目安
輸入灯油調整単価は、輸入価格と国内卸価格の差額を補助するものです。発表時点でこの差額は1リットルあたり20円ほどとされているため、差額が全額補塡され、店頭価格にそのまま反映された場合の目安は次のとおりです。
| 区分 | 1Lあたり | 18L缶1缶あたり |
|---|---|---|
| 既存の支給単価(10月15日以降) | 43.0円 | 約774円 |
| 輸入灯油調整単価(11月〜、上限の目安) | 最大20円程度 | 最大約360円 |
| 合計(輸入灯油が流通する地域の目安) | 最大63円程度 | 最大約1,134円 |
たとえば、2026年10月13日時点の北海道の店頭価格155円50銭を18L缶に換算すると約2,799円です。仮に輸入灯油調整単価の効果が20円/L分そのまま店頭に出た場合、約2,439円まで下がる計算になります。
ただし、次の点に注意が必要です。
・輸入価格と国内卸価格の差額は変動するため、補助額も固定ではない
・経済産業省は灯油価格の具体的な目標を設定しておらず、「いくらまで下がるか」は現時点では示されていない
店頭価格に反映されるのは11月以降
輸入灯油調整単価は2026年11月分から適用されます。北海道経済産業局は「対策の効果は11月以降に期待できる」としています。販売店の在庫が入れ替わるタイミングで反映されるため、11月に入ってすぐに値下がりするとは限りません。
北海道以外の地域でも恩恵はある?
制度上の対象は全国ですが、効果が出やすいのは北海道などの寒冷地です。
輸入灯油調整単価に地域の限定はなく、全国の輸入事業者が対象になります。ただし、補助されるのはあくまで「輸入灯油と国内精製灯油の価格差」です。国内で精製した灯油が主に流通している地域では、もともと輸入品の割高さが店頭価格に乗りにくいため、今回の拡充による値下げ効果は限定的と考えられます。
| 地域 | 輸入灯油調整単価の効果 | 既存の支給単価による補助 |
|---|---|---|
| 北海道 | 大きい(輸入灯油への依存度が高い) | 継続 |
| 東北・北陸・信越など | 一定の効果が見込まれる | 継続 |
| 関東以西の多くの地域 | 限定的 | 継続(主な下支え) |
本州以南の家庭にとっては、ガソリンと同額で続いている既存の支給単価による補助が、引き続き灯油代の主な下支えになります。「北海道限定の補助金」というわけではありませんが、「全国の灯油が一律にさらに安くなる措置」でもない点は押さえておきましょう。
なぜ北海道で灯油価格が高騰しているのか?
今回の対策は、北海道の灯油価格の急上昇を念頭に置いたものです。2026年10月13日時点の灯油の小売価格は、全国平均が1リットルあたり142円40銭で3週連続の値上がりとなり、北海道は155円50銭で過去最高を更新しました。北海道の価格は全国平均を13円以上上回っています。
背景には、次のような事情があります。
・日本の灯油は大部分を国内で精製しているが、冬の需要期には輸入品で補う必要がある
・北海道など寒冷地は輸入灯油への依存度が高く、割高な輸入品の影響を受けやすい
・供給への不安から前倒しの発注が増え、流通に目詰まりが起きている
北海道生活協同組合連合会は、このままでは1リットルあたり190円程度まで上がる可能性があるとして、国に緊急対策を求めていました。今回の発表は、こうした要望を受けた形です。
価格補助とあわせて実施される2つの供給対策
差額補助と同時に、供給面の対策も2つ発表されています。
・供給の偏りや流通の目詰まりが起きた場合に備えて、元売りが卸売業者を介さずに直接販売する「灯油直販スキーム」を新設する
赤沢大臣は「日本全体として必要となる量は確保できており、決して供給不足に陥る状況にはない」と強調しています。
自治体の「福祉灯油」との違いは?
国の補助金とは別に、北海道や東北を中心とした自治体では、「福祉灯油」と呼ばれる独自の支援を実施しています。住民税非課税世帯や高齢者・障がい者・ひとり親世帯などを対象に、灯油購入費として5千円〜2万円程度の現金や商品券を給付する制度です。
| 項目 | 国の灯油補助(激変緩和措置) | 自治体の福祉灯油 |
|---|---|---|
| 支援の形 | 店頭価格の引き下げ | 現金・商品券などの給付 |
| 対象 | 灯油を買う人すべて | 非課税世帯など要件を満たす世帯 |
| 申請 | 不要 | 必要(自治体ごとに異なる) |
| 実施時期 | 継続中(輸入灯油調整単価は11月〜) | 多くは11月〜翌年1月頃に受付 |
福祉灯油は自治体ごとに対象・金額・申請期間が異なります。令和8年度分は各自治体で順次発表される時期なので、お住まいの市区町村の公式サイトで確認しましょう。
灯油補助金に関するよくある質問
灯油の補助金は申請が必要?
不要です。既存の支給単価も11月からの輸入灯油調整単価も、石油元売りや輸入事業者に補助金が支給され、卸価格を通じて店頭価格に反映される仕組みです。ただし、自治体の福祉灯油は申請が必要です。
結局、灯油は1缶いくら安くなる?
既存の支給単価43.0円/Lによる抑制効果は18L缶1缶あたり約774円です。11月からの輸入灯油調整単価は、輸入価格と国内卸価格の差額(発表時点で20円/L程度)が上限の目安で、全額が店頭に反映されれば1缶あたり最大360円程度の上乗せになります。ただし対象は輸入灯油のみで、実際の値下がり幅は地域や販売店によって異なります。
輸入灯油の差額補助は北海道だけ?
いいえ。制度上は全国の輸入事業者が対象で、地域の限定はありません。ただし、補助されるのは輸入灯油と国内精製灯油の価格差なので、輸入灯油への依存度が高い北海道などの寒冷地で効果が出やすい措置です。
補助はいつまで続く?
輸入灯油調整単価は2026年11月分から2027年3月分までです。激変緩和措置そのものは終了日が決まっておらず、既存の支給単価は全国平均小売価格が基準を下回れば自動的にゼロになる仕組みです。
ガソリン補助金とは別の制度?
別の制度ではありません。ガソリン・軽油・灯油・重油を対象とする緊急的激変緩和措置の中で、灯油の輸入分に対して「輸入灯油調整単価」を上乗せするものです。灯油の支給単価がガソリンと同額である点は変わらず、財源も同じ基金を活用します。
灯油はいま買っておいたほうがいい?
経済産業省は「日本全体として必要となる量は確保できている」としており、各事業者にも前年並みの発注を呼びかけています。必要以上の買いだめは流通の目詰まりを招き、かえって価格を押し上げる要因になりかねません。通常どおりの購入で問題ありません。
まとめ
灯油が値上がりし、冬を前に「このまま高くなり続けるのでは」と不安に感じている方も多いと思います。とくに北海道では店頭価格が過去最高を更新しており、心配になるのは当然です。
家計への目安としては、いまの支給単価43.0円/Lで18L缶1缶あたり約774円がすでに抑えられており、11月からは輸入灯油が流通する地域で最大20円/L(1缶あたり最大約360円)程度の上乗せが見込まれます。既存の緊急的激変緩和措置の拡充で、効果が出やすいのは輸入灯油への依存度が高い北海道などの寒冷地です。
価格が落ち着くまでには少し時間がかかりますが、国は「必要な量は確保できている」としています。焦って買いだめをせず、いつもどおりの量を買うことが、結果的に価格を落ち着かせる近道になります。あわせて、お住まいの自治体の福祉灯油も確認しておくと安心です。
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参考:


