補助金と助成金の違いについて調べてみた

補助金とは、国や地方公共団体が事業者に対して、原則返済不要なお金を支給してくれる制度です。
もちろん誰でももらえるものではなく、公益性(公共の利益になりうるか)が求めれるため、一定の条件や申請、審査が必要になります。

補助金助成金の違いはなに??

補助金と助成金の違いはほとんどありません。
補助金も助成金も国や地方公共団体、民間団体から支出されて原則は返済不要です。
違いは、補助金は予算が決まっていて最大何件という決まりがあります。
そのため、抽選や早い者勝ちになるなど、申請してももらえない可能性もあります。
一方助成金は受けとるための条件が決まっているので、それを満たしていればほぼ支給されます。

補助金は、期限も限られているし審査も難しいし、それなら助成金の方がお得じゃないか、と思いますよね。

補助金と助成金は返済不要という点では同じですが、目的については少し異なります。
そこで、補助金と助成金の違いや、良いところや注意点をまとめてみました。

補助金のポイント

補助金
補助金は、主に経済産業省(民間企業の場合もあります)が新規事業や、創業促進のために実施しています。

補助金のメリット

・助成金よりも種類が豊富
・支給額が助成金に比べて大きい場合が多い(数百万~数億円)
・経費の適用範囲が広い

注意点

・公募期間が短く年に数回のみという場合が多い(発表から締切まで1カ月程度など)
・予算が決まっていて倍率も高いため申請してももらえない可能性もある(審査合格率は40%)
・支給されるまでに時間がかかる。(支給は、約1年後の後払い)

助成金のポイント

助成金
助成金は、主に厚生労働省が雇用増加や人材育成のために実施しています。

助成金のメリット

原則通年を通して申請可能です。
業種や社員数など条件に合致していれば、ほぼ支給され難易度は低いです。

注意点

人気の助成金は、発表から2カ月程度で受付終了になることもあり、早めの申請が重要です。
※各自治体により異なるが通常は3月末の年度いっぱいまで受け付けているところも多いです。

補助金と助成金の違いまとめ


助成金は、しっかりと資料を準備すれば支給される可能性が高いです。
国や自治体の最新情報をしっかりチェックして、公示されたタイミングで申請するのが良さそうです。
また、自治体や助成金の内容によっては、申請前の現地調査が必要な場合もあるので、
公示後のタイミングだと出遅れる場合もあります。
前年度の助成金内容が引き継がれる場合が多いので、もしすでに期限切れでも、自治体HPに掲載されていたら、電話などで問い合わせてみて今年度も助成金が出るのかを確認して、申請書類を準備すると良いかも知れません。
一方、補助金は、募集期間も短いため、公示されてから準備しても、ハリボテの内容になってしまい、せっかく準備しても審査に通らないかもしれません。
そのため、普段から事業計画書をしっかり作っておいて、その事業計画書にあった補助金が発表されたら申請するのが良さそうです。

では、助成金と補助金について、より詳しく見ていきましょう。

補助金ってなに?補助金の本当の目的とは・・・?

補助金は、返済不要の資金なので、返済の必要はありません。
ただ、制度の性質上、必ず自社負担が発生するものになります。
例えば、新製品の開発や新サービスの構築等、“1000万円を受給する為に2000万円を使う”事もあり得ます。

“儲けるため”というよりも、“自社を成長させるため”に公的助成金があることを認識し、活用していけるようにしましょう!

因みに、補助金の申請書には、新製品の開発や新サービス構築等の具体的内容を記述する必要があります。

申請書記載内容(例)

①スケジュール
②特徴と競合他社との差別化事項
③市場ニーズ
④必要経費
⑤収支計画

要は、事業計画書です。
補助金申請をきっかけに、自然と事業分析となり、課題の発見や目標の明確化に繋がり、達成までの距離がぐっと縮まります。
“全ては、自社を成長させるため”
助成金申請を通しても、自社を成長させる事に繋がっているんだと分かった上で行えれば、より一層の成長に繋がりますね!

補助金の仕組みを知ろう!

では、早速。
補助金は、企業が成長する取り組みに対して支援する為に用意されている制度です。
補助金の種類は、1万種類以上と言われています。
製造業だけ、との縛りはなく、業種や業態に関わらず多くの企業が対象であり、かつサービスやビジネスモデルに対する補助金など、多岐に渡り公募がされています。
ただ、予算が限られている為、審査も厳しく、採択率は1割とも言われています。
その為、ノウハウやコツを掴み申請等の対応をしていく事が大切です。

補助金の仕組み

①公的助成金の公募先と公的助成金の財源
②申請のタイミング
③公的助成金の対象費用
④受給のタイミング

①公的助成金の公募先と公的助成金の財源
国・省庁や都道府県の自治体や、その他民間企業でも公的助成金の公募が行われています。
公募先の一例をあげてみます。
他にも多くの公募先があるので、是非探してみてください。

■国・省庁関連
参考URL
経済産業庁
各地域経済産業局
中小企業庁
全国中小企業団体中央会
資源エネルギー庁
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
日本商工会議所
日本政策投資銀行(DBJ)

■自治体関連
東京都産業労働局
各地域中小企業支援センター(振興公社、振興機構、振興センターなど)
豊島区事業者支援・助成金

■民間企業関連
公益財団法人 新技術開発財団
公益財団法人 三菱UFJ技術育成財団
株式会社電通
CHIVAS REGAL
日本たばこ産業株式会社

国や自治体から公募されている補助金の財源は、「法人税」です。
その為、当然ですが未納や滞納のある事業者は、補助金の申請をする事が出来ません。
逆に、法人税を支払っている事業者には、補助金を活用する権利があります。
そう考えると、自社を成長させる為に、使わない術はないですね!

②申請のタイミング
補助金が対象としている事業期間は、事業の準備期間であり、既に事業化されている事業は対象外になります。
補助金を活用する場合は、製品等の開発をする前に補助金申請をしなければいけない為、注意してください。
また、助成事業の対象期間(基本的には、交付決定日~○○年○○月○○日)も定められている為、その期間に支払った経費が公補助金の対象となります。

交付日とは、補助金の種類によっても異なりますが、審査(下記3つ)のを経て、賛否決定がされた日になります。
※「書類審査(1~2ヶ月) ⇒ 面接(半月~1ヵ月) ⇒ 総合:書類や面接内容の総合から判定(半月~1ヵ月)」
約3ヶ月程度で、交付決定がされるスケジュール感になります。

注意点としては、交付決定日前に使用したお金は補助金対象になりません。
また、対象期間に事業を完了させる事も条件です。

③補助金の対象費用
補助金は、事業準備に必要となる経費の全てが対象となる訳ではないので、必ず事前に確認するようにしましょう。

補助金の対象になる費用

1.原材料費(試作の為に必要な材料費。但し、試作の際に余った分は補助対象外。)
2.機械設備費(開発に必要な設備費用。中古品は対象外。また、PCやプリンタ等の汎用性のあるものは対象外。)
3.人件費(事業に関わる社内従業員の人件費。但し、時間で換算される等の制約あり。)
4.外注費(自社で実施出来ない内容を社外に外注した費用。)
5.委託費(製品の検査や測定、開発の一部を委託した場合の費用。)
6.専門家謝金(専門家によるアドバイスや指導を受けた場合の費用。)
7.市場調査費(ニーズ調査やマーケティング調査費用が対象。)

補助金は、種類によって「公的助成金額(受給できる最大額)」と「公的助成率(経費総額に対して受給できる割合)」が決まっています。

例)公的助成金額:1000万、公的助成率:2分の1だった場合
実際に支払う助成事業対象経費が700万だった場合 ⇒ 受給額は、350万円
実際に支払う助成事業対象経費が3000万だった場合 ⇒ 受給額は、1000万円(2分の1でも、上限が1000万の為)

また、公的助成金の種類によっては、下限額が設定される場合があります。

例)公的助成金額:1000万(下限100万)、公的助成率:2分の1だった場合
実際に支払う助成事業対象経費が150万だった場合 ⇒ 対象外(2分の1をした場合、下限額を満たせない為)

④受給のタイミング
国・省庁や自治体から公募される公的助成金は、助成事業完了後に受給する事が出来ます。
あくまで企業の成長の為に助成されるものなので、助成金頼みにするのではなく、しっかりと計画を立てて、資金がショートしないように準備をするようにお願いします。

受給までのスケジュール

申請 ⇒ 審査 ⇒ 交付決定 ⇒ 事業実施 ⇒ 事業完了 ⇒ 完了報告 ⇒ 入金

国の政策との関係性!?

時代の社会的な問題を解決する為に、政府や知事が方向性を決めています。
例えば、景気回復を目標にするなら産業の活性化に繋がる助成金が多く公募され、失業率の改善を目標にするなら、雇用系の助成金の公募が増えるといった形です。
国や自治体がどのような施策を検討しているのか、アンテナを立てて情報をチェックする事が大切になってきますね。

補助金まとめ

繰り返しますが、公的助成金の利用目的は自社を成長させ公共の利益となる事業展開を目指すための支援金です。
助成金が出るから、とその事業をやろうとしてもうまくはいきません。
また、「知り合いの会社で助成金をもらっていたから」と同じように申請しようとしても、すでに内容や条件が変わって助成金がもらえないケースもあります。
助成金は、国や自治体の政策方針などで内容が変わっていくので申請を検討する前にきちんと最新情報をチェックしましょう。

次は、助成金についてです。

助成金ってなに?助成金についての詳細

雇用系の公的助成金は、企業の経営を助け、雇用の維持や促進を目的に、主に厚生労働省が中心となって、ハローワーク等が公募を行っています。
雇用維持、新規雇用、人材育成といった助成が一般的ですが、労働環境を整えること(就業規則の変更や、介護・育児休暇制度の導入等)への助成もあります。
企業が支払っている雇用保険の一部が財源となっている為、条件に当てはまるものがあれば、申請をしてみるのが良いですね。


雇用系公的助成金が支給されるのは、大きく6パターンあります。

雇用系公的助成金が支給される6つのケース

①雇用維持の場合
②高年齢者・障害者の雇用の場合
③新規で雇用した場合
④労働環境を整備した場合
⑤女性の活躍支援をした場合
⑥キャリアアップと人材育成をした場合

※雇用系公的助成金を受給する前に
公的助成金が受給できるかどうかを心配する前に、法的労務管理体制、労働環境をしっかりと整え、企業運営を行うよう心がけましょう!
また、就業規則、雇用保険の加入、労働条件通知書や、労働者名簿、出勤簿、賃金台帳等の整備をしておくことも重要です。

簡単に、「受給までの基本フロー」と、「雇用系公的助成金の条件」を記載します。

受給までのフロー

①実施計画の申請
②計画の実施
③支給申請
④受給

雇用系公的助成金の条件

①必要書類の提出をすること
②雇用保険適用事業所であること
③申請スケジュールを守ること
④過去3年間不正受給をしていないこと
⑤2年間以上労働保険を滞納していないこと
⑥過去1年以内に労働関連法規に違反していないこと

※公的助成金の勘定科目は?
経常的なものである場合には、営業外利益として処理されるのが一般的ですが、詳しくは顧問の税理士の方や、担当の専門家へ確認してみてください!

公的助成金とは

助成金が支給される6つのケースについて知ろう!

①雇用維持の場合 ⇒ 雇用関係助成金

雇用維持を目的とした公的助成金です。
例えば、大きな被害をもたらした東日本大震災の後も、多くの企業が事業存続の為に活用した事例があります。

大きく、「休業」「出向」「教育訓練」の3種類のうちどれかを選択する事が可能です。

【休業】
労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって実施されるものであること
例えば、天災により親会社からの発注数が減少し、工場のラインを一時的にフル稼働させる事が難しくなってしまった場合、従業員をリストラするのではなく「休職」とする事で、その間公的助成を得ることができ、雇用の維持が出来るようになるという活用方法があります。
これによって、即戦力となる従業員の雇用も継続する事が出来るメリットがあります。

【出向】
3ヶ月以上1年以内に出向し事業所に復帰するものであること
例えば、経営の悪化から、事業活動の縮小を余儀なくされた場合、独立性のある事業主間に「出向」させ、それに伴い公的助成を得る事が出来る活用方法になります。
出向したメンバーが復帰した際、出向先で培った技能や能力が活かされたという事例、メリットもあります。

【教育訓練】
教育訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得や向上を目的とするものであり、当該受講日において業務に就かないものであること
例えば、高年齢者の方や、障害を持つ方等、就職困難の方々を雇い入れる事になった場合、教育訓練を行い、それに伴い公的助成をうける事が出来ます。
教育訓練を受け、会社として頼もしい存在になると共に、職場の活性化や、CSR(企業の社会的責任)に繋がった事例もあります。

受給額に関しては、休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成(率)。(中小企業:2/3、中小企業以外:1/2)
※対象労働者1人あたり7,775円が上限です。(平成28年8月1日現在)
※詳しくは、厚生労働省のページをご確認ください。
雇用調整助成金

②高年齢者・障害者の雇用の場合 ⇒ 特定求職者雇用開発助成金・障害者初回雇用奨励金

雇用に関する公的助成金

【特定求職者雇用開発助成金】
対象者の活躍の場を設け、生きがいを持って働く人が増える事で経済の活性化にも繋がる事から、高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、「継続して雇用する労働者」として雇い入れる事業主に対して助成される助成金です。

【障害者初回雇用奨励金】
中小企業における障害者雇用の促進を図る事を目的とし、障害者の法定雇用率制度(※)の対象となるような障害者の方を初めて雇用し、当該雇い入れによって法定雇用率を達成する場合に助成する助成金です。

※障害者雇用率制度とは
身体障害者及び知的障害者について、一般労働者と同じ水準において常用労働者となり得る機会を与えることとし、常用労働者の数に対する割合(障害者雇用率)を設定し、事業主等に障害者雇用率達成義務を課すことにより、それを保障するものである。

※事業主区分 法定雇用率 (平成29年2月現在)
・民間企業 2.0%
・国、地方公共団体等 2.3%
・都道府県等の教育委員会 2.2%

③新規で雇用した場合 ⇒ トライアル雇用奨励金

職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者を、原則3ヶ月間の有期雇用を行い、労働者の適性を見極め、期間の定めのない雇用への移行を目指す制度です。
労働者の適正を見た上での雇用となる為、ミスマッチが起きにくく、奨励金が受け取れると共に、CSR(企業の社会的責任)を果たす事にも繋がるメリットがあります。

④労働環境を整備した場合 ⇒ 中小企業労働環境向上助成金

雇用管理改善を推進し、人材の定着・確保を図ることを目的とし雇用管理制度(評価・処遇制度、研修体系制度)の導入などを行う健康・環境・農林漁業分野等の事業を営む中小企業事業主に対しての助成です。

・評価・処遇制度
【例】
評価・処遇(キャリアパス)制度の導入、昇進・昇格基準の導入、賃金体系制度の導入、諸手当制度の導入(通勤手当・住居手当・転居手当・家族手当・役職手当・資格手当・退職金制度)等
但し、制度が適用されるための合理的な条件(勤続年数、人事評価結果など)が労働協約または就業規則に明示されていること、制度導入後の賃金総額が低下しないことが条件。

・研修体系制度
【例】
新入社員研修、5年目職員研修、管理職員研修、幹部職員研修、新任担当者研修、マーケティング技能研修、特殊技能習得研修 等
但し、一人につき10時間以上(休憩時間、移動時間等を除く)の教育訓練等であること。
当該時間内における賃金のほか、受講料(入学金・教材費を含む)、交通費等の諸経費を要する場合は、全額を事業主が負担するものであること等が条件。

・健康づくり制度
人間ドック、生活習慣病予防検診、腰痛健康診断、メンタルヘルス相談の4つのうちどれかを実施すること
但し、健康診断等の受診等により費用を要する場合は、費用の半額以上を事業主が負担していること。
当該制度が適用されるための合理的な条件、事業主の費用負担が労働協約又は就業規則に明示されていること等が条件。

⑤女性の活躍支援をした場合 ⇒ 両立支援等助成金

従業員の職業生活と家庭生活の両立を支援する為の取り組みをした事業主等に対して支給する助成金です。
例えば、事業所の中や近所に保育所を設ける企業も増えてくる中で、その企業が支払った保育所の設置や運営する費用の一部は、両立支援等助成金の対象となる等の助成になります。
また、短時間労働出来る就業規則などの整備や制度の導入、あるいは育休復帰後もしっかりと仕事が出来るような体制の構築、女性の管理職登用等に対しても助成を受ける事が出来ます。
※年度によっても申請出来る助成金が異なってきますので、詳しくは厚生労働省のページをご確認ください。

⑥キャリアアップと人材育成をした場合 ⇒ キャリアアップ助成金・キャリア形成促進助成金

・キャリアアップ助成金
若者の非正規雇用が問題となっている昨今、キャリアアップ助成金は、アルバイトや派遣労働者といった非正規雇用の労働者を、より安定度の高い雇用形態への転換をさせる事を目的とした助成金です。
助成額が1人あたり50万円、1年間で最大15人まで支給が可能という、シンプルで分かりやすく、活用しやすい制度になっています。
◆参考記事:キャリアアップ助成金について調べてみた。

・キャリア形成促進助成金
キャリアアップの為の新しい知識や能力を身につけるための研修に対して支給をうける事が出来ます。
雇用調整助成金と異なる点として、売上が落ちていなくとも対象になる為、幅広く活用する事が可能です。
但し、一般常識やマナー等の研修は、そもそも社会人として必要になるものなので、対象にはなりません。
仕事に必要な知識・技術の習得を目的とした研修として、訓練実施計画書を定め実施される訓練が対象になります。

助成金についてのまとめ

不正受給は絶対にNGです。公的助成金を使って儲けることは出来ません。
少しでも利益を確保する為に、発注書や振込額を改ざんしても、必ず不正は発覚します。
不正が発覚した場合、刑事告訴や、取引先・金融機関からの信用失墜、公的助成金の一括返済になる可能性があります。
また、省庁や各都道府県庁のWEBサイト等でも、不正受給に関する事案として、事業所名・事業主名・金額等が多く公表されています。
目先の利益ではなく、企業の経営を助け、雇用の維持や促進を目的とした助成である事を再度認識した上で活用してください。