2026年5月29日、家庭用蓄電池の代表的な国補助金である「DR補助金(令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業)」が、約2か月の受付期間で予算約54億円に到達して公募終了となりました。前年度の補正予算(約66.8億円)よりさらに早いペースで枠が埋まったことになり、家庭用蓄電池の人気が改めて鮮明になっています。
一方で、東京都の蓄電池補助金は令和8年度の予算が約1,012億円と過去最大規模に拡大され、みらいエコ住宅2026事業では蓄電池の補助単価が1戸あたり96,000円へと前事業の約1.6倍に増額されました。「FIT(固定価格買取制度)の買取期間が終了して売電単価が下がった」「電気代の高騰で自家消費を強化したい」と考える家庭にとって、補助金の活用先は確実に広がっています。
本記事では、家庭用の蓄電池で受けられる2026年(令和8年度)最新の補助金情報と、活用する際の注意点をまとめて解説します。国・都道府県・市区町村の制度を立体的に組み合わせる方法もあわせて紹介しますので、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
蓄電池の補助金は「国・都道府県・市区町村」の3階建てで併用できる
家庭用蓄電池の補助金は、「国」「都道府県」「市区町村」の3層構造で展開されており、要件を満たせば併用が可能なケースも多くあります。特に東京都の場合、国のDR補助金と都の蓄電池助成、さらに区市町村の上乗せ補助を組み合わせて活用すると、1戸あたり最大190万円超の補助も実例として試算されています。
ただし、制度ごとに要件・申請順序・対象機器が異なり、「同一設備に対する国費補助の重複交付は不可」といったルールも存在します。また、都道府県・市区町村の補助金は地域によって実施していない場合もあるため、購入を決める前に、お住まいの自治体の制度をまとめて調べておくことが重要です。
ここから、2026年(令和8年度)に活用できる代表的な制度を、国・都道府県・市区町村の順に整理して紹介していきます。
蓄電池購入で活用できる国の補助金は3つ
国が実施している家庭用蓄電池向けの主な補助金は、2026年6月時点で「DR補助金」「みらいエコ住宅2026事業」「ZEH補助金(令和8年度)」の3つです。それぞれ対象工事と申請主体が異なるため、自宅の状況に合わせて選び分ける必要があります。
| 制度名 | 補助上限 | 対象工事 | 申請期間 |
|---|---|---|---|
| DR補助金 | 1申請あたり60万円 | 新築・既存住宅への蓄電池導入(後付けも対象) | 2026年5月29日に予算到達で終了 |
| みらいエコ住宅2026事業 | リフォーム最大100万円/戸(蓄電池1戸96,000円) | 省エネリフォーム(蓄電池は加算扱い) | ~2026年12月31日(予算上限まで) |
| ZEH補助金 | ZEH 55万円/戸+蓄電池上限20万円 | ZEH基準を満たす新築戸建 | 2026年5月21日~12月11日(単年度) |
DR補助金は2026年5月29日に予算到達で終了している
DR補助金の正式名称は「令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業」で、家庭用蓄電池の導入を支援する経済産業省所管の代表的な制度です。執行団体は一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)で、補助上限は1申請あたり60万円、基本の補助単価は1kWhあたり3.45万円(前年度3.7万円から引き下げ)と設定されていました。
令和7年度補正分の公募は2026年3月24日に開始されましたが、2026年5月29日に交付申請額が予算約54億円に到達し、公募終了が発表されています。前年度(令和6年度補正、約66.8億円)が約2か月半で終了したのに対し、令和7年度補正はおよそ2か月での終了となり、家庭用蓄電池の補助金需要の強さが浮き彫りになりました。
DR補助金は、太陽光発電が未設置でも申請可能・後付け設置にも対応する柔軟な制度のため、復活を期待する声は多く出ています。今後追加の補正予算が組まれる可能性に備えて、最新動向はSII公式サイトでこまめにチェックしておくとよいでしょう。
詳しくはこちら:【DR補助金】家庭用蓄電池導入を最大60万円補助!「家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業」を解説
みらいエコ住宅2026事業は蓄電池1戸96,000円の補助で予算上限まで継続中
みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)は、2025年度の子育てグリーン住宅支援事業の後継として創設された、国土交通省・経済産業省・環境省合同の住宅省エネ補助制度です。リフォームの場合、蓄電池1戸あたり96,000円(前事業の約1.6倍)の定額補助が受けられます。
ただし、蓄電池単体での申請はできません。開口部(窓・ドア)の断熱改修などの「要件化工事」と組み合わせて申請する必要があり、1申請あたりの補助額合計が5万円以上であることが条件です。リフォーム全体の補助上限は、住宅の建築年と改修後に達成する基準の組み合わせで、戸あたり40万円~100万円と段階的に設定されています。
申請期間は2025年11月28日以降に着工した工事を対象に、遅くとも2026年12月31日まで。申請手続きは事前に登録した「みらいエコ住宅事業者」が代行するため、リフォーム会社が登録事業者かどうかを契約前に確認しておきましょう。
詳しくはこちら:みらいエコ住宅2026事業とは?条件や対象となる住宅・補助額を解説
ZEH補助金は新築戸建で蓄電池に最大20万円が上乗せされる
ZEH補助金(令和8年度 戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化等支援事業)は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を満たす新築戸建住宅を建築・購入する個人向けの補助制度です。ZEH基準を満たす場合は55万円/戸、より高性能なZEH+の場合は1~4地域で90万円/戸(5~8地域で80万円/戸)の補助が交付されます。
さらに蓄電システムを導入する場合は、1kWhあたり2万円・上限20万円が上乗せされます。初期実効容量5kWh以上の機器が条件で、SIIに登録された製品である必要があります。
令和8年度の一般公募(単年度事業)は2026年5月21日に受付を開始し、公募締切は2026年12月11日です。複数年度事業の受付は2026年11月6日から2027年1月8日まで。新築住宅向けの制度のため、既存住宅への後付け蓄電池には使えない点に注意してください。申請にはZEHビルダー/プランナーとして登録された住宅会社の関与が必須です。
詳しくはこちら:【2026年最新】新築戸建ZEH補助金とは?交付要件・補助金額・申請の流れを解説
蓄電池購入で活用できる都道府県の補助金(東京都・山梨県)
都道府県の蓄電池補助金は、地域ごとに金額や条件が大きく異なります。一般的に、お住まいの都道府県名と「蓄電池 補助金」で検索すると最新情報が見つかります。ここでは、2026年(令和8年度)に実施が確認できている代表的な制度を紹介します。
東京都は1kWhあたり10万円・上限120万円/戸の手厚い助成を継続
東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業(家庭における蓄電池導入促進事業)」は、全国でも屈指の手厚い支援制度です。令和8年度は蓄電池の新設に1kWhあたり10万円、上限120万円/戸(DR実証に参加しない場合)の助成が行われます。前年度の1kWhあたり12万円から単価は引き下げられた一方、事業予算は1,012億円と前年度の702億円から1.4倍に拡大し、より多くの世帯が利用しやすい設計に変わりました。
デマンドレスポンス(DR)実証に参加する場合は、エネルギーマネジメント機器・IoT機器を新設すれば1台あたり15万円、機器を新設しない場合でも10万円が上乗せされます。蓄電池の増設では1kWhあたり6万円・上限72万円/戸が適用されます。太陽光発電が設置済み(または同時設置)であること、再生可能エネルギー電力メニュー契約があることが助成要件です。
令和8年度の事前申込開始は2026年5月末で、国のDR補助金(最大60万円)との併用も可能となっています。組み合わせ次第で1戸あたり190万円超の補助も狙えるため、東京都内で蓄電池を検討中の方は最優先で検討したい制度です。なお、補助金を利用するには工事の契約前に事前申込を済ませる必要があります。
山梨県は太陽光発電と接続する蓄電池に定額25万円/台を支給
山梨県は、光熱費の高騰に直面する家庭のエネルギーコスト削減を支援するため、「令和8年再エネ設備導入支援事業費補助金」を実施しています。蓄電池の補助額は定額25万円/台で、既存の太陽光発電設備と接続して使用すること、SII登録済みの製品であることなどが条件です。
申請受付期間は令和8年4月6日(月)10時~11月27日(金)19時必着ですが、予算上限に達し次第終了となります。なお、国の補助金との併用はできない点に注意が必要です。
蓄電池購入で活用できる市区町村の補助金(札幌市の例)
市区町村レベルでも、蓄電池の購入に活用できる補助金が多数実施されています。お住まいの市区町村で補助金があるかどうかは、「〇〇市 蓄電池 補助金」で検索すると確認できます。当サイトでも「補助金・助成金・支援金をさがす」から蓄電池関連の制度を検索可能です。代表例として、北海道札幌市の制度を紹介します。
札幌市は蓄電池1kWhあたり2万円・上限8万円の補助を抽選方式で実施
札幌市の「再エネ省エネ機器導入補助金制度」は、脱炭素社会の実現と防災力強化を目的に、蓄電池の導入費用の一部を補助しています。2026年度(令和8年度)の補助額は蓄電池容量1kWhあたり2万円、上限8万円。前年度から引き上げられた水準で、太陽光発電のパワーコンディショナーと直接接続することが条件です。
申請受付は2回に分けて実施されており、第1回は2026年5月7日~7月8日、第2回は2026年9月1日~11月4日の予定です。応募が予算額を超えた場合は抽選で交付予定者が決まり、超過しない場合は全員が当選する仕組みになっています。
蓄電池の補助金を活用する場合の4つの注意点
蓄電池の補助金は導入費用を大きく軽減できる制度ですが、活用時にはいくつか押さえておきたいポイントがあります。2026年6月のDR補助金早期終了の事例も踏まえ、申請前に以下の4点を確認しておきましょう。
人気の補助金は予算到達で早期終了する
蓄電池の補助金は申請期間が決められていますが、人気の制度は期間中であっても予算到達時点で受付終了となります。実際に2026年度のDR補助金は約2か月で予算約54億円に到達し終了しています。特に補助単価が高い制度ほど予算消化が早い傾向にあるため、申請したい補助金を見つけたら早めに準備を進めることが重要です。
補助金ごとに要件・条件が大きく異なる
蓄電池の補助金は種類が多い反面、それぞれ要件が異なります。たとえば「太陽光発電とセットで蓄電池を導入する場合のみ対象」(札幌市、山梨県など)、「新築時のみ対象」(ZEH補助金)、「既存住宅の省エネリフォームと組み合わせて申請」(みらいエコ住宅2026事業)といった条件があります。すでに太陽光発電が設置済みで蓄電池だけを後付けしたい場合は、対象外となる制度もあります。
自宅の状況と導入目的に合った制度を選ぶため、補助金の検索段階で要件をしっかり確認しましょう。
販売事業者によって対応している補助金が違う
蓄電池の販売事業者によっては、申請手続きに必要な登録を行っていない場合があります。たとえば、DR補助金は事前にSIIへ登録した「共同実施事業者」からの申請手続きが必要で、対応していない事業者から購入すると申請できません。
みらいエコ住宅2026事業も「みらいエコ住宅事業者」、ZEH補助金は「ZEHビルダー/プランナー」としての登録が必要です。事前に補助金の要件を確認したうえで、販売事業者にも対応可否を問い合わせておくと安心です。
事業者によって販売価格・設置費用に大きな差がある
蓄電池の販売価格や設置費用は、販売事業者によって数十万円単位で異なるケースが珍しくありません。そのため、補助金活用を検討する際は何社か見積もりを取った上で比較検討することが重要です。
適正価格で導入したうえで補助金を活用すれば、導入費用を最大限まで抑えられます。最終的な負担額は「販売価格-補助金額」で決まるため、補助金額の大きさだけでなく機器・工事の本体価格に注意しましょう。
蓄電池の補助金に関するよくある質問
2026年6月時点で国の蓄電池補助金は利用できますか?
DR補助金(令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業)は2026年5月29日に予算約54億円に到達し公募終了しました。一方、みらいエコ住宅2026事業(蓄電池1戸96,000円)とZEH補助金(蓄電池上限20万円)は2026年12月まで継続中です。みらいエコ住宅2026事業はリフォーム工事と組み合わせる必要があり、ZEH補助金は新築戸建が対象となります。
蓄電池の補助金は国・都道府県・市区町村で併用できますか?
原則として併用可能ですが、制度ごとに条件が異なります。同一設備に対する国費を財源とする補助金の重複交付は不可です。たとえばDR補助金とZEH補助金の蓄電池加算は同一の蓄電池に対しては同時申請できません。一方、東京都の助成金は国のDR補助金との併用が可能で、組み合わせると1戸あたり190万円超の補助も試算されます。
既設の太陽光発電に蓄電池を後付けする場合に使える補助金はありますか?
国の制度では、みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠が後付け蓄電池に対応しています。ただし窓・ドアの断熱改修などの要件化工事と組み合わせる必要があります。都道府県・市区町村レベルでは、東京都・山梨県・札幌市など多くの自治体が後付け蓄電池の助成を行っています。お住まいの自治体名と「蓄電池 補助金」で検索すると最新情報を確認できます。
蓄電池単体の導入で利用できる補助金はありますか?
国のDR補助金は太陽光発電が未設置でも蓄電池単体で申請が可能でしたが、2026年6月時点で公募終了しています。みらいエコ住宅2026事業は他の省エネリフォームと組み合わせる必要があり、蓄電池単体では申請できません。都道府県・市区町村の補助金は、太陽光発電との連系を条件としているケースが多く、蓄電池単体での申請が可能な制度は限られます。
東京都の蓄電池補助金はどれくらい受け取れますか?
令和8年度の東京都「家庭における蓄電池導入促進事業」では、新設の場合に蓄電池容量1kWhあたり10万円、1戸あたり上限120万円の助成が受けられます。DR実証への参加でさらに10万~15万円が加算されます。たとえば12kWhの蓄電池をDR実証参加付きで設置し、国のDR補助金(最大60万円)も併用できれば、合計で最大190万円程度の補助が試算されます。
補助金を申請するタイミングはいつですか?工事後でも申請できますか?
多くの補助金は「工事の契約前」または「着工前」の事前申込が必要で、工事完了後に遡って申請することはできません。たとえば東京都の助成金は工事の契約前に事前申込を済ませる必要があり、ZEH補助金は交付決定前に着工した工事は対象外となります。一方、札幌市の再エネ省エネ機器導入補助金などは設置完了後の申請も認められる例外もあるため、各制度のスケジュールを必ず確認してください。
補助金を申請するために必要な書類は何ですか?
補助金ごとに異なりますが、共通して必要となるのは申請書、見積書、設置住宅の住民票や本人確認書類、設置製品のカタログまたは仕様書、設置後の写真、領収書などです。DR補助金では事前にSII登録された機器の選定が必要で、ZEH補助金ではBELS認定書、みらいエコ住宅2026事業では工事請負契約書などが追加で求められます。多くの制度で販売事業者が申請手続きを代行するため、対応事業者と事前に書類リストを確認しておくと安心です。
蓄電池の補助金は法人や事業者でも利用できますか?
本記事で紹介した制度は主に住宅・個人向けですが、法人・事業者向けには「業務産業用蓄電システム導入支援事業(DR業産用蓄電池)」などの別制度があります。事業所への蓄電池導入には、産業用の補助金や、都道府県・市区町村が実施する事業者向け省エネ補助金などを検討してください。
蓄電池の補助金に申請したものの不採択になった場合、再申請できますか?
先着順の制度の場合、予算枠の範囲内であれば書類不備を是正したうえで再申請できる場合があります。札幌市の補助金のように抽選方式の制度では、第1回で外れても第2回に再応募が可能です。一方、DR補助金のように予算到達で公募が終了した制度は、原則として年度内の再公募はありません。次年度の制度や追加補正予算の動向をチェックしましょう。
補助金で導入した蓄電池に処分制限はありますか?
補助金を受けて取得した蓄電池には、法定耐用年数(家庭用蓄電池の場合は6年間)の期間、補助事業の目的に反した売却・譲渡・廃棄を行うことができないという処分制限が課されます。事業完了後も適切に管理・運用する義務があり、財産処分が必要な場合は事前に承認申請を行う必要があります。詳細は各補助金の交付要綱で確認してください。
まとめ
家庭用蓄電池は初期費用がネックになりがちですが、国・都道府県・市区町村の補助金を立体的に活用すれば、導入負担を大きく抑えられます。2026年6月時点ではDR補助金の公募が終了している一方、みらいエコ住宅2026事業・ZEH補助金・東京都の蓄電池助成など、活用できる制度はまだ複数残っています。
特に東京都は予算1,012億円の拡大に加え、国のDR補助金との併用で190万円超の補助も試算される厚みのある制度を整えています。蓄電池の補助金はお住まいの地域や時期によって大きく変わるため、補助金を受けられるタイミングで購入することが、コスト面で最も合理的な判断です。
補助金によって要件は大きく異なります。申請前には対象機器・申請順序・併用可否をしっかり確認し、対応する販売事業者と早めに準備を進めましょう。
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