地域の雇用を支える中堅・中小・スタートアップ企業の大規模な設備投資や拠点新設を支援する「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」。令和8年5月に発表された第5次公募の採択結果では、申請198件のうち77件が採択(採択倍率約2.6倍)され、採択者の平均投資予定額は約56億円にのぼりました。
そして事務局からは、第6次公募を2026年(令和8年)夏頃に実施予定であることがすでに公表されています。
昨年(2025年)も、春の3次公募のあと7月7日に4次公募が開始され、締め切りは約1か月後の8月8日でした。今年も同じサイクルなら、6次公募の準備期間は決して長くありません。投資額20億円以上(100億宣言企業は15億円以上)という大型案件だからこそ、公募開始を待ってからの準備では間に合わないのが実情です。
本記事では、
- 過去の公募スケジュールから予想する6次公募の時期
- 5次公募の採択結果からわかる「採択される事業者」の傾向
- 6次公募に向けて今から進めておくべき準備
を分かりやすく整理して解説します。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する
この記事の目次
大規模成長投資補助金とは?最大50億円で拠点新設・大規模設備投資を支援
大規模成長投資補助金は、常時使用する従業員数2,000人以下の中堅・中小・スタートアップ企業を対象に、最大50億円・補助率1/3以下で工場等の拠点新設や大規模設備投資を支援する、国内最大級の補助金です。
地域の雇用を支える企業が人手不足等の課題に対応し、省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図ることで、地方における持続的な賃上げを実現することを目的としています。令和7年度補正予算では2,000億円が措置されており、令和5年度補正・令和6年度補正と合わせた累計予算は8,000億円超に達します。
| 大規模成長投資補助金の概要 | |
|---|---|
| 補助上限額 | 50億円 |
| 補助率 | 1/3以下 |
| 補助対象者 | 日本国内に本社・事業実施場所を有する従業員数2,000人以下の会社又は個人等(みなし大企業を除く) |
| 投資額要件 | 一般企業向け:20億円以上/100億宣言企業向け:15億円以上(税抜・外注費・専門家経費を除く補助対象経費分) |
| 賃上げ要件 | 補助事業終了後3年間の従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、一般企業5.0%以上/100億宣言企業4.5%以上 |
| 補助事業期間 | 原則、交付決定日から最長で令和10年12月末まで |
6次公募はいつから?昨年のスケジュールと比較して時期を予想
結論からお伝えすると、事務局は6次公募を「2026年夏頃」に実施予定と公式に発表しています。そして過去のスケジュールと照らし合わせると、具体的には7月上旬に公募開始、8月上旬に締め切りとなる可能性が高いと予想されます。過去の公募スケジュール一覧(1次〜5次)
本補助金は2024年の創設以来、おおむね「春」と「夏」の年2回ペースで公募が実施されてきました。
| 公募回 | 公募期間 | 採択発表 | 採択結果 |
|---|---|---|---|
| 1次公募 | 2024年3月〜4月30日 | 2024年6月 | 1次〜3次の合計で310件採択(平均採択率約19.7%) |
| 2次公募 | 2024年6月〜8月 | 2024年11月 | 同上 |
| 3次公募 | 2025年3月10日〜4月 | 2025年6月30日 | 同上 |
| 4次公募 | 2025年7月7日〜8月8日 | 2025年10月10日 | 申請210件→採択102件(倍率約2.1倍) |
| 5次公募 | 2026年2月27日〜3月27日 | 2026年5月中下旬 | 申請198件→採択77件(倍率約2.6倍) |
6次公募の予想スケジュール
昨年(2025年)は、春の3次公募の採択発表(6月30日)から約1週間後の7月7日に4次公募が開始されました。今年も5次公募の採択発表が5月中下旬に行われ、事務局が「夏頃実施」を予告していることから、同様のサイクルが想定されます。
- 公募開始:2026年7月頃
- 申請締切:2026年8月頃(公募期間は約1か月の見込み)
- プレゼンテーション審査:2026年9月頃
- 採択発表:2026年10月頃
ここで注意したいのが、公募期間が約1か月しかないという点です。4次公募は7月7日開始・8月8日締切、5次公募も2月27日開始・3月27日締切と、いずれも約1か月で受付が終了しています。投資額20億円規模の成長投資計画書、3期分の決算書、ローカルベンチマーク、金融機関の確認書などを1か月で揃えるのは現実的ではありません。公募要領の公表前から準備を始めることが、採択への第一歩といえるでしょう。
5次公募の採択結果からわかる「採択される事業者」の傾向とは
5次公募では、申請198件のうち一次審査(書面・定量評価)を経て147件がプレゼンテーション審査に進み、最終的に77件が採択されました。採択倍率は約2.6倍と、4次公募(約2.1倍)より競争が激化しています。
採択者の平均投資額は約56億円、目標賃上げ率の中央値は7.0%
事務局の発表によれば、5次公募採択者の平均投資予定額は約56億円、目標賃上げ率の中央値は年7.0%でした。4次公募(平均投資額約38億円・賃上げ率中央値6.5%)と比べても、投資規模・賃上げ目標ともに大きく上振れしています。
一般企業向けの賃上げ基準率は5.0%ですが、採択者の中央値が7.0%という事実は、要件ギリギリの目標設定では競争上不利になりつつあることを示しています。審査基準「地域への波及効果」でも、基準を大幅に上回る意欲的な賃上げ目標が高く評価されます。
どんな業種・事業が採択された?採択案件一覧の分析
5次公募の採択案件一覧(77件)を分析すると、採択事業者には明確な傾向が見られます。
- 食品製造・加工(約19件・全体の約4分の1):レトルト食品の大型工場新設、弁当製造の自動化、菓子の量産拠点、こめ油の輸出強化など。「新工場建設×自動化×輸出・HACCP対応」の組み合わせが典型例
- 半導体・データセンター関連(約10件):半導体材料・製造装置部品・表面処理、データセンター向け冷却装置・配電盤・非常用発電機など、成長市場のサプライチェーンを支える部素材・装置メーカー
- 金属加工・生産財(約15件):防衛・宇宙分野の新工場、BIM・ロボット連携のスマート工場、水道インフラ向けバルブ増産など国策・インフラ関連
- 冷凍・冷蔵物流:低温物流倉庫の新設、冷凍食品EC物流拠点の整備
- 観光・宿泊:老舗旅館の大規模リニューアル、待遇改善を打ち出した宿泊施設の拠点展開
横断的な共通点として、ほぼすべての採択案件が工場・拠点の新設または増設を核とした計画であること、そして大半の事業者が地方銀行・信用金庫など金融機関による確認書を提出していることが挙げられます。地域金融機関を巻き込んだ資金計画の確度が、採択を左右する重要な要素になっているといえるでしょう。
6次公募の申請要件は?5次公募からの変更点もおさらい
6次公募の公募要領は未公表ですが、5次公募の要件が基本的に踏襲されると考えられます。5次公募で行われた重要な変更点も含めて、現行の要件を整理しておきましょう。
申請類型は「一般企業向け」と「100億宣言企業向け」の2つ
5次公募から「100億宣言企業向け」の申請類型が新設され、投資額・賃上げ率の要件が緩和されています。
| 申請類型 | 対象事業者 | 投資額要件 | 賃上げ要件 |
|---|---|---|---|
| 一般企業向け | 100億宣言を行っていない事業者 | 20億円以上 | 年平均上昇率5.0%以上 |
| 100億宣言企業向け | 「100億宣言」を行い、申請時までに専用ポータルサイトに公表されている事業者 | 15億円以上 | 年平均上昇率4.5%以上 |
※投資額は税抜きであり、外注費・専門家経費を除く補助対象経費分のみで計算します。
※産業競争力強化法上の中小企業者であるスタートアップが、公募開始日から3年以内に100億宣言を実施する見込みがある場合も、基準率4.5%の適用を受けられます。
100億宣言は申請時までにポータルサイトへの公表が完了している必要があるため、6次公募でこの枠を狙う場合は、今すぐ宣言手続きに着手することをおすすめします。
賃上げ要件は「役員を除く従業員」の給与で計算
賃上げ要件は、補助事業終了後3年間の「補助事業に関わる従業員1人当たり給与支給総額」の年平均上昇率で判定されます。5次公募からは計算対象から役員が除外され、純粋に従業員の賃上げのみが評価対象となりました。給与には基本給・賞与のほか、残業手当や家族手当など課税対象となる各種手当が含まれます。
申請時に掲げた賃上げ目標を達成できなかった場合は、未達成率に応じて補助金の返還が求められます(天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合を除く)。また、交付決定までに目標水準を全従業員または従業員代表者に表明しなかった場合、交付決定の取消・補助金返還の対象となる点にも注意が必要です。
補助対象経費は5区分。設備の単純更新は対象外
補助対象経費は、建物費・機械装置費・ソフトウェア費・外注費・専門家経費の5区分に限定されています。外注費と専門家経費の合計額は、建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計額未満でなければなりません。
一方で、土地代や建物の単なる購入・賃貸、既存建物の撤去・解体費用、生産能力が向上しない単純な設備更新投資、パソコン等の汎用品は補助対象外です。対象経費はすべて交付決定日以降の契約(発注)分に限られる点にもご注意ください。
6次公募に向けて今から準備すべき6つのこと
公募期間が約1か月しかないことを踏まえると、6次公募で採択を狙う事業者は、公募要領の公表を待たずに以下の準備を進めておくべきです。
- ① GビズIDプライムアカウントの取得:申請は電子申請システム「Jグランツ」のみ。アカウント発行には原則2週間程度かかり、取得遅れによる期限延長は一切認められません
- ② 100億宣言の手続き(該当企業):投資額15億円以上・賃上げ率4.5%以上の緩和要件を使うには、申請時までにポータルサイトでの公表が必須です
- ③ 加点項目の認定取得:えるぼし・くるみん・健康経営優良法人・パートナーシップ構築宣言などの認定は、原則「公募開始日時点」での取得が条件。逆算すると今が申請のタイミングです
- ④ 設備・建物の相見積もり取得:原則3社以上の同一条件による相見積もりが必要です。見積取得には数週間〜数か月かかるため、早期着手が不可欠です
- ⑤ 金融機関との資金計画のすり合わせ:5次採択者の大半が金融機関の確認書を提出。確認書の発行やプレゼン審査への同席は、計画の説得力を大きく高めます
- ⑥ 経営者によるプレゼン準備:二次審査では代表権を有する経営者本人によるプレゼンテーションと質疑応答が必須です
なお、過去の公募で採択済みの事業者には重複制限があります。5次公募では、1次〜3次公募の採択事業と同一の産業分類・同一都道府県・従業員の重複に該当する案件、および4次公募採択事業者の事業は申請できませんでした。6次公募でも同様の規定が設けられる可能性が高いため、グループ内に過去の採択企業がある場合は事前に確認しておきましょう。
大規模成長投資補助金の6次公募に関するよくある質問
大規模成長投資補助金の6次公募はいつ実施されますか?
事務局の公式発表によると、6次公募は2026年夏頃の実施が予定されています。昨年は4次公募が2025年7月7日に開始され8月8日に締め切られたことから、6次公募も2026年7月頃開始・8月頃締切となる可能性が高いと予想されます。正式な日程は事務局ホームページで公表されます。
6次公募の公募期間はどのくらいになる見込みですか?
過去の公募実績から、約1か月になる見込みです。4次公募は2025年7月7日〜8月8日、5次公募は2026年2月27日〜3月27日と、いずれも約1か月で受付が終了しています。成長投資計画書や相見積もり、金融機関の確認書の準備には数か月かかるため、公募開始前からの準備が不可欠です。
大規模成長投資補助金の補助上限額と補助率はいくらですか?
補助上限額は50億円、補助率は1/3以下です。投資額の要件は一般企業向けが20億円以上、100億宣言企業向けが15億円以上(いずれも税抜き・外注費・専門家経費を除く補助対象経費分)となっています。
大規模成長投資補助金はどんな企業が対象ですか?
日本国内に本社および補助事業の実施場所を有する、常時使用する従業員数が2,000人以下の会社または個人等(中堅・中小・スタートアップ企業)が対象です。ただし、大企業が実質的に支配している「みなし大企業」や、1次産業を主たる事業とする事業者は対象外です。
5次公募の採択倍率はどのくらいでしたか?
5次公募では申請198件のうち、一次審査を経て147件がプレゼンテーション審査に進み、最終的に77件が採択されました。採択倍率は約2.6倍です。採択者の平均投資予定額は約56億円、目標賃上げ率の中央値は年7.0%と、高い水準の計画が採択されています。
5次公募ではどのような業種が多く採択されましたか?
採択77件のうち約4分の1を食品製造・加工業が占め、新工場建設と自動化・輸出強化を組み合わせた計画が多く採択されました。次いで半導体・データセンター関連のサプライチェーンを支える部素材・装置メーカー、防衛・宇宙など国策分野の金属加工業、冷凍冷蔵物流、観光・宿泊業などが採択されています。
賃上げ目標を達成できなかった場合はどうなりますか?
申請時に掲げた賃上げ目標(1人当たり給与支給総額の年平均上昇率)を達成できなかった場合、未達成率に応じて補助金の返還が求められます。ただし、天災など事業者の責めに帰さない理由による未達成の場合、返還は求められません。また、未達成による返還となった場合でも事業者名は公表されません。
100億宣言企業向け枠とは何ですか?
売上高100億円を目指すことを宣言し、専用の「100億宣言ポータルサイト」に公表されている企業向けの申請類型です。一般企業向けと比べて、投資額要件が20億円以上から15億円以上へ、賃上げ要件が年5.0%以上から4.5%以上へ緩和されます。申請時までにポータルサイトへの公表が完了している必要があります。
過去の公募で採択された企業は6次公募に申請できますか?
重複制限に注意が必要です。5次公募では、1次〜3次公募の採択事業と同一の産業分類(日本標準産業分類の小分類)・同一都道府県・従業員の重複のいずれかに該当する案件や、4次公募採択事業者の事業は申請できませんでした。6次公募でも同様の制限が設けられる可能性が高いため、公募要領の公表後に必ず確認してください。
6次公募に向けて今から何を準備すべきですか?
GビズIDプライムアカウントの取得(発行に約2週間)、100億宣言の手続き、えるぼし・くるみん・健康経営優良法人など加点対象認定の取得、設備・建物の相見積もり取得(原則3社以上)、金融機関との資金計画のすり合わせと確認書の依頼、経営者本人によるプレゼンテーションの準備が挙げられます。加点対象の認定は原則「公募開始日時点」での取得が条件となるため、早めの着手が重要です。
まとめ:6次公募は2026年夏頃の見込み。準備は「今」から始めましょう
大規模成長投資補助金は、工場等の拠点新設や大規模な設備投資を最大50億円までバックアップする国内最大級の制度です。6次公募は2026年夏頃の実施が予定されており、昨年の実績を踏まえると7月頃開始・8月頃締切という短期決戦になる可能性があります。
5次公募の採択倍率は約2.6倍、採択者の賃上げ目標の中央値は7.0%。競争が激化するなかで採択を勝ち取るには、公募開始前からの計画づくりと体制整備が何より重要です。
弊社では、第6次公募の採択に向けて、以下の申請支援を実施しております。
- 無料でのメール相談
- オンライン面談(投資計画の方向性確認)
- 申請支援(※)を通じて、構想段階からプレゼン審査、採択後の事務手続きまで伴走いたします。※書類作成支援の実務から有料となります。
【弊社の申請支援内容】
- 投資要件・賃上げ要件の精査:投資額(20億円以上等)や賃上げ率(5.0%以上等)が要件を満たすか厳密に確認します。
- 補助対象経費の適切な整理:建物費、機械装置費、ソフトウェア費など、大規模投資に不可欠な経費を漏れなく計上します。
- 「プレゼン審査」を見据えた計画書作成支援:本補助金は経営者によるプレゼン審査が必須です。審査基準である「先進性」「地域への波及効果」「実現可能性」を論理的に言語化します。
- 5次公募の採択傾向を踏まえた戦略立案:採択倍率約2.6倍・賃上げ中央値7.0%という最新の競争環境を踏まえ、説得力のある目標設定をご支援します。
「20億円以上の投資を検討しているが、自社が対象になるか?」「6次公募に間に合うか不安」といったご相談も大歓迎です。大規模投資は準備の精度が採択を左右します。ぜひお早めに下記フォームよりお問い合わせください。
▼【無料】大規模成長投資補助金・ご相談フォームはこちら
無料相談する
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する


