「自動化したいけれど、自社の業務に合う設備がカタログに見つからない」「業界特有の工程に対応したシステムを導入したい」――こうした悩みを抱える事業者に向けた制度が、中小企業省力化投資補助金(一般型)です。
2026年11月4日、一般型の第9回公募が始まり、同日に第9回公募要領が公開されました。申請受付は12月上旬、締切は12月下旬の予定で、受付期間は第8回の約1か月より短くなる見込みです。採択発表は2027年3月下旬(調整中)とされています。
補助上限額は最大1億円、補助率は最大2/3。IoT・AI・ロボットなどを活用したオーダーメイドの設備やシステムの導入を支援します。第1回から第6回までの採択率は60.9〜69.3%で、直近の第6回は申請1,841件に対し採択1,176件(63.9%)でした。
第9回では、補助事業の実施期間が交付決定日から14か月以内に短縮されました。この記事では、一般型の補助額、対象者、対象経費、要件、審査のポイント、申請の流れまでを第9回公募要領をもとに解説します。
第9回公募 公募開始:2026年11月4日(水)
申請受付開始:2026年12月上旬(予定)
申請締切:2026年12月下旬(予定)
採択発表:2027年3月下旬(調整中)
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・【★本記事】省力化投資補助金 一般型とは?最大1億円・対象・補助上限・申請の流れ
・省力化投資補助金「カタログ注文型」とは?対象製品・補助額・申請の流れを解説
・省力化投資補助金「一般型」vs「カタログ注文型」どちらを選ぶべき?
・省力化投資補助金(一般型)第6回の採択結果が公開!採択率と活用事例を紹介
・中小企業省力化投資補助金の採択事例5選!一般型の傾向と評価のポイントは
この記事の目次
省力化投資補助金の一般型とは?最大1億円・補助率最大2/3の制度
省力化投資補助金の一般型は、人手不足に悩む中小企業等が、現場に合わせた設備やシステムを導入する費用の一部を補助する制度です。正式名称は「中小企業省力化投資補助事業(一般型)」で、独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施しています。
カタログの製品から選ぶのではなく、自社の課題に沿って設備を設計できる点が特徴です。ハードとソフトを組み合わせた事業全体が支援の対象となります。
| 一般型の概要(第9回公募要領) | |
|---|---|
| 事業名 | 中小企業省力化投資補助事業(一般型) |
| 補助上限額 | 750万円〜8,000万円(特例適用で最大1億円) |
| 補助率 | 中小企業1/2(特例で2/3)、小規模企業者等2/3 |
| 対象者 | 中小企業者、小規模企業者・小規模事業者、特定事業者の一部、特定非営利活動法人、社会福祉法人など |
| 必須経費 | 機械装置・システム構築費(単価50万円以上) |
| 事業実施期間 | 交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月後の日まで) |
| 申請方法 | 電子申請(GビズIDプライムアカウントが必要) |
一般型で導入できる設備の例は?
公式資料では、次のような活用例が示されています。
- 通信販売業の物流の自動化:顧客数と購買量の増加に対応するため、自動梱包機と倉庫管理システムをオーダーメイドで開発・導入
- 自動車部品製造業の検査の自動化:検査が難しい微細な部品を効率よく製造するため、デジタルカメラやAI技術を活用した自動外観検査装置を現場に合わせて導入
業種別の採択事例は、以下の記事で紹介しています。
第9回公募はいつ?申請開始日・締切日のスケジュール
第9回公募は2026年11月4日(水)に公募開始となり、申請受付は12月上旬、締切は12月下旬の予定です。採択発表は2027年3月下旬(調整中)とされています。
受付開始日と締切日の確定日時は、現時点では公表されていません。第8回の申請受付は2026年10月16日(金)17:00に終了しています。
| 公募回 | 公募開始日 | 申請受付開始日 | 締切日 | 採択発表日 |
|---|---|---|---|---|
| 第6回 | 2026年3月13日 | 2026年4月15日 | 2026年5月15日 | 2026年8月28日 |
| 第7回 | 2026年6月5日 | 2026年7月1日 | 2026年7月31日 | 2026年11月中旬(予定) |
| 第8回 | 2026年8月18日 | 2026年9月18日 | 2026年10月16日 | 2027年2月上旬(予定) |
| 第9回 | 2026年11月4日 | 2026年12月上旬(予定) | 2026年12月下旬(予定) | 2027年3月下旬(調整中) |
図は、第9回の公募開始から効果報告までの流れです。第9回公募要領の期間を当てはめています。
第9回公募に申請できない事業者は?
現在、一般型の応募申請中または交付申請中の事業者は第9回に申請できません。交付決定を受けて補助金の支払いが完了していない事業者も同じです。
たとえば第7回・第8回に申請して採択発表を待っている事業者は、第9回に重ねて申請できません。同一の法人・事業者が申請できるのは、公募回ごとに1件のみです。
2027年度の統合を待つべき?
2027年度の概算要求では、省力化投資補助金とデジタル化・AI導入補助金を「省力化・デジタル化・AI投資補助金」として一本化する方針が示されています。ただし、これは予算要求の段階です。統合後の補助率、上限額、公募時期は公表されていません。
投資計画が固まっている事業者にとっては、要件が見えている現行制度の第9回が検討しやすい選択肢です。第9回に申請するか統合後の制度を待つか判断に迷う場合は、当社の無料相談もご活用ください。統合の内容は以下の記事で整理しています。
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補助上限額と補助率はいくら?従業員規模別の金額
一般型の補助上限額は750万円〜8,000万円で、特例適用時は最大1億円です。補助率は中小企業が1/2、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者が2/3となります。
従業員数別の補助上限額
| 常勤従業員数 | 補助上限額 | 大幅賃上げ特例の適用時 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
事業者区分別の補助率
| 区分 | 補助率 |
|---|---|
| 中小企業 | 1/2(最低賃金引き上げ特例で2/3) |
| 小規模企業者・小規模事業者・再生事業者 | 2/3 |
| 特定非営利活動法人・社会福祉法人・医療法人(従業員20人以下) | 2/3 |
第5回公募以降は、「補助額1,500万円超の部分は1/3」という区分がなくなりました。第9回も同じ補助率です。
再生事業者とは、中小企業活性化協議会などの支援を受けて再生計画を策定中、または応募締切日から3年以内に再生計画が成立した事業者を指します。再生事業者は基本要件が未達でも補助金の返還が免除されますが、確認書類を交付申請時に提出する必要があります。
たとえば従業員30人の中小企業が補助対象経費4,000万円の設備を導入する場合、補助額は2,000万円です。上限額3,000万円の範囲内のため、1/2がそのまま適用されます。
大幅な賃金引き上げ特例の要件は?
次の2つをどちらも満たす計画を策定すると、補助上限額が250万〜2,000万円上がります。
- 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を合計+6.0%以上(基本要件+3.5%に+2.5%上乗せ)とすること
- 事業場内最低賃金を、事業実施都道府県の最低賃金+50円以上の水準とすること
採択された場合は、自身で設定した目標値の達成が求められます。
最低賃金引き上げ特例の要件は?
2025年10月から2026年9月までの間に、「当該期間の地域別最低賃金以上〜2026年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用する従業員が、全従業員数の30%以上である月が3か月以上ある中小企業は、補助率が1/2から2/3に上がります。
小規模企業者・再生事業者・常勤従業員がいない事業者は対象外です。第9回公募要領では、対象期間が第8回(2024年10月〜2025年9月)から1年後ろにずれています。
対象者は?個人事業主やNPO法人も申請できる?
対象は、業種ごとの資本金または常勤従業員数の基準を満たす中小企業者です。個人事業主も申請でき、一定の要件を満たす特定非営利活動法人や社会福祉法人なども対象となります。
中小企業者の資本金・従業員数の基準
| 業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| ゴム製品製造業(一部を除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
小規模企業者・小規模事業者の基準
| 業種 | 常勤従業員数 |
|---|---|
| 製造業その他 | 20人以下 |
| 商業・サービス業 | 5人以下 |
| 宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
小規模企業者・小規模事業者に当てはまると、補助率は2/3となります。
中小企業者以外で対象になる法人は?
- 特定非営利活動法人:中小企業の振興に直結する活動を行い、従業員300人以下で法人税法上の収益事業を行うこと。認定特定非営利活動法人でないこと、交付申請時までに経営力向上計画の認定を受けていることも必要
- 社会福祉法人:所轄庁の認可を受けて設立され、従業員300人以下で、収益事業の範囲内で補助事業を行うこと
- 歯科医業を営む医療法人:都道府県知事の認可を受けて設立され、従業員300人以下であること(第7回公募から追加)
- 特定事業者の一部:資本金10億円未満で、業種ごとの従業員数基準を満たすこと
申請できない主な事業者は?
次のいずれかに当てはまる場合は申請できません。
- 応募申請中・交付申請中の事業者、交付決定後に補助金の支払いが完了していない事業者
- ものづくり補助金、事業再構築補助金、新事業進出補助金の交付決定を受け、支払いが完了していない事業者(卒業促進枠等の一部は除く)
- 応募日から過去3年間に、上記3補助金の交付決定を合計2回以上受けた事業者
- 観光庁の関連事業で設備投資の補助金交付決定を受け、10か月を経過していない事業者
- 応募申請時の直近決算年度から事業計画期間の終了までの間に、給与算定の対象となる従業員が0名となる事業者
- みなし大企業、みなし同一法人(1社のみ申請可)
- 過去1年以内に労働関係法令違反で送検処分を受けた事業者
他者と同一または酷似した事業計画で申請すると、次回以降の公募に申請できなくなる場合があります。
補助対象経費は?機械装置・システム構築費は必須
一般型の補助対象経費は、機械装置・システム構築費が必須です。単価50万円(税抜)以上の設備投資を1つ以上含める必要があります。
必須経費:機械装置・システム構築費
- 専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具の購入・製作・借用に要する経費
- 専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築・借用に要する経費
- 上記と一体で行う、改良または据付けに要する経費
任意経費:総額500万円まで
機械装置・システム構築費以外の経費は、総額500万円(税抜)までが補助対象です。
| 経費区分 | 内容 | 個別の上限 |
|---|---|---|
| 運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料など | ― |
| 技術導入費 | 知的財産権等の導入に要する経費 | 補助対象経費総額の1/3 |
| 知的財産権等関連経費 | 特許権等の取得に要する弁理士の手続代行費用など | 補助対象経費総額の1/3 |
| 外注費 | 専用設備の設計等の一部を外注する経費 | 補助対象経費総額の1/2 |
| 専門家経費 | 学識経験者・専門家への謝金など(1日上限5万円) | 補助対象経費総額の1/2 |
| クラウドサービス利用費 | サーバー領域の借入費用、サーバー上のサービス利用費など | ― |
対象外になる経費は?
次の経費は補助されません。
- 交付決定前に発生した経費(事前着手は不可)
- 中古品の購入費
- 土地・建物・構築物の取得費、建物と一体不可分の建物附属設備の取得・設置費、ビニールハウスやコンテナなどの簡易建物
- 設置場所の整備工事、基礎工事
- 事務所の家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
- 通信費、消耗品、接待費、保険料、借入金の利息
- 自動車等の車両の購入費(「機械及び装置」に該当するものを除く)
- 事務用パソコン、スマートフォン、プリンタなど汎用性の高い機器、汎用ソフトウェア
- 自社の人件費、関連会社への支払い
第9回公募要領では、建物と一体不可分の建物附属設備の取得・設置費用が対象外であることが明記されました。
対象外になる事業は?
- 他の補助金・助成制度と補助対象経費が重複する事業
- 公的医療保険・介護保険の診療報酬・介護報酬と重複する事業
- 顧客向けアプリや販売目的のソフトウェアなど、商品・サービス開発に該当する事業
- 汎用設備やパッケージソフトをそのまま単品で導入する事業
- 専ら申請者以外の他者が利用するシステム・設備の開発・導入
- 極端に開発期間が短いシステム構築など、遂行が困難と判断された事業
カタログ掲載製品は一般型で申請できる?
カタログ掲載製品は、原則としてカタログ注文型で申請します。ただし、導入環境に応じて周辺機器、機器の数、機能が変わる場合は一般型の対象です。
汎用設備を複数組み合わせて、より高い省力化効果や付加価値を生み出す場合も対象となります。
申請要件は?労働生産性+4.0%・給与+3.5%が必要
一般型では、基本要件をすべて満たす3〜5年の事業計画を策定する必要があります。事業計画期間は、補助事業を完了した事業年度の翌年度を1年目として数えます。
4つの基本要件
| 基本要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 労働生産性 | 年平均成長率+4.0%以上増加 |
| ② 給与 | 1人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上増加 |
| ③ 事業場内最低賃金 | 事業実施都道府県の最低賃金+30円以上の水準 |
| ④ 一般事業主行動計画 | 次世代育成支援対策推進法にもとづく行動計画の公表(従業員21名以上のみ) |
④は、交付申請時までに「両立支援のひろば」で有効な計画を公表する必要があります。掲載には2週間程度かかるため、早めの準備が欠かせません。
このほか、基準年度と比較して付加価値額が増加する計画であることも求められます。付加価値額は「営業利益+人件費+減価償却費」で計算します。
基準年度はいつ?第8回から「補助事業完了年度」に変更
第8回公募から、基準年度は補助事業が完了した日を含む事業年度の決算期に変わりました。第7回までは、応募申請時の直近の決算期が基準でした。第9回公募要領でも同じ定義です。
成長率のスタートラインが、申請時点から設備の導入・支払いの完了後へ移った形です。申請から完了までに伸ばした給与や生産性は、目標の達成分に数えられません。
基準年度の値は事業完了後に確定するため、申請時点では見込み値で計画を立てます。
年平均成長率の計算方法は?
年平均成長率(CAGR)は、複数年の成長を1年あたりの伸び率に換算した値です。公募要領の計算式は次のとおりです。
=[{(効果報告時の労働生産性)÷(基準年度の労働生産性)}^(1÷効果報告回数)-1]×100
・1人当たり給与支給総額の年平均成長率(%)
=[{(効果報告時の1人当たり給与支給総額)÷(基準年度の1人当たり給与支給総額)}^(1÷効果報告回数)-1]×100
※「^」はべき乗を表します。
※効果報告時の値は、報告時点で期末を迎えている直近の事業年度の値を用います。
例1:労働生産性+4.0%(3年計画)
基準年度の労働生産性が500万円なら、3年後の目標は500万円×(1.04)³≒562.4万円です。累計の増加率は約12.5%となります。
例2:1人当たり給与支給総額+3.5%(5年計画)
基準年度の1人当たり給与が400万円なら、5年後の目標は400万円×(1.035)⁵≒475.1万円です。累計の増加率は約18.8%となります。
「足下の賃上げ」とは?申請から事業完了までの賃上げ
足下の賃上げとは、応募申請時の直近決算期から基準年度までの期間に行う賃上げのことです。第8回公募の書面審査から評価対象となり、第9回も同じです。
この期間の1人当たり給与支給総額の年平均成長率が、物価上昇率を上回る程度に達しない計画は、審査で大幅に不利になると明記されています。算定の対象となる従業員や給与の範囲は、基本要件②と同じです。
足下の賃上げは、採択後から交付決定までの間に従業員へ表明する必要があります。補助事業期間中の実績はモニタリングの対象です。
第9回公募要領の変更点は?
第9回公募要領で第8回から変わった主な点は次のとおりです。
- 補助事業実施期間を「交付決定日から17か月以内(採択発表日から19か月後の日まで)」から「14か月以内(採択発表日から16か月後の日まで)」に短縮
- 最低賃金引き上げ特例と地域別最低賃金引き上げ加点の対象期間を「2025年10月〜2026年9月」に更新
- 給与算定の対象となる従業員が0名となる事業者の判定期間を「応募申請時の直近決算年度から事業計画期間の終了まで」に明確化
- 補助対象外経費に「建物と一体不可分となる建物附属設備の取得・設置費用」を明記
- 加点項目の判定時点を、いずれも「応募申請時点」に統一
補助上限額、補助率、基本要件の数値、基準年度の定義、口頭審査の運用は第8回から変わっていません。実施期間は第7回の18か月、第8回の17か月から段階的に短くなっており、納期の長い設備では交付決定から支払いまでのスケジュールを慎重に確認する必要があります。
要件を達成できないと補助金の返還が必要?
基本要件②・③が未達の場合は、補助金の返還を求められます。
- 基本要件②(給与):達成率に応じて一部を返還。年平均成長率が0またはマイナスの場合は全額返還
- 基本要件③(事業場内最低賃金):毎年3月末時点で未達の場合、「補助金額÷計画年数」を返還
次の場合は返還を求められません。
- 基本要件②:付加価値額が増加しておらず、かつ事業計画期間の過半数で営業利益が赤字の場合
- 基本要件③:付加価値額が増加しておらず、かつ当該事業年度の営業利益が赤字の場合
- 天災など、事業者の責めに帰さない理由がある場合
- 再生事業者である場合
効果報告は、事業計画1年目の終了後、最初の4月から5年間、毎年行います。報告しない場合も返還を求められることがあります。一方、収益納付は求められません。
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補助金で取得した設備は自由に処分できる?
自由には処分できません。単価50万円(税抜)以上の機械等は、法定耐用年数が経過するまで、処分の前に事務局の承認が必要です。処分すると、残存簿価相当額または譲渡額の高い方を、補助金額を限度に納付します。
審査では何を見られる?技術面の4観点と加点項目
書面審査は、適格性、技術面、計画面、政策面の4カテゴリーで総合評価されます。事業計画の中核は技術面の4観点で、いずれも数値の高さに加えて算出根拠の妥当性が問われます。
① 省力化指数:業務量の削減割合
省力化指数は、補助事業で業務量がどれだけ減るかを示す指標です。
たとえば年間2,000時間の業務が導入後に500時間になる場合、省力化指数は0.75です。
根拠資料として、次の3点をそろえましょう。
- 削減対象業務の現状の作業時間(タイムスタディや業務分析の記録)
- 導入後の想定作業時間(メーカー実績値、類似事例、試算根拠)
- 対象業務に従事する従業員数と稼働状況
新規出店では、新たな業務プロセスで将来発生する人手の削減時間も組み込めます。
② 投資回収期間:何年で回収できるか
投資回収期間は、投資額を省力化効果と付加価値の増加で何年で回収できるかを示す指標です。
第6回公募から算出式に「年間稼働日数」が加わり、削減工数・年間稼働日数・人件費単価の根拠資料が必要となりました。
人件費単価は賃金台帳から算出し、年間稼働日数は営業日数・操業日数の実績を用います。増加する付加価値額は、省力化で生まれた時間を何に振り向けて収益につなげるかまで示すことが大切です。
③ 付加価値額の年平均成長率:伸びの根拠
付加価値額の成長率が大きい案件ほど評価されますが、算出根拠の妥当性も問われます。営業利益は売上・原価計画、人件費は賃上げ計画、減価償却費は設備の償却計画との整合を確認しましょう。
過大な数値よりも、積み上げた根拠のある計画が重要です。
④ オーダーメイド設備:個別最適の説明
オーダーメイド設備とは、ICT・IoT・AI・ロボット・センサーなどを活用して、事業者の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステムです。外部のシステムインテグレータとの連携などを通じて導入します。
フルカスタムの特注品だけが対象ではありません。汎用設備の組み合わせやカスタマイズも認められます。
事業計画書では、次の4点を説明しましょう。
- なぜカタログ製品ではなく一般型での導入が必要なのか
- 自社の現場・業務にどのような個別最適化を行うのか
- どの周辺機器・機能・構成変更が必要なのか
- 複数機器の組み合わせで、どのような相乗効果があるのか
加点項目には何がある?
第9回公募要領の加点項目は次の10項目です。いずれも応募申請時点の状況で判定されます。
- 事業承継またはM&Aの実施(過去3年以内)
- 事業継続力強化計画・連携事業継続力強化計画の認定
- 成長加速マッチングサービスへの登録と挑戦課題の登録
- 地域別最低賃金引き上げに係る要件(2025年10月〜2026年9月の雇用状況で判定)
- 事業場内最低賃金の引き上げ(2026年6月と応募申請直近月を比較し、全国目安の55円以上)
- えるぼし認定
- くるみん認定
- 省力化ナビの活用
- 健康経営優良法人2026の認定
- 生産性向上支援センターの利用と生産性向上取組計画書の提出
減点にも注意が必要です。賃上げ加点を受けて採択された後に要件を達成できないと、未達の報告から18か月間、中小企業庁所管の補助金で大幅に減点されます。
口頭審査は誰が対応する?
ソフトウェア投資やシステム開発など、書面では理解が難しい案件はオンラインの口頭審査の対象となることがあります。
対応できるのは個人事業主本人、法人代表者、役員(社外取締役を除く)です。申請担当者欄に記載された役員または従業員は1名まで同席できます。事業計画書の作成支援者、経営コンサルタント、社外顧問は対応も同席もできません。日時調整の連絡がつかない場合は、申請を辞退したものとみなされ不採択となることがあります。
申請の流れは?GビズID取得から実績報告まで
申請は電子申請で行います。第9回の受付開始は12月上旬の予定のため、GビズIDプライムアカウントの確認から始めましょう。
GビズID公式サイトから取得します。発行には2週間程度かかります。
2. 事業計画書の作成と設備の選定
人手不足の状況、課題、実施体制、取組内容を具体的に示し、導入する設備やシステムを選定します。
3. 応募申請
電子申請システムから申請します。申請者自身が内容を理解し、確認したうえで手続きしてください。第9回の採択発表は2027年3月下旬(調整中)とされています。
4. 相見積もりと発注先の選定
採択後、同一条件で見積を取得し、発注先を選定します。
5. 交付申請
原則、採択発表日から2か月後の日が期限です。
6. 補助事業の実施
交付決定後に発注し、交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月後の日まで)に契約・納品・検収・支払いを完了します。
7. 実績報告・補助金の受け取り
補助事業完了から30日以内または事業完了期限日のいずれか早い日までに実績報告を提出します。確定検査を経て補助金が支払われます。
8. 効果報告
事業計画1年目の終了後、最初の4月から5年間、毎年報告します。
応募時に必要な書類は?
第9回公募要領で求められる主な書類は次のとおりです。
| 区分 | 主な書類 |
|---|---|
| 共通 | 2期分の損益計算書・貸借対照表、事業計画書(その1〜3)、単価50万円以上の設備の見積書・仕様書 |
| 法人 | 履歴事項全部証明書(3か月以内)、納税証明書(3期分)、事業概要、役員・株主名簿 |
| 個人事業主 | 確定申告書の控え、納税証明書(1期分)、所得税の申告関係書類 |
| 複数拠点 | 実施場所の一覧 |
特例や加点の適用を受ける場合は、別途書類が必要です。
見積は何社から取る?
1者あたりの見積額が50万円(税抜)以上の場合は、同一条件の相見積もりが原則です。最低価格の提示者を選ばない場合は、理由書と価格の妥当性を示す書類が必要になります。
50万円(税抜)未満なら、1者の見積書で足ります。システムは費用の内訳を明確にする必要があり、「システム開発一式」のような見積は認められません。
一般型の採択率は?第1〜6回は60.9〜69.3%
一般型の採択率は、第1回から第6回まで60.9〜69.3%で推移しています。直近の第6回は、申請1,841件に対し採択1,176件で63.9%でした。
申請の約3〜4割は不採択となっています。業種別の傾向は、以下の記事で確認できます。
カタログ注文型との違いは?設備の自由度と補助額
一般型はオーダーメイド設備向けで上限最大1億円、カタログ注文型は登録製品の購入向けで上限最大1,500万円です。
| 比較項目 | 一般型 | カタログ注文型 |
|---|---|---|
| 対象設備 | オーダーメイド設備、汎用設備の組み合わせ | カタログ登録製品 |
| 補助上限額 | 最大1億円 | 最大1,500万円 |
| 補助率 | 最大2/3 | 1/2 |
| 申請方法 | 公募回制・事業計画書が必要 | 販売事業者と共同で申請 |
選び方の詳しい比較は、以下の記事で解説しています。
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省力化投資補助金の一般型に関するよくある質問
省力化投資補助金の一般型は今申請できますか?
現時点では、まだ申請できません。第9回公募は2026年11月4日に始まりましたが、申請受付開始は12月上旬、締切は12月下旬の予定です。公募要領は公開済みのため、内容を確認して事業計画書の準備を進めましょう。
一般型の補助額はいくらですか?
補助上限額は従業員数に応じて750万円〜8,000万円で、大幅な賃金引き上げ特例を適用すると1,000万円〜1億円に上がります。補助率は中小企業が1/2、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者が2/3です。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。ただし、応募申請時の直近決算年度から事業計画期間の終了までの間に、給与算定の対象となる従業員が0名となる事業者は対象外です。個人事業主の場合、応募時には確定申告書の控え、納税証明書などの提出が必要です。
従業員数はどのように数えますか?
応募時の常勤従業員数で判定します。日々雇用の人、2か月以内の期間を定めて雇用する人、4か月以内の季節労働者、試用期間中の人は含みません。この条件に当てはまらないアルバイトや契約社員は含む場合があります。
医療法人やクリニック、介護事業者は対象ですか?
歯科医業を営む医療法人は、都道府県知事の認可を受けて設立され、従業員数が300人以下であれば第7回公募から対象です。その他の医療法人は対象外です。診療報酬・介護報酬と重複する事業も対象になりません。社会福祉法人は、従業員数300人以下で収益事業の範囲内なら対象です。
カタログ注文型と一般型は併用できますか?
同じ補助対象経費には併用できません。補助対象経費が別であれば、併用できるとされています。併用の可否は公募要領と事務局のよくある質問で確認してください。
中古の設備や車両は対象になりますか?
中古品の購入費は対象外です。自動車などの車両も原則対象外ですが、減価償却資産の「機械及び装置」に該当するものは対象となります。
設備をリースで導入する場合も対象ですか?
対象リース会社と共同で申請する場合、ファイナンス・リースは対象になります。オペレーティング・リースは対象外で、交付決定前のリース契約も認められません。
交付決定前に発注した設備は対象ですか?
対象外です。理由を問わず、交付決定前の発注・契約・支払いにかかる経費は補助されません。採択後に見積を取り、交付決定を受けてから発注してください。
汎用設備は対象になりますか?
単品の汎用設備をそのまま導入する事業は対象外です。複数の設備を組み合わせて省力化効果を生み出す場合や、導入環境に応じて周辺機器や機能を変更する場合は対象となります。
過去に補助金を受けた事業者も申請できますか?
一般型の補助金の支払いが完了していない事業者は申請できません。ものづくり補助金、事業再構築補助金、新事業進出補助金の交付決定を受けて支払いが未完了の事業者、過去3年間にこれらの交付決定を合計2回以上受けた事業者も対象外です。
採択結果はどのように確認できますか?
審査結果が出るとメールが届き、申請マイページで確認できます。採択された場合、申請者名、市区町村までの住所、法人番号、事業計画名、支援機関名などが公式サイトで公表されます。
賃上げ目標を達成できないとどうなりますか?
1人当たり給与支給総額の目標が未達の場合、達成率に応じて補助金の返還を求められます。年平均成長率が0以下なら全額返還です。付加価値額が増えず、かつ事業計画期間の過半数が営業赤字の場合などは返還を求められません。
まとめ
省力化投資補助金の一般型は、最大1億円・補助率最大2/3でオーダーメイドの省力化投資を支援する制度です。第1〜6回の採択率は60.9〜69.3%でした。
第9回公募は2026年11月4日に始まり、申請受付は12月上旬、締切は12月下旬の予定です。採択発表は2027年3月下旬(調整中)とされています。
第9回公募要領では、補助事業の実施期間が交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月後の日まで)に短縮されました。第8回から続く基準年度の変更と足下の賃上げの審査に加え、申請から事業計画の最終年度まで続く賃上げ計画と、14か月に収まる納期の確認が欠かせません。
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