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中小企業省力化投資補助金とは

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人手不足に悩む中小企業を支援するため、政府は令和5年度補正予算に「中小企業省力化投資補助事業(省力化投資補助金)」を盛り込みました。この取り組みは、1000億円の予算を割り当て、中小企業等事業再構築基金を活用することで総額5000億円規模に拡大する予定です。今回はこの新しい支援制度について見ていきます。

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この記事の目次

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省力化投資補助金とは

この補助金の主な目的は、省力化投資を支援し、中小企業の売上拡大と生産性の向上をサポートすることです。これにより、企業の付加価値額や生産性を高め、結果として賃上げにつなげることを目指します。

出典:令和5年度補正予算案の事業概要(PR資料)

省力化投資補助金の対象事業者

省力化投資補助金の対象事業者は、日本国内で事業を営む中小企業や個人事業主で、法人登記がされている者です。資本金や従業員数が業種ごとに定められた基準以下の事業者、特定の組合や法人、特定非営利活動法人(NPO法人)、社会福祉法人が対象となります。

ただし、資本金や従業員数を事業実施期間中に一時的に減らし、補助金対象となるためだけに資本金や従業員数を変更する場合、補助の対象外や交付取消となる場合があります。

【みなし同一法人、みなし大企業の扱い】
上記、対象事業者に該当する者のうち、親会社が子会社の議決権の50%以上を持つ場合、両者は補助金申請で同一法人と見なされ、いずれか1社のみでの申請しか認められません。また、特定条件を満たす中小企業も「みなし大企業」とされ、補助対象外となります。これには、大企業が過半数の株式を持つ企業などが含まれます。

補助対象者の主な要件は以下のとおりです。

要件ポイント 詳細説明
人手不足の確認 人手不足の状態であることが確認できる必要があります。(
従業員の最低賃金 すべての従業員の賃金が、交付申請日及び実績報告日における最低賃金を超えていることが求められます。最低賃金額は厚生労働省のウェブサイトで確認できます。
風俗営業等を営む事業者の除外 助成金の対象からは、風俗営業等を営む事業者が除外されます。ただし、風俗営業等に該当しない旅館業を営む事業者は対象に含まれます。
労働関係法令違反の非該当 過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けていないこと
法人または個人の資格 申請者は公募要領に記載された条件を満たす法人または個人である必要があります。
補助金等の重複なし 申請者は他の補助金等との重複がないことが求められます。
適切な事業の実施 申請者は、補助対象事業の要件に合致する事業を実施することが必要です。
販売事業者の責任 販売事業者は、製品の納入やサポートに関して責任を持ち、省力化製品販売事業者として登録要領に記載の事項を遵守することが求められます。
)人手不足の状態の確認について、事業計画に含めるべきポイントを以下にわかりやすくまとめました。事業者は、これらの条件の中から一つ以上を選択し、省力化を進める必要性を説明しなければなりません。ただし、「④その他」の項目のみを選択した場合は、具体的な省力化投資の必要性を含むより詳細な事業計画が求められます。

①平均残業時間の超過
直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えている場合。これは、限られた人手で業務を遂行している状況を表します。

②離職・退職による人手減少
整理解雇以外の理由で従業員が前年度比で5%以上減少している状況。非正規雇用が主体の事業者の場合は、総労働時間を従業員数で代替して評価します。

③求人への応募不足
採用活動を行い求人を掲載したものの、希望する人材を充足できなかったケース。

④その他の省力化必要性
上記のいずれにも当てはまらないが、省力化を推し進める必要に迫られているその他の状況。この選択肢を用いる場合は、省力化投資の必要性に関して、より詳細な事業計画を策定する必要があります。

これらの条件を事業計画に盛り込むことで、補助金申請時に人手不足の状況があることの確認と、それによる省力化投資の必要性を示すことができます。

省力化投資補助金の補助対象事業

補助金の対象は、人間の労働力に依存する働き方から、省力化・自動化への移行を目指す中小企業です。IoT、ロボットといった汎用製品を「カタログ」に掲載し、企業がそれらを選択して導入できるよう支援を行います。本事業は省力化を目的とすることから、新規事業は対象になりません。

対象事業の要件とは?

補助対象事業の主な要件は以下のとおりです。

要件ポイント 詳細説明
業種の適合性 導入する省力化製品に紐付けられた業種のうち少なくとも1つ以上が事業者の営む事業の業種と合致していること。
補助対象経費の適正性 カタログに登録された価格以内の製品本体価格・導入経費を補助対象として事業計画に組み込むこと。製品本体の交付申請額を超えて製品本体を販売、購入することはできない。
労働生産性向上の目標設定 労働生産性の向上目標を設定し、その実現に取り組むこと。(※1
賃上げの目標と計画の表明 補助上限額の引き上げを行う場合は、賃上げの目標を設定し、従業員にその計画を明らかにし、実現に取り組むこと。(※2
適切な用途の保証 省力化製品を登録されている業種・業務プロセス以外の用途には使用しないこと。
実現可能な事業計画 労働生産性の向上目標を合理的に達成可能な事業計画に基づいて実施すること。
解雇の制限 省力化製品の導入を契機とした自然退職や自己都合退職以外の従業員解雇を行わないこと。
保険加入 補助額が500万円を超える場合は、定められた保険に加入すること。
製品の置き換え制限 既に所有する製品の置き換えを行わないこと(特定の例外を除く)。
GビズIDプライムの取得 必要な認証であるGビズIDプライムを取得していること。

※1生産性の向上目標】
補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上させる事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組まなければなりません。

※2賃上げ要件】
補助事業終了時に、事業所内最低賃金を年額45円以上引き上げ、給与支給総額を年率平均6%以上増加させる「賃上げ要件」を宣言することで、「大幅な賃上げを行う場合」の補助上限が適用されます。

このほか、補助金の返還等について、以下のように定められています。

賃上げ要件の目標を、正当な理由なく達成できない場合、補助金の減額が行われる
本事業から収益が得られた場合、補助金の額を上限として収益納付が求められる。ただし、ただし、効果報告の対象年度の決算が赤字の場合は免除される

他の補助金を受けている場合はどうなる?

補助金等の重複について対象外となるのは、以下の事業や事業者です。他の補助金の採択を受けている場合などはご注意ください。

対象外条件
過去に本事業の交付決定または交付決定取消を受けた事業者
「ものづくり補助金」を受けて10か月未満の事業者
過去3年で「ものづくり補助金」を2回以上受けた事業者
事業再構築補助金事業再構築補助金」採択事業者がその事業に用いるための機器を本事業で導入する場合
観光庁の人材不足対策事業補助金で設備投資の支援を受けた事業者や申請中の事業者
他の国庫や公的制度との重複受給
本事業の製造事業者、販売事業者に該当する場合

省力化投資補助金の対象経費

補助対象経費は、省力化製品の設備投資における「製品本体価格」「導入に要する費用(導入経費)」です。補助事業のために使用される機械や工具・器具、および前述の機械設備または工具・器具と一体として用いられる専用ソフトウェア等の購入経費も補助対象に含まれますが、ソフトウェア単体での申請はできません。

補助対象経費のうち製品本体価格については、単価50万円以上である必要があります。

【補助対象経費】
以下のAおよびBの費用を合算したもの

A:省力化製品の本体価格
専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)及び前述の機械設備または工具・器具と一体として用いられる専用ソフトウェア・情報システム等の購入に要する経費
B:Aに係る導入経費
省力化製品の設置作業や運搬費、動作確認の費用、マスタ設定等の導入設定費用(交付申請における製品本体価格の2割までの金額が補助対象経費

【対象外経費】

補助対象外となる経費(製品本体価格)
・補助事業者の顧客が実質負担する費用が省力化製品代金に含まれるもの
・対外的に無償で提供されているもの
・リース・レンタル契約の省力化製品
・中古品
・交付決定前に購入した省力化製品 等
補助対象外となる経費(導入経費)
・交付決定前に発生した費用や補助事業実施期間外に発生した費用
・過去に購入した製品に対する作業費用や補助対象経費となっていない製品に対する費用
・省力化製品の導入とは関連のない設置作業や運搬費、データ作成費用やデータ投入費用等
・省力化製品の試運転に伴う原材料費、光熱費等
・補助事業者の通常業務に対する代行作業費用
・交付申請時に金額が定められないもの 等

補助対象にならない経費としては、リース・レンタル契約の省力化製品や中古品、省力化製品の導入とは関連のない設置作業・運搬費などが公募要領に記載されています。また、交付決定前に購入した製品も対象外で、いかなる理由であっても事前着手は認められないとあります。

省力化投資補助金の補助金額・補助率

類型 上限額 補助率
省力化投資補助枠(カタログ型) ■従業員数5名以下:200万円(300万円)
■従業員数6~20名:500万円(750万円)
■従業員数21名以上:1000万円(1500万円)
( )内は、賃上げ要件を達成した場合の上限額
1/2

補助金の上限額は従業員規模に応じて設定され、従業員数5名以下の企業には最大200万円(賃上げ要件達成時は300万円)、6名から20名の企業には最大500万円(同750万円)、21名以上の企業には最大1000万円(同1500万円)の補助を行います。補助率は一律で1/2です。

省力化投資補助金の対象製品・製品カテゴリ※11月6日更新

▼11月5日時点で、承認されているカテゴリーはこちら

製品カテゴリ 説明 対象業種
券売機 注文受付、券類の発行、支払・決済業務を自動で行う機器 飲食サービス業
自動精算機 商品販売やサービス提供時の支払・精算等を自動で行う機器 飲食サービス業、小売業
自動チェックイン機 予約管理、チェックイン、精算・会計機能を有する機器(チェックアウト機能、カードキー発行機能があるものが望ましい) 宿泊業
スチームコンベクションオーブン 焼く、蒸す、煮るなどの調理を一台でこなし、プログラム機能で調理品質を一定に保つ調理機器 宿泊業、飲食サービス業、小売業
無人搬送車(AGV・AMR) 自動で走行し、物を移載やけん引できる車両または台車 製造業、倉庫業、卸売業、小売業
検品・仕分システム ものを認識し目的に沿って仕分ける、検品と仕分けが一体で完成するシステム 製造業、倉庫業、卸売業、小売業
自動倉庫 パレットやコンテナ等を自動的に入出庫・保管できる倉庫 製造業、倉庫業、卸売業、小売業
清掃ロボット 人や障害物を回避しながら床を清掃するロボット 飲食サービス業、宿泊業
配膳ロボット 料理や飲み物等(業種によっては、物資・部品や梱包物等)を配膳するロボット 飲食サービス業、宿泊業
タブレット型給油許可システム 事務所内に限らずセルフ式ガソリンスタンドの敷地内どこからでも給油を許可することが可能となるシステム 小売業(ガソリンスタンド)
オートラベラー 製品やパッケージなどに粘着ラベル(シ ―ル)を自動的に貼り付ける装置 製造業、倉庫業、卸売業、小売業
飲料補充ロボット 小売店舗のバッグヤードにおける商品棚への飲料補充業務を行うロボット 小売業
デジタル紙面色校正装置 食品包装パッケージ等のフィルム印刷、商品箱等の紙器パッケージ印刷の色校正を行うための印刷装置 印刷・同関連業
測量機 自動視準・自動追尾機能付き高機能トータルステーション 建設業、専門・技術サービス業(測量業)
丁合機 印刷された紙を本やチラシ、カタログ、取扱説明書などの順序どおりに高速で集めて1冊にまとめる装置 製造業、倉庫業、卸売業、小売業
印刷用紙高積装置 大型の用紙を自動で効率的に印刷機に積む装置 印刷・同関連業
印刷用インキ自動計量装置 顧客指定の特色インキを作成するための装置 印刷・同関連業
段ボール製箱機 段ボールシートを加工する際の、断裁、罫線入れ、溝切りを一つの工程で完了できる装置 製造業
近赤外線センサ式プラスチック材質選別機 近赤外線でプラスチックを識別し、エアジェットで自動分離することで、廃プラスチックのリサイクルを効率化する装置 製造業、廃棄物処理業、卸売業
デジタル加飾機 UVインクジェット技術を使って直接紙などに印刷する機械 製造業
印刷紙面検査装置 印刷物のチェックを自動で行う機械 製造業
鋳物用自動バリ取り装置 鋳物を作るときに出る突出部や製品に不要な部分(バリ)を自動で取り除く装置 製造業
自動調色システム 自動車のボディー等の色を自動で計測し、その色の配合を自動で算出するシステム サービス業、小売業
蛍光X線膜厚測定器 X線を照射して出た蛍光X線の強さを基準と照らし合わせ、基材の表面に付着した金属の量を算出する装置 製造業
自動裁断機 縫製工程前作業として、生地を設計されたピース状のパーツに裁断する作業を自動化する機器 製造業
原材料自動計量混合搬送装置 成形材料に着色材や添加剤を加える際に、自動で混合し、成形機まで自動搬送するシステム 製造業
トムソン加工自動カス取り装置 パッケージや紙箱の生産工程で、印刷された展開図から不要な部分(カス)を自動で取り除く装置 製造業、印刷・同関連業
印刷用紙反転機 印刷工程で高積みされた印刷用紙を反転させる装置 印刷・同関連業
5軸制御マシニングセンタ これまで複数台で段取り替えをしながら加工していた複雑形状の加工を1台で完結できる機器 製造業
自動車向け溶接機(スポット溶接機) 自動車の鉄板などが重なる部分を溶接して接合する装置。溶接パラメータを自動的に設定するため、ヒューマンエラーを減らせる 自動車整備業
自動車向け溶接機(パルス制御溶接機) 自動車のボディやフレーム部分のように高精度な溶接が必要な箇所で使用。溶接電流を細かく調整でき、安定した溶接が可能 自動車整備業
産業用枚葉デジタル印刷機 印刷データから用紙に直接印刷する方式のため、従来の印刷に必要な製版や刷版という工程が不要になる 印刷・同関連業

参考:承認カテゴリ一覧

省力化投資補助金の活用例

どのような対象製品があるのか、どのような事業者が対象か、もう少し詳しくみていきます。ここでは、飲食店、製造業などが活用できる製品の例を確認します。

まず、飲食店では、オーダー受付や決済を自動化する「券売機」や「自動精算機」が対象になります。これらの機器は、注文から支払いまでのプロセスを効率化し、スタッフの作業負担を軽減します。また、「スチームコンベクションオーブン」や「配膳ロボット」も飲食店での調理やサービスの自動化に貢献し、業務の効率化につながります。

次に、製造業・工場向けには、「無人搬送車(AGV・AMR)」や「自動倉庫」が利用可能です。これらの機器は、物流の自動化を実現し、人的ミスを減らしながら作業効率を大幅に向上させます。また、「検品・仕分システム」は製品の品質管理を自動化し、生産ラインの効率を高めることができます。

このような製品を取り入れることで、企業は生産性の向上を図りつつ、労働環境の改善にも取り組むことが可能になるでしょう。以下、製品カテゴリごとの活用例も参考にしてみてください。

券売機(食券販売機等)
飲食店で、従業員が行っていた事前オーダーの注文受付を券売機で自動化。キャッシュカウント機能があれば、売上の計上や経理作業も不要に。
自動精算機
飲食店や小売店で、自動精算機が商品登録と決済を迅速化。現金管理やレジ点検などの業務も効率的に。
自動チェックイン機
旅館やホテルでのチェックインを自動化し、フロント業務を効率化。ピーク時の混雑も軽減。
スチームコンベクションオーブン (プログラム機能付き調理器具)
飲食店での調理をオーブンで効率化。焼き、蒸し、煮、炊き、炒めなどの工程を自動でこなし、料理人が約2時間手を離せなかったローストビーフもボタン操作だけでできるように。
無人搬送車(AGV・AMR)
製造業の工場や倉庫で、従業員が手押し台車で行っていた搬送を無人搬送車が自動化。ルート設定で自動搬送を実現し、ミス低減と作業効率が向上。
検品・仕分システム
製造業の工場や倉庫で、従業員の目視検品・仕分けを自動化。作業ミスを低減し、効率を大幅に向上させる。
自動倉庫
工場や倉庫での荷物の出し入れを自動化。保管場所の検索や在庫管理も自動で行う。
清掃ロボット
清掃員の代わりに、清掃ロボットが自動で廊下やロビーの床を清掃。人や障害物を避けながら効率的に作業する。
配膳ロボット
飲食店で配膳や下げ膳を自動化。障害物を避けながら料理や飲み物を運ぶ。
タブレット型給油許可システム
セルフ式ガソリンスタンドのスタッフが事務所外でも給油許可を出せるようになり、業務の効率化と待機時間の削減が可能に。スタッフは他の業務にも注力できる。
オートラベラー
手作業で行っていたラベル貼付業務に機器を導入することで、人員数の削減効果や処理数向上効果が得られる。また貼付けの品質不良が発生しないことから、再作業および確認行程も不要に。
デジタル紙面色校正装置
従来製版、校正・本機印刷で校正していた重労働を大幅に削減。経験が少ない人でも簡単に校正製造作業ができ、生産性向上につながる。
測量機
高機能トータルステーション(自動視準・自動追尾機能付き)の、遠隔操作や内蔵センサーによる自動追尾・視準機能とノンプリズム機能により、従来2名以上で行っていた作業が1名でできるようになる。
丁合機
手作業でのピッキングは生産力の安定が難しいが、丁合機の導入により、省力化と生産性の向上が期待できる。
印刷用紙高積装置
紙積みでの作業負荷軽減により、身体への負担を大幅に削減。紙積み作業を減らすことで印刷業務に集中できる。印刷時のトラブル減少により紙やインクの使用が減り、生産性の向上に貢献する。
インキ自動計量装置
インキの自動計量により、熟練作業員の経験則による手動作業の必要がなくなり、熟練作業員の高齢化問題に対応して技能の機械化を進めることができる。
段ボール製箱機
段ボールの断裁機や溝切機のセット替えなどの重労働が省力化され、手作業で行っていた給紙作業も自動化されることで、段ボールを積むだけで加工が可能になり生産性が向上する。
近赤外線センサ式プラスチック材質選別機
近赤外線センサーを使用して、混合廃プラスチックから特定材質を検出し、エアジェットで選別する技術により、プラスチックの選別作業が自動化され、人手と作業時間が削減できる。従来までは15人程度の人員が必要とされてきた作業を、機種によっては、1台の機器で代替することができるようになる。
デジタル加飾機
UVインクジェット技術を使って直接紙などに印刷できる。特別なスキルを必要とせず、短時間で多様なデザインが可能。
印刷紙面検査装置
長時間にわたり神経を使い、目を酷使する検査作業に、印刷紙面検査装置を導入すると、社員の仕事のしやすさと生産性向上が見込める。
鋳物用自動バリ取り装置
バリ取りは製品の見た目や部品に影響があるため、精度が重要。自動化することで、省力化と仕上がりの安定が期待できる。
自動調色システム
この機器で車体の色を測定し、最適な配合を計算することで、経験が少なくても短時間で正確な調色が可能になる。
蛍光X線膜厚測定器
金属やプラスチックの表面に付いた金属の量を早く正確に測定し、省力化につながる。また、金属の膜厚を壊さずに測定できるため、品質管理や材料分析に役立つ。
自動裁断機
生地の裁断作業を自動化し、大幅な省力化が期待できる。また、延反作業も1人でできるようになり、生産性が向上する。

参考:製品カテゴリ

省力化投資補助金で導入したい、業種別おすすめ製品と活用例まとめ

省力化投資補助金 活用のメリット

  • 省力化製品が対象で、企業の生産性向上に直接貢献
  • 自社の課題やニーズに合わせて製品を選択できる
  • 補助金の申請や導入手続きをサポートする販売事業者がいるため、スムーズにプロジェクトを進めることができる
  • 補助率1/2で、経済的負担を軽減しながら新技術の導入が可能

申請前にチェックすべき基本事項とは

補助金に申し込むためには、以下の内容を守り、公募要領に書かれているルールに従うことが必要です。重要な点ですので必ず確認しましょう。

①手続きについて
補助金申請時は、登録申請に必要な情報を入力し、必要書類を提出します。情報に変更があれば、すぐに修正手続きを行う必要があります。また、申請前に企業と販売事業者が公募要領をしっかり理解しておくことが重要です。
②情報提供と協力について
事業終了後5年間、効果報告を行う義務があります。さらに、調査協力や事例発表の要請にも応じる必要があります。提供した情報は、事務局や国、中小企業機構が管理に使用することにも同意が必要です。
③不正対策について
虚偽や不正が発覚した場合、補助金の交付が取り消されることがあります。また、必要な場合は事務局の立入調査に協力しなければならず、協力しないと補助金の返還が求められることもあります。
④事業の遂行について
企業が主体となって申請を行い、期間内にすべての手続きを完了させる必要があります。効果が期待通りに出ない場合、補助金の交付が取り消されることがあるため、報告も適切に行うことが重要です。

審査で見られる「省力化の効果」と「賃上げの取り組み」

省力化投資補助金の審査では、補助の対象となる事業や事業者の要件を満たすことに加えて、次の点も考慮されます。申請時は審査基準を押さえて準備しましょう。

【省力化の効果】
事業計画で省力化の効果がしっかりと説明されているか、そしてその投資によって労働生産性が大きく向上するかどうかが重要です。省力化によって業務が効率化されるだけでなく、新しい取り組みや高付加価値の業務にシフトできるか、つまり単なる作業削減を超えて、企業にとって価値が増すかどうかが評価されます。

【賃上げへの取り組み】
大きな賃上げを計画している場合、補助の上限が引き上げられることがあります。そのため、企業が積極的に賃上げに取り組んでいる、もしくは今後取り組む予定があるかどうかも評価に含まれます。賃上げの意欲があるかどうかがポイントです。

省力化投資補助金の申請方法と提出書類

補助金の申請は、電子申請システムを通じて販売事業者と共同で行います。

【中小企業等の手続き】
①事業理解・gBizIDの取得
②カタログから導入製品及び販売店を選択する
販売店と連絡を取り、事業計画の作成を行う
③販売店と共同で交付申請(電子申請)を行う
④交付決定後、補助事業実施
※販売店は、交付決定後「補助事業者」として伴走支援
交付決定日から原則12か月以内(公募回毎に事務局が定める日まで)を補助事業期間とする
⑤事業実績報告
⑥補助金交付手続き
⑦効果報告
補助事業終了後、毎年度4月から6月までに効果報告を行う
効果報告期間は5年間(5回目の効果報告を行うまで)

交付申請や実績報告は、販売店・販売事業者がサポートします。申請から事業終了までの流れは、以下の図も参照してください。

出典:中小企業省力化投資補助事業

【提出書類】
提出する書類は以下のとおりです。ただし、別途事務局から提出を求められる場合があります。

種類 提出書類
全事業者共通 従業員名簿(中小企業判定用)、損益計算書(前期分、前々期分)、貸借対照表(前期・前々期分)
法人 履歴事項全部証明書(発行から3か月以内)、法人税の納税証明書(直近3期分)、役員名簿、株主・出資者名簿
個人 確定申告書の控え 第一表(直近1期分)、所得税の納税証明書(その2)(直近1期分)
人手不足関連 次のいずれかひとつ:時間外労働時間、従業員減少の確認用、求人サイトのキャプチャ等(申請日から1年以内の求人情報)
賃上げ関連 最低賃金者の賃金台帳
事業計画関連 省力化効果判定シート

省力化投資補助金 スケジュール

省力化投資補助金のスケジュールは以下のとおりです。

第1回 受付開始 2024年6月25日(火)
申請締切 2024年7月19日(金)17:00
採択・交付決定日 2024年8月下旬予定
第2回 受付開始 2024年8月9日(金)~
申請締切 2024年9月24日(火)17:00当面の間、随時受付
採択・交付決定日 2024年11月上旬予定採択・交付決定は申請から概ね1~2か月程度

申請には「gBizIDプライム」のアカウント(IDとパスワード)が必要です。申請をお考えの方でまだアカウントをお持ちでない場合は、gBizIDのホームページから取得しておくと、スムーズに申請プロセスを進めることができます。

なお、省力化投資補助金について、これまでは一度採択された後は、もう一度応募することはできませんでした。しかし、これからは各申請における補助額の合計が補助上限額に達するまで何度でも応募できるようになります。詳細は、後日公表されます。


省力化投資補助金よくある質問


省力化製品カタログとは?


補助の対象として、あらかじめ登録された省力化製品のリストのことです。



省力化製品カタログはどこで手に入る?


準備が整い次第、ホームページに掲載されます。



誰が製品カテゴリ登録をする?


当該製品を生産することが想定される事業者等を主な会員とする工業会等が行います。



省力化製品・導入経費の最低利用期間はある?


省力化製品は納品後1年以内に利用をやめると、補助金返還の対象になります。導入した省力化製品に関しては、5年間効果報告が必要です。また、補助事業で得た資産は、法律に基づいて売却、転用、破棄などの処分に制限があります。



省力化投資補助金 お問い合わせ先

【中小企業省力化投資補助事業 コールセンター】
・ナビダイヤル:0570-099-660
・IP電話等:03-4335-7595
・受付時間:9:30~17:30 月曜~金曜(土・日・祝日除く)

お問い合わせ前に公式サイトの掲載資料やFAQを確認してください。電話が混雑している場合は時間を置いてからおかけ直しをお願いします。

まとめ

中小企業省力化投資補助金は、応募・交付申請の利便性向上を図り、早期の省力化を実現するため、8月9日(金)から応募・交付申請が随時受付に変更となります。本補助金は、中小企業に新たな技術導入の機会を提供し、生産性の向上を図ることで、企業の成長と賃金の向上を支援するものです。事業の発展を図るため、ぜひこの機会にお申し込みをご検討ください。

参考:中小企業省力化投資補助金
参考:中小企業省力化投資補助事業 公募要領

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