現在、多くの企業が人手不足の解消や生産性の向上を目指し、効率化のための投資を進めようとしています。しかし、どの技術や製品を導入すれば効果的なのか、判断に迷うことも少なくありません。そこで注目されているのが「省力化投資補助金」です。省力化投資補助金のカタログに登録されている製品は、業務改善や省力化効果、価格の妥当性などがすでに検証されており、適切な業種・用途で導入すれば、投資に見合う省力化効果が期待できます。つまり、必要な製品を選びやすく、さらにその導入費用の一部を補助してもらえるのが「省力化投資補助金」なのです。
本記事では、省力化投資や業務効率化に関心を持つ方へ、省力化投資補助金の業種ごとのおすすめ省力化製品と、その活用例を紹介します。
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この記事の目次
なぜ省力化投資補助金ができたのか
そもそも、省力化投資補助金が誕生した背景には、日本経済を取り巻く深刻な労働力不足と中小企業の生産性向上という課題があります。まず、人手不足についてですが、日本全体で少子高齢化が進行し、労働人口が年々減少していることが原因の一つとなっています。総務省の労働力調査でも、長期的に労働力人口が減少していることが確認されており、特に中小企業は深刻な影響を受けています 。
さらに、日本の中小企業は大企業に比べて生産性が低いと指摘されています。経済産業省の中小企業白書によれば、効率的な生産活動を行うためには、IoTやロボットなどの先端技術を活用し、自動化や省力化を進めることが急務とされています 。企業は今後生き抜いていくために、こうした技術を導入して、労働者の負担を軽減しながら生産性を向上させ競争力を持つことが期待されているのです。
加えて、政府は賃上げの推進を重要な政策目標としていますが、中小企業はコストの増加により賃上げが難しい状況にあります。省力化による効率化が進めば、収益が改善し、従業員への賃金改善が現実的なものとなるため、この補助金は賃上げを後押しするための環境整備とも捉えられます 。
このように、労働力不足、中小企業の生産性向上、そして賃上げ促進のための基盤整備という複数の課題に対応するため、省力化投資補助金が設立されたのです。
省力化をすすめることのメリット
政府の施策として省力化を促進する方向性は明確ですが、企業の視点から見ても、設備導入による省力化には多くのメリットが考えられます。
■作業効率の向上による生産性の増加
自動化により、単純作業が効率化され、生産性が向上します。効率が上がることで、業務の規模を拡大しやすくなり、結果として売上の増加も期待できます。
■人為的ミスの減少
機械やシステムが導入されることで、人の手によるミスが減り、品質が安定します。品質向上は顧客満足度にもつながり、リピート顧客の獲得につながります。
■従業員の負担軽減によるワークライフバランスの改善
繰り返し作業や体力を使う作業が省力化されることで、従業員の負担が減り、労働環境が改善されます。
■高付加価値業務へのリソース再配分
単純作業から解放されたリソースを、企画や顧客対応などの付加価値の高い業務に再配分できるようになります。より戦略的な業務に集中でき、新たな売上機会を創出することも可能です。
こうしたメリットのある省力化を推進するために、いま活用できるのが「省力化投資補助金」です。この補助金は、即効性のある省力化製品の導入を200万円から最大1500万円まで支援するものです。
▼省力化投資補助金の詳しい制度内容についてはこちら
次に、具体例を通じて、省力化投資補助金がどのように現場で活用できるかをみていきましょう。
業種別おすすめ製品と活用例
製品によっては複数の業種で対象となる場合がありますが、ここでは主な業種で分別しています。各製品のより詳しい情報は、製品カタログ等でご確認ください。
飲食サービス業
飲食サービス業では、人手不足が深刻化しており、効率的なオペレーションが求められています。ロボットや自動化機器を導入して、業務の効率化と人件費の削減を図りましょう。
【配膳ロボット】 |
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人手で行っていた配膳業務を、配膳ロボットに任せることで、従業員の負担を軽減し、サービスの質向上を図ることができます。配膳ロボットは、障害物を避けながら自律的に動き、複数のトレーを運搬できるため、多忙な時間帯でも円滑なサービス提供が可能になります。 |
【スチームコンベクションオーブン】 |
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シェフがフライパンで行っていた調理を、スチームコンベクションオーブンに任せることで、調理時間の短縮や品質の安定化を実現できます。また、調理方法をプログラムできるため、経験の浅いスタッフでも高品質な料理を提供できます。人手不足に悩む飲食店にとって、スチームコンベクションオーブンは調理の効率化と人材育成の負担軽減に役立ちます。 |
【券売機】 |
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従業員による事前オーダー方式を、券売機による無人化に切り替えることで、注文受付の効率化を図ることができます。さらに、キャッシュレスに対応することで、売上管理の簡素化やインバウンド対応の強化も可能です。 |
宿泊業
宿泊業では、清掃業務やフロント業務など、人件費がかかる業務を自動化することで、人材不足を解消し、サービスの質向上を図ることができます。【清掃ロボット】 |
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ホテルや旅館の客室や共用スペースの清掃は、人手がかかる作業の一つです。清掃ロボットを導入して床面の清掃を自動化することで、清掃スタッフの負担軽減・人件費削減を図ることができます。また、いつでも稼働できるため、より頻繁な清掃が可能になり、お客様に快適な滞在を提供することも可能になります。 |
【自動チェックイン機】 |
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これまで、ホテルのフロント業務は、従業員が対応することが一般的でしたが、自動チェックイン機を導入することで、お客様自身でチェックイン手続きを行えるようになり、フロントスタッフの業務負担を軽減できます。また、自動化によるミス防止効果も期待でき、顧客満足度の向上にもつながります。 |
製造業
製造業では、効率的な生産体制を構築することが常に求められています。搬送や包装などのプロセスでは、人手による作業が多く、時間や労力がかかることが課題とされています。これに対処するため、無人搬送車や段ボール製箱機などを導入して、業務の省力化をすすめてみてはいかがでしょうか。【無人搬送車】 |
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従来、フォークリフトや手押し台車で行っていた搬送作業を無人搬送車で自動化することで、作業員の安全確保、作業効率の向上、そして搬送ミスの低減につながります。さらに、搬送状況のリアルタイムでの把握が可能となり、在庫管理の精度向上にも貢献します。 |
【段ボール製箱機】 |
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段ボール箱の製造工程を自動化することで、人による作業ミスを減らし、製品の品質を安定させます。また、断裁機のセット替えや溝切機のセットといった、重労働や危険を伴う作業を機械に任せることで、作業員の負担を軽減し、より安全な職場環境を実現します。 |
【オートラベラー】 |
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人手によるラベル貼付け作業を機械に置き換えることで、作業時間の短縮と人件費の削減を図ります。特に、大量の製品にラベルを貼付けなければならない現場において、その効果を発揮します。また、オートラベラーは、人手による作業に比べ、ラベルの貼付け位置や角度を均一に保つことができるので、貼付け品質の向上と、それに伴う不良品の削減が期待できます。 |
倉庫業・卸売業
倉庫業・卸売業において、入出庫作業や在庫管理、検品などは、人的ミスが発生しやすく、時間と労力を必要とする作業です。そこで、それらの業務を無人化することで大幅な業務効率化を図り、自動化によるミスの軽減を図ってみてはいかがでしょうか。【自動倉庫】 |
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荷物を装置に置くだけで自動で棚に搬送され、作業者は倉庫の出入口で対応するだけで済むため、作業の自動化や時間短縮が可能です。また、在庫や日付の管理、空棚の探査も自動化されるため、保管作業が正確に行えます。短時間の研修で未経験者でも簡単に扱えるようになります。 |
【検品・仕分システム】 |
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従来人手によって行われていた目視での検品や仕分業務を自動化することで、仕分け作業の効率が大幅に向上し、ヒューマンエラーの軽減も可能です。 |
小売業
小売業では、会計処理や精算業務にかかる負担は大きく、繁忙期には対応が遅れることも少なくありません。こうした課題に対し、精算業務を自動化できる設備の導入がおすすめです。【自動精算機】 |
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自動精算機の導入により会計処理にかかる時間が削減されます。また、つり銭の準備や精算後の締め処理にかかる手間が軽減され、業務全体の効率化が図れます。 |
印刷・同関連業
印刷・同関連業においては、人手不足や高齢化による熟練技術者の減少で、生産性の低下や品質管理の難しさが課題となっています。そのような場合は、印刷用紙高積装置や印刷用インキ自動計量装置といった省力化製品の導入を検討しましょう。【印刷用紙高積装置】 |
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印刷を行う事業者にとって紙積みの作業は重労働であり、身体への負担が大きい作業の一つです。印刷用紙高積装置は、この紙積みの作業を自動化することで、労働者の負担を軽減し、作業効率を大幅に向上させることができます。 |
【印刷用インキ自動計量装置】 |
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印刷用インキの調色は経験と技術が必要な作業であり、熟練の作業員に依存しているケースが多く見られます。印刷用インキ自動計量装置は、このインキの調色作業を自動化することで、人材不足や高齢化による技術継承の問題を解決し、生産性を向上させることができます。 |
専門・技術サービス業
専門・技術サービス業の測量や建設、土木関連の業務においても効率化が求められています。従来の測量作業は多くの人手を必要とし、時間もかかるという課題があります。これに対して、最新の測量機を導入することで、作業の省力化を図ることが可能です。【測量機】 |
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測量機が自動的にターゲットを追尾・視準し、測量を行うため、従来のようにターゲットの設置や移動を繰り返す必要がなくなり作業者が1名に削減されます。これにより、作業工数や時間の削減が可能になります。 |
まとめ
多くの企業は、業務効率の向上や人手不足、賃上げなど、両立の難しい課題を抱えています。新たな設備を投入し、省力化を図るためには、費用的な負担も考えなくてはなりません。省力化投資補助金は、そんな企業の強い味方となる制度です。省力化投資補助金では、各業種において、様々な省力化機器の導入が可能です。カタログに登録される省力化製品は今後も追加されていきますので、自社の課題と照らし合わせ、最適な機器を選定してください。省力化投資補助金を活用して、企業の持続的な成長につなげましょう!
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