中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)とは、人手不足解消に効果がある汎用製品の導入支援を目的とした補助金です。
この補助金に販売事業者として登録することで、新しい顧客を獲得して、事業をさらに発展させることができます。今回の記事では、販売代理店の皆さまを対象に、中小企業省力化投資補助金の概要と販売事業者登録について解説します。
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この記事の目次
中小企業省力化投資補助金とは
中小企業省力化投資補助金は、中小企業の売上拡大や生産性の向上を支援する制度です。この補助金により、飲食業や製造業、多岐にわたる業種での省力化製品の導入が支援されます。
例えば、飲食サービス業では配膳ロボット、製造業では無人搬送車、小売業では自動精算機などが補助の対象になります。製品カテゴリ一覧は、都度更新されるので、ご確認ください。
補助対象事業と主な要件
人手不足の中小企業などが、省力化製品をカタログから選んで導入し、販売事業者と共同で「労働生産性 年平均成長率3%向上」を目指す事業計画に取り組むものが対象です。
【補助対象者の主な要件】
- 中小企業等であること(個人事業主も対象)
- 人手不足の状態にあることが確認できること
- 本事業の要件に合致する補助事業であること など
補助率と補助上限額
補助率は1/2で、補助上限額は従業員数ごとに異なります。
出典:中小企業省力化投資補助金 ご案内チラシ
大幅な賃上げ要件を行う場合は、上限額が引き上げられます。大幅な賃上げとは、交付申請時と比較して、補助事業終了時に次の2点を満たしていることをさします。
1.給与支給総額を6%以上増加させること
2.事業場内最低賃金を45円以上増加させること
公募期間
令和8(2026)年9月末ころまで、随時受付を行い、補助事業の申請を受け付けます。
申請の流れ
中小企業省力化投資補助金の申請プロセスは、中小企業が販売事業者と連携して行います。まず、中小企業は必要な省力化製品を選び、選定した販売事業者に連絡して製品の選定支援を受けます。
製品が決まった後、販売事業者は中小企業を申請システムに招待し、共同で申請を行います。採択されると、中小企業は製品を導入し、その効果と経費の精算について報告をします。この報告が完了し、問題がなければ補助金が交付されます。
中小企業等の効果報告は、5年間にわたって行われます。これは、製品が問題なく稼働しているかや省力化の効果が問題なく出ているかについての報告になります。販売事業者はこれらの報告が問題なく行えるよう、中小企業等の支援を行います。
以上が、中小企業省力化投資補助金の概要になります。
中小企業省力化投資補助金 販売事業者登録はどうする?
ここからは、販売事業者登録について、みていきます。
【販売事業者登録の流れ】
登録申請の流れは、まず、登録する製品の製造事業者へ販売事業者登録の確認依頼を行います。
製造事業者は販売代理店の資格を確認し、条件を満たしていれば事業への招待を行います。この招待は販売事業者登録を申請する上で必要不可欠です。販売代理店は販売事業者登録申請に必要な情報と書類を事務局へ提出し、審査を経て正式に登録されます。
販売事業者登録完了後、招待を受領した製造事業者が登録する製品のカタログ登録ができます。
販売事業者登録の流れは下の図も参照してください。
出典:販売事業者登録申請の手引き
販売事業者登録の考え方
前述のとおり、販売事業者登録は、初回登録時に製造事業者からの招待が必要です。一度登録が完了した後は、同じ製品カテゴリ内で同一の製造事業者の異なる製品を扱う場合、新たな招待は不要で、カタログ登録申請から始めることができます。
同じ製品カテゴリでまだ登録されていない製造事業者の製品を登録する際は、その製造事業者からの招待が必要です。招待を受けた後に製品をカタログに登録します。
なお、あるカテゴリで販売事業者登録が済んでいても、新しい製品カテゴリでの登録を希望する場合は、関連する製造事業者から改めて招待を受けなければなりません。招待を受けた後、新たな販売事業者登録とカタログへの製品登録を完了させる必要があります。
出典:販売事業者登録申請の手引き
登録時の要件とは
販売事業者登録を申請するには、販売事業者としての要件と責務を満たす必要があります。たとえば、省力化製品の提供や販売の実績があり、在庫が十分に確保されていて、製品を遅滞なく納入できることなどが求められます。また、販売事業者は中小企業と共同で事業計画を策定し、申請や交付を行う必要があります。
主な要件 |
1.基本的事項 日本国内に法人登記があり、経済産業省や中小機構からの制裁を受けていないこと。また、反社会的勢力との関連がなく、法令を遵守し、不正行為に関与していないこと。さらに、中小機構の立入調査に協力し、協力しない場合は登録が取り消されることに同意すること など。 |
2.経営基盤に関する事項 登録期間中、製品の供給・メンテナンスを継続して行えると判断するに足る十分な経営基盤を有していること。 |
3.供給・販売体制に関する事項 対象の省力化製品を消費者に提供する実績があり、適切な供給体制と在庫を保持していること。予期せぬ受注変動時にはカタログの掲載を一時停止するなどの対策を講じること など。 |
4.サポート体制に関する事項 提供する省力化製品が最大の効果を発揮するように、適切な保守・修理・サポート体制を整え、障害発生時に迅速に対応できることを保証すること。効果報告時に稼働状況や保守・メンテナンス履歴等のサポート実績が分かる資料を提出すること。 |
5.価格設定に関する事項 製品本体価格・導入費それぞれについて、定められた上限額以内で登録を行うこと。 |
6.事業実施に関する事項 製造事業者から販売事業者登録の確認を受ける際の要件に記載された事項を全て満たすものとして確認を受けること。本事業の公募要領等に記載の内容を遵守することができること など。 |
製造事業者から販売事業者登録の確認を受ける際の要件
販売事業者登録を行おうとするとき、販売代理店等は製造事業者から以下要件について確認を受けます。その後、登録の案内が製造事業者から行われます。
省力化製品に類するサービスを提供・販売した実績を持ち、登録された省力化製品を提供できること。 |
販売事業者の要件および宣誓事項の要件全てを満たしていること |
申請マイページ作成、各種申請及び手続き等における虚偽や不正、業務の怠慢、情報の漏洩等並びにその他不適当な行為が行われていることが明らかになった場合は交付決定の取消となる場合がある旨の説明を受け、同意すること。 |
製品の使用状況やメンテナンス履歴など、必要な記録を製造事業者が保持している場合は、記録の共有を行い、それを事務局に報告できる体制を整えること。 |
中小企業省力化投資補助金 販売事業者登録の方法
では、ここから流れに沿って具体的な登録手続きについて解説します。
販売事業者ポータルの開設
製造事業者から送付される販売事業者登録の招待メール内添付のURLより、ログインIDとパスワードを設定、招待の受領を完了してください。
出典:販売事業者登録申請の手引き
基本情報の入力
事業者情報や事業者概要の説明、本店所在地などを入力し、各種書類の添付を行います。
提出書類の添付
添付での提出が求められる書類は、以下のとおりです。
①履歴事項全部証明書の写し
②税務署の発行する法人税の直近の納税証明書(その1またはその2)
③決算書
④当該製品カテゴリの製品を販売した実績を証する証憑
⑤サポート情報 補足資料 など
追加で資料等が必要な場合は事務局より連絡がきます。
サポート情報入力・審査依頼
続いて、サポート情報入力についてです。
該当する営業拠点の所在地、営業地域にチェックをいれます。また、カタログ掲載用の連絡先も入力してください。全ての入力が完了したら入力内容を確認し、審査依頼を行います。
事務局審査
提出した申請は、事務局にて審査されます。提出書類や内容に不備不足があった場合は事務局から連絡があります。事務局にて審査が完了すると、外部審査委員会にて審査・承認を受けたのち、販売事業者としての登録が完了します。
カタログ申請
販売事業者登録が完了したら、カタログ申請を行ってください。販売製品登録にて、販売製品の価格情報を入力し、カタログ申請登録を完了します。これで、登録の手続きは完了となり、中小企業等の共同申請をすることができるようになります。
出典:販売事業者登録申請の手引き
まとめ
中小企業省力化投資補助金は、中小企業の生産性を向上させ、売上を拡大するための支援策です。販売事業者としてこの制度に登録することで、新たな顧客を獲得することができます。さらに、本補助金の受付期間が令和8年9月末までと長く設定されているため、長期にわたり事業拡大の機会が得られます。この機会を活かして、ぜひ販売事業者として登録を進めてみてください。