近年、最低賃金の引き上げが全国で急速に進んでいます。全都道府県で最低賃金が時給1,000円を超え、地方においても賃金水準の底上げが必須の課題となっています。
こうした背景を受け、国は中小企業・小規模事業者が賃金引上げと設備投資を両立できるよう、「業務改善助成金」を実施しています。本記事では、制度の内容や申請時のポイントをわかりやすく解説します。あわせて、2026年(令和8年度)の業務改善助成金は前年度から大きく見直され、申請受付が9月1日開始、コースが3コース(50円・70円・90円)へ再編されています。最新の改正点についても、現時点で判明している情報を紹介します。
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この記事の目次
業務改善助成金とは?対象者と助成額をわかりやすく解説
業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者が生産性向上の設備投資を行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合に、その設備投資費用の一部(最大600万円)を国が助成する制度です。雇用保険法第62条(雇用安定事業)・第63条(能力開発事業)を根拠とし、厚生労働省が所管しています。
生産性向上のための設備投資(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)などを行い、事業場※内の最低賃金を一定額以上引き上げた中小企業・小規模事業者に対し、その設備投資などにかかった経費の一部を助成します。
事業場の適用範囲は、原則として、同じ場所にあれば一つの事業場とみなしますが、例外として、労働状態が違う場合は別々の事業場とみなします。例えば、工場で生産にあたる労働者と工場内の食堂で食事を作る労働者は業態が全く異なる為、別々の事業場とみなすことになります。
また、本社と営業所が離れた場所にあった場合でも、営業所に常駐しているのは1人だけ・業務は営業のみ・管理的な業務は一切行っていない場合などは、一つの事業場とする事が可能です。もし会社が大きくなってきて、同じ建物の中にあっても、○○事業部と○○事業部といったように、業態が違い、かつ労働安全衛生法がより適切に運用できる場合は、2つの事業場としてみなすことができます。
2026年度(令和8年度)業務改善助成金の改正点
2026年度の業務改善助成金は、前年度から大きく見直されています。申請開始の後ろ倒し、コース再編、助成率基準の引き上げ、対象拡大などが主な変更点です。
・申請期限は「地域別最低賃金の発効日前日」または「11月末」の早い方
・賃金引上げコースが「3コース(50円・70円・90円)」へ再編(30円・45円・60円コースは廃止)
・助成上限額は引き続き最大600万円(10人以上は要件つき)
・事業主単位の年間上限ルール追加
・助成率の区分が「1,050円」を基準に見直し
・対象事業場の要件が拡大(地域別最低賃金未満まで)
・賃上げ対象労働者は「雇用保険被保険者」であることが必須化
・賃金引上げは交付申請より後に実施すること(事後申請は不可)
・一般車両が助成対象外に(特殊用途自動車は引き続き対象)
・物価高騰等要件の指標が「直近6か月平均」に変更
募集(申請)開始が「9月1日」スタートに変更
令和8年度の業務改善助成金は、9月1日から申請受付が開始されます。例年より後ろ倒しになり、春〜夏(4〜8月)は原則として申請できません。地域別最低賃金の発効が早い地域では、申請できる期間が短くなります。
申請期限は「地域別最低賃金の発効日前日」または「11月末」の早い方
令和8年度の申請の終期は、「令和8年度の地域別最低賃金の発効日の前日まで」または「同年11月末日まで」のいずれか早い日です。最低賃金の発効が早い地域ほど、締切が前倒しになりやすい点に注意が必要です。大阪府・東京都など発効が早い地域(例年10月初旬)では、実質的な申請可能期間が2か月未満になる可能性があります。
賃金引上げコースが「3コース」へ再編
賃金の引上げ額は、令和7年度の4コース(30円・45円・60円・90円)から、令和8年度は3コース(50円・70円・90円)へ再編されました。30円・45円・60円コースが廃止されたため、最低でも時給50円以上の引き上げが必要になります。「30円・45円コース」を前提にしていた事業者は、計画の組み直しが必要です。
助成上限額は引き続き最大600万円(10人以上は要件つき)
上限額の枠組みは最大600万円とされ、引上げ人数が多い区分(例:10人以上)については、上限額の適用に一定の要件が付きます。「誰を何人、何円上げるか」によって上限が大きく変わるため、早い段階で人数・引上げ幅を固める必要があります。
事業主単位の年間上限ルール
令和8年度から、同一事業主が複数の事業場で申請する場合、事業主単位で年間上限600万円が適用されるようになりました。
助成率の区分が「1,050円」を基準に見直し
助成率の区分が、令和7年度の「1,000円」基準から、令和8年度は「1,050円」を基準に見直されました。事業場内最低賃金が1,050円未満の場合は4/5、1,050円以上の場合は3/4です。
対象事業場の要件が拡大
対象事業場の要件は、令和7年度当初は「事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内」でしたが、令和7年9月5日から「事業場内最低賃金が改定後の地域別最低賃金未満まで」に特例的に拡充されていました。
令和8年度からはこれが恒久的な要件として正式化され、「事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金未満」の事業場すべてが対象となります。これまで「最低賃金より51円以上高く支払っているため対象外」だった事業場も、申請できる可能性があります。
賃上げ対象労働者は「雇用保険被保険者」が必須に
令和8年度から、賃上げの対象となる労働者は雇用保険被保険者であることが必須要件となりました。あわせて、対象労働者は原則として雇入れ後6か月以上を経過している必要があります。雇用保険に加入していない労働者の賃上げは助成対象として算定されないため、事前に被保険者資格の確認が重要です。
賃金引上げは交付申請より後に実施(事後申請は不可)
令和8年度は、賃金引上げを必ず交付申請より後に実施する必要があります。すでに賃上げを行った後に申請する「事後申請」は認められません。令和7年9月5日に導入された「賃金引上げ計画の事前提出省略」は令和7年度限りの時限特例であり、令和8年度には引き継がれていません。
一般車両が対象外に・物価高騰等要件の指標変更
令和7年度まで対象だった定員7人以上または車両本体価格200万円以下の乗用自動車・貨物自動車(一般車両)は、令和8年度から助成対象外となりました。8ナンバーの特殊用途自動車は引き続き対象です。また、特例事業者の「物価高騰等要件」の指標が、令和7年度の「直近3か月のうち任意の1か月」から、令和8年度は「直近6か月間平均」へと変更されています。
業務改善助成金の対象者は誰?中小企業の範囲を解説
業務改善助成金の対象は、資本金または常時使用する労働者数のいずれかの要件を満たす中小企業事業者です。業種により要件が異なり、一般産業は労働者300人以下、卸売業・サービス業は100人以下、小売業は50人以下です。大企業と密接な関係を有するいわゆる「みなし大企業」は対象外です。なお、過去に業務改善助成金を受給したことがあっても対象になります(同一事業場の申請は年度内1回まで)。
(1)賃金引上計画を策定し、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げること
(2)引上げ後の賃金額を支払うこと
(3)生産性向上に資する機器・設備などを導入して業務改善を行い、その費用を支払うこと
(4)解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと
(5)賃上げ対象労働者が雇用保険被保険者であること(令和8年度から必須)
(3)について、
・単なる経費削減のための経費
・職場環境を改善するための経費
・通常の事業活動に伴う経費などは、除きます。
業務改善助成金はいくらもらえる?支給金額・助成率を解説
業務改善助成金は、賃金・時給の引き上げと設備投資を行うことで、最大600万円が支給されます。具体的には、50円・70円・90円といった申請コースごとに定める引き上げ額以上、事業場内最低賃金を引き上げた場合に、生産性向上のための設備投資等にかかった費用の一部が助成されます。
なお申請コースごとに、引き上げ額、引き上げる労働者数、助成の上限額が定められています。まとめたものが下表です。
| 引き上げる労働者数 | 50円コース | 70円コース | 90円コース |
|---|---|---|---|
| 1人 | 30(40)万円 | 40(50)万円 | 90(100)万円 |
| 2〜3人 | 40(70)万円 | 50(100)万円 | 150(240)万円 |
| 4〜5人 | 70万円 | 130万円 | 270万円 |
| 6〜7人 | 90万円 | 180万円 | 360万円 |
| 8人以上 | 110万円 | 230万円 | 450万円 |
| 10人以上(※) | 130万円 | 300万円 | 600万円 |
※括弧内の金額は事業場規模30人未満の場合の上限額です。
【特例事業者】
助成上限額の拡充は、特例事業者に該当し、引き上げる労働者が10人以上の場合に対象となります。また、助成対象経費の拡充については、物価高騰等要件に当てはまる特例事業者のみが対象です。
※令和8年度の特例事業者の要件の詳細は、決まり次第、厚生労働省の公式サイトでご確認ください。
令和8年(2026)度における特例事業者の要件は以下のとおりです。
(1)賃金要件
申請事業場の事業場内最低賃金が1,050円未満である事業者
(2)物価高騰等要件
原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化等の外的要因により、申請前直近6か月間平均の利益率が前年同期に比べ3%ポイント以上低下している事業者
助成率
助成率は、申請を行う事業場の引き上げ前の事業場内最低賃金によって変わります。1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。
| 1,050円未満 | 4/5 |
| 1,050円以上 | 3/4 |
支給額の計算例
活用例から、支給額を計算してみましょう。
【設備投資費用が600万円の場合の例】
ある事業所で、事業場内の最低賃金を1,010円から1,080円に引き上げた場合、引き上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満なので助成率は4/5になります。
10人の労働者の最低賃金を70円引き上げた場合、「70円コース・10人以上」の区分により、助成上限額は300万円です。
【支給額】
設備投資費用が600万円かかった場合の計算式は、
600万円×4/5=480万円
となりますが、助成上限額が300万円のため、上限額を超える分は助成されません。この場合の支給額は300万円となります。
※10人以上の区分を適用するには一定の要件を満たす必要があります。詳細は公募要領または厚生労働省の公式サイトでご確認ください。
業務改善助成金のスケジュールは?いつまでに申請する?
令和8年度の申請受付は2026年9月1日に開始され、締切は地域別最低賃金の発効日の前日または2026年11月末日のいずれか早い日です。春〜夏(4〜8月)は原則として申請できません。
令和8年度(2026年度)のスケジュール
| 申請開始 | 令和8年9月1日 |
| 申請期限 | 「令和8年度地域別最低賃金の発効日の前日」または「令和8年11月末日」のいずれか早い日 |
- 令和7年度と異なり、春〜夏(4〜8月)は原則申請不可です。
- 最低賃金の発効が早い地域ほど締切が前倒しになります。申請できる期間が短くなる可能性があるため、9月以降、早めの準備と申請を心がけてください。
- 事業完了期限は令和9年1月31日です。(やむを得ない理由があれば令和9年3月31日まで延長可能)
令和7年度(2025年度)のスケジュール(参考)
2025年度の業務改善助成金は、【第1期】【第2期】の2回に分けて募集・受付が行われました。それぞれのスケジュールは次の通りです。
※令和7年度(2025年度)の申請受付はすでに終了しています。参考情報としてスケジュールを掲載しています。
| 申請期間 | 賃金引上げ期間 | 事業完了期限 | |
| 第1期 | 2025年4月14日〜6月13日 | 2025年5月1日〜6月30日 | 2026年1月31日 |
| 第2期 | 2025年6月14日〜申請事業場に適用される地域別最低賃金改定日の前日 | 2025年7月1日〜申請事業場に適用される地域別最低賃金改定日の前日 | 2026年1月31日 |
各期ともに、予算の範囲内で交付するため、申請期間内に募集を終了する場合があります。
賃金引き上げ・設備投資の実施タイミングの注意点
業務改善助成金では、賃金引上げと設備投資で実施タイミングが異なります。賃金引上げは交付申請後、設備投資は交付決定後に実施する必要があります。
賃金引上げは、交付申請後、かつ所定期間内(令和8年9月1日〜申請事業場に適用される地域別最低賃金の改定日の前日まで)に実施する必要があります。申請前の賃上げは助成対象外です。また、複数回に分けた段階的な引上げは認められません。
設備投資は、交付決定後に実施する必要があります。交付決定前に契約(発注)や納品、支払いを行った場合は助成対象外となるため注意が必要です。
なお、引上げ後の事業場内最低賃金額は就業規則に定める必要があります。労働者10人未満で就業規則がない事業場では「就業規則に準ずるもの」(賃上げ後の事業場内最低賃金・引上げ日・作成者等を記載し、労働者代表の意見書を添付した書面)の作成が必要です。一般的な労働条件通知書は「就業規則に準ずるもの」には該当しないため、代替できません。
業務改善助成金でパソコンや食洗機も導入できる?
業務改善助成金では、特例事業者のうち「物価高騰等要件」に該当する場合、通常は助成対象外となるパソコン等も助成対象となります(パソコン等は新規導入に限ります)。食洗機やPOSレジなど、生産性向上に資する設備は一般事業者でも対象です。
| 助成対象経費 | 一般事業者 | 特例事業者(物価高騰等要件のみ) |
|---|---|---|
| 生産性向上に資する設備投資等 | ◯ | ◯ |
| PC・スマホ・タブレット等の端末と周辺機器の新規導入 | ✕ | ◯ |
令和7年度まで対象だった定員7人以上又は車両本体価格200万円以下の乗用自動車・貨物自動車は、令和8年度から助成対象外となりました。特殊用途自動車は引き続き対象です。
飲食業の取り組み例
飲食業では、デリバリー拡充のためのコンサルティングとシステム・機材の導入により、生産性向上と賃上げを両立した事例があります。

出典:令和4年度 業務改善助成金(通常コース)のご案内より抜粋
デリバリー販売を拡大し、揚げ物を短時間で調理し多くの注文を受けるため、助成金を活用してコンサルティングを受け「受注システム」「宅配用3輪バイク」「二層フライヤー」を導入。その結果、デリバリーの注文受付から配達までと、揚げ物調理の効率化により生産性が向上し、1人の労働者の時間給を100円引上げることができました。また、事業場内最低賃金を上回る賃金の引上げも実施しています。
食洗機も助成金の対象になる?
食洗機は業務改善助成金の対象になります。手作業での食器洗浄は作業効率が悪く時間がかかるため、食洗機を導入して作業時間を大幅に短縮し、作業効率の向上を図った事例があります。
飲食業だけでなく、配達飲食サービス業やホテル業のほか、医療・福祉の現場でも食洗器の導入事例がありました。
参考:業務改善助成金業種別事例集(宿泊業・飲食サービス業編)
参考:業務改善助成金業種別事例集(医療・福祉編)
業務改善助成金の申請から入金までの流れ
業務改善助成金は、交付申請→審査・交付決定→事業の実施→実績報告→入金という5ステップで進みます。令和8年度は交付申請後に賃金引上げを行う点に注意が必要です。

【STEP1:交付申請の提出】
事業場所在地を管轄する都道府県労働局に対して、所定の様式に基づいた交付申請書を提出します。申請には、賃金引上げ計画や設備投資内容、対象労働者の情報などを明記する必要があります。令和8年度は原則通り、交付申請後に賃金引上げを実施します。令和7年9月5日に導入された「賃金引上げ計画の事前提出省略」は令和7年度限りの時限特例であり、令和8年度には引き継がれていません。
↓
【STEP2:労働局による審査・交付決定】
提出書類に基づき、都道府県労働局が内容を審査します。内容に問題がなければ、「助成金の交付決定通知」が発行されます。この通知を受けてから、設備投資に着手することができます(交付決定前の着手は原則として対象外)。
↓
【STEP3:事業の実施】
交付申請書に記載した計画に従って、設備投資や業務改善の取組を行います。実施内容は、後の報告・審査に備え、証拠となる資料(領収書や契約書など)をきちんと保管しておきます。
↓
【STEP4:事業実績報告書の提出】
事業が完了したら、事業実績報告書とともに、賃金引上げや経費支出に関する証拠資料を都道府県労働局に提出します。内容が適正と認められれば助成金額の確定通知が届きます。
↓
【STEP5:入金】
確定通知後に、所定の請求書類を提出することで、指定口座に助成金が振り込まれます。
問い合わせ先
ご不明な点がある場合は、下記の専用コールセンターまでご相談ください。
| 【業務改善助成金コールセンター】 電話番号:0120-366-440 受付時間:平日 9:00〜17:00 |
あわせて活用したい賃上げ関連の助成金
業務改善助成金とあわせて、雇用形態や働き方の改善に取り組む場合は、キャリアアップ助成金や働き方改革推進支援助成金の活用も検討できます。有期雇用労働者・パートの正社員転換や処遇改善にはキャリアアップ助成金、労働時間短縮や勤務間インターバル導入には働き方改革推進支援助成金が対応します。
業務改善助成金のよくある質問
どのような事業者が助成金の対象となりますか
資本金または常時使用する労働者数のいずれかの要件を満たす「中小企業事業者」が対象です。業種により要件が異なり、一般産業は労働者300人以下、卸売業・サービス業は100人以下、小売業は50人以下です。令和8年度からは、事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金未満であれば対象となり、対象範囲が拡大しています。
令和8年度(2026年度)の申請はいつからいつまでですか
令和8年度の申請受付は2026年9月1日からです。締切は「令和8年度地域別最低賃金の発効日の前日」または「2026年11月末日」のいずれか早い日です。春〜夏(4〜8月)は原則として申請できません。最低賃金の発効が早い地域では申請可能期間が短くなるため、9月の受付開始に備えて事前準備を進めておくことが重要です。
令和8年度の賃金引上げコースはどう変わりましたか
令和7年度の4コース(30円・45円・60円・90円)から、令和8年度は3コース(50円・70円・90円)に再編されました。30円・45円・60円コースが廃止されたため、最低でも時給50円以上の引き上げが必要です。
助成率はいくらですか
引き上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満であれば4/5、1,050円以上であれば3/4です。令和8年度から助成率の基準が令和7年度の1,000円から1,050円に引き上げられました。
賃上げの対象となる労働者に条件はありますか
令和8年度から、賃上げ対象労働者は「雇用保険被保険者」であることが必須要件となりました。あわせて、対象労働者は原則として雇入れ後6か月以上を経過している必要があります。雇用保険に加入していない労働者の賃上げは助成対象として算定されないため、事前の確認が重要です。
どのような設備投資が助成の対象となりますか
「生産性の向上、労働能率の増進に資する」と認められる設備投資などが対象です。業務の効率化につながる機械の導入や、作業場のレイアウト変更、人材育成のための研修などが含まれます。なお令和8年度から、定員7人以上または車両本体価格200万円以下の一般車両は助成対象外となりました(8ナンバーの特殊用途自動車は引き続き対象です)。
助成対象となる経費に金額の下限はありますか
助成対象経費の合計が、税抜きで10万円以上である必要があります。1つ1つの価格が10万円未満であっても、複数の設備投資を合わせた合計金額が10万円以上であれば対象となります。
設備投資の機器は、いつ導入(納品)すればよいですか
導入する機器の納品や契約は、必ず「交付決定後」でなければなりません。交付決定前に契約・納品・支払いを行った場合は、助成を受けることができないため注意が必要です。
賃金引上げは申請の前と後どちらに行いますか
令和8年度は、賃金引上げを必ず交付申請より後に行う必要があります。すでに賃上げを実施した後に申請する「事後申請」は認められません。令和7年度に導入された「賃金引上げ計画の事前提出省略」は令和7年度限りの時限特例であり、令和8年度には引き継がれていません。
パソコンや食洗機も助成対象になりますか
食洗機やPOSレジなど生産性向上に資する設備は一般事業者でも対象です。パソコン・スマホ・タブレット等の端末は通常は対象外ですが、特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する場合は新規導入に限り対象となります。出典:業務改善助成金Q&A
まとめ
多くの中小企業にとって、継続して費用の負担が増加する最低賃金引き上げは難しい課題です。今回ご紹介した業務改善助成金は、最低賃金引き上げに向けた国の中小企業・小規模事業者支援事業のうちの1つです。
令和8年度は申請開始が9月1日、コースが3コース(50円・70円・90円)に再編され、対象事業場が拡大する一方で、雇用保険被保険者要件の必須化など申請ルールが厳格化されました。パソコンや食洗機など業務改善に資する機器の導入も可能です。本制度をうまく活用し、働く環境の改善と賃金引上げの実現を目指してみてはいかがでしょうか。
▼最低賃金引き上げ対策についてはこちらの記事もご覧ください。
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