高校授業料の無償化が、2026年4月に大きな節目を迎えました。2026年3月31日に成立した改正法(令和8年法律第8号)が4月1日に施行され、高等学校等就学支援金の所得制限が完全に撤廃。公立・私立を問わず、世帯年収にかかわらず授業料相当分が支援される仕組みになっています。私立高校(全日制)の支給上限は年45万7,200円に引き上げられました。
制度拡充の規模は予算にも表れています。文部科学省の令和8年度予算では、高等学校等就学支援金等に5,824億円が計上され、前年度の4,074億円から1,750億円の増額となりました。同省の試算では、今回の改正で新たに支給または増額の対象となる生徒は約80万人にのぼります。
一方で、「授業料以外は自己負担のまま」「申請しないと1円ももらえない」という制度の性質は変わっていません。さらに2026年度からは国籍・在留資格の要件が新設され、対象外となった生徒を救済する「高校生等・新修学支援」も創設されています。
本記事では、2026年8月時点の文部科学省公表資料をもとに、支給額の全一覧、申請手続き(e-Shien)、もらえないケース、都道府県の上乗せ制度、自己負担額のシミュレーションまでを整理します。
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この記事の目次
高校無償化(高等学校等就学支援金)とは?2026年度の新制度をわかりやすく解説
「高校無償化」と呼ばれる制度の正式名称は「高等学校等就学支援金」です。高等学校等に通う生徒の授業料に充てるため、国と都道府県が支援金を支給する仕組みで、2010年度に始まり、2014年・2020年・2025年・2026年と段階的に拡充されてきました。
- 誰がもらえるか:対象校種に在学し、日本国内に住所を有する生徒(国籍・在留資格の要件あり)
- いくらもらえるか:公立年11万8,800円、私立全日制年45万7,200円が上限
- 所得制限:なし(2026年4月1日施行の改正法で完全撤廃)
- どうやってもらうか:申請後、学校設置者が代理受領して授業料に充当(保護者は直接受け取らない)
- 誰が払うか:公私立高校等は国3/4・都道府県1/4、国立高校等は国10/10
- 根拠:令和8年法律第8号(2026年3月31日成立・4月1日施行)
制度の背景にあるのは、自由民主党・公明党・日本維新の会の三党が2025年10月29日と12月18日にまとめた合意です。この合意に沿って、就学支援金の対象を年収にかかわらず広げるとともに、これまで国が10分の10を負担していた財源構成に、都道府県の4分の1負担が新たに導入されました。
なお、支援の対象は「授業料」のみです。入学金・施設整備費・教材費・制服代・修学旅行費・通学費などは引き続き家庭負担となります。「無償化」という呼び名から受ける印象と、実際にかかる費用にはギャップがある点は押さえておきましょう。
新制度の対象となる学校の種類は?
新制度の対象校種は、高等学校、中等教育学校(後期課程)、特別支援学校(高等部)、高等専門学校(1〜3年)、専修学校高等課程、専修学校一般課程、各種学校のうち国家資格者養成課程(中学校卒業者を入所資格とするもの)を置くもの、海上技術学校です。全日制・定時制・通信制のいずれも対象となります。
一方、2026年度の改正で各種学校のうち外国人学校を告示指定する制度は廃止されました。該当する生徒には、後述の「高校生等・新修学支援」による別枠の支援が用意されています。
2025年度までの旧制度と2026年度の新制度は何が違う?
最大の違いは所得制限の有無と私立の支給上限額です。旧制度では年収約910万円未満という所得要件があり、私立高校への加算(年39万6,000円)は年収約590万円未満の世帯に限られていました。
| 項目 | 旧制度(〜2025年度) | 新制度(2026年度〜) |
|---|---|---|
| 所得制限 | 年収約910万円未満の世帯が対象 | なし(全世帯が対象) |
| 私立全日制の上限 | 年39万6,000円(年収約590万円未満)/年11万8,800円(同590万〜910万円) | 年45万7,200円(全世帯一律) |
| 私立通信制の上限 | 年29万7,000円 | 年33万7,200円 |
| 所得審査 | 課税標準額をもとに毎年審査 | 不要(国籍・在留資格等の確認に変更) |
| 財源負担 | 国10/10 | 公私立は国3/4・都道府県1/4、国立は国10/10 |
2025年度限りの「高校生等臨時支援金」はどうなった?
高校生等臨時支援金は2025年度(令和7年度)限りの経過的な制度で、2026年度からは廃止され、就学支援金に一本化されました。
この支援金は、旧制度の所得制限(年収目安910万円以上)によって就学支援金の対象外となった世帯に、公立・私立ともに年11万8,800円を支給するものでした。2026年4月の所得制限撤廃により役割を終えています。
2025年度に臨時支援金を受給していた世帯は、2026年度は自動的に就学支援金へ切り替わるわけではありません。新たに「受給資格認定申請」を行う必要があります。学校からの案内を必ず確認してください。
高校無償化はいくら?学校種別の支給上限額一覧【2026年度】
2026年度の支給上限額は、国公私立の別と学校種別によって決まります。私立高校(全日制)は年45万7,200円、公立高校(全日制)は年11万8,800円が上限で、世帯年収による区別はありません。
定額授業料の学校の支給上限額(年額)
| 学校区分 | 国立 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|---|
| 高等学校(全日制) | 11万5,200円 | 11万8,800円 | 45万7,200円 |
| 高等学校(定時制) | ― | 3万2,400円 | 45万7,200円 |
| 高等学校(通信制) | ― | 6,240円 | 33万7,200円 |
| 中等教育学校(後期課程) | 11万5,200円 | 11万8,800円 | 45万7,200円 |
| 特別支援学校(高等部) | 4,800円 | 4,800円 | 45万7,200円 |
| 高等専門学校(1〜3学年) | 23万4,600円 | 23万4,600円 | 45万7,200円 |
| 専修学校高等課程・一般課程(昼間学科) | ― | 45万7,200円 | 45万7,200円 |
| 各種学校(国家資格者養成課程) | ― | 45万7,200円 | 45万7,200円 |
国立高校等については支給上限額が11万5,200円ですが、授業料と同額であるため実質無償となります。公立高校(全日制)も授業料が年11万8,800円で全国共通のため、自己負担はゼロです。
単位制の学校の支給上限額(1単位あたり)
通信制高校や単位制高校のように、履修した単位数に応じて授業料が決まる学校では、1単位あたりの単価で支給額が計算されます。
| 学校区分 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 高等学校(全日制・定時制) | 4,812円/単位(定時制は1,740円) | 1万8,528円/単位 |
| 高等学校(通信制) | 336円/単位 | 1万3,668円/単位 |
単位制の支給には「年間30単位まで、通算74単位まで」という上限が設けられています。年間の履修計画を立てる際は、この単位数の上限を意識しておくと支援を無駄なく受けられます。
支給期間は何か月?全日制と定時制・通信制で違う
支給期間は課程によって異なります。全日制・中等教育学校後期課程・高専(1〜3学年)は36か月(3年分)、定時制・通信制は48か月(4年分)が上限です。
転校や編入をした場合、前の学校に在学していた期間も通算されます。過去に高校を中退した経験がある方は、残りの支給可能月数を学校の事務室に確認しておきましょう。
高校無償化はいつから?公立・私立・通信制で開始時期が違う
高校無償化の開始時期は、公立が2025年4月、私立が2026年4月です。段階的に実施されてきたため、「いつから対象になるのか」が学校の種類ごとに異なります。
| 時期 | 変更内容 |
|---|---|
| 2025年4月(令和7年度) | 公立高校相当額(年11万8,800円)の所得制限を撤廃。公立高校が実質無償化 |
| 2025年度 | 私立の加算(年39万6,000円)は年収約590万円未満の世帯に限定。対象外世帯には高校生等臨時支援金を支給 |
| 2026年3月31日 | 改正法(令和8年法律第8号)が参議院本会議で可決・成立、公布 |
| 2026年4月1日 | 改正法施行。所得制限を完全撤廃し、私立全日制の上限を年45万7,200円に引き上げ |
適用は学年を問いません。2026年4月時点で高校2年生・3年生の在校生も、2026年4月分の授業料から新制度の対象となります。「入学年度が古いから対象外」ということはありません。
なお、文部科学省は法施行後3年以内に十分な検証を行い、必要に応じて制度を見直すとしています。支給額や対象範囲が今後変わる可能性がある点は覚えておきましょう。
高校無償化の申請方法は?e-Shienの手続きと2026年度の変更点
就学支援金を受け取るには申請が必須です。手続きはオンライン申請システム「e-Shien(イーシエン)」で行うのが基本で、学校から配布される「ログインID通知書」を使ってログインします。
- ①学校から「ログインID通知書」を含む申請案内を受け取る(4月頃)
- ②生徒がe-Shienにログインする
- ③受給資格認定を申請する意思の「意向登録」を行う
- ④受給資格認定申請書を入力・提出する
- ⑤申請内容を確認し、送信して申請完了
2026年度からの申請手続きはどう変わった?
最大の変更点は所得審査が不要になったことです。旧制度では課税標準額をもとに毎年所得を審査していましたが、所得制限が撤廃されたことで、この審査そのものがなくなりました。
代わりに新設されたのが、国籍・在留資格等の確認です。日本国籍の生徒は住民票の写し(原本)を提出します。外国籍の生徒は在留カードのコピーや特別永住者証明書のコピーなど、在留資格に応じた書類が必要です。
なお、状況確認は毎年度行われます。1年生は4月と7月の年2回、2・3年生は7月の年1回が目安です。届出を怠ると支給が止まる場合があるため、案内を見落とさないようにしましょう。
e-Shienが使えない場合や申請が遅れた場合は?
紙の申請書でも手続きできます。学校の事務室で申請書を受け取り、必要事項を記入して提出してください。
なお、e-Shienは2026年4月17日18時から24日15時まで緊急メンテナンスのためサービスを停止しました。この影響を受けた場合について文部科学省は、申請時期が5月以降になっても4月分から受給できるよう弾力的に取り扱う方針を示しています。締切の変更は都道府県または学校から案内されます。
申請を忘れたら遡って支給される?
原則として遡及支給はされません。就学支援金は受給資格認定申請書が学校に到達した日が属する月から支給が開始される仕組みだからです。
たとえば4月に申請すべきところを6月に提出した場合、4月分・5月分は自己負担となります。私立高校であれば1か月あたり最大3万8,100円の支援を逃す計算です。学校からの案内が届いたら、その日のうちに手続きを進めるのが確実です。
高校無償化がもらえないのはどんな人?対象外・不認定になるケース
所得制限が撤廃された2026年度以降も、次のようなケースでは就学支援金を受け取れません。「もらえない理由」として最も多いのは所得ではなく、在学要件・支給期間・申請漏れの3つです。
| もらえないケース | 理由 |
|---|---|
| すでに高等学校等を卒業・修了している | 在学要件を満たさないため |
| 在学期間が通算36か月(定時制・通信制は48か月)を超えた | 支給期間の上限超過 |
| 日本国内に住所がない(海外在住) | 在住要件を満たさないため |
| 在留資格が「留学」「研修」「特定活動」等 | 2026年度の新要件で対象外 |
| 2026年4月以降に入学した留学生 | 新制度・新修学支援ともに対象外 |
| 申請を行っていない | 自動適用ではないため申請が必須 |
| 期限までに書類を提出しなかった | 提出月からの支給となり、遡及されない |
2026年度から新設された国籍・在留資格の要件とは
新制度で支給対象となるのは、対象校種に在学し日本国内に住所を有する生徒のうち、次の①〜⑦のいずれかに該当する方です。
- ①日本国籍を有する者
- ②特別永住者
- ③永住者
- ④日本人の配偶者等
- ⑤永住者の配偶者等
- ⑥定住者のうち、将来永住する意思があると認められた者
- ⑦家族滞在のうち、小学校および中学校を卒業した者であって、高校等卒業後に日本で就労して定着する意思があると認められた者
新制度の対象外になった場合の救済「高校生等・新修学支援」
新制度の対象外となる外国籍の生徒や外国人学校の生徒には、旧制度と同等水準の支援を続ける「高校生等・新修学支援」が2026年度に創設されました。令和8年度予算額は13億円です。
| 区分 | 支援の内容 |
|---|---|
| 2026年度の在校生(留学生を含む) | 経過措置として、在学関係が続く限り旧制度の就学支援金による支援を継続。年収約910万円以上の世帯には上限年11万8,800円 |
| 2026年度の新入生(留学生を除く) | 旧制度なら対象となりえた年収約910万円未満の世帯に、上限年39万6,000円の支援金を支給 |
この支援は都道府県が実施し、国が所要額の4分の3を補助する仕組みです。対象となる世帯には学校からお知らせが配布されるため、提出期限までに必要書類を提出してください。
「高校無償化 所得制限 裏ワザ」は2026年度から不要になった理由
2026年4月以降、国の就学支援金に所得制限はありません。したがって「裏ワザ」を探す必要はなくなりました。共働き世帯も片働き世帯も、年収がいくらであっても同額が支給されます。
2025年度以前は、世帯の課税標準額が一定額を超えると支給対象から外れたため、課税所得を抑える方法を調べる方が一定数いました。しかし新制度では所得審査そのものが行われません。
ただし都道府県の上乗せ助成には所得要件が残る
注意が必要なのは、都道府県独自の上乗せ助成金では所得要件が設定されているケースがある点です。判定には「保護者等の市町村民税の課税標準額×6%−市町村民税の調整控除の額」で計算した基準額が使われるのが一般的です。
- 共働き世帯:父・母それぞれの課税標準額を合算して判定する
- 片働き世帯:収入のある親の課税標準額のみで判定する
- 多子世帯:扶養控除の適用により、子の人数が多いほど基準額は下がりやすい
旧制度の「年収910万円未満相当」は、片働き・子2人世帯で年収約910万円、共働き・子2人世帯で年収約1,090万円が目安でした。都道府県の制度でも同様の考え方が使われることが多いため、判定の仕組みとして知っておくと役立ちます。なお、節税や控除の活用については税理士など専門家にご相談ください。
【シミュレーション】高校無償化後の自己負担はいくら?授業料以外の費用に注意
高校無償化後も自己負担はゼロにはなりません。支援の対象が授業料に限られるためです。ここでは学校種別に年間の負担イメージを整理します。
公立高校(全日制)の場合
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 授業料(年額) | 11万8,800円 |
| 就学支援金 | 11万8,800円 |
| 授業料の自己負担 | 0円(実質無償) |
| 入学金・教材費・制服代等 | 自己負担(学校により異なる) |
私立高校(全日制)の場合
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 就学支援金(上限) | 45万7,200円 |
| 授業料が45万7,200円以下の学校 | 授業料の自己負担は0円 |
| 授業料が45万7,200円を超える学校 | 超過分は自己負担(都道府県の上乗せ助成で軽減される場合あり) |
| 入学金・施設整備費等 | 自己負担(学校により異なる) |
私立高校の授業料には地域差があります。文部科学省「私立高等学校(全日制)の初年度授業料等について」によると、都道府県別の平均授業料は最も高い長野県で約64.8万円、最も低い福井県で約34.8万円と、約30万円の開きがあります。上限額の45万7,200円を超える地域では、差額の自己負担が発生する可能性があります。
見落としやすい「授業料以外」の費用
入学金/施設整備費・施設費/教材費・教科書代/制服・体操着代/通学費(定期代)/部活動費・遠征費/修学旅行積立金/PTA会費・生徒会費/模試・検定料
特に施設整備費等は地域差が大きく、都道府県別の平均で最も高い岡山県は約37.8万円、最も低い島根県は約2.2万円です。就学支援金の対象外のため、志望校を比較する際は授業料だけでなく施設整備費もあわせて確認しましょう。
参考までに、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」では、高校3年間の学習費総額は公立で平均約178.7万円、私立で約307.7万円でした。授業料が無償化されても、進路計画には一定の教育費を織り込んでおく必要があります。
授業料以外を支援する「高校生等奨学給付金」も2026年度から拡充
授業料以外の教育費については、返還不要の「高校生等奨学給付金」の対象が2026年度から年収約490万円までの中所得世帯に拡大されました。令和8年度予算額は322億円で、前年度の152億円から倍増しています。
| 世帯区分(年収目安) | 全日制等(国公立) | 全日制等(私立) | 通信制(国公立) | 通信制(私立) |
|---|---|---|---|---|
| 生活保護世帯 | 3万2,300円 | 5万2,600円 | 3万2,300円 | 5万2,600円 |
| 住民税非課税世帯(〜約270万円) | 14万3,700円 | 15万2,000円 | 5万500円 | 5万2,100円 |
| 約270万〜380万円(新規) | 4万7,900円 | 5万670円 | 1万6,830円 | 1万7,370円 |
| 約380万〜490万円(新規) | 3万5,930円 | 3万8,000円 | 1万2,630円 | 1万3,030円 |
対象となる費用は、教科書費・教材費・学用品費・通学用品費・入学学用品費・教科外活動費・通信費などです。国の補助割合も3分の1から2分の1に引き上げられました。
申請先は就学支援金と異なり、保護者がお住まいの都道府県または学校に申し込む方式です。手続きの時期は都道府県ごとに異なるため、早めに確認しておきましょう。
【都道府県別】高校無償化の独自上乗せ制度(東京都・大阪府ほか)
国の就学支援金は全国一律ですが、多くの都道府県が独自の上乗せ助成を実施しています。居住地の都道府県の制度が適用されるのが原則で、県外の高校に進学した場合も居住地の制度を確認します。
東京都の高校無償化(授業料軽減助成金)
東京都は、国の就学支援金に都独自の「私立高等学校等授業料軽減助成金」を上乗せし、都内私立高校の平均授業料相当額までを助成しています。2026年度は国と都を合わせて最大年50万1,000円(就学支援金45万7,200円+都の助成4万3,800円)です。所得制限はありません。
都認可通信制課程の場合、就学支援金の上限は年33万7,200円(年額制)または1単位1万3,668円(単位制)です。国と都の両方に申請しなければ上限額まで受け取れない点に注意してください。
大阪府の高校無償化はいつから完成する?
大阪府は2024年度の高校3年生から段階的に授業料無償化を進めており、2026年度に全学年で制度が完成します。所得制限はなく、公立・私立を問わず府内在住の高校生が対象です。
大阪府の制度は、標準授業料を超える部分を学校が負担する「キャップ制」を採用している点が特徴です。制度の詳細や対象校の範囲は年度ごとに更新されるため、府の公式ページで確認してください。
京都府・神奈川県・埼玉県などの独自制度
| 都道府県 | 独自制度の名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| 京都府 | 京都府あんしん修学支援制度 | 国の就学支援金に上乗せ。府独自部分には所得要件が残る。認定結果は毎年7〜8月頃に通知 |
| 神奈川県 | 私立高等学校等生徒学費補助金 | 授業料補助に加えて入学金補助あり(非課税世帯は上限21万1,000円)。県内在住かつ県内私立校在学が要件 |
| 埼玉県 | 父母負担軽減事業補助金 | 所得要件あり。学校経由で国の就学支援金と同時に申請可能 |
| 千葉県 | 私立高等学校等授業料減免制度 | 低所得世帯を中心とした授業料・入学金の減免 |
| 兵庫県 | 授業料軽減補助制度・入学資金貸与制度 | 授業料補助に加え、入学時のまとまった資金を貸与 |
| その他の道府県 | 各道府県の授業料軽減制度 | 低所得世帯向けの減免が中心。愛知県・静岡県・福岡県などは独自の上乗せを整備 |
就学支援金の支給日・返金はいつ?「一旦払う」ケースの流れ
就学支援金は保護者の銀行口座には振り込まれません。国から都道府県を経て学校設置者が代理受領し、授業料に充当される仕組みです。保護者が振込などの作業を行う必要はありません。
認定から支給までのスケジュール
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 4月 | 学校から申請案内が配布され、e-Shienまたは紙で申請 |
| 5月〜6月 | 都道府県による審査(2026年度は所得審査が不要なため迅速化) |
| 7月〜8月 | 認定結果が学校経由で保護者に通知される |
| 8月以降 | 学校設置者への交付開始。以降は定期的に交付 |
先払いした授業料はいつ返金される?
学校の授業料徴収方法は大きく3パターンあり、返金の有無が分かれます。
- パターン1:徴収を保留する/多くの公立高校と一部の私立高校。認定後にそのまま相殺されるため、先払いも返金も発生しない
- パターン2:差額のみ徴収する/授業料が支給上限額を超える場合、超過分だけを徴収する
- パターン3:一旦全額を徴収し、後から返金する/認定通知後、8月〜10月頃に学校から保護者口座へ返金されるのが一般的
なお、東京都の授業料軽減助成金のように、都道府県独自の助成は保護者の口座へ直接振り込まれる方式のものもあります。国の就学支援金とは振込時期も申請先も異なるため、混同しないよう注意してください。
「私立高校無償化はずるい・おかしい」と言われる理由と実態
「私立高校無償化はずるい」「おかしい」という声が上がる背景には、主に4つの論点があります。それぞれ制度上の事実と照らして整理します。
| 指摘される点 | 制度上の実態 |
|---|---|
| 公立と私立で支援額に約4倍の差がある | 授業料の実額に合わせた設計。公立の授業料は年11万8,800円、私立全日制の全国平均は約45万円で、支給上限額はこの平均を勘案した水準 |
| 高所得世帯も支援対象になった | 所得制限の撤廃により全世帯が対象。文部科学省の試算では新たに支給・増額の対象となる生徒は約80万人 |
| 授業料以外は自己負担のまま | 入学金・施設整備費・教材費・制服代・修学旅行費は対象外。低中所得世帯には高校生等奨学給付金で対応 |
| 私立の便乗値上げが起きるのではないか | 法施行後3年以内に十分な検証を行い、必要に応じて制度を見直すこととされている |
制度をどう活かすかという視点
- 志望校の授業料が支給上限額(私立45万7,200円)を超えるかどうかを確認する
- 入学金・施設整備費・教材費など授業料以外の総額を試算する
- 居住地の都道府県独自の上乗せ助成を確認する
- 年収約490万円までの世帯は高校生等奨学給付金の併用を検討する
制度への賛否はあっても、教育を受ける生徒自身に責任はありません。受けられる支援を確実に申請し、進路の選択肢を広げる手段として活用することが大切です。
高校無償化・就学支援金に関するよくある質問
高校無償化の正式名称は?わかりやすく教えてください
「高校無償化」と呼ばれる制度の正式名称は「高等学校等就学支援金」です。高等学校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部、高等専門学校1〜3年、専修学校高等課程などに通う生徒の授業料に充てるため、国と都道府県が支援金を支給する仕組みです。2026年4月1日施行の改正法により所得制限が撤廃され、全世帯が対象となりました。支援金は保護者に振り込まれるのではなく、学校設置者が代理受領して授業料に充当されます。
高校無償化はいくらもらえますか?公立と私立で違いますか
2026年度の支給上限額は、公立高校(全日制)が年11万8,800円、私立高校(全日制)が年45万7,200円です。国立高校は年11万5,200円、公立定時制は年3万2,400円、公立通信制は年6,240円、私立通信制は年33万7,200円となります。高等専門学校の1〜3学年は国公立で年23万4,600円、私立で年45万7,200円です。いずれも世帯年収による区別はなく、全世帯一律で支給されます。
高校無償化はいつから始まりましたか?在校生も対象ですか
公立高校の実質無償化は2025年4月から、私立高校の所得制限撤廃と上限額引き上げは2026年4月から実施されています。根拠となる改正法(令和8年法律第8号)は2026年3月31日に成立し、4月1日に施行されました。適用は学年を問わないため、2026年4月時点で高校2年生・3年生の在校生も、2026年4月分の授業料から新制度の対象となります。ただし在校生も申請または受給資格確認の手続きが必要です。
2025年度の高校生等臨時支援金は2026年度も続きますか
高校生等臨時支援金は2025年度限りの制度で、2026年度からは廃止され就学支援金に一本化されました。この支援金は旧制度の所得制限(年収目安910万円以上)で就学支援金の対象外となった世帯に、公立・私立ともに年11万8,800円を支給するものでした。2025年度に臨時支援金を受給していた世帯は、2026年度は自動的に切り替わるわけではなく、新たに受給資格認定申請を行う必要があります。
就学支援金の申請方法を教えてください(e-Shienとは)
申請はオンライン申請システム「e-Shien(イーシエン)」で行います。学校から配布される「ログインID通知書」でログインし、意向登録を行ったうえで受給資格認定申請書を入力・提出します。2026年度からは所得審査が不要となり、代わりに日本国籍の方は住民票の写し(原本)、外国籍の方は在留カードのコピー等の提出が必要になりました。紙の申請書での手続きも可能で、学校の事務室で受け取れます。
申請を忘れた場合、遡って支給されますか
原則として遡及支給はされません。就学支援金は受給資格認定申請書が学校に到達した日が属する月から支給が開始されるため、申請が遅れた月の分は自己負担となります。私立高校の場合、1か月あたり最大3万8,100円の支援を逃す計算です。なお、2026年4月17日から24日のe-Shien緊急メンテナンスの影響を受けた方については、申請が5月以降になっても4月分から受給できるよう弾力的に取り扱う方針が示されています。
就学支援金がもらえないケースはありますか
所得制限は撤廃されましたが、次の場合は受け取れません。(1)すでに高等学校等を卒業・修了している、(2)在学期間が通算36か月(定時制・通信制は48か月)を超えた、(3)日本国内に住所がない、(4)在留資格が「留学」「研修」「特定活動」等である、(5)2026年4月以降に入学した留学生である、(6)申請を行っていない、(7)期限までに書類を提出しなかった。最も多いのは申請漏れによるものです。学校からの案内は必ず確認しましょう。
外国籍の生徒は2026年度から対象外になるのですか
在留資格によって扱いが異なります。特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者のうち将来永住する意思があると認められた者、家族滞在のうち小中学校を卒業し日本で就労して定着する意思があると認められた者は新制度の対象です。対象外となる場合でも、2026年度の在校生(留学生を含む)には経過措置として旧制度の支援が継続され、2026年度の新入生(留学生を除く)には「高校生等・新修学支援」により上限年39万6,000円の支援が用意されています。
「高校無償化 所得制限 裏ワザ」に意味はありますか
2026年4月以降は所得制限が完全に撤廃されたため、いわゆる「裏ワザ」は不要です。全世帯が就学支援金の対象で、所得審査そのものが行われません。ただし都道府県独自の上乗せ助成金では所得要件が残っているケースがあり、その場合は「市町村民税の課税標準額×6%−調整控除の額」で計算した基準額で判定されるのが一般的です。共働き世帯は夫婦の課税標準額を合算して判定されます。
通信制高校や定時制高校も高校無償化の対象ですか
どちらも対象です。私立通信制の支給上限は2026年度から年29万7,000円から年33万7,200円に引き上げられ、所得制限も撤廃されました。単位制の場合は1単位1万3,668円(私立通信制)で計算され、年間30単位・通算74単位までが上限です。定時制は私立が年45万7,200円、公立が年3万2,400円で、支給期間は全日制の36か月より長い48か月となります。広域通信制高校も対象です。
高専(高等専門学校)も高校無償化の対象ですか
高等専門学校の1〜3学年は就学支援金の対象で、2026年度から所得制限なく支給されます。国公立高専は年23万4,600円(月額1万9,550円)、私立高専は年45万7,200円(月額3万8,100円)が上限です。国立高専の授業料は年23万4,600円で全国共通のため、授業料は実質ゼロになります。4〜5学年および専攻科は短期大学相当として扱われ、別制度の「高等教育の修学支援新制度」の対象です。
私立高校の授業料を一旦払った場合、いつ返金されますか
学校によって徴収方法が異なります。授業料の徴収を保留して認定後に相殺する学校では先払いも返金も発生しません。年度当初に全額を徴収する学校では、認定通知(7〜8月頃)の後、8月〜10月頃に保護者口座へ返金されるのが一般的です。2学期・3学期の授業料から差し引いて相殺する学校もあります。入学時の説明会や事務室で、どの方式かを事前に確認しておきましょう。
高校無償化は全国どこでも同じ内容ですか
国の就学支援金は全国一律ですが、都道府県独自の上乗せ助成には地域差があります。東京都は国と都を合わせて最大年50万1,000円、大阪府は2026年度に全学年で完全無償化が完成、京都府はあんしん修学支援制度による上乗せがあります。神奈川県は授業料補助に加えて入学金補助(非課税世帯は上限21万1,000円)を実施しています。適用されるのは原則として居住地の都道府県の制度です。
高校生等奨学給付金も2026年度から拡充されたのですか
はい、対象が年収約490万円までの中所得世帯に拡大されました。従来は生活保護世帯・住民税非課税世帯に限られていましたが、年収約270万〜380万円の世帯には私立全日制で年5万670円、年収約380万〜490万円の世帯には年3万8,000円が新たに給付されます。令和8年度予算額は322億円で前年度の152億円から倍増しました。教科書費・教材費・学用品費・通学用品費などに充てられる返還不要の給付金です。申請先は都道府県または学校です。
共働き世帯は就学支援金でどう扱われますか
2026年度以降、国の就学支援金は所得制限が撤廃されたため、共働き・片働きを問わず全世帯が同額の対象です。世帯年収を計算する必要もありません。ただし都道府県独自の上乗せ助成には所得要件が残っているケースがあり、その場合は夫婦それぞれの市町村民税の課税標準額を合算して判定されます。お住まいの都道府県の公式ページで基準をご確認ください。
まとめ
2026年4月1日施行の改正法により、高等学校等就学支援金の所得制限が完全に撤廃されました。私立高校(全日制)の支給上限は年45万7,200円、公立高校は年11万8,800円で授業料は実質無償です。文部科学省の試算では、新たに支給または増額の対象となる生徒は約80万人にのぼります。
ただし支援を受けるには申請が必須で、遡っての支給はされません。学校からの案内が届いたら、その日のうちに手続きを進めることが確実です。
- 支給額:私立全日制45万7,200円、公立11万8,800円、私立通信制33万7,200円、国公立高専23万4,600円
- 所得制限:完全撤廃。所得審査そのものが不要に
- 申請:e-Shienまたは紙の申請書で学校経由。所得証明書は不要、代わりに住民票の写し等が必要
- 支給期間:全日制36か月、定時制・通信制48か月
- もらえないケース:卒業済み・支給期間超過・在留資格要件・申請漏れ
- 救済制度:新制度の対象外には「高校生等・新修学支援」(上限年39万6,000円)
- 授業料以外:高校生等奨学給付金が年収約490万円まで対象拡大
- 都道府県の上乗せ:東京都は最大年50万1,000円、大阪府は2026年度に完全無償化が完成
- 今後:法施行後3年以内に検証し、必要に応じて制度を見直す予定
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