お子さんが高校に進学すると、制服代や教科書代、修学旅行費、タブレット端末代など、授業料以外にもさまざまな教育費がかかります。この「授業料以外の教育費」の負担を軽くするために国と都道府県が設けているのが、返還不要の「高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)」です。
2026年度(令和8年度)から制度が大きく見直されました。これまで住民税非課税世帯・生活保護世帯に限られていた支援対象が、年収約490万円未満の中所得世帯まで拡充され、国の予算も前年度152億円から令和8年度は322億円へ倍増(+170億円)。国の補助割合も1/3から1/2に引き上げられています。
さらに2026年9月3日に公表された文部科学省の令和9年度概算要求では、「新入生への給付時期の抜本的な早期化」や「学習者用端末の購入費相当額の支援」が新たな検討項目として盛り込まれました。制度は今も動いています。
本記事では、2026年度の支給額・対象世帯(年収の目安)・支給日(いつもらえるか)・申請方法を、文部科学省の予算資料と各都道府県の公表内容をもとに解説します。13都道府県の申請期限・振込時期を国公立/私立別にまとめたほか、「今から申請しても間に合うか」も整理しました。
・いくら:国公立(全日制等)の非課税世帯で年額143,700円、私立で152,000円
・誰が:年収約490万円未満(保護者等全員の所得割額の合算182,500円未満)の世帯。2026年度から課税世帯も対象
・いつ:7月申請分は12月前後〜翌3月に保護者の口座へ振込が多い(東京都の国公立は12月末までの予定)
・どこへ:保護者が住む都道府県(県内の国公立は学校経由、私立は私学担当課が一般的)
・注意:毎年申請が必要。9月末で締め切る地域が多い一方、10〜12月まで受け付ける地域もある
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この記事の目次
高校生等奨学給付金とは?2026年度(令和8年度)に何が変わった?
高校生等奨学給付金は、授業料以外の教育費負担を軽減するため、高校生等がいる世帯に支給される返還不要の給付金です。2026年度(令和8年度)の最大の変更点は、対象世帯が年収約490万円未満まで拡大されたこと。文部科学省の令和8年度予算額は322億円で、前年度の152億円から170億円上乗せされました。
対象となる主な費用は、以下のような「授業料以外の教育費」です。
・教材費
・学用品費
・通学用品費
・教科外活動費
・生徒会費
・PTA会費
・入学学用品費
・修学旅行費
・通信費 等
授業料の支援を行う「高等学校等就学支援金(高校授業料無償化)」とは別の制度で、2つは要件を満たせば併用できます。授業料は就学支援金でカバーしつつ、教科書代や制服代を奨学給付金で補うイメージです。
参考:文部科学省「高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)令和8年度予算」
「奨学のための給付金」と呼び方が違うのはなぜ?読み方は?
「奨学のための給付金」と「高校生等奨学給付金」は同じ制度です。読み方は「しょうがくのためのきゅうふきん」「こうこうせいとうしょうがくきゅうふきん」。
国は「高校生等奨学給付金」と呼びますが、都道府県によっては「奨学のための給付金」「高等学校等奨学のための給付金」「国公立高等学校等奨学のための給付金」「私立高等学校等奨学給付金」といった名称で案内されます。中身はどれも同じ、授業料以外の教育費を支援する国の制度です。名称が違っても混乱しないようにしましょう。
対象となる学校は?高校以外にも対象校がある
高校生等奨学給付金の対象校種は、いわゆる「高校」だけではありません。文部科学省の令和8年度予算資料では、以下の学校が対象と明記されています。
・中等教育学校の後期課程
・高等専門学校(1〜3年)
・専修学校高等課程
・専修学校一般課程および各種学校のうち国家資格者養成課程(中学校卒業者を入所資格とするもの)
・海上技術学校
「高等専門学校(高専)に通っている」「専修学校の高等課程に通っている」というケースでも対象になります。ただし特別支援学校の高等部は対象外で、特別支援教育就学奨励費という別制度で支援されます。
なお、高等学校等の「専攻科」に在学する生徒には専攻科奨学給付金という別枠の制度があり、対象となる年収要件や給付額が本科の生徒とは異なります。
2026年度から対象世帯が年収490万円まで拡充
2026年度からは、住民税非課税世帯・生活保護世帯に加えて、年収約490万円未満の中所得世帯が新たに給付対象となりました。世帯区分と給付割合は以下のとおりです。
・年収約270万円〜380万円(2026年度から拡充):非課税世帯の給付額の1/3
・年収約380万円〜490万円(2026年度から拡充):非課税世帯の給付額の1/4
年収目安は、両親のうちどちらか一方が働き、高校生1人(16歳以上)と中学生1人がいる4人世帯のケースです。世帯構成によって基準は変わるため、正式な判定は年収ではなく「住民税所得割額」で行われます。
この拡充は2025年10月29日の自民党・公明党・日本維新の会による三党合意に基づくもので、あわせて国の補助割合も1/3から1/2に引き上げられました。授業料無償化の「高等学校等就学支援金」も2026年4月から所得制限が完全撤廃されており、高校生への修学支援は令和8年度に大きく前進しています。
ただし、拡充された年収270〜490万円の区分は、高等学校等就学支援金(新制度)の受給資格を有する生徒のみが対象です。新制度の対象外となる外国籍・外国人学校の生徒については、これまでどおり生活保護世帯・住民税非課税世帯への支援のみとなります。
高校生等奨学給付金はいつもらえる?2026年度の支給日の目安
高校生等奨学給付金は、7月に申請した場合、審査を経て12月前後〜翌3月に振り込まれるケースが多くなっています。令和8年度は、東京都(国公立)が「9月15日までの提出分は12月末日までに振込予定」、栃木県(公立)が「11月下旬〜12月上旬に一括振込予定」と公表しています。早い地域でも振込は10月末以降です。
支給は保護者の指定口座に直接振り込まれます。授業料の就学支援金が学校を経由して授業料に充てられるのとは異なり、奨学給付金は現金で保護者に直接支給される仕組みです(宮崎県の県立高校のように、学校納入金と相殺する運用の地域もあります)。
| 区分 | 支給時期の目安 |
|---|---|
| 一般的な目安(全国) | 7月申請 → 12月前後〜翌3月 |
| 早い地域(千葉県公立・埼玉県など) | 10月末以降に振込 |
| 新入生の早期給付(4〜6月分) | 7〜9月頃に年額の1/4を先行支給 |
| 締切を複数回設けている地域 | 提出回ごとに振込時期が異なる(例:神奈川県私立は10月/1月/3月) |
| 7月2日以降の家計急変 | 決定次第、申請日の翌月からの月割額を支給 |
都道府県別の申請期限・振込時期一覧【令和8年度】
申請期限や振込時期は都道府県ごとに大きく異なります。令和8年度に主な都道府県が公表している内容をまとめました(2026年9月28日時点で各都道府県の公式ページを確認)。県内の公立高校に通う場合は「学校が定める期日」までに学校へ提出するのが一般的で、都道府県が公表している日付は主に県外の学校に通う生徒向けの締切です。
| 都道府県 | 区分 | 申請期限(令和8年度) | 振込時期の目安 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 国公立 | 9月15日(受付終了)/家計急変は令和9年1月末まで | 12月末日までの予定 |
| 私立 | 7月(受付終了)/特別申請は令和9年1月上旬予定 | 12月下旬または令和9年3月下旬 | |
| 北海道 | 公立 | 道内校は学校指定日(7〜8月)/道外校は新入生8月末・在学生9月末 | 支給決定後に一括振込 |
| 私立 | 道内校は学校指定日/道外校は10月23日必着 | 到着順に審査 | |
| 神奈川県 | 国公立 | 8月25日〜12月15日 | 公表なし |
| 私立 | 第1回7月14日/第2回9月16日/第3回11月13日 | 第1回10月・第2回1月・第3回3月 | |
| 大阪府 | 国公立 | 府立は学校指定日/府外校は10月30日必着 | 12月末頃 |
| 私立 | 7月1日〜10月31日(消印有効) | 12月以降、随時 | |
| 愛知県 | 公立 | 学校指定日/県立以外・県外校は11月20日 | 公表なし |
| 私立 | 7月1日〜11月20日 | 12月頃〜3月頃 | |
| 埼玉県 | 国公立 | 県内・近県校は学校指定日/県外校は第1次7月31日・第2次9月18日・第3次10月22日 | 早ければ10月末以降 |
| 私立 | 11月6日まで(延長後) | 10月末〜令和9年3月末 | |
| 千葉県 | 公立 | 県内校は学校指定日/県外校は原則9月3日・最終12月25日 | 10月末以降 |
| 私立 | 通常9月18日/最終12月18日 | 年度内 | |
| 兵庫県 | 国公立 | 10月9日まで(8月31日から延長) | 公表なし |
| 私立 | 7月1日〜10月31日(消印有効) | 公表なし | |
| 福岡県 | 国公立 | 令和9年2月26日 | 公表なし |
| 私立 | 11月30日まで(8月31日から延長) | 公表なし | |
| 京都府 | 国公立 | 7月中 | 公表なし |
| 私立 | 府内校は学校の指示/府外校は10月30日 | 公表なし | |
| 宮崎県 | 国公立 | 7月1日〜9月30日 | 学校に確認(学校納入金と相殺の場合あり) |
| 私立 | 12月15日まで | 公表なし | |
| 沖縄県 | 県立 | 県内校は学校指定期間/県外校は7月1日〜11月30日 | 公表なし |
| 私立 | 7月13日〜10月30日 | 公表なし | |
| 栃木県 | 公立 | 9月18日 | 11月下旬〜12月上旬に一括 |
| 私立 | 9月30日まで(延長) | 12月頃 |
同じ都道府県でも、国公立に通う場合は教育委員会、私立に通う場合は私学担当課と、申請先も期限も分かれます。福岡県(私立)や兵庫県(国公立)のように、令和8年度は当初の締切を延長した地域もあります。上記は令和8年度時点の公表内容で、年度により変わります。必ずお住まいの都道府県の最新の案内を確認してください。
なお、給付金は「生徒が通う学校の所在地」ではなく「保護者が住んでいる都道府県」から支給されます。他県の高校に通っている場合でも、申請先は居住地の都道府県です。
参考:文部科学省「高校生等奨学給付金(専攻科含む)のお問合せ先一覧」
9月末を過ぎても申請は間に合う?まだ受け付けている地域
9月末を過ぎても、10〜12月まで受け付けている都道府県は少なくありません。令和8年度に公表されている10月以降の締切は以下のとおりです(2026年9月28日時点)。
・兵庫県(国公立):10月9日
・北海道(私立・道外校):10月23日
・埼玉県(国公立・県外校の第3次):10月22日
・大阪府(国公立・府外校):10月30日/大阪府(私立):10月31日
・兵庫県(私立):10月31日
・京都府(私立・府外校):10月30日/沖縄県(私立):10月30日
【11月以降の締切】
・埼玉県(私立):11月6日
・神奈川県(私立・第3回):11月13日
・愛知県(私立、公立の県立以外・県外校):11月20日
・福岡県(私立):11月30日/沖縄県(県外の国公立):11月30日
・神奈川県(国公立):12月15日/宮崎県(私立):12月15日
・千葉県(私立の最終):12月18日/千葉県(公立・県外校の最終):12月25日
・福岡県(国公立):令和9年2月26日
締切を過ぎると原則としてその年度の給付は受けられませんが、東京都(国公立)のように「7月2日以降の家計急変」は年明けまで随時受け付ける地域もあります。締切が近い場合は、まず在学校または都道府県の窓口に電話で相談しましょう。
【新入生】4〜6月の「前倒し給付(早期給付)」もある
新入生については、多くの都道府県で前倒し給付(早期給付)が用意されています。入学時に制服代・教科書代など大きな出費が集中するため、年額の一部を4〜6月頃に先に受け取れる仕組みです。
前倒し給付の額は、どの地域もおおむね年額の1/4(4〜6月分)です。令和8年度は、東京都(国公立)が7月7日必着で受け付けて9月頃に振込、千葉県(公立)が7月末以降に振込としています。例えば茨城県では、4月1日時点で非課税世帯や生活保護世帯に該当する場合、年額の1/4を前倒しで支給しています。大阪府でも新入生の希望者に年額の4分の1(4月から6月相当分)を早期支給する運用が行われてきました。
注意したいのは、前倒し給付を受けた場合、残額を受け取るには7月1日時点で改めて要件を満たしたうえで再度申請が必要になる点です。一方、前倒し給付を申請していなくても、7月の申請で年額を受給できます(沖縄県の案内より)。
実施の有無や申請方法は都道府県により異なります。入学直後(4月頃)に学校から届く案内を必ずチェックしましょう。
2027年度は「4月に年額給付」へ?令和9年度概算要求の内容
給付時期の遅さは長く指摘されてきた課題ですが、文部科学省が2026年9月3日に公表した令和9年度概算要求では、新入生について4月の状況(前年度課税額)で年額を給付する仕組みへの改善が検討項目として明記されました。要求・要望額は322億円+事項要求です。
・新入生は4月の状況(前年度課税額)で年額を給付し、給付時期を抜本的に早期化
※4月時点で対象外でも、7月の状況(当年度課税額)で対象となる場合は年額を給付(在校生は7月の状況のみ)
・学習者用端末の購入費相当額の支援等(事項要求)
・令和8年度の対象世帯拡充で増加した都道府県事務費の支援
端末購入費の支援は、令和8年3月31日の参議院文教科学委員会の附帯決議や、令和8年6月9日の学校教育法等改正案の附帯決議でも求められていた内容です。あくまで概算要求段階のため実現は確定していませんが、2027年度(令和9年度)以降に支給時期が早まる可能性があります。
参考:文部科学省「令和9年度概算要求(高校生等への修学支援)」
申請したのに振込がない・通知が来ないときの確認先
申請したのに通知が来ない、振込がない場合は、以下の順で確認しましょう。
2. 書類の不備・追加提出を求められていないか確認する
3. 都道府県の教育委員会(公立)または私学振興担当課(私立)に問い合わせる
4. 振込先口座の届出内容(口座名義・口座番号)に誤りがないか確認する
多いのは、課税証明書の項目不足などの書類不備で審査が止まっているケース、都道府県の審査待ちで支給が10月以降にずれるケースです。「振り込まれていない」と焦る前に、まず在学校に確認するのが確実です。
高校生等奨学給付金の対象になるのは年収いくらまで?
高校生等奨学給付金の対象となるのは、2026年度(令和8年度)から年収約490万円未満(保護者等全員の所得割額の合算が182,500円未満)の世帯です。判定基準日は毎年7月1日(7月以降の入学者は入学日)です。
対象となる世帯を整理すると以下のとおりです。
・住民税非課税世帯(年収約270万円未満)
・【2026年度から拡充】所得割額の合算が100円〜105,500円未満の世帯(年収約270万円〜380万円)
・【2026年度から拡充】所得割額の合算が105,500円以上182,500円未満の世帯(年収約380万円〜490万円)
・【専攻科の多子世帯区分】所得割額の合算が105,500円以上264,500円未満で、扶養する子が3人以上の世帯
・家計が急変して上記と同等になった世帯
判定は、保護者等全員の「道府県民税所得割額」と「市町村民税所得割額」の合算額で行われます。生活保護世帯については、生徒本人の生業扶助(高等学校等就学費)の措置状況によって判定されます。
所得割額182,500円とはどのくらいの年収?
所得割額の合算182,500円は、両親のどちらか一方が働き、高校生1人(16歳以上)と中学生1人がいる4人世帯で年収約490万円に相当する水準です。あくまで目安であり、扶養人数・共働きかどうか・各種控除の有無によって、同じ年収でも所得割額は変わります。
所得割額と年収目安、給付区分の関係は以下のとおりです。
| 保護者等全員の所得割額の合算 | 年収目安(4人世帯) | 給付区分 |
|---|---|---|
| 0円(住民税非課税) | 約270万円未満 | 全額 |
| 100円〜105,500円未満 | 約270〜380万円 | 非課税世帯の1/3 |
| 105,500円以上182,500円未満 | 約380〜490万円 | 非課税世帯の1/4 |
| 182,500円以上 | 約490万円以上 | 対象外(専攻科の多子世帯を除く) |
「年収490万円」はあくまで目安の数字です。年収が500万円を超えていても控除が多く所得割額が182,500円未満に収まるケースもあるため、自己判断で諦めず課税証明書で実際の所得割額を確認しましょう。
「保護者等全員」とは誰のこと?共働きはどう判定する?
高校生等奨学給付金でいう「保護者等」とは、原則として生徒の親権者(父母)全員を指します。共働き世帯では、必ず父母2人分の所得割額を合算して判定します。片方だけの所得では判定しません。
離婚している場合は、親権者となっている一方のみの所得で判定されます。親権者がいない場合は未成年後見人、未成年後見人もいない場合は生徒の生計を主に維持している人(祖父母・叔父叔母など)が保護者等となります。
なお、生計維持者1名で申請する場合や、生徒が成人している場合などは、扶養関係を確認するための追加書類(扶養誓約書など)が必要になることがあります。
非課税世帯じゃないともらえない?課税世帯でも受け取れる
2026年度(令和8年度)からは、住民税課税世帯でも年収約490万円未満であれば正式に給付対象です。「うちは非課税世帯じゃないから対象外」という理解は、2025年度までの制度に基づくものです。
・所得割額の合算が100円〜105,500円未満(年収約270万円〜380万円):非課税世帯の給付額の1/3
・所得割額の合算が105,500円以上182,500円未満(年収約380万円〜490万円):非課税世帯の給付額の1/4
上記の年収帯であれば、住民税が課税されていても給付対象になります。「今年から収入が急減した」という場合は、家計急変支援の対象となる可能性もあります。
あわせて読みたい:住民税非課税世帯とは?年収目安110万円・条件・支援を解説【2026年度】
母子家庭・ひとり親世帯は必ず対象になる?
母子家庭・ひとり親世帯であっても、自動的に対象になるわけではありません。判定は世帯の所得割額で行われるため、親権者1人の所得割額が182,500円未満(年収約490万円未満の目安)であれば対象、それを超えれば対象外です。
ひとり親世帯は親権者1人分の所得だけで判定されるため、同じ年収でも共働き世帯より対象になりやすい傾向があります。実際、2026年度からの拡充により、これまで対象外だった年収300〜450万円台のひとり親世帯も新たに給付を受けられるようになりました。
ひとり親世帯の場合、児童扶養手当やひとり親控除など他の制度と併用できます。市区町村の福祉窓口でまとめて確認するのが効率的です。
あわせて読みたい:ひとり親家庭が使える教育費の支援制度まとめ【2026年版】返済不要の給付・無利子の貸付・民間奨学金を時期別に解説
あわせて読みたい:児童扶養手当はいくら?所得制限・年収の早見表と計算方法【令和8年度】
多子世帯(扶養する子3人以上)は年収600万円まで対象になる場合も
扶養する子どもが3人以上いる多子世帯については、所得割額の合算が105,500円以上264,500円未満(年収目安380〜600万円)でも給付対象となる区分があります。ただしこの区分は、高等学校等の「専攻科」に在学する生徒を対象とした専攻科奨学給付金の枠組みとして設けられているものです。
本科(通常の高校生)については、多子世帯であっても年収約490万円未満(所得割額182,500円未満)が対象範囲となります。多子世帯向けの上乗せを独自に行う都道府県もあるため、お住まいの都道府県の教育委員会または在学校にご確認ください。
あわせて読みたい:多子世帯の給付型奨学金・大学無償化|条件・金額・申請方法を解説【2026年最新】
国籍・在留資格の要件と、令和8年度から必要になった確認書類
高校生等奨学給付金は、生徒の国籍・在留資格によって対象範囲が異なります。日本国籍を有する方や、以下の在留資格を持つ生徒の世帯は、2026年度から拡充された区分を含めた全所得区分(年収約490万円未満)が対象です。
・永住者
・日本人の配偶者等
・永住者の配偶者等
・定住者のうち将来永住する意思があると認められた者
・家族滞在のうち小学校および中学校を卒業した者であって、高校等卒業後に日本で就労して定着する意思があると認められた者
上記に該当しない在留資格の生徒や、外国人学校に在学する生徒の世帯は、生活保護世帯・住民税非課税世帯のみが対象です。2026年度からの拡充区分(年収約270万円〜490万円)は対象外となります。
あわせて、令和8年度からは生徒本人の国籍・在留資格を確認する書類の提出が新たに必要になりました。沖縄県の例では、日本国籍の生徒は戸籍抄本または戸籍謄本、外国籍の生徒は在留カードの写しまたは特別永住者証明書の写しの提出が求められます。運用は都道府県により異なるため、案内をよく確認してください。
自分の所得割額・非課税世帯かどうかを確認する方法
「自分の世帯が対象になるかわからない」という方は、以下の方法で所得割額を確認できます。
・市町村民税・県民税の納税通知書で住民税額を確認する(非課税世帯には通知が届かないこともあります)
・マイナポータルの「わたしの情報」から確認する
申請には「全項目が記載された課税証明書」が必要になる自治体が多いため、役所で発行を依頼する際は省略項目のないものを指定しましょう。どれもわからない場合は、お住まいの市区町村の窓口に直接問い合わせてください。
高校生等奨学給付金の支給額はいくら?【2026年度・令和8年度】
高校生等奨学給付金の支給額は、世帯の所得区分と、在学する高校が国公立・私立のどちらか、全日制等・通信制のどちらかによって決まります。2026年度(令和8年度)の年額は以下のとおりです。
| 課程 | 世帯区分 | 国公立 | 私立 |
|---|---|---|---|
| 全日制等・通信制共通 | 生活保護(生業扶助)受給世帯 | 32,300円 | 52,600円 |
| 全日制等 | 住民税非課税世帯(年収約270万円未満) | 143,700円 | 152,000円 |
| 所得割100円〜105,500円未満(年収約270〜380万円) | 47,900円 | 50,670円 | |
| 所得割105,500円以上182,500円未満(年収約380〜490万円) | 35,930円 | 38,000円 | |
| 通信制 | 住民税非課税世帯(年収約270万円未満) | 50,500円 | 52,100円 |
| 所得割100円〜105,500円未満(年収約270〜380万円) | 16,830円 | 17,370円 | |
| 所得割105,500円以上182,500円未満(年収約380〜490万円) | 12,630円 | 13,030円 |
生活保護受給世帯の給付額は、高校生等本人が生業扶助(高等学校等就学費)を措置されている場合のもので、全日制等・通信制のいずれも同額です。2026年度から新たに対象となった所得階層は、それぞれ非課税世帯の給付額の1/3、1/4を給付する設計となっています。
最大の変更点は、対象世帯が年収約490万円未満の中所得世帯まで広がったことです。これまで「うちは非課税世帯じゃないから」と諦めていた世帯も、改めて対象かご確認ください。毎年申請が必要なため、新年度に入ったら学校からの案内を必ず確認しましょう。
私立高校に通う場合はいくらもらえる?
私立高校(全日制等)に通う住民税非課税世帯の場合、年額152,000円が支給されます。国公立の143,700円より8,300円多い水準です。2026年度から拡充された区分では、年収約270〜380万円で50,670円、年収約380〜490万円で38,000円となります。
私立高校の通信制課程の場合は、非課税世帯で52,100円、年収約270〜380万円で17,370円、年収約380〜490万円で13,030円です。
申請先は、私立高校の生徒は都道府県の私学振興担当課(私学課・学事課など)になるのが一般的で、国公立とは窓口も申請期限も異なります。令和8年度は、神奈川県の私立が7月・9月・11月の3回に分けて締切を設け、提出回によって振込時期が10月・1月・3月と分かれるなど、私立独自のスケジュールを組む地域もあるため注意が必要です。
制服代・タブレット代・入学金は対象?払えないときの相談先
高校生等奨学給付金は世帯区分に応じた年額が一律で支給される制度で、使い道は世帯側で決められます。教科書費・学用品費・修学旅行費・入学学用品費・通信費など、授業料以外の教育費全般に充てられ、制服代や学校指定のタブレット端末代に使うことも可能です。
なお、2026年度時点では「タブレット端末の購入費」を上乗せして支給する国の仕組みはありません。文部科学省は令和9年度概算要求で「学習者用端末の購入費相当額の支援等」を検討項目(事項要求)として示しており、2027年度以降に端末代の支援が加わる可能性があります。
ただし、給付額が制服代をすべてカバーするとは限りません。私立高校の入学時にかかる制服・学用品・通学用品等の費用は10万円を超えるケースもあります。また、学校に支払う「入学金」は奨学給付金の使途として想定されていません。
入学前後にまとまった費用が必要な場合は、以下の無利子の貸付制度を検討できます。
| 制度名 | 対象 | 貸付限度額(高校の場合) |
|---|---|---|
| 生活福祉資金貸付(教育支援資金) | 低所得世帯(市町村民税非課税相当) | 教育支援費:月35,000円以内/就学支度費:500,000円以内(無利子) |
| 母子父子寡婦福祉資金貸付(修学資金) | ひとり親家庭・寡婦 | 国公立高校:月27,000円以内(自宅通学)/私立高校:月45,000円以内(自宅通学)(無利子) |
| 母子父子寡婦福祉資金貸付(就学支度資金) | ひとり親家庭・寡婦 | 国公立高校:150,000円以内/私立高校:410,000円以内(無利子) |
生活福祉資金貸付は市区町村の社会福祉協議会、母子父子寡婦福祉資金貸付は市区町村の福祉担当課または福祉事務所が窓口です。文部科学省も令和9年度概算要求のなかで、奨学給付金が支給されるまでの入学準備費用の負担軽減策として、これらの貸付制度の周知を図る方針を示しています。
・お住まいの市区町村の福祉窓口・福祉事務所
・市区町村の社会福祉協議会(生活福祉資金貸付の窓口)
・在学する学校の事務室・担任教員
・都道府県の私学振興担当窓口(私立高校の場合)
審査に一定期間かかるため、入学決定後はできるだけ早く相談することが大切です。一人で抱え込まず、早めに窓口へ連絡しましょう。
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専攻科の生徒は別基準(年収600万円未満の多子世帯まで対象)
高等学校等の「専攻科」に在学する生徒には、本科とは別枠の「専攻科奨学給付金」が用意されています。対象範囲は年収600万円未満の多子世帯まで広がっており、本科より対象範囲が広く設定されています。
| 世帯区分(専攻科) | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 住民税非課税世帯(年収約270万円未満) | 50,500円 | 52,100円 |
| 年収約270〜380万円(所得割105,500円未満) | 16,830円 | 17,370円 |
| 年収約380〜600万円かつ多子世帯(所得割264,500円未満) | 12,630円 | 13,030円 |
多子世帯とは、扶養される子が3人以上いる世帯を指します。専攻科では授業料についても支援があり、公立118,800円・私立493,200円(非課税世帯の場合)が支給上限額です。詳細は在学する学校または都道府県にご確認ください。
高校生等奨学給付金の申請方法と必要書類
高校生等奨学給付金の申請は、保護者がお住まいの都道府県または在学する学校に行います。7月1日を基準日として7月以降に受け付ける都道府県が多く、新入生は4〜6月に一部早期給付を申請できる場合もあります。
注意したいのは、授業料無償化のオンライン申請システム「e-Shien」は使えないという点です。e-Shienは「高等学校等就学支援金」専用のシステムで、奨学給付金の申請は各都道府県が定める紙の申請書または独自の電子申請システムで行います。混同しないようにしましょう。
申請期間は都道府県・学校によって異なる
申請できる期間は都道府県や在学する学校によって異なります。県内の国公立に通う場合は学校が定める期日までに学校へ、県外の国公立や私立に通う場合は都道府県へ直接提出するのが一般的です。埼玉県(国公立)の例は以下のとおりです。
学校が指定する期日までに学校に提出
■上記以外(県外)の国公立高校に通っている場合
埼玉県教育局財務課に、第1次(7月31日)/第2次(9月18日)/第3次(10月22日)のいずれかの期限までに必要書類を提出
締切日は地域によって9月末から翌年2月まで幅があります。宮崎県(国公立)や栃木県(私立)のように9月30日で締め切る地域もあれば、神奈川県(国公立)の12月15日、福岡県(国公立)の令和9年2月26日のように遅くまで受け付ける地域もあります。学校経由の場合は学校の指定日がさらに早いこともあるため、早めに確認しておきましょう。
申請時に必要な提出書類は?
申請時には、おおむね以下の書類が必要です。
・保護者等全員の課税証明書(全項目記載のもの)またはマイナンバー関係書類
・生徒の国籍・在留資格を確認できる書類(戸籍抄本・戸籍謄本、在留カードの写し等)
・生業扶助(高等学校等就学費)受給証明書(生活保護世帯の場合)
・振込先口座の通帳の写し
・高等学校等在学証明書(県外の学校に在籍する場合等)
課税証明書は「全項目が記載されているもの」を求められることが多く、扶養親族数などが省略されていると再提出になります。必要書類は世帯の状況や学校の設置者(国公立・私立)によっても異なるため、あらかじめ都道府県の案内で確認しておきましょう。
令和8年度から電子申請を導入する都道府県も
令和8年度からは、一部の都道府県で奨学給付金の申請が電子化されています。例えば千葉県では、公立高校向けの奨学のための給付金が原則として電子申請システムに切り替わりました。
電子申請の場合は、まず在学する学校で「電子申請システムログインID」の交付を受け、システム上で必要事項を入力し書類をアップロードする流れになります。詳細は在学する学校または都道府県のホームページを確認してください。
申請を忘れた・案内が届かない場合はどうする?
申請期限を過ぎると、原則としてその年度の給付金は受け取れません。ただし、自治体によっては第二次・最終締切が設けられており、期限内であれば受け付けてもらえる場合があります。沖縄県のように「提出が間に合わない場合はご相談ください」と案内している自治体もあります。
「通知が届かない」場合は、以下の対応を検討しましょう。
・都道府県の教育委員会・私学担当窓口に直接連絡する
・自治体の公式サイトから申請書類をダウンロードする
高校生等奨学給付金は、対象世帯であっても自動的に案内が届くとは限りません。「うちは非課税だから当然もらえるはず」と待っているだけでは支給されないため、申請を忘れたと気づいた場合はすぐに動くこと、そして翌年度以降も毎年申請が必要である点を覚えておきましょう。
家計が急変した場合も対象になる?
保護者等の負傷・疾病による療養や、自己の責めに帰することのできない理由による離職などで従前の収入を得られなくなった場合も、家計急変支援として給付を受けられます。所得制限により就学支援金を受給できない世帯でも、家計急変であれば対象となります。
・都道府県が定める家計急変事由に該当すること
・世帯年収が年収490万円未満相当まで減少したこと(生徒の国籍・在留資格により基準が異なります)
・自己都合による離職や定年退職など、災害等に起因しない離職は対象外
・7月1日までの申請は年額、7月2日以降の申請は年額を月割りにした額を支給
・生活保護(生業扶助)受給世帯は家計急変の対象外(生活保護世帯として支給)
申請時には、離職票や雇用保険受給資格者証、廃業等届出書といった家計急変の発生事由を証明する書類と、急変後の収入を証明する書類(直近3か月以上の給与明細等)が必要です。家計急変が生じたら、速やかにお住まいの都道府県または学校に相談してください。
高校生等奨学給付金と混同されやすい制度
高校生等奨学給付金と名前や内容が似ている制度は複数あります。それぞれ目的・対象・給付内容が異なるため、違いを整理しておきましょう。
| 制度名 | 対象 | 支援内容 |
|---|---|---|
| 高校生等奨学給付金 | 年収約490万円未満の世帯(高校生等がいる世帯) | 授業料以外の教育費(返還不要) |
| 高等学校等就学支援金 | 全世帯(2026年4月から所得制限撤廃) | 授業料の実質無償化(公立118,800円/私立457,200円が上限) |
| 就学援助制度 | 小学校・中学校の児童・生徒 | 学用品費・給食費等(義務教育段階) |
| 給付型奨学金(JASSO) | 大学・短大・専門学校の学生 | 月額給付(返還不要) |
| 特別支援教育就学奨励費 | 特別支援学校等に在籍する幼児・児童・生徒 | 学用品費・通学費・寄宿舎居住費等 |
高等学校等就学支援金(授業料無償化)との違いは?
「高校生等奨学給付金」は授業料以外の教育費(教材費・制服代・修学旅行費等)を補助する制度で、2026年度からは年収約490万円未満の世帯が対象です。一方、「高等学校等就学支援金」は授業料の実質無償化を目的とした制度で、2026年4月から所得制限なく全世帯が対象となりました。支給上限額は公立118,800円、私立457,200円(私立の通信制課程は337,200円)です。
2つの制度は目的・支給先・対象世帯が異なりますが、要件を満たせば併用できます。授業料は就学支援金でカバーしつつ、教科書代・制服代を奨学給付金でまかなうというイメージです。就学支援金はe-Shienから申請しますが、奨学給付金にe-Shienは使えません。
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給付型奨学金(JASSO)との違いは?
日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金は、大学・短大・専門学校の在学生を対象とした制度であり、高校在学中に受給できる制度ではありません。高校3年生時に進学先での受給を見越して「予約採用」を申し込むことはできますが、実際に支給されるのは大学等へ進学した後です。
高校生本人が在学中に受給できる返還不要の給付金は、本記事で解説している高校生等奨学給付金のほか、民間財団・自治体が独自に実施している給付型奨学金があります。
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就学援助制度・高専無償化との違いは?
就学援助制度は主に小学校・中学校(義務教育段階)の児童・生徒を対象とした制度で、高校生は原則対象外です。義務教育を終えた高校生への支援は、高校生等奨学給付金や高等学校等就学支援金など、別の制度が担っています。
また、高等専門学校(高専)に通う生徒については、2026年度から国公立高専の授業料が実質ゼロになる無償化措置も始まっています。高専の1〜3年生は高校生等奨学給付金の対象校種でもありますが、授業料の支援は別枠です。
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特別支援教育就学奨励費との違いは?
特別支援学校の高等部や、高校の特別支援学級等に在籍するお子さんがいる場合は、「特別支援教育就学奨励費」という別の制度の対象となります。特別支援学校の高等部は高校生等奨学給付金の対象外です。
・対象:特別支援学校等に在籍する幼児・児童・生徒(高等部を含む)
・支援内容:学用品費・通学費・給食費・修学旅行費・寄宿舎居住費など
・所得要件:保護者の所得に応じて支給額が決まる(所得制限あり)
・申請先:在籍する特別支援学校または市区町村の教育委員会
詳細は、在籍する学校または教育委員会にお問い合わせください。
高校生が使えるその他の返済不要の支援制度
高校生等奨学給付金のほかにも、高校生・高校生のいる世帯が使える返済不要の制度があります。給付金だけで教育費をまかなえない場合は、複数の制度を組み合わせて活用しましょう。
・ひとり親控除(所得税・住民税の控除で手取りが増える)
・都道府県・市区町村独自の高校生向け給付型奨学金
・民間財団・企業が実施する高校生向け給付型奨学金
・あしなが育英会などの遺児家庭を対象とした奨学金
・自治体独自の通学費補助(遠距離通学費補助など)
自治体独自の制度は住んでいる市区町村によって内容が大きく異なるため、市区町村の教育委員会や福祉窓口で確認してみてください。
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高校生等奨学給付金を申請する際の注意点
高校生等奨学給付金は教育費の負担を軽減する心強い制度ですが、申請にあたっては以下の点に注意が必要です。
・在学中は毎年申請が必要(自動継続されない)
・期限を過ぎると受付されない場合がある
・申請先・期限・書類は都道府県ごとに異なる
・保護者の指定口座に直接振り込まれる(学校経由ではない)
・判定基準日は7月1日で、前年の所得で判定される
在学中は年度ごとに毎年申請が必要で、前年度に受給していても自動継続されません。「毎年5〜7月に申請」とスケジュールに書き込んでおくと安心です。
また、申請方法や必要書類、支給時期は自治体ごとに異なります。具体的な手続きについては、在学している学校やお住まいの都道府県の公式案内を必ず確認するようにしましょう。
高校生等奨学給付金に関するよくある質問
高校生等奨学給付金の支給日はいつ?(2026年・令和8年度)
支給時期は都道府県によって異なりますが、7月に申請した場合、審査を経て12月前後〜翌3月に保護者の指定口座へ直接振り込まれるケースが多いです。令和8年度は、東京都(国公立)が9月15日までの提出分を12月末日までに、栃木県(公立)が11月下旬〜12月上旬に一括で振り込む予定です。新入生向けには前倒し給付(早期給付)を行う地域があり、7〜9月頃に年額の1/4が先行支給されます。なお、7月2日以降に生じた家計急変の場合は、決定次第、申請日の翌月からの月割額が支給されます。正確な支給日は申請時に学校または都道府県の担当窓口に確認しておきましょう。
2026年度(令和8年度)の高校生等奨学給付金の改正内容は?
2026年度の最大の変更点は対象世帯の拡充です。これまで住民税非課税世帯・生活保護世帯に限られていた支援対象が、年収約490万円未満の課税世帯にも広がりました。具体的には、所得割額の合算が100円〜105,500円未満の世帯(年収約270万円〜380万円)には非課税世帯の給付額の1/3、105,500円以上182,500円未満の世帯(年収約380万円〜490万円)には1/4が給付されます。国の予算も152億円から322億円へ倍増(+170億円)し、国の補助割合も1/3から1/2に引き上げられました。あわせて令和8年度からは、生徒本人の国籍・在留資格を確認する書類の提出が必要になっています。
母子家庭・ひとり親なら必ず対象になる?
母子家庭・ひとり親世帯でも自動的に対象になるわけではなく、判定は世帯の所得割額で行われます。親権者1人の道府県民税所得割額と市町村民税所得割額の合算が182,500円未満(年収約490万円未満の目安)であれば対象、それを超えると対象外です。ひとり親世帯は親権者1人分の所得だけで判定されるため、同じ年収でも共働き世帯より対象になりやすい傾向があります。2026年度からの拡充により、これまで対象外だった年収300〜450万円台のひとり親世帯も新たに給付を受けられるようになりました。児童扶養手当やひとり親控除など他の制度とも併用できるので、市区町村の福祉窓口でまとめて確認しましょう。
非課税世帯じゃないともらえない?課税世帯でも受け取る方法はある?
2026年度(令和8年度)から、住民税課税世帯でも年収約490万円未満の世帯は正式に対象となりました。所得割額の合算が100円〜105,500円未満(年収約270万円〜380万円)であれば非課税世帯の給付額の1/3、105,500円以上182,500円未満(年収約380万円〜490万円)であれば1/4が給付されます。ただし、拡充分は高等学校等就学支援金(新制度)の受給資格を有する生徒のみが対象です。「非課税世帯じゃないから対象外」というのは2025年度までの制度に基づく理解なので、改めて課税証明書で所得割額を確認してみてください。
年収はいくらまでが対象?所得割額182,500円はどのくらいの年収?
対象となるのは、目安として4人世帯(両親の一方が就労、高校生1人・中学生1人)で年収約490万円未満です。正式な判定は年収ではなく、保護者等全員の道府県民税所得割額と市町村民税所得割額の合算額が182,500円未満かどうかで行われます。この182,500円が年収約490万円に相当する水準です。ただし扶養人数・共働きかどうか・各種控除の有無によって、同じ年収でも所得割額は変わります。年収が500万円前後でも所得割額が182,500円未満に収まるケースがあるため、自己判断で諦めず課税証明書やマイナポータルの「わたしの情報」で実際の所得割額を確認しましょう。
「保護者等全員」とは誰のこと?共働きの場合はどう判定される?
高校生等奨学給付金でいう「保護者等」は、原則として生徒の親権者(父母)全員を指します。共働き世帯では必ず父母2人分の所得割額を合算して判定し、片方だけの所得では判定しません。両親が離婚している場合は、親権者となっている一方のみの所得で判定されます。親権者がいない場合は未成年後見人、未成年後見人もいない場合は生徒の生計を主に維持している人(祖父母・叔父叔母など)が保護者等となります。生計維持者1名で申請する場合などは、扶養関係を確認する追加書類(扶養誓約書など)を求められることがあります。
私立高校の場合はいくらもらえる?
私立高校(全日制等)に通う住民税非課税世帯の場合、年額152,000円が支給されます。国公立の143,700円より8,300円多い水準です。2026年度から拡充された区分では、年収約270〜380万円で50,670円、年収約380〜490万円で38,000円となります。私立の通信制課程では、非課税世帯52,100円、年収約270〜380万円で17,370円、年収約380〜490万円で13,030円です。生活保護受給世帯は私立で52,600円が支給されます。私立高校の生徒は都道府県の私学振興担当課が申請窓口となり、国公立とは期限も異なるため注意しましょう。
高等学校等就学支援金との違いは?併用できる?
「高校生等奨学給付金」は授業料以外の教育費(教材費・制服代・修学旅行費等)を補助する制度で、2026年度からは年収約490万円未満の世帯が対象です。一方、「高等学校等就学支援金」は授業料の実質無償化を目的とした制度で、2026年4月から所得制限なく全世帯が対象となり、支給上限額は公立118,800円・私立457,200円です。この2つは目的・支給先・対象世帯が異なりますが、要件を満たせば併用できます。就学支援金の申請はe-Shienから行いますが、奨学給付金にe-Shienは使えず、各都道府県の紙申請または独自の電子申請システムで手続きします。
通信制高校や高等専門学校(高専)でも奨学給付金はもらえる?
はい、通信制高校や高等専門学校(1〜3年)に在籍している場合も高校生等奨学給付金の対象です。ただし全日制等と通信制では支給額が異なり、公立通信制の非課税世帯は年額50,500円、私立通信制の非課税世帯は年額52,100円が目安です(2026年度)。2026年度から拡充された所得階層についても、通信制独自の金額(年額12,630円〜17,370円)が設定されています。中等教育学校の後期課程、専修学校高等課程、海上技術学校も対象校種です。申請方法や期限は在籍している学校または都道府県の担当窓口にご確認ください。
制服代や入学金にも使える?払えないときはどうすればいい?
高校生等奨学給付金は世帯区分に応じた年額が一律で支給され、使い道は世帯側で決められるため、制服代に充てることも可能です。ただし学校に支払う入学金は使途として想定されておらず、給付額だけで入学時の費用をまかなえないケースもあります。入学前後にまとまった費用が必要な場合は、無利子の生活福祉資金貸付(教育支援資金)が就学支度費として50万円以内、ひとり親家庭向けの母子父子寡婦福祉資金貸付が就学支度資金として国公立高校15万円以内・私立高校41万円以内を用意しています。窓口はそれぞれ市区町村の社会福祉協議会、市区町村の福祉担当課です。審査に時間がかかるため、入学決定後はできるだけ早く相談しましょう。
9月末を過ぎても申請は間に合う?
都道府県によっては間に合います。令和8年度は、大阪府(私立)と兵庫県(私立)が10月31日、埼玉県(私立)が11月6日、愛知県(私立)が11月20日、福岡県(私立)が11月30日、神奈川県(国公立)が12月15日、福岡県(国公立)が令和9年2月26日まで受け付けています(2026年9月28日時点の公表内容)。一方、東京都(国公立)は9月15日、宮崎県(国公立)や栃木県(私立)は9月30日で締め切っています。県内の公立高校は学校の指定日が締切になるため、まず在学校に確認し、期限が過ぎていても家計急変の場合は受け付けてもらえる場合があるので相談してみましょう。
申請したのに通知が来ない・振込がない場合はどうすればいい?
まず在学する高校の事務室に問い合わせましょう。課税証明書の項目不足などの書類不備で審査が止まっているケース、都道府県の審査待ちで支給時期が10月以降にずれるケースが多く見られます。それでも解決しない場合は、都道府県の教育委員会(公立)または私学振興担当窓口(私立)に直接連絡してください。また、対象世帯でも申請書類が自動送付されない自治体があるため、そもそも案内が届いていない場合は自分から取り寄せる必要があります。振込先口座の名義・番号に誤りがないかもあわせて確認しましょう。
毎年申請が必要ですか?
はい、高校生等奨学給付金は年度ごとに毎年申請が必要です。前年度に受給していても翌年度に自動で継続されることはありません。毎年7月1日時点の世帯状況・住民税所得割額をもとに判定するため、申請書と最新の課税証明書などを都道府県または学校に提出する必要があります。新入生が4〜6月の前倒し給付を受けた場合も、残額を受け取るには7月1日時点で改めて申請が必要です。子どもが在学している間は「毎年5〜7月に申請」と覚えておき、スケジュールに書き込んでおくと安心です。
まとめ
高校生等奨学給付金は、授業料以外の教育費を支援する返還不要の給付金です。2026年度(令和8年度)からは対象世帯が年収約490万円未満まで拡大され、国の予算も152億円から322億円へ倍増しました。これまで「うちは非課税世帯じゃないから」と諦めていた中所得世帯も、新たに対象となっている可能性があります。
支給額は、国公立の全日制で非課税世帯143,700円、私立の全日制で152,000円。拡充された年収270〜380万円の区分ではその1/3、年収380〜490万円の区分では1/4が支給されます。支給時期は7月申請で12月前後〜翌3月が一般的です。2026年9月に公表された令和9年度概算要求では、新入生への給付時期を抜本的に早めるため、4月時点の状況で年額を給付する仕組みへの見直しも示されました。
要件を満たしても自動的に支給される制度ではなく、毎年期限までの申請が必要です。申請先・期限・必要書類は都道府県ごとに異なり、令和8年度は10〜12月まで受け付けている地域もあります。「自分が対象か」「いつまでに何を出すか」を、在学校やお住まいの都道府県の案内で早めに確認しておきましょう。
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