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最低賃金1,280円で東京一人暮らしはできる?月収・手取り・生活費を計算【2026年】

公開日:2026/9/14 更新日:2026/9/14
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2026年10月1日から、東京都の最低賃金は時給1,280円になります。2025年度の1,226円から54円引き上げられ、月163時間働く場合の額面月収は20万8,640円です。

では、この収入で東京で一人暮らしをすると、家賃や食費、光熱費などを支払ったあとに、毎月いくら残るのでしょうか。

この記事では、最低賃金1,280円で働いた場合の月収・手取りをもとに、東京で一人暮らしをする場合の生活費を見ていきます。東京23区と23区外の家賃相場や、家賃7万円・8万円・10万円の場合の収支に加え、2026年に実施されている電気・ガス料金の値引きや、水道基本料金の無償化についても取り上げます。

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この記事の目次

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東京都の最低賃金は2026年10月から1,280円

東京都の最低賃金は、2026年10月1日から時給1,280円に引き上げられます。2025年度の1,226円から54円の引上げです。

東京都最低賃金は、正社員だけでなく、パートやアルバイトなど雇用形態にかかわらず、東京都内の事業場で働く原則すべての労働者に適用されます。

参考:東京労働局 東京都最低賃金を1,280円に引上げます

2025年度から54円アップ

2025年度と2026年度の東京都最低賃金を比べると、以下のようになります。

項目 2025年度 2026年度
東京都最低賃金 1,226円 1,280円
前年度からの引上げ額 63円 54円
発効日 2025年10月3日 2026年10月1日

最低賃金は1時間あたり54円上がるため、働く時間が長いほど月収への影響も大きくなります。

東京都の最低賃金を月額換算するといくら?月収・年収を試算

ここでは、1日8時間勤務・年間休日120日程度の働き方をモデルケースとします。

年間の勤務日数は365日-120日=245日、年間労働時間は245日×8時間=1,960時間です。これを12か月で割ると月平均約163.3時間となるため、この記事では便宜上、月163時間勤務として試算します。

2026年度の最低賃金1,280円で月163時間働く場合
1,280円 × 163時間 = 月収208,640円
となります。

年間では
208,640円 × 12か月 = 年収2,503,680円
です。

2025年度と比べると、月163時間勤務の場合は月8,802円、年間では105,624円増える計算です。

月間労働時間 2025年度(1,226円) 2026年度(1,280円) 月の増加額
120時間 147,120円 153,600円 6,480円
163時間 199,838円 208,640円 8,802円

ただし、ここで示した金額は税金や社会保険料が差し引かれる前の「額面」です。実際に生活費として使える手取り額はこれより少なくなります。次に、月収20万8,640円の場合の手取りを見ていきます。

月収20万8,640円の手取りはいくら?

最低賃金1,280円で月163時間働くと、額面月収は20万8,640円です。ただし、この金額をすべて生活費に使えるわけではありません。会社員の場合は、給与から社会保険料や税金が差し引かれます。

ここでは、東京都在住・単身・扶養なし・40歳未満の会社員をモデルケースとして、月収20万8,640円の手取りを試算します。

給与から引かれる税金・社会保険料

給与から主に差し引かれるのは、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税です。

2026年度の協会けんぽ東京支部の健康保険料率は9.85%です。さらに2026年4月分からは、全国一律0.23%の「子ども・子育て支援金」が加わっています。いずれも原則として会社と従業員で折半します。厚生年金保険料率は18.3%で、こちらも会社と従業員が半分ずつ負担します。

参考:令和8年度 東京都の健康保険・厚生年金保険の保険料額表(全国健康保険協会)

また、2026年度の一般の事業における雇用保険料率は、労働者負担が給与の0.5%です。

参考:厚生労働省 令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内

月収20万8,640円の場合、社会保険料の算定に使われる標準報酬月額は20万円となるため、本人負担額の目安は次のようになります。

項目 月額の目安
健康保険料 9,850円
子ども・子育て支援金 230円
厚生年金保険料 18,300円
雇用保険料 約1,043円
所得税(源泉徴収額) 約3,620円
住民税 約7,600円
差引額合計 約40,600円

※住民税は前年の所得によって異なります。ここでは、前年も月収20万円程度の給与収入があったものとして概算しています。また、実際の給与計算では勤務先の健康保険、標準報酬月額、各種控除などによって金額が異なります。なお、所得税3,620円は2026年分の源泉徴収税額表に基づく月々の源泉徴収額で、年末調整により実際の年間所得税額との差額が精算される場合があります。

参考:令和8年分 源泉徴収税額表(国税庁)
参考:個人住民税と特別徴収について(東京都主税局)

最低賃金で月163時間働くと手取りは約16万8,000円

上記の条件では、
額面月収208,640円 − 税金・社会保険料約40,600円 = 手取り約168,000円
となります。

東京都の最低賃金1,280円で月163時間働く場合、家賃や食費などに充てられる金額は、月17万円弱がひとつの目安です。

ただし、東京で一人暮らしをする場合、家賃だけで毎月6万〜11万円台かかるケースも珍しくありません。さらに食費や光熱費、通信費などが加わるため、手取り16万8,000円の中でどこまで生活費をまかなえるかは、住む場所や家賃によって大きく変わります。

東京で一人暮らしすると生活費はいくらかかる?

総務省の「家計調査」によると、2025年の単身世帯の消費支出は、全国平均で月17万3,042円でした。

主な内訳は以下のとおりです。

項目 1か月の平均支出
食料 49,321円
住居 21,667円
光熱・水道 13,333円
家具・家事用品 6,120円
被服・履物 4,908円
保健医療 8,754円
交通・通信 19,334円
教養娯楽 21,173円
その他の消費支出 28,396円
消費支出合計 173,042円

出典:家計調査報告 2025年平均結果の概要(総務省統計局)

一見すると、手取り約16万8,000円では平均的な消費支出を下回ります。

ただし、この17万3,042円を、そのまま「東京で一人暮らしするために必要な生活費」とみなすことはできません。

家計調査の単身世帯は平均年齢58.6歳で、持ち家に住んでいる人も含まれています。そのため、とくに「住居費21,667円」は、東京で賃貸住宅に住む一人暮らしの家賃相場とは大きく離れています。

東京での暮らしを考えるうえでは、全国平均の生活費だけでなく、実際の家賃水準もあわせて見る必要があります。

家賃|23区と23区外では大きな差がある

アットホームが公表した2026年7月の募集家賃データでは、30㎡以下の「シングル向き」住宅の平均家賃は以下のとおりです。

地域 マンション アパート
東京23区 114,147円 76,812円
東京都下(23区外) 67,283円 61,836円

※家賃は「賃料+管理費・共益費等」の平均募集家賃。30㎡以下をシングル向きとして集計。

出典:2026年7月 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向(アットホーム)

東京23区では、シングル向けマンションの平均募集家賃が11万円を超えています。一方、アパートでは7万円台、23区外では6万円台が中心です。

手取り約16万8,000円で家賃11万円の物件に住むと、手取りの6割以上が住居費だけで消えることになります。家賃7万円でも、残るのは約9万8,000円です。

最低賃金で東京一人暮らしを考える場合、家賃をどこまで抑えられるかが、生活の余裕を左右する大きなポイントになります。

食費|全国の単身世帯では月約4万9,000円

2025年の家計調査では、単身世帯の食費は月平均49,321円でした。

1日あたりでは約1,620円です。

自炊中心か、外食やコンビニの利用が多いかによって差はありますが、月5万円前後となれば、手取り約16万8,000円に占める割合は小さくありません。

家賃7万円、食費約4万9,000円だけでも、合計は約11万9,000円。ここに光熱費や通信費などが加わります。

電気・ガス・水道|月平均約1万3,000円

単身世帯の光熱・水道費は、2025年平均で月13,333円です。

電気やガスの使用量は季節によって変わりやすく、とくに夏や冬は支出が膨らみやすい項目です。

2026年は、国による電気・ガス料金の負担軽減策や、東京都による水道基本料金の無償化も実施されています。こうした支援がある期間は、通常時より負担が抑えられる場合があります。

通信費・日用品・交通費などもかかる

家賃、食費、光熱費だけで生活が完結するわけではありません。

スマートフォンやインターネットなどの通信費、日用品、交通費、医療費、衣服、娯楽費なども毎月の支出に含まれます。

家計調査では、「交通・通信」が月19,334円、「家具・家事用品」が6,120円、「保健医療」が8,754円となっています。

勤務先から交通費が支給されるか、自動車を所有しているかなどによって負担は変わりますが、手取り約16万8,000円の中では、こうした支出の積み重ねも無視できません。

家賃をいくらに設定するかによって、毎月手元に残る金額は大きく変わります。

最低賃金1,280円で東京一人暮らしすると毎月いくら残る?

手取り約16万8,000円に対して、2025年の単身世帯の平均消費支出は月17万3,042円です。全国平均との単純比較では、支出額が手取りを約5,000円上回ります。

さらに大きいのが家賃の差です。家計調査では住居費が月21,667円となっていますが、これは持ち家世帯なども含む全国の単身世帯平均です。前述した東京の一般的な賃貸住宅の家賃水準とは大きく離れています。

そこで、家計調査の消費支出17万3,042円から住居費21,667円を除くと、住居費以外の支出は月151,375円となります。

この支出水準を維持したまま、家賃を7万円とした場合の支出総額は、
151,375円+70,000円=221,375円
です。

手取り約16万8,000円と比べると、収支差は月53,375円のマイナスになります。
家賃8万円では月63,375円、10万円では月83,375円のマイナスです。

家賃 想定される月の支出 手取り約168,000円との収支差(参考)
70,000円 221,375円 ▲53,375円
80,000円 231,375円 ▲63,375円
100,000円 251,375円 ▲83,375円

※住居費以外の支出は、総務省「家計調査」の2025年単身世帯平均をもとにした参考試算です。東京の若年単身者に必要な生活費や最低生活費を示すものではなく、実際の支出は年齢や生活スタイルによって異なります。

この試算から分かるのは、最低賃金1,280円で東京一人暮らしをする場合、全国の単身世帯と同程度の支出水準をそのまま維持するのは難しいということです。

なかでも家賃の影響は大きく、同じ手取りでも家賃が数万円違えば、毎月の収支は大きく変わります。食費や娯楽費などをどこまで抑えられるかに加え、住居費をどの水準に収めるかが、生活の余裕を左右するポイントになります。

2026年は光熱水費の負担軽減策も|電気・ガス・水道料金への支援

最低賃金で一人暮らしをする場合、家賃や食費だけでなく、毎月かかる電気・ガス・水道の負担も家計に影響します。

2026年は、物価高や夏の暑さへの対応として、国による電気・ガス料金の支援に加え、東京都でも水道基本料金の無償化が行われています。

7~9月は電気・ガス料金を国が支援

国は2026年7~9月使用分を対象に、電気・都市ガス料金の値引きを実施しています。

家庭などで利用する低圧電力では、7月と9月が1kWhあたり3.5円、電気使用量が増えやすい8月は4.5円が値引きされます。都市ガスも使用量に応じて値引きされます。

使用月 電気(低圧) 都市ガス
2026年7月 3.5円/kWh 14.0円/㎥
2026年8月 4.5円/kWh 18.0円/㎥
2026年9月 3.5円/kWh 14.0円/㎥

経済産業省によると、標準的な家庭では、電気・ガスを合わせて3か月で5,000円程度の負担軽減効果が見込まれています。

値引きは電気・ガスの小売事業者を通じて料金に反映されるため、対象となる契約では利用者が給付金のように申請する仕組みではありません。

参考:2026年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援(経済産業省)

東京都では水道の基本料金も4か月分無料

東京都では2026年夏、物価高騰への対応と熱中症対策として、水道料金の基本料金を4か月分無償としています。

東京都水道局の給水区域で、主に家庭で使われている口径13mm・20mm・25mmの契約が対象です。無償になる金額は口径によって異なります。

口径 4か月分の無償額(税込)
13mm 3,784円
20mm 5,148円
25mm 6,424円

対象期間は検針月によって異なり、偶数月検針の場合は5~6月分と7~8月分、奇数月検針の場合は6~7月分と8~9月分です。

対象となる契約では申込みは不要で、自動的に基本料金が無償になります。ただし、無料になるのは基本料金で、水の使用量に応じてかかる従量料金は対象外です。

また、武蔵野市・昭島市・羽村市など東京都水道局の給水区域外では、実施時期や内容が異なる場合があります。

参考:水道料金の基本料金を無償とします(東京都水道局)

こうした支援は恒久的な制度ではありませんが、2026年夏の一人暮らしでは、通常時より光熱水費の負担が軽くなるケースがあります。一方、家賃や食費など家計の大部分を占める支出は別途必要なため、支援だけで毎月の収支が大きく改善するわけではありません。

最低賃金は4.4%上昇|物価高を踏まえると生活はどう変わる?

東京都の最低賃金は、2025年度の1,226円から2026年度は1,280円となり、約4.4%上昇します。

一方、2026年も物価上昇は続いています。総務省の消費者物価指数では、2026年7月の全国の総合指数は前年同月比1.9%上昇しました。

参考:2026年7月分 消費者物価指数(総務省統計局)

最低賃金の上昇率だけを見ると物価上昇率を上回っていますが、実際の生活への影響は一律ではありません。家賃や食費、光熱費など、支出する品目や金額によって負担感は変わります。

そのため、「最低賃金が54円上がった」という数字だけではなく、手取りと毎月の生活費を差し引いたあとに、どれだけ余裕が残るかを見ることが大切です。

最低賃金引上げは企業にも影響|使える賃上げ支援は?

最低賃金の引上げは、働く人にとっては収入増につながります。一方、従業員を雇う企業にとっては、人件費の増加への対応が必要になります。

東京都では2026年10月1日から最低賃金が1,280円となるため、現在の賃金がこれを下回る従業員については、発効日以降、1,280円以上に引き上げなければなりません。

こうした賃上げとあわせて設備投資や生産性向上に取り組む中小企業が活用できる制度のひとつが「業務改善助成金」です。

業務改善助成金は賃上げと設備投資を支援

業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上につながる設備投資などを行った中小企業・小規模事業者に、その費用の一部を助成する制度です。

2026年度は、賃金の引上げ額や対象となる労働者数などに応じて助成上限額が決まり、一定の要件を満たす場合は最大600万円が助成されます。

たとえば、業務効率化につながる機械設備やPOSレジ、システムなどの導入費用が対象となる場合があります。賃上げによる人件費増だけを見るのではなく、設備投資によって業務時間の短縮や生産性向上につなげるための制度です。

東京都では最低賃金が10月1日に発効するため、2026年度の業務改善助成金の申請期限は9月30日となります。

また、2026年度は賃金の引上げを申請後に行う必要があり、東京都の最低賃金改定に対応して賃上げする場合は、申請後から9月30日までに引き上げる必要があります。交付決定前に行った設備投資も助成対象にならないため、申請の順序には注意が必要です。

参考:厚生労働省 業務改善助成金

業務改善助成金をわかりやすく解説【2026年度】9月1日申請開始・最大600万円

賃上げに使える助成金はほかにもある

賃上げに関連する企業向け支援は、業務改善助成金だけではありません。

厚生労働省の「賃上げ支援助成金パッケージ」には、非正規雇用労働者の正社員化や賃金規定の改定を支援する「キャリアアップ助成金」のほか、人材育成に使える「人材開発支援助成金」、雇用環境の改善などを支援する「人材確保等支援助成金」などが含まれています。

対象となる取組は制度ごとに異なるため、賃金の引上げだけでなく、設備投資、人材育成、正社員化など、自社が予定している取組に合った制度を選ぶことが重要です。

参考:厚生労働省「賃上げ」支援助成金パッケージ

賃金引き上げのための対応・助成金まとめ【2026年・令和8年】

まとめ|最低賃金1,280円では月収より毎月いくら残るかを見る

東京都の最低賃金は2026年10月から1,280円となり、月163時間働く場合の額面月収は20万8,640円、手取りは約16万8,000円が目安です。

一方、東京で一人暮らしをする場合は、家賃や食費、光熱費などの負担が大きく、最低賃金が上がったからといって、その分だけ生活に余裕が生まれるとは限りません。特に家賃は毎月の収支を大きく左右します。

最低賃金を見るときは、時給や額面月収だけでなく、税金や社会保険料、生活費を差し引いたあとにいくら残るのかまで考えることが大切です。

また、最低賃金の引上げに対応する中小企業には、業務改善助成金をはじめとした賃上げ支援策があります。人件費の増加への対応とあわせて、活用できる制度も確認しておきましょう。

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