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賃金引き上げのための対応・助成金まとめ【2026年・令和8年】

公開日:2024/9/11 更新日:2026/5/1
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政府は、企業の賃上げを後押しするため、「賃上げ」支援助成金パッケージを推進しています。「賃上げ補助金」「賃金アップ助成金」「ベースアップ助成金」などと呼ばれることもありますが、これらはいずれも雇用保険を財源とする「助成金」として厚生労働省が実施するものです。本記事では、賃上げに活用できる主な助成金の内容を2026年度(令和8年度)の最新情報を交えて紹介します。

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この記事の目次

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「賃上げ補助金」と「賃上げ助成金」の違いとは?

「賃上げ補助金」という言葉で検索される方が多くいます。実は、政府が賃上げを支援するために設けている制度の多くは「助成金」です。

【補助金と助成金の違い】
項目助成金補助金
財源雇用保険料(事業主負担分)国の予算(税収等)
審査要件を満たせば原則受給できる競争審査があり採択されないと受給できない
申請時期原則、通年受付公募期間が限られている
賃上げ目的雇用環境改善・賃金引き上げ支援設備投資・生産性向上の一部で賃上げ要件あり
賃上げを目的とした「助成金」を「賃上げ補助金」と呼ぶ方も多いですが、正確には「助成金」が主な制度です。本記事では厚生労働省の主な賃上げ関連助成金を解説します。

賃上げ支援金・賃上げ支援手当とは?

「賃上げ支援金とは」「賃上げ支援手当とは」という検索も多くあります。

「賃上げ支援金」や「賃上げ支援手当」は、特定の正式な制度名称ではなく、賃上げを支援する各種助成金・給付金の総称として使われることが多い言葉です。政府・自治体が賃上げ実施事業者を支援するものには、本記事で紹介する助成金のほか、税制優遇措置(賃上げ促進税制)なども含まれます。

人手不足の背景と賃上げの重要性

現在、少子高齢化に伴う人口減少や、生産年齢人口の減少が進む中、多くの業界で深刻な人手不足が問題となっています。特に、サービス業や介護、建設業などの業種では有効求人倍率が高く、企業が必要な人材を十分に確保できない状況が続いています。

こうした状況において、賃金の引き上げ、いわゆる「賃上げ(ベースアップ・昇給)」は、労働者の意欲を高め、離職を防ぐための重要な施策となります。賃上げを行うことで消費が活性化し、経済全体の成長にも寄与します。企業の成長と社会全体の好循環を生むためにも、賃上げは重要な施策であり、今後の労働市場において注目されるテーマです。

「賃上げ」支援助成金パッケージの概要

賃上げ支援助成金パッケージの概要図
出典:令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項

このパッケージには、以下に示す3つの支援が含まれています。

(1) 生産性向上(設備・人への投資等)への支援
企業が持続的な賃上げを行うためには、労働生産性の向上が不可欠です。このため、設備投資や人材育成への支援を行い、企業がより効率的かつ競争力のある事業運営を実現できるようにします。

(2) 正規・非正規の格差是正への支援
非正規労働者の待遇改善や賃金引き上げを促進し、労働条件の平等化を図ります。

(3) より高い処遇への労働移動等への支援
スキルアップやキャリアチェンジなどをサポートし、労働者がより高い処遇を受けられるようにします。

以下に、「賃上げ」支援助成金パッケージに含まれる助成金の内容をまとめました。

(1) 生産性向上(設備・人への投資等)への支援

ここで紹介するのは、生産性向上のために設備投資や人材育成を支援する助成金です。賃金アップや労働環境改善、労働者の職業能力の向上を図る取り組みなどを行う事業者に対して助成します。中小企業・小規模事業者が主な対象です。

業務改善助成金(2026年度)

業務改善助成金
出典:令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項

業務改善助成金は生産性向上に資する設備投資などを実践し、業務改善を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる中小企業・小規模事業者に対し、その業務改善に要した経費の一部を助成します。「昇給 補助金」「ベースアップ助成金」として検索される方にも関連する制度です。

【助成上限額】
引き上げる賃金額および引き上げる労働者数に応じて30万円~600万円

【令和7年度以降の拡充内容(2026年度も継続)】助成率の区分を「1,000円未満(4/5)」と「1,000円以上(3/4)」に変更。生産性要件の廃止。夏秋における募集時期の重点化。

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働き方改革推進支援助成金(2026年度)

働き方改革推進支援助成金
出典:令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項

労働時間削減や年次有給休暇の取得促進などの環境整備を進めるため、専門家のコンサルティングや生産性向上に役立つ設備・機器の導入を支援します。成果が上がった場合に助成金が支給されます。

【令和7年度以降の拡充内容(2026年度も継続)】現行の、賃上げ率3%・5%に加えて、7%の賃上げが実現した場合の助成を強化。

人材開発支援助成金(2026年度)

人材開発支援助成金
出典:令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項

職業訓練などを通じて、専門的な知識や技能を習得させるための経費や、訓練中の賃金の一部を助成します。

【令和7年度以降の拡充内容(2026年度も継続)】非正規向けの助成率を60%から70%に引き上げ。有期実習型訓練での正社員化を条件に、助成率を75%に引き上げる。賃金助成については、それぞれ960円から1,000円、760円から800円、380円から400円、480円から500円に引き上げ。

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人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)

人材確保等支援助成金
出典:令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項

賃金規定や人事評価制度など、雇用管理を改善する制度を導入し、離職率の低下を目指す事業主に対して助成します。

【令和7年度以降の拡充内容(2026年度も継続)】雇用管理制度助成コースにおいて、賃上げ(5%)を実現した場合の加算を新たに導入し、令和7年度から再開。また、人事評価改善等助成コースを統合。

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(2)正規・非正規の格差是正への支援(正社員化・賃金アップ助成金)

「正社員 賃金アップ助成金」「正社員 賃金アップ助成金 2026」という検索が非常に多くあります。こちらは、正規・非正規の格差をなくすための助成金です。非正規雇用の人を正社員に転換したり、賃金を一定以上引き上げた場合に支援を受けられます。

【正社員化・賃金アップに使える主な助成金(2026年度)】
助成金主な対象ポイント
キャリアアップ助成金(正社員化コース)非正規→正社員に転換する事業主転換+3%以上賃上げで助成
キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)非正規の基本給を引き上げる事業主3%以上の増額改定で助成。賃上げ率に応じた4段階加算

キャリアアップ助成金(正社員化コース・賃金規定等改定コース)

キャリアアップ助成金
出典:令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項

≪正社員化コース≫
非正規雇用の労働者を正社員に転換し、その上で3%以上の賃上げを行った場合に助成。

≪賃金規定等改定コース≫
非正規雇用の労働者の基本給を定める賃金規定を3%以上増額改定し、その改定後の賃金規定を適用した場合に助成。

【令和7年度以降の変更内容(2026年度も継続)】正社員化コースでは、重点支援対象者以外の支給額を減額(1期分のみ支給、有期→正規:40万円、無期→正規:20万円に引き下げ)。また、雇入れから1年未満の新卒者は助成対象外になる。賃金規定等改定コースでは、賃上げ率に新たな区分を追加。これまでの2区分から4区分に拡大し、6%以上の賃上げを行った場合には、さらに助成額を引き上げ。また、新しく昇給制度を導入した場合にも加算措置を設ける。

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(3)より高い処遇への労働移動等への支援

こちらは、より良い条件での転職や賃金アップを支援する助成金です。仕事を失った人の早期再就職や、中途採用の強化などに取り組んだ場合に助成されます。また、未経験の職種を目指す人の雇用支援、出向後の賃金アップなどに対し支給される助成金もあります。

早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース・中途採用拡大コース)

≪雇入れ支援コース≫
会社の縮小などで仕事を失った人を、3か月以内に無期限の雇用として雇い入れ、前職の賃金より5%以上アップさせた場合に助成。

≪中途採用拡大コース≫
中途採用者の管理制度を整えた上で、以下の条件を満たす必要があります。
①中途採用率を一定以上に向上させた場合
②中途採用率を一定以上向上させ、その中で45歳以上の採用を増やし、45歳以上の全員の賃金を採用前と比べて5%以上アップさせた場合、のいずれかを満たした場合に助成

特定求職者雇用開発助成金(成長分野等人材確保・育成コース)

特定求職者雇用開発助成金
出典:令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項

≪成長分野メニュー≫
成長分野(デジタル、グリーン)の業務に従事する労働者として雇い入れる事業主に対して、通常コースの1.5倍となる高額助成を行う。

≪人材育成メニュー≫
就業経験がない仕事を希望する、就職が難しい人を雇い、育成計画を立て、雇入れ後3年以内に賃金を5%以上上げた事業主に対して高額助成を行う。

産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)

労働者のスキルアップを目的に在籍型出向を行い、出向から戻った時や出向1年後などに賃金を5%以上上げた事業主(出向元)に対し、出向中の賃金の一部を助成します。

助成金の支給までの流れ

助成金によって手続きの詳細は異なりますが、助成金の支給までの大まかな流れは以下の通りです。

1.交付申請 まず、助成金を申請するために、事業場の所在地を管轄する都道府県の労働局に、所定の申請書類(交付申請書や事業実施計画書など)を提出します。
2.交付決定 労働局で申請内容が審査され、問題がなければ交付決定通知が届きます。
3.事業の実施 交付決定後、申請内容に基づいて、賃金の引き上げや設備の導入といった事業を実行します。必要な支払いなどもこの段階で行います。
4.事業実績報告 事業が完了したら、労働局に事業実績報告書や助成金支給申請書を提出し、事業の内容を報告します。
5.交付額の確定と助成金支払い 労働局が報告内容を審査し、適正と判断されれば、助成金の交付額が確定し、支払いが行われます。
6.助成金受領 最終的に、助成金が指定の口座に振り込まれます。

賃上げ助成金に関するよくある質問



賃上げ補助金と賃上げ助成金は違うものですか?


一般的に「賃上げ補助金」と呼ばれる場合も、政府の賃上げ支援の多くは「助成金」として実施されています。補助金は国の予算を財源として競争審査があるのに対し、助成金は雇用保険料を財源として要件を満たせば原則受給できます。本記事で紹介している業務改善助成金やキャリアアップ助成金は「助成金」の区分に入ります。




正社員に転換して賃金をアップした場合に使える助成金はありますか?


はい、キャリアアップ助成金(正社員化コース)が代表的です。非正規雇用の労働者を正社員に転換し、転換後に3%以上の賃上げを行った場合に助成が受けられます。2026年度も継続して実施されています。詳細は最寄りの都道府県労働局またはハローワークにご確認ください。




中小企業でも賃上げ助成金を受けられますか?


はい、中小企業・小規模事業者も多くの助成金を利用できます。業務改善助成金は中小企業・小規模事業者が主な対象で、キャリアアップ助成金も中小企業の場合に助成率が高く設定されるケースがあります。まず最寄りのハローワークまたは都道府県労働局にご相談ください。




2026年度(令和8年度)も賃上げ助成金は継続されていますか?


本記事で紹介した業務改善助成金・キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金などは、2026年度(令和8年度)も継続が見込まれています。ただし詳細な要件や助成額は年度ごとに変更される場合があります。最新の情報は厚生労働省の公式サイトまたは最寄りの労働局・ハローワークでご確認ください。




「賃上げ支援金」や「賃上げ支援手当」という制度はありますか?


「賃上げ支援金」「賃上げ支援手当」は、特定の正式な制度名称ではなく、賃上げを支援する各種助成金や税制優遇措置の総称として使われることが多い表現です。具体的には本記事で紹介する業務改善助成金・キャリアアップ助成金・働き方改革推進支援助成金などが「賃上げ支援」として機能する主な助成金です。



賃上げを成功させるための戦略とは

賃上げを成功させるには、助成金を使うだけでなく、長期的な経営戦略と計画が大切です。会社が賃金を上げ続けるためには、利益を増やすことやコストを減らすことだけでなく、経営全体の効率を良くすることが必要です。

まず、人材戦略をしっかり立てることがカギとなるでしょう。労働者のスキルを上げる、仕事の効率を良くする取り組みを行います。これにより、会社の競争力が高まり、賃金を上げるための資金を確保しやすくなります。

次に、生産性向上のための取り組みも欠かせません。設備投資や新しい技術の導入などにより生産性を上げることが、賃上げに直結する手段になります。

さらに、労働者が働きやすい会社づくりも大切です。成長を感じ、会社の目指す姿に共感できると、賃上げはただの報酬アップではなく、やる気を高めるものになります。これにより、労働者が長く働いてくれるようになり、会社の安定した成長につながります。

まとめ

助成金制度は、企業が賃上げを実施する際の大きな助けとなりますが、無理のない計画が大切です。経営に負担をかけすぎることのないよう、しっかりと準備していきましょう。補助金ポータルでは、専門家とのマッチングサービスも行っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

主な賃上げ関連助成金のポイントを整理します。

  • 業務改善助成金:設備投資+事業場内最低賃金の引き上げで30万〜600万円。中小企業・小規模事業者向け
  • キャリアアップ助成金(正社員化コース):非正規→正社員転換+3%以上賃上げで助成。正社員化による賃金アップに活用
  • キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース):非正規の基本給3%以上引き上げで助成。賃上げ率が高いほど加算が厚くなる
  • 働き方改革推進支援助成金:賃上げ率7%まで対応した助成強化
  • 人材開発支援助成金:訓練を通じた職業能力向上と賃金助成

会社の成長と労働者のモチベーション向上のため、賃上げに活用できる助成金やその他制度の活用をぜひご検討ください。

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