1. 補助金ポータルTOP
  2. 補助金・助成金・給付金コラム
  3. 高齢者支援制度まとめ【2026年】お金・交通・スマホ・防犯まで、もらえる支援を目的別に解説
  4. 高年齢求職者給付金とは?求職中の高齢者が受け取れる失業給付金・65歳以上の受給条件・計算方法・申請方法

高年齢求職者給付金とは?求職中の高齢者が受け取れる失業給付金・65歳以上の受給条件・計算方法・申請方法

公開日:2025/10/29 更新日:2026/7/22
image

高年齢求職者給付金とは、65歳以上の雇用保険被保険者が離職したときに受け取れる一時金です。65歳未満が受け取る通常の失業手当(基本手当)に代わるもので、求職活動中の生活を支えるための制度です。「退職給付金」「高齢者退職一時金」「高齢者失業給付金」などと呼ばれることもありますが、いずれも正式名称は高年齢求職者給付金を指すのが一般的です。

「65歳を過ぎてからの離職でも、失業給付はもらえるのだろうか」――こうした不安を抱える方は少なくありません。結論から言えば、条件を満たせば年齢の上限なく、何度でも受給できます。さらに高年齢求職者給付金は老齢年金と同時に受け取れる(併給可能)点が大きな特徴で、70歳や75歳で退職した場合も同じ仕組みで受給できます。

近年は人手不足を背景にシニアの就労意欲が高まり、65歳以降も働き続ける方が増えています。2026年4月には在職老齢年金の支給停止調整額が50万円から65万円へ引き上げられ、働きながら年金を受け取りやすい環境が整いました。一方、雇用保険制度では令和7年4月から自己都合退職の給付制限期間が原則1か月に短縮され、令和7年8月1日には基本手当日額の上限・下限も改定されています。またハローワークの雇用保険給付以外にも、全国の市区町村では運転免許自主返納支援・エアコン設置支援・タクシー券交付・スマホ購入補助など、高齢者向けの独自給付が多数実施されています。この記事では、最新の制度改正を踏まえ、高年齢求職者給付金の受給条件・支給額・計算方法・申請方法を解説するとともに、混同されやすい高年齢雇用継続給付金との違い、70歳以上での受給シミュレーション、65歳以上の方が使える他の給付金・支援制度もあわせてご紹介します。

無料で相談する

▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する

【2026年版】転職でもらえる給付金・補助金・支援金まとめ|失業手当・再就職手当の条件と金額も解説

この記事の目次

\ 制度やどの補助金が使えるか知りたい! /
お問い合わせ
\ 申請サポートをお願いしたい! /
専門家を探す
補助金対象商品を調べる
導入したい商材が補助金に対応しているかチェック!
ITトレンドへ

高年齢求職者給付金とは?65歳以上が受け取れる失業給付の一時金

高年齢求職者給付金とは、65歳以上の雇用保険被保険者(高年齢被保険者)が離職したときに、一時金としてまとめて支給される失業給付です。65歳未満の人が受け取る「基本手当(いわゆる失業手当)」が原則28日ごとに分割して支給されるのに対し、高年齢求職者給付金は一括で一度に支給されます。

2017年1月1日以降、65歳以上の人も新たに雇用保険に加入できるようになりました。これにより、65歳を過ぎてから就職・転職した方も雇用保険の被保険者となり、離職時にこの給付金を受け取れます。


高年齢求職者給付金のポイント
  • 対象は65歳以上の雇用保険被保険者
  • 支給は一時金(一括)。基本手当のような分割支給ではない
  • 年金と同時に受け取れる(併給可能)
  • 非課税(所得税・住民税はかからない)
  • 年齢の上限・受給回数の制限がない(70歳・75歳でも条件を満たせば何度でも受給可)

高年齢求職者給付金の受給条件は3つ

高年齢求職者給付金を受け取るには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります

  • ①65歳以上であること……離職日時点で65歳以上の雇用保険被保険者であること。なお65歳の誕生日の前日に「65歳に達した」とみなされる点に注意が必要です。
  • ②被保険者期間が通算6か月以上あること……離職の日以前1年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(または賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上の月)が通算6か月以上あること。
  • ③就職する意思と能力があり、求職活動をしていること……働く意思・能力があるにもかかわらず職に就けない「失業の状態」にあること。完全に引退している場合は対象外です。

これらを満たしたうえで、ハローワーク(公共職業安定所)で求職の申し込みと受給手続きを行う必要があります。

「退職給付金」「高齢者一時金」との呼称の違いは?

「退職給付金」「高齢者退職一時金」「高齢者一時金」といった検索でたどり着く方の多くが、実は高年齢求職者給付金を指しています。これらは正式な制度名ではなく、通称・俗称として使われている表現です。

よく使われる呼称実際に指しているもの
高齢者退職給付金・退職給付金高年齢求職者給付金(雇用保険の一時金)
高齢者一時金・高齢者退職一時金高年齢求職者給付金
高齢者失業保険・高齢者失業給付金高年齢求職者給付金(65歳以上は基本手当ではなくこちら)
雇用保険 65歳以上 一時金高年齢求職者給付金

なお、「退職給付金」と会社独自の退職金は別物です。退職金は勤務先の就業規則に基づき企業が支払うもの、高年齢求職者給付金はハローワークが雇用保険から支給するものと、支払い元がまったく異なります。

高年齢求職者給付金と特例一時金との違いは?

高年齢求職者給付金と混同されやすいのが「特例一時金」です。特例一時金は、季節的に雇用される「短期雇用特例被保険者」が離職したときに受け取る給付で、対象者が異なります。65歳以上の方が離職した場合は、雇用形態にかかわらず高年齢求職者給付金の対象となります。

項目高年齢求職者給付金特例一時金
対象者65歳以上の高年齢被保険者季節的に雇用される短期雇用特例被保険者
受給に必要な被保険者期間離職前1年間に通算6か月以上離職前1年間に通算6か月以上
支給日数30日分または50日分原則30日分(当分の間は40日分)
支給方法一時金(一括)一時金(一括)
65歳超雇用推進助成金とは?3コースの要件・支給額を徹底比較【令和8年度版】

高年齢求職者給付金はいくらもらえる?計算方法とシミュレーション

高年齢求職者給付金の受給額は、「基本手当日額 × 支給日数(30日または50日)」で計算します。支給日数は雇用保険の加入期間で決まり、基本手当日額は退職前の賃金から算出します。被保険者であった期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分が支給される仕組みです。

被保険者であった期間支給日数
1年未満基本手当日額の30日分
1年以上基本手当日額の50日分

ステップ1:賃金日額を計算する

最初に、退職前の賃金を1日あたりに換算した「賃金日額」を求めます。計算式は次のとおりです。


賃金日額 = 退職前6か月間の賃金合計 ÷ 180

賃金には、基本給のほか残業手当・通勤手当・住宅手当・役職手当など、毎月支給される諸手当を含めます。一方で、賞与(ボーナス)・退職金・慶弔見舞金など臨時に支払われるもの、3か月を超える期間ごとに支給される手当は含めません

たとえば退職前6か月の賃金合計が150万円なら、150万円 ÷ 180 = 賃金日額は約8,333円となります。

ステップ2:給付率をかけて基本手当日額を求める

賃金日額に「給付率」をかけると、1日あたりの支給額である「基本手当日額」が求められます。65歳以上に適用される給付率は、在職中の賃金が低かった人ほど高くなる(おおむね50〜80%)仕組みです。賃金日額が低い人ほど手厚く保護されます。

また、賃金日額・基本手当日額には年齢区分ごとに上限額・下限額が定められており、令和7年(2025年)8月1日に改定された金額が2026年7月現在も適用されています。65歳以上の上限額は29歳以下と同じ基準が適用されます。

令和7年8月1日改定後の上限・下限(65歳以上に適用/2026年7月現在)
区分賃金日額基本手当日額
上限額14,510円7,255円
下限額3,014円2,411円

たとえば賃金日額が16,000円と計算された場合でも、65歳以上は上限額の14,510円が適用されます。この場合、基本手当日額は上限額の7,255円となります。反対に、賃金日額が下限額の3,014円を下回る場合は、下限額が適用され、基本手当日額は2,411円となります。なお、賃金日額・基本手当日額の上限額と下限額は、毎月勤労統計の平均定期給与額の増減により変更される場合があります。

賃金日額別の給付率早見表(65歳以上)

65歳以上に適用される給付率は、賃金日額に応じて段階的に決まります。賃金日額が5,200円以下の低所得者ほど給付率が80%と手厚く、賃金日額が上がるほど給付率は50%まで下がる仕組みです。以下は令和7年8月1日改定後の給付率早見表です。

賃金日額の区分給付率基本手当日額
2,869円未満(下限)下限額 2,411円
2,869円以上 5,200円未満80%2,295円〜4,160円
5,200円以上 12,790円以下80%〜50%(賃金水準により逓減)4,160円〜6,395円
12,790円超 14,510円以下50%6,395円〜7,255円
14,510円超(上限適用)上限額 7,255円

ステップ3:支給日数をかけて受給総額を算出する

最後に、基本手当日額に支給日数(30日または50日)をかけると、受給総額の目安がわかります。被保険者であった期間が1年未満の場合は30日分、1年以上の場合は50日分が支給されます。月収別のシミュレーション例は以下のとおりです。

退職前の平均月収賃金日額の目安基本手当日額の目安1年未満(30日分)1年以上(50日分)
15万円約5,000円約4,000円約12万円約20万円
25万円約8,333円約5,700円約17.1万円約28.5万円
35万円約11,667円約6,500円約19.5万円約32.5万円
43.5万円超上限14,510円上限7,255円約21.8万円約36.3万円

上記の金額はあくまで概算です。基本手当日額は賃金日額に応じて決まり、実際の金額はハローワークでの受給資格決定時に確認されます。なお、高年齢求職者給付金は非課税のため、所得税・住民税はかかりません。ただし、退職後の国民健康保険料や介護保険料などは別途考慮が必要です。

70歳・75歳でも受給できる?年齢別のシミュレーション

高年齢求職者給付金には年齢の上限がなく、70歳や75歳でも同じ条件で受給できます。給付率・基本手当日額の上限・支給日数はすべて65歳以上に適用される基準(上限7,255円・最大50日分)が使われるため、70歳・75歳での退職でも計算方法は変わりません。

退職時の年齢被保険者期間1年以上の場合の受給額目安(賃金日額8,333円のケース)
65歳約28.5万円(基本手当日額約5,700円 × 50日)
70歳約28.5万円(65歳と同じ計算式)
75歳約28.5万円(65歳と同じ計算式)

たとえば70歳で退職して雇用保険の被保険者期間が5年以上あれば、賃金日額に応じた基本手当日額の50日分を一括で受け取れます。75歳で離職した場合も同様です。定年後にパートで働き、その勤務先で雇用保険に加入していたようなケースでも、被保険者期間6か月以上を満たしていれば受給対象となります。

2021年4月から70歳以上の就業機会確保が企業の努力義務に!シニア人材活用を推進する厚労省の支援制度について紹介

高年齢求職者給付金の申請方法と受け取りまでの流れ

高年齢求職者給付金の申請は、住所地を管轄するハローワークで求職の申し込みをすることから始まります。離職後できるだけ早く手続きするのがポイントです。受け取りまでの流れは次のとおりです。

  • ①離職票を受け取る……退職後、勤務先から「雇用保険被保険者離職票」が交付されます。届かない場合は勤務先に確認しましょう。
  • ②ハローワークで求職申し込み……離職票・本人確認書類・マイナンバー確認書類・写真・本人名義の通帳などを持参し、求職の申し込みと受給手続きを行います。
  • ③受給資格の決定・説明……ハローワークが受給資格を判断し、雇用保険受給資格者証が交付されます。
  • ④失業の認定……指定された認定日に、求職活動の実績を確認する「失業の認定」を受けます。認定は1回のみです。
  • ⑤一括で支給……認定後、原則として指定口座に一時金が一括で振り込まれます(認定日から金融機関営業日で約5〜7営業日後)。

申請時の注意点

高年齢求職者給付金には受給期限があります。原則として離職日の翌日から1年以内に手続きと失業の認定を済ませる必要があります。基本手当と異なり受給期間の延長制度はないため、離職後は早めにハローワークへ相談しましょう。1日でも過ぎると受給できなくなるため、「落ち着いてから申請しよう」と先延ばしにするのは避けたほうが安全です。

給付制限期間は令和7年4月から原則1か月に短縮

令和7年4月1日以降に自己都合で離職した場合、7日間の待期に加えて1か月の給付制限期間が経過するまで給付金は支給されません。従来の2か月から短縮されています。

ただし、過去5年以内に自己都合での離職・受給手続きが3回以上ある場合や、自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された場合は、給付制限期間が3か月となります。会社都合や定年退職などの場合は給付制限期間はなく、7日間の待期のみで支給対象となります。

離職理由待期給付制限支給開始までの目安
会社都合・定年退職・特定理由離職7日なし約7日後
自己都合(令和7年4月1日以降)7日1か月約1か月+7日後
自己都合(過去5年以内に3回以上)7日3か月約3か月+7日後
重責解雇7日3か月約3か月+7日後

求職活動として認められる内容と回数

高年齢求職者給付金の受給には、失業認定日までに原則1回以上の求職活動実績が必要です。基本手当のように4週間ごとの認定はなく、認定は1回のみで完結します。

求職活動として認められる主な内容は次のとおりです。

  • ハローワークでの職業相談・職業紹介
  • ハローワーク主催のセミナー・就職支援講習の受講
  • 民間の職業紹介事業者を通じた求職活動(登録・相談・紹介)
  • 再就職に資する国家試験・検定などの受験
  • 企業への直接応募・面接(求人サイトからの応募も含む)

一方、単なる求人情報の閲覧・知人への相談などは求職活動として認められません。「求職活動をしない」場合や、就職の意思がないと判断された場合は支給対象外となるため、離職後にハローワークで求職申し込みを行う前提が必要です。

申請に必要な書類の一覧

ハローワークでの手続きには、次の書類を準備します。

書類備考
雇用保険被保険者離職票(−1・−2)勤務先から交付される
本人確認書類マイナンバーカード、運転免許証など
マイナンバー確認書類マイナンバーカード等
写真(最近のもの)マイナンバーカード提示で省略できる場合あり
本人名義の預金通帳・キャッシュカード振込先口座の確認用

高年齢求職者給付金と年金は同時にもらえる?併給の仕組み

高年齢求職者給付金は、老齢年金と同時に受け取れます(併給可能)。これが65歳未満の失業手当との決定的な違いです。

65歳未満の人が受け取る基本手当(失業手当)は、特別支給の老齢厚生年金との併給ができず、失業手当を受給している間は年金が支給停止になります。一方、65歳以上が受け取る高年齢求職者給付金にはこうした年金の支給停止がありません。老齢厚生年金・老齢基礎年金を受け取りながら、高年齢求職者給付金も満額受け取れます。

区分失業給付年金との関係
65歳未満基本手当(分割支給)特別支給の老齢厚生年金は支給停止
65歳以上高年齢求職者給付金(一時金)老齢年金と併給できる(停止なし)

年金生活者支援給付金との組み合わせも可能

高年齢求職者給付金は、年金生活者支援給付金とも組み合わせて活用できます。年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入と所得が一定基準以下の年金受給者に、年金に上乗せして支給される給付金です。2026年4月からは老齢年金生活者支援給付金の基準額が月額5,620円(前年度比+170円・+3.2%)に増額されました。

高年齢求職者給付金は離職時の一時金、年金生活者支援給付金は恒久的な上乗せ給付という性質の違いがあり、両方の対象となる方は併せて活用することで生活の支えを厚くできます。

年金生活者支援給付金は月額5,620円に増額!対象者・申請方法・ハガキが届かない時の対処法【2026年度】

失業保険(基本手当)を受給中に65歳になった場合は?

失業保険(基本手当)を受給中に65歳になった場合でも、受給資格が決定した時点で64歳以下だったなら、そのまま基本手当を最後まで受給できます。途中で高年齢求職者給付金に切り替わることはありません。

一方、65歳の誕生日の前々日までに離職した場合は基本手当の対象、誕生日の前日以降に離職した場合は高年齢求職者給付金の対象となります。この誕生日の扱いは雇用保険特有のルールで、「65歳の誕生日の前日」に65歳に到達したとみなされるため、退職日の選び方によって受け取れる制度が変わります。

離職のタイミング適用される給付
基本手当の受給資格決定後、受給中に65歳になった基本手当(最後まで継続)
65歳の誕生日の前々日までに離職基本手当(最大150日分)
65歳の誕生日の前日以降に離職高年齢求職者給付金(30日分または50日分)

64歳までに退職するか65歳以降に退職するか、どちらが得?

「年金額が高い人」は65歳以降の退職、「年金額が低く失業手当が高い人」は65歳直前の退職が有利になりやすい傾向があります。退職のタイミングによって受け取れる総額が変わるため、自分のケースを整理しておくと安心です。

64歳(65歳未満)で離職すると、最大150日分の基本手当を分割で受け取れますが、その間は特別支給の老齢厚生年金が支給停止になります。一方、65歳以降に離職すると、高年齢求職者給付金(最大50日分)は年金と併給できます。

賃金日額8,000円・勤続25年のモデルケース比較

賃金日額8,000円(月収約24万円)・勤続25年・会社都合退職を想定した場合、64歳11か月退職と65歳退職では受け取れる総額が大きく異なります。失業手当と高年齢求職者給付金の差額だけを見ると約95万円もの開きが生じるケースもあります。

退職タイミング失業給付の総額目安年金の受給状況
64歳11か月退職(基本手当・150日分)約120万円(4週間ごとに分割)特別支給の老齢厚生年金は支給停止
65歳退職(高年齢求職者給付金・50日分)約25万円(一括)老齢年金と併給可能

一見64歳での退職が有利に見えますが、支給停止される特別支給の老齢厚生年金の額が大きい人(月10万円超など)は、65歳以降の退職のほうが年金+一時金の合計で上回るケースもあります。判断のポイントは次のとおりです。

  • 老齢厚生年金の受け取り額が高い人……65歳未満で失業手当を受けると年金が止まり、結果的に総額が減ることがあります。年金と併給できる65歳以降の退職が有利になりやすいです。
  • 年金額が少なく失業手当が高い人……支給停止される年金より失業手当のほうが大きければ、65歳になる前(64歳)の退職で長めの基本手当を受けるほうが総額で有利になる場合があります。

なお、2026年4月から在職老齢年金の支給停止調整額が50万円から65万円に引き上げられ、65歳以降に働きながら年金を満額受け取りやすくなりました。ご自身の年金見込み額はねんきん定期便や年金事務所で確認できます。判断に迷う場合は、ハローワークや年金事務所に相談しながら退職時期を検討するとよいでしょう。

再就職手当の支給要件と計算方法 いつもらえるのか解説

高年齢雇用継続給付金・高年齢再就職給付金との違いは?

「高年齢雇用継続給付金」「高年齢再就職給付金」は、名前が似ていますが対象年齢が60歳以上65歳未満で、65歳以降は原則対象外となる制度です。65歳以降に離職して受け取るのは高年齢求職者給付金であり、これらとは別の制度です。

制度名対象年齢目的支給形式
高年齢求職者給付金65歳以上離職時の失業給付一時金(30日または50日分)
高年齢雇用継続基本給付金60歳以上65歳未満賃金低下時の在職者支援月次(65歳になる月まで)
高年齢再就職給付金60歳以上65歳未満失業給付受給後に再就職した際の賃金補填月次(最長2年)

高年齢雇用継続給付金は2025年4月に給付率10%へ縮小

高年齢雇用継続給付金は、60歳到達時の賃金と比べて75%未満に低下した60〜65歳未満の労働者に、賃金の最大15%を上乗せする制度でした。しかし、2025年4月1日から新たに60歳に到達する方の給付率は15%から10%に縮小されており、段階的に廃止される方針が示されています。

廃止の背景には、高年齢者雇用安定法の改正で65歳までの雇用確保が企業の義務となり、70歳までの就業機会確保が努力義務化されたことで、60〜65歳未満の賃金低下を国が補う必要性が薄れたという事情があります。

高年齢再就職給付金は基本手当の残日数がある人向け

高年齢再就職給付金は、60歳到達後に基本手当(失業手当)を受給し、支給日数を100日以上残して再就職した60〜65歳未満の人が対象です。再就職後の賃金が離職前より75%未満に下がった場合に、賃金の最大10%(2025年4月以降に60歳到達の場合)を、基本手当の残日数に応じて最長2年間支給します。65歳になると支給は打ち切りとなります。

高年齢雇用継続給付金から高年齢労働者処遇改善促進助成金へ

65歳以上が使える自治体の高齢者支援・給付金は?

65歳以上が使える自治体独自の高齢者支援・給付金は、2026年7月時点で全国で多数実施中です。運転免許自主返納者へのバス・タクシー券交付(上限最大3万円)、エアコン設置支援(上限最大11.6万円)、スマホ購入補助(1万円)、外出支援タクシー券、防災用品給付など、生活の各場面を支える制度がお住まいの市区町村で用意されている可能性があります。ハローワークの高年齢求職者給付金と並行して、こうした地元の支援制度もあわせて確認するのがおすすめです。

なお、これらの多くは住民登録・年齢要件・所得要件などがあり、自分で申請しないと受け取れないプル型です。市区町村の広報紙・公式サイト・地域包括支援センターで対象制度を必ず確認してください。

運転免許自主返納者への支援金・バス券・タクシー券

運転免許自主返納者への支援は、65歳以上を対象に全国の自治体が実施している代表的な高齢者向け給付制度です。上限5,000円〜3万円相当のバス券・タクシー券・地域交通利用券が返納者に交付され、免許返納後の移動手段を確保できます。

制度・自治体給付内容
福島県西会津町「運転免許証自主返納支援事業」3万円相当
福島県喜多方市「運転免許証自主返納者支援事業」2万円
北海道北広島市「運転免許自主返納者バス等利用支援事業」20,000円相当
愛媛県松前町「運転免許自主返納支援事業」1万円相当(伊予鉄ICOCA引換券またはタクシー券20枚)
北海道様似町「高齢運転者免許自主返納支援事業」1万円
鳥取県琴浦町「運転免許自主返納支援事業」7,000円相当
埼玉県宮代町「高齢者運転免許自主返納支援事業」5,000円相当(回数券1,000円×5セット)

上記以外にも多くの市区町村で類似制度が実施されています。返納後に警察署で発行される「運転経歴証明書」を市区町村窓口に持参する流れが一般的です。

高齢者向け交通費助成制度まとめ【バス・タクシー・電車】最大12,000円の支援の自治体も

高齢者向けエアコン設置支援・熱中症対策

高齢者向けエアコン設置支援は、猛暑対策・熱中症予防のため、住民税非課税世帯や75歳以上の高齢者世帯を対象に本体・設置工事費を助成する制度です。上限は5〜11.6万円と自治体によって幅があり、夏場に向けた重要な支援となっています。

制度・自治体給付内容申請終了
島根県大田市「生活困窮世帯エアコン購入費助成事業」上限116,000円(75歳以上世帯・児童扶養手当受給世帯・生活保護世帯)2026年9月30日
和歌山県高野町「高齢者世帯等エアコン設置支援事業」上限10万円(65歳以上または障害者手帳保有者を含む世帯)2026年12月28日
東京都日の出町「低所得者向けエアコン設置緊急支援事業」上限10万円(住民税非課税・均等割のみ課税世帯)2026年10月30日
東京都瑞穂町「住民税非課税世帯等エアコン設置緊急支援事業」上限100,000円2026年10月30日

高齢者の移動支援・タクシー券交付

高齢者の移動支援・タクシー券交付は、公共交通が不便な地域や75歳以上の高齢者に対して自治体が実施する制度です。免許を持たない方や運転をやめた方の外出を支えます。

制度・自治体給付内容
京都府福知山市「いきいき・おでかけ応援事業」6,000円相当(75歳以上で運転免許証を持たない方)
山口県柳井市「運賃助成券YANACA」上限24,000円(年齢により変動)
群馬県玉村町「タクシー利用補助券交付事業」60枚(1枚500円)
愛媛県久万高原町「高齢者及び障がい者移動支援事業」町内在住の高齢者・障がい者・運転免許返納者
京都府京田辺市「物価高騰対応高齢者暮らし応援事業」1,000円(65歳以上)

スマホ購入補助・在宅介護者リフレッシュ・防災など

スマホ購入補助・在宅介護者リフレッシュ・防災など、生活各場面を支える少額給付も自治体独自で実施されています。高齢者の生活を支える給付は「大きな一時金」より「小さくとも実用的な支援」の集合体である点が特徴です。

制度・自治体給付内容
香川県琴平町「高齢者スマートフォン購入補助事業」1万円
神奈川県海老名市「在宅介護者等リフレッシュ助成券」上限24,000円(要介護3〜5に認定された方の在宅介護者)
和歌山県紀の川市「家具転倒防止金具取付支援事業」高齢者のみ世帯・要介護2以上の世帯等が対象
東京都青梅市「家具転倒防止器具等支給取付事業」市内高齢者・障害者世帯等
東京都国分寺市「感震ブレーカー支給事業」65歳以上の市民ほか
岡山県高梁市「ごみ出しサポート事業」要支援・要介護認定者や身体障害者のみ世帯
スマホ購入補助金まとめ!自治体が提供するデジタル時代のシニア支援【2026年】

【高齢者向けの給付・支援を確認するコツ】
・お住まいの市区町村の公式サイトで「高齢者 給付金」「免許返納 支援」「エアコン 補助」等で検索
・地域包括支援センターで「使える制度一覧」を尋ねる
・市区町村の広報紙・回覧板を定期的にチェック
・国の年金生活者支援給付金・介護保険各サービスと組み合わせて活用


高年齢求職者給付金に関するよくある質問


高年齢求職者給付金はいくらもらえますか?


高年齢求職者給付金は「基本手当日額 × 支給日数(30日または50日)」で計算します。基本手当日額は退職前6か月の賃金から算出した賃金日額に給付率(おおむね50〜80%)をかけて求めます。令和7年8月1日改定後の基本手当日額の上限は7,255円のため、上限が適用される場合の受給額は50日分で約36.2万円が目安です。被保険者期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分が支給されます。



高年齢求職者給付金の受給条件は何ですか?


受給には3つの条件があります。①離職日時点で65歳以上の雇用保険被保険者であること、②離職の日以前1年間に賃金支払基礎日数11日以上(または賃金支払いの基礎となった時間数80時間以上)の月が通算6か月以上あること、③就職する意思と能力があり求職活動をしていること、の3つです。これらを満たしたうえでハローワークで求職の申し込みと受給手続きを行います。



高年齢求職者給付金は年金と同時にもらえますか?


同時に受け取れます(併給可能)。65歳未満が受け取る基本手当は特別支給の老齢厚生年金と併給できず年金が支給停止になりますが、65歳以上が受け取る高年齢求職者給付金にはこの支給停止がありません。老齢厚生年金・老齢基礎年金を受け取りながら、高年齢求職者給付金も満額受け取れます。2026年4月からは在職老齢年金の支給停止調整額も65万円に引き上げられ、年金生活者支援給付金(2026年度基準額:月額5,620円)とも組み合わせて活用できます。



高年齢求職者給付金と失業保険(基本手当)の違いは何ですか?


主な違いは対象年齢・支給方法・年金との関係です。基本手当は65歳未満が対象で、原則28日ごとに分割して最大150日分支給され、特別支給の老齢厚生年金は支給停止になります。高年齢求職者給付金は65歳以上が対象で、30日分または50日分を一時金として一括支給し、老齢年金と併給できます。どちらもハローワークで離職票を持参して求職申し込みを行う点は共通です。



高年齢求職者給付金は70歳以上でももらえますか?


もらえます。高年齢求職者給付金には年齢の上限がないため、70歳や75歳で離職した場合も、被保険者期間6か月以上などの受給条件を満たせば同じ計算式で受給できます。給付率・基本手当日額の上限(7,255円)・支給日数(30日または50日分)はすべて65歳以上に適用される基準が使われます。定年後にパートで働き、その勤務先で雇用保険に加入していたようなケースでも対象となります。



高年齢求職者給付金は何回でも受給できますか?


受給回数に制限はありません。条件を満たせば、離職するたびに何度でも受給できます。65歳以降に再就職して雇用保険に加入し、再び離職した場合も、被保険者期間などの要件を満たせば改めて高年齢求職者給付金を受け取れます。基本手当と異なり「1回の受給資格で全額使い切る」形ではなく、都度手続きするイメージです。



高年齢求職者給付金に税金はかかりますか?


高年齢求職者給付金は非課税です。所得税・住民税はかからず、確定申告で収入として申告する必要もありません。そのため、表示される受給額がほぼそのまま手元に残ります。ただし退職後は、在職中は会社と折半だった国民健康保険料や介護保険料が全額自己負担になるため、受給額だけでなくこうした支出も合わせて家計を試算しておくと安心です。



高年齢求職者給付金はいつ振り込まれますか?


ハローワークで求職申し込みと受給手続きを行い、失業の認定を受けたあと、認定日から金融機関の5〜7営業日後を目安に、指定口座へ一括で振り込まれます。受給には期限があり、原則として離職日の翌日から1年以内に手続きと失業の認定を済ませる必要があります。基本手当と異なり受給期間の延長制度はないため、期限を過ぎると受給できなくなる点に注意しましょう。



自己都合退職の給付制限期間はどう変わりましたか?


令和7年4月1日以降に自己都合で離職した場合、給付制限期間は従来の2か月から原則1か月に短縮されました。ただし、過去5年以内に自己都合での離職・受給手続きが3回以上ある場合や、自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された場合は給付制限期間が3か月となります。会社都合退職や定年退職の場合は給付制限期間がなく、7日間の待期のみで支給対象となります。



パートやアルバイトでも高年齢求職者給付金はもらえますか?


雇用保険に加入していれば、パート・アルバイトでも受給できます。雇用保険の加入条件は「週20時間以上の勤務」「31日以上の雇用見込み」です。これを満たして雇用保険の被保険者となっている65歳以上の方が、離職前1年間に通算6か月以上の被保険者期間を満たせば、雇用形態にかかわらず高年齢求職者給付金の対象となります。



65歳の誕生日前後で受け取れる給付は変わりますか?


変わります。雇用保険では65歳の誕生日の前日に「65歳に達した」とみなされます。そのため、誕生日の前々日までに離職すると65歳未満として基本手当の対象になり、誕生日の前日以降に離職すると高年齢求職者給付金の対象になります。基本手当(最大150日分・分割支給)と高年齢求職者給付金(最大50日分・一括支給・年金併給可)のどちらが有利かは、年金額や賃金により異なります。2026年4月からは在職老齢年金の支給停止調整額も50万円から65万円に引き上げられ、65歳以降に働きながら年金を満額受け取りやすくなりました。



失業保険を受給中に65歳になったら給付は打ち切られますか?


打ち切られません。基本手当の受給資格が決定した時点で64歳以下だった場合、そのまま所定給付日数を最後まで受給できます。途中で高年齢求職者給付金に切り替わることはなく、基本手当のルールがそのまま続きます。ただし特別支給の老齢厚生年金との併給停止も継続するため、年金が止まる状態は続きます。



高年齢雇用継続給付金や高年齢再就職給付金との違いは何ですか?


対象年齢と目的が異なります。高年齢求職者給付金は65歳以上の離職者向けの一時金です。一方、高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金は60歳以上65歳未満の在職者・再就職者向けで、60歳到達時より賃金が75%未満に低下した場合に月次で支給されます。ただし、2025年4月1日以降に新たに60歳に到達する方の給付率は15%から10%に縮小され、段階的に廃止される方針です。65歳になると高年齢雇用継続給付金は打ち切りとなります。



求職活動をしないと高年齢求職者給付金はもらえませんか?


求職活動の実績が必要です。失業認定日までに原則1回以上の求職活動(ハローワークでの職業相談・職業紹介、就職支援セミナー受講、民間職業紹介事業者への登録・相談、企業への直接応募・面接、再就職に役立つ国家試験の受験など)が求められます。単なる求人情報の閲覧や知人への相談は求職活動として認められません。就職の意思がまったくない完全引退状態では対象外となります。



「退職給付金」と検索してもよく出てくる高年齢求職者給付金は同じものですか?


「退職給付金」「高齢者退職給付金」「高齢者一時金」「雇用保険 65歳以上 一時金」といった呼称の多くは、実質的に高年齢求職者給付金を指しています。これらは正式な制度名ではなく通称・俗称です。ただし、会社独自の退職金制度(就業規則に基づき企業が支払うもの)は雇用保険とは別物なので、混同しないよう注意しましょう。制度の支払い元がハローワーク(雇用保険)か勤務先(企業)かを確認するとわかりやすいです。



高年齢求職者給付金以外に65歳以上が受け取れる給付金はありますか?


国の恒久制度としては老齢基礎年金・老齢厚生年金と年金生活者支援給付金(2026年度基準額:月額5,620円)があります。加えて、全国の市区町村では高齢者向けの独自給付が多数実施されています。代表例として、運転免許自主返納者へのバス・タクシー券交付(上限5,000円〜3万円)、75歳以上・非課税世帯向けエアコン設置支援(上限最大11.6万円)、高齢者向けタクシー券交付(上限最大2.4万円)、スマホ購入補助(1万円)、在宅介護者リフレッシュ助成、家具転倒防止金具取付支援などがあります。お住まいの市区町村の公式サイトや地域包括支援センターにお問い合わせください。



運転免許を自主返納すると受けられる給付金はありますか?


はい、多くの市区町村で運転免許自主返納者向けの支援制度が実施されています。上限額は自治体により5,000円相当〜3万円相当と幅があり、バス回数券・タクシー券・ICカードチャージ引換券などの形で交付されるのが一般的です。福島県西会津町(3万円相当)、福島県喜多方市(2万円)、北海道北広島市(20,000円相当)、愛媛県松前町・北海道様似町(1万円相当)などが2026年7月時点で公募中です。返納後に警察署で「運転経歴証明書」の交付を受け、市区町村の担当窓口で申請するのが一般的な流れです。



まとめ|65歳以上の離職時は高年齢求職者給付金を活用しよう

高年齢求職者給付金は、65歳以上で離職した方が受け取れる失業給付の一時金です。被保険者期間に応じて基本手当日額の30日分または50日分が一括で支給され、令和7年8月1日改定後の基本手当日額の上限は7,255円(2026年7月現在も適用)です。「退職給付金」「高齢者一時金」などと呼ばれることもありますが、正式名称は高年齢求職者給付金であり、70歳・75歳で離職した場合も同じ仕組みで受給できます。

最大の特徴は、老齢年金と同時に受け取れる「併給」が可能な点です。2026年4月の在職老齢年金の支給停止調整額引き上げ(50万円→65万円)や、年金生活者支援給付金の月額5,620円への増額もあり、シニア世代の生活を支える制度はより手厚くなっています。受給には離職日の翌日から1年以内という期限があるため、離職後はできるだけ早くハローワークで求職の申し込みを行いましょう。

また、60〜65歳未満対象の高年齢雇用継続給付金・高年齢再就職給付金とは対象年齢・目的が異なる別制度である点にも注意が必要です。ハローワークの給付制度と並行して、お住まいの市区町村では運転免許自主返納支援・エアコン設置支援・タクシー券交付・スマホ購入補助・防災用品給付など、高齢者向けの独自給付が多数実施されています。これらは自ら申請しないと受け取れないプル型制度がほとんどのため、市区町村の広報紙・公式サイト・地域包括支援センターでご自身が対象となる制度を必ず確認してください。


この記事のポイント
  • 対象:65歳以上(70歳・75歳でも可)の雇用保険被保険者で、被保険者期間が通算6か月以上ある人
  • 金額:基本手当日額の30日分(1年未満)または50日分(1年以上)を一括支給・上限7,255円
  • 年金との併給:老齢年金を受け取りながら同時受給できる(支給停止なし)
  • 非課税:所得税・住民税はかからない
  • 申請期限:離職日の翌日から1年以内にハローワークで手続き(受給期間延長制度なし)
  • 類似制度との違い:60〜65歳未満対象の高年齢雇用継続給付金・高年齢再就職給付金とは別制度
  • 自治体独自の高齢者支援:運転免許自主返納支援・エアコン設置支援・タクシー券・スマホ購入補助等が全国で公募中

公式ページを確認する

無料で相談する

▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する

関連記事