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高年齢求職者給付金とは?求職中の高齢者が受け取れる失業給付金・65歳以上の受給条件・計算方法・申請方法

公開日:2025/10/29 更新日:2026/9/9
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高年齢求職者給付金とは、65歳以上の雇用保険被保険者が離職したときに一括で受け取れる失業給付の一時金です。65歳未満が受け取る通常の失業手当(基本手当)に代わるもので、求職活動中の生活を支えます。「退職給付金」「高齢者退職一時金」「高齢者失業給付金」などと呼ばれることもありますが、いずれも正式名称は高年齢求職者給付金を指すのが一般的です。

「65歳を過ぎてからの離職でも、失業給付はもらえるのだろうか」――こうした不安を抱える方は少なくありません。結論から言えば、条件を満たせば年齢の上限なく、何度でも受給できます。さらに高年齢求職者給付金は老齢年金と同時に受け取れる(併給可能)点が大きな特徴で、70歳や75歳で退職した場合も同じ仕組みで受給できます。

2026年(令和8年)8月1日、雇用保険の基本手当日額が改定されました。厚生労働省の告示に基づき、65歳以上に適用される基本手当日額の上限は旧7,255円から新7,450円(+195円)へ、最低額は旧2,411円から新2,562円(+151円)へ引き上げられています。令和7年度の平均給与額が令和6年度と比べて約2.7%上昇したことによるものです。また2026年4月には在職老齢年金の支給停止調整額が51万円から65万円へ大幅に引き上げられ、働きながら年金を受け取りやすい環境が整いました。雇用保険制度では令和7年4月から自己都合退職の給付制限期間が原則1か月に短縮されています。さらにハローワークの給付以外にも、全国の市区町村で運転免許自主返納支援・エアコン設置支援・タクシー券交付・スマホ購入補助など、高齢者向けの独自給付が多数実施されています。この記事では、2026年8月1日改定後の最新数値をもとに、高年齢求職者給付金の受給条件・支給額・計算方法・申請方法を解説します。あわせて、支給を受けられないケース、66歳〜75歳の年齢別シミュレーション、混同されやすい「退職給付金」との関係、65歳以上の方が使える他の給付金・支援制度もご紹介します。

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【2026年8月改定】転職でもらえる給付金・補助金・支援金まとめ|失業手当・再就職手当の条件と金額を一覧解説

この記事の目次

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高年齢求職者給付金とは?65歳以上が受け取れる失業給付の一時金

高年齢求職者給付金とは、65歳以上の雇用保険被保険者(高年齢被保険者)が離職したときに、一時金としてまとめて支給される失業給付です。65歳未満の人が受け取る「基本手当(いわゆる失業手当)」が原則28日ごとに分割して支給されるのに対し、高年齢求職者給付金は一括で一度に支給されます。

2017年1月1日以降、65歳以上の人も新たに雇用保険に加入できるようになりました。これにより、65歳を過ぎてから就職・転職した方も雇用保険の被保険者となり、離職時にこの給付金を受け取れます。


高年齢求職者給付金のポイント
  • 対象は65歳以上の雇用保険被保険者
  • 支給は一時金(一括)。基本手当のような分割支給ではない
  • 年金と同時に受け取れる(併給可能)
  • 非課税(所得税・住民税はかからない)
  • 年齢の上限・受給回数の制限がない(70歳・75歳でも条件を満たせば何度でも受給可)
  • 2026年8月1日改定で基本手当日額の上限は7,450円、最低額は2,562円に引き上げ
  • 受給期限は離職日の翌日から1年。延長制度はない

高年齢求職者給付金の受給条件は3つ

高年齢求職者給付金を受け取るには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります

  • ①65歳以上であること……離職日時点で65歳以上の雇用保険被保険者であること。なお65歳の誕生日の前日に「65歳に達した」とみなされる点に注意が必要です。
  • ②被保険者期間が通算6か月以上あること……離職の日以前1年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が通算6か月以上あること。11日以上の月が6か月に満たない場合は、賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として計算します。
  • ③失業の状態にあること……就職したいという積極的な意思といつでも就職できる能力があり、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態にあること。

基本手当(65歳未満)は離職前2年間に通算12か月以上の被保険者期間が必要ですが、高年齢求職者給付金は離職前1年間に通算6か月以上で足ります。短時間勤務や有期雇用の方でも条件を満たしやすい設計です。これらを満たしたうえで、住所地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)で求職の申し込みと受給手続きを行います。

高年齢求職者給付金がもらえないのはどんなケース?

高年齢求職者給付金は、「就職する意思と能力がない」と判断される状態が続く限り支給されません。厚生労働省・ハローワークのリーフレットでは、原則として支給を受けられない方として次のケースが挙げられています。

支給を受けられない主なケース補足
次の就職が決まっている方すでに再就職先が確定している場合は失業状態にあたらない
家事・家業・学業に専念する方職業に就くことができない状態と判断される
自営を開始、または自営準備に専念する方求職活動中に創業の準備・検討を行う方は支給可能な場合あり
自分の名義で事業を営んでいる方事業主として活動している状態
会社の役員などに就任している方就任予定や名義だけの役員も含む
就職・就労中の方(試用期間を含む)働いている状態は失業にあたらない
パート・アルバイト中の方週の労働時間が20時間未満なら支給を受けられる場合あり
雇用保険の被保険者とならない短時間就労のみを希望する方就職の意思が十分でないと判断される
同一事業所で就職・離職を繰り返し、再び同じ事業所に就職の予定がある方実質的な雇用継続とみなされる

「完全に引退するつもりだが給付金だけ受け取りたい」という場合は対象外です。一方で、再就職が実現しなくても、働く意思をもって求職活動を続けていれば受給できます。「再就職しないともらえない」わけではない点は、誤解されやすいポイントです。

「退職給付金」「高齢者退職給付金」との違いは?高年齢求職者給付金と同じ?

「退職給付金」は法律上の正式な制度名ではなく、通称として使われている表現です。多くの場合、65歳以上の離職者が受け取る「高年齢求職者給付金」を指しています。ただし、勤務先が就業規則に基づいて支払う「退職金(退職一時金)」を指す場合もあり、意味の取り違いが起きやすい言葉です。

「退職給付金」「高齢者退職給付金」「高齢者一時金」などの検索でたどり着く方の多くが、実は雇用保険の高年齢求職者給付金を探しています。呼称と実際の制度の対応関係は次のとおりです。

よく使われる呼称実際に指しているもの支払い元
高齢者退職給付金・退職給付金高年齢求職者給付金(雇用保険の一時金)ハローワーク
高齢者一時金・高齢者退職一時金高年齢求職者給付金ハローワーク
高齢者失業保険・高齢者失業給付金高年齢求職者給付金(65歳以上は基本手当ではなくこちら)ハローワーク
雇用保険 65歳以上 一時金高年齢求職者給付金ハローワーク
退職金(退職一時金)会社独自の退職金制度勤務先の企業

「退職給付金」と会社独自の退職金は別物である点は特に混同されやすいポイントです。退職金は勤務先の就業規則に基づき企業が支払うもの、高年齢求職者給付金はハローワークが雇用保険から支給するものと、支払い元がまったく異なります。退職後にもらえるお金全体の整理は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

退職給付金とは?いくらもらえる?国からの9給付+会社の退職金を一覧解説【2026年8月改定】

基本手当・特例一時金との違いを一覧で比較

高年齢求職者給付金と混同されやすいのが「基本手当(失業手当)」と「特例一時金」です。特例一時金は季節的に雇用される「短期雇用特例被保険者」が離職したときの給付で、対象者が異なります。65歳以上の方が離職した場合は、雇用形態にかかわらず高年齢求職者給付金の対象です。

項目高年齢求職者給付金基本手当(失業手当)特例一時金
対象者65歳以上の高年齢被保険者65歳未満の一般被保険者季節的に雇用される短期雇用特例被保険者
必要な被保険者期間離職前1年間に通算6か月以上離職前2年間に通算12か月以上(会社都合等は1年間に6か月以上)離職前1年間に通算6か月以上
支給日数30日分または50日分90日〜330日(年齢・被保険者期間・離職理由による)原則30日分(当分の間は40日分)
支給方法一時金(一括)原則28日ごとに分割一時金(一括)
失業の認定1回のみ原則4週間に1回1回のみ
年金との併給できる特別支給の老齢厚生年金は支給停止できる
65歳超雇用推進助成金とは?3コースの要件・支給額を徹底比較【令和8年度版】

高年齢求職者給付金はいくらもらえる?計算方法とシミュレーション

高年齢求職者給付金の受給額は、「基本手当日額 × 支給日数(30日または50日)」で計算します。支給日数は雇用保険の加入期間で決まり、基本手当日額は退職前の賃金から算出します。被保険者であった期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分です。離職理由(自己都合・会社都合・定年)によって支給日数が変わることはありません。変わるのは支給が始まるタイミングだけです。

被保険者であった期間支給日数
1年未満基本手当日額の30日分
1年以上基本手当日額の50日分

ステップ1:賃金日額を計算する

最初に、退職前の賃金を1日あたりに換算した「賃金日額」を求めます。計算式は次のとおりです。


賃金日額 = 退職前6か月間の賃金合計 ÷ 180

賃金には、基本給のほか残業手当・通勤手当・住宅手当・役職手当など、毎月支給される諸手当を含めます。一方で、賞与(ボーナス)・退職金・慶弔見舞金など臨時に支払われるもの、3か月を超える期間ごとに支給される手当は含めません

たとえば退職前6か月の賃金合計が150万円なら、150万円 ÷ 180 = 賃金日額は約8,333円となります。

ステップ2:給付率をかけて基本手当日額を求める

賃金日額に「給付率」をかけると、1日あたりの支給額である「基本手当日額」が求められます。65歳以上に適用される給付率は、在職中の賃金が低かった人ほど高くなる(おおむね50〜80%)仕組みで、賃金日額が低い人ほど手厚く保護されます。

また、賃金日額・基本手当日額には年齢区分ごとに上限額・下限額が定められており、令和8年(2026年)8月1日に改定された金額が現在適用されています。65歳以上には30歳未満と同じ基準が適用されます。

令和8年8月1日改定後の上限・下限(65歳以上に適用)
区分賃金日額基本手当日額
上限額14,900円(旧14,510円)7,450円(旧7,255円)
下限額3,203円(旧3,014円)2,562円(旧2,411円)

たとえば賃金日額が16,000円と計算された場合でも、65歳以上は上限額の14,900円が適用され、基本手当日額は7,450円となります。反対に、賃金日額が下限額の3,203円を下回る場合は下限額が適用され、基本手当日額は2,562円です。なお下限額は、地域別最低賃金の全国加重平均額(令和8年4月1日時点で1,121円)から算出される最低賃金日額に給付率80%を乗じて決まります。賃金日額・基本手当日額の上限額と下限額は、毎月勤労統計の平均定期給与額の増減により毎年8月1日に変更される場合があります。

賃金日額別の給付率早見表(65歳以上)

65歳以上に適用される給付率は、賃金日額に応じて段階的に決まります。賃金日額が5,480円未満の方は給付率80%と手厚く、賃金日額が上がるほど給付率は50%まで下がる仕組みです。以下は令和8年8月1日改定後の給付率早見表です。

賃金日額の区分給付率基本手当日額
3,203円未満(下限)下限額 2,562円
3,203円以上 5,480円未満80%2,562円〜4,384円
5,480円以上 13,490円以下80%〜50%(賃金水準により逓減)4,384円〜6,745円
13,490円超 14,900円以下50%6,745円〜7,450円
14,900円超(上限適用)上限額 7,450円

ステップ3:支給日数をかけて受給総額を算出する

最後に、基本手当日額に支給日数(30日または50日)をかけると、受給総額の目安がわかります。以下は退職前の平均月収別のシミュレーションです(令和8年8月1日改定後の計算式で算出)。

退職前の平均月収賃金日額の目安基本手当日額1年未満(30日分)1年以上(50日分)
10万円約3,333円約2,666円約8.0万円約13.3万円
15万円約5,000円約4,000円約12.0万円約20.0万円
20万円約6,667円約5,037円約15.1万円約25.2万円
25万円約8,333円約5,776円約17.3万円約28.9万円
30万円約10,000円約6,307円約18.9万円約31.5万円
35万円約11,667円約6,630円約19.9万円約33.2万円
44.7万円以上上限14,900円上限7,450円約22.4万円約37.3万円

上記の金額は概算です。基本手当日額は賃金日額に応じて1円未満切り捨てで算出され、実際の金額はハローワークでの受給資格決定時に確認されます。なお、高年齢求職者給付金は非課税のため、所得税・住民税はかかりません。ただし、退職後の国民健康保険料や介護保険料などは別途考慮が必要です。

65歳以上の失業保険は何か月もらえる?「日数」で決まる仕組み

高年齢求職者給付金は「何か月分」ではなく「何日分」で決まり、一括で1回だけ支給されます。被保険者であった期間が1年未満なら30日分(約1か月分)、1年以上なら50日分(約1.7か月分)です。65歳未満の基本手当のように4週間ごとに繰り返し受け取るものではないため、「毎月振り込まれ続ける」ことはありません。

支給日数は被保険者期間が1年以上か未満かの2段階のみで、20年勤めても50日分が上限です。勤続年数が長いほど増えるわけではない点は、基本手当(最大330日)との大きな違いです。この特徴があるため、65歳前後で退職時期を選べる方は、受け取れる総額を比較しておくと判断しやすくなります。

66歳・68歳・70歳・75歳で退職した場合はいくら?年齢別シミュレーション

高年齢求職者給付金には年齢の上限がなく、66歳でも70歳でも75歳でも計算方法はまったく同じです。給付率・基本手当日額の上限(7,450円)・支給日数(30日または50日)は、すべて65歳以上に適用される基準が使われます。後期高齢者医療制度の対象となる75歳以上でも変わりません。

退職時の年齢適用される給付月収20万円・被保険者期間1年以上の受給額目安月収30万円・被保険者期間1年以上の受給額目安
64歳(65歳の誕生日の前々日まで)基本手当(分割・最大150日分など)年齢・被保険者期間・離職理由により変動年齢・被保険者期間・離職理由により変動
65歳高年齢求職者給付金(50日分)約25.2万円約31.5万円
66歳・67歳・68歳・69歳高年齢求職者給付金(50日分)約25.2万円約31.5万円
70歳高年齢求職者給付金(50日分)約25.2万円約31.5万円
75歳以上高年齢求職者給付金(50日分)約25.2万円約31.5万円

たとえば70歳で退職して雇用保険の被保険者期間が5年以上ある方は、賃金日額に応じた基本手当日額の50日分を一括で受け取れます。定年後にパートで働き、その勤務先で雇用保険に加入していたケースでも、離職前1年間に通算6か月以上の被保険者期間があれば受給対象です。70歳以上で自己都合退職した場合も、待期7日+給付制限1か月を経て受給できます

2021年4月から70歳以上の就業機会確保が企業の努力義務に!シニア人材活用を推進する厚労省の支援制度について紹介

高年齢求職者給付金の申請方法と受け取りまでの流れ

高年齢求職者給付金の申請は、住所地を管轄するハローワークで求職の申し込みをすることから始まります。離職後できるだけ早く手続きするのがポイントです。受け取りまでの流れは次のとおりです。

  • ①離職票を受け取る……退職後、勤務先から「雇用保険被保険者離職票-1・-2」が交付されます。届かない場合は勤務先に確認しましょう。
  • ②ハローワークで求職申し込み……離職票・マイナンバーカード・写真・本人名義の通帳などを持参し、求職の申し込みと受給手続きを行います。
  • ③受給資格の決定……ハローワークが受給資格を判断し、雇用保険受給資格者証が交付されます。
  • ④待期7日(+給付制限)……求職申込日から失業状態の日が7日間経過するまでは支給されません。自己都合退職の場合はさらに給付制限期間があります。
  • ⑤失業の認定……指定された認定日に、失業の状態にあることの確認を受けます。認定は1回のみです。
  • ⑥一括で支給……認定後、原則として指定口座に一時金が一括で振り込まれます。

高年齢求職者給付金はいつ振り込まれる?認定日から支給までの日数

高年齢求職者給付金は、失業の認定を受けてから金融機関の5〜7営業日後を目安に、指定口座へ一括で振り込まれます。基本手当のように4週間ごとの認定日はなく、認定は1回で完結するため、ハローワークに何度も足を運ぶ必要はありません。

離職理由によって、求職申し込みから振込までの期間は次のように変わります。

離職理由待期給付制限認定日の目安振込までの目安
会社都合・定年退職・特定理由離職7日なし求職申込から約3〜4週間後離職票提出から約1か月〜1か月半
自己都合(令和7年4月1日以降)7日1か月待期+給付制限の経過が見込まれる日の後離職票提出から約2か月〜2か月半
自己都合(過去5年以内に3回以上)7日3か月待期+給付制限の経過が見込まれる日の後離職票提出から約4か月前後
重責解雇7日3か月待期+給付制限の経過が見込まれる日の後離職票提出から約4か月前後

振込名義は「コウセイロウドウショウ ショクギョウアンテイキョク」となるのが一般的です。金融機関によっては名義が途中で切れて表示される場合もあります。

給付制限期間は令和7年4月から原則1か月に短縮

令和7年4月1日以降に自己都合で離職した場合、7日間の待期に加えて1か月の給付制限期間が経過するまで給付金は支給されません。令和7年3月31日以前の自己都合退職に適用されていた2か月から短縮されています。

ただし、過去5年以内に自己都合での離職・受給手続きが3回以上ある場合や、自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された場合は、給付制限期間が3か月となります。会社都合や定年退職の場合は給付制限期間がなく、7日間の待期のみで支給対象です。

受給期限は離職日の翌日から1年|遅れると日数が削られる

高年齢求職者給付金でもっとも注意したいのが受給期限です。受給期限は離職日の翌日から1年間で、基本手当のような受給期間の延長制度はありません。しかも「期限を過ぎたら全部もらえなくなる」だけでなく、期限が近づいてから手続きすると、期限をはみ出した日数分が支給されなくなります

厚生労働省のリーフレットでは、受給期限の残りが15日しかない時点で認定を受けたケースが示されています。この場合、本来50日分を受け取れる方でも支給されるのは15日分のみで、残る35日分は支給されません。


申請が遅れると損をする理由

自己都合退職では、求職申込日から待期7日+給付制限1か月が経過するまで支給されません。仮に離職から10か月経ってから手続きすると、認定日を迎えるころには受給期限の1年が目前に迫り、50日分をすべて受け取れない可能性があります。「落ち着いてから申請しよう」と先延ばしにするのは避け、離職票が届いたらすぐハローワークへ行きましょう。

雇用保険の給付金支給申請はいつまで大丈夫?

求職活動として認められる内容と回数

高年齢求職者給付金の受給には、失業認定日までに原則1回以上の求職活動実績が必要です。基本手当のように4週間ごとの認定を繰り返す必要はなく、認定は1回のみで完結します。

求職活動として認められる主な内容は次のとおりです。

  • ハローワークでの職業相談・職業紹介
  • ハローワーク主催のセミナー・就職支援講習の受講
  • 民間の職業紹介事業者を通じた求職活動(登録・相談・紹介)
  • 再就職に資する国家試験・検定などの受験
  • 企業への直接応募・面接(求人サイトからの応募も含む)

一方、単なる求人情報の閲覧や知人への相談は求職活動として認められません。求職活動をまったく行わない場合や、就職の意思がないと判断された場合は支給対象外となります。認定日に来所しなかった場合も支給されないため、指定された日には必ずハローワークへ行きましょう。

申請に必要な書類の一覧

ハローワークでの手続きには、次の書類を準備します。手続きの受付時間は平日8時30分〜17時15分ですが、求職申し込みにも時間がかかるため16時前の来所が推奨されています。

書類備考
雇用保険被保険者離職票(-1・-2)勤務先から交付される
マイナンバーカードない場合は個人番号確認書類+身元確認書類が必要
写真1枚(縦3.0cm×横2.4cm)マイナンバーカードを提示する場合は省略可能
本人名義の預金通帳・キャッシュカード振込先口座の確認用(一部の金融機関を除く)

高年齢求職者給付金と年金は同時にもらえる?併給の仕組み

高年齢求職者給付金は、老齢年金と同時に受け取れます(併給可能)。これが65歳未満の失業手当との決定的な違いです。

65歳未満の人が受け取る基本手当(失業手当)は、特別支給の老齢厚生年金との併給ができず、失業手当を受給している間は年金が支給停止になります。一方、65歳以上が受け取る高年齢求職者給付金にはこうした年金の支給停止がありません。老齢厚生年金・老齢基礎年金を受け取りながら、高年齢求職者給付金も満額受け取れます。

区分失業給付年金との関係
65歳未満基本手当(分割支給)特別支給の老齢厚生年金は支給停止
65歳以上高年齢求職者給付金(一時金)老齢年金と併給できる(停止なし)

2026年4月から在職老齢年金の支給停止調整額は65万円に引上げ

働きながら厚生年金を受け取る「在職老齢年金」の支給停止調整額は、2026年(令和8年)4月から月額51万円から65万円に引き上げられました。令和7年の年金制度改正で法定額が48万円から62万円に引き上げられ、これに名目賃金の変動に応じた改定が適用された結果です。

年金月額(基本月額)と総報酬月額相当額(賃金+直近1年の賞与÷12)の合計が65万円以下であれば、老齢厚生年金は全額受給できます。65万円を超える場合の支給停止額は「(基本月額+総報酬月額相当額-65万円)÷2」です。これにより、65歳以降にフルタイムや専門職として働きながら年金を受け取りやすい環境が整いました。

年金生活者支援給付金との組み合わせも可能

高年齢求職者給付金は、年金生活者支援給付金とも組み合わせて活用できます。年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入と所得が一定基準以下の年金受給者に、年金に上乗せして支給される給付金です。令和8年度の老齢年金生活者支援給付金の基準額は月額5,620円(前年度比+170円・+3.2%)に増額されました。

さらに、令和8年10月分からは老齢年金生活者支援給付金の所得基準額が引き上げられます。昭和31年4月2日以後に生まれた方の基準額は、80万9,000円以下から82万6,500円以下へと1万7,500円広がりました。

項目内容
令和8年度の給付基準額月額5,620円(老齢年金生活者支援給付金)
所得基準額(令和8年10月分〜)82万6,500円以下(昭和31年4月2日以後生まれ)
支給のタイミング2か月に1回、年金と同じ日に別途振込
手続き請求書(はがき)の提出が必要。自動では支給されない

高年齢求職者給付金は離職時の一時金、年金生活者支援給付金は恒久的な上乗せ給付という性質の違いがあり、両方の対象となる方は併せて活用することで生活の支えを厚くできます。

年金生活者支援給付金は月額5,620円に増額!対象者・申請方法・ハガキが届かない時の対処法【2026年度】

失業保険(基本手当)を受給中に65歳になった場合は?

失業保険(基本手当)を受給中に65歳になった場合でも、受給資格が決定した時点で64歳以下だったなら、そのまま基本手当を最後まで受給できます。途中で高年齢求職者給付金に切り替わることはありません。

一方、65歳の誕生日の前々日までに離職した場合は基本手当の対象、誕生日の前日以降に離職した場合は高年齢求職者給付金の対象となります。この誕生日の扱いは雇用保険特有のルールで、「65歳の誕生日の前日」に65歳に到達したとみなされるため、退職日の選び方によって受け取れる制度が変わります。

離職のタイミング適用される給付
基本手当の受給資格決定後、受給中に65歳になった基本手当(最後まで継続)
65歳の誕生日の前々日までに離職基本手当(被保険者期間等に応じ最大150日分)
65歳の誕生日の前日以降に離職高年齢求職者給付金(30日分または50日分)

64歳までに退職するか65歳以降に退職するか、どちらが得?

受け取れる失業給付の総額だけを比べると、64歳での退職が有利になるケースがほとんどです。64歳(65歳未満)で離職すると被保険者期間に応じて最大150日分の基本手当を分割で受け取れるのに対し、65歳以降の離職では高年齢求職者給付金の50日分にとどまるためです。

賃金日額8,000円・勤続25年のモデルケース比較

賃金日額8,000円(月収約24万円)・勤続25年・定年退職を想定した場合、64歳11か月退職と65歳退職では受け取れる総額が次のように変わります(令和8年8月1日改定後の計算式で算出)。

退職タイミング基本手当日額支給日数失業給付の総額目安受け取り方
64歳11か月退職(基本手当)約5,248円(60歳以上65歳未満の給付率)150日約78.7万円4週間ごとに分割
65歳退職(高年齢求職者給付金)約5,644円(65歳以上の給付率)50日約28.2万円一括

このケースでは差額が約50万円となり、64歳での退職が総額で上回ります。基本手当日額そのものは65歳以上のほうが高くなりますが、支給日数が150日と50日で3倍の差があるためです。

年金の支給停止が問題になるのはどんな人?

かつては「64歳で失業手当を受けると特別支給の老齢厚生年金が止まるので損」と言われていましたが、2026年時点でこの点を気にする必要があるのは、主に女性に限られます。特別支給の老齢厚生年金は段階的に廃止されており、男性は昭和36年4月2日以後生まれ、女性は昭和41年4月2日以後生まれの方が対象外だからです。

区分特別支給の老齢厚生年金64歳退職の判断
男性(昭和36年4月2日以後生まれ)対象外止まる年金がないため、64歳退職で基本手当を受けても年金への影響なし
女性(昭和41年4月1日以前生まれ)生年月日に応じて61〜64歳から受給基本手当の受給中は支給停止。年金額と失業給付を比較して判断
女性(昭和41年4月2日以後生まれ)対象外止まる年金がないため、年金への影響なし

つまり、2026年時点で64歳前後の男性は、特別支給の老齢厚生年金の対象外であるため年金の支給停止を気にせず基本手当を受け取れます。一方、対象世代の女性は、支給停止される年金額と受け取れる失業手当の額を比較して判断する必要があります。2026年4月からは在職老齢年金の支給停止調整額も51万円から65万円に引き上げられたため、65歳以降に働きながら年金を満額受け取りやすくなりました。ご自身の年金見込み額はねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。判断に迷う場合は、ハローワークや年金事務所に相談しながら退職時期を検討するとよいでしょう。

【2026年8月改定】再就職手当はいくら?月給20万・30万の計算方法と満額・支給条件を徹底解説

65歳以上は雇用保険にどう加入する?マルチジョブホルダー制度と適用拡大

65歳以上の方が雇用保険に加入する条件は、「週の所定労働時間20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込み」の2つです。この要件を満たすと「高年齢被保険者」として雇用保険に加入し、離職時に高年齢求職者給付金の対象になります。2017年1月1日以降は、65歳を過ぎて新たに就職した方も加入できるようになりました。

雇用保険マルチジョブホルダー制度は65歳以上限定

雇用保険マルチジョブホルダー制度は、2つの事業所の労働時間を合算して雇用保険に加入できる、65歳以上限定の制度です。2022年(令和4年)1月1日にスタートしました。1社だけでは週20時間に届かない方でも、次の要件を満たせば「マルチ高年齢被保険者」となれます。

  • 複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること
  • 2つの事業所それぞれで、週の所定労働時間が5時間以上20時間未満であること
  • 2つの事業所の労働時間を合計して週20時間以上になること
  • 2つの事業所それぞれで31日以上の雇用見込みがあること

この制度は労働者本人がハローワークに申し出る必要があり、事業主からの一方的な手続きはできません。加入後に2社のうち1社だけを退職した場合、残る勤務先で働き続けながら、退職した事業所の分に基づいて高年齢求職者給付金を受け取れる可能性があります。ただし、離職後も残りの勤務先で雇用保険の加入要件を満たす場合は失業状態とみなされず対象外となるため、ハローワークで確認しましょう。

2028年10月から週10時間以上で雇用保険の対象に

2024年5月に成立した改正雇用保険法により、2028年(令和10年)10月1日から雇用保険の加入要件が「週20時間以上」から「週10時間以上」に引き下げられます。これにより新たに約500万人が雇用保険の対象になる見込みです。

短時間勤務が中心のシニア世代にとって、この改正は加入のハードルが大きく下がることを意味します。週10時間以上・31日以上の雇用見込みという要件を満たせば、65歳以上でも高年齢被保険者として加入でき、離職時に高年齢求職者給付金を受給できるようになります。なお「31日以上の雇用見込み」の要件に変更はありません。

高年齢雇用継続給付金・高年齢再就職給付金との違いは?

「高年齢雇用継続給付金」「高年齢再就職給付金」は、名前が似ていますが対象年齢が60歳以上65歳未満で、65歳以降は原則対象外となる制度です。65歳以降に離職して受け取るのは高年齢求職者給付金であり、これらとは別の制度です。

制度名対象年齢目的支給形式
高年齢求職者給付金65歳以上離職時の失業給付一時金(30日または50日分)
高年齢雇用継続基本給付金60歳以上65歳未満賃金低下時の在職者支援月次(65歳になる月まで)
高年齢再就職給付金60歳以上65歳未満失業給付受給後に再就職した際の賃金補填月次(最長2年)

高年齢雇用継続給付金は2025年4月に給付率10%へ縮小

高年齢雇用継続給付金は、60歳到達時の賃金と比べて75%未満に低下した60歳以上65歳未満の労働者に、賃金の一定割合を上乗せする制度です。2025年4月1日から新たに60歳に到達する方の給付率は15%から10%に縮小されており、段階的に廃止される方針が示されています。

なお、高年齢雇用継続給付には支給限度額があり、令和8年8月1日から386,922円→397,369円に引き上げられました。支給対象月の賃金がこの額以上の場合、給付は支給されません。廃止の背景には、高年齢者雇用安定法の改正で65歳までの雇用確保が企業の義務となり、70歳までの就業機会確保が努力義務化されたことで、60〜65歳未満の賃金低下を国が補う必要性が薄れたという事情があります。

高年齢再就職給付金の支給額と要件

高年齢再就職給付金は、基本手当を受給して再就職した60歳以上65歳未満の方が、賃金の低下分を補うために受け取る給付金です。次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 60歳以降に基本手当を受給し、支給日数を100日以上残して再就職したこと
  • 再就職後の賃金が、離職前の賃金と比べて75%未満に低下したこと
  • 再就職日の前日時点で、基本手当の算定基礎期間が5年以上あること
  • 再就職先で1年を超えて雇用されることが確実であること

支給額は、2025年4月1日以降に60歳へ到達した方は賃金の最大10%(それ以前に到達した方は最大15%)です。支給期間は基本手当の支給残日数によって決まり、残日数200日以上なら2年間、100日以上200日未満なら1年間です。ただし65歳に到達した月をもって打ち切られます。

基本手当の支給残日数支給期間
200日以上再就職日の翌日から2年間(65歳到達月まで)
100日以上200日未満再就職日の翌日から1年間(65歳到達月まで)
100日未満対象外

65歳以上は再就職手当をもらえる?

高年齢求職者給付金の受給者は、再就職手当の対象になりません。再就職手当は基本手当の受給資格者が、所定給付日数を3分の1以上残して再就職した場合に支給される制度です。高年齢求職者給付金には「所定給付日数の残日数」という考え方がなく、受給後に再就職しても再就職手当は支給されません。

そのかわり、高年齢求職者給付金は受給後すぐに再就職しても、いったん支給された一時金を返す必要はありません。認定日に失業状態が確認されれば全額が確定するため、早期に再就職しても損をしない仕組みです。再就職して雇用保険に加入し直せば、次の離職時に改めて高年齢求職者給付金を受給できます。

高年齢雇用継続給付金から高年齢労働者処遇改善促進助成金へ

65歳以上が使える自治体の高齢者支援・給付金は?

65歳以上が使える自治体独自の高齢者支援・給付金は、全国で多数実施されています。運転免許自主返納者へのバス・タクシー券交付(上限最大3万円)、エアコン設置支援(上限最大11.6万円)、スマホ購入補助(1万円)、外出支援タクシー券、防災用品給付など、生活の各場面を支える制度がお住まいの市区町村で用意されている可能性があります。ハローワークの高年齢求職者給付金と並行して、こうした地元の支援制度もあわせて確認するのがおすすめです。

なお、これらの多くは住民登録・年齢要件・所得要件などがあり、自分で申請しないと受け取れないプル型です。市区町村の広報紙・公式サイト・地域包括支援センターで対象制度を必ず確認してください。

高齢者がもらえる補助金・給付金一覧【2026年最新】お金・医療・交通・スマホの支援制度を目的別に解説

運転免許自主返納者への支援金・バス券・タクシー券

運転免許自主返納者への支援は、65歳以上を対象に全国の自治体が実施している代表的な高齢者向け給付制度です。上限5,000円〜3万円相当のバス券・タクシー券・地域交通利用券が返納者に交付され、免許返納後の移動手段を確保できます。

制度・自治体給付内容
福島県西会津町「運転免許証自主返納支援事業」3万円相当
福島県喜多方市「運転免許証自主返納者支援事業」2万円
北海道北広島市「運転免許自主返納者バス等利用支援事業」20,000円相当
愛媛県松前町「運転免許自主返納支援事業」1万円相当(伊予鉄ICOCA引換券またはタクシー券20枚)
北海道様似町「高齢運転者免許自主返納支援事業」1万円
鳥取県琴浦町「運転免許自主返納支援事業」7,000円相当
埼玉県宮代町「高齢者運転免許自主返納支援事業」5,000円相当(回数券1,000円×5セット)

上記以外にも多くの市区町村で類似制度が実施されています。返納後に警察署で発行される「運転経歴証明書」を市区町村窓口に持参する流れが一般的です。

免許返納でもらえるお金は?3万円・タクシー券の特典まとめ【2026年】

高齢者向けエアコン設置支援・熱中症対策

高齢者向けエアコン設置支援は、猛暑対策・熱中症予防のため、住民税非課税世帯や75歳以上の高齢者世帯を対象に本体・設置工事費を助成する制度です。上限は5〜11.6万円と自治体によって幅があり、夏場に向けた重要な支援となっています。

制度・自治体給付内容申請終了
島根県大田市「生活困窮世帯エアコン購入費助成事業」上限116,000円(75歳以上世帯・児童扶養手当受給世帯・生活保護世帯)2026年9月30日
和歌山県高野町「高齢者世帯等エアコン設置支援事業」上限10万円(65歳以上または障害者手帳保有者を含む世帯)2026年12月28日
東京都日の出町「低所得者向けエアコン設置緊急支援事業」上限10万円(住民税非課税・均等割のみ課税世帯)2026年10月30日
東京都瑞穂町「住民税非課税世帯等エアコン設置緊急支援事業」上限100,000円2026年10月30日

高齢者の移動支援・タクシー券交付

高齢者の移動支援・タクシー券交付は、公共交通が不便な地域や75歳以上の高齢者に対して自治体が実施する制度です。免許を持たない方や運転をやめた方の外出を支えます。

制度・自治体給付内容
京都府福知山市「いきいき・おでかけ応援事業」6,000円相当(75歳以上で運転免許証を持たない方)
山口県柳井市「運賃助成券YANACA」上限24,000円(年齢により変動)
群馬県玉村町「タクシー利用補助券交付事業」60枚(1枚500円)
愛媛県久万高原町「高齢者及び障がい者移動支援事業」町内在住の高齢者・障がい者・運転免許返納者
京都府京田辺市「物価高騰対応高齢者暮らし応援事業」1,000円(65歳以上)
高齢者向け交通費助成制度まとめ【バス・タクシー・電車】最大12,000円の支援の自治体も

スマホ購入補助・在宅介護者リフレッシュ・防災など

スマホ購入補助・在宅介護者リフレッシュ・防災など、生活各場面を支える少額給付も自治体独自で実施されています。高齢者の生活を支える給付は「大きな一時金」より「小さくとも実用的な支援」の集合体である点が特徴です。

制度・自治体給付内容
香川県琴平町「高齢者スマートフォン購入補助事業」1万円
神奈川県海老名市「在宅介護者等リフレッシュ助成券」上限24,000円(要介護3〜5に認定された方の在宅介護者)
和歌山県紀の川市「家具転倒防止金具取付支援事業」高齢者のみ世帯・要介護2以上の世帯等が対象
東京都青梅市「家具転倒防止器具等支給取付事業」市内高齢者・障害者世帯等
東京都国分寺市「感震ブレーカー支給事業」65歳以上の市民ほか
岡山県高梁市「ごみ出しサポート事業」要支援・要介護認定者や身体障害者のみ世帯
スマホ購入補助金まとめ!自治体が提供するデジタル時代のシニア支援【2026年】

【高齢者向けの給付・支援を確認するコツ】
  • お住まいの市区町村の公式サイトで「高齢者 給付金」「免許返納 支援」「エアコン 補助」等で検索する
  • 地域包括支援センターで「使える制度一覧」を尋ねる
  • 市区町村の広報紙・回覧板を定期的にチェックする
  • 国の年金生活者支援給付金・介護保険の各サービスと組み合わせて活用する


高年齢求職者給付金に関するよくある質問


高年齢求職者給付金はいくらもらえますか?


高年齢求職者給付金は「基本手当日額 × 支給日数(30日または50日)」で計算します。基本手当日額は退職前6か月の賃金から算出した賃金日額に給付率(おおむね50〜80%)をかけて求めます。令和8年(2026年)8月1日改定後の基本手当日額の上限は7,450円(旧7,255円)のため、上限が適用される場合の受給額は50日分で約37.3万円が目安です。月収20万円なら約25.2万円、月収30万円なら約31.5万円が50日分の目安になります。被保険者期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分が支給されます。



高年齢求職者給付金の受給条件は何ですか?


受給には3つの条件があります。①離職日時点で65歳以上の雇用保険被保険者であること、②離職の日以前1年間に賃金支払基礎日数11日以上(または賃金支払いの基礎となった時間数80時間以上)の月が通算6か月以上あること、③就職する意思と能力があり求職活動をしている「失業の状態」にあること、の3つです。基本手当が離職前2年間に通算12か月以上を求めるのに対し、高年齢求職者給付金は1年間に6か月以上で足ります。これらを満たしたうえで住所地を管轄するハローワークで求職の申し込みと受給手続きを行います。



高年齢求職者給付金は再就職しなくてももらえますか?


再就職が実現しなくても受給できます。要件は「再就職したこと」ではなく「就職したいという積極的な意思といつでも就職できる能力があり、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態」にあることだからです。ただし、次の就職がすでに決まっている方、家事・家業・学業に専念する方、自営を開始または準備に専念する方、会社の役員に就任している方、就労中の方などは原則として支給を受けられません。就職の意思がまったくない完全引退の状態も対象外です。



求職活動をしないと高年齢求職者給付金はもらえませんか?


求職活動の実績が必要です。失業認定日までに原則1回以上の求職活動(ハローワークでの職業相談・職業紹介、就職支援セミナー受講、民間職業紹介事業者への登録・相談、企業への直接応募・面接、再就職に役立つ国家試験の受験など)が求められます。単なる求人情報の閲覧や知人への相談は求職活動として認められません。認定は1回のみで完結するため、基本手当のように4週間ごとに実績を積む必要はありません。



65歳以上の失業保険は何か月もらえますか?


「何か月分」ではなく「何日分」で決まり、一括で1回だけ支給されます。被保険者であった期間が1年未満なら30日分(約1か月分)、1年以上なら50日分(約1.7か月分)です。65歳未満の基本手当のように4週間ごとに繰り返し受け取るものではないため、毎月振り込まれ続けることはありません。また支給日数は1年以上か未満かの2段階のみで、勤続20年でも30年でも50日分が上限です。



高年齢求職者給付金は70歳以上でももらえますか?


もらえます。高年齢求職者給付金には年齢の上限がないため、66歳・68歳・70歳・75歳で離職した場合も、被保険者期間6か月以上などの受給条件を満たせば同じ計算式で受給できます。給付率・基本手当日額の上限(令和8年8月1日改定後7,450円)・支給日数(30日または50日分)はすべて65歳以上に適用される基準です。定年後にパートで働き、その勤務先で雇用保険に加入していたケースでも対象となります。70歳以上の自己都合退職でも、待期7日と給付制限1か月を経て受給できます。



高年齢求職者給付金は年金と同時にもらえますか?


同時に受け取れます(併給可能)。65歳未満が受け取る基本手当は特別支給の老齢厚生年金と併給できず年金が支給停止になりますが、65歳以上が受け取る高年齢求職者給付金にはこの支給停止がありません。老齢厚生年金・老齢基礎年金を受け取りながら、高年齢求職者給付金も満額受け取れます。2026年4月からは在職老齢年金の支給停止調整額が51万円から65万円に引き上げられ、年金生活者支援給付金(令和8年度基準額:月額5,620円)とも組み合わせて活用できます。



高年齢求職者給付金はいつ振り込まれますか?


失業の認定を受けたあと、認定日から金融機関の5〜7営業日後を目安に指定口座へ一括で振り込まれます。会社都合や定年退職の場合は待期7日のみのため、離職票の提出から1か月〜1か月半程度が目安です。自己都合退職の場合は待期7日に加えて給付制限1か月があるため、2か月〜2か月半程度かかります。振込名義は「コウセイロウドウショウ ショクギョウアンテイキョク」となるのが一般的です。



申請が遅れると高年齢求職者給付金は減りますか?


減ることがあります。受給期限は離職日の翌日から1年で、基本手当のような受給期間の延長制度はありません。期限が近づいてから手続きすると、受給期限をはみ出した日数分は支給されなくなります。厚生労働省のリーフレットでは、受給期限の残りが15日の時点で認定を受けた場合、50日分のうち15日分しか支給されず残る35日分は支給されない例が示されています。離職票が届いたらできるだけ早くハローワークで手続きしましょう。



高年齢求職者給付金は何回でも受給できますか?


受給回数に制限はありません。条件を満たせば、離職するたびに何度でも受給できます。65歳以降に再就職して雇用保険に加入し、再び離職した場合も、離職前1年間に通算6か月以上の被保険者期間があれば改めて高年齢求職者給付金を受け取れます。基本手当のように「1回の受給資格で所定給付日数を使い切る」形ではなく、離職の都度手続きするイメージです。



高年齢求職者給付金に税金はかかりますか?


高年齢求職者給付金は非課税です。所得税・住民税はかからず、確定申告で収入として申告する必要もありません。そのため、表示される受給額がほぼそのまま手元に残ります。ただし退職後は、在職中は会社と折半だった国民健康保険料や介護保険料が全額自己負担になるため、受給額だけでなくこうした支出も合わせて家計を試算しておくと安心です。



自己都合退職の給付制限期間はどう変わりましたか?


令和7年4月1日以降に自己都合で離職した場合、給付制限期間は従来の2か月から原則1か月に短縮されました。令和7年3月31日以前の自己都合退職には2か月が適用されます。ただし、過去5年以内に自己都合での離職・受給手続きが3回以上ある場合や、自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された場合は給付制限期間が3か月です。会社都合退職や定年退職の場合は給付制限期間がなく、7日間の待期のみで支給対象となります。



パートやアルバイトでも高年齢求職者給付金はもらえますか?


雇用保険に加入していれば、パート・アルバイトでも受給できます。雇用保険の加入条件は「週20時間以上の勤務」「31日以上の雇用見込み」です。これを満たして雇用保険の被保険者となっている65歳以上の方が、離職前1年間に通算6か月以上の被保険者期間を満たせば、雇用形態にかかわらず対象となります。なお2028年10月1日からは加入要件が週10時間以上に引き下げられ、対象がさらに広がる予定です。



2か所で働いている場合も高年齢求職者給付金の対象になりますか?


雇用保険マルチジョブホルダー制度を利用していれば対象になります。この制度は65歳以上限定で、2つの事業所それぞれの所定労働時間が週5時間以上20時間未満、合計で週20時間以上、それぞれ31日以上の雇用見込みがある場合に、本人がハローワークへ申し出て「マルチ高年齢被保険者」となる仕組みです。2社のうち1社だけを退職した場合も、退職した事業所の分に基づいて高年齢求職者給付金を受け取れる可能性があります。ただし離職後も残る勤務先で加入要件を満たす場合は対象外です。



65歳の誕生日前後で受け取れる給付は変わりますか?


変わります。雇用保険では65歳の誕生日の前日に「65歳に達した」とみなされます。そのため、誕生日の前々日までに離職すると65歳未満として基本手当の対象になり、誕生日の前日以降に離職すると高年齢求職者給付金の対象になります。受け取れる総額だけを比べると、基本手当(被保険者期間等に応じ最大150日分)のほうが高年齢求職者給付金(最大50日分)を大きく上回るケースがほとんどです。ただし高年齢求職者給付金は年金と併給できるため、年金額を含めて総額で判断しましょう。



失業保険を受給中に65歳になったら給付は打ち切られますか?


打ち切られません。基本手当の受給資格が決定した時点で64歳以下だった場合、そのまま所定給付日数を最後まで受給できます。途中で高年齢求職者給付金に切り替わることはなく、基本手当のルールがそのまま続きます。ただし特別支給の老齢厚生年金の対象世代の方は、基本手当の受給中は年金が支給停止となる状態も続きます。



高年齢求職者給付金を受給したあとに再就職手当はもらえますか?


再就職手当の対象にはなりません。再就職手当は基本手当の受給資格者が所定給付日数を3分の1以上残して再就職した場合に支給される制度で、高年齢求職者給付金には「所定給付日数の残日数」という考え方がないためです。ただし、受給後すぐに再就職しても一時金を返還する必要はありません。認定日に失業状態が確認された時点で全額が確定するため、早期の再就職で損をすることはありません。



高年齢雇用継続給付金や高年齢再就職給付金との違いは何ですか?


対象年齢と目的が異なります。高年齢求職者給付金は65歳以上の離職者向けの一時金です。一方、高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金は60歳以上65歳未満の在職者・再就職者向けで、60歳到達時より賃金が75%未満に低下した場合に月次で支給されます。高年齢再就職給付金は基本手当の支給日数を100日以上残して再就職した方が対象で、残日数200日以上なら2年間、100日以上200日未満なら1年間支給されます。なお2025年4月1日以降に新たに60歳へ到達する方の給付率は15%から10%に縮小され、段階的に廃止される方針です。



「高齢者給付金50万円」という制度はありますか?


65歳以上を対象に一律50万円を支給する国の制度はありません。高年齢求職者給付金の上限は基本手当日額7,450円の50日分=約37.3万円です。50万円という金額は、複数の給付や自治体独自の支援を合算した試算、または企業向けの助成金(65歳超雇用推進助成金など事業主が受け取るもの)と混同されているケースが多く見られます。ご自身が受け取れる金額は、退職前6か月の賃金と雇用保険の被保険者期間から計算して確認しましょう。



2026年8月1日の基本手当日額改定でいくら増えましたか?


令和7年度の平均給与額が令和6年度と比べて約2.7%上昇したことを受け、令和8年(2026年)8月1日から基本手当日額が引き上げられました。65歳以上に適用される上限額は旧7,255円から新7,450円(+195円)、最低額は旧2,411円から新2,562円(+151円)です。基本手当日額の上限で50日分を受け取る場合、改定前の約36.3万円から改定後は約37.3万円となり、約1万円増えた計算になります。賃金日額の上限も14,510円から14,900円に引き上げられました。



高年齢求職者給付金以外に65歳以上が受け取れる給付金はありますか?


国の恒久制度としては老齢基礎年金・老齢厚生年金と年金生活者支援給付金(令和8年度基準額:月額5,620円)があります。加えて、全国の市区町村では高齢者向けの独自給付が多数実施されています。代表例として、運転免許自主返納者へのバス・タクシー券交付(上限5,000円〜3万円)、75歳以上・非課税世帯向けエアコン設置支援(上限最大11.6万円)、高齢者向けタクシー券交付(上限最大2.4万円)、スマホ購入補助(1万円)、在宅介護者リフレッシュ助成、家具転倒防止金具取付支援などがあります。お住まいの市区町村の公式サイトや地域包括支援センターにお問い合わせください。



運転免許を自主返納すると受けられる給付金はありますか?


多くの市区町村で運転免許自主返納者向けの支援制度が実施されています。上限額は自治体により5,000円相当〜3万円相当と幅があり、バス回数券・タクシー券・ICカードチャージ引換券などの形で交付されるのが一般的です。福島県西会津町(3万円相当)、福島県喜多方市(2万円)、北海道北広島市(20,000円相当)、愛媛県松前町・北海道様似町(1万円相当)などが例として挙げられます。返納後に警察署で「運転経歴証明書」の交付を受け、市区町村の担当窓口で申請するのが一般的な流れです。



まとめ|65歳以上の離職時は高年齢求職者給付金を活用しよう

高年齢求職者給付金は、65歳以上で離職した方が受け取れる失業給付の一時金です。被保険者期間に応じて基本手当日額の30日分または50日分が一括で支給され、令和8年(2026年)8月1日改定後の基本手当日額の上限は7,450円(旧7,255円から+195円)、最低額は2,562円です。「退職給付金」「高齢者一時金」などと呼ばれることもありますが、正式名称は高年齢求職者給付金であり、66歳・70歳・75歳で離職した場合も同じ仕組みで受給できます。

最大の特徴は、老齢年金と同時に受け取れる「併給」が可能な点です。2026年4月の在職老齢年金の支給停止調整額引き上げ(51万円→65万円)や、年金生活者支援給付金の月額5,620円への増額もあり、シニア世代の生活を支える制度はより手厚くなっています。一方で、受給期限は離職日の翌日から1年で延長制度がなく、手続きが遅れると受け取れる日数が削られます。離職票が届いたら、できるだけ早くハローワークで求職の申し込みを行いましょう。

また、60歳以上65歳未満が対象の高年齢雇用継続給付金・高年齢再就職給付金とは別制度である点、高年齢求職者給付金の受給者は再就職手当の対象外である点にも注意が必要です。ハローワークの給付制度と並行して、お住まいの市区町村では運転免許自主返納支援・エアコン設置支援・タクシー券交付・スマホ購入補助・防災用品給付など、高齢者向けの独自給付が多数実施されています。これらは自ら申請しないと受け取れないプル型制度がほとんどのため、市区町村の広報紙・公式サイト・地域包括支援センターでご自身が対象となる制度を必ず確認してください。


この記事のポイント
  • 対象:65歳以上(70歳・75歳でも可)の雇用保険被保険者で、離職前1年間に通算6か月以上の被保険者期間がある人
  • 金額:基本手当日額の30日分(1年未満)または50日分(1年以上)を一括支給・上限7,450円/下限2,562円(2026年8月1日改定)
  • 年金との併給:老齢年金を受け取りながら同時受給できる(支給停止なし)
  • 非課税:所得税・住民税はかからない
  • 申請期限:離職日の翌日から1年以内にハローワークで手続き(延長制度なし・遅れると日数が減る)
  • もらえないケース:次の就職が決まっている・自営を開始した・役員に就任した・就労中など
  • 「退職給付金」との関係:通称であり、多くの場合は高年齢求職者給付金を指す(会社の退職金とは別物)
  • 類似制度との違い:60〜65歳未満対象の高年齢雇用継続給付金・高年齢再就職給付金とは別制度。再就職手当の対象にもならない
  • 自治体独自の高齢者支援:運転免許自主返納支援・エアコン設置支援・タクシー券・スマホ購入補助等が全国で実施中

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