近年、人手不足を背景とした企業の採用意欲の高まりや、積極的な賃上げ、リスキリング支援の拡充などにより、転職市場はかつてないほど活発化しています。こうした環境下で、失業保険を受け取りながら次の一歩を模索している方にとって、最も関心の高い制度の一つが「再就職手当」ではないでしょうか。
再就職手当は、早期に仕事を見つけた方への「就職祝い金」とも言える一時金です。所定給付日数を残して就職した場合、その残日数分の基本手当を最大70%まで前倒しでまとめて受け取れるため、新しい職場での生活準備を支える大きな後ろ盾となります。
しかし、この手当を受け取るには「失業保険の残日数が足りているか」「就職経路は適切か」「内定日はいつになるか」「必要書類は何か」といった、複雑で厳格なハードルをクリアしなければなりません。せっかく早期に就職が決まったのに、「要件を勘違いしていた」「申請期限を過ぎてしまった」という理由で、数十万円単位の手当を受け取り損ねてしまうケースも少なくありません。
そこで今回は、「再就職手当の支給要件と計算方法」を軸に、「月給20万円・30万円でいくらもらえるか」「満額はいくらか」「内定日はどう扱われるか」「ハローワーク以外で仕事を見つけた場合はどうなるか」「必要書類は何か」「いつ振り込まれるか」「もらわない方がいいケースはあるか」まで、2026年度の最新情報に基づいて徹底解説します。
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この記事の目次
再就職手当とは?早期再就職に支給される「就職祝い金」
再就職手当とは、雇用保険(失業保険)の基本手当の支給残日数を一定以上残して早期に再就職を決めた際、国から支給される一時金です。基本手当(いわゆる失業手当)を毎月分割で受け取る代わりに、残日数分をまとめて先取りできる制度で、「就職祝い金」「早期就職手当」と呼ばれることもあります。
2026年現在、労働流動性の高まりや政府によるリスキリング支援の拡充を背景に、キャリアアップを目的とした早期の転職が推奨されています。再就職手当は、こうした「意欲的な再スタート」を経済的にバックアップするための制度であり、早く決めるほど多くの金額を受け取れる仕組みになっています。
再就職手当を受け取るための大前提
再就職手当を申請するためには、就職が決まる前にハローワークで失業保険の「受給手続き(求職申込み)」を済ませていなければなりません。「ハローワークに行かずに自力で転職先を決めた」場合や、「退職前にすでに内定していた」場合は受給対象外となってしまうため、退職後は速やかに手続きを行うことが鉄則です。
また、申請窓口は住所地を管轄するハローワークで、市役所や区役所では受け付けていません。マイナンバーカードを用いた「オンライン申請(e-Gov)」も普及しており、以前よりも利便性が向上しています。
失業保険(基本手当)と再就職手当はどちらが得?
結論として、残日数の1/3以上を残して就職する見込みがあるなら、再就職手当を選ぶ方が総額で得になるケースが多いです。失業保険には「最後までじっくりもらう」選択肢と、「早く決めて手当をもらう」選択肢があります。その違いを整理しました。
| 比較項目 | 最後まで受給する場合 | 再就職手当を受け取る場合 |
|---|---|---|
| 支給の目的 | 失業中の生活保障 | 早期就職の奨励・促進 |
| 受け取り方 | 4週間に一度の認定後に分割 | 就職後に一括(一時金) |
| 受給できる期間 | 所定給付日数の最終日まで | 就職後1〜2か月で振込 |
| 主なメリット | 再就職先をじっくり探せる | 再就職直後の生活資金を厚くできる |
| 最大の特徴 | 支給残日数がなくなれば終了 | 早く決めるほど支給額が多くなる |
なお、再就職手当を受給すると残っていた基本手当は打ち切りになります。しかし、その分を60%または70%の率で先取りできるため、早期に就職先が決まる見込みがある方は再就職手当を選択した方が有利です。
再就職手当はいくらもらえる?計算方法と月給別シミュレーション
再就職手当の金額は、「基本手当日額 × 支給残日数 × 支給率(60%または70%)」で計算します。所定給付日数の1/3以上を残して就職すると支給率60%、2/3以上を残していると支給率70%が適用されます。
基本手当日額と上限額
「基本手当日額」とは、離職する直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金(賞与を除く)の合計を180で割った金額(賃金日額)の、およそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)相当の金額です。給付率は賃金水準が低いほど高く(最大80%)、賃金水準が高いほど低く(50%)設定されています。
なお、再就職手当に係る基本手当日額には上限額があります。2025年8月1日に改定された以下の額が、2026年7月31日まで適用されます。
| 区分 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|
| 離職時の年齢が60歳未満の方 | 6,570円 |
| 離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方 | 5,310円 |
上限額は毎年8月1日に改定される場合があり、2026年8月1日以降に適用される額については、厚生労働省の最新発表をご確認ください。
月給別・所定給付日数別の受給額シミュレーション
「再就職手当 月給20万 いくら」「再就職手当 満額 いくら」という検索が多く寄せられています。月給(税込)と所定給付日数・就職タイミング別の目安を示します。
基本手当日額は「月給×6か月÷180×給付率(50〜80%)」で算出されます。給付率は年齢・賃金水準によって異なるため、ここでは給付率60%を目安として計算しています。実際の額はハローワークへご確認ください。
| 月給(税込) | 基本手当日額の目安 | 所定給付日数90日・2/3以上残存(支給率70%) | 所定給付日数90日・1/3〜2/3残存(支給率60%) |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約4,000円 | 約252,000円 | 約108,000円(残45日の場合) |
| 25万円 | 約5,000円 | 約315,000円 | 約135,000円(残45日の場合) |
| 30万円 | 約6,000円 | 約378,000円 | 約162,000円(残45日の場合) |
| 35万円以上 | 上限6,570円が適用 | 約413,910円(上限) | 約177,390円(残45日の場合・上限) |
所定給付日数別|満額(最大額)はいくら?
再就職手当の満額(最大額)は、所定給付日数の全日数を残して待期期間直後に就職した場合に受け取れます。所定給付日数別の満額目安(60歳未満・基本手当日額の上限6,570円で計算)は以下のとおりです。
| 所定給付日数 | 支給率70%適用時の満額目安 | 支給率60%(残1/3の場合) |
|---|---|---|
| 90日 | 約413,910円 | 約118,260円(残30日) |
| 120日 | 約551,880円 | 約157,680円(残40日) |
| 150日 | 約689,850円 | 約197,100円(残50日) |
| 180日 | 約827,820円 | 約236,520円(残60日) |
| 240日 | 約1,103,760円 | 約315,360円(残80日) |
| 270日 | 約1,241,730円 | 約354,780円(残90日) |
| 330日 | 約1,517,670円 | 約433,620円(残110日) |
自己都合退職の一般的な所定給付日数は90〜150日、会社都合退職では最大330日となります。所定給付日数は年齢・被保険者期間・離職理由により異なるため、雇用保険受給資格者証で確認してください。
計算例:基本手当日額4,000円・所定給付日数90日の場合
給付制限期間が経過した後すぐに就職した場合(支給残日数が所定給付日数の2/3以上残っている場合)の計算方法は以下のとおりです。
| 4,000円×90日×70%=252,000円 |
この例の場合、所定給付日数90日に対し、給付制限期間中に再就職が決まっています。よって、基本手当の支給残日数はそのまま90日となり、支給率は70%が適用されます。
再就職手当の8つの受給条件
再就職手当を受けるためには、以下のすべての要件を満たしている必要があります。
- 7日間の待期期間満了後に就職している
- 基本手当の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上残っている
- 離職した前の事業主に再び就職していない(グループ会社も対象外)
- 給付制限がある人は、待期期間満了後1か月間はハローワーク等の紹介によって就職している
- 1年を超えて勤務することが確実
- 雇用保険の被保険者になっている
- 過去3年以内の就職で、再就職手当又は常用就職支度手当を受けていない
- 求職申込み前から採用が内定していた就職ではない
7日間の待期期間満了後に就職している
再就職手当を受け取るためには、ハローワークで失業保険の受給手続きをした上で、7日間の待期期間を満了した後に就職、又は事業を開始している必要があります。
なお、待期期間中に仕事等をしたことにより失業の状態でなかった日や、失業の認定を受けていない日については、待期期間に含まれないので注意が必要です。待期期間中に内定が出ること自体は問題ありませんが、就職日(入社日)が待期期間満了後である必要があります。
基本手当の支給残日数が所定給付日数の1/3以上残っている
就職日の前日まで失業していたという認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上残っている状態で再就職する必要があります。所定給付日数とは失業保険を受け取れる期間、支給残日数とは所定給付日数から就職日の前日までを引いた残り日数を指します。

所定給付日数が90日の場合、1/3である30日間以上残っている時点で再就職すると、再就職手当の対象となります。支給残日数が多いほど、受け取れる再就職手当の額が増えるため、可能な限り早めの再就職がおすすめです。
給付制限がある人は、待期期間満了後1か月間はハローワーク等の紹介によって就職している
自己都合等により退職した人は、待期期間満了後に給付制限があります。2025年4月改正により原則1か月に短縮されました(ただし5年以内に3回以上の自己都合退職の場合は3か月)。

給付制限中に、知人の紹介や新聞広告等の募集により就職した場合、再就職手当の対象外です。待期期間満了後1か月を経過した後は、知人の紹介や新聞広告等を経由して就職した場合でも受給対象となります。自営を開始した場合も同様に、待期期間満了後1か月経った後の開業が対象です。
離職理由が倒産・解雇等により給付制限がない場合、待期期間経過後であれば、就職の経路は問われません。なお、教育訓練を受けたこと等により給付制限が解除された場合も、待期期間満了後の1か月間は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職することが必要です。
離職した前の事業主・グループ会社に再就職していない
離職する前に働いていた事業主ではなく、新たに違う会社に再就職した場合、再就職手当の受給対象となります。以前働いていた会社に再び就職した場合や、離職した前の事業主と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがある事業主(グループ会社・関連会社)に就職した場合は、再就職手当を受け取ることはできません。
「同じグループの別会社に転籍したから大丈夫」と思われがちですが、実質的な雇用主が変わっていないと判断されると対象外になります。転籍・出向による就職を検討している場合は、事前にハローワークへ確認しましょう。
1年以上勤務することが確実
再就職手当を受けるには、再就職先で1年以上続けて勤務することが確実である必要があります。短期の派遣など、数ヶ月以内の離職が確定している場合は対象外です。パート・アルバイトであっても、1年以上の雇用契約または更新見込みがあり、雇用保険に加入する働き方であれば対象となります。
一方、生命保険会社の外務員や損害保険会社の代理店研修生のように、1年以下の雇用期間を定め、雇用契約の更新にあたって一定の目標達成が条件付けられている場合には再就職手当の対象外となります。
雇用保険の被保険者になっている
新たな就職先で、原則として、雇用保険の被保険者になっている必要があります。雇用保険に加入できない働き方(週の所定労働時間が20時間未満のパート、日雇い労働、31日以上の雇用見込みがない短期雇用等)の場合は、再就職手当の支給対象外です。
なお、事業を開始(起業・独立)した場合は、雇用保険の被保険者ではありませんが、要件を満たせば再就職手当の対象となります(ウーバーイーツ等の業務委託は雇用契約ではないため、原則対象外です)。
過去3年以内の就職で、再就職手当又は常用就職支度手当を受けていない
過去3年以内の就職で、再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがない人が再就職手当の支給対象です。以前に再就職手当をもらっている場合には、3年間は再就職手当の支給を受けることができません。
起算日は「前回の再就職手当の対象となった就職日」です。一例として、2023年10月1日に就職して再就職手当をもらった場合は、2026年10月1日までに就職した場合は対象外となります。
求職申込み前から採用が内定していた就職ではない
再就職手当は、受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主への就職は対象となりません。受給資格決定日とは、ハローワークで離職票の提出と求職の申込みを行った日です。つまり、ハローワークで失業保険の手続きをした日以前に採用が内定していた場合、再就職手当の対象外となります。
「口約束の内定」であっても、事業主から「採用します」と明確に伝えられていた場合は内定とみなされる可能性があります。トラブルを避けるため、退職後は真っ先にハローワークで手続きを済ませ、その後で応募・内定を受けるようにしましょう。
再就職手当の申請に必要な3つの書類
「再就職手当 必要書類」はよく検索されるキーワードです。申請時に必要な書類を事前に把握しておくことで、手続きをスムーズに進めることができます。
- 再就職手当支給申請書(ハローワークの窓口または厚生労働省のウェブサイトから入手)
- 雇用保険受給資格者証(失業保険の手続き時にハローワークから交付されたもの)
- 採用証明書(再就職先の事業主に記入・押印してもらう書類)
申請期限は就職日の翌日から1か月以内
再就職手当の申請期限は、原則として「就職した日の翌日から1ヶ月以内」と定められています。しかし、もしこの期限を過ぎてしまった場合でも諦める必要はありません。雇用保険の給付金には「2年の時効」が設けられており、就職日の翌日から2年以内であれば申請可能です。
とはいえ、期限を過ぎるとハローワークとのやりとりが煩雑になったり、事業主からの証明書取得に時間がかかったりするため、原則の1か月以内の申請が推奨されます。
郵送・電子申請・代理人による申請方法
再就職手当の申請は、窓口だけでなく郵送・電子申請・代理人による申請にも対応しています。仕事等でハローワークに行けない場合でも、複数の方法から選べます。
| 申請方法 | 特徴・注意点 |
|---|---|
| 窓口持参 | その場で書類の不備を確認できるため、確実に手続きが進む。就職前後は在職期間が短く時間が取りにくいのが難点。 |
| 郵送(普通郵便可) | 普通郵便でも受付可能だが、書類紛失リスクを避けるため簡易書留やレターパックを推奨。消印有効ではなく「到達」が期限判定の基準。 |
| 電子申請(e-Gov) | マイナンバーカードとPCまたはスマホがあれば24時間申請可能。2026年現在、利用が推奨されている。 |
| 代理人による申請 | 本人の委任状があれば、家族等の代理人が窓口で手続き可能。委任状には代理人の氏名・住所、委任内容を記載する必要がある。 |
再就職手当はいつ振り込まれる?審査内容と支給スケジュール
再就職手当は、新しい職場で働き始めてすぐに振り込まれるわけではありません。申請後にハローワークによる厳正な審査(在籍確認等)が行われるため、申請から振込まで「約1ヶ月〜2ヶ月」が目安です。
申請から振込までのスケジュール目安
手続きのスピードは、ハローワーク側の審査状況や、再就職先への在籍確認の早さに左右されます。
| フェーズ | 所要期間の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| ① 支給申請 | 就職の翌日から1ヶ月以内 | 必要書類をハローワークへ提出(郵送・電子申請も可)。 |
| ② 審査・在籍確認 | 約2週間〜4週間 | ハローワークが再就職先に在籍状況などを確認。 |
| ③ 支給決定通知 | 審査完了後すぐ | 自宅に「支給決定通知書」が届く。 |
| ④ 指定口座へ振込 | 通知書受領から約1週間以内 | 通知書に記載された金額が振り込まれる。 |
審査では何を調べる?在籍確認の内容
ハローワークによる審査では、「再就職先に本当に在籍しているか」「1年以上勤務する見込みがあるか」「雇用保険に加入しているか」を中心に確認されます。多くの場合、ハローワーク職員が再就職先の事業所へ電話で在籍確認を行います。
不正受給を疑われるようなケース(求職申込み前の内定・グループ会社への就職・実質的な短期雇用等)では追加の書類提出や事情聴取を求められることもあります。事業主に「ハローワークから在籍確認の電話が来る可能性がある」と事前に伝えておくとスムーズです。
「職業安定局」からの入金=再就職手当
再就職手当の振込元名義は、通帳やインターネットバンキングに「ショクギョウアンテイキョク」「職業安定局」と表示されます。基本手当(失業手当)と同じ名義で振り込まれるため、「知らない機関からの入金だが大丈夫か」と不安に思う方もいますが、これがハローワークからの振込であることを覚えておくと安心です。
支給決定通知書と支払明細書
振込に先立ち、自宅に「就業促進手当支給決定通知書」が郵送されます。通知書には支給額・振込予定日・雇用保険受給資格者証の返送要領などが記載されているため、大切に保管しましょう。振込までに1週間程度を要するため、通知書が届いてもすぐに口座残高が増えるわけではない点は把握しておく必要があります。
内定日・就職経路のよくある疑問
「再就職手当 内定日 ずらしてもらう」「ハローワーク以外で仕事を見つけた場合」などの検索が多く寄せられています。受給可否に直結する論点を整理します。
内定日と就職日はどっち?基準になるのは「就職日」
再就職手当の計算上、支給残日数のカウント基準は「就職日(入社日)」です。内定日ではありません。
- 内定日:採用が正式に決定した日(採用通知を受けた日)
- 就職日:実際に雇用関係が始まった日(入社日)
内定日をずらしてもらうのはOK?
結論として、実際の内定日を意図的に変更する行為は不正受給にあたる可能性があり、避けるべきです。採用証明書に記載する内定日・就職日は、事実に基づいて記載しなければなりません。
待期期間中に内定が出た場合でも、就職日(入社日)が待期期間満了後になっていれば受給要件を満たすため、あえて日付を操作する必要はありません。不明点はハローワークに相談しましょう。
ハローワーク以外(転職エージェント・自己応募)で仕事を見つけた場合は?
「ハローワーク以外で仕事を見つけた場合」「自分で仕事を見つけた場合」も、再就職手当を受け取れるケースがあります。就職経路と離職理由の組み合わせで受給可否が変わります。
| 離職理由 | 就職時期 | 就職経路 | 受給可否 |
|---|---|---|---|
| 会社都合(倒産・解雇等) | 待期期間(7日間)経過後 | ハローワーク・転職エージェント・自己応募など問わない | ○ 受給可 |
| 自己都合 | 給付制限中〜待期後1か月以内 | ハローワーク・職業紹介事業者経由のみ | ○ 受給可 |
| 給付制限後1か月経過後 | ハローワーク・転職エージェント・自己応募・知人紹介など問わない | ○ 受給可 | |
| 自己都合 | 給付制限中〜待期後1か月以内 | 自己応募・知人紹介・求人広告等 | ✕ 受給不可 |
つまり、転職エージェント(民間の職業紹介事業者)経由は「ハローワーク等の紹介」に含まれるため、給付制限中でも1か月以内なら対象になります。マイナビ転職・リクナビNEXT等の求人サイトを閲覧して自己応募した場合は「自己応募」扱いとなるため、給付制限後1か月経過後の就職のみ対象です。
次の仕事が決まっている場合・退職前に内定済みの場合は?
退職前・ハローワーク手続き前にすでに転職先が決まっている場合は、原則として再就職手当の対象外となります。再就職手当の要件のひとつに「求職申込み前から採用が内定していた就職ではないこと」があるためです。
ハローワークで失業保険の手続き(受給資格決定)をした日より前に内定が出ていた場合は対象外です。ただし、ハローワーク手続き後に応募・内定した場合は対象になりますので、転職活動はハローワークへの手続きが完了してから行うことが重要です。
再就職手当のデメリット・注意点
「再就職手当 デメリット」「再就職手当 もらわない方がいい」という検索も多く寄せられています。メリットが多い制度ですが、受給前に把握しておきたい注意点もあります。
- 失業保険の残日数を使い切れなくなる:再就職手当を受け取ると、残りの失業保険は支給されなくなります。再就職後すぐに退職した場合でも、失業保険の残りを受け取ることは原則できません。
- 過去3年以内は再度受給できない:受給後3年間は同制度を利用できません。短期間で転職を繰り返す場合は注意が必要です。
- 1年以内の退職でも原則返還不要だが…:受給後に短期離職しても原則返還は求められませんが、当初から短期離職が分かっていた場合は不正受給とみなされる場合があります。
- 就業促進定着手当への影響:再就職後の賃金が前職より低下した場合に受け取れる「就業促進定着手当」は、2025年4月の改正で上限が支給残日数の20%に引き下げられました。
「再就職手当をもらわない方がいい」ケースはある?
結論として、受給要件を満たしている場合は基本的に受給した方が得です。ただし、以下のケースでは受給を慎重に検討する余地があります。
- 再就職先で1年以内に退職する可能性が高いと分かっている場合(不正受給リスク)
- 再就職後の賃金が前職より大幅に下がる見込みで、就業促進定着手当をフル活用したい場合(再就職手当の受給が就業促進定着手当の計算上限に影響)
- 再就職手当より、基本手当をフルに受給しながら職業訓練を受けて教育訓練支援給付金を狙う方が総額で得と試算できる場合
とはいえ、これらは例外的なケースであり、多くの方にとっては再就職手当を受給する方がメリットが大きい制度です。
再就職手当と合わせて確認したい「就業促進定着手当」
再就職手当を受給した後、再就職先で6か月以上継続して勤務し、かつ再就職後の賃金が離職前よりも低下していた場合に「就業促進定着手当」を受け取れる場合があります。
支給額は「基本手当日額 × 支給残日数 × 20%」を上限とし、低下した賃金の6か月分が支給されます。なお、2025年4月の法改正により、従来の上限(給付率に応じて30〜40%相当)から支給残日数の20%に引き下げられています。申請は、再就職先での6か月経過後にハローワークへ申請します。
詳細はこちらの記事にて解説しています↓
また、転職・再就職時に活用できる他の給付金・支援金についてはこちらもあわせてご参照ください。
再就職手当に関するよくある質問
最後に、再就職手当に関するよくある質問を紹介します。再就職手当と失業手当は何が違うのですか?
失業手当は、失業中の生活を支えるために4週間ごとに分割で支給される生活保障的な給付です。一方、再就職手当は「早期に就職した場合の奨励金」で、残日数分をまとめて一時金として受け取れます。所定給付日数の1/3以上を残して就職する見込みがある方は、再就職手当の方が総額で得になるケースが多くなります。
再就職手当はいつもらえるのですか?いつ振り込まれますか?
再就職後、支給申請書を提出し、ハローワークの審査が完了した後に振り込まれます。一般的に、申請から振込まで1〜2か月程度かかります。振込元は「ショクギョウアンテイキョク」または「職業安定局」名義で表示されます。事前に「就業促進手当支給決定通知書」が郵送で届くため、通知書が届いてから1週間以内に振込されることが多いです。
再就職手当を受け取るための条件は?
主な条件は以下の通りです。①7日間の待期期間満了後に就職すること、②基本手当の残日数が所定給付日数の1/3以上あること、③前職の事業主・グループ会社に再就職していないこと、④自己都合退職の場合は待期満了後1か月間はハローワーク等の紹介で就職すること、⑤1年以上継続勤務することが確実であること、⑥雇用保険に加入していること、⑦過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受給していないこと、⑧求職申込み前から内定していた会社でないこと。
再就職手当は月給20万円・30万円でいくらもらえますか?満額はいくらですか?
所定給付日数90日・支給率70%を前提とした目安は、月給20万円で約25万円、月給30万円で約38万円です。基本手当日額の上限は60歳未満で6,570円のため、月給35万円以上でも上限が適用されます。満額(最大額)は、所定給付日数330日・支給率70%・上限日額で計算すると約152万円になります。実際の額は年齢・給付率・所定給付日数により異なるため、ハローワークで正確な試算を受けてください。
再就職手当をもらってすぐ退職したら返金が必要ですか?
原則として返金は求められません。ただし、支給要件に「1年以上継続勤務することが確実」とあるため、当初から短期離職が分かっていた場合は不正受給とみなされ、返還を求められる可能性があります。また、再就職手当を受給すると3年間は再度受給できないため、短期間で転職を繰り返す方は注意が必要です。
再就職手当をもらうための申請方法は?郵送や代理人による申請はできますか?
再就職が決まったら、就職日の翌日から1か月以内に、再就職手当支給申請書・雇用保険受給資格者証・採用証明書をハローワークに提出します。窓口持参のほか、郵送(普通郵便可・簡易書留推奨)、電子申請(e-Gov)、委任状を用意した代理人による提出も可能です。申請窓口は住所地を管轄するハローワークで、市役所や区役所では受け付けていません。
再就職手当に税金はかかりますか?
いいえ。雇用保険の失業給付は非課税所得に分類されるため、所得税や住民税はかかりません。確定申告での申告も不要です。
自己都合退職と会社都合退職で違いはありますか?
はい。自己都合退職の場合は「待期期間満了後1か月間は、ハローワーク等の紹介で就職した場合のみ対象」となる点に注意が必要です。会社都合退職や倒産・解雇などの場合は、待期期間経過後であれば就職経路を問いません。2025年4月改正により、自己都合退職の給付制限期間は原則1か月(5年以内に3回以上の自己都合退職の場合は3か月)に短縮されています。
申請に必要な書類は何ですか?
主な必要書類は、①再就職手当支給申請書、②雇用保険受給資格者証、③採用証明書(再就職先の事業主に記入・押印してもらう書類)の3点です。採用証明書は就職先の人事・総務担当者に依頼してください。書類の不備があると審査が遅れるため、提出前に記入漏れ・押印漏れがないか確認しましょう。
ハローワーク以外(転職エージェント・自己応募)で就職が決まった場合でも受給できますか?
就職経路と離職理由の組み合わせで異なります。転職エージェント(民間の職業紹介事業者)経由は「ハローワーク等の紹介」に含まれるため、自己都合退職の給付制限中・待期後1か月以内でも対象になります。マイナビ転職やリクナビNEXT等の求人サイトから自己応募した場合や知人の紹介は、給付制限後1か月を過ぎてからの就職であれば対象です。会社都合退職の場合は待期期間経過後であれば就職経路を問いません。
退職前・ハローワーク手続き前にすでに転職先が決まっている場合はどうなりますか?内定を口約束で受けた場合は?
ハローワークでの求職申込みより前に内定が決まっていた場合は、原則として再就職手当の対象外となります。口約束であっても事業主から明確に「採用します」と伝えられていた場合は内定とみなされる可能性があります。再就職手当を受け取るには、ハローワークへの手続き(受給資格決定)後に応募・内定を受けた就職である必要があるため、退職後は真っ先にハローワークで手続きを済ませることが重要です。
ハローワークの審査では何を調べられますか?
審査では主に「再就職先に本当に在籍しているか」「1年以上勤務する見込みがあるか」「雇用保険に加入しているか」が確認されます。多くの場合、ハローワーク職員から再就職先の事業所に電話で在籍確認が行われます。求職申込み前の内定が疑われるケースや、グループ会社への就職では追加の書類提出を求められることもあります。事業主に「ハローワークから電話が来る可能性がある」と事前に伝えておくと審査がスムーズです。
まとめ
再就職手当の支給額は、状況やタイミングによって大きく異なります。離職後の空白期間を少なくするほど支給額が高くなるため、再就職を検討している方は支給要件を確認しておきましょう。所定給付日数の2/3以上を残して就職すれば支給率70%、1/3以上を残せば60%が適用されます。
再就職手当は、再就職が決まってから1か月以内に手続きをする必要があります。再就職すると自動的に支給されるわけではないので、申請を忘れないように注意が必要です。1か月を過ぎても2年以内であれば時効の期間内なので申請可能ですが、原則の期限内での申請を心がけましょう。
申請の際は、①再就職手当支給申請書、②雇用保険受給資格者証、③採用証明書の3点を準備してハローワークへ提出してください。窓口・郵送・電子申請・代理人申請のいずれも可能です。ハローワーク以外(転職エージェント経由)で就職した場合でも、条件次第で受給できます。内定日・就職日の取り扱いや、ハローワーク手続き前の内定の有無、グループ会社への就職など、細かい点で受給可否が変わるため、不明点はハローワークに相談しましょう。
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