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再就職をサポートする「再就職手当」支給要件から金額・計算方法を解説

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再就職手当とは、雇用保険受給資格者に対し早期の再就職を促す制度です。離職後に再就職が決まった場合、ハローワークで所定の手続きを行うと、一定の条件に準じた金額が支給されます。再就職手当は離職者の経済面はもちろん、健康面でも大きなサポートになります。

ただし支給額は状況に応じて異なり、また離職理由が自己都合か倒産・解雇なのかによって、支給されるタイミングは異なります。さらに、失業手当の残日数次第では再就職手当を受給できなくなるため、注意しなければなりません。

この記事では、再就職手当の支給要件や金額の計算方法に加え、再就職手当と失業手当の受給額比較例も紹介します。

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この記事の目次

再就職手当の目的

離職したあとの失業期間が長期化した場合、下記のようなデメリットが想定されます。

  • 家計への負担が大きくなる
  • 就業意欲がなくなる
  • モチベーション維持が難しくなる
  • 就職できるか不安になったり焦りが出たりする
  • 生活のリズムが乱れ、健康面に悪影響を及ぼす

自己都合等による離職の場合、失業手当の受給は2か月の給付制限後から開始されます。よって失業手当の受給を待っていると、その分就職活動が遅れてしまい、失業期間が長引いてしまいます。早期就職が決まればブランクの期間が短く済むため、その後の就職活動もより有利になるでしょう。

さらに失業期間が長引くと、就業意欲やモチベーション維持の低下に陥りやすくなることも懸念点です。また失業手当のみで生活を続けると、生活費が尽きるかもしれないなど、精神的なプレッシャーを抱える可能性も考えられます。

再就職手当は、再就職が早く決まるほど給付率が高くなるため、早期就職の意欲を向上させられます。よって、離職者に対しできるだけ早い再就職を働きかけることが、再就職手当の目的です。

再就職手当の支給要件

【支給要件の概要】
再就職手当の支給を受けるためには、下記①~⑧の要件を全て満たさなければなりません。

①受給手続き後、7日間の待期期間(※)満了後に就職が決まる、もしくは事業を開始する。
(※)待機期間中に働いたことで失業状態になかった日や、失業の認定を受けていない日に関しては、待期期間に含まれません。

②就職日前日までの失業認定を受けており、かつ基本手当(失業手当)の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上である。

③離職前の事業主へ再度就職するものでない。また離職後の就職先は、離職前の事業主と密接な関わり合い(資本・資金・人事・取引面等)がない事業主の下である。

④受給資格に関する離職理由で給付制限(基本手当が支給されない期間)がある場合、求職申込みをしたあと待機期間満了後1か月の期間内は、ハローワークや職業紹介事業者の紹介により就職するものである。

⑤1年を超える勤務が確実である。
※「生命保険会社の外務員」「損害保険会社の代理店研修生」など、雇用に関して下記の条件を満たす場合はこの要件に該当しません。

  • 1年以下の雇用期間を定め、雇用契約の更新にあたり一定の目標達成が義務付けられている。
  • 派遣就業で雇用期間が定められており、雇用契約の更新が見込まれない。

⑥原則として、雇用保険の被保険者である。

⑦過去3年間の就職において、再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けていない。(事業開始に関する再就職手当も含みます)

⑧受給資格決定(求職申込み)前より採用が内定していた事業主に雇用されていない。

給付制限による支給要件の違い(所定給付日数90日の場合)

所定給付日数が90日の場合、基本手当の支給残日数が30日以上(90日の3分の1以上)であることが、再就職手当の支給を受けるための要件です。ただし給付制限がない方とある方では、下記のように支給要件が異なります。

【倒産・解雇等による離職で給付制限がない方】
給付制限がない方は、7日間の待機期間後に就職が決まると、再就職手当の支給を受けられます。なお待期期間経過後であれば、知人の紹介や新聞広告等を経由して就職した場合でも、受給対象と認められます。

出典:厚生労働省

【自己都合等による離職で給付制限がある方】
給付制限がある方の場合、待機期間後の1か月間は、ハローワークや職業紹介事業者の紹介で就職したケースが受給対象です。2か月目以降は、知人の紹介や新聞広告等を経由して就職した場合でも、受給対象と認められます。

出典:厚生労働省

再就職手当の金額

再就職手当は、所定給付日数の3分の1以上を残していた場合は支給残日数の60%、所定給付日数の3分の2以上を残していた場合は支給残日数の70%を、それぞれ基本手当日額に乗じた額が支給されます。

出典:厚生労働省

※延長給付の支給残日数は、再就職手当に関する支給残日数としては認められません。

再就職手当の基本手当日額については、下記のように上限額(令和6年7月31日までの額)が設定されています。

離職時の年齢が60歳未満の方 6,290円
離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方 5,085円

この上限額は、厚生労働省が実施する「毎月勤労統計調査」の平均給与額に基づき、毎年8月1日に改定されます。

再就職手当の計算方法

再就職手当の金額は、下記の計算式により算定されます。

「基本手当日額×所定給付日数の支給残日数×支給率(60%もしくは70%)」

再就職手当は、再就職が早く決まるほど金額が上がる仕組みになっています。具体的な例を見ていきましょう。

【例①】
■基本手当日額:4,000円
■所定給付日数:90日
■再就職の時期:給付制限期間中

所定給付日数90日に対し、給付制限期間中に再就職が決まっています。よって、基本手当の支給残日数はそのまま90日となり、支給率は70%です。

〈再就職手当の金額〉
4,000円×90日×70%=252,000円

出典:厚生労働省

【例②】
■基本手当日額:4,000円
■所定給付日数:270日
■再就職の時期:受給資格決定日以後50日目

待期期間は受給資格決定日を含め7日になので、就職日前日までの支給日数は、50日目に就職の場合42日分となります。よって、所定給付日数270日に対し基本手当の支給残日数が228日(270日-42日)になるため、支給率は70%です。

〈再就職手当の金額〉
4,000円×228日×70%=638,400円

【例③】
■基本手当日額:4,000円
■所定給付日数:270日
■再就職の時期:受給資格決定日以後100日目

こちらも「例②」と同様に待期期間の7日を考慮すると、就職日前日までの支給日数は92日分となります。よって、所定給付日数270日に対し基本手当の支給残日数が178日(270日-92日)になるため、支給率は60%です。

〈再就職手当の金額〉
4,000円×178日×60%=427,200円

出典:厚生労働省

手続きの注意点

再就職時の手続き方法については、ハローワークより配布された「受給資格者のしおり」をご参照ください。

再就職手当の支給申請書は、就職した日の翌日から1か月以内に、本人・代理の方、もしくは郵送で提出する必要があります。万が一再就職手当支給後に離職した場合は、再就職手当分を除いた残日数分を受給できる可能性があるため、ハローワークへご相談ください。

その他、手続き方法等で不明な点がある場合は、ハローワークの給付窓口をおたずねください。

再就職手当と失業手当はどちらが多くもらえる?

再就職が決まり再就職手当を受け取った場合、本来支給されるはずだった失業手当が満額もらえなくなります。そのため「失業手当の受給が完了してから就職した方が得になるのでは?」とお考えの方もいるのではないでしょうか。

ここでは、再就職手当と失業手当の受給額について、6か月間の比較例を紹介します。

【条件】

  • 1日の失業手当5千円
  • 離職前の月収約21万円
  • 所定の給付日数90日
  • 自己都合退職

■Aさん:失業手当を90日分支給終了まで満額受給
〈失業手当〉5千円×90日=45万円

■Bさん:手続き後に1か月で就職を決め再就職手当を受給(再就職後の月収20万円)
〈再就職手当〉5千円×90日×70%=31万5千円
〈就職後の収入〉20万円×5か月=100万円
合計:131万5千円

これはあくまでも一例であるものの、失業手当を満額受け取るよりも早めに再就職をした方が、結果的に合計の収入は多くなります。

また前述の通り、再就職を早く決めるほど再就職手当の金額は多くなります。よって、体調不良や資格の勉強をしたいなどの特別な事情がない方は、早めに次の就職先を決め再就職手当を受け取った方が、経済的な安定が望めるでしょう。

まとめ

再就職手当は、離職者の経済面をサポートするだけでなく、就職活動が長引くことによる健康面への影響にも配慮した制度です。

再就職手当の支給額は、状況やタイミングによって大きく異なります。離職後の空白期間を少なくするほど支給額が高くなるため、再就職を検討している方は支給要件・計算方法をしっかり確認しておきましょう。

また再就職手当は、再就職が決まってから1か月以内に手続きをする必要があるため、十分にご注意ください。

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