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2023年 育児休業給付金【金額・計算方法から受給条件まで徹底解説】

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少子化は、日本にとって、最も深刻な課題のひとつです。2022年、女性1人あたりの出生率は過去最低水準となりました。年間出生数は統計開始以来、初めて80万人を割り込んでいます。
こうした課題を解決するために、国は少子化対策の一環として、子どもを持ったママ・パパを対象にした給付金等の制度を設けています。
今回は、厚生労働省の設置する育児休業給付金 (育児手当) の要件や金額、計算方法をまとめました。

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この記事の目次

育児休業給付金(育休手当)とは?

育児給付金は、雇用保険の被保険者またはその妻が出産した場合に受け取れる給付金です。原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した場合が対象となります。
育児給付金は、2回まで分割取得が可能です。

育児休業給付金を受け取る条件は?

育児給付金を受け取るための要件は、以下のとおりです。

①1歳未満の子を養育するために、以下に該当する育児休業を取得した
■被保険者からの申出に基づき、事業主が取得を認めた
■休業開始日から、当該の子が1歳に達する前日までの期間に取得される
いわゆる「パパ・ママ育休プラス制度」を利用する場合は1歳2か月、さらに保育所での保育が行われない等の場合は1歳6か月または2歳まで延長されます。
②原則として、休業開始日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が、12か月以上ある
③1支給単位期間 (育児休業を開始した日から起算した1か月ごとの期間) に、就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下である
④子が1歳6か月に達する日までの間に、労働契約期間満了とならない

なお、 出生日の翌日から8週間の産後休業は育児休業給付金の対象外です。8週間を経過する前に産後休業を終了した場合でも、産後8週間を経過するまでは、産後休業とみなされます。
また、休業開始後に他の子に関わる産前産後休業等や介護休業が開始された場合は、それらの休業の開始日の前日をもって育児休業給付は終了します。
さらに原則として、3回目の育児休業等は給付の対象外です。

育児休業給付金をもらえる期間と金額

育児休業給付金は、産後休業の終了後、育児休業の開始とともに支給期間が始まります。その後、基本的には子が1歳になるまで受け取ることができますが、条件を満たせば、2歳まで延長されます。
支給金額は、以下の計算式で算出します。

休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業開始から181日目以降は50%)

なお、休業開始時賃金日額の上限額は15,430円、下限額は2,746円です。支給日数が30日の場合、支給上限額と支給下限額は以下のようになります。

【給付率67%】
■支給上限額
310,143円
■支給下限額
55,194円

【給付率50%】
■支給上限額
231,450円
■支給下限額
41,190円

支給下限額は、育児休業期間を対象として事業主から賃金が支払われなかった場合の額です。育児休業中に支払われた賃金額によっては、以下のように、下限額は上記を下回ることがあります。

【支払われた賃金の額が「休業開始時賃金月額」の13%以下の場合】
■支給額
休業開始時賃金日額×休業期間の日数×67%

【支払われた賃金の額が「休業開始時賃金月額」の13%超~80%未満】
■支給額
休業開始時賃金日額×休業期間の日数×80%-賃金額

【支払われた賃金の額が「休業開始時賃金月額」の80%以上】
■支給額
支給されません

育児休業給付金をもらえる金額の計算方法

それでは、実際に受け取れる給付金額の試算を見てみましょう。

休業開始時の賃金日額が7,000円(賃金月額は210,000円)の女性が産後休業に引き続き育児休業を取得し、6か月経過後した場合、支給額は、この支給単位期間に①会社から賃金が支払われていない場合②支払われている場合で異なります。
それぞれの計算式は、以下のとおりです。

①賃金が支払われていない場合
・支給額=7,000円×30日×50%=105,000円

②賃金150,000円が支払われた場合
・休業開始時賃金月額の80%=7,000円×30日×80%=168,000円
・支給額=168,000円-150,000円=18,000円

続いて、育児休業の期間と手当のシミュレーションをしてみましょう。
対象者の条件は、以下のとおりです。

■出産予定日
2023年8月14日
■勤め先
東京
■毎月の額面給与
20万円
■復帰時期
子どもが1歳に達した日

①育児休業期間
開始
2023年10月10日
終了
2024年08月13日

②育児休業給付金
121万3,875円

なおこの場合、社会保険料免除や出産一時金 (5万円) 等の補助と各支給単位期間の育児休業給付金額は、以下のようになります。

社会保険労務士法人アールワン
https://www.office-r1.jp/childcare/

育児休業給付金の申請手続き

育児給付金の申請手続きは、対象の労働者を雇用している事業主が行います。申請には、受給資格確認手続きが必要です。受給資格の確認の申請と初回の育児休業給付金の支給申請を同時に行うこともできます。この場合、初回の育児休業給付金の支給申請は、原則として最初と次の2つの支給単位期間についてまとめて行います。
それぞれの手続きの流れは、以下の通りです。

■すでに受給資格がある場合
受給資格確認手続きのみ行ったときは、「育児休業給付受給資格確認通知書」と「育児休業給付金支給申請書」が交付されます。
初回の支給申請手続も同時に行ったときは、「育児休業給付金支給決定通知書」と「(次回申請用)育児休業給付金支給申請書」が交付されます。「育児休業給付金支給決定通知書」は、被保険者に渡されます。

■まだ受給資格がない場合
「育児休業給付受給資格否認通知書」が交付されます。これは被保険者に渡されます。

申請に必要な書類

申請に必要な書類は、以下のとおりです。

【提出書類】
①雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
②育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
初回の育児休業給付金の申請以前に、出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給を受けている場合は、「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」の提出は不要です。
【添付書類】
①賃金台帳、労働者名簿など、育児休業を開始・終了した日や賃金の額、支払状況を証明できるもの
②母子健康手など、育児の事実、出産予定日及び出生日を確認することができるもの

また、2回目以降の支給申請にも、育児休業給付金支給申請書等の提出が必要です。

提出先

提出先は、事業所の所在地を管轄するハローワークです。電子申請も利用できます。

提出時期

提出時期は、手続きの仕方によって異なります。各期限は、以下のとおりです。

■受給資格確認手続のみ行う場合
初回の支給申請を行う日まで

■初回の支給申請も同時に行う場合
育児休業開始日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日まで
例:育児休業開始日が7月10日の場合 (4か月を経過する日は11月9日)
この場合、提出期限は11月30日までです

なお支給対象被保険者が母親の場合、産後休業の後に引き続き育児休業を取得するケースでは、「育児休業開始日」は出生日から起算して58日目に当たる日です。

育児休業給付金に関するよくある質問

厚生労働省が公表している育児休業給付金に関するパンフレットでは、「よくある質問」が掲載されています。ここではその中から、特に重要なものをまとめました。

Q1.第1子に係る育児休業給付金を受給中に第2子を妊娠した場合、最初の育児休業給付金はいつまで支給されますか。
A1.第2子の産前休業開始日の前日(産前休業を取得しない場合は出産日)までです。ただし受給条件を満たせば、第2子の育児休業開始時点で育児休業給付金を受給することが可能です。
Q2.育児休業給付の支給申請は、被保険者が行うのでしょうか。
A2.育児休業給付の申請手続は、原則として事業主が行います。 ただし、被保険者本人が希望する場合は、本人が申請手続を行うことも可能です。
Q3.育児休業給付はどのくらいで口座に入金されますか。
A3.育児休業給付金支給決定通知書を確認して下さい。概ね支給決定日から1週間程度で指定いただいた口座に振込がされます。

まとめ

子どもを持つことを希望する夫婦にとって、育児休業中の収入の減少は大きな課題です。出産直後の女性は体に不調を抱えており、それを支える男性も、普段通りの働き方はできません。出産と育児を理由とする勤務形態の変更によって、その後のキャリアを心配する人も多くいます。

少子化問題の解決には、働く人を支える政策が必要不可欠です。労働者が、自身が希望する時期に子どもを持てる環境を整えることは、有能な労働者の定着にもつながります。
育児休業給付金をはじめと支援制度を積極的に活用し、企業にとっても、子どもを望む労働者にとっても安心できる会社を目指しましょう。

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