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トイレリフォームで使える補助金2026|節水型3万4,500円・介護保険18万円・和式から洋式まで対象工事別に解説

公開日:2026/5/20 更新日:2026/7/28
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「そろそろトイレを新しくしたいけれど、費用が心配」。そんな悩みを抱えていませんか。トイレの交換費用は10万〜25万円、和式から洋式への変更なら30万〜60万円、汲み取り式の水洗化なら80万〜180万円が相場です。決して小さくない出費ですが、2026年度は国と自治体の制度を組み合わせることで、負担を大きく減らせる可能性があります。

いま最も注意すべきは、国の「みらいエコ住宅2026事業」の動きです。リフォーム分の交付申請受付は2026年6月30日に開始され、節水型トイレの補助額は1箇所あたり3万1,500円〜3万4,500円に増額されました。前身の「子育てグリーン住宅支援事業」は2025年7月22日に予算上限へ到達して受付を終了しています。今年度のリフォーム枠は始まったばかりですが、悠長に構えていられる制度ではありません。

本記事では、2026年度にトイレ改修で使える制度を「省エネ系」「介護・バリアフリー系」「和式→洋式」「汲み取り式の水洗化」「増設」「自治体独自」「減税」に分けて整理し、あわせて店舗・宿泊施設・クリニック・農業事業者など事業者向けの制度も解説します。「自分はどれが使えるのか」を確認しながら読み進めてください。

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この記事の目次

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トイレリフォームで使える補助金は?2026年度の5制度を目的別に整理

トイレ改修で使える制度は、2026年度は大きく5種類です。「節水型トイレへの交換」なら国のみらいエコ住宅2026事業、「要介護者のバリアフリー化」なら介護保険の住宅改修費、「汲み取り式の水洗化」なら自治体の水洗便所改造資金助成、「和式から洋式への変更」なら自治体独自の福祉系補助金、そして補助金と併用できる「減税制度」です。何のために交換するかで、使える制度が変わります。

【目的別】トイレ改修で使える制度の選び方
  • 節水型トイレへの交換(省エネ目的)→ みらいエコ住宅2026事業(3万1,500円〜3万4,500円/箇所)
  • 要介護・要支援の方のバリアフリー化 → 介護保険の住宅改修費(支給限度基準額20万円)
  • 汲み取り式(ぼっとん)から水洗トイレへ → 自治体の水洗便所改造資金助成+下水道未整備なら浄化槽設置補助
  • 和式から洋式への交換・手すり設置など → 自治体の高齢者・障がい者住宅改造助成
  • バリアフリー・省エネ工事全般 → 所得税・固定資産税の減税制度(補助金との併用可)

制度名補助額・軽減額の目安対象者申請窓口
みらいエコ住宅2026事業3万1,500円〜3万4,500円/箇所(住宅全体で最大100万円)平成28年(2016年)以前に新築された住宅の所有者等登録事業者が代行
介護保険の住宅改修費支給限度基準額20万円の7〜9割(最大18万円)要介護・要支援認定を受けた方市区町村窓口
水洗便所改造資金助成制度自治体ごとに異なる(便槽1個あたりで算定する例が多い)下水道の供用開始から原則3年以内に改造する方市区町村の下水道担当課
自治体独自の住宅改造助成自治体ごとに異なる(補助率9/10の例も)高齢者・障がい者世帯など各自治体窓口
所得税の特別控除(住宅特定改修特別税額控除)標準的な工事費用相当額の10%(控除対象限度額200万円・最大20万円)50歳以上・要介護認定者・障害者等税務署(確定申告)
固定資産税の減額翌年度1年分、100㎡相当分まで3分の1減額築10年以上の住宅に65歳以上等が居住市区町村の資産税担当課
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は2026年度は実施されていません
トイレの増設や節水型トイレ交換で紹介されることの多い長期優良住宅化リフォーム推進事業は、2025年度で交付申請の受付を終了しました。令和8年度(2026年度)に同等の後継制度は用意されていません。2026年度の国のリフォーム支援は、住宅省エネ2026キャンペーン(みらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業)が中心となります。古い情報を掲載したまま更新されていないサイトも多いため、注意してください。

みらいエコ住宅2026事業で節水型トイレはいくら補助される?

みらいエコ住宅2026事業では、節水型トイレの設置・交換に1箇所あたり3万1,500円〜3万4,500円が補助されます。国土交通省が所管し、経済産業省・環境省と連携する「住宅省エネ2026キャンペーン」の中核事業です。事業全体の予算は2,050億円、うちリフォーム分は300億円が確保されています。

前身の子育てグリーン住宅支援事業と比べ、1戸あたりの補助上限額は最大100万円へ引き上げられました。トイレ交換を検討中の方にとっては、2026年度が有利なタイミングといえます。

節水型トイレの補助額は「掃除しやすい機能」の有無で変わる

補助額は、便器の性能によって2段階に分かれます。設置台数ではなく「設置箇所数」で積み上げる点がポイントです。

工事内容補助額要件
節水型トイレ(掃除しやすい機能あり)3万4,500円/箇所節水性能に加え、総高さ700mm以下・洗浄タンクを内包するキャビネット・便器ボウル内の除菌機能のいずれかを満たすもの
節水型トイレ(掃除しやすい機能なし)3万1,500円/箇所JIS A5207に規定する節水II形大便器等と同等以上の性能を有するもの

「除菌機能」は第三者機関により99%以上の除菌性能が評価されているものに限られ、便器ボウル表面の加工技術のみによるものは除外されます。対象製品は事務局に登録された型番のみのため、契約前に公式サイトの補助対象製品検索で確認してください。なお、同じトイレ空間で節湯水栓を設置すると9,000円/箇所が加算されます。

トイレ単独では申請できない?2026年度の新要件「トリガールーム」とは

節水型トイレの工事だけでは交付申請できません。2026年度から「トリガールーム」という新しい考え方が導入され、居室1室の断熱改修が補助の入口(トリガー)になりました。

トリガールームとは、外皮に面する開口部(窓など)を持つ1つの居室のことです。ここで定められた組み合わせの断熱工事(要件化工事)を行うと、住宅全体のリフォームが補助対象になります。

ここが重要:トイレはトリガールームになれません
  • 居室として認められるのは、居間(リビング)・寝室・子供部屋・台所(キッチン)・書斎など、継続的に使用する部屋です
  • トイレ・浴室・洗面所は居室に該当せず、トリガールームには選べません
  • 外皮に面する開口部がない納戸、開口部の一部だけを断熱改修した居室、2025年11月27日以前に断熱改修済みの居室も対象外です
  • つまり「リビングの窓と壁を断熱改修する → その住宅のトイレ交換も補助対象になる」という構造です

そのうえで、補助を受けるには次の3条件を満たす必要があります。

トイレ改修で補助を受けるための3条件
  • 対象住宅が、原則平成28年(2016年)12月31日以前に新築された住宅であること。登記事項証明書で確認します。平成29年以降の新築でも、平成11年基準を満たさないと証明できる場合は対象になります
  • トリガールームで、開口部の断熱改修と躯体の断熱改修を含む所定の組み合わせを実施すること
  • 1申請あたりの補助額合計が5万円以上となること

ただし、この5万円という下限には緩和措置があります。先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業・賃貸集合給湯省エネ2026事業のいずれかで交付決定を受けている場合、みらいエコ住宅2026事業の補助額下限は2万円以上に下がります。内窓設置や給湯器交換とセットで申請すれば、節水型トイレ1箇所(3万1,500円)だけでも補助対象になる計算です。

先進的窓リノベ2026事業とは?内窓・窓交換の補助額と申請時期を解説

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トイレのバリアフリー改修も対象|手すり7,200円・段差解消8,400円

みらいエコ住宅2026事業では、節水型トイレとは別枠でバリアフリー改修も補助されます。工事箇所数によらず、工事の種類ごとに定額が支給される仕組みです。

対象工事補助額トイレでの具体例
手すりの設置7,200円/戸便所の壁に手すりを取り付ける工事(ネジ止めの簡易なものを含む)
段差解消8,400円/戸トイレ出入口の敷居を低くする、廊下をかさ上げする工事
廊下幅等の拡張33,600円/戸車いすで入れるようトイレの出入口幅をおおむね750mm以上に拡張する工事

据え置くだけの段差解消板やスロープ、工事を伴わない手すりの設置は対象外です。3種類すべてを実施すれば、節水型トイレの補助額とあわせて1戸で8万3,700円まで積み上がります。

補助上限額は住宅の新築時期と工事内容で決まる|最大100万円

リフォームの補助上限額は1戸あたり40万〜100万円です。「対象住宅の新築時期」と「トリガールームで実施した要件化工事の基準」の2軸で決まります。

対象住宅の新築時期義務基準に相当する工事(開口部の断熱+躯体の断熱+特定エコ住宅設備)次世代省エネ基準に相当する工事(開口部の断熱+躯体の断熱)
平成3年(1991年)以前100万円/戸50万円/戸
平成4年〜平成28年(1992〜2016年)80万円/戸40万円/戸

「特定エコ住宅設備」とは高効率給湯器・高効率エアコンを指します。給湯省エネ2026事業で高効率給湯器の交付決定を受けている場合は、みらいエコ住宅2026事業側で申請しなくても、その工事を行ったものとして扱われます。築35年以上の戸建てで断熱改修まで踏み込むなら、トイレを含むリフォーム全体で最大100万円を狙えます。

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2026年度のスケジュールと予算の消化状況は?

リフォームの交付申請受付は2026年6月30日に開始され、2026年7月上旬時点でリフォーム枠の申請額はまだ0%台にとどまっています。一方で事業全体(新築を含む)の申請額は7月上旬に38%へ到達しました。

項目時期
対象工事の着手期間2025年11月28日以降(工事請負契約の締結後に着手したものに限る)
リフォームの交付申請開始日2026年6月30日(受付中)
予約申請の締切予算上限に達するまで(遅くとも2026年11月16日)
交付申請の締切予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日)
完了報告の期限2027年7月31日(予定)
昨年度は7月22日に予算切れ
前身の子育てグリーン住宅支援事業では、2025年5月14日に第1期の受付が始まり、2025年7月22日に予算上限へ到達して受付が終了しました。2026年度のリフォーム予算は300億円と前年度より縮小している一方、1戸あたりの補助額は増額されているため、消化スピードが速まる可能性があります。交付申請は全工事の完了後ですが、着工後に「予約申請」を行えば一定期間予算を確保できます。残額は公式サイトで毎日更新されているため、こまめに確認しましょう。

介護保険の住宅改修費でトイレをバリアフリー化するには?

家族に要介護・要支援認定を受けている方がいる場合、介護保険の「居宅介護(介護予防)住宅改修費」を活用できます。支給限度基準額は20万円で、負担割合に応じてその7〜9割(14万〜18万円)が支給されます。全国共通の制度で、みらいエコ住宅2026事業と違いトイレ単独の工事でも申請できる点が最大の違いです。

介護保険で対象になるトイレ工事はどこまで?

介護保険法で定められた6種類の住宅改修のうち、トイレに関連するのは以下の工事です。

  • 和式トイレから洋式トイレへの取替え(既存便器の撤去を含む)
  • 洋式便器の座面の高さを高くする工事
  • 手すりの取付け(壁付け・ペーパーホルダー兼用タイプも可)
  • トイレ床の段差解消・滑りにくい床材への変更
  • 扉を引き戸・折り戸などに取り替える工事
  • 上記工事に付帯して必要となる工事(下地補強、給排水設備工事など)

一方で、温水洗浄便座の後付けや、暖房便座への単純な交換は対象外です。あくまで「自立した日常生活を営むために必要な改修」が判断基準となります。

介護保険の住宅改修費はどう申請する?

申請の流れは「①ケアマネジャーに相談→②市区町村へ事前申請→③工事実施→④事後申請・支給」という順番です。

介護保険の住宅改修費を受けるための条件
  • 要支援1・2、または要介護1〜5の認定を受けていること
  • 介護保険被保険者証に記載の住所と同一の自宅であること(入院中・施設入居中は原則対象外)
  • 工事着工前にケアマネジャーへ相談し、市区町村へ事前申請を行うこと

支払い方法には、いったん全額を支払って後日給付を受ける「償還払い」と、最初から自己負担分(1〜3割)のみを支払う「受領委任払い」の2種類があります。受領委任払いは自治体と契約した業者でなければ利用できないため、手元資金を抑えたい方は業者選びの段階で確認しておきましょう。

限度額20万円がリセットされる「3段階リセット」の正しい数え方

支給限度基準額20万円は原則1人1回限りですが、要介護状態区分が3段階以上重くなるか、転居した場合にリセットされます。ここで多くの方が誤解しているのが、要支援2と要介護1は「同じ第2段階」として扱われるという点です。

介護の必要の程度該当する要介護状態区分
第1段階要支援1
第2段階要支援2・要介護1
第3段階要介護2
第4段階要介護3
第5段階要介護4
第6段階要介護5

この表に当てはめると、リセットが適用されるのは次のパターンです。

  • 1回目が要支援1のとき → 要介護3以上になればリセット
  • 1回目が要支援2または要介護1のとき → 要介護4以上になればリセット
  • 1回目が要介護2のとき → 要介護5になればリセット
  • 1回目が要介護3以上のとき → 3段階上の区分が存在しないためリセットは使えません

「要支援2から要介護3へ上がった」というケースは、第2段階から第4段階への2段階上昇にとどまるためリセットされません。判定の起点は初めて住宅改修を行った着工日時点の区分で、3段階リセットが使えるのは1人につき1回限りです。また、1回目に20万円を使い切らず残額があっても、リセット後の限度額は残額が上乗せされず一律20万円になります。

なお、20万円を一度に使い切る必要はなく、限度額の範囲内であれば複数回に分けて利用できます。同じ住宅に要介護認定を受けた方が2人いる場合は、それぞれに20万円の枠が適用されます。

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みらいエコ住宅2026事業と介護保険は併用できる?

対象工事が重複しない範囲であれば、原則として併用可能です。たとえば「みらいエコ住宅2026事業」で節水型トイレの設置費用の補助を受けつつ、「介護保険」で手すり設置や段差解消の費用を補助してもらう、という組み合わせができます。

ただし、同一の工事について両方から補助を受ける重複受給はできません。具体的な線引きは市区町村窓口または施工業者にご確認ください。

和式トイレを洋式に変えるとき使える補助金は?

和式から洋式への交換で最も現実的なのは、要介護・要支援認定があれば介護保険の住宅改修費、認定がなければ自治体独自の高齢者・障がい者向け住宅改造助成です。みらいエコ住宅2026事業も節水型の洋式便器なら対象になりますが、断熱改修とのセットが必須のため、便器だけを替えたい方には向きません。

制度使える条件補助額の目安トイレ単独工事
介護保険の住宅改修費要支援1〜要介護5の認定がある20万円の7〜9割(最大18万円)可能
自治体の住宅改造助成高齢者・障がい者世帯など自治体の要件を満たす補助率2/3〜9/10の制度もあり可能な場合が多い
みらいエコ住宅2026事業節水型の登録製品+トリガールームの断熱改修3万1,500円〜3万4,500円/箇所不可
所得税の特別控除50歳以上・要介護認定者・障害者等標準的な工事費用相当額の10%他工事との合算で50万円超が必要

自治体の例では、徳島県阿南市の高齢者住宅改造費助成事業が和式から洋式への変更を明記しており、補助率2/3・上限20万円です。長野県中野市の障がい者・高齢者にやさしい住宅改良促進事業補助金は補助率9/10・上限63万円と手厚い水準になっています。いずれも工事着手前の申請が原則です。

汲み取り式(ぼっとん)トイレの水洗化に補助金は使える?

汲み取り式トイレを水洗化する場合は、リフォーム系ではなく下水道担当課が所管する「水洗便所改造資金助成制度」が窓口になります。工事費の相場は80万〜180万円と高額ですが、多くの自治体が助成金または低利融資のあっせん制度を用意しています。

水洗便所改造資金助成制度の共通ルール

名称は「水洗便所改造資金助成」「水洗化等助成金」「水洗便所改築費助成」など自治体により異なりますが、要件はおおむね共通しています。

水洗便所改造資金助成の主な共通要件
  • 公共下水道が使えるようになった日(供用開始日)から原則3年以内に改造工事を行うこと
  • 自治体が定める「指定工事店」に施工を依頼すること
  • 新築・建て替えに伴う水洗トイレの新設や、便所の増設は対象外
  • 建物の所有者、または所有者の同意を得た使用者であること
  • 市税・下水道事業受益者負担金を滞納していないこと
  • 助成金と融資あっせん制度は選択制で、併用できない自治体が多い

助成額は便槽1個の改造を1件として算定するのが一般的で、1・2階に便器が各1個あっても便槽が1個なら1件と数えます。大阪府熊取町のように、供用開始から1年以内・2年以内の早期改造に「特別奨励対策分」を上乗せする自治体もあるため、下水道が通ったら早めに動くほど有利です。

背景には下水道法の規定があります。汲み取り便所は下水道の供用開始から3年以内に水洗便所へ改造する義務、既存の浄化槽は遅滞なく下水道へ接続する義務が定められており(下水道法第10条・第11条の3)、助成制度はこの義務履行を後押しする位置づけです。

下水道が来ていない地域は合併処理浄化槽の設置補助

公共下水道の処理区域外であれば、市町村の浄化槽設置整備事業を利用します。国・都道府県・市町村が費用を分担する枠組みで、単独処理浄化槽や汲み取り槽から合併処理浄化槽へ転換する場合は、宅内配管工事費や既存単独槽の撤去費が上乗せ補助される自治体もあります。

注意点は、トイレの排水だけを処理する「単独処理浄化槽」は補助対象外で、生活排水すべてを処理する「合併処理浄化槽」であることが条件になる点です。人槽(5人槽・7人槽など)によって補助上限が変わるため、見積もり前に市町村の環境担当課へ確認してください。

トイレの増設に補助金は使える?2026年度の現実的な選択肢

結論から言うと、2026年度は「トイレの増設」を正面から補助する国の制度はありません。三世代同居対応改修としてトイレ増設に1箇所30万円を補助していた長期優良住宅化リフォーム推進事業は、2025年度で受付を終了しています。増設費用の相場は50万〜150万円で、2階への増設や既存配管から離れた場所では配管工事が複雑になり、さらに高くなることもあります。

そのうえで、2026年度に取り得る選択肢は次の3つです。

選択肢内容使いやすさ
みらいエコ住宅2026事業増設する便器が登録済みの節水型なら3万1,500円〜3万4,500円/箇所。トリガールームの断熱改修が必須断熱リフォームを同時に行う方向け
自治体の三世代同居・多世帯同居支援愛知県西尾市の三世代同居対応住宅支援事業補助金など、同居・隣居のための改修に補助する制度が各地にある該当自治体に住んでいる方向け
自治体の住宅リフォーム助成工事費の5〜15%を助成する一般的なリフォーム補助。増設も対象工事に含まれる場合がある制度がある自治体なら申請しやすい

なお、介護保険の住宅改修費は「既存便器の取替え」や「手すり設置」が対象であり、トイレを新たに増やす工事は対象外です。水洗便所改造資金助成も便所の増設を除外している自治体がほとんどですので、混同しないよう注意してください。

自治体独自のトイレリフォーム補助金にはどんなものがある?

国の制度に加えて、市区町村が独自の補助金を設けている場合があります。補助率5〜15%程度の住宅リフォーム助成が多い一方、空き家改修や高齢者向けの福祉系制度では補助率1/2〜9/10と高いものも見られます。

【個人向け】全国の自治体制度の具体例

2026年7月時点で公募中の制度から、トイレ改修が明確に対象と記載されているものを抜粋しました。

制度名自治体上限額補助率募集期限
住宅リフォーム等補助金事業(水洗トイレ改造が対象)北海道 増毛町150万円1/22027年3月31日
省エネリフォーム事業補助金(節水型トイレ設置が対象)長野県 富士見町15万円1/22029年3月31日
障がい者・高齢者にやさしい住宅改良促進事業補助金長野県 中野市63万円9/102027年3月31日
高齢者住宅改造費助成事業(和式→洋式トイレ変更が対象)徳島県 阿南市20万円2/32027年3月31日
住宅リフォーム資金助成事業秋田県 由利本荘市20万円10〜15%2027年3月31日
住宅リフォーム総合支援事業山形県 酒田市30万円1/10・1/62027年2月28日

空き家のトイレ改修は補助率1/2・上限100万円超も

移住定住促進を目的とした空き家改修補助は、住宅リフォーム助成より条件が有利な傾向があります。補助率1/2、上限60万〜200万円という制度が全国に存在します。

制度名自治体上限額補助率募集期限
空き家リフォーム補助金新潟県 関川村200万円1/22027年3月31日
空き家改修支援事業補助金福島県 柳津町100万円1/2(町内業者利用時)2027年3月31日
空家等対策支援事業補助金福島県 会津若松市100万円1/22027年3月31日
空き家リフォーム補助金兵庫県 朝来市100万円25%2027年3月31日
空き家等改修支援事業補助金山形県 朝日町70万円1/22027年3月31日
空家活用支援助成事業北海道 長沼町60万円2/52027年1月29日
お住まいの自治体の制度を調べる方法
自治体補助金の多くは工事着手前の申請が必須で、予算上限に達し次第受付終了となります。年度が明けた4月〜6月が最も申請しやすい時期です。

補助金と減税制度は併用できる?トイレ改修で使える2つの税制優遇

バリアフリー改修に対する減税制度は、補助金と原則として併用できます。ただし、補助金の交付を受けた分は工事費用から差し引いて計算する点に注意が必要です。所得税の特別控除は令和10年(2028年)12月31日まで、固定資産税の減額措置は令和13年(2031年)3月31日まで適用されます。

所得税の特別控除はいくら戻る?「標準的な工事費用相当額」で決まる

バリアフリー改修工事を行った場合、標準的な工事費用相当額の10%を所得税から控除できます。控除対象限度額は200万円のため、最大控除額は20万円です。ローンを組まなくても利用できます。

ここで重要なのは、控除額の計算に使うのが実際に支払った工事費ではなく、国が工事の種類ごとに定めた「標準的な工事費用相当額」(平成21年国土交通省告示第384号)だという点です。トイレ関連の単価は次のとおりです。

工事内容単位あたりの金額単位控除額(10%)の目安
便器を座便式のものに取り替える工事(和式→洋式)359,700円箇所35,970円
座便式の便器の座高を高くする工事298,900円箇所29,890円
便所の床面積を増加させる工事260,600円施工面積(㎡)26,060円/㎡
出入口の幅を拡張する工事189,200円箇所18,920円
開戸を引戸・折戸等に取り替える工事149,700円箇所14,970円
手すりの取付け(長さ150cm未満)32,800円箇所3,280円
手すりの取付け(長さ150cm以上)19,600円長さ(m)1,960円/m
段差解消(玄関・浴室の出入口以外)35,100円施工面積(㎡)3,510円/㎡
床材を滑りにくいものに取り替える工事19,800円施工面積(㎡)1,980円/㎡
「50万円超」の壁を越えるには工事の組み合わせがカギ
控除を受けるには、標準的な工事費用相当額から補助金等を差し引いた額が50万円を超えている必要があります。和式から洋式への交換(359,700円)だけでは50万円に届きません。たとえば「和式→洋式(359,700円)+開戸を引戸に変更(149,700円)=509,400円」のように複数工事を組み合わせれば要件を満たせます。トイレ以外の浴室・玄関のバリアフリー工事と合算することも可能です。

項目内容
控除額標準的な工事費用相当額×10%(控除対象限度額200万円)
最大控除額20万円
対象者50歳以上の方/要介護・要支援認定を受けている方/障害のある方/要介護・障害のある親族もしくは65歳以上の親族と同居している方
主な要件合計所得金額2,000万円以下、登記簿上の床面積40㎡超(所得1,000万円超の方は50㎡)、補助金を差し引いた標準的な工事費用相当額が50万円超
必要書類確定申告書、計算明細書、登記事項証明書、増改築等工事証明書、補助金額がわかる書類、介護保険被保険者証の写し等

見落としやすいのが「増改築等工事証明書」です。登録建築士事務所に所属する建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人のいずれかが発行するもので、施工業者に依頼しないと発行されません。工事契約の段階で「確定申告で使うので証明書を出してほしい」と伝えておきましょう。

固定資産税は翌年度1年間、3分の1減額

バリアフリー改修工事を行うと、工事完了の翌年度分の固定資産税が、100㎡相当分まで3分の1に減額されます。適用期限は2031年3月31日までです。

固定資産税の減額を受けるための要件
  • 新築後10年以上を経過した住宅であること
  • 65歳以上の方、要介護・要支援認定者、障害のある方のいずれかが居住していること
  • 補助金等を差し引いた工事費用が50万円(税込)を超えること
  • 改修後の床面積が40㎡以上240㎡以下であること
  • 工事完了日から3か月以内に市区町村へ申告すること
賃貸住宅は対象外です。また、減額適用は1戸につき1回限りとなります。

同じ年にバリアフリー改修と省エネ改修を併せて行った場合、翌年度の固定資産税が3分の2まで減額される取扱いを設けている自治体もあります。工事内容を組み合わせる際は、市区町村の資産税担当課に確認してみてください。

補助金を使うトイレリフォームで失敗しないための注意点

補助金を確実に受け取るための最大のポイントは、「業者選び」「写真」「申請タイミング」の3つです。いずれも後から遡って取り返すことができません。

施工業者が登録事業者かどうかを契約前に確認する

みらいエコ住宅2026事業を利用する場合、申請は消費者が直接行えず、「みらいエコ住宅事業者」として登録された施工業者が代行します。未登録の業者と契約して工事を進めてしまうと、遡っての申請はできません。

事務局サイトの事業者検索で登録状況を確認できます。補助金は事業者に交付され、工事費の値引きや現金還元の形で施主に全額還元される仕組みです。還元のタイミング(工事費全額を先払いするのか、補助額を差し引いた金額のみ支払うのか)は契約前に必ず確認してください。資金計画が大きく変わります。

工事前の写真を撮り忘れると補助金は受け取れない

みらいエコ住宅2026事業では、申請する設置箇所ごとに工事前と工事後の写真を1枚ずつ提出します。公式サイトは工事前の写真がない場合は補助金の交付を受けられないと明記しています。工事後の写真は撮り忘れても後日撮影で対応できますが、工事前は取り返しがつきません。

事務局が提供する「工事写真撮影アプリ」を使うと位置情報や撮影日が自動記録されます。介護保険の住宅改修でも改修前後の写真が必要になるため、業者任せにせず、施主側でも便器の品番ラベルを含めて撮影しておくと安心です。

介護保険を使うならケアマネジャーとバリアフリー実績のある業者を

介護保険の住宅改修では、ケアマネジャーが作成する「住宅改修が必要な理由書」が必須書類です。工事内容がこの理由書と整合していなければ、支給が認められません。

手すりの位置ひとつをとっても、要介護者本人と介助者双方の動線を想定した設計が求められます。「福祉住環境コーディネーター」が在籍するリフォーム会社であれば、より適切な提案が期待できます。

申請のタイミングを間違えると1円も受け取れない

制度ごとの申請タイミング
  • みらいエコ住宅2026事業:着工後に予約申請(任意)、全工事完了後に交付申請。工事着手は2025年11月28日以降、かつ工事請負契約の締結後であることが必要
  • 介護保険の住宅改修費:工事着工前の事前申請が必須。工事後の申請は原則として対象外
  • 水洗便所改造資金助成:下水道の供用開始から原則3年以内。早期改造への上乗せがある自治体も
  • 自治体の補助金:着工前申請とする自治体が大半。予算上限に達し次第終了するため、年度前半の申請が有利
  • 固定資産税の減額:工事完了日から3か月以内に市区町村へ申告

トイレリフォームの費用相場と補助金の組み合わせ方は?

トイレリフォームの費用は、便器交換のみなら10万〜25万円、和式から洋式への変更なら30万〜60万円が目安です。補助金の活用を検討する前に、まず総費用を把握しておきましょう。

リフォームの種類費用の目安活用できる主な制度
便器の交換(節水型へ)10〜25万円みらいエコ住宅2026(3万1,500円〜3万4,500円/箇所)
手すり設置3〜10万円介護保険・自治体補助金・みらいエコ住宅2026(7,200円/戸)
和式から洋式への交換30〜60万円介護保険・自治体の住宅改造助成・所得税控除
トイレの増設50〜150万円みらいエコ住宅2026(断熱改修との組み合わせ)・自治体の三世代同居支援
汲み取り式から水洗化80〜180万円水洗便所改造資金助成・浄化槽設置補助
トイレ全体のフルリフォーム50〜150万円みらいエコ住宅2026+介護保険+自治体補助+減税

【事業者向け】店舗・施設・職場のトイレ改修に使える補助金は?

飲食店・宿泊施設・観光施設・農業事業者・中小企業などが施設のトイレを改修する場合も、複数の補助金が活用できます。エリア限定の制度が多い一方、小規模事業者持続化補助金のように全国どこでも申請できる制度もあります。

小規模事業者持続化補助金でトイレ改修は対象になる?

小規模事業者持続化補助金は「トイレ改修専用」の制度ではありませんが、販路開拓との関連を事業計画書で示せば、店舗改装・バリアフリー化工事が対象経費として認められます。業種を問わず全国どこからでも申請できる点が最大の強みです。改修工事費は「機械装置等費」ではなく「委託・外注費」として計上する点に注意してください。

類型補助率・上限額対象事業者トイレ改修との関係
一般型・通常枠2/3(赤字事業者は3/4)・上限50万円(インボイス特例+50万円、賃金引上げ特例+150万円で最大250万円)従業員5人以下(商業・サービス業)または20人以下(製造業その他・宿泊娯楽業)の小規模事業者・個人事業主顧客満足度向上・集客力アップを目的とした店舗トイレの改修が採択された事例あり。委託・外注費として計上し、販路開拓との関連を具体的に示すことが必須
創業型2/3・上限200万円(インボイス特例で最大250万円)創業から1年以内の小規模事業者新店舗オープンに伴うトイレ設備の新設・整備も対象になり得る
第20回公募のスケジュールと変更点(一般型・通常枠)
  • 公募要領公開:2026年5月27日(第19回から制度内容が大きく変更)
  • 申請受付開始:2026年11月5日
  • 申請受付締切:2026年12月15日 17:00
  • 事業支援計画書(様式4)の発行受付締切:2026年12月4日
  • 採択発表:2027年3月頃(予定)
  • 主な変更点:広報費・ウェブサイト関連費に各30万円の上限を設定、賃金引上げ特例が最低賃金型から給与支給総額型へ変更、機械装置等費の相見積取得基準が100万円超から50万円(税込)超へ厳格化、健康経営優良法人加点・地域別最低賃金引上げ加点を新設
申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要で、取得までに数週間かかる場合があります。直近の第18回の採択率は48.1%でした。50万円(税抜)以上の外注工事は処分制限財産に該当し、交付決定前に契約・発注・支払いをした経費は補助対象外となる点にも注意してください。

小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回|第19回からの変更点と申請のポイントを解説

クリニック・歯科医院のトイレ改修に持続化補助金は使える?

使えません。小規模事業者持続化補助金の公募要領は、「医師、歯科医師、助産師」および「医療法人」を明確に補助対象外と定めています。個人開業の医院・歯科医院であっても対象になりません。他の補助金では対象となるケースもあるため混同されがちですが、持続化補助金については個人・法人を問わず申請できない点を押さえておきましょう。

医療機関がトイレ改修で活用を検討できるのは、次のような制度です。

  • 自治体の職場環境整備・バリアフリー化補助金:医療機関を除外していない制度であれば申請できる場合があります。募集要項の「対象事業者」欄を必ず確認してください
  • 省エネ改修系の補助金:建物全体の省エネ改修に伴う設備更新として、既存建築物の省エネ化を支援する制度を検討できます
  • 福祉のまちづくり条例に基づく整備助成:不特定多数が利用する施設のバリアフリー整備に助成を設けている都道府県・市区町村があります

いずれも公募時期と対象要件が自治体ごとに大きく異なるため、着工前に所管窓口へ相談することをおすすめします。

観光・宿泊施設のトイレ改修に使える補助金

インバウンド対応や観光地の受入環境整備を目的とした制度です。和式から洋式への改修が明確に対象経費として記載されているものが多く見られます。

制度名エリア補助率・上限対象申請期間
外国人観光客等受入環境整備事業費補助金静岡県熱海市1/2(上限200万円)宿泊施設・観光施設・飲食施設・日帰り入浴施設・商業施設など2026年4月15日〜2027年3月12日
サイクリスト受入環境整備事業補助金長野県2/3(上限300万円)市町村・観光協会・観光地域づくり団体・県内事業者・宿泊事業者など2026年5月13日〜2026年12月28日
宿泊施設魅力アップ改修事業補助金(和式→洋式トイレ化等)愛媛県八幡浜市1/2市内の宿泊事業者2027年3月31日まで

職場・事業所のトイレ整備に使える補助金

女性活躍推進・人材定着・職場環境改善を目的として、事業所内のトイレ新設・改修費用を支援する制度です。中小企業や個人事業主も対象となります。

制度名エリア補助率・上限対象申請期間
労働環境改善助成金富山県氷見市1/2(上限200万円、認定取得で上限400万円)氷見市内の事業者2026年4月1日〜2027年3月31日
女性にやさしい職場づくり応援事業(タイプC)宮崎県延岡市1/2(上限160万円)市内の事業者2027年3月31日まで
女性活躍応援事業補助金(トイレ改修等)群馬県富岡市1/2(上限100万円)市内の事業者2027年3月31日まで
区内中小企業人材定着サポート助成金東京都足立区1/2(上限100万円)足立区内の中小企業・個人事業主2026年4月1日〜2027年1月29日
諏訪市職場環境整備促進事業補助金長野県諏訪市1/2(上限30万円)諏訪市内の中小企業者2026年4月1日〜2027年3月10日
工業活性化支援補助金(職場環境改善事業)大阪府守口市50%(上限30万円)市内の製造業者等2027年3月31日まで
職場向け制度でのトイレ関連の補助対象経費
  • 氷見市(労働環境改善):女性従業員が使用するトイレ・更衣室等の設置・改修に係る工事費および備品購入費
  • 足立区(人材定着サポート):従業員用トイレ・休憩室等の整備、手すり・段差解消等のバリアフリー工事費
  • 諏訪市(職場環境整備):トイレ用擬音装置・温水洗浄便座・暖房便座・自動水栓・ハンドドライヤーの新設経費
個人向けの介護保険では対象外の温水洗浄便座が、事業者向け制度では対象経費に含まれる場合があります。足立区の助成金は申請前に専門家への事前相談が必須で、氷見市・諏訪市も着手前の窓口相談が必要です。

【佐賀県】県内飲食店等のバリアフリー化を支援 さがすたいるバリアフリー化補助金

農業・農水産事業者のトイレ整備に使える補助金

人材の受入環境や就労環境整備として、寮・休憩施設・作業場のトイレ改修費用を支援する制度です。移動式トイレの導入が対象になる制度もあります。

制度名エリア補助率・上限対象
さが農水産業働く環境サポート補助金佐賀県2/3(上限500万円、下限30万円)県内の農業・漁業者等
県外人材雇用受入環境整備支援事業費補助金(農業分野)青森県1/3(上限150万円)認定農業者・農業法人・農業協同組合等
就業環境整備支援事業愛媛県八幡浜市1/3(上限40万円)農業法人・認定農業者

これらの制度は年度ごとに募集期間が設定され、期間が1〜2か月と短いものが目立ちます。2026年度分の受付が終了している可能性もあるため、次年度の公募開始時期を各自治体に確認しておくとよいでしょう。

女性用トイレの便器数に関する国交省ガイドラインにも注意

国土交通省は、女性用トイレの便器数に関する初のガイドラインを策定しました。事業所や商業施設のトイレ改修を計画している事業者は、補助金の活用と併せてガイドラインの内容も確認しておきましょう。

女性用トイレの便器数は男性用以上に!国交省が初のガイドライン策定 トイレ改修に使える補助金も紹介【2026年】

2027年度のトイレリフォーム補助金はどうなる?

2027年度(令和9年度)の制度は、2026年12月頃に閣議決定される令和9年度予算案と税制改正大綱で判明します。2026年7月時点で見通しを立てる材料は次のとおりです。

制度2027年度の見通し
みらいエコ住宅2026事業交付申請は遅くとも2026年12月31日まで。後継事業が編成されるかは令和9年度予算案の内容次第
介護保険の住宅改修費介護保険法に基づく恒久的な制度のため、2027年度も継続の見込み
所得税の特別控除令和10年(2028年)12月31日まで適用。2027年度は継続
固定資産税の減額令和13年(2031年)3月31日まで適用。2027年度は継続
水洗便所改造資金助成下水道法に基づく水洗化義務の履行支援であり、供用開始区域がある限り継続

住宅省エネ支援事業は「子育てエコホーム支援事業」→「子育てグリーン住宅支援事業」→「みらいエコ住宅2026事業」と、名称と要件を変えながら毎年度組み替えられてきました。補助額や必須工事の要件は年度ごとに変わるため、2027年度を待つより、要件を満たせる今年度に申請するほうが確実です。工事完了が2027年にずれ込んでも、2026年内に交付申請を済ませていれば問題ありません(完了報告期限は2027年7月31日予定)。

トイレリフォームの補助金に関するよくある質問

トイレだけを交換したいのですが、補助金はもらえますか?

みらいエコ住宅2026事業では、節水型トイレの工事だけでは交付申請できません。居間や寝室などの「トリガールーム」で開口部と躯体の断熱改修を行い、補助額合計が5万円以上になることが条件です。一方、要介護・要支援認定がある方であれば、介護保険の住宅改修費でトイレ単独のバリアフリー改修(洋式トイレへの交換・手すり設置など)に補助を受けられます。自治体独自の高齢者住宅改造助成や水洗便所改造資金助成も、トイレ単独工事が対象になります。

みらいエコ住宅2026事業で節水型トイレはいくら補助されますか?

節水型トイレ(掃除しやすい機能あり)は3万4,500円/箇所、掃除しやすい機能なしは3万1,500円/箇所です。「掃除しやすい機能」とは、総高さ700mm以下、洗浄タンクを内包するキャビネット、便器ボウル内の除菌機能のいずれかを満たすものを指します。除菌機能は第三者機関により99%以上の性能が評価されたものに限られ、表面加工技術のみのものは除きます。対象製品は事務局に登録された型番に限られるため、契約前に補助対象製品検索で確認してください。手すり設置は別途7,200円/戸、段差解消は8,400円/戸が補助されます。

「トリガールーム」とは何ですか?トイレは対象になりますか?

トリガールームとは、みらいエコ住宅2026事業で2026年度から導入された概念で、外皮に面する開口部(窓など)を持つ1つの居室を指します。この居室で定められた組み合わせの断熱工事を行うことが、住宅全体のリフォームを補助対象にする条件です。居室として認められるのは居間・寝室・子供部屋・台所・書斎などで、トイレ・浴室・洗面所は居室に該当せずトリガールームには選べません。つまり、リビングなどの断熱改修を行ったうえで、その住宅のトイレ交換が補助対象になる構造です。

和式トイレを洋式に変える場合に使える補助金はどれですか?

主に3つの選択肢があります。①要介護・要支援認定がある方なら「介護保険の住宅改修費」で支給限度基準額20万円の7〜9割(最大18万円)を受け取れます。②認定がない場合は自治体独自の住宅改造助成が有力で、徳島県阿南市の高齢者住宅改造費助成事業(補助率2/3・上限20万円)や長野県中野市の障がい者・高齢者にやさしい住宅改良促進事業補助金(補助率9/10・上限63万円)などがあります。③節水型の洋式トイレへの交換であれば、断熱改修とセットで「みらいエコ住宅2026事業」(3万1,500円〜3万4,500円/箇所)も使えます。さらに所得税の特別控除(最大20万円)も併用可能です。

汲み取り式(ぼっとん)トイレの水洗化に補助金は使えますか?

多くの自治体が「水洗便所改造資金助成制度」を設けています。公共下水道の供用開始日から原則3年以内に、自治体指定の工事店で改造工事を行うことが主な条件です。助成額は便槽1個の改造を1件として算定するのが一般的で、大阪府熊取町のように供用開始から1〜2年以内の早期改造に上乗せ助成を行う自治体もあります。ただし新築・建て替えに伴う新設や便所の増設は対象外です。下水道が整備されていない地域では、市町村の浄化槽設置整備事業で合併処理浄化槽の設置補助を受けられます。単独処理浄化槽は対象外です。工事費の相場は80万〜180万円程度を見込んでおきましょう。

トイレの増設に使える補助金はありますか?

2026年度は、トイレの増設を正面から補助する国の制度はありません。三世代同居対応改修としてトイレ増設に1箇所30万円を補助していた長期優良住宅化リフォーム推進事業は2025年度で受付を終了し、令和8年度に同等の後継制度は用意されていません。現実的な選択肢は、①増設する便器が登録済みの節水型ならみらいエコ住宅2026事業(断熱改修とセット)、②愛知県西尾市の三世代同居対応住宅支援事業補助金など自治体の多世帯同居支援、③自治体の住宅リフォーム助成の3つです。介護保険の住宅改修費と水洗便所改造資金助成は、いずれも増設を対象外としています。増設費用の相場は50万〜150万円です。

介護保険の住宅改修費の20万円がリセットされる条件は?

要介護状態区分が3段階以上重くなった場合と、転居した場合にリセットされます。注意が必要なのは、要支援2と要介護1が同じ「第2段階」として扱われる点です。段階は第1段階=要支援1、第2段階=要支援2・要介護1、第3段階=要介護2、第4段階=要介護3、第5段階=要介護4、第6段階=要介護5と設定されています。したがって1回目が要支援1なら要介護3以上、要支援2または要介護1なら要介護4以上、要介護2なら要介護5になった場合にリセットされます。3段階リセットは1人1回限りで、1回目の残額はリセット後の20万円に上乗せされません。判定の起点は初回改修の着工日時点の区分です。

温水洗浄便座への交換は介護保険の対象になりますか?

温水洗浄便座の後付けや暖房便座への単純な交換は、介護保険の住宅改修費の対象外です。介護保険で対象となるのは、和式便器から洋式便器への取替え、洋式便器の座面の高さを高くする工事、手すりの取付け、段差の解消、扉の取替え、床材の変更、およびこれらに付帯して必要な工事に限られます。判断基準は「自立した日常生活を営むために必要な改修かどうか」です。ただし、長野県諏訪市の職場環境整備促進事業補助金のように、事業者向け制度では温水洗浄便座が対象経費に含まれる場合があります。

補助金と減税制度は併用できますか?いくら控除されますか?

併用できますが、減税額の計算では補助金の額を差し引きます。所得税の特別控除は「標準的な工事費用相当額」の10%で、控除対象限度額200万円のため最大20万円です。実際に支払った金額ではなく国が定めた単価で計算する点が特徴で、和式から洋式への交換は1箇所359,700円、開戸を引戸に替える工事は1箇所149,700円と決まっています。適用には補助金を差し引いた標準的な工事費用相当額が50万円を超える必要があるため、複数の工事を組み合わせるのが現実的です。固定資産税は工事完了の翌年度分が100㎡相当分まで3分の1に減額されます。所得税控除は2028年12月31日まで、固定資産税の減額は2031年3月31日まで適用されます。

賃貸住宅に住んでいてもトイレリフォームの補助金はもらえますか?

みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、住宅を所有し居住する個人のほか、賃貸に供する個人・法人、賃借人、共同住宅等の管理組合も対象者に含まれています。ただし工事内容や家主の承諾など個別の条件があるため、事前に事業者へ確認してください。介護保険の住宅改修費は、要介護・要支援認定があれば賃貸住宅でも家主の承諾書があれば対象となる場合があります。一方、固定資産税の減額措置は賃貸住宅を明確に対象外としています。賃貸物件のオーナーであれば、自治体の空き家改修補助金や事業者向け制度も検討できます。

クリニックや歯科医院のトイレ改修に持続化補助金は使えますか?

使えません。小規模事業者持続化補助金の公募要領では、「医師、歯科医師、助産師」および「医療法人」が補助対象外として明記されています。個人開業の医院・歯科医院であっても申請できません。医療機関がトイレ改修で検討できるのは、医療機関を除外していない自治体の職場環境整備・バリアフリー化補助金、建物全体の省エネ改修に伴う設備更新を支援する制度、福祉のまちづくり条例に基づく整備助成などです。いずれも対象要件と公募時期が自治体ごとに異なるため、着工前に所管窓口へ相談してください。

店舗や事業所のトイレ改修に使える補助金はありますか?

あります。全国どこでも申請できるのが「小規模事業者持続化補助金」で、販路開拓との関連を事業計画書で示せば店舗トイレの改修工事が「委託・外注費」として認められます。第20回公募は2026年11月5日から12月15日17:00まで受付予定で、事業支援計画書(様式4)の発行受付締切は12月4日です。エリア限定では、富山県氷見市の労働環境改善助成金(1/2・上限200万円、認定取得で400万円)、群馬県富岡市の女性活躍応援事業補助金(1/2・上限100万円)、東京都足立区の人材定着サポート助成金(1/2・上限100万円)などがあります。交付決定前に契約・発注・支払いをすると補助対象外になる点に注意してください。

2027年度もトイレリフォームの補助金はありますか?

介護保険の住宅改修費は介護保険法に基づく恒久制度のため継続します。所得税の特別控除は2028年12月31日まで、固定資産税の減額措置は2031年3月31日まで適用が決まっており、2027年度も利用できます。一方、みらいエコ住宅2026事業の交付申請は遅くとも2026年12月31日までで、後継事業が編成されるかは2026年12月頃に閣議決定される令和9年度予算案の内容次第です。住宅省エネ支援事業は毎年度、名称と要件を変えて組み替えられており補助額や必須工事も変動するため、要件を満たせるなら今年度中の申請をおすすめします。


まとめ

2026年度のトイレ改修で活用できる補助金・減税制度を整理すると、以下のとおりです。

【個人・住宅向け】

制度補助額・軽減額対象ポイント
みらいエコ住宅2026事業3万1,500円〜3万4,500円/箇所(住宅全体で最大100万円)原則平成28年(2016年)以前に新築された住宅居室1室(トリガールーム)の断熱改修が必須。リフォーム申請は2026年6月30日開始・予算終了次第終了
介護保険の住宅改修費支給限度基準額20万円の7〜9割(最大18万円)要介護・要支援認定者和式→洋式・手すり・段差解消など。工事着工前の事前申請が必須。トイレ単独工事でも申請可
水洗便所改造資金助成自治体ごとに異なる(便槽1個を1件として算定)下水道の供用開始から原則3年以内に改造する方汲み取り式の水洗化向け。新築・増設は対象外。下水道未整備なら合併処理浄化槽の設置補助
自治体独自の補助金自治体ごとに異なる(空き家改修は上限200万円の例も)各自治体の要件に沿った方省エネ・バリアフリー・空き家対策・三世代同居など。多くは着工前申請が必須
所得税の特別控除標準的な工事費用相当額の10%(最大20万円)50歳以上・要介護認定者・障害者など2028年12月31日まで適用。増改築等工事証明書の取得と確定申告が必要
固定資産税の減額翌年度1年分、100㎡相当分まで3分の1減額築10年以上の住宅に65歳以上・要介護認定者等が居住工事完了後3か月以内の申告が必要。適用期限は2031年3月31日

【事業者向け】

制度エリア補助率・上限
小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)全国2/3〜3/4(上限50万円〜最大250万円)
小規模事業者持続化補助金(創業型)全国2/3(上限200万円〜最大250万円)
労働環境改善助成金富山県氷見市1/2(上限200〜400万円)
さが農水産業働く環境サポート補助金佐賀県2/3(上限500万円)
サイクリスト受入環境整備事業補助金長野県2/3(上限300万円)
外国人観光客等受入環境整備事業費補助金静岡県熱海市1/2(上限200万円)
女性にやさしい職場づくり応援事業(タイプC)宮崎県延岡市1/2(上限160万円)
県外人材雇用受入環境整備支援事業費補助金青森県1/3(上限150万円)

みらいエコ住宅2026事業のリフォーム申請は2026年6月30日に受付が始まりましたが、予算300億円に達し次第終了します。前年度の同種事業は7月22日に予算切れとなった実績があるため、節水型トイレへの交換を検討している方は、まず施工業者が登録事業者かどうかを確認し、断熱改修とセットでの見積もりを取りましょう。工事前の写真撮影も忘れずに。バリアフリー目的ならケアマネジャーへの相談と工事着工前の事前申請、汲み取り式の水洗化なら市区町村の下水道担当課への確認が第一歩です。事業者の方は業種・エリアに応じた制度を選び、交付決定を受けてから契約・発注してください。複数の制度を組み合わせることで、トイレ改修の実質負担を大きく抑えられます。

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