「若手がなかなか入ってこない」「女性にも活躍してもらいたいけど採用のハードルが高い」——建設業界で採用を担当していれば、一度は直面する課題ではないでしょうか。
そんな中小建設事業主の強い味方となるのが、トライアル雇用助成金の「若年・女性建設労働者トライアルコース」です。若年者(35歳未満)や女性を試行雇用した場合に、一般トライアルコース等に上乗せして月額最大4万円(最長3か月)が支給されます。
つまり、一般トライアルコースと組み合わせれば1人あたり最大24万円の助成を受けられる計算になります。
本記事では、若年・女性建設労働者トライアルコースの詳細と支給額を解説します。制度を利用する際のよくある質問もまとめたので、建設業界の方はぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
若年・女性建設労働者トライアルコースの詳細
本制度は、若年者(35歳未満)や女性を一定期間トライアル雇用する中小建設事業主に対して助成されます。支給を受けるためには、トライアル雇用助成金の以下のいずれかのコース支給決定を受けることが条件となります。
まずは、上記コースのトライアル雇用の要件(ハローワーク等の紹介であること、原則3か月の有期雇用契約を結ぶこと等)を満たしている必要があります。本コースのみ申請することはできないので注意しましょう。
支給決定を受けていれば、一般トライアルコース・障害者トライアルコースの支給申請と同時に、申請書類を提出できます。
申請対象事業主
本コースの申請対象となるのは、以下の要件をすべて満たす「中小建設事業主」です。
・「建設の事業」の雇用保険料率の適用を受けていること
・資本金の額若しくは出資の総額が3億円以下、又は常時雇用する労働者数が300人以下であること
・雇用管理責任者を選任していること
ただし、上記に該当しても、一人親方や同居の親族のみを使用して建設事業を行っている場合は対象外となります。
支給額
支給額は、以下のとおりです。
| 区分 | 助成額 |
|---|---|
| 支給対象者1人につき | 月額4万円×3か月 |
支給対象期間は、トライアル雇用を開始した日から1か月間単位で、最長3か月間です。
対象となる建設工事の範囲
対象となる建設工事は全29種類
若年・女性建設労働者トライアルコースは、建設業法に定められる全29種類の建設工事が対象となります。自社の事業が対象となるか不安な方も、まずは以下の表で確認してみましょう。
| 分類 | 建設工事の種類 |
|---|---|
| 一式工事 | 土木一式工事/建築一式工事 |
| 躯体・構造系 | 大工工事/左官工事/とび・土工・コンクリート工事/石工事/屋根工事/タイル・れんが・ブロック工事/鋼構造物工事/鉄筋工事 |
| 設備系 | 電気工事/管工事/電気通信工事/機械器具設置工事/消防施設工事/水道施設工事 |
| 仕上系 | 板金工事/ガラス工事/塗装工事/防水工事/内装仕上工事/建具工事/熱絶縁工事 |
| 土木・その他 | ほ装工事/しゅんせつ工事/造園工事/さく井工事/清掃施設工事/解体工事 |
まずは「建設工事」に該当するかを確認
「うちの仕事は本当に対象なのだろうか」と迷う方は多いですが、建設業法で定める29種類のいずれかの工事を行っていれば、本コースの対象となる可能性があります。特に以下のような工事は見落とされがちなので注意してください。
| 工事の種類 | 工事の内容 |
|---|---|
| しゅんせつ工事 | 河川・港湾などの水底をしゅんせつする工事 |
| さく井工事 | さく井・観測井・温泉掘削などの工事 |
| 清掃施設工事 | し尿処理施設やごみ処理施設の設置工事 |
| 解体工事 | 工作物の解体を行う工事 |
| 電気通信工事 | 有線・無線通信設備やデータ通信設備の設置工事 |
| 造園工事 | 庭園・公園・緑地等の苑地築造工事 |
これらの工事も立派な「建設工事」であり、条件を満たせば助成の対象となります。
対象外となる職種に注意
対象となる建設工事を行っている事業者であっても、雇用した労働者が主として以下の業務に従事する場合は対象外となります。
・設計
・測量
・経理
・営業
「主として」とは、実労働時間の半分を超える時間を指します。つまり、雇用した労働者が実労働時間の半分超を現場作業または施工管理に従事していることが要件となります。
迷ったら労働局に相談を
自社の事業内容や雇用予定の労働者の業務が本コースの対象になるか判断に迷う場合は、管轄の都道府県労働局に問い合わせることをおすすめします。事前に確認しておくことで、申請後のトラブルを防ぐことができます。
トライアル雇用期間中に終了・変更があった場合は?
本コースの支給額は月額4万円ですが、以下の理由によりトライアル雇用中に終了・雇用形態の変更があった場合、その月は実際の就労日数に応じた支給額となります。
(本人都合の退職、解雇、死亡、天災等による事業継続不能など)
・トライアル雇用期間の途中で無期雇用へ移行した場合
・本人の都合による休暇や、事業主の都合による休業があった場合
支給額は以下の計算式で計算されます。
この割合により、変更があった月の支給額は次のようになります。
| 就労割合 | 月額 |
|---|---|
| 75%以上 | 40,000円 |
| 50%以上75%未満 | 30,000円 |
| 25%以上50%未満 | 20,000円 |
| 0%超25%未満 | 10,000円 |
| 0% | 0円 |
若年・女性建設労働者トライアルコースの申請方法
本コースの申請時は、以下の書類を管轄する都道府県労働局またはハローワークに提出してください。
・若年・女性建設労働者であることを明らかにする書類
・その他管轄労働局長が必要と認める書類
提出期間は、トライアル雇用助成金の一般トライアルコース・障害者トライアルコースと同じで、原則トライアル雇用終了日の翌日から2か月以内となります。
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース、障害者トライアルコース)の支給申請と同時に提出することも可能です。申請の流れは、以下の流れを参考にしてください。

参考:トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)
申請書の様式は、「若年・女性建設労働者トライアルコースの公式サイト」からダウンロードできます。
若年・女性建設労働者トライアルコースに関するよくある質問
最後に、若年・女性建設労働者トライアルコースに関するよくある質問を紹介します。「若年労働者」の定義は?
本コースの対象となる「若年労働者」は35歳未満の者です。訓練開始日又は事業開始日時点において、35歳の誕生日の前々日以前である者が対象となります。
現場作業以外の業務をすると対象外になる?
建設工事現場での現場作業以外の業務(設計、経理など)に従事した場合であっても、直ちに助成対象外とするものではありません。 建設工事現場での現場作業(左官、大工、鉄筋工、配管工などの作業及び施工管理を指します)が実労働時間の半分を超えていれば、建設工事現場での現場作業以外の業務に従事した場合も助成対象になります。
離職や常用雇用への移行、建設業務以外に配置転換した場合どうなる?
対象となる労働者が離職した場合は離職した日、常用雇用への移行又は建設業務以外の職種に配置転換した場合については、該当日の前日までの期間について、助成対象となります。
まとめ
若年・女性建設労働者トライアルコースは、通常のトライアル雇用に取り組む中で、建設業に特化した上乗せ支給を受けられる制度です。若年者や女性の採用に関心はあるものの、現場適性や定着を見極めながら段階的に雇用を進めたいと考える中小建設事業者に向いています。
人材確保の選択肢を広げたい場合や、将来的な常用雇用を見据えて段階的に採用を進めたい場合には、制度内容を確認したうえで活用を検討するとよいでしょう。
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