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トライアル雇用助成金 一般トライアルコースの申請方法や助成額を紹介

公開日:2026/1/15 更新日:2026/7/15
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「面接では良さそうに見えたのに、入社してすぐミスマッチが発覚した」「未経験者を採用したいが、育成コストや早期離職のリスクが不安」——中小企業の採用現場では、こうした声が絶えません。総務省の労働力調査によれば、2025年の完全失業者数のうち約4割が「1年以上の長期離職者」で、離職期間が長いほど正社員として再就職するハードルが高くなる傾向があります。

こうした状況で、事業主・求職者双方のミスマッチを防ぐ制度として活用されているのが、厚生労働省のトライアル雇用助成金 一般トライアルコースです。ハローワーク等の紹介で就職困難者を原則3か月間試行雇用すると、対象労働者1人あたり月額4万円(ひとり親は5万円)が最長3か月間、最大12万円(ひとり親は最大15万円)支給されます。

本記事では、一般トライアルコースの対象労働者・事業主要件・助成額の計算方法・申請の流れ・活用事例までを、2026年度(令和8年度)の最新制度内容に基づいて解説します。

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この記事の目次

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一般トライアルコースとは?制度の目的と特徴

一般トライアルコースは、職業経験の不足や離職期間の長さから安定した就職が難しい求職者を、無期雇用契約への移行を前提に原則3か月間試行雇用する事業主に、月額4万円(ひとり親は5万円)を支給する厚生労働省の助成金です。試行期間を設けることで、事業主は実際の業務を通じて対象者の適性を見極めることができ、求職者側も職場環境を確認したうえで継続雇用への移行を判断できます。

【一般トライアルコースのポイント】
・支給主体:厚生労働省
・申請窓口:管轄の労働局・ハローワーク(電子申請も可)
・対象事業主:雇用保険適用事業所(業種・規模を問わない)
・支給額:月額4万円(ひとり親は5万円)
・支給期間:最長3か月(合計最大12万円/ひとり親は最大15万円)
・必須条件:ハローワーク等の紹介による雇入れ、無期雇用移行が前提

トライアル雇用助成金には全4コースがありますが、一般トライアルコースは障害者以外の就職困難者を対象とする、最も基本的なコースです。障害者を雇用する場合は障害者トライアルコース、建設業で若年者・女性を雇用する場合は若年・女性建設労働者トライアルコースが該当します。

2026年度(令和8年度)の主な変更点はある?

一般トライアルコースの実施要領・支給要領は令和6年4月1日版が現行運用されており、支給額や支給期間の枠組みに大きな変更はありません。ただし対象労働者の範囲は段階的に拡充されており、令和4年5月30日からウクライナ避難民、令和5年12月1日から補完的保護対象者も試行雇用の対象に加わっています。補完的保護対象者とは、難民条約上の難民には該当しないものの、難民に準じて保護すべきと認められた外国人を指します。

一般トライアルコースの対象労働者は誰?5つの類型

一般トライアルコースの対象労働者は、無期雇用による雇入れを希望し、週30時間以上の勤務が可能で、以下5つの類型のいずれかに該当する求職者です。ハローワーク等を経由せず縁故で採用した場合は対象外となります。

類型対象者の条件
①離職を繰り返している方紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職・転職を繰り返している
②長期離職者紹介日の前日時点で、離職期間が1年を超えている(パート・アルバイト含む一切の就労なし)
③妊娠・出産・育児離職者妊娠・出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
④担当者制個別支援対象者生年月日が1968年(昭和43年)4月2日以降で、安定した職業に就いておらず、ハローワーク等で担当者制の個別支援を受けている(2026年時点で概ね58歳以下)
⑤特別な配慮を要する方生活保護受給者、母子家庭の母、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者、生活困窮者、ウクライナ避難民、補完的保護対象者など

対象外となる求職者は?

要件を満たしていても、以下に該当する場合は対象外となります。

  • 既に安定した職業(無期雇用で週30時間以上勤務)に就いている方
  • 自ら事業を営んでいる方、または役員等で週30時間以上の実働がある方
  • 学校に在籍している学生
  • すでに別の事業所でトライアル雇用期間中にある方
  • 事業主または取締役の3親等以内の親族(配偶者、3親等以内の血族・姻族)
  • ハローワーク等の紹介を経ずに縁故・知人紹介で雇入れた方

「3親等以内の親族」の範囲は具体的には、配偶者、父母・子(1親等)、祖父母・兄弟姉妹・孫(2親等)、曾祖父母・伯叔父母・甥姪・曾孫(3親等)とそれぞれの姻族です。同族経営の中小企業では、身内の雇入れが対象外となる点にご注意ください。

一般トライアルコースを受給できる事業主の条件

一般トライアルコースの申請ができるのは、雇用保険適用事業所の事業主で、対象労働者を次のすべての条件で雇入れる場合です。

条件内容
①紹介ルートハローワーク等の紹介により雇い入れること(事前に「トライアル雇用求人」の提出が必要)
②雇用期間原則3か月のトライアル雇用を行うこと
③週の所定労働時間通常の労働者と同じ週30時間以上(日雇労働者・ホームレス・住居喪失不安定就労者を雇入れる場合は20時間以上)
④雇用保険トライアル雇用期間について雇用保険被保険者資格取得の届出を行うこと
⑤書類管理労働者名簿・賃金台帳・出勤簿等を適切に整備・保管し、必要に応じて労働局等の実地調査に対応すること

対象外となる事業主は?

以下に該当する事業主は、要件を満たしていても対象外となります。

  • 過去に労働関係法令の重大な違反があった事業主
  • 倒産している事業主、および倒産手続き中の事業主
  • 不正受給による不支給決定・支給取消を受けた事業主(一定年数の経過後は可)
  • 労働保険料を滞納している事業主
  • 性風俗関連営業等を行っている事業主(※事務・清掃等の非接待業務での雇入れは受給可の場合あり)
  • 暴力団関係者等

一般トライアルコースの助成額はいくら?

一般トライアルコースの支給額は、対象労働者1人あたり月額4万円(母子家庭の母等・父子家庭の父の場合は月額5万円)です。支給期間は雇入れの日から1か月単位で最長3か月間で、支給対象期間中の月額合計が1回でまとめて支給されます。

区分月額最大支給額(3か月分)
通常の対象労働者4万円12万円
母子家庭の母等または父子家庭の父5万円15万円

途中で退職・条件変更があった場合の減額計算

トライアル雇用期間の途中で離職・無期雇用への移行・所定労働時間の変更・休業などがあった場合、その月の支給額は実際に就労した日数に応じて減額されます。減額の対象となるケースは以下のとおりです。

  • 本人の責めに帰すべき理由による解雇、本人都合退職、本人死亡、天災等による事業継続不可能な場合の解雇
  • トライアル雇用期間中に無期雇用へ移行した場合
  • 週の所定労働時間が30時間未満(特別配慮者は20時間未満)に変更された場合
  • 本人の都合による休暇や、事業主都合による休業があった場合(有給休暇は就労日数とみなす)

減額計算は、「実際に就労した日数 ÷ 就労を予定していた日数」の割合(A)に応じて次のとおりとなります。

就労割合(A)月額(通常)月額(ひとり親家庭の場合)
A≧75%40,000円50,000円
75%>A≧50%30,000円37,500円
50%>A≧25%20,000円25,000円
25%>A>0%10,000円12,500円
A=0%0円0円

助成額の計算シミュレーション

具体的にどの程度受給できるのか、ケース別の計算例を示します。

【ケースA】3か月フルにトライアル雇用を実施し、無期雇用へ移行
・月額4万円 × 3か月 = 12万円

【ケースB】ひとり親家庭の母を3か月フル雇用し、無期雇用へ移行
・月額5万円 × 3か月 = 15万円

【ケースC】2か月目の中旬に本人都合で退職(就労予定20日中10日勤務=50%)
・1か月目:4万円(満額)
・2か月目:20,000円(50%>A≧25%区分)
・合計:6万円

【ケースD】妊娠を機に離職した女性を3か月フル雇用、うち1か月目に有給休暇5日取得
・有給は就労日数とみなすため満額支給
・月額4万円 × 3か月 = 12万円

一般トライアルコースの申請の流れ

一般トライアルコースの申請は、以下の5ステップです。実施計画書の提出期限(開始日から2週間以内)と支給申請の期限(終了日の翌日から2か月以内)を1日でも過ぎると受給できなくなるため、スケジュール管理を徹底してください。

ステップ内容期限
1. トライアル雇用求人の提出ハローワーク等に「トライアル雇用求人」を提出する(通常の求人と同時に出せる)雇入れ前
2. 職業紹介と選考対象者の紹介を受け、書類選考または面接で採否を決定する
3. 実施計画書の提出雇入れ後、「トライアル雇用実施計画書」を管轄ハローワーク等に提出開始日から2週間以内
4. トライアル雇用の実施原則3か月間の試行雇用を行う
5. 支給申請書の提出支給申請書を管轄労働局またはハローワークに提出終了日の翌日から2か月以内

実施計画書には、トライアル雇用中に事業主が講じる措置や無期雇用への移行要件を記載します。対象労働者と十分に話し合い、合意を得たうえで提出することが求められます。

電子申請にも対応

一般トライアルコースは、厚生労働省の電子申請システム(雇用関係助成金ポータル)から電子申請が可能です。書類の郵送や窓口持参の手間を省けるため、初めて申請する事業主は電子申請の活用を検討しましょう。申請様式・記入例は厚生労働省の申請様式ダウンロードページから取得できます。

一般トライアルコースの活用事例

一般トライアルコースは、業種・規模を問わず幅広い企業で活用されています。ここでは代表的な活用パターンを3つ紹介します(実在の企業ではなくモデルケースです)。

事例1:飲食チェーンで長期離職者をホールスタッフとして採用

【業種】飲食業(従業員30名)
【対象者】離職期間1年超の40代男性
【活用内容】ハローワークの紹介でホールスタッフとして週40時間で採用。3か月のトライアル期間中に接客スキルを再習得し、正社員として無期雇用へ移行。
【受給額】月額4万円 × 3か月 = 12万円

長期離職者は「ブランクが不安」という理由で書類選考で落とされがちですが、トライアル期間を設けることで採用ハードルが下がり、事業主・求職者双方にメリットがあります。

事例2:製造業で妊娠・出産により離職した女性を再雇用

【業種】製造業(従業員80名)
【対象者】妊娠・出産で離職し、育児が一段落した30代女性
【活用内容】ハローワークの紹介で品質管理業務に週30時間で採用。3か月のトライアル期間で職場復帰の慣らし運転を行い、無期雇用へ移行。
【受給額】月額4万円 × 3か月 = 12万円

育児離職から1年以上経過した女性は要件を満たすため、キャリアブランクからの復職を支援したい企業に向いています。

事例3:ITベンチャーでひとり親家庭の母を事務職として採用

【業種】情報通信業(従業員15名)
【対象者】母子家庭の40代女性(保育園を利用中)
【活用内容】ハローワークの紹介で経理・総務事務として週30時間で採用。時短勤務でスタートし、3か月後に正社員として無期雇用へ移行。
【受給額】月額5万円 × 3か月 = 15万円(ひとり親加算)

母子家庭・父子家庭の親は月額5万円に増額されるため、ひとり親の就労支援を積極的に行いたい企業に向いています。関連情報として、ひとり親の就労支援に活用できる助成金は以下の記事でも解説しています。

ひとり親の就労を支援!事業主が活用できる助成金とコースを紹介

一般トライアルコースに関するよくある質問

一般トライアルコースの助成額はいくらもらえる?

対象労働者1人あたり月額4万円が最長3か月間支給され、合計最大12万円となります。母子家庭の母等・父子家庭の父を雇用した場合は月額5万円に増額され、合計最大15万円です。ただし途中退職や休業があった場合は、実際の就労日数に応じて月額が減額されます。

トライアル雇用の期間はどれくらい?延長できる?

原則3か月間で、一般トライアルコースには延長制度はありません。障害者トライアルコース(精神障害者を対象とする場合は最長6か月)や障害者短時間トライアルコース(最長12か月)とは異なる点に注意してください。

派遣社員や請負契約での雇用も対象になる?

対象外です。派遣求人をトライアル雇用求人として提出することはできず、請負契約や出向を前提とした求人も助成対象になりません。事業主が自社で直接雇用することが要件です。

3親等以内の親族を雇った場合は対象になる?

対象外です。事業主または取締役の3親等以内の親族(配偶者、父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫・曾祖父母・伯叔父母・甥姪・曾孫、およびそれぞれの姻族)は、ハローワーク等の紹介を経ていても支給対象になりません。同族経営の中小企業では特に注意が必要です。

申請期限を過ぎるとどうなる?

1日でも過ぎると受給できなくなります。実施計画書は雇入れから2週間以内、支給申請書はトライアル雇用終了日の翌日から2か月以内の提出が必須で、期限を過ぎた場合の救済措置は原則ありません。

他の助成金と併給できる?

同じ対象労働者について特定求職者雇用開発助成金の第一期分と併給する場合は、どちらか一方を選択する必要があります。一方、トライアル雇用終了後にキャリアアップ助成金(正社員化コース)を利用するなど、時期をずらした併用は可能なケースが多いです。詳細は関連記事を参照してください。

トライアル雇用中に本人都合で退職した場合、助成金はどうなる?

退職までの実際の就労日数に応じて減額支給されます。退職日の属する月の初日から退職日までの期間について、就労予定日数に対する実就労日数の割合に応じた月額が支給されます。実就労日数が0%の月のみ不支給です。

選考は書類選考だけでもいい?

一般トライアルコースは書類選考でも認められますが、なるべく面接を行うことが厚生労働省から推奨されています。ミスマッチ防止という制度趣旨からも、面接での確認が望ましいでしょう。障害者トライアルコースは面接必須ですので混同しないよう注意してください。

対象労働者を2人同時に雇用した場合は?

対象者1人につき助成金が支給されるため、要件を満たす対象労働者を2人同時にトライアル雇用すれば、それぞれについて申請できます。ただし、実施計画書・支給申請書は労働者ごとに作成・提出する必要があります。

電子申請には対応している?相談窓口はどこ?

厚生労働省の雇用関係助成金ポータルから電子申請が可能です。相談窓口は、管轄の都道府県労働局またはハローワークで、制度の詳細確認から求人の提出、申請書類の受付まで一貫して対応しています。初めて申請する場合は、事前にハローワークで相談することをおすすめします。


まとめ

一般トライアルコースは、離職期間が長い方・妊娠出産で離職した方・ひとり親家庭の親など、就職困難者を採用してミスマッチのリスクを抑えたい事業主に有効な助成金です。1人あたり最大12万円(ひとり親は最大15万円)と金額はそれほど大きくありませんが、業種・企業規模を問わず、原則3か月の試行期間で採用の是非を判断できる点が大きなメリットです。

申請にあたっては、雇入れ前にハローワーク等へトライアル雇用求人を提出する点、実施計画書と支給申請書の期限を守る点、3親等以内の親族雇用は対象外である点に特に注意しましょう。制度内容を正しく理解し、自社の採用計画に組み込むことで、採用リスクを抑えながら人材確保を進められます。

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