最大48万円の助成が受けられる「トライアル雇用助成金」をご存知でしょうか。職業経験の不足や障害の有無などで就職が困難な求職者を試行雇用する事業主を支援する国の制度で、2026年現在、4つのコースが用意されています。
それぞれのコースで対象者や助成額が異なり、中小建設事業主であれば複数コースを併用することで1人あたり最大27万円の助成を受けられるケースもあります。
本記事では、4つのコースの違いや助成額、申請方法、自社に合うコースの選び方までを網羅的に解説します。
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この記事の目次
トライアル雇用助成金とは?
トライアル雇用助成金は、職業経験の不足や障害の有無など、さまざまな理由で就職が困難な求職者を、原則3か月間(コースにより最長12か月)試行雇用する事業主に対して支給される国の助成金です。
試行期間を設けることで、事業主は実際の業務を通じて対象者の適性を見極めることができ、対象者側も職場環境を確認したうえで継続雇用への移行を判断できます。双方のミスマッチを防ぎながら、就職困難者の雇用を促進する制度として、多くの中小企業で活用されています。
制度を活用するためには、事前にハローワーク等にトライアル雇用求人を提出し、その紹介を受けて雇入れを行う必要があります。知人からの紹介や自社の縁故採用では対象外となるため注意してください。
トライアル雇用助成金の4つのコース【2026年・令和8年最新】
トライアル雇用助成金には4つのコースがあり、対象となる労働者や事業主、支給額が異なります。まずは4つのコースの違いを一覧で確認しましょう。
| コース名 | 対象となる労働者 | 最大助成額 |
|---|---|---|
| 一般トライアルコース | 就職困難者(離職を繰り返している方、長期離職者、ひとり親など) | 最大12万円(ひとり親は最大15万円) |
| 障害者トライアルコース | すべての障害者(週20時間以上勤務) | 最大12万円(精神障害者は最大36万円) |
| 障害者短時間トライアルコース | 精神障害者・発達障害者のみ(週10〜20時間未満勤務) | 最大48万円 |
| 若年・女性建設労働者トライアルコース | 35歳未満または女性の建設労働者(一般・障害者コースに上乗せ) | 最大12万円(他コースと併用) |
それぞれのコースの概要を以下で解説します。より詳しい要件や申請方法は、各コースの詳細記事をご覧ください。
一般トライアルコース
一般トライアルコースは、就職が困難な求職者を原則3か月間試行雇用する事業主を対象とした、最も基本的なコースです。離職を繰り返している方、1年以上離職している方、ひとり親、ウクライナ避難民、補完的保護対象者などが対象となります。
| 項目 | 内容 | |
|---|---|---|
| 対象労働者 | 離職・転職を繰り返している方、長期離職者、妊娠・出産・育児離職者、ひとり親、生活保護受給者など | |
| 雇用期間 | 原則3か月 | |
| 助成額 | 月額4万円(ひとり親家庭は5万円) | |
| 最大助成額 | 12万円(ひとり親家庭は15万円) |
詳しくは以下の記事で解説しています。
障害者トライアルコース
障害者トライアルコースは、障害者を原則3か月間(精神障害者は最長12か月)試行雇用する事業主を対象としたコースです。週20時間以上の勤務が前提となり、身体障害・知的障害・精神障害など、すべての障害者が対象です。特に精神障害者を雇用する場合は、初期3か月の助成額が2倍(月額8万円)になる特例があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象労働者 | すべての障害者(週20時間以上勤務) |
| 雇用期間 | 原則3か月(精神障害者は6〜12か月) |
| 助成額 | 月額4万円(精神障害者は初期3か月8万円) |
| 最大助成額 | 12万円(精神障害者は最大36万円) |
詳しくは以下の記事で解説しています。
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースの詳細記事はこちら
障害者短時間トライアルコース
障害者短時間トライアルコースは、週10時間以上20時間未満の短時間からスタートし、期間中に20時間以上への勤務時間延長を目指すコースです。対象となるのは精神障害者・発達障害者に限定されており、身体障害者や知的障害者は対象外となる点に注意が必要です。最長12か月支給されるため、4つのコースの中で最大の助成額(48万円)となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象労働者 | 精神障害者・発達障害者のみ(週10〜20時間未満勤務) |
| 雇用期間 | 3〜12か月 |
| 助成額 | 月額4万円 |
| 最大助成額 | 48万円 |
詳しくは以下の記事で解説しています。
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースの詳細記事はこちら
若年・女性建設労働者トライアルコース
若年・女性建設労働者トライアルコースは、中小建設事業主が35歳未満の若年者または女性を建設工事の現場作業や施工管理に従事させる目的で雇用した場合に、一般トライアルコースまたは障害者トライアルコースに上乗せして支給される助成金です。このコースは単独では利用できず、必ず一般または障害者トライアルコースと併用する形となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象労働者 | 35歳未満または女性の建設労働者(現場作業・施工管理に従事) |
| 対象事業主 | 中小建設事業主 |
| 雇用期間 | 原則3か月 |
| 助成額 | 月額4万円(他コースに上乗せ) |
| 最大助成額 | 12万円(一般コースと合わせて最大24〜27万円) |
詳しくは以下の記事で解説しています。
自社に合うコースの選び方
どのコースを利用すべきか迷った場合は、以下のフローに沿って判断してください。
| 雇用したい労働者のタイプ | おすすめのコース |
|---|---|
| 離職を繰り返している方、長期離職者、ひとり親など | 一般トライアルコース |
| 障害者(週20時間以上勤務) | 障害者トライアルコース |
| 精神障害者・発達障害者(週20時間未満の短時間勤務) | 障害者短時間トライアルコース |
| 35歳未満または女性の建設労働者 | 一般または障害者トライアルコース+若年・女性建設労働者トライアルコース |
なお、若年・女性建設労働者トライアルコースは他のコースとの併用が前提のため、中小建設事業主の方は2つのコースを同時に申請できるケースが多くあります。
対象となる事業主の共通要件
各コースを受給する事業主は、以下の共通要件を満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 雇用保険の適用 | 雇用保険適用事業所の事業主であること |
| 審査協力 | 支給のための審査に協力すること |
| 労働保険料の納付 | 労働保険料を適切に納入していること |
| 法令遵守 | 過去に労働関係法令の違反がないこと |
| 不正受給の履歴 | 不正受給による不支給決定や支給取消を受けていないこと(規定年数経過後は可) |
倒産している事業主、性風俗関連営業等を行っている事業主、暴力団関係者等は対象外となります。ただし、風俗事業者等であっても、接待業務等に従事しない事務や清掃などの労働者の雇入れについては受給が認められる場合があります。
トライアル雇用助成金の申請の流れ
各コース共通の申請の流れは、以下のとおりです。
| ステップ | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 1. 求人の申込 | ハローワーク等にトライアル雇用求人を提出 | 雇入れ前 |
| 2. 職業紹介・選考 | 対象者の紹介を受け、選考を実施(障害者コースは面接必須) | ー |
| 3. トライアル雇用開始 | 雇用契約を締結し、トライアル雇用を開始 | ー |
| 4. 実施計画書の提出 | トライアル雇用実施計画書を提出 | 開始日から2週間以内 |
| 5. トライアル雇用実施 | 原則3か月(コースにより最長12か月)の試行雇用 | ー |
| 6. 支給申請 | 支給申請書を管轄労働局またはハローワークに提出 | 終了日の翌日から2か月以内 |
実施計画書は開始から2週間以内、支給申請は終了から2か月以内と期限が厳格に定められています。期限を1日でも過ぎると受給できなくなるため、スケジュール管理を徹底しましょう。
よくある質問
すべてのコースに共通する対象者要件はある?
すべてのコースで「ハローワーク等の紹介」による雇入れが必須です。また、継続雇用(無期雇用または1年超の雇用)を希望しており、制度内容を理解している求職者であることが共通要件となります。
複数のコースを同時に申請できる?
基本的には1人の労働者につき1つのコースでの申請となりますが、若年・女性建設労働者トライアルコースのみ、一般トライアルコースまたは障害者トライアルコース(短時間を除く)との併用が可能です。
トライアル雇用中に辞めてしまった場合は?
実際に就労した日数に応じて減額支給されます。全コース共通で、就労予定日数に対する実就労日数の割合(75%以上、50〜75%未満など)に応じて月額が段階的に減額されます。0%の場合のみ不支給です。
自社の縁故採用でも助成金は受けられる?
対象外となります。必ずハローワークや地方運輸局、一定の要件を満たす職業紹介事業者等からの紹介による雇入れであることが要件です。また、事業主または取締役の3親等以内の親族を雇入れた場合も対象外です。
派遣や請負での雇用は対象になる?
対象外です。すべてのコースで、派遣求人や請負・出向を前提とした求人は対象となりません。自社で直接雇用することが必要です。
選考方法に決まりはある?
一般トライアルコースは書類選考と面接のどちらでも可ですが、なるべく面接を行うことが推奨されています。障害者トライアルコースおよび障害者短時間トライアルコースは面接が必須で、書類選考のみで採否を決定することはできません。
法改正があった場合、どのコースが影響を受ける?
トライアル雇用助成金は、令和8年(2026年)4月8日にも改正が行われており、定期的に要件や支給額が見直されています。最新情報は、厚生労働省の公式サイトまたは管轄のハローワーク・労働局で必ずご確認ください。
まとめ
トライアル雇用助成金は、就職困難者の雇用を促進しつつ、事業主の採用ミスマッチを防ぐための重要な支援制度です。一般トライアルコース、障害者トライアルコース、障害者短時間トライアルコース、若年・女性建設労働者トライアルコースの4つから、自社の状況や雇用する労働者に応じて選択できます。
特に精神障害者を雇用する場合は最大36万円、障害者短時間トライアルコースは最大48万円と、助成額も大きくなっています。また、中小建設事業主の場合は若年・女性建設労働者トライアルコースとの併用で、最大24〜27万円の助成を受けられる可能性があります。
制度の要件を確認し、自社の採用課題に合った活用を検討しましょう。
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