厚生労働省の設置する「トライアル雇用助成金」は、試行雇用を通じて、求職者の適性や能力を見極めることを目的とした制度です。労働者と企業がお互いを理解した上で、無期雇用へ移行が可能になります。
特に障害者トライアルコースでは、テレワークによる勤務を行う場合、トライアル雇用期間を最大6か月まで延長可能です。
今回はトライアル雇用助成金の概要や申請方法を、障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースを中心にまとめました。
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この記事の目次
トライアル雇用助成金とは
トライアル雇用助成金は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者等を、一定期間試行雇用(トライアル雇用)する事業者を支援する制度です。求職者の早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることが目的です。試験雇用期間は、原則として3カ月間です。
求職者はハローワーク等を通じて企業に雇用され、企業は労働局へ助成金の申請を行います。トライアル雇用後は、無期雇用に移行することが前提となる制度です。

出典:トライアル雇用
トライアル雇用助成金には、主に以下の3つのコースが設定されています。
■一般トライアルコース
無期雇用契約へ移行することを前提に、求職者のトライアル雇用を行う事業主が助成されます。
なお令和4年5月30日からはウクライナ避難民、令和5年12月1日からは補完的保護対象者の試行雇用も対象となりました。
■障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース
障害者を原則3か月間(精神障害者は最大12か月間)試行雇用する事業主が助成されます。
また障害者のテレワークのニーズの高まりを受け、令和3年度からテレワークによる勤務を行う場合のトライアル雇用期間が、最長6か月まで延長可能になりました。
ただし支給額の変更はなく、期間延長分の支給はありません。
なお「一般トライアルコース」または「障害者トライアルコース」の支給を受けた事業者のうち、若年者(35歳未満)や女性のトライアル雇用を行う中小建設事業者は、「若年・女性建設労働者トライアルコース」の助成が受けられます。
ここからは、障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースの概要を見ていきましょう。
トライアル雇用助成金の対象となる事業主
各コースを受給する事業主の主な要件は、以下のとおりです。
| 以下の「各雇用関係助成金に共通の要件等」に該当すること |
|---|
| ・雇用保険適用事業所の事業主であること ・支給のための審査に協力すること |
| ■以下にいずれかに該当する者でないこと |
| ・不正受給による不支給決定または支給決定の取り消しを受けた場合、規定の年数を経過していない ・労働保険料を納入していない ・過去に労働関係法令の違反があった ・倒産している ・性風俗関連営業等を行っている、または暴力団関係者等である |
なお風俗事業者等であっても、接待業務等に従事しない事務や清掃などの労働者の雇い入れでは、受給が認められる場合があります。
また6か月前から障害者トライアル雇用等を終了した日までの間に、以下の解雇等を行っている場合も対象外です。
・雇用保険被保険者を、事業主都合によって解雇したことがある場合
・雇用保険被保険者を、特定受給資格者となる離職理由により、雇用保険被保険者数の6%を超えて、かつ4人以上離職させていた場合
事業主の都合による解雇等がある場合、本制度の対象外となる可能性があるため、申請前には各要件をよく確認してください。
障害者トライアルコース
ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介によってトライアル雇用を受ける者が、障害者である場合に対象となります。
対象となる労働者
障害者トライアルコースの対象労働者は、以下の①、②の両方に該当する者です。
| ①障害者トライアル雇用制度を理解し、障害者トライアル雇用による雇入れを希望している者 ②障害者雇用促進法に規定する障害者のうち、次のいずれかに該当する者 ・就労の経験のない職業に就くことを希望する ・過去2年以内に、離職が2回以上または転職が2回以上ある ・離職している期間が6か月を超えている ・重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者 |
また、雇い入れ時の条件は以下のとおりです。
■ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介であること
■障害者トライアル雇用等の期間について、雇用保険被保険者資格取得の届出を行うこと
なお、ほかにも雇用関係助成金共通の要件が設定されています。
受給額
支給対象者1人あたりの受給額は、以下のとおりです。
■対象労働者が精神障害者の場合、月額最大8万円を3か月、その後月額最大4万円を3か月
■上記以外の場合、月額最大4万円
なお精神障害者の場合は最長6か月、それ以外は最長3か月です。
障害者短時間トライアルコース
障害者をトライアル雇用する場合に雇入れ時の週の所定労働時間を10時間以上20時間未満とし、障害者の職場適応状況や体調等に応じて、同期間中にこれを20時間以上とすることを目指す場合が対象です。
対象となる労働者
障害者短時間トライアルコースの対象労働者は、障害者短時間トライアル雇用制度を理解した上で、障害者短時間トライアル雇用による雇入れを希望している精神障害者または発達障害者が対象です。
また雇い入れ時の条件は、以下のとおりです。
■ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
■3か月から12か月間の短時間トライアル雇用をすること
そのほか、障害者トライアルコースと同様に、雇用関係助成金共通の要件を満たす必要があります。
受給額
支給対象者1人あたりの受給額は、以下のとおりです。
支給対象者1人につき月額最大4万円
最長12か月間、支給されます。
トライアル雇用助成金の申請の流れ
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースの申請の流れは、以下のとおりです。
①障害者トライアル雇用等実施計画書の提出
障害者トライアル雇用等に係る雇入れ日から2週間以内に「障害者トライアル雇用等実施計画書」を、ハローワークまたは地方運輸局に提出してください。
②支給申請
■障害者トライアルコースの場合
障害者トライアル雇用を終了した日の翌日から起算して2か月以内に、「障害者トライアル雇用等結果報告書 兼 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース支給申請書」に必要な書類を添えて、ハローワークを経由して労働局に提出してください。
■障害者短時間トライアルコースの場合
以下の期間内に、「障害者トライアル雇用等結果報告書 兼 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース支給申請書」に必要な書類を添えて、ハローワークを経由して労働局に提出してください。
・1回目の支給申請
障害者短時間トライアル雇用を開始した日から6か月経過後の翌日から起算して2か月以内
・2回目の支給申請
障害者短時間トライアル雇用が終了した日の翌日から起算して2か月以内
なお障害者短時間トライアル雇用の期間が6か月未満の場合、支給対象者が障害者短時間トライアル雇用の期間の途中で離職した場合・継続雇用する労働者として雇用した場合は取扱いが異なります。詳しくは、労働局へお問い合わせください。
まとめ
トライアル雇用助成金の障害者コースは、企業と障害者双方に有益な機会を提供する制度です。企業は実際の職場環境で障害者の適性や能力を見極めることができ、障害者は職場の環境を確認しながら、安心して働くことができます。
障害者雇用では、多様な働き方への対応も重要です。テレワークに関する拡充は、障害者の選択肢を増やし、より働きやすい環境を考えるきっかけにもなります。
トライアル雇用助成金をはじめとする支援策を活用し、だれもが働きやすい社会の実現を目指しましょう。
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