「工場の電気代や燃料費を下げたいが、どの設備でどれだけムダが出ているか分からない」「設備更新の前に、まずエネルギー消費を見える化したい」「店舗や事業所のエネルギー使用状況をデータで把握して運用改善につなげたい」
こうした事業者向けの制度が、「エネルギー需要最適化型(Ⅳ型)」(正式名称:令和7年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金/省エネルギー投資促進支援事業費補助金)です。
省エネ・非化石転換補助金のⅠ型(工場・事業場型)と単独で組み合わせるか、Ⅱ型(電化・脱炭素燃転型)・Ⅲ型(設備単位型)と組み合わせて申請でき、2026年度の公募は、1次・2次ともに受付を終了しています(2次公募の交付決定は2026年9月上旬予定)。3次公募は、詳細が決まり次第SIIホームページで公表される予定です。
本記事では、Ⅳ型の活用パターン、EMS/エネマネの基礎知識、補助率と上限額、実際の採択事例まで、申請検討に必要な情報を整理して解説します。
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・工場等のボイラ・空調・生産設備更新で使える「工場・事業場型(Ⅰ型)」
・工場の化石燃料ボイラや工業炉を補助金で転換!「電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)」
・空調・冷蔵設備・制御機能付きLEDで使える「設備単位型(Ⅲ型)」
・【★本記事】エネルギー代が高いが何から始めれば?「エネルギー需要最適化型(Ⅳ型)」
合わせて読みたい:【2026年】省エネ・非化石転換補助金とは?2つの申請型と4つの事業区分をわかりやすく整理
この記事の目次
エネルギー需要最適化型(Ⅳ型)とは?
エネルギー需要最適化型(Ⅳ型)は、SIIに登録されたEMS(エネルギーマネジメントシステム)を導入し、エネルギー消費状況を計測・分析・制御することで、運用改善による省エネを実現する事業を支援する制度です。設備の更新そのものではなく「使い方の最適化」を対象とする点が、他の事業区分との大きな違いです。
補助率は中小企業者等が1/2以内、大企業・その他が1/3以内で、補助金限度額は事業全体で1億円(下限30万円)。補助対象経費は設計費・設備費・工事費の3項目すべてが対象です。2次公募からは、新たに事業活動を開始する新築・新設の事業所への新規EMS導入も対象に拡大されました。
設備更新を伴うⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型と組み合わせて申請することで、設備更新による省エネとEMS導入による運用最適化を同時に進められる点も特徴です。
どの事業区分と組み合わせる?Ⅳ型の4つの活用パターン
Ⅳ型は単独でも申請できますが、設備更新と組み合わせて申請するケースが大半です。自社の状況に応じて、活用パターンを選びましょう。申請ルート(工場・事業場型 vs 設備単位型)によってⅣ型単独申請の可否が変わる点に注意が必要です。
| パターン | こんな事業者向け | 申請ルート |
|---|---|---|
| Ⅰ型×Ⅳ型 | 工場・事業場全体での省エネ計画と EMSの同時導入を行いたい |
工場・事業場型 |
| Ⅱ型×Ⅳ型 | 化石燃料設備の電化・燃料転換と EMSのセット導入を行いたい |
設備単位型 |
| Ⅲ型×Ⅳ型 | 業務用エアコン・LED照明等の 単一設備更新とEMSをセット導入したい |
設備単位型 |
| Ⅳ型単独 | まずエネルギー消費の見える化から始めたい (設備更新は別の財源・タイミングで実施予定) |
工場・事業場型のみ |
注意点として、Ⅳ型を単独で申請する場合、申請ルートは工場・事業場型に限定されます。設備単位型ルートではⅣ型単独申請ができず、必ずⅡ型またはⅢ型との組み合わせ申請が必要となります。「EMSだけを導入したい」と考えている事業者は、必ず工場・事業場型ルートで申請してください。
組み合わせ先の事業区分の詳細は、それぞれ以下の記事をご覧ください。
・工場等のボイラ・空調・生産設備更新で使える「工場・事業場型(Ⅰ型)」
・工場の化石燃料ボイラや工業炉を補助金で転換!「電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)」
・空調・冷蔵設備・制御機能付きLEDで使える「設備単位型(Ⅲ型)」
EMS/エネマネ/エネマネ事業者について
Ⅳ型を理解する上で、EMS・エネマネ・エネマネ事業者の3つの用語をそれぞれ押さえておきましょう。
EMS(エネルギーマネジメントシステム)とは
EMSは「Energy Management System」の略で、エネルギー使用状況を計測・分析・制御するためのシステムです。電力・ガス・蒸気・冷熱などの使用量をリアルタイムに把握し、データに基づいた省エネ運用を実現します。具体的には、センサ・制御機器・サーバー・モニター・分析ソフトウェアなどで構成されます。
「エネマネ」と「EMS」の関係
「エネマネ」は「エネルギーマネジメント」の略称で、エネルギーの計測・管理・最適化全般を指す広い概念です。EMSは、その「エネマネ」を実現するためのシステム(仕組み・機器)を指します。本制度の文脈では、ほぼ同義として扱われており、「エネマネ機器=EMS機器」として使われています。
エネマネ事業者の役割
エネマネ事業者は、SIIに登録された事業者で、EMSの導入支援やエネルギー管理支援を担います。Ⅳ型では、EMS機器の導入そのものに加えて、エネマネ事業者によるエネルギー使用状況の分析・改善提案・チューニング等の支援を受けながら省エネを進める形が想定されています。
エネルギー管理支援を受ける場合、EMS機器の導入に係る経費について3者見積が課されない取り扱いも示されており、申請実務上のハードルが下がります。
主な事業スキーム
Ⅳ型では、以下のような事業スキームが用意されています。
・標準的な申請:EMS導入+エネマネ事業者によるエネルギー管理支援
・ESCO等との併用:エネマネ事業者がESCO事業者を兼ねるケース
・リース活用:リース会社との共同申請でEMSを導入するケース
補助対象となるEMS機器の5分類
補助対象となるEMS機器は、SIIが定めるシステム要件を満たし、登録された機器である必要があります。機能の違いによって、主に次の5分類で整理されています。
| 分類 | 名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| ①-1 | 見える化型EMS (伴走型) |
計測・見える化機能を持ち、エネマネ事業者の分析や提案を受けながら省エネを進めるタイプ |
| ①-2 | 見える化型EMS (高機能型) |
事業者自らが分析・改善を進めやすい高機能タイプ |
| ② | 制御型EMS | 計測・見える化に加えて制御機能を持ち、設備の自動制御まで行えるタイプ |
| ③-1 | 高度型EMS (オートチューニング型) |
AI等で実際の稼働状況を学習し、運転条件を自動調整するタイプ |
| ③-2 | 高度型EMS (モデル予測制御型) |
需要予測やモデル予測制御により、複雑な設備運転を最適化する高機能タイプ |
選び方の目安は以下のとおりです。
・社内に省エネ専門人材が少ない → 伴走型・制御型
・社内でデータを見ながら改善を回したい → 高機能型
・最適運転の自動化まで視野に入れたい → 高度型EMS
補助率と補助限度額
本制度の補助率と、補助限度額は以下のように設定されています。
| 補助率 | |
|---|---|
| 中小企業者等 | 1/2以内 |
| 大企業・その他 | 1/3以内 |
| 補助金限度額 | |
|---|---|
| 上限額 | 1億円/事業全体 |
| 下限額 | 30万円/事業全体 |
Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型と組み合わせて申請する場合、各事業区分それぞれの上限額の合計を事業全体の上限額とします。たとえばⅡ型(上限3億円)+Ⅳ型(上限1億円)の組み合わせ申請では、事業全体で最大4億円までの支援を受けられます。
申請するための主な要件
Ⅳ型の申請には、EMS機器の導入だけでなく、EMS活用計画の作成・成果報告・自社ホームページでの公表など、複数の要件をクリアする必要があります。以下、主な要件を整理します。
①EMS活用計画を策定する
EMS活用計画では、以下の内容を満たす必要があります。
・省エネ取り組み:3項目以上を記載
・計画期間:2年間
・目標水準:原油換算量ベースで2%改善を目安とする(新設事業の場合)
②成果報告と成果を公表する
EMS活用計画に基づき、1年目および2年目に成果報告を実施する必要があります。2年目報告終了時には、改善による成果を自社ホームページで公表することも要件となっています。
③大企業の場合追加要件も満たす必要あり
大企業については、以下のいずれかを満たす場合のみ申請可能です。
・省エネ法の事業者クラス分け評価制度でSクラスに該当(公募締切時点で資源エネルギー庁ホームページで「令和7年度報告(令和6年度実績)」として公表されていること)
・同制度でAクラスに該当(令和7年度定期報告書「特定第4表」の提出が必要)
・中長期計画書の「ベンチマーク指標の見込み」に記載された2030年度の見込みがベンチマーク目標値を達成する見通しがある
④特定事業者等は省エネ法に基づく開示制度参加要件あり
年間エネルギー使用量が原油換算1,500kl/年以上の事業者(特定事業者等)は、省エネ法に基づく定期報告情報の開示制度への参加を宣言し、令和8年度公表分の開示シートを公表することが要件となります。
⑤原油換算量ベースで2%の改善
「原油換算量ベースで2%改善を目安とする」要件は、新設事業(新たに事業活動を開始する新築・新設の事業所への新規EMS導入)の場合に課される目安です。既存事業所にEMSを導入する更新事業では、明確な省エネ率の必達ラインは設定されていませんが、EMS活用計画における目標として「2%改善」が一つの目安として扱われます。
実際の採択事例(業種別)
令和6年度補正予算の交付決定案件から、実際にⅣ型が活用された事例を業種別に紹介します。Ⅳ型単独で申請されている事例(13件)と、Ⅰ型(工場・事業場型)と組み合わせて申請されている事例(9件)の両方が公表されています。
採択事例:(Ⅰ)型×(Ⅳ)型の組み合わせ申請
設備更新とEMS導入を同時に進める組み合わせ事例です。
| 業種・事業者 | 事業内容 |
|---|---|
| 食品冷凍(高野冷凍) | ボイラ・乾燥機の更新+EMS導入による省エネルギー化 |
| プレカット工場(ハイビック) | 集塵機の更新+EMSによるインバータ周波数可変制御 |
| 印刷(富山スガキ) | 高効率印刷機への更新+EMSによる使用状況見える化と運用改善 |
| プレカット工場(中部日本プレカット) | プレカットシステム・集塵機の更新+EMS導入 |
| スーパー(スーパーサンコー丸和店) | 冷凍冷蔵設備の更新+EMSによる設備間統合制御 |
| 鉄鋼(新日本電工徳島工場) | コージェネレーション導入+EMSによる出力制御と運用改善 |
| 食品工場(マリンフーズ愛媛事業所) | 冷凍冷蔵設備・空調設備の更新+EMSによる統合制御 |
| 直売所(採れたて市場美夜古かつ山) | 冷凍冷蔵設備・空調設備の更新+EMSによる統合制御 |
| スーパー(ながやま財部店) | 冷凍冷蔵設備・空調設備の更新+EMSによる統合制御 |
採択事例:(Ⅳ)型 単独申請
既存設備にEMSのみを追加して導入する事例です。
| 業種・事業者 | 事業内容 |
|---|---|
| 工場(関電工人材育成センター) | EMS機器導入によるエネルギー使用量削減と需要最適化 |
| ダイカスト工場(リテラ秩父第一工場・両神工場) | 電力・ダイカストマシンガス使用量の見える化と運用最適化 |
| 部品製造(ラスコ) | 熱源機にEMS+省エネ制御装置を導入し、冷水・温水の設定温度を自動最適化 |
| パチンコ店(ZENT市ノ坪店・住吉店) | 店舗内のエネルギー使用状況見える化と制御による運用改善 |
| 工場(キンキサイン徳島工場) | 見える化+計測機器の導入と運用改善 |
| スーパー(エースワン JR高松オルネ店・北宇和島店・八幡浜店・潮江店・新本町店) | 冷凍冷蔵設備の見える化+エネルギー管理支援サービス+遠隔監視によるチューニング |
| 工場(テラスタ) | EMS設備による施設全体のエネルギー見える化+既設設備の制御+遠隔監視 |
出典:令和6年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金 交付決定案件一覧
EMSで実現できる省エネの主な機能
採択事例からも分かるように、EMS導入で実現できる省エネは大きく「制御による省エネ」と「計測に基づく運用改善」に分けられます。
| 対象 | 制御による省エネ | 運用改善の例 |
|---|---|---|
| 照明 | 調光制御や点灯制御 | 点灯時間や点灯エリアの見直し |
| 空調 | 外気冷房制御、ファン制御、最小外気取入れ制御 | 立ち上げ時間や設定温度の最適化 |
| 熱源 | 台数制御、最適起動停止、送水温度制御 | 負荷状況に応じた運転条件の見直し |
| 冷凍冷蔵設備 | 設備間統合制御、遠隔監視 | 庫内温度・除霜サイクルのチューニング |
| 生産設備 | 制御PLCやセンサ連携による最適運転 | ボイラ空気比調整、圧縮機圧力調整、待機時間削減 |
業種別の活用イメージ
実際の採択事例を踏まえると、以下の業種でⅣ型の活用が進んでいます。
・パチンコ店:店舗全体のエネルギー使用量の見える化と制御
・食品関連工場(冷凍・冷蔵・加工):冷凍冷蔵設備+空調+ボイラの統合管理
・製造業(プレカット・ダイカスト・印刷・鉄鋼):生産設備の運用改善とコージェネレーションの出力制御
・サービス業・施設管理:照明・空調・給湯の運用最適化
共通する課題は「エネルギーコストが高いことは分かるが、どこで無駄が出ているか分からない」という点です。Ⅳ型は、その最初のボトルネックを解消する制度として位置付けられます。
補助対象経費
Ⅳ型では、設計費・設備費・工事費の3項目すべてが補助対象経費となります。
| 区分 | 対象可否 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 設計費 | 対象 | システム設計費等 |
| 設備費 | 対象 | EMS関連機器、センサ、制御機器、サーバー、モニター、ソフトウェア等 |
| 工事費 | 対象 | 設置に必要な工事費 |
以下の費用は補助対象外となります。
・交付決定前に発生した経費
・建屋の建築工事
・補助事業に直接関係のない工事
・既存設備の解体・撤去・移設費用
・消費税および地方消費税
2026年度のスケジュール
| 公募回次 | 公募期間 | 交付決定(予定) |
|---|---|---|
| 1次公募 | 2026年3月30日(月)〜 4月27日(月)17時必着 ※終了 |
2026年6月中旬 |
| 2次公募 | 2026年6月1日(月)〜 7月9日(木)17時必着 ※終了 |
2026年9月上旬(予定) |
| 3次公募 | 詳細決まり次第 SIIホームページにて公表予定 |
— |
事業完了日は原則として2027年1月31日まで(単年度事業の場合)。複数年度事業の場合は最大2027年度(2年度目)まで継続可能です。2次公募からは、新たに事業活動を開始する新築・新設の事業所への新規EMS導入も対象に拡大されました。
申請の流れと必要書類
本制度の申請は、主に以下の流れで行います。
②導入するEMS機器の選定:SII公表のEMS機器一覧から該当機種を確認、エネマネ事業者の選定
③3者以上の見積依頼・競争入札:公募要領公開日(2026年3月25日)以降の発行日であれば、交付決定前の取得も有効。エネルギー管理支援を受ける場合、EMS機器の導入に係る経費については3者見積が課されない
④EMS活用計画の作成:省エネ推進体制、省エネ取り組み3項目以上、計画期間2年間の内容を整理
⑤補助事業ポータルへの入力と申請書類の郵送:2026年7月9日17時必着で郵送
主な提出書類
・交付申請書
・補助事業に要する経費、補助対象経費および補助金の配分額
・補助事業に要する経費の四半期別発生予定額
・役員名簿、申請総括表
・事業者情報、資金調達計画
・EMS活用計画書(省エネ取り組み3項目以上、計画期間2年間)
・エネルギー使用量計算書(既存・導入予定)
・見積金額一覧表、見積書
・発注区分表、導入設備一覧
・エネマネ事業者との契約書等
採択後の流れ
交付決定後、補助事業者は契約・発注、中間報告(着工前写真・口座登録)、事業実施、事業完了、実績報告書の提出、確定検査、補助金の支払いという順序で進めます。事業完了後は、省エネ量、省エネ推進体制、実施した省エネ対策を成果報告として提出する必要があります。2年目報告終了時には、改善による成果を自社ホームページで公表します。
よくある質問
EMS(エネルギーマネジメントシステム)とは?
EMS(エネルギーマネジメントシステム)とは、電力・ガス・蒸気・冷熱などのエネルギー使用状況を計測・分析・制御するためのシステムです。センサ・制御機器・サーバー・モニター・分析ソフトウェアなどで構成されます。本制度の文脈では「エネマネ機器」とほぼ同義で扱われており、見える化型・制御型・高度型などの5分類があります。
EMS単独で申請できる?
可能ですが、申請ルートは工場・事業場型に限定されます。設備単位型では、Ⅳ型の単独申請はできず、必ずⅡ型(電化・脱炭素燃転型)またはⅢ型(設備単位型)との組み合わせ申請が必要です。EMSだけを導入したい場合は、必ず工場・事業場型ルートで申請してください。
新築・新設の事業所も対象になる?
2次公募からは、新たに事業活動を開始する新築・新設の事業所への新規EMS導入も対象に拡大されました。これは省エネ・非化石転換補助金の他事業区分(Ⅰ型・Ⅲ型の従来枠・メーカー強化枠等)では原則対象外となっている一方、Ⅳ型は新築・新設の事業所への導入も認められる点が特徴です。新設事業の場合、原油換算量ベースで2%改善を目安とする計画が求められます。
省エネルギー率2%改善は必須?
「原油換算量ベースで2%改善を目安とする」は、新設事業(新築・新設の事業所への新規EMS導入)の場合に設定された目安です。既存事業所にEMSを導入する場合は、明確な省エネ率の必達ラインは設定されていませんが、EMS活用計画における目標として「2%改善」が一つの目安とされます。EMSの制御効果や運用改善を含めて、2%改善に向けた計画を策定する形が想定されています。
他事業区分との組み合わせは1つの事業として申請する?
はい、Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型のいずれかとⅣ型を組み合わせて申請する場合も、1つの補助事業として計画し、1通の交付申請書を作成します。各事業区分それぞれの上限額の合計が事業全体の上限額となり、組み合わせて申請することで設備更新による省エネとEMSによる運用最適化を同時に進められます。
エネマネ事業者は必須?
Ⅳ型では、SIIに登録されたエネマネ事業者を通じてEMSを導入することが求められます。エネマネ事業者は、EMSの導入支援に加えて、エネルギー使用状況の分析・改善提案・チューニングなどのエネルギー管理支援を行います。エネルギー管理支援を受ける場合、EMS機器の導入経費について3者見積が課されない取り扱いも示されており、実務上のハードルが下がります。
自社ホームページでの公表とは何を公表する?
EMS活用計画の計画期間2年間が終了した時点で、改善による成果(省エネ量、省エネ推進体制、実施した省エネ対策等)を自社ホームページで公表することが要件となっています。これは省エネの取り組みを社会的に発信することで、業界・産業界全体の省エネ底上げに繋げることを目的としています。
リースやESCOでも申請できる?
リース契約の場合は、設備使用者とリース会社の共同申請で申請可能です。ただし残価設定付リース契約や割賦契約と判断される場合は対象外となります。レンタル契約での申請はできません。ESCO(エネルギー・サービス・カンパニー)はシェアード・セイビングス契約に限り対象となり、エネマネ事業者がESCO事業者を兼ねるケースもあります。
まとめ:
省エネ補助金「エネルギー需要最適化型(Ⅳ型)」(令和7年度補正予算)は、EMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入によるエネルギー消費の見える化・分析・運用改善を支援する制度です。設備更新を伴うⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型と組み合わせて申請することで、設備更新による省エネとEMSによる運用最適化を同時に進められます。Ⅳ型を単独で申請する場合は、工場・事業場型ルートに限定される点に注意が必要です。
実際の採択事例を見ると、スーパー・小売店舗での冷凍冷蔵設備の見える化、パチンコ店の店舗エネルギー管理、食品関連工場の冷凍冷蔵+空調の統合制御、製造業の生産設備の運用改善など、幅広い業種で活用されています。エネルギーコストの上昇に悩んでいても、どこから手を付けるべきか分からない場合、本制度の活用も検討してみてください。
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