「重油ボイラの更新時期が来たが、同じ燃料の機種に入れ替えるだけでよいのか」「取引先から脱炭素を求められ、工業炉の電化や燃料転換を検討している」――こうした事業者向けの国の補助金が、省エネ・非化石転換補助金の「電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)」です。
Ⅱ型は、化石燃料を使うボイラや工業炉を、ヒートポンプ・電気ボイラなどの電化設備や、より低炭素な燃料の設備へ切り替える投資を支援します。補助率は1/2以内、上限額は3億円で、電化する場合は5億円まで広がります。
2026年9月9日には2次公募の交付決定が行われ、Ⅱ型は82件の申請に対して75件が採択されました(採択率91.5%)。現在は3次公募を2026年9月28日(月)17時必着で受け付けています。
本記事では、SIIが公表した3次公募の公募要領と採択結果をもとに、「燃転」の意味、対象となる事業類型と設備、補助率と補助額の計算例、GX要件、申請の流れまでを解説します。
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・工場のボイラ・空調・生産設備更新で使える「工場・事業場型(Ⅰ型)」
・【★本記事】燃料転換・電化・水素対応で使える「電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)」
・業務用エアコン・LED・変圧器の更新で使える「設備単位型(Ⅲ型)」
・エネマネ・EMS導入で使える「エネルギー需要最適化型(Ⅳ型)」
制度全体の構造は、以下の記事で整理しています。
この記事の目次
電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)とは?補助率・上限額の概要
電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)は、化石燃料設備を「電化」「低炭素燃料への転換」「水素対応」のいずれかで切り替える事業を支援する補助金です。同じ燃料のまま高効率機に更新する場合は対象外で、設備単位型(Ⅲ型)が候補になります。
- 正式名称:令和7年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(設備単位型)
- 所管・執行:経済産業省(資源エネルギー庁)/一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)
- 補助率:更新・改造事業1/2以内、新設事業1/5以内(中小企業・大企業共通)
- 上限額:3億円(電化する場合は5億円)、下限額30万円
- 補助対象経費:設備費(付帯設備を含む)。工事費は中小企業者等または改造事業のみ
- 必須要件:GX要件への意思表明、水素対応設備は混焼率10%以上
「燃転(燃料転換)」とは?Ⅱ型の名称の意味
「燃転(ねんてん)」は「燃料転換」の略で、設備で使う燃料を別の種類に切り替えることです。Ⅱ型の「電化・脱炭素燃転型」という名称は、「電化」と「脱炭素を目的とした燃料転換」の2つを支援することを表しています。公募要領で燃料転換として扱われるのは、次の2つです。
- 石炭・石油などから、より低炭素なガスなどの燃料を使う設備への更新
- 既存設備を水素を燃料として使える仕様へ改造する、または水素対応設備を導入すること
一方、化石燃料設備を電気で動く設備に切り替えるのが「電化」です。どちらも燃料の種類そのものを変える点で、同じ燃料で効率だけを上げるⅢ型とは区別されています。
Ⅱ型で対象になる事業類型は?電化・燃料転換・水素対応
Ⅱ型の対象は、更新事業(電化・燃料転換)、改造事業(水素対応)、新設事業(水素対応設備)の3つに分かれます。公募要領に示された事業例とあわせて整理しました。
電化:化石燃料設備から電気を使う設備へ
石炭・石油・ガスなどの化石燃料設備を、電気を使う設備へ更新する事業です。電化する事業に限り、上限額が3億円から5億円に引き上げられます。
| 電化の事業例(公募要領より) | ||
|---|---|---|
| 温度帯 | 既存設備 | 更新後の設備 |
| 低温域(温水) | 石炭・石油などの温水ボイラ | ヒートポンプ |
| 中温域(蒸気) | 石炭・石油などの蒸気ボイラ | 電気ボイラ |
| 高温域(溶解) | コークスを燃料とする溶解炉 | 誘導加熱式の電気炉 |
温水・熱を供給する設備のうち、一般的なヒートポンプで対応できる低温域は電化のみが対象です(高効率コージェネレーションを除く)。低温域の石油ボイラをガスボイラへ転換する事業は対象になりません。
燃料転換:より低炭素な燃料の設備へ
石炭・石油などから、より低炭素なガスなどの燃料を使う設備へ更新する事業です。
| 燃料転換の事業例(公募要領より) | ||
|---|---|---|
| 温度帯 | 既存設備 | 更新後の設備 |
| 低温域 | 石炭・石油などの温水ボイラ | 高効率コージェネレーション |
| 中温域(蒸気) | 石炭・石油などの蒸気ボイラ | ガス焚きボイラ |
| 高温域(溶解) | 石炭・石油を燃料とする溶解炉 | ガス燃料の炉 |
ガスなどの化石燃料を引き続き使う場合は、将来の非化石エネルギーへの転換を検討・実施するコミットメント(GX要件)が求められます。
水素対応:既存設備の改造と水素対応設備の新設
石炭・石油・ガスなどを使う既存設備を、水素を燃料として専焼または混焼できる仕様に改造する事業も対象です。水素は体積比10%以上の混焼率で実際に稼働させることが必須で、水素100%の専焼である必要はありません。
改造事業では、Ⅱ型の対象5区分以外の設備も認められます。新築・新設の事業所や既存事業所の新しい製造ラインに水素対応設備を導入する「新設事業」も対象ですが、補助率は1/5以内に下がります。
既存設備と併用する追加設置も対象
既存のボイラなどと併用して、産業ヒートポンプ・高効率コージェネレーション・水素対応設備を新たに追加設置する事業も対象です。プロセス全体でエネルギー使用量を減らすことが目的で、併用期間中も省エネ効果を維持する必要があります。既存設備を予備機として残すことは認められません。
対象設備5区分と付帯設備の範囲は?
Ⅱ型の対象は、SIIが公表する指定設備のうち次の5区分です。Ⅲ型のGX設備単位型と異なり、GX要件を満たしたメーカーの設備である必要はありません。
| Ⅱ型の対象設備5区分と付帯設備 | ||
|---|---|---|
| 設備区分 | 主な用途 | Ⅱ型で対象になる付帯設備の例 |
| 産業ヒートポンプ | 温水・熱風・蒸気の供給、乾燥・加温 | 貯湯槽・タンク、送水ポンプ、熱交換器、専用受変電設備 |
| 業務用ヒートポンプ給湯器 | ホテル・病院・福祉施設などの給湯 | 給湯タンク設備、専用受変電設備 |
| 高性能ボイラ | 蒸気・温水の供給 | 専用ガス貯槽設備(貯槽タンク・払出ポンプ・ベーパーライザー)、電気ボイラの専用受変電設備 |
| 高効率コージェネレーション | 電気と熱の同時供給(熱電併給) | 専用ガス貯槽設備 |
| 低炭素工業炉 | 金属の加熱・熱処理・溶解、塗装乾燥 | 専用ガス貯槽設備、誘導加熱炉などの専用電源・専用変電設備 |
水素対応設備に更新・改造・新設する場合は、圧縮機、混合装置、バッファータンク、供給配管、除湿機、脱硝装置など、水素利用に不可欠な付帯設備も補助対象です(その設備専用のものに限る)。水電解装置や改質器など、水素を製造する設備は対象外です。ガスへの燃料転換でも、2次公募から付帯設備が対象に加わりました。
このほか、「その他SIIが認めた高性能な設備」のうち電化・脱炭素燃転に資すると指定された設備も対象です。各設備のボイラ効率・炉効率・COPなどの基準は、公募要領の別表1で確認できます。
補助率・補助金限度額と補助額の計算例
Ⅱ型の補助率は企業規模を問わず、更新・改造事業で1/2以内、新設事業で1/5以内です。
| 事業類型別の補助率と補助金限度額 | |||
|---|---|---|---|
| 事業類型 | 補助率 | 上限額(事業全体) | 下限額 |
| 更新事業(電化) | 1/2以内 | 5億円 | 30万円 |
| 更新事業(燃料転換) | 1/2以内 | 3億円 | 30万円 |
| 改造事業(水素対応) | 1/2以内 | 3億円 | 30万円 |
| 新設事業(水素対応設備) | 1/5以内 | 3億円 | 30万円 |
補助対象経費:工事費は中小企業者等と改造事業のみ
補助対象経費は設備費が基本で、付帯設備も含まれます。工事費が対象になるかは、事業類型と企業規模で変わります。
| 補助対象経費の範囲 | |||
|---|---|---|---|
| 経費区分 | 更新事業 | 改造事業 | 新設事業 |
| 設備費 | 対象 | 対象 | 対象 |
| 工事費 | 中小企業者等のみ対象 | 企業規模を問わず対象 | 中小企業者等のみ対象 |
| 設計費 | 対象外 | 対象外 | 対象外 |
既存設備の解体・撤去・移設費、建屋・外構工事、基礎工事などSIIが対象外と判断した費用、交付決定前の経費、消費税は補助されません。補助対象経費は、3者以上の見積のうち最低価格が上限です。
補助額の計算例
重油の蒸気ボイラを電気ボイラへ更新し、設備費6,000万円・工事費2,000万円(税抜)かかる場合の目安です。
| 補助額の計算例(蒸気ボイラの電化) | ||
|---|---|---|
| 申請者 | 計算式 | 補助額の目安 |
| 中小企業者等 | (設備費6,000万円+工事費2,000万円)×1/2 | 4,000万円 |
| 大企業 | 設備費6,000万円×1/2(工事費は対象外) | 3,000万円 |
※電化事業のため上限額は5億円。実際の補助額は審査と確定検査で決まります。
(Ⅳ)エネルギー需要最適化型(EMS導入)と組み合わせる場合は、Ⅱ型とⅣ型それぞれの上限額の合計が事業全体の上限額になります。
3次公募のスケジュールと予算は?
3次公募は2026年8月20日(木)〜9月28日(月)17時必着で、交付決定は2026年11月下旬の予定です。
| 令和7年度補正予算 設備単位型(Ⅱ型を含む)の公募スケジュール | ||
|---|---|---|
| 公募回 | 公募期間 | 交付決定 |
| 1次公募 | 2026年3月30日(月)〜4月27日(月)※終了 | 2026年6月19日(金)実施済み |
| 2次公募 | 2026年6月1日(月)〜7月9日(木)※終了 | 2026年9月9日(水)実施済み |
| 3次公募 | 2026年8月20日(木)〜9月28日(月)17時必着 | 2026年11月下旬(予定) |
単年度事業は2027年1月31日(日)までに事業を完了する必要があります。ボイラや工業炉の更新は工期が長くなりやすいため、単年度で終わらない場合は最大2年の複数年度事業(2028年1月31日完了)として申請できます。
3次公募の公募要領では、Ⅱ型の欄に2026年度分約44億円・2027年度分約482億円の予算が示されています。ただし、この予算は工場・事業場型の事業区分と共通の枠で、2次公募の採択結果により変動する場合があります。
採択率はどのくらい?1次・2次公募の結果
Ⅱ型の採択率は1次92.3%、2次91.5%と、9割を超えています。
| 電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)の採択結果 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 公募回 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 | 採択金額合計 | 1件あたり平均 | 平均省エネ率 |
| 1次公募 | 91件 | 84件 | 92.3% | 13.5億円 | 約1,607万円 | 8.2% |
| 2次公募 | 82件 | 75件 | 91.5% | 14.7億円 | 約1,960万円 | 12.6% |
※出典:SII「新規採択事業の結果について」。1件あたり平均は採択金額合計÷採択件数で当サイトが算出。平均省エネ率は非化石使用量を含む値です。
採択は先着順ではありません。計画省エネ量(非化石使用量を含む)、計画省エネ率(非化石転換率を含む)、経費あたり省エネ量などを評価し、上位から予算の範囲内で採択されます。3次公募でも同じ採択率になるとは限りません。
申請するための要件は?
Ⅱ型の申請には、省エネ要件に加えて、全申請者にGX要件の意思表明が求められます。大企業や特定事業者等には追加の要件があります。
省エネルギー効果の要件
更新・改造事業は、原油換算で次のいずれかを満たす必要があります。
- 計画省エネルギー率+非化石転換率:10%以上
- 計画省エネルギー量+非化石使用量:1kl以上
- 経費あたりの計画省エネ量・非化石使用量:1kl/千万円以上
新設事業は既存のエネルギー使用がないため、水素混焼率10%以上(体積比)が要件です。計画した水素使用量は事業完了後の必達値になります。
Ⅲ型と異なり、Ⅱ型の省エネ効果はポータルの自動計算(指定計算)が使えず、申請者が独自に省エネルギー計算を行う必要があります。計算過程と根拠資料の提出も求められるため、設備メーカーや販売事業者と早めに連携しましょう。
GX要件:全申請者に意思表明が必要
Ⅱ型は、GX経済移行債を財源とする事業です。会社法上の会社(民間企業)は、SIIのフォーマットで次の取組を行う意思を表明します。
| GX推進への取組に関する要件 | |
|---|---|
| 要件 | 内容 |
| ①温室効果ガス排出削減 | CO2排出量20万t以上の企業はScope1・2の削減目標の設定と第三者検証付きの報告・公表など(GXリーグ参加で代替可)。20万t未満の企業・中小企業は、本事業の省エネ効果を含む省エネ計画の提出で代替可 |
| ②成長に向けた方針 | コスト競争力の向上や海外市場の獲得など、企業の成長につながる今後の方針を策定する |
| ③人材確保の取組 | 継続的な賃上げなど、必要な人材の確保に向けた取組を進める |
石炭・石油からガスへの燃料転換など化石燃料を使い続ける事業では、水素・アンモニア・合成メタンなどの社会実装局面で非化石エネルギーへの転換を検討・実施するコミットメントも必要です。特定事業者等は、この内容を省エネ法の中長期計画書に記載します。
大企業・特定事業者等の追加要件
大企業は、省エネ法の事業者クラス分け評価制度で「Sクラス」または「Aクラス」に該当するか、中長期計画書のベンチマーク指標で2030年度目標を達成する見込みがある場合に限り申請できます。
年間エネルギー使用量が原油換算1,500kl以上の特定事業者等は、省エネ法の定期報告情報の開示制度に参加し、令和8年度公表分の開示シートを公表することが要件です。
補助対象外となる主なケース
- 同じ燃料のまま高効率機へ更新する事業(Ⅲ型が候補)
- 低温域の熱供給設備で、電化以外の燃料転換を行う事業(コージェネレーションを除く)
- 新築・新設の事業所への導入(水素対応設備の新設事業を除く)
- 事業活動に使っていない設備の更新、更新前後で用途が異なる更新
- 中古品、予備設備、将来用設備
- 交付決定前に契約・発注した設備
業種・温度帯別に見た活用イメージは?
Ⅱ型は、熱を多く使う製造業や、給湯需要の大きい施設で活用しやすい制度です。温度帯ごとに想定される設備転換を整理しました。
| 温度帯別の設備転換と該当しやすい業種 | ||
|---|---|---|
| 温度帯・領域 | 想定される設備転換 | 該当しやすい業種・施設 |
| 低温域(給湯・温水) | 石油ボイラからヒートポンプ・業務用ヒートポンプ給湯器への電化 | ホテル・旅館、病院・介護施設、食品工場、クリーニング工場、温浴施設 |
| 中温域(蒸気) | 重油ボイラから電気ボイラ・ガス焚きボイラ・コージェネレーションへの転換 | 食品・飲料、製紙、繊維・染色、化学工業、ゴム・プラスチック製品製造業 |
| 高温域(加熱・溶解) | コークス・重油を使う炉から誘導加熱式電気炉・ガス炉への更新 | 鋳造・金属加工、鉄鋼・非鉄金属、窯業・セラミックス、ガラス製造 |
| 水素対応 | 既存ボイラ・工業炉の水素混焼改造、水素対応設備の新設 | 水素の調達見通しがある製造業、脱炭素型の新工場・新ラインを計画する事業者 |
工業炉の水素燃料転換は、改造事業なら補助率1/2以内で工事費も対象になります。水素の調達計画(購入契約書など)も求められるため、燃料の供給体制とあわせて検討しましょう。
審査で加点される項目は?
Ⅱ型では、中小企業向けの加点項目に加えて、Ⅱ型だけの「サプライチェーン」加点があります。
サプライチェーンの下流企業が、グリーン調達ガイドラインの設定、パートナーシップ構築宣言でのグリーン化の取組の記載、GXリーグ参画のいずれかでCO2削減を対外的にコミットしており、申請する中小企業等がそのサプライチェーンに入っていることが確認できる事業
【中小企業取組関連】
- 中小企業者等が行う省エネルギー事業
- 「省エネ・地域パートナーシップ」のパートナー金融機関の支援を受けた事業
- 2023年度以降に国の事業で省エネルギー診断を受けた事業所の事業
- 経営力向上計画・経営革新計画の認定(承認)を受けた企業の事業
- 「パートナーシップ構築宣言」を公表している企業の事業
- 省エネ法のベンチマーク改善に資する事業(大企業を除く)
取引先の大手メーカーからCO2削減を求められている部品メーカーなどは、サプライチェーン加点の対象になる可能性があります。取引先のグリーン調達ガイドラインなど、確認できる資料を準備しておきましょう。
Ⅱ型が向いている事業者と、他の型を選ぶべきケース
次の項目に当てはまる場合は、Ⅱ型が有力な候補です。
- 重油・灯油などのボイラや工業炉を、電気を使う設備に切り替えたい
- 石炭・石油から、より低炭素なガス燃料に転換したい
- 既存設備の水素混焼改造や、水素対応設備の導入を検討している
- 中小企業者等で、設備費だけでなく工事費も補助対象にしたい
| 目的別の申請先の選び方 | |
|---|---|
| 目的 | 候補となる事業区分 |
| 同じ燃料のまま高効率ボイラ・空調などへ更新したい | 設備単位型(Ⅲ型) |
| 事業所全体の省エネ計画で複数設備をまとめて更新したい | 工場・事業場型(Ⅰ型) |
| 電化・燃料転換とあわせてEMSで見える化したい | Ⅱ型+エネルギー需要最適化型(Ⅳ型) |
同じ燃料での高効率ボイラへの更新は、以下のⅢ型の記事をご覧ください。
オーダーメイド設備を含む工場全体の大規模更新なら、補助率最大2/3のⅠ型が候補です。
申請の流れと必要書類は?
申請は、SIIの「補助事業ポータル」に入力した内容を出力し、書類一式を郵送する流れです。ポータルへの入力だけでは申請と認められません。
申請の流れ
- ①SIIの補助対象設備一覧で、導入予定の設備が指定設備か確認する
- ②販売事業者3者以上から見積を取る(2026年3月25日以降の発行分であれば有効)
- ③独自計算で省エネ量・非化石使用量を算出し、根拠資料をそろえる
- ④SIIホームページでアカウントを登録する(1次・2次のアカウントは3次でも使用可)
- ⑤補助事業ポータルに入力し、申請書類を出力・ファイリングする
- ⑥書類一式を9月28日17時必着で郵送する(持参不可)
主な提出書類
- 交付申請書、補助対象経費の配分額、四半期別発生予定額、役員名簿
- 実施計画書(申請総括表・事業者情報・資金調達計画など)
- 省エネルギー計算総括表、エネルギー使用量計算書、省エネルギー量計算の根拠資料
- 見積書(3者分)、導入予定設備一覧
- GX要件を満たすことの表明書(Ⅱ型は必須)
- 水素対応設備を導入する場合は「水素対応設備の稼働計画書」
- 代替燃料を使う場合は、燃料確保の確証(購入契約書など)
- 会社情報、決算書、商業登記簿謄本、建物の登記簿謄本
採択後の流れ
交付決定後に契約・発注し、中間報告(着工前写真の提出・振込口座の登録)を経て設備を導入します。事業完了後に実績報告書を提出し、確定検査を受けて補助金が支払われます。その後、導入設備の1週間以上の実測データで省エネ効果を報告し、計画値に届かない場合は補助金の返還を求められることがあります。
EMSで電化後のエネルギー使用量を見える化したい場合は、(Ⅳ)型との組み合わせ申請も検討してください。
電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)に関するよくある質問
3次公募の締切はいつですか?
2026年9月28日(月)17時必着です。公募期間は8月20日から始まっており、交付決定は11月下旬の予定です。単年度事業は2027年1月31日までに完了させる必要があり、難しい場合は最大2年の複数年度事業として申請できます。
「燃転(燃料転換)」とはどういう意味ですか?
燃転は「燃料転換」の略で、設備で使う燃料を別の種類に切り替えることです。Ⅱ型では、石炭・石油からより低炭素なガスなどへの転換や、水素を燃料として使える設備への改造・導入が燃料転換にあたります。化石燃料設備を電気を使う設備にする「電化」とあわせて支援されます。
重油ボイラをヒートポンプや電気ボイラに更新できますか?
できます。化石燃料ボイラから産業ヒートポンプ・業務用ヒートポンプ給湯器・電気ボイラへの更新は電化事業にあたり、補助率1/2以内、上限額5億円です。電気ボイラやヒートポンプの専用受変電設備も補助対象に含まれます。
石油ボイラからガスボイラへの転換は対象ですか?
蒸気を供給する中温域以上のボイラであれば対象です。ただし、一般的なヒートポンプで対応できる低温域(温水)は電化のみが対象のため、温水ボイラのガス化は対象外です(コージェネレーションを除く)。ガスを使い続けるため、将来の非化石転換に向けたコミットメントも必要です。
工業炉の水素燃料転換は補助対象ですか?
対象です。既存の工業炉を水素燃焼が可能な仕様に改造する事業は、補助率1/2以内・上限3億円で、企業規模を問わず工事費も補助されます。水素は体積比10%以上の混焼率で実稼働させる必要があり、圧縮機や供給配管などの付帯設備も対象です。
工事費はどのような場合に補助されますか?
更新事業と新設事業では中小企業者等のみ、水素対応の改造事業では企業規模を問わず工事費が補助対象です。対象は設備費の補助対象範囲にかかる工事費で、既存設備の撤去費、建屋・外構工事、設計費は対象外です。
GX要件とは何ですか?中小企業も必要ですか?
GX要件は、温室効果ガス排出削減・企業の成長方針・人材確保の取組を行う意思を表明する要件で、会社法上の会社(民間企業)がⅡ型に申請する場合は必須です。中小企業やCO2排出量20万t未満の企業は、排出削減の取組を本事業の省エネ効果を含む省エネ計画の提出で代替できます。
採択率はどのくらいですか?
2026年の1次公募は91件中84件(92.3%)、2次公募は82件中75件(91.5%)が採択されました。ただし、予算の範囲内で評価の上位から採択されるため、3次公募でも同じ採択率になるとは限りません。
新設事業と更新・改造事業の違いは何ですか?
更新・改造事業は既存設備の入れ替えや改造が対象で、補助率1/2以内、上限3億円(電化は5億円)です。新設事業は水素対応設備の新設に限られ、補助率1/5以内、上限3億円です。新設事業には省エネ量の要件はなく、水素混焼率10%以上が要件です。
交付決定前に発注や見積をしてもよいですか?
契約・発注は必ず交付決定日以降に行ってください。交付決定前に発注した設備は補助対象外です。一方、3者以上の見積取得は、1次公募の公募要領公開日(2026年3月25日)以降に発行されたものであれば交付決定前でも有効です。
リースやESCOでも申請できますか?
設備使用者とリース会社(ESCO事業者)の共同申請で申請できます。リース料・ESCO料から補助金相当分が減額されていることを示す書類が必要で、残価設定付リースや割賦契約は対象外です。ESCOはシェアード・セイビングス契約に限られます。
1次・2次公募で不採択でも3次公募に申請できますか?
3次公募の公募要領には、過去の公募で不採択となった事業者の申請を制限する定めは設けられていません。1次・2次で取得した補助事業ポータルのアカウントも3次で使えます。省エネ量や非化石使用量の計算を見直したうえで再申請を検討しましょう。
まとめ
電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)は、化石燃料のボイラや工業炉を、電化・低炭素燃料への転換・水素対応で切り替える投資を支援する国の補助金です。補助率は1/2以内、上限額は3億円(電化は5億円)で、中小企業者等や水素対応の改造事業では工事費も補助対象になります。
2次公募の採択率は91.5%でした。3次公募の締切は2026年9月28日(月)17時必着です。独自の省エネ計算とGX要件の表明書が必要なため、設備メーカーや販売事業者と連携して早めに準備を進めましょう。
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型:03-5565-3840
受付時間:10:00〜12:00、13:00〜17:00(土日祝日を除く)
・工場のボイラ・空調・生産設備更新で使える「工場・事業場型(Ⅰ型)」
・【★本記事】燃料転換・電化・水素対応で使える「電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)」
・業務用エアコン・LED・変圧器の更新で使える「設備単位型(Ⅲ型)」
・エネマネ・EMS導入で使える「エネルギー需要最適化型(Ⅳ型)」
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