2025年の調査によると、会社員の副業経験者は39.2%にのぼり、2023年比で約20%も増加しています。働き方の多様化が進むなかで、「副業を始めたけれど、もっと事業を伸ばしたい」「設備投資やIT導入にかかるコストをなんとかしたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、個人事業主として開業届を提出していれば、副業の規模に関わらず申請できる補助金・助成金が複数存在します。2026年度は省力化投資補助金やデジタル化・AI導入補助金の公募が本格化しており、副業者にとっても活用のチャンスが広がっています。
この記事では、副業者が活用できる補助金・助成金の種類や内容、申請時のポイント、注意点をわかりやすく解説します。「副業の事業拡大や効率化に補助金を使いたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
副業でも補助金・助成金はもらえる?
副業をしている人でも、補助金や助成金の対象となる場合があります。重要なのは、「個人事業主」として正式に事業を行っているかどうかです。税務署に開業届を提出し、個人事業主として登録されていれば、多くの制度で公募要件を満たせる可能性があります。
また、従業員を雇っているかどうかによって使える制度が変わる点にも注意が必要です。たとえば、販路開拓等を支援する補助金は従業員の有無に関係なく利用できるケースがありますが、労働環境の改善や従業員向けの研修を対象とした助成金は、従業員がいる事業者が対象となります。
副業で使える補助金の種類
個人事業主として副業に取り組んでいる方であれば、一定の要件を満たすことで補助金の対象になり得ます。ここでは、2026年度に活用できる代表的な補助金を紹介します。中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金とは、中小企業等における人手不足を補うための省力化投資を支援する制度です。国が省力化投資を支援することで、中小企業等の付加価値額や生産性向上、賃上げ実現を目的としています。
本補助金は、以下の2つの類型で構成されています。
- 「カタログ」から製品を選択して導入するカタログ注文型
- 個別で設備導入やシステム構築を実施する一般型
それぞれの概要は以下のとおりです。
| 類型 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| カタログ注文型 | 1/2以下(大幅な賃上げを行う場合は2/3以下) | 従業員数5名以下:200万円(300万円)/6~20名以下:500万円(750万円)/21名以上:1,000万円(1,500万円)※カッコ内は賃上げ達成時 |
| 一般型 | 中小企業:1/2(2/3)/小規模事業者等:2/3(3/4)※カッコ内は大幅な賃上げ達成時 | 従業員数5名以下:750万円(1,000万円)/6〜20人:1,500万円(2,000万円)/21~50人:3,000万円(4,000万円)/51~100人:5,000万円(6,500万円)/101人以上:8,000万円(1億円)※カッコ内は大幅な賃上げ達成時 |
このように、中小企業だけでなく小規模事業者もカタログ注文型と一般型の両類型で補助対象です。副業であっても個人事業主として事業を営んでいれば申請の可能性があります。
小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)
小規模事業者持続化補助金とは、販路開拓や生産性向上のための広告宣伝、ホームページ作成、業務改善などの取り組みを支援する制度です。副業で事業を始めたばかりの方でも比較的申請しやすく、個人事業主に人気の高い補助金のひとつといえます。
2026年の第19回公募は、申請受付が2026年3月6日(金)に開始され、申請受付締切は2026年4月30日(木)17:00です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費 |
| 補助率 | 2/3 |
| 補助上限 | 50万円 ※特例による上乗せあり |
補助率や補助上限額について、以下に該当する事業者は特例として上乗せされます。
- 賃金引上げ特例のうち赤字事業者は補助率3/4に引き上げ
- インボイス特例対象事業者は補助額50万円を上乗せ
- 賃金引上げ特例対象事業者は150万円を上乗せ
第20回公募については、2026年の夏以降に実施される見込みです。今後、正式なスケジュールが公表され次第、公式サイトで確認しましょう。
デジタル化・AI導入補助金
デジタル化・AI導入補助金とは、2025年まで実施されていた「IT導入補助金」が名称変更された制度です。中小企業等の業務効率化やDX推進、セキュリティ対策に向けたITツールの導入を支援します。2026年度からは生成AIや高度な業務自動化ツールの導入に対する支援が強化されています。
本補助金は、以下4つの枠で構成されており、目的に応じて申請します。
- 通常枠
- インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)
- セキュリティ対策推進枠
- 複数社連携デジタル化・AI導入枠
補助金の概要は以下のとおりです。
| 区分 | 補助率 | 補助額上限 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 1/2 または 2/3 | 最大450万円 |
| インボイス枠 | 1/2 ~ 4/5 | 最大350万円 |
| セキュリティ対策推進枠 | 1/2 ~ 2/3 | 最大150万円 |
| 複数社連携デジタル化・AI導入枠 | 1/2 ~ 4/5 | 最大3,000万円 |
本補助金は、申請枠によって補助額や補助率が大きく異なります。また、ひとつの枠のなかでも経費の種類によって補助率が異なる点に注意が必要です。
2026年度の公募は3月30日(月)からスタートしており、1次締切で採択されると夏前には事業を開始できます。副業の場合でも、事業効率化を目的としたITツールを導入する場合などで申請が可能です。
自治体の補助金
各都道府県や市区町村では、創業支援や販路拡大支援といった独自の補助金を設けています。たとえば、店舗開設時の備品購入費や地域特産品の販売促進費用などが対象です。
2025年度に実施された各都道府県の補助金の一例をご紹介します。
| 地域 | 名称 | 補助額など |
|---|---|---|
| 東京都 | 創業助成事業 | 上限400万円(助成率2/3以内) |
| 大阪府 | 大阪起業家グローイングアップ事業(ビジネスプランコンテスト) | 上限100万円(補助率1/2)など |
このように、各地域で開業や創業に関する支援が行われています。副業で新規事業を立ち上げる場合は、お住まいの地域の制度もぜひ確認しておきましょう。
副業で使える助成金の種類
副業であっても、従業員を雇用している場合は雇用主として活用できる助成金があります。以下に紹介する2つの制度は、厚生労働省が提供しているものです。
業務改善助成金
業務改善助成金は、生産性向上につながる設備投資等を行い、事業場内の最低賃金を一定額引き上げた場合に設備投資などにかかった費用の一部を助成する制度です。
本助成金は小規模事業者も対象としていますが、あくまでも事業場内最低賃金を引き上げるための助成制度です。そのため、従業員がいない場合は助成対象外となる点にご注意ください。
助成対象となる経費は「生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資等」です。ただし、物価高騰等要件を満たす場合は特例的な拡充(車両、パソコン、スマートフォン等の購入)も対象経費として認められます。
以下に、2026年度当初予算案における助成額をご紹介します。
| コース区分 | 引き上げる労働者数と助成上限額 |
|---|---|
| 50円コース | 1人:40万円/2~3人:70万円/4~5人:70万円/6~7人:90万円/8人以上:110万円/10人以上:130万円 |
| 70円コース | 1人:50万円/2~3人:100万円/4~5人:130万円/6~7人:180万円/8人以上:230万円/10人以上:300万円 |
| 90円コース | 1人:100万円/2~3人:240万円/4~5人:270万円/6~7人:360万円/8人以上:450万円/10人以上:600万円 |
※引上げ労働者数が10人以上の区分は、特例事業者のみ対象
助成率は、申請する事業場における引き上げ前の事業場最低賃金が「1,050円未満は4/5」「1,050円以上は3/4」としています。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、事業主が雇用する労働者に対して職務に必要な知識・技能を習得させる訓練を実施した場合に、訓練費用や研修期間中の賃金の一部を助成する制度です。
2026年度は3月2日より制度改正が施行され、支給対象訓練の拡充や分割支給申請の導入など、活用しやすい方向へ大きく見直されています。主な拡充・見直し内容は以下のとおりです。
- 「設備投資助成」を新設し、リスキリング支援コース受講企業への機器・設備の購入費用の50%(最大150万円)を助成
- 対象訓練の拡充により、将来的に従事予定の職務に関連する訓練も対象に
- 「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」は令和8年度(2026年度)が最終年度の見込み
助成上限額は、コースや実施内容によって異なります。賃金助成や事業所あたりで上限を設けている場合もあるため、公式情報を確認しましょう。活用を検討している事業者は早めの申請準備が重要です。
補助金・助成金を活用する際のポイント
補助金や助成金をうまく活用するためには、事前の準備と正しい情報収集が不可欠です。以下のポイントを押さえておきましょう。
補助金の公式情報を確認する
補助金の検討や申請をする際、公募要領や公式情報の確認は必須です。補助金・助成金制度は随時内容が見直されており、対象者、補助率、上限額、対象経費、申請手続きなどが変更されることがあります。知人の話や過去の情報を参考にするのではなく、必ず最新の公募要領や公式ページをチェックしてください。
自分が補助対象なのかを見極める
副業で補助金を探す際は、制度の趣旨と自身の事業内容が一致しているかを確認しましょう。公募要領には支援の目的や趣旨、対象経費が詳細に記載されています。「自分は本当に対象なのか?」を冷静に判断するために、よく読み込むことが大切です。
余裕をもったスケジュールで申請する
補助金の申請では、書類準備とスケジュール管理を徹底する必要があります。事業計画書、見積書、納品書、契約書など多くの書類が求められ、短期間で準備が必要なこともあります。とくに、持続化補助金のように事業支援計画書(様式4)の発行に別途締切がある制度もあるため、余裕を持ったスケジュール管理が欠かせません。
自己資金が足りるか確認する
補助金は、原則として後払い(精算払い)です。つまり、まずは自己資金や融資で事業を実行し、その後に実績報告を行って交付される仕組みです。自己資金が不足している場合は、あらかじめ金融機関などと資金計画を立てておくことが重要です。
①公式の公募要領を必ず確認する
②制度の趣旨と自分の事業内容が一致しているか見極める
③余裕を持ったスケジュールで書類を準備する
④補助金は後払いのため、自己資金・資金繰りを事前に計画する
副業で補助金を受け取るための基本条件
副業で補助金や助成金を申請するための基本的な条件は、以下の4つです。
- 個人事業主である――開業届を税務署に提出していることが前提
- 事業収入がある(見込みがある)――確定申告で事業所得を計上していること
- 事業実態を証明できる――帳簿、契約書、請求書などの書類が整っていること
- 事業計画を策定している――補助金申請では具体的な計画書の提出が求められる
副業をしていれば誰でも補助金を受け取れるわけではありません。事業主を対象とした補助金では「個人事業主」として事業を行っていることが前提といえます。そのほか、従業員を雇用している必要があるなど、補助金によってさまざまな条件がある点を理解しておきましょう。申請時には証明書類の提出が求められるため、客観的に証明できる状態を整えておくことが大切です。
副業の補助金・助成金に関するよくある質問
副業でも補助金や助成金は本当にもらえますか?
はい、個人事業主として開業届を提出していれば、副業であっても補助金・助成金の対象となる場合があります。ただし、制度ごとに対象者の要件が異なるため、公募要領を必ず確認してください。
開業届を出していない場合でも補助金を申請できますか?
事業者向けの補助金では、原則として開業届の提出が必要です。未提出の場合、補助対象外となるケースがほとんどです。まずは税務署に開業届を提出し、個人事業主として登録することをおすすめします。
会社員として働きながら副業で補助金を受け取ることに問題はありますか?
補助金制度上は、会社員が副業として個人事業主で申請すること自体に問題はありません。ただし、勤務先の就業規則で副業が制限されている場合は、そちらの確認も必要です。
副業の売上がまだ少ないのですが、補助金は申請できますか?
売上の多寡が直接的な要件となっていない制度もあります。たとえば、小規模事業者持続化補助金は売上金額の下限を設けていません。ただし、事業計画書で事業の実態や将来性を示すことが求められます。
補助金と助成金の違いは何ですか?
補助金は、申請後に審査・採択が行われ、採択された事業者のみが受け取れる制度です。一方、助成金は要件を満たせば原則として受給できる制度が多い傾向にあります。補助金は経済産業省系、助成金は厚生労働省系の制度が中心です。
補助金は返済が必要ですか?
補助金・助成金は原則として返済不要の資金です。ただし、補助金で取得した設備を目的外に使用したり、補助事業を中止した場合は返還を求められることがあります。
補助金はいつ受け取れますか?
補助金は原則として「後払い(精算払い)」です。事業を実施した後に実績報告を行い、確定検査を経て交付されます。そのため、事業実施に必要な資金は先に自己負担する必要があります。
複数の補助金を同時に申請できますか?
制度によって異なりますが、同一の事業・経費に対して複数の補助金を重複して受け取ることは原則としてできません。異なる事業内容であれば、別々の補助金に申請できる場合があります。各制度の公募要領で併用条件を確認してください。
補助金の申請は自分でもできますか?専門家に頼むべきですか?
自分自身で申請することは可能です。ただし、事業計画書の作成など専門的な知識が求められる場面もあるため、不安な場合は中小企業診断士、行政書士、商工会議所の窓口などに相談することをおすすめします。
副業で受け取った補助金に税金はかかりますか?
補助金・助成金は「雑収入」として事業所得に計上されるため、所得税の課税対象となります。確定申告時に正しく計上する必要がありますので、帳簿管理を適切に行いましょう。
まとめ
副業でも、開業届を出して個人事業主として活動していれば、活用できる補助金や助成金は複数あります。省力化投資、IT導入、販路開拓、人材育成など、事業の成長や効率化に役立つ制度が用意されています。
2026年度は中小企業省力化投資補助金の一般型第6回公募や、デジタル化・AI導入補助金の公募が本格化しています。小規模事業者持続化補助金の第19回公募もすでに受付が開始されており、申請期限は2026年4月30日です。
ただし、申請には最新情報の確認、制度の趣旨理解、書類準備、資金繰り計画が欠かせません。場合によっては、中小企業診断士や社会保険労務士、商工会議所などの専門家のサポートを得るのも有効です。
「副業だから補助金はもらえない」と諦めず、自分の事業内容に合った制度を見つけ、事業成長にうまく活用していきましょう。
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