保育士が事務作業に追われ、こどもと向き合う時間が削られている——こうした声は、保育の現場から長く上がり続けてきました。連絡帳の記入、登降園の管理、実費徴収の集計。どれも必要な業務ですが、手作業のままでは職員の負担は膨らむ一方です。
その解決策として国が進めてきたのが、保育所等のICT化です。そして2026年8月31日、こども家庭庁が公表した令和9年度予算概算要求(総額7兆7,436億円)では、「保育所等におけるICT化推進等事業」が保育対策総合支援事業費補助金700億円の内数として盛り込まれています。令和8年度から続く各ICT支援メニューに加え、病児保育の空き状況を利用者が把握できるシステムについて、一定の場合に再度補助対象とする拡充も示されました。
概算要求は、各省庁が翌年度に「これだけの予算がほしい」と財務省へ提出する要求書です。確定した予算ではありません。とはいえ、どの事業が拡充され、どこに新しい補助メニューが生まれるのかを、いち早く読み取れる資料でもあります。
この記事では、こども家庭庁の令和9年度概算要求について、総額と内訳、5つの重点柱、そして保育現場に直結する「保育所等におけるICT化推進等事業」の拡充内容を中心に解説します。
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この記事の目次
こども家庭庁の令和9年度概算要求はいくら?総額と内訳
こども家庭庁の令和9年度予算概算要求額は、総額7兆7,436億円です。令和8年度予算額7兆4,956億円と比べ、2,480億円(3.3%)の増額となりました。
内訳は一般会計と子ども・子育て支援特別会計の2本立てです。
| 区分 | 令和9年度概算要求額 | 令和8年度予算額 | 対前年度比 |
|---|---|---|---|
| 一般会計 | 4兆4,896億円 | 4兆2,795億円 | +2,101億円 |
| 子ども・子育て支援特別会計 | 3兆2,540億円 | 3兆2,161億円 | +379億円 |
| うち子ども・子育て支援勘定 | 2兆1,177億円 | 2兆1,118億円 | +59億円 |
| うち育児休業等給付勘定 | 1兆1,362億円 | 1兆1,043億円 | +320億円 |
| 合計 | 7兆7,436億円 | 7兆4,956億円 | +2,480億円 |
伸び幅が最も大きいのは一般会計の+2,101億円(4.9%増)。特別会計のうち育児休業等給付勘定も+320億円と増えていますが、これは育休を取得する人が増加傾向にあることを反映したものです。
7.7兆円は何に使われる?主な使途の内訳
7兆7,436億円の大半は、すでに全国で動いている基礎的な公的サービスの費用です。新規事業を積み上げた金額ではありません。
- 保育所や放課後児童クラブの運営費等:約2兆6,700億円
- 児童手当:約2兆700億円(こども未来戦略による拡充分を含め2兆663億円を要求)
- 育児休業等給付:約1兆1,300億円
- 障害児の支援、虐待防止、ひとり親家庭の支援等:約1兆200億円
- 大学の授業料減免等:約6,600億円
- 妊婦への10万円給付:約800億円
保育所・放課後児童クラブの運営費と児童手当だけで約4兆7,400億円。全体の6割超を占めます。こども家庭庁の予算の中心は、施設の運営と家庭への給付だと押さえておくと、以降の新規・拡充事業の位置づけが理解しやすくなります。
令和9年度概算要求の5つの重点柱とは?
こども家庭庁は令和9年度の要求を、次の5つの柱で組み立てています。「こども未来戦略」(令和5年12月22日閣議決定)等に基づき、既存事業を見直しつつ、自治体間の施策状況や財政状況の違いを踏まえた要求という位置づけです。
| 重点柱 | 主な内容 |
|---|---|
| ①「こどもまんなか社会」を実現する基盤の確保 | 「こどもとともに成長する企業構想」の推進(9億円)、地域こども政策推進事業(46億円)、こども政策DXの推進(母子保健DX73億円ほか) |
| ②地域一体で「こどもの命と安全を徹底的に守る」支援の強化 | こども・若者の自殺対策の強化(交付金の新設10.4億円ほか)、こども性暴力防止法の運用(91億円)、青少年インターネット環境整備(5億円) |
| ③若者が希望を持ち、主体的に人生を選択できる環境の整備 | 若者政策地域実装推進事業(仮称・11億円)、プレコンセプションケアの推進、こどものウェルビーイング基盤整備事業(7億円) |
| ④誰もが安心して妊娠・出産・子育てができる環境の整備 | 保育の質の向上、産後ケア事業(104億円)、乳幼児健診の推進、こどもの居場所づくり |
| ⑤困難な状況にあるこども・家庭への支援の充実 | こども包括支援基盤の構築、児童虐待防止・社会的養護、こどもの貧困対策・ひとり親家庭等支援、障害児支援体制の強化 |
柱②では、令和7年の小中高生の自殺者数が538人と過去最多になった状況を受け、地方公共団体の協議会設置などを支援する交付金が新設されました。柱③の若者政策地域実装推進事業(仮称)は、15歳から29歳をメインターゲットに、地域官民連携型で1自治体あたり上限5,000万円を措置する新規事業です。
なお、0~2歳を含む幼児教育・保育の支援と、令和9年度障害福祉報酬改定については、予算編成過程で検討する事項とされ、概算要求段階では金額が示されていません。
保育所等におけるICT化推進等事業とは?令和9年度の拡充内容
保育所等におけるICT化推進等事業は、保育の周辺業務や補助業務にICTを導入する費用の一部を補助する制度です。令和9年度概算要求では、保育対策総合支援事業費補助金700億円の内数として要求され、8つのメニューが示されています。
事業の狙いは明確です。保育の計画・記録、保護者との連絡、登降園管理、実費徴収のキャッシュレス決済といった業務をシステム化し、保育士等の負担を軽くすること。そして働きやすい環境を整えることで、保育人材の勤続年数の上昇傾向を維持することです。
実施主体は都道府県および市区町村です。国が予算を確保していても、自治体が当該メニューを実施し、申請を受け付けているかによって、実際に利用できるかが変わります。
補助対象になるICT導入と補助基準額は?
中核となるメニュー(1)の補助基準額は、導入する機能の数で決まります。4機能を導入し、端末購入等も併せて行う場合の補助基準額は、1施設あたり130万円です。
| 導入機能数 | システム導入のみ | 端末購入等を併せて行う場合 |
|---|---|---|
| 1機能 | 20万円 | 70万円 |
| 2機能 | 40万円 | 90万円 |
| 3機能 | 60万円 | 110万円 |
| 4機能 | 80万円 | 130万円 |
このほか、外国人のこどもの保護者とのやりとりに使う通訳・翻訳のための機器購入に、1施設あたり15万円が措置されます。
・新たに「キャッシュレス決済」に係る機能を導入する場合は、過去に本補助金で他のシステムを導入していても対象
・保育業務施設管理プラットフォームを導入済みの施設が、新たに「登降園管理等の業務」に係る機能を導入する場合も対象
この2パターンでは、過去に本補助金を活用していても再度補助対象となる場合があります。
現行の令和8年度制度における申請要件や、2026年度に新設された「保育ICT推進加算」(単価は幼稚園・保育所・認定こども園30万円、地域型保育事業18万円)との違いは、次の記事で詳しく解説しています。
保育所以外ではどこが対象?主なICT支援メニュー
令和9年度概算要求でも、児童館、認可外保育施設、医療的ケア児を受け入れる保育所等、こども誰でも通園制度などを対象とするICT支援が示されています。これらのメニューは、令和8年度の公式資料でもすでに確認できます。
主なメニューは次のとおりです。
| メニュー | 補助基準額 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 児童館のICT化 | 1施設50万円 | 入退館管理、こどもの記録管理、研修のオンライン化、相談支援のオンライン化など |
| 認可外保育施設における機器の導入 | 1施設20万円 | 保育記録の入力支援など、保育従事者の負担軽減と事故防止につながる機器 |
| 医療的ケア児を受け入れる保育所等のICT機器 | 1施設20万円 | 医療的ケア児とのコミュニケーションツールとなるICT機器 |
| こども誰でも通園制度を実施するためのICT機器等 | 1施設20万円 | 空き枠登録用のICT機器・インターネット環境、入退室管理用タブレット、キャッシュレス決済機器 |
| 保育士登録等に係るシステム改修等 | 総額99,640千円 | 保育士資格の登録申請の届出等について、自治体等の保有情報と連携するための都道府県のシステム改修 |
このほか、都道府県等が実施する研修を在宅で受講できるようにするオンライン化事業に、1自治体あたり4,000千円が措置されています。
病児保育の予約ICT化はどうなる?
病児保育の予約・キャンセル等のICT化では、市区町村、施設、都道府県(広域連携)の3つの実施単位が示されています。都道府県を実施主体とする広域連携メニューは令和8年度から設けられており、令和9年度も同じ補助基準額が示されています。
令和9年度の拡充点は、企業主導型保育事業で実施している病児保育も含めた空き状況を利用者が把握できるシステムを都道府県または市町村が構築する場合、すでに本事業の補助を受けていても改めて補助対象とする点です。
| 実施単位 | 補助基準額 | 国庫補助率 |
|---|---|---|
| 市区町村 | 1市区町村あたり5,000千円 | 国1/2、市区町村1/2 |
| 施設 | 1施設あたり1,000千円 | 国1/2、都道府県・市区町村1/4、事業者1/4 |
| 都道府県(広域連携) | 1都道府県あたり10,000千円 | 国1/2、都道府県1/2 |
さらに、導入率に応じた補助割合の嵩上げがあります。管内の病児保育施設の70%以上に予約システムを導入した市区町村は国2/3・市区町村1/3へ、都道府県内の病児保育施設の70%以上に他市町村の利用者が予約できるシステムを整備した都道府県は国2/3・都道府県1/3へ引き上げられます。
補助率を2/3に引き上げるにはどうすればいい?
業務ICT化(メニュー(1))、こども誰でも通園制度(メニュー(2))、認可外保育施設のICT化(メニュー(5))では、自治体が所定の要件を満たす場合、国の補助割合が2/3へ引き上げられます。要件の一つが、自治体・ICT関連事業者・保育事業者などで構成される協議会を設置し、システム導入費用の補助以外の取組を行っていることです。
たとえばメニュー(1)の業務ICT化なら、通常は国1/2・市区町村1/4・事業者1/4のところ、嵩上げが適用されると国2/3・市区町村1/12・事業者1/4となります。事業者負担は1/4のまま変わらず、市区町村の負担が軽くなる設計です。
保育現場向けにほかに新設される事業は?
令和9年度概算要求では、ICT化以外にも保育現場に関わる新規・拡充事業が並びます。とくに人口減少地域の保育所を「地域の拠点」として位置づけ直す事業が新設された点は見逃せません。
人口減少地域等における子育て拠点保育施設支援事業(新規)
人口減少地域の保育所は、地域で唯一の子育て支援拠点であることが少なくありません。その保育所が運営困難に陥れば、こどもを預けて働く場も、こどもが集まる場所も失われます。この事業は、1自治体あたり12,000千円、国2/3・市町村1/3で、保育機能の強化と多機能化を支援するものです。
対象となるのは、離島振興対策実施地域、奄美群島、辺地、特別豪雪地帯、振興山村、小笠原諸島、半島振興対策実施地域、特定農山村地域、過疎地域、沖縄振興特別措置法上の離島といった特別地域を有する市町村で、全国1,240市町村が該当します。原則1自治体1施設での実施を想定しています。
医療的ケア児等保育支援事業(拡充)
医療的ケア児や重症心身障害児の受入れ体制整備を支援する事業も拡充されます。看護師等の配置は1施設あたり6,066千円、2名以上の受入れが見込まれ看護師等を複数配置する場合は同額を加算。自治体等が雇い上げた看護師等が巡回して対応する場合は1自治体あたり5,745千円です。
このほか、医療的ケア児保育支援者による地域体制構築支援に1自治体12,560千円、研修受講支援に1施設300千円、補助者の配置に1施設2,692千円などが措置されています。新たに医療的ケア児の受入れを開始する自治体には、補助率の嵩上げが行われます。
新しい保育所保育指針等の円滑な実施に向けた環境の整備事業(新規・0.9億円)
こども家庭審議会で審議が進む保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改定に備えた新規事業です。全国8ブロックでの説明会実施(オンライン配信併用)、告示および解説冊子の作成、実践事例データベースやオンライン研修を備えたコンテンツサイトの構築が予定されています。
妊娠・出産・子育て世帯向けに拡充される事業は?
妊娠期から就学前までの支援では、産後ケアと乳幼児健診が要求の中心です。
| 事業名 | 概算要求額 | ポイント |
|---|---|---|
| 産後ケア事業 | 104億円 | 令和6年度は実施自治体1,644、産婦の利用率31.8%。宿泊型はベッド数・職員配置に応じたA~C型に区分 |
| 「1か月児」及び「5歳児」健康診査支援事業 | 25億円 | 1か月児健診6,000円/人(原則個別健診)、5歳児健診5,000円/人(原則集団健診)、国1/2・市町村1/2 |
| 母子保健デジタル化等支援事業 | 13億円 | 情報連携基盤PMHを活用した母子保健DXの全国展開に向け、自治体への導入支援と標準的な導入モデルの確立 |
| 性と健康の相談センター事業 | 6億円 | 一定の要件を満たし、財政力指数1未満の自治体は、必須・重点事業の補助率を国2/3へ嵩上げ |
| 妊婦健診の見える化に関する啓発・調査促進事業 | 0.4億円 | 妊婦健診の内容・費用を「出産なび」へ掲載するための調査と周知広報 |
※性と健康の相談センター事業の嵩上げ要件には、地方版プレコンセプションケア推進計画の策定、プレコンサポーター活用の位置付け、所定事業の実施などが含まれます。
5歳児健診では、身体・精神・言語などの発達状況を評価し、必要な早期支援につなげます。健診の結果、発達障害等またはその疑いがあると判定された幼児については、就学前までに必要な支援へつなげる体制整備も求められています。「1か月児」および「5歳児」健診の実施自治体割合100%を2028年度までに達成するという目標が、EBPMの指標として掲げられています。
ひとり親家庭・困難を抱える家庭への支援はどう変わる?
ひとり親家庭等生活向上事業(こどもの生活・学習支援事業)では、進学に向けた費用支援が増額されます。母子家庭等対策総合支援事業費補助金222億円の内数として要求されました。
- 大学等受験料支援:高校3年生等 70,000円上限/人(拡充)
- 模擬試験受験料支援:高校3年生等 10,000円上限/人、中学3年生 7,000円上限/人(拡充)
- 送迎費:1か所あたり1,560千円(週5日開催の場合)を新設
- 長期休暇中の学習支援の追加開催:週3日以上追加で1,368千円/か所を加算
大学等受験料支援と模擬試験受験料支援の対象は、児童扶養手当受給世帯相当または住民税非課税世帯であり、かつ自治体が実施するこどもの生活・学習支援事業に登録等しているこどもです。
また、母子家庭の母・父子家庭の父が資格取得を目指す際の高等職業訓練促進給付金(月額10万円、住民税課税世帯は月額70,500円)も要求されています。令和6年度は8,580件が支給を受け、看護師982人、准看護師480人、保育士227人など3,041人が資格を取得しました。なお、令和9年度概算要求資料では、支給額について「見直しを検討」とされています。
約130億円の補助金見直しと「全部見える化」とは?
令和9年度概算要求では、増額の一方で合計約130億円の補助金等が見直されています。「租税特別措置・補助金・基金の適正化に向けた提案募集」の結果や行政事業レビューの自己点検を踏まえた対応です。
| 見直し項目 | 削減額 |
|---|---|
| 単発のイベント・広報啓発に係る委託費等の抜本的見直し | ▲4.4億円 |
| 地域少子化対策重点推進交付金の見直し(地域こども政策推進事業への統合) | ▲87億円 |
| 各種相談支援事業の統合・一元化 | ▲1.5億円 |
| 執行率が低い既存事業の縮減 | ▲34億円 |
※約130億円の見直し額は、令和7年度補正予算と令和8年度当初予算の合計を基準としたものです。
最大の見直しは地域少子化対策重点推進交付金の▲87億円です。効果検証が十分にできていないとして、自治体の財政力指数を踏まえて優先度の高い取組を重点支援する「地域こども政策推進事業」(46億円)へ統合されます。
「全部見える化」で自治体の事務はどう変わる?
こども家庭庁は、令和9年度に全ての予算事業の使途情報をネット上で公開する「全部見える化」を実現する方針です。交付先の地方自治体からの最終支出先まで含めて、事業名と支出金額を公開します。
同時に、地方自治体の事務負担軽減も進みます。交付申請や実績報告について入力省力化・エラーチェック・集計加工機能を導入し、こども家庭庁の課室ごとに手作業で行っている調査照会業務も自動集計機能で省力化する計画です。補助金の実績報告の様式や提出方法が今後変わる可能性がある点は、事業者側も押さえておきたいところです。
概算要求後のスケジュールは?予算が決まるまでの流れ
概算要求は、予算が決まるまでの入口にすぎません。今後は次の流れで進みます。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年8月31日 | 各省庁が概算要求を提出・公表(今回の段階) |
| 2026年秋 | 財務省による査定・省庁との折衝 |
| 2026年12月下旬 | 政府予算案を閣議決定 |
| 2027年1月~3月 | 通常国会で審議・成立 |
| 2027年4月~ | 令和9年度予算の執行開始。事業・自治体ごとに順次実施 |
こども家庭庁の令和9年度概算要求に関するよくある質問
こども家庭庁の令和9年度概算要求の総額はいくらですか?
総額7兆7,436億円です。内訳は一般会計4兆4,896億円、子ども・子育て支援特別会計3兆2,540億円で、令和8年度予算額7兆4,956億円から2,480億円(3.3%)の増額となっています。
概算要求と予算はどう違うのですか?
概算要求は各省庁が8月末に財務省へ提出する「要求」であり、確定した予算ではありません。この後に財務省の査定を経て、12月下旬に政府予算案が閣議決定され、通常国会で成立して初めて予算が確定します。金額や補助単価は編成過程で変更される可能性があります。
保育所等におけるICT化推進等事業の補助上限額はいくらですか?
業務システムの導入は、1機能20万円から4機能80万円までが補助基準額です。端末購入等を併せて行う場合は1機能70万円から4機能130万円となり、4機能と端末購入等を行う場合の補助基準額は1施設あたり130万円です。このほか翻訳機等の購入に15万円が措置されています。
過去にICT補助金を使った施設でも、もう一度申請できますか?
メニュー(1)の業務ICT化等に係るシステム導入は原則1施設1回限りですが、例外があります。新たにキャッシュレス決済に係る機能を導入する場合と、保育業務施設管理プラットフォームを導入済みの施設が新たに登降園管理等の機能を導入する場合は、過去に本補助金を活用していても補助対象となります。
児童館もICT化の補助対象になりますか?
対象です。令和9年度概算要求でも、児童館のICT化に1施設あたり50万円の補助基準額が示されています。入退館やこどもの記録管理、研修のオンライン化、利用者同士の交流や相談支援のオンライン化などに必要なシステム基盤の整備が対象で、1施設1回限りです。
認可外保育施設もICT補助の対象ですか?
対象です。令和9年度概算要求でも、認可外保育施設については、保育記録の入力支援など保育従事者の業務負担軽減につながる機器の導入に、1施設あたり20万円の補助基準額が示されています。事故防止につなげることも目的とされています。
ICT化推進等事業の補助率を2/3にするには何が必要ですか?
業務ICT化、こども誰でも通園制度、認可外保育施設のICT化など一部のメニューでは、自治体が、自治体・ICT関連事業者・保育事業者などで構成される協議会を設置し、システム導入費用の補助以外の取組を行うなどの要件を満たすと、国の補助割合が2/3へ引き上げられます。対象は原則として財政力指数1.0未満の自治体ですが、一部例外があります。
自分の園がある自治体で申請を受け付けているか、どう確認すればよいですか?
保育所等におけるICT化推進等事業の実施主体は都道府県および市区町村です。国が予算を確保していても、自治体が対象メニューを実施し、申請を受け付けるかは自治体ごとに異なります。自治体のホームページを確認するか、保育担当課へ直接問い合わせてください。
令和9年度概算要求で削減された事業はありますか?
合計約130億円の補助金等が見直されました。最大は地域少子化対策重点推進交付金の▲87億円で、地域こども政策推進事業へ統合されます。ほかに単発のイベント・広報啓発の委託費等▲4.4億円、各種相談支援事業の統合・一元化▲1.5億円、執行率が低い既存事業の縮減▲34億円が反映されています。なお、約130億円の見直し額は、令和7年度補正予算と令和8年度当初予算の合計を基準としたものです。
児童手当の金額は令和9年度に変わりますか?
令和9年度概算要求では、こども未来戦略により拡充された児童手当の確実な支給のため2兆663億円が要求されています。支給額そのものの変更は示されておらず、現行の拡充後の水準を継続して支給するための予算という位置づけです。
まとめ
こども家庭庁の令和9年度予算概算要求は、総額7兆7,436億円で、前年度から2,480億円の増額です。予算の6割超は保育所等の運営費と児童手当が占めており、総額だけでなく、新規・拡充メニューの内容を確認することが重要です。
保育所等におけるICT化推進等事業では、児童館50万円、認可外保育施設20万円、医療的ケア児向けICT機器20万円など、令和8年度の公式資料でも確認できる支援メニューが令和9年度概算要求でも示されています。病児保育については、都道府県単位の広域連携メニュー自体は令和8年度からあり、令和9年度の拡充点として、企業主導型保育事業で実施する病児保育も含めた空き状況確認システムを都道府県または市町村が構築する場合、すでに本事業の補助を受けていても改めて補助対象とする措置が盛り込まれました。
また、人口減少地域等における子育て拠点保育施設支援事業など、令和9年度に新たに示された事業もあります。ICT化だけでなく、地域の保育提供体制や医療的ケア児の受入れ体制なども含めて確認しておく必要があります。
ただし、これらはあくまで概算要求段階の内容です。補助基準額や制度要件は予算編成過程で変わる可能性があります。12月下旬の政府予算案、国会での予算成立、予算成立後の事業ごとの実施要綱や自治体の案内等で最終確認してください。
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