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米の価格推移はどうなる?令和7年産米は60kg35,812円で過去最高、2026年は下落局面へ

公開日:2026/7/9 更新日:2026/7/9
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2026年7月7日の参議院農林水産委員会で、政府備蓄米の早期買い戻しを求める質問が与野党の議員から相次ぎました。背景にあるのは、米価暴落への不安です。令和6年産・7年産と2年連続で記録的な高値となった米の価格は、2026年に入って下落局面へと転じつつあります。「令和の米騒動」と呼ばれた高騰から一転、今度は「米余り」と「価格急落」が懸念され、米をめぐる状況は、めまぐるしく変化しています。

価格の乱高下は、消費者の家計だけでなく、米を扱う食品メーカーや中食・外食事業者、米穀卸、そして生産者の経営にも大きな影響を与えます。こうした中で農林水産省は、米の新たな需要をつくり出し、需給の安定につなげる支援策を実施しています。

この記事では、農林水産省の公表データをもとに米の相対取引価格の最新動向と長期的な推移を整理したうえで、米の需要拡大を支援する「米穀周年供給・需要拡大支援事業」の内容をわかりやすく解説します。

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この記事の目次

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米の価格は今どうなっている?相対取引価格の最新動向

農林水産省の公表によると、令和7年産米の2026年(令和8年)5月の相対取引価格は、全銘柄平均で玄米60kgあたり33,164円でした。前年同月と比べると+5,515円(+20%)と依然高い水準ですが、前月比では▲283円(▲1%)と下落しています。2025年10月をピークに、途中で小幅な反発を挟みながらも、価格は低下基調にあります。

相対取引価格とは?店頭価格と何が違う?

相対取引価格とは、全国の出荷団体(JA全農など)と卸売業者との間で取引される米の価格のことです。農林水産省が年間取扱数量5,000トン以上の出荷団体等を対象に毎月調査・公表しており、生産・流通段階の米価を示す代表的な指標とされています。運賃、包装代、消費税相当額を含む1等米の価格です。

スーパーの店頭価格(小売価格)はこの相対取引価格に精米・小分け・流通のコストが上乗せされたものです。そのため、相対取引価格の動きは数か月遅れで店頭価格に反映される傾向があります。事業者が仕入れ計画を立てるうえでも、消費者が今後の店頭価格を予測するうえでも、注目すべき指標といえるでしょう。

令和7年産米の月別価格推移|2025年10月をピークに下落へ


出典:農林水産省「相対取引価格の推移(令和3年産~令和7年産)」

令和7年産米の相対取引価格は、出回り直後の2025年9月から2026年5月まで、次のように推移しています。

令和7年産米の相対取引価格(全銘柄平均・玄米60kgあたり)
2025年9月36,895円
2025年10月37,058円
2025年11月36,493円
2025年12月36,075円
2026年1月35,465円
2026年2月35,056円
2026年3月33,345円
2026年4月33,447円
2026年5月33,164円

2025年10月の37,058円をピークに、2026年5月までに約3,900円(約11%)下落しました。年産平均価格は35,812円(速報値)で、前年産比+10,633円(+42%)と過去に例のない高値ですが、月別の動きを見れば低下基調へ移っていることがわかります。

米価はなぜ高騰し、なぜ下落に転じたのか?5年間の推移から読み解く


出典:農林水産省「長期的な主食用米の価格の動向」
米の相対取引価格は、令和3年産の12,804円から令和7年産の35,812円へと、わずか4年で約2.8倍に急騰しました。年産別の平均価格は次のとおりです。

年産別平均価格の推移(全銘柄平均・玄米60kgあたり)
令和3年産(2021年)12,804円
令和4年産(2022年)13,844円
令和5年産(2023年)15,315円
令和6年産(2024年)25,179円
令和7年産(2025年)35,812円(速報値)

長期的に見ると、米価は平成期を通じて2万円前後から下落基調が続き、平成26年産では11,967円まで低迷していました。それが令和6年産以降、一気に3万円台まで駆け上がったのですから、生産・流通・消費のすべての現場に混乱が生じたのも無理はありません。

令和6年産・7年産はなぜ高騰した?

高騰の直接のきっかけは、2024年夏に店頭から米が消えた「令和の米騒動」です。天候不順による品質低下や在庫の逼迫、買いだめ需要の増加などが重なり、需給が急速にタイト化しました。集荷業者間の競争激化により産地での買い付け価格(概算金)も大幅に引き上げられ、令和6年産は前年比+64%、令和7年産はさらに+42%と、2年連続で記録的な値上がりとなりました。政府は2025年に59万トン規模の備蓄米売渡しを進め、価格抑制を図りましたが、店頭価格の本格的な低下には時間を要しました。

2026年に下落へ転じた理由は「米余り」への転換

2026年の下落の背景には、需給バランスの反転があります。高値を受けて生産者の作付け意欲が高まり、農林水産省の作付け意向調査(2026年1月末時点)では主食用米の生産量は全国で732万トンと、需要に見合う適正水準(711万トン)を上回る見通しとなりました。このまま推移すれば、2027年6月末の民間在庫量は最大271万トンと、適正水準とされる180万〜200万トンを超過すると見込まれています。
つまり、わずか2年で「米不足」から「米余り」へと局面が逆転したのです。在庫の積み上がりを警戒した流通段階での安値販売も始まっており、産地からは令和8年産以降の米価暴落を懸念する声が強まっています。

備蓄米の「買い戻し」はどうなる?国会でも議論に

価格急落への対策として注目されているのが、政府が2025年に売り渡した備蓄米の買い戻しです。2026年度予算には15万トン分の買い戻しを想定した経費が盛り込まれていますが、実際の実施時期や数量は、需給や販売動向などを見ながら判断される見通しです。

2026年7月7日の参議院農林水産委員会では、与野党の議員から早期の買い戻し実施を求める質問が相次ぎました。一方、鈴木憲和農林水産大臣は「需給や販売動向を見定めた上で実施する」との答弁にとどめており、実施の時期や数量は現時点で未定です。買い戻しが実施されれば需給が引き締まり、米価下落に歯止めがかかる可能性がある一方、消費者にとっては価格高止まりの要因にもなり得るため、政府は慎重に判断を進めているとみられます。

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米の需要拡大を支援する制度とは?米穀周年供給・需要拡大支援事業を解説

米の需給を中長期的に安定させるカギは、需要そのものを増やすことです。農林水産省は「米穀周年供給・需要拡大支援事業」の一環として、補助率定額または1/2、補助上限1,000万円で、米の新商品開発や播種前契約の取組を支援しています。2026年の予算額は1億1,900万円です。
本事業は、食生活の変化や人口減少により米の需要減少が続く中で、米の新たな需要の拡大・創出と、実需者ニーズの生産への反映を通じて、主食用米の需給ギャップ縮小に貢献することを目的としています。次の2つの取組で構成されています。

【米穀周年供給・需要拡大支援事業(安定取引拡大支援)の2つの取組】
  • 米を利用した新たな商品の開発等の取組(事務局:株式会社ぐるなび)
  • ニーズに基づく播種前契約のための取組(事務局:全国米穀販売事業共済協同組合)
補助率:定額、1/2 補助上限:1,000万円

米を利用した新たな商品の開発等の取組とは?

米を利用した新規性のある商品の開発やプロモーションを行う、中食・外食事業者や食品メーカー等を支援する取組です。事業実施主体(事務局)には株式会社ぐるなびが選定されており、事業実施者の公募選考のほか、アイデアコンテストや商談会の開催、マーケティング専門家のあっせんなど、需要創出につながる環境整備も行われます。

過去の採択例には、亀田製菓株式会社の「ライスチップス」、株式会社モスフードサービスの「玄米バーガー」、木内酒造株式会社の「ライスウイスキー」、株式会社ペーパルの米を使った紙素材「kome-kami」など、ユニークな商品が並びます。米菓や米飯にとどまらず、素材・飲料・防災食品まで、幅広い分野の商品開発が対象になっていることがわかります。

ニーズに基づく播種前契約のための取組とは?

播種前契約とは、作付け前の段階で、実需者と産地が数量・価格などをあらかじめ取り決める契約のことです。実需者のニーズを生産に反映しやすくなるため、需要に応じた生産と安定取引の両立につながる手法として推進されています。

この取組では、播種前契約の締結に向けて事業実施者(米穀卸、中食・外食事業者等)が行う産地との調整や栽培指導、播種前契約で調達した米を利用する商品開発・販売促進等が支援されます。事業実施主体(事務局)には全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)が選定されており、優良事例調査やガイドラインの普及啓発も行われています。米価の先行きが不透明な今こそ、価格・数量をあらかじめ固定できる播種前契約の意義は大きいといえるでしょう。

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米穀周年供給・需要拡大支援事業の公募スケジュールは?

本事業の公募は例年、3月頃に事業実施主体(事務局)の選定、5月頃に事業実施者の公募開始という流れで進みます。2026年の事業実施者の公募期間は次のとおりでした。

公募期間(事業実施者)
米を利用した新たな商品の開発等の取組2026年6月10日(水)〜7月8日(水)※受付終了
ニーズに基づく播種前契約のための取組2026年5月27日(水)〜7月3日(金)※受付終了
【注意】2026年の事業実施者の公募はいずれも受付を終了しています。本事業は2022年以降、毎年実施されており、次回公募は例年どおりであれば2027年5月頃に開始される見込みです。検討中の事業者は、農林水産省や各事務局の公募情報を早めにチェックし、商品企画や産地との調整など準備を進めておきましょう。


米の価格推移と支援制度に関するよくある質問


相対取引価格とはなんですか?


JA全農などの出荷団体と卸売業者との間で取引される米の価格です。農林水産省が年間取扱数量5,000トン以上の出荷団体等を対象に毎月調査・公表しており、生産・流通段階の米価を示す代表的な指標です。運賃・包装代・消費税相当額を含む1等米の価格で、スーパーの店頭価格とは異なります。



2026年の米の価格は上がっていますか?下がっていますか?


下落傾向にあります。令和7年産米の相対取引価格は2025年10月の37,058円/60kgをピークに下がり続け、2026年5月には33,164円と約11%下落しました。ただし前年同月比では+20%と、依然として高い水準です。



令和7年産米の平均価格はいくらですか?


令和7年産米の年産平均価格は全銘柄平均で玄米60kgあたり35,812円(2026年5月までの速報値)です。前年産の25,179円と比べて+10,633円(+42%)の大幅な上昇となりました。



米の価格はなぜ高騰したのですか?


2024年夏の「令和の米騒動」をきっかけに、天候不順による品質低下、在庫の逼迫、買いだめ需要の増加などで需給が急速にタイト化したためです。集荷業者間の競争激化により産地での買い付け価格も引き上げられ、令和6年産・7年産と2年連続で記録的な高値となりました。



今後、米の価格は暴落するのですか?


断定はできませんが、下落圧力は強まっています。2026年1月末時点の作付け意向調査では主食用米の生産量が適正水準を上回る732万トンとなり、2027年6月末の民間在庫は最大271万トンと大幅な超過が見込まれています。一方、政府による備蓄米の買い戻しや天候次第で状況が変わる可能性もあります。



備蓄米の「買い戻し」とはなんですか?


政府が2025年に売り渡した備蓄米について、市場から再び買い入れて備蓄水準を回復させることです。2026年度予算には15万トン分の買い戻しを想定した経費が盛り込まれていますが、実施時期や数量は未定で、政府は需給や販売動向を見ながら判断する方針です。



米穀周年供給・需要拡大支援事業では、いくらもらえますか?


米を利用した新たな商品の開発等・ニーズに基づく播種前契約のための取組では、補助率は定額または1/2、補助上限は1,000万円です。2026年度の予算額は1億1,900万円となっています。



米穀周年供給・需要拡大支援事業は誰が申請できますか?


新商品開発の取組は中食・外食事業者や食品メーカー等の民間事業者、播種前契約の取組は米穀卸や中食・外食事業者等が対象です。申請は農林水産省ではなく、各取組の事務局(新商品開発は株式会社ぐるなび、播種前契約は全国米穀販売事業共済協同組合)を通じて行います。



2026年の公募はまだ間に合いますか?


2026年度の事業実施者の公募締め切りは、新商品開発が2026年7月8日、播種前契約が2026年7月3日でいずれも受付を終了しました。本事業は2022年から毎年度実施されており、例年どおりであれば次回は2027年の5月頃に公募が始まる見込みです。



消費者向けの米価高騰対策はありますか?


自治体によっては、重点支援地方交付金などを活用し、おこめ券・米クーポン・米の現物配布などを実施している例があります。ただし、全国一律の制度ではありません。実施状況や対象者、申請方法は自治体によって異なるため、お住まいの自治体の情報をご確認ください。



まとめ|米価は転換点へ。需要拡大への取組が需給安定のカギに

令和7年産米の相対取引価格は年産平均35,812円/60kgと過去に例のない高値となった一方、2025年10月をピークに低下基調へ移り、2026年5月には33,164円となりました。作付けの拡大により「米余り」への警戒感が強まり、備蓄米の買い戻しをめぐる議論が国会でも交わされるなど、米価はいま大きな転換点を迎えています。

価格の乱高下に左右されにくい経営を築くうえで、米の新商品開発や播種前契約といった「需要をつくる」取組の重要性は増しています。米穀周年供給・需要拡大支援事業では、対象となる取組について補助上限1,000万円の支援が用意されています。2026年の公募は終了しましたが、例年5月頃に公募が始まるため、次回に向けた準備を今から進めておく価値は十分にあるでしょう。

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