省力化投資補助金「カタログ注文型」とは?対象製品・補助額・申請の流れを解説【2026年度】

公開日:2026/3/23 更新日:2026/10/22
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「カタログ補助金」「カタログ型」とも呼ばれる中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型は、国があらかじめ登録した省力化製品の中から自社に合う設備を選び、販売事業者と共同で申請する補助金です。一般型のような詳細な事業計画書は求められず、随時申請でき、採択後に改めて交付申請を行う手続きもないため、補助金申請に慣れていない事業者でも取り組みやすい制度として活用が広がっています。

2026年10月20日には公募要領が改訂され、これまで対象外だった農業・林業・漁業が申請できるようになったほか、補助額の下限(25万円以上)が撤廃されるなど、使いやすさがさらに高まりました。ただし、1次産業向けの製品カテゴリは必要性が認められた場合に開設されるもので、導入したい製品がカタログに登録されていることが前提です。申請受付は2027年3月末頃まで続く予定です。

本記事では、改訂後の公募要領をもとに、カタログ注文型の仕組み、補助上限額・補助率、申請要件、対象経費、製品カタログの見方、申請の流れ、公表されている申請件数の推移までを解説します。

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この記事の目次

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カタログ注文型とは?「カタログ型」「カタログ補助金」との関係

中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業・小規模事業者がIoTやロボットなどの省力化設備を導入する際、費用の一部を国が補助する制度です。所管は経済産業省・中小企業庁、実施は独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)で、「カタログ注文型」と「一般型」の2つの申請方法があります。

カタログ注文型は、検索などでは「カタログ型」「カタログ補助金」と呼ばれることも多いですが、いずれも同じ制度を指しています。公式名称は「中小企業省力化投資補助事業(カタログ注文型)」です。

カタログ注文型の仕組みは、次の4点に集約されます。

・国が省力化効果を認めて登録した「製品カタログ」の中から導入する製品を選ぶ
・製品を扱う販売事業者と共同で事業計画を作成し、申請する(一般型のような詳細な事業計画書は不要)
・公募回ごとの締切がなく、随時申請できる
・審査を経て採択通知と交付決定を受ける(採択後に改めて交付申請を行う手続きはない)

所管経済産業省・中小企業庁
実施独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)
対象者日本国内の中小企業・小規模事業者・個人事業主等(人手不足要件あり)
補助上限額従業員数に応じて500万円〜1,000万円(大幅賃上げ時は750万円〜1,500万円)
補助率1/2以下
申請受付随時(2027年3月末頃まで受付予定)
補助事業実施期間交付決定日から原則12か月以内
効果報告補助事業終了後3年間(毎年1回)
公式サイト中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)

一般型は、カタログに掲載されていない設備やシステムをオーダーメイドで導入できる代わりに、詳細な事業計画書の作成と審査が必要な申請方法です。「手軽さとスピード」を重視するならカタログ注文型、「投資規模と自由度」を重視するなら一般型という使い分けになります。

2026年10月20日の公募要領改訂で何が変わった?

カタログ注文型の公募要領は2026年10月20日に改訂されました(第12回改訂)。補助上限額や補助率といった金額面に変更はありませんが、対象事業者や申請ルールにいくつか重要な変更があります。

変更点内容
農業・林業・漁業が対象にこれまで「取り組む事業が1次産業である事業」は補助対象外でしたが、この規定が削除されました。あわせて、介護業と1次産業を対象とする製品カテゴリは、必要性が認められた場合に開設されること、1次産業でしか使われないカテゴリは開設されないことが明記されています
補助額の下限を撤廃「補助額25万円未満の申請は不可」という規定が削除されました。2回目以降の申請についても同様です
製品単価要件の例外製品本体価格は原則「1件あたり単価50万円以上」ですが、「一部カテゴリの製品を除く」という例外が追加されました
導入日から1年間の譲渡禁止導入した製品を導入日から1年間、譲渡・交換・貸付してはならないことが遵守事項として明記されました(補助金適正化法に基づく財産処分制限とは別に適用)
差し戻し後180日ルール申請に不備があり差し戻された場合、差し戻しから180日以内に再提出がなければ申請は無効になります
他の補助金との重複ルールの整理農林水産省・厚生労働省の一部事業で交付決定を受けた事業者を除外する規定が新設されました(対象事業と期間は「他の補助金との重複」の節を参照)。「IT導入補助金」の表記は「中小企業デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」に改められています
事業終了後の規模超過補助事業実施期間の終了後に従業員数や資本金が中小企業の基準を超えても、補助対象から除外されないことが明記されました
大企業の定義を簡素化「補助対象者の要件のいずれも満たさない事業者は大企業に該当する」という表現に整理されました
【変わらなかった点】
・補助上限額(500万円〜1,500万円)と補助率(1/2以下)
・労働生産性の目標(年平均成長率3.0%以上、2回目以降は4.0%以上)
・大幅賃上げ特例の要件(事業場内最低賃金3.0%以上+給与支給総額6%以上の増加)
・補助事業実施期間(交付決定日から12か月以内)

なお、交付規程も2026年9月16日に改正されており、事業計画期間中に事業を廃止・承継する場合の届出手続きが新設されています。

農林漁業の事業者にとっては、これまで使えなかった補助金が選択肢に加わった形です。ただし、1次産業向けの製品カテゴリは必要性が認められた場合に開設されるもので、1次産業でしか使われないカテゴリは開設されません。実際に申請できる製品がカタログに登録されているかは、公式の製品カタログで確認する必要があります。また、農林水産省や厚生労働省の補助金で設備投資の交付決定を受けている場合は、一定期間は申請できない規定が同時に設けられています。

補助上限額と補助率はいくら?

従業員規模別の補助上限額

カタログ注文型の補助上限額は、交付申請時点の従業員数によって決まります。大幅賃上げ特例の要件を満たす計画を立てた場合は、上限額が引き上げられます。

従業員数補助上限額大幅賃上げ特例適用時
5人以下500万円750万円
6〜20人750万円1,000万円
21人以上1,000万円1,500万円

この上限額は2026年3月19日の制度改定で引き上げられたものです。改定前は5人以下が200万円(賃上げ時300万円)、6〜20人が500万円(同750万円)だったため、従業員5人以下の事業者では上限が2.5倍になっています。小規模な事業者ほど恩恵の大きい改定だったといえます。

補助率は1/2以下

補助率は1/2以下です。補助額は「製品本体価格+導入経費」の1/2が基本ですが、製品ごとに登録された補助上限額があり、製品の購入価格がその2倍を超える場合は、補助率が実質的に1/2を下回ります。たとえば、製品の登録上限額が300万円で購入価格が800万円の場合、補助額は300万円(補助率37.5%)になります。

製品ごとの補助上限額は、製品カタログの各製品ページで確認できます。

2回目以降の申請と累計補助上限額

カタログ注文型は、要件を満たせば2回目以降の申請も可能です。この場合、1事業者あたりの累計補助上限額は「当該申請時点の補助上限額×2」となり、そこから過去の累計交付額(財産処分等による返納分を除く)を差し引いた額まで申請できます。ただし、1回の申請でその時点の補助上限額を超えることはできません。

従業員数1回あたりの上限累計補助上限額
5人以下500万円(750万円)1,000万円(1,500万円)
6〜20人750万円(1,000万円)1,500万円(2,000万円)
21人以上1,000万円(1,500万円)2,000万円(3,000万円)

※()内は大幅賃上げ特例適用時

申請できる事業者は?

中小企業・小規模事業者の規模要件

日本国内で法人登記されている中小企業等、または日本国内で事業を営む個人事業主が対象です。業種ごとに定められた資本金または常勤従業員数のいずれかを満たす必要があります。

業種資本金常勤従業員数
製造業・建設業・運輸業・その他3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
ゴム製品製造業(一部除く)3億円以下900人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下

このほか、一定の要件を満たす組合、特定非営利活動法人(NPO法人)、社会福祉法人、介護事業を営む法人なども対象になります。介護分野の取り扱いについては、2026年1月9日付の事務連絡もあわせて確認してください。

人手不足の状態にあることの確認(必須)

カタログ注文型では、自社が人手不足の状態にあることを、次のいずれかで示す必要があります。

・直近の従業員の平均残業時間が月30時間を超えている
・整理解雇によらない離職・退職によって、従業員数が前年度比で5%以上減少している(非常勤従業員が主体の場合は総労働時間で代替可)
・求人を出しても人員が充足しなかった
・その他、省力化を推し進める必要性に迫られている

「その他」を選択した場合は、個別に省力化の必要性を確認するため、審査に時間がかかる可能性があります。できるだけ上の3つのいずれかで申請するのが確実です。

対象外となる事業者・事業

次に該当する場合は申請できません。

・みなし大企業(大企業が株式の過半数を保有している、役員の過半数を大企業が占めている、課税所得の3年平均が15億円を超えるなど)
・みなし同一法人(議決権の50%超を保有する親子関係や、代表者が同一の法人など)は、いずれか1社のみ申請可
・本事業で過去に交付決定の取消しを受けた事業者
・製造事業者・販売事業者が、自ら登録したカテゴリと同じ製品を自社に導入する事業
・申請時点から過去1年以内に労働関係法令違反で送検された事業者
・反社会的勢力に該当する、または関係がある事業者
・風俗営業等(一部を除く)、不動産賃貸業、駐車場経営、暗号資産のマイニングなどに関する事業

他の補助金との重複

同一の経費に対して、他の国の補助金と重複して補助を受けることはできません。さらに、次に該当する事業者・事業は申請自体ができないため注意が必要です。対象制度ごとに交付決定後の経過期間などが異なります。

関連する制度申請できない条件
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金交付決定から10か月を経過していない、または過去3年間に2回以上交付決定を受けている
中小企業等事業再構築促進補助金、中小企業新事業進出補助金(中小機構)採択された事業に用いる機器を本事業で導入する
観光庁「観光地・観光産業における人材不足対策事業」(令和7年度)、「観光地・観光産業における省力化投資補助事業」(令和8年度)設備投資に対する交付決定から10か月を経過していない
農林水産省「スマート農業・農業支援サービス事業導入総合サポート事業/緊急対策」設備投資等に対する交付決定から10か月を経過していない
農林水産省「林業労働安全確保対策事業」設備投資等に対する交付決定から6か月を経過していない
厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業」「介護テクノロジー定着支援事業」「地域における介護現場の生産性向上普及推進事業」設備投資に対する交付決定を令和8年度内に受けている
中小企業デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)補助対象経費が重複していなくても、同じ業務プロセスに省力化製品を導入するなど、テーマや事業内容が同一または類似している

農林水産省・厚生労働省の規定は2026年10月改訂で追加されたものです。観光庁・農林水産省・厚生労働省の各事業は年度ごとに名称や対象が変わるため、該当しそうな場合は最新の公募要領で確認してください。

なお、補助事業の実施期間が終了した後に従業員数や資本金が中小企業の基準を超えた場合は、補助対象から除外されません。

申請に必要な基本要件と大幅賃上げ特例

労働生産性を年平均3.0%以上向上させること

補助事業終了後3年間にわたり、毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上させる事業計画を策定し、実現することが求められます。2回目以降の申請では、この目標が4.0%以上に引き上げられます。

労働生産性は「付加価値額÷従業員数」で計算し、付加価値額は営業利益・人件費・減価償却費の合計です。

最低賃金を上回っていること

申請時と実績報告時の直近月において、全従業員の賃金が地域別最低賃金を上回っている必要があります。

大幅賃上げ特例の要件

補助上限額の引き上げを受けるには、補助事業実施期間の終了時点で、次の2つをどちらも達成する見込みの計画が必要です。

・事業場内最低賃金を3.0%以上増加させる(日本銀行の「物価安定の目標」+1%)
・給与支給総額を6%以上増加させる

給与支給総額は所定内給与のみが対象で、賞与・福利厚生費・法定福利費・退職金・役員報酬は含みません。やむを得ない事情がある場合は、1人当たり賃金の増加率で代えることができます。

また、賃上げ計画を従業員に表明していることが条件で、表明した書面を申請時に提出します。正当な理由なく目標を達成できなかった場合は、特例適用前の補助上限額で計算した額まで補助金が減額されます。報告後に賃金を引き下げた場合や、報告対象期間だけ賃金を引き上げていた場合は、返還を求められることもあります。

2回目以降の申請で追加される要件

2回目以降の申請では、基本要件に加えて次の条件を満たす必要があります。

・前回の補助金の支払いが完了していること
・労働生産性の目標を年平均成長率4.0%以上とすること
・前回の補助事業による省力化効果を報告し、審査を受けること
・事業場内最低賃金を、前回申請時から2年未満なら3.5%以上、2年以上なら3.5%に1年ごとに3.5%を上乗せした率以上(2年で7.0%、3年で10.5%)引き上げていること
・申請時点で常勤従業員がいること(常勤従業員がいない事業者は2回目以降の申請不可)

補助対象になる経費・ならない経費

製品本体価格

製品カタログに登録された省力化製品の購入費用または借用費用が対象です。専用の機械装置、工具・器具、専用ソフトウェア・情報システムが該当します。

購入の場合は1件あたり単価50万円以上であることが要件ですが、2026年10月の改訂で「一部カテゴリの製品を除く」という例外が設けられました。また、製品ごとにカタログに登録された額が補助上限となります。

導入経費

製品を使える状態にするための費用も補助対象です。設置作業費、運搬費、動作確認費、初期設定費などが該当します。ただし、導入経費は製品本体価格の2割が上限で、導入経費に対する補助額も製品本体への補助額の2割が上限です。

なお、ファイナンス・リースなど借用で導入する場合、導入経費は補助対象になりません。また、1回の申請で複数種類の製品を申請することはできません。

補助対象外となる経費

・交付決定前に発注・契約・支出した費用(事前着手は認められません)
・中古品、無償で提供された製品
・リースの金利・保険料
・消費税
・委託費・外注費
・移動費・宿泊費
・申請代行費
・顧客が負担した費用

販売代金の実質的な値引き、ポイント・クーポンの付与、キャッシュバック、通常より高い価格でのカタログ登録、資金の還流などは不正行為とみなされ、交付決定の取消しや販売事業者登録の取消しの対象になります。販売事業者から「補助金分は値引きする」といった提案があった場合は、応じないよう注意してください。

製品カタログの見方と主な製品カテゴリ

カタログ注文型では、中小機構が公開している「製品カタログ」に登録された製品だけが補助対象です。カタログは「製品カテゴリ」という単位で整理されており、カテゴリごとに対象業種や省力化効果の考え方が定められています。製品は随時追加されており、2026年10月1日にもリネン類前捌き装置や非電動アシストスーツなど6製品が新たに登録されました。

製品カテゴリの例

カテゴリ主な対象業種製品例
清掃ロボット宿泊業・小売業・サービス業など自律走行型床清掃ロボット
配膳ロボット飲食業配膳・下げ膳ロボット
自動チェックイン機宿泊業セルフチェックイン端末
券売機飲食業セルフ注文券売機
自動精算機飲食業・小売業セルフレジ・自動釣銭機
無人搬送車製造業・物流業AGV・AMR
検品・仕分システム製造業・卸売業・物流業画像認識検品装置
自動倉庫製造業・卸売業・物流業自動ピッキングシステム
スチームコンベクションオーブン飲食業・宿泊業プログラム機能付き加熱調理機

※上記は一部の例です。登録カテゴリ・製品は随時更新されるため、申請前に必ず公式カタログで最新の状態を確認してください。

カタログの探し方

製品カタログは「カテゴリから探す」「業種から探す」の2通りで検索できます。導入したい製品の種類が決まっている場合はカテゴリ検索、自社の業種で使える製品を知りたい場合は業種検索が便利です。各製品のページには、補助上限額、対応する販売事業者、省力化効果の説明が掲載されています。

また、製品を取り扱う販売事業者は「販売事業者検索」ページからも探せます。すでに取引のある販売店が登録されているかを確認したい場合は、こちらを利用してください。

製品カタログを確認する

業種別のおすすめ製品や活用例は、以下の記事にまとめています。

【2026年最新】省力化投資補助金のおすすめ製品は?業種別ランキングと選び方をわかりやすく解説

申請の流れと必要書類

申請から補助金受領までの7ステップ

カタログ注文型は、製品を扱う販売事業者と共同で申請を進めます。

ステップ内容
①GビズIDプライムの取得電子申請に必要です。発行まで2週間程度かかるため、最初に手続きします
②製品・販売事業者の選定製品カタログから導入する製品と、取り扱う販売事業者を選びます
③事業計画の作成販売事業者と相談しながら、導入製品の使い方、期待される省力化効果、捻出できる時間・人員の使い道、労働生産性の計画値をまとめた事業計画を作成します。申請時にはこれらを申請システムに入力し、指定様式の「省力化効果判定シート」も提出します
④交付申請(電子申請)販売事業者と共同で、申請システムから交付申請を行います
⑤審査・採択通知・交付決定要件の確認と審査を経て、採択通知と交付決定を受けます。一般型のように採択後に改めて交付申請を行う手続きはありません
⑥製品の導入・実績報告交付決定後に発注・契約し、12か月以内に導入を完了して実績報告を提出します。報告内容に基づき補助額が確定し、補助金が支払われます
⑦効果報告補助事業終了後3年間、毎年度、労働生産性や賃上げの達成状況を報告します

交付決定を受けても、補助金の全額が支払われるとは限りません。実績報告の内容に基づいて補助額が確定します。

合わせて読みたい:GビズIDとは?補助金申請などの際に必要となる種類や具体的な取得フローなどを解説

GビズIDとは?補助金申請などの際に必要となる種類や具体的な取得フローなどを解説

ファイナンス・リースで導入する場合

製品をファイナンス・リースで導入する場合は、公益社団法人リース事業協会の確認を受けた「対象リース会社」を含めた3者で共同申請します。補助金は対象リース会社に支払われ、中小企業はリース料の減額という形で補助の還元を受けます。この場合、導入経費は補助対象外になる点に注意してください。

主な必要書類

・履歴事項全部証明書(法人)、または確定申告書等(個人事業主)
・直近の決算書
・従業員名簿
・人手不足の状態を示す書類(残業時間や離職の状況がわかる資料、求人票など)
・大幅賃上げ特例を利用する場合:賃上げ計画の表明書
・2回目以降の申請の場合:補助事業を実施する事業場の全従業員分の賃金台帳(2026年10月改訂で範囲が明記)

申請内容に不備がある場合は差し戻されます。差し戻しから180日以内に再提出しなければ申請は無効となるため、販売事業者と連携して早めに対応してください。

採択率はどのくらい?公表データで見る推移

カタログ注文型は随時公募で公募回ごとの締切がないため、一般型のような「採択率」は公表されていません。交付申請数と交付決定数はそれぞれ「その期間中に受け付けた件数」「その期間中に交付決定を行った件数」として集計されており、同じ案件を対応させた数字ではないため、両者の比率から通過率を読み取ることもできません。

その代わりに中小機構は「交付申請数及び交付決定数の推移」を公表しており、制度がどのくらい利用されているかを把握できます。2026年9月7日更新のデータでは、直近の推移は次のとおりです。

期間交付申請数交付決定数
2026年1〜2月約700件約650件
2026年3〜4月約1,140件約650件
2026年5〜6月約1,310件約1,110件
2026年7〜8月約1,360件約1,360件

※中小機構「公募結果」のグラフからの読み取り値(概数)

注目したいのが申請数の伸びです。2026年1〜2月に約700件だった交付申請数は、3月19日の制度改定(小規模事業者の上限引き上げ)を経て3〜4月に約1,140件、7〜8月には約1,360件と、2か月あたりの件数がほぼ2倍に増えています。制度改定によって、小規模な事業者の利用が大きく広がったことがうかがえます。2024年7月の受付開始からの累計では、交付申請数が約7,650件、交付決定数が約5,850件に達しています。

審査で見られるポイント

カタログ注文型は、公募要領の要件を満たしているかの確認に加えて、次の点が総合的に判断されます。

・省力化効果が合理的に説明されており、労働生産性の大きな向上が見込めること。単なる工数削減にとどまらず、新事業や高付加価値業務へのシフトなどの付加価値が期待できること
・大幅賃上げを含め、賃上げに積極的に取り組んでいること

一般型のような相対評価の競争審査ではありませんが、要件の確認漏れや書類不備があると差し戻しの対象になります。販売事業者と事前に要件を確認しながら進めることが、スムーズな交付決定への近道です。

申請・導入時の注意点

交付決定前の発注・契約は補助対象外

交付決定通知を受ける前に発注・契約・支出した費用は、補助対象になりません。カタログ注文型は審査を経て採択通知と交付決定を受ける仕組みですが、「申請した」「販売事業者と話が進んでいる」という段階で発注してしまうケースには注意が必要です。必ず交付決定通知書を確認してから発注してください。

導入日から1年間は譲渡・交換・貸付ができない

2026年10月の改訂で、導入した製品を導入日から1年間、譲渡・交換・貸付してはならないことが明記されました。これは補助金適正化法に基づく財産処分制限(法定耐用年数の期間中、処分には承認が必要)とは別に適用されるルールです。

賃上げ目標が未達なら減額・返還の可能性がある

大幅賃上げ特例を利用して補助上限額を引き上げた場合、目標未達なら特例適用前の上限額まで減額されます。「上限を引き上げたいから高い目標を書く」のではなく、達成できる見込みのある計画を立てることが大切です。

1回の申請で複数種類の製品は申請できない

1回の交付申請で申請できるのは1種類の製品です。複数の製品を導入したい場合は、1回目の補助事業を完了し、2回目以降の要件を満たしたうえで改めて申請します。

「その他」の人手不足要件は審査が長引く

人手不足要件で「その他、省力化を推し進める必要性に迫られている」を選ぶと、個別確認が必要になり審査に時間がかかります。残業時間・離職率・求人未充足のいずれかで示せる場合は、そちらを選ぶのが確実です。

一般型との違いと選び方

中小企業省力化投資補助金には、カタログ注文型のほかに一般型があります。主な違いは次のとおりです。

項目カタログ注文型一般型
製品の選び方製品カタログから選ぶ現場に合わせて自由に選定
事業計画販売事業者と作成(申請システムに入力)詳細な事業計画書を作成・提出
申請方法販売事業者と共同申請事業者が単独で申請
補助上限額最大1,500万円最大1億円
補助率1/2以下1/2(小規模事業者等は2/3)
労働生産性の目標年平均3.0%以上年平均4.0%以上
公募方式随時年3〜4回の期間公募
審査要件確認が中心。採択後の交付申請手続きなし書面審査+口頭審査。採択後に交付申請

導入したい製品がカタログに登録されており、それを単品でそのまま導入するのであれば、申請区分はカタログ注文型です。カタログ掲載製品を一般型で申請することは原則できません。一方、カタログにない設備を導入する場合や、複数の設備を組み合わせてシステム化する場合、投資額が1,500万円を大きく超える場合は一般型を検討します。

一般型の第9回公募は2026年11月上旬に開始される予定です。詳しい比較と選択フローは以下の記事をご覧ください。

省力化投資補助金「一般型」vs「カタログ注文型」どちらを選ぶべき?違いと選び方をわかりやすく比較解説

省力化投資補助金 一般型とは?最大1億円・対象・補助上限・申請の流れ【2026年最新】

カタログ注文型に関するよくある質問

「カタログ型補助金」「カタログ補助金」と同じもの?

同じ制度です。正式名称は「中小企業省力化投資補助事業(カタログ注文型)」で、「カタログ型」「カタログ補助金」は通称です。省エネ設備を対象とする別の補助金と混同しないよう注意してください。

いつまで申請できる?

2027年3月末頃まで随時受付の予定です。ただし予算の消化状況によって早期に終了する可能性があるため、導入計画が固まったら早めに申請することをおすすめします。

農業や漁業でも使える?

2026年10月20日の公募要領改訂で、1次産業(農業・林業・漁業)を対象外とする規定が削除されました。ただし、1次産業向けの製品カテゴリは必要性が認められた場合に開設されるもので、導入したい製品がカタログに登録されていることが前提です。農林水産省の補助金で設備投資の交付決定を受けている場合は、一定期間申請できない点にも注意してください。

個人事業主でも申請できる?

日本国内で事業を営む個人事業主も対象です。業種別の規模要件、人手不足要件、GビズIDプライムの取得などは法人と同様に必要です。

50万円未満の製品でも対象になる?

製品本体価格は原則1件あたり単価50万円以上が要件ですが、2026年10月の改訂で一部カテゴリの製品は例外とされました。該当するかは製品カタログで確認してください。なお、補助額が25万円未満の申請を不可とする規定は撤廃されています。

リースで導入する場合も補助を受けられる?

ファイナンス・リースであれば、リース事業協会の確認を受けた対象リース会社と共同で申請できます。補助金はリース会社に支払われ、リース料の減額として還元されます。導入経費は対象外になります。

2回目の申請はできる?

可能です。累計補助上限額(各申請時点の上限額×2)から過去の交付額を差し引いた範囲内で申請できます。ただし、前回の補助金支払いが完了していること、前回事業の省力化効果を報告すること、労働生産性の目標を4.0%以上とすること、前回申請時から事業場内最低賃金を3.5%以上(経過年数に応じて上乗せ)引き上げていることが条件です。

採択率はどのくらい?

公式には公表されていません。随時公募で公募回ごとの締切がないため、一般型のような採択率は算出されていません。中小機構が公表しているのは期間ごとの交付申請数と交付決定数の推移で、2026年7〜8月はいずれも約1,360件でした。

申請から交付決定までどのくらいかかる?

公式には期間が示されていません。随時審査のため一般型より短期間で進む傾向がありますが、書類不備による差し戻しがあると長引きます。人手不足要件で「その他」を選んだ場合も審査に時間がかかります。


まとめ

中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型は、製品カタログから製品を選び、販売事業者と共同で申請するだけで、従業員規模に応じて最大1,500万円の補助を受けられる制度です。一般型のような詳細な事業計画書は求められず、随時申請でき、採択後の交付申請手続きもないため、補助金申請に不慣れな事業者でも取り組みやすいのが最大の特長です。

2026年10月20日の公募要領改訂では、農林漁業が対象に加わり(対象製品がカタログに登録されていることが前提)、補助額の下限が撤廃されるなど、対象がさらに広がりました。一方で、導入日から1年間の譲渡禁止や差し戻し後180日ルールなど、守るべきルールも整理されています。

【本記事のポイント】
・補助上限:従業員5人以下500万円/6〜20人750万円/21人以上1,000万円(大幅賃上げ時は750万円/1,000万円/1,500万円)
・補助率:1/2以下。製品ごとの登録上限額あり
・要件:労働生産性 年平均3.0%以上向上、最低賃金の遵守、人手不足の状態にあること。販売事業者と事業計画を作成して申請
・受付:2027年3月末頃まで随時
・申請状況:2026年7〜8月の交付申請数は約1,360件。3月の制度改定後、申請数は約2倍に増加
・10月改訂:農林漁業が対象に、補助額下限撤廃、1年間の譲渡禁止、差し戻し180日ルール

申請受付は2027年3月末頃までですが、予算に達した時点で終了する可能性があります。導入したい製品がカタログにあるかを確認し、GビズIDプライムの取得と販売事業者への相談から早めに動き出しましょう。

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